JPH0798384B2 - 熱可塑性樹脂フイルム積層物 - Google Patents

熱可塑性樹脂フイルム積層物

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JPH0798384B2
JPH0798384B2 JP62089137A JP8913787A JPH0798384B2 JP H0798384 B2 JPH0798384 B2 JP H0798384B2 JP 62089137 A JP62089137 A JP 62089137A JP 8913787 A JP8913787 A JP 8913787A JP H0798384 B2 JPH0798384 B2 JP H0798384B2
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polyester
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は透明性および帯電防止性、特に低湿度下での帯
電防止性に優れ、易滑性、易接着性も良好な熱可塑性樹
脂フイルム積層物に関するものである。
(従来の技術) 周知の如く熱可塑性樹脂フイルム、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン等、特にポリエステル
フイルムとりわけポリエチレンテレフタレートフイルム
は高度の結晶性、すぐれた透明光沢性、力学的性質、耐
薬品性、耐熱性等を有することから、広範囲な用途に年
々急速に使用されている。
しかし、一般のポリエステルフイルムは高度の電気絶縁
性を有しているため、静電気の発生、蓄積を生じやす
く、静電気障害による種々のトラブルを惹起するという
欠点を有している。例えば、製膜工程や印刷、接着、製
袋、包装、その他2次加工工程等において、ロールへの
巻きつき、人体への電気ショック、取扱い困難のような
作業能率の低下や、印刷ヒゲの発生、フイルム表面の汚
れなど商品価値の低下をもたらす原因となる。このよう
な静電気障害防止法として一般に帯電防止剤を樹脂中に
練込み製膜する方法とフイルム表面に帯電防止剤を塗布
する方法とがある。ポリエステルフイルムに関しては、
このいわゆる練込型帯電防止処理法がフイルム内部より
帯電防止剤が表面ににじみ出ることによって帯電防止効
果を発揮するのに対して、ポリエステル樹脂の高い2次
転移温度の為にフイルム製膜後、常温付近の温度では帯
電防止剤のフイルムへのしみ出しが行われず、一方、製
膜温度条件が高いことやポリエステル自体のもつ極性基
の高い反応性のために帯電防止剤の配合によって製膜時
に重合体の劣化を生じたり、着色及び物理的性質の低下
をもたらすなどの問題があり、困難であった。特に2軸
延伸したポリエステルフィルムの場合、延伸工程でフイ
ルム表面上にある帯電防止剤が逃散消失するため全く帯
電防止効果を示さなくなる場合が多く、さらに帯電防止
剤のうちの多くはポリエステルフイルムの配合によって
フイルムの透明性を極度に低下させるものであり、実用
に供し難い。又フイルム表面に帯電防止剤を塗布する通
常の方法はそれだけ余分な加工工程が必要であり、経済
的に不利である。更にまた高湿度下では帯電防止性を付
与する帯電防止剤は従来から種々あるが、低湿度下でも
帯電防止性を付与できる様な帯電防止剤は従来見出され
ていなかった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは前記従来技術における問題点、即ちフイル
ム成膜時により与えられる熱にも帯電防止剤が逃散消失
せず、透明性が悪化せず、帯電防止性、特に低湿度下で
の帯電防止性に優れ、易滑性、易接着性も良好な熱可塑
性樹脂フイルム積層物を提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち本発明は(A)全ジカルボン酸成分に0.5〜15
モル%のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有す
る混合ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成さ
れた水不溶性ポリエステル共重合体および(B)分子中
にスルホン酸金属塩基を2個以上有する下記(1)式で
示される化合物を(B)/(A)=100/10000〜100/50
重量割合に配合されたポリエステル樹脂組成物が少なく
とも片面に積層されてなる熱可塑性樹脂フイルム積層物
である。
(ただし式中Rは炭素数が6〜22のアルキル基、R1は水
素原子又は炭素数が6〜22のアルキル基、m、nは1≦
m≦4、1≦n≦5の整数であり、X、Yは水素原子、
ハロゲン原子のいずれかを表わす。
−Z−は−O−、 −SO2−、−S−のいずれかを表わす。
Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。) かかる上記(1)式の構造を有するところの分子中にス
ルホン酸金属塩基を2個以上有する化合物の場合はイオ
ン解離数において、従来からある1分子中に1個だけス
ルホン酸金属塩基を有する化合物と等モルで比較すると
高く、このイオン解離数の差が帯電防止性効果の差とし
てあらわれる。
かかる分子中にスルホン酸金属塩基を2個以上有する化
合物としてはたとえばラウリルジフェニルエーテルジス
ルホネート、ジラウリルジフェニルエーテルジスルホネ
ート、ステアリルジフェニルエーテルジスルホネート、
ジステアリルジフェニルエーテルジスルホネート、デフ
ェニルジフェニルエーテルジスルホネート、ジデフェニ
ルジフェニルエーテルジスルホネート等があげられる。
(B)と(A)の重量割合は(B)/(A)=100/1000
0〜100/50であるがより好ましくは100/1000〜100/100で
ある。
(B)/(A)が100/10000未満であると帯電防止性の
効果がなく、又100/50をこえるとフイルムヘイズが高く
なりブロッキングが生じるなどの問題が発生する。
さらにこの分子中にスルホン酸金属塩基を2個以上有す
る化合物(B)に無機塩(C)を(B)/(C)=100/
10〜100/10000重量割合に配合した帯電防止剤または/
および保水性有機化合物(D)を(B)/(D)=100/
10〜100/10000重量割合に配合して作った帯電防止剤を
使用する事により積層物表面の水分率が高くなり、
(C)または/および(D)の相乗効果により積層物表
面の水分率が高くなり、(C)または/および(D)の
相乗効果により低湿度下での帯電防止性がより向上す
る。
ここで用いられる無機塩とはチオシアン酸塩、燐酸塩お
よび周期律表II〜IVのアルカリ金属、アルカリ土類金属
のハロゲン化物等がある。
チオシアン酸塩の例としてはチオシアン酸のアンモニウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシ
ウム塩、鉄塩、バリウム塩、マグネシウム塩が、燐酸塩
の例としてはリン酸一ナトリウム、リン酸三アンモニウ
ム、リン酸二カリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン
酸ナトリウム、次亜リン酸アンモニウム、リン酸アルミ
ニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カリウム、ピ
ロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、トリ
ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムなど
が、周期律表II〜IVのアルカリ金属、アルカリ土類金属
のハロゲン化物としてはフッ化ナトリウム、フッ化カリ
ウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化塩
が挙げられるがこれらに限定されるものでない。
また、保水性有機化合物(D)とはグリセリン誘導体や
ポリオキシアルキレングリコール等である。グリセリン
誘導体としてたとえばポリグリセリンモノステアレート
(m=1〜5)、ポリグリセリンモノウラレート、ポリ
グリセリンモノデフニレート等があげられる。またポリ
オキシアルキレングリコールとしてはたとえばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール
等が挙げられる。これらの保水性有機化合物は空気中に
ある水分子をひきこんで保持する事によって帯電防止性
向上効果を有する。
本発明のポリエステル共重合体(A)は全ジカルボン酸
成分に0.5〜15モル%のスルホン酸金属塩基含有ジカル
ボン酸を含有する混合ジカルボン酸成分とグリコール成
分とを反応させて得られた実質的に水不溶性のポリエス
テル共重合体である。実質的に水不溶性とは、ポリエス
テル共重合体を80℃の熱水中で撹拌しても熱水中にポリ
エステル共重合体が消散しないことを意味し、具体的に
はポリエステル共重合体を過剰の80℃熱水中で24時間撹
拌処理した後のポリエステル共重合体の重量減少が5重
量%以下のものである。
上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸としては、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフエノキシ〕イソフタル酸等の金
属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸であ
る。これらのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分
は、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜15モル%であ
り、15モル%を越えるとポリエステル共重合体の耐水性
が著しく低下し、また0.5モル%未満では不活性粒子に
対する分散性が著しく低下する。
スルホン酸金属塩基を含まないジカルボン酸としては、
芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸が使用できる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
等をあげることができる。これらの芳香族ジカルボン酸
は全ジカルボン酸成分の40モル%以上であることが好ま
しい。40モル%未満ではポリエステル共重合体の機械的
強度や耐水性が低下する。脂肪族および脂環族のジカル
ボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげられる。
これらの非芳香族ジカルボン酸成分を加えると、場合に
よっては接着性能が高められるが、一般的にはポリエス
テル共重合体の機械的強度や耐水性を低下させる。
上記混合ジカルボン酸と反応させるグリコール成分とし
ては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは炭素数
6〜12個の脂環族グリコールであり、具体的には、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール,p−キシリレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コールなどである。またポリエーテルとして、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどがあげられる。
ポリエステル共重合体(A)は、通常の溶融重縮合によ
って得られる。すなわち上記のジカルボン酸成分および
グリコール成分を直接反応させて水を留去しエステル化
したのち、重縮合を行なう直接エステル化法、あるいは
上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール
成分を反応させてメチルアルコールを留出しエステル交
換を行なわせたのち重縮合を行なうエステル交換法など
によって得られる。その他、溶融重縮合、界面重縮合な
ども使用され、この発明のポリエステル共重合体は重縮
合の方法によって限定されるものではない。
前記ポリエステル共重合体(A)と分子中にスルホン酸
金属塩基を2個以上有する化合物(B)を含有するポリ
エステル樹脂組成物をフイルムに積層する場合、該ポリ
エステル樹脂組成物とフイルム用原料樹脂とを押出機の
別々の押出口から同時に共押出しする方法や該ポリエス
テル樹脂組成物の溶融シートをフイルムの上に押出し積
層する方法、該ポリエステル樹脂組成物の水系分散液を
フイルムにコーティングする方法等があり、いずれを採
用してもよいが、該ポリエステル樹脂組成物の水系分散
液をコーティングする方法が薄膜をフイルム上に形成さ
せる事が出来、易滑、透明性の点でより好ましい。
−ポリエステル共重合体の水系分散液− 上記のポリエステル共重合体の水系分散液を得るには、
水溶性有機化合物とともに水に分散することが必要であ
る。例えば、上記のポリエステル共重合体と水溶性有機
化合物とを50〜200℃であらかじめ混合し、この混合物
に水を加え撹拌して分散する方法、あるいは逆に、混合
物を水に加え撹拌して分散する方法、あるいはポリエス
テル共重合体と水溶性有機化合物と水とを共存させて40
〜120℃で撹拌する方法がある。
上記水溶性有機化合物は、20℃で1の水に対する溶解
度が20g以上の有機化合物であり、具体的に脂肪族およ
び脂環族のアルコール、エーテル、エステル、ケトン化
合物であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール等の1価アルコール類、エチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチル
セロソルブ等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル
類、メチルエチルケトン等のケトン類である。これら水
溶性有機化合物は、単独または2種以上を併用すること
ができる。上記化合物のうち、水への分散性、フイルム
への塗布性からみて、ブチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブが好適である。
上記の(A)ポリエステル共重合体、(E)水溶性有機
化合物および(F)水の配合重量割合は (A)/(E)=100/20〜100/5000 (E)/(F)=100/50〜1.00/10000 を満足することが重要である。ポリエステル共重合体に
対して水溶性有機化合物が少なく(A)/(E)が100/
20を越える場合は、水系分散液中の分散性が低下する。
この場合、界面活性剤を添加することによって、分散性
を補助することができるが、界面活性剤の量が多過ぎる
と接着性、耐水性が低下する。逆に(A)/(E)が10
0/5000未満の場合、または(E)/(F)が100/50を越
える場合は、水系分散液中の水溶性有機化合物量が多く
なりインラインコート時の溶剤による爆発の危険性が生
じ、このために防爆対策を構ずる必要がありさらに環境
汚染、コスト高となるので化合物回収を考慮する必要が
ある。
(E)/(F)が100/10000未満の場合は、水系分散液
の表面張力が大きくなり、フイルムへの濡れ性が低下
し、塗布斑を生じ易くなる。この場合、界面活性剤の添
加によって濡れ性を改良することができるが、界面活性
剤の量が多過ぎると上記したと同様に接着性や耐水性が
低下する。
更に、この分散液に分子中にスルホン酸金属塩基を2個
以上有する化合物(B)を (B)/(A)=100/10000〜100/50重量割合の範囲内
で加える。
更に、熱可塑性樹脂フイルム積層物のポリエステル樹脂
組成物層の滑り性を良くするためには上記分散液に無機
粒子や有機粒子等の不活性粒子を添加する事が好ましい
が、この分散液に添加する(G)不活性粒子としては、
胡粉、チョーク、重質炭カル、軽微性炭カル、極微細炭
カル、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、特殊炭酸
カルシウム、カオリン、焼成クレー、バイロフィライ
ト、ベントナイト、セリサライト、ゼオライト、ネフェ
リン、シナイト、タルク、アタバルジャナイト、合成珪
酸アルミ、合成珪酸カルシウム、珪藻土、珪石粉、含有
微粉珪酸、無水微粉珪酸、水酸化アルミニウム、バライ
ト、沈降硫酸バリウム、天然石膏、石膏、亜硫酸カルシ
ウムなどの無機系やベンゾグアナミン樹脂架橋体などの
有機系のものなどがあり、透明性と滑り性との関連でど
れを用いてもよいが、特に好ましいのは珪酸の天然及び
合成品である。粒径は0.01μ〜10μのものを用いるのが
好ましい。0.01μ以下の粒径のものでは、多量に用いな
ければならず、10μ以上では粗大突起が生じ逆にすべり
性は悪くなる。
(A)に対して(G)の用いる量は(A)/(G)=10
0000/0.5〜100000/300の割合が良く、好ましくは(A)
/(G)=1000/20〜1000/100である。
また必要に応じて潤滑剤、架橋剤、酸化防止剤、着色剤
その他、他の添加剤を併用してもよい。
このようにして得られるポリエステル樹脂組成物の水系
分散液をポリエステルフイルムにコート法で塗布するの
は、ポリエステルフイルムが溶融押出された未延伸フイ
ルム、あるいは一軸延伸フイルム又は二軸延伸フイルム
のいずれでもよいが、二軸延伸フイルムに塗布するのは
フイルムが広巾になっており、かつフイルムの走行速度
が速くなっているため均一に塗布しにくく、更に前二者
がコート剤の密着性、耐久性などの点でより好ましい。
ポリエステルフイルムにコート法で塗布される水系分散
液の塗布量は、二軸延伸後のフイルム上に存在する量と
してポリエステル共重合体として0.01〜5g/m2である。
塗布量が0.01g/m2未満の場合は不活性粒子などを固着す
る力が弱くなり耐久性が悪くなる。5.0g/m2以上塗布す
ると逆にすべり性が悪くなる。
以上述べた方法で得られるポリエステルフイルムは透明
性、易滑性、帯電防止性、易接着性にすぐれている。
また、上記ポリエステル樹脂組成物の水系分散液を塗布
する前に、ポリエステルフイルムにコロナ放電処理を施
すことによって、水系分散液の塗布性がよくなり、かつ
ポリエステルフイルムとポリエステル樹脂組成物塗膜と
の間の接着強度が改善される。
またコート後あるいは二軸延伸後のポリエステル共重合
体層に、コロナ放電処理、窒素雰囲気下でのコロナ放電
処理、紫外線照射処理などを施すことによってフイルム
表面の濡れ性や接着性を向上させることができる。
また本発明においては、熱可塑性樹脂フイルムとしてポ
リエステルフイルム、とりわけポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを使用する場合には積層及び製膜工程等で
発生したフイルム屑を回収、再利用出来るので好まし
い。
上記の方法によって製造されたコーティングポリエステ
ルフイルムは、磁気テープ用ベースフイルム、ラヘルス
テッカー用ベースフイルム、ケミカルマット用ベースフ
イルム、オーバヘッドプロジェクタ用フイルム、食品包
装用フイルム、その他の用途に使用することが出来る。
(実施例) 以下にこの発明の実施例を説明するが本発明はこれに限
定されるものではない。実施例中、部、%は重量基準を
示す。また評価基準は下記に基づいて判定した。
(1)帯電防止性 帯電防止性としてはコーティングフイルムの表面抵抗器
(タケダ理研社製固有抵抗測定器)により印加電圧500
V、23℃、40%RH、および65%RHの条件で測定した。
(2)ヘイズ ヘイズはJIS K 6714に準じ日本精密光学社製ヘーズメー
ターを用いて測定した。
実施例1 (1)ポリエチレンテレフタレートの製造 エチレングリコール200ml中に水酸化鉛pbO・pb(OH)
22.2g(pb0.95×10-2モル)を溶解し、この溶液にGeO
22.0g(1.9×10-2モル)を添加して197℃のエチレング
リコールの沸点で還流加熱すると約30分で透明な溶液が
得られた。次にこの溶液を重縮合触媒とするポリエチレ
ンテレフタレートの製造を行った。ジメチルテレフタレ
ート620部、エチレングリコール480部、エステル交換触
媒として酢酸亜鉛Zn(oAc)・2H2O 0.036部をエステ
ル交換反応器にとり、エステル交換反応は150℃より230
℃に徐々に昇温しつつ行ない、120分を要してメタノー
ルの溜出を終った。次いで内容物を重縮合装置に移し、
重縮合触媒として上記触媒溶液2.7部を加え徐々に昇温
すると共に減圧し、1時間を要して280℃として0.5mmHg
の高減圧下の重縮合反応を25分間行なって得られたポリ
マーは極限粘度0.63、融点262℃であった。
(2)ポリエステル共重合体の水系分散液の製造 ジメチルテレフタレート117部(49モル%)、ジメチル
イソフタレート117部(49モル%)、エチレングリコー
ル(EGと略称する)103部(50モル%)、ジエチレング
リコール(DEGと略称する)58部(50モル%)、酢酸亜
鉛0.08部、三酸化アンチモン0.08部を反応容器中で40〜
220℃に昇温させて3時間エステル交換反応させ、次い
で5−ナトリウムスルホイソフタル酸(NSIと略称す
る)9部(2モル%)を添加して220〜260℃、1時間エ
ステル化反応させ、更に減圧下(10〜0.2mmHg)で2時
間重縮合反応を行ない、平均分子量18000、軟化点140℃
のポリエステル共重合体を得た。このポリエステル共重
合体300部とn−ブチルセロソルブ140部とを容器中で15
0〜170℃、約3時間撹拌して、均一にして粘稠な溶融液
を得、この溶融液に水560部を徐々に添加し約1時間後
に均一な淡白色の固形分濃度30%の水分酸液を得、これ
に更に平均粒径2.5μmのシリカ粒子、およびポリエス
テル共重合体に対して10重量%のラウリルジフエニルエ
ーテルジスルホネートを加え、更に水4500部、エチルア
ルコール4500部を加えて希釈し、固形分濃度3%の塗布
液を得た。この液を40℃で48時間放置し次の工程に供し
た。
(3)コートフイルムの構造 (1)で製造したポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃で溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ10
00ミクロンの未延伸フイルムを得、この未延伸フイルム
を周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍
延伸し、前記の塗布液をエアナイフ方式で塗布し、70℃
の熱風で乾燥し、次いでテンターで98℃で横方向に3.5
倍延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ100ミクロ
ンの二軸延伸コーテイングポリエステルフイルムを得
た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。第1表から
分る様に得られたフイルムは透明で高湿度下、低湿度下
共に帯電防止性が良好である。
実施例2 上記実施例1において、ポリエステル共重合体の分散液
に更に次亜リン酸ナトリウムを第1表に示す割合添加し
た以外は実施例1と同様にして二軸延伸フイルムを得
た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。第1表から
分る様に得られたフイルムは透明で高湿度下、低湿度下
共に帯電防止性が良好である。
実施例3 上記実施例2において、ポリエステル共重合体の分散液
に更にPEG(#2000)を第1表に示す割合添加した以外
は実施例1と同様にして二軸延伸フイルムを得た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。第1表から
分る様に得られたフイルムは透明で高湿度下、低湿度下
共に帯電防止性が良好である。
比較例1〜2 実施例1において、帯電防止剤の添加割合を第1表のご
とく変更した以外は実施例1と同様にして二軸延伸フイ
ルムを得た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。第1表から
分る様に帯電防止剤の量が少なすぎると(比較例1)、
帯電防止性が悪く、多すぎると(比較例2)帯電防止性
は良好であるがヘイズが大きくなる。
比較例3 実施例1において帯電防止剤のラウリルジフェニルエー
テルジスルホネートのかわりにラウリルベンゼンスルホ
ネートを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸フ
イルムを得た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。第1表から
分る様に分子中にスルホン酸金属塩基を1個有する帯電
防止剤を用いた場合は低湿度下での帯電防止性が悪い。
比較例4 実施例3において帯電防止剤のラウリルジフェニルエー
テルジスルホネートのかわりにラウリルベンゼンスルホ
ネートを用いた以外は実施例1と同様にして二軸延伸フ
イルムを得た。
得られたフイルムの物性を第1表に示した。
第1表から分る様に得られたフイルムの低湿度下での帯
電防止性は悪かった。
(発明の効果) このように本発明によって得られたフイルム積層物は透
明性および帯電防止性、特に低湿度下での帯電防止性に
優れているという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧村 修 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 審査官 森田 ひとみ (56)参考文献 特開 昭60−141525(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)全ジカルボン酸成分に0.5〜15モル
    %のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有する混
    合ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成された
    水不溶性ポリエステル共重合体および (B)分子中にスルホン酸金属塩基を2個以上有する下
    記(1)式で示される化合物を(B)/(A)=100/10
    000〜100/50重量割合に配合されたポリエステル樹脂組
    成物が少なくとも片面に積層されてなる事を特徴とする
    熱可塑性樹脂フイルム積層物。 (ただし式中Rは炭素数が6〜22のアルキル基、R1は水
    素原子又は炭素数が6〜22のアルキル基、m、nは1≦
    m≦4、1≦n≦5の整数であり、X、Yは水素原子、
    ハロゲン原子のいずれかを表わす。 −Z−は−O−、 −SO2−、−S−のいずれかを表わす。 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。)
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