JP5445098B2 - 白色度に優れたカードとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気カード、ICカードなどのプラスチックカードに関し、たとえば、識別カード、外部端子付きICカード、磁気ストライプ付きクレジットカード、プリペイドカード、用途でいえば、運転免許証用カード、銀行カード、百貨店等の顧客認識カード、保険医療用カード等の個人識別カードまたは情報用カードや電子マネー用ICカード等の各種ICカード、電話用カード、乗物用カード、買物用カード等のプリペイドカード等のカードに関する。
より詳しくは、JIS X6301に規定されるID−1カードのうち、磁気ストライプ上に隠蔽層が形成されたいわゆるオーバープリントカードに関し、とくに白を基調としたデザインのカードやより明度の高さを求められるデザインのカード、部分的にでも磁気ストライプ上に白さを求められるデザインのカードに関するものである。
識別カード、外部端子付きICカード、磁気ストライプ付きクレジットカード、プリペイドカード等は、個人識別、情報読み書き、現金の出し入れ、現金代替等の機能をもつカードとして、携帯性、便利さ等の利点があることから普及している。
とくに、磁気ストライプ上に隠蔽層を形成し、磁気ストライプを見えなくすることにより意匠性を向上させたいわゆるオーバープリントカードは国内を中心に広く流通している。
しかしながら、これらのカードは、カードリーダーに挿入する際、カードケース等への出し入れする際、カード表面が他のものに接触して、カード表面に擦過傷が付き、印刷や表示等が見にくくなる場合があった。
とくに、オーバープリントカードは磁気出力の問題から磁気ストライプ上に形成することが可能な非磁性層の厚みに制約があるためにカード表面の意匠性を保護するのに必要な充分な非磁性層の強度を得ることが困難であった。
このために磁気ストライプ上に記録された情報を読み取る際に磁気ヘッドで磁気ストライプ領域を擦るために表面保護層の摩耗が発生し、連続して使用すると絵柄層、隠蔽層も摩耗により削られ、さらに摩耗が進むと磁気ストライプの磁気記録層が摩耗し、記録された情報を読み取れなくなる恐れがある。
カード表面のキズつきによってカード基材に施された印刷や表示が見えにくくなる問題に対しては、従来から対策としてカード表面にプラスチックの透明な表面保護層を設けることが行われてきた。
このようなオーバープリントカードカードに関する提案としては、特許文献3に提案されている、完成までに一般的に必要な2回のプレス工程(仮貼り)を1回にすることによって製造工程の簡略化とエネルギーの削減を図る目的で磁気記録層の表面に微細凹凸形状を設けた磁気隠蔽カード等々多くの提案がある。
また、特許文献4に提案されているように偽造防止の構成や転写による製造等の多くの試みがなされているが、透明保護層の工夫以外に隠蔽層の工夫によってカード表面のキズつきによってカード基材に施された印刷や表示が見えにくくなる問題を解決しようとする提案もなされている。
隠蔽層に関しては特許文献2に提案されているような、カード製造時における金属刃型の摩耗・破損やカードエッジのバリの発生を防ぐ目的で磁気隠蔽層中に酸化ポリオレフィンワックスを含有させた磁気カードが、アルミニウム粉末を用いた磁気隠蔽層の場合に、特に金属刃型の摩耗・破損の低減やバリの発生の防止という優れた効果が得られるとされている。
磁気隠蔽層に使用される隠蔽性顔料としてはアルミニウム粉末、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等が適宜使用されるが、中でもアルミニウム粉末が好適に用いられる。
磁気隠蔽層にアルミニウム粉末を含む構成のオーバープリントカードにおいて、感熱記録の安定化を目指した提案として以下のような内容が特許文献1に示されている。
すなわち、基材の片側の面に磁気記録層、隠蔽層、プライマー層、感熱記録層および表面保護層がこの順に積層され、プライマー層が二酸化チタンを含有するような構成において、 磁気記録層上に積層された隠蔽層の表面微小凹凸を吸収するために、この隠蔽層上に二酸化チタンを含有するプライマー層を設け、プライマー層を介して積層された感熱記録層の表面を平滑性の高いものとして、表面保護層を介してサーマルヘッドによる感熱記録層の印字が行われてもサーマルヘッドと感熱記録層との距離が変動することがなく印字適性が大幅に向上するようにすることが出来る。
この場合にはプライマー層に含まれる二酸化チタンが隠蔽層に含まれるアルミニウム粉に比べて非常に微小であるため隠蔽層の表面の凹凸を埋めることとなりプライマー層の表面は非常に平滑なものとなる。
オーバープリントカードの代表的な層構成を示す一例の断面略図を図3に示した。
プラスチックシートをコア基材(1)として、該コア基材の片面にオーバーシート(2)を積層して、表面側のオーバーシート(2)上に磁気テープ(3)を貼着し熱プレスにより両面を面一にしたカード基材(5)の表面側に、隠蔽層(4)、絵柄層(7)、表面保護層(8)をこの順序で設けて磁気ストライプを隠蔽したオーバープリントカードの層構成例である。
カード基材(5)の表面に設ける不透明な隠蔽層(4)の材料としては、隠蔽性と輝度観の観点から蒸着アルミニウム箔を粉砕した微粒子のアルミニウム粉末に樹脂をコーティングしたいわゆるノンリーフィングタイプの顔料を用いる。
ノンリーフィングタイプとはアルミニウム粉末表面が有機溶剤に不溶性の合成樹脂の薄膜によって被覆され塗膜中に一様に分散するタイプの顔料を指し、対してリーフィングタイプはアルミニウム粉末表面が脂肪酸によって被覆され塗膜の表面に配列するタイプの顔料を指す。
この場合のアルミニウム粉末の厚みは1.0〜2.0μmで平均粒径6.0〜8.0μmの範囲のものが通常用いられる。
このようなアルミニウム粉末を隠蔽層の材料として用いる利点は、比較的安価であること、流通量も多く入手しやすいことのほかに、必要に応じてアルミニウム粉末の形状やリーフィングタイプとノンリーフィングタイプのいずれかをその目的によって選択できることが挙げられる。
とくにノンリーフィングタイプを用いた場合には、アルミニウム粉末が塗膜中に一様に分散し、塗膜裏面のカード基材との密着および塗膜表面の絵柄インキ層との密着を阻害することが少ないのでリーフィングタイプを用いた場合に見られる塗膜層内もしくは相間の強度低下を防止することが出来る。
上記アルミニウム粉末を用いた場合の最大の問題点は、アルミニウムペーストの粒子形状のため、磁気ストライプが隠蔽される程度の厚みにすると灰色になり白色度が低くなることである。これは、図1のように上記アルミペーストはギザギザしたエッジとアンジュレーションを持っているので、樹脂中に分散したときに平行に配列する割合が少なくなり輝度観が落ちるためである。
最近のオーバープリントカードのデザインの傾向は、より白さを追求するもの、より明るいもの等、白色層の膜厚を厚くする必要のあるものが増えている。磁気ストライプ上に形成することの出来る非磁性層の膜厚は、磁気ストライプの性能により限られてしまうため、白色層と隠蔽層でいかに白くするかが求められる。
とくに、オーバープリントカードにおいては読取に必要な磁気出力の問題から、カードの磁気ストライプ上に形成することが可能な白色層や隠蔽層等の非磁性層の厚みに制約があるために従来の方法では表面の白色度という点でも充分なデザイン効果を得ることが難しかった。
特開平4−201396号公報 特開平10−138669号公報 特開2009−023126号公報 特開2003−154765号公報
本発明は、磁気ストライプを隠蔽する隠蔽層の上に白色層の印刷を施したオーバープリントカードにおいて隠蔽層の膜厚を厚くすることなく、白色度を向上させることの可能なオーバープリントカードを提供することを課題とするものである。
本発明者は、いわゆるオーバープリントカードにおいて磁気ストライプを隠蔽する銀色の隠蔽層に円板状の金属粉体を含有したインキを用いることによって、磁気ストライプの磁気特性を維持しながら白色層を印刷したときの白さを向上させたカードが得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、カード基材上に少なくとも磁気ストライプ、透明樹脂及び金属粉末からなる隠蔽層、白色層がこの順で積層された、磁気ストライプを隠蔽する隠蔽層の上に白色層の印刷を施した白を基調とするオーバープリントカードであって、隠蔽層に、表面が平滑な円板状であるアルミニウム粉体に透明の樹脂コートが施された、ノンリーフィングタイプで、平均粒子径が5.0〜6.0μmの範囲のアルミニウム粉体を含有した銀色インキを用い、前記透明樹脂は、ポリ酢酸ビニルとその共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなり、前記白色層における白色顔料の含有率は、20質量%から70質量%の範囲であることを特徴とするオーバープリントカードである。
請求項2に係る発明は、隠蔽層を含む磁気ストライプ上の非磁性層の合計の厚みを10μm未満とし、その中で隠蔽層の厚みを1.5〜2.0μmの範囲とすることを特徴とした請求項1に記載のオーバープリントカードである。
本発明の請求項1に示したオーバープリントカードは、磁気ストライプを隠蔽する銀色の隠蔽層に円板状の金属粉体を含有したインキを用いることによって、隠蔽層の膜厚を増加させることなく磁気ストライプの磁気特性を維持する膜厚の範囲内で、重ねて白色層を印刷したときの白さを向上させたオーバープリントカードとしたものである。
この効果を図面を参照しながら以下に説明する。図1に従来のカードのアルミニウム粉体を含む隠蔽層の断面模式図を、図2に本発明のカードのアルミニウム粉体を含む隠蔽層の断面模式図をそれぞれ示した。
図1に一部を示した従来のオーバープリントカードは、磁気テープ(3)を表面に埋め込んだカード基材(5)の上に設けられた隠蔽層(4)を模式的に示したものである。通常はさらに白色層、絵柄印刷層、表面保護層等が設けられるがこの図では省略してある。
隠蔽層(4)はアルミニウム粉体を含む透明樹脂層からなり、アルミニウム粉体は通常蒸着アルミニウム箔を粉砕した様々な形状の混在したものが含まれている。図1ではこれらのアルミニウム粉体を円板状のもの(6A)と周囲がギザギザした形状のもの(6B)の2種類に類型化して示してある。
図1では、隠蔽層に入射した光とアルミニウム粉体に当たって反射した光を矢印で示してある。図の左上から入射してアルミニウム粉体(6A)に当たって反射した光は図の実線矢印のように反射し、アルミニウム粉体(6B)に当たって反射した光は図の点線矢印のように反射する。
表面が平滑で円板状のアルミニウム粉体(6A)は隠蔽層(4)中で平行に配列する割合が多いのでそれに当たった光は全反射に近く反射して輝度感のある層となり、この上からさらに白色層を重ねた場合の明るさと白さを強調する。
これに対して、周囲がギザギザした形状のアルミニウム粉体(6B)は隠蔽層(4)中でランダムに配列し、表面凹凸も多いのでそれに当たった光は乱反射して輝度感は薄くなり、この上からさらに白色層を重ねた場合の明るさと白さはアルミニウム粉体(6A)の場合に比べて減少する。
図2に示した本発明のオーバープリントカードでは、隠蔽層に、円形に近く表面が平滑な円板状であるアルミニウム粉体に透明の樹脂コートが施された、ノンリーフィングタイプで、平均粒子径が5.0〜6.0μmのアルミニウム粉体を含有した銀色インキを用いている。
隠蔽層に円形に近く表面が平滑な円板状であるアルミニウム粉体に透明の樹脂コートが施された、ノンリーフィングタイプで平均粒子径が5.0〜6.0μmのアルミニウム粉体(6A)を用いたことによって、図の左上から入射してアルミニウム粉体(6A)に当たって反射した光は図の実線矢印のように全反射に近く反射して輝度感のある層となり、この上からさらに白色層を重ねた場合の明るさと白さを強調することが可能となった。
さらに、隠蔽層を含む磁気ストライプ上の非磁性層の合計の厚みを10μm未満とし、その中で隠蔽層の厚みを1.5〜2.0μmとしたオーバープリントカードであるから、隠蔽層の膜厚を増加させることなく磁気ストライプの磁気特性を維持する膜厚の範囲内で、重ねて白色層を印刷したときの白さを向上させることが可能になった。
従来のカードのアルミニウム粉体を含む隠蔽層の断面模式図 本発明のカードのアルミニウム粉体を含む隠蔽層の断面模式図 オーバープリントカードの層構成を示す一例の断面略図 オーバープリントカードの製造工程の一例
以下、本発明のオーバープリントカードの実施形態の例を図面を参照して説明する。
図3は、本発明のオーバープリントカードの層構成を示す断面模式図である。図4は、本発明のオーバープリントカードの製造工程の一例を示す概要図である。説明は図4の工程に沿って行うが本発明のオーバープリントカードに特徴的な事柄を重点に行い一般的な事柄は適宜省略した。
図3に示した本発明のオーバープリントカードは、コア基材(1)となる白色または無色のプラスチックシートの片面にオーバーシート(図示せず)のプラスチックフィルムを積層して、表面側のプラスチックフィルム上に磁気テープ(3)を貼着し熱プレスにより両面を面一にしたカード基材(5)の表面側に、隠蔽層(4)、白色層(7)、絵柄層(8)、表面保護層(9)を順次積層して構成されている。オーバーシートは片面のみならず必要に応じてコア基材(1)の両面に設けることも出来る。
白色または無色のコア基材(1)の表面および必要に応じて裏面に白色または無色のオーバーシート(2)を貼り合せ、熱成形により1枚の板状のカード基材(5)を作成する。コア基材(1)とオーバーシート(2)の間に絵柄層(図示せず)が形成されている場合には、無色のコアシートを用いることによって表面側から絵柄が見えるようにすることも出来る。
磁気テープ(3)をオーバーシート(2)上にあらかじめ接着配置した後に熱成形を行うことで、磁気ストライプ入りのカード基材(5)を作成することが出来る。
コア基材(1)とオーバーシート(2)との貼り合せは、接着剤を用いずに熱融着によって行っても良いし、接着剤を用いて行っても良い。
コア基材(1)とオーバーシート(2)との貼り合せに用いる接着剤としては一般的に用いられているものであれば特に制限はなく、ホットメルト系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリウレタン系やこれらの共重合体もしくはポリマーアロイ等が例としてあげられる。
コア基材(1)とオーバーシート(2)として用いられる材料としては、塩化ビニル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、テレフタル酸とシクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールとの共重合体樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸およびエチレングリコールとの共重合体樹脂、またはその共重合体とポリカーボネートおよび/またはポリアリレートとのポリマーアロイからなる非晶性ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、等が挙げられる。この他にもJIS X6301の規格を満たすものであれば使用することが出来る。
代表的には、エンボス加工により記号や文字などを立体的に刻印する適性等から硬質ポリ塩化ビニル樹脂またはポリエステル樹脂(PET−G)のシートが一般に用いられている。コア基材(1)の厚みは通常100〜700μm程度である。
つぎに、カード基材(5)に配置された磁気テープ(3)の上から銀色の隠蔽層(4)を形成する。
本発明のオーバープリントカードの銀色の隠蔽層(4)の材料となる銀色インキの成分としては、少なくとも、透明樹脂に金属粉体を添加したものを用いる。
透明樹脂としては酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、環化ゴム系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂、ポリ乳酸樹脂やそれらの共重合体等の熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂等の樹脂等を単独でもしくは2種以上併用して用いることが出来る。
この目的に用いる透明樹脂としては、相溶性やカード基材(5)との密着性の観点からポリ酢酸ビニルとその共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。
添加する金属粉末としては、比較的安価であること、流通量も多く入手しやすいことのほかに、必要に応じて粉末の形状やリーフィングタイプとノンリーフィングタイプのいずれかをその目的によって選択できることからアルミニウム粉末が好適に用いられる。
本発明のオーバープリントカードの隠蔽層に用いる銀色インキにおいては、ノンリーフィングタイプのアルミニウム粉末を用いることによって、アルミニウム粉末が塗膜中に一様に分散し、塗膜裏面のカード基材との密着および塗膜表面の白色インキ層との密着を阻害することが少ないので塗膜層内もしくは相間の強度低下を防止することが出来る。
このアルミニウム粉末は、たとえば蒸着アルミニウム箔を粉砕したベースアルミに透明のアクリル系モノマーの重合体樹脂をコートすることによって得られる平均粒径5.0〜6.0μmのノンリーフィングタイプのものを用いる。このベースアルミの形状を円形で表面が平滑な肉厚の円板状とすることで銀色インキ中に分散したときに塗膜に平行に配列するアルミニウム粉体の割合が従来よりも大きくなり輝度感の向上と上から重ねた白色層の白色感の向上が得られる。
添加するアルミニウム粉末の、含有率は10質量%から30質量%(被膜形成後)の範囲が好適であり、15質量%から25質量%(被膜形成後)の範囲がさらに適している。
含有率が10質量%未満では、隠蔽性が低下するために磁気テープ(3)を隠蔽することが出来ないので隠蔽層(4)の膜厚を厚くする必要があり、30質量%を超えるとインキ中におけるアルミニウム粉末の分散が均一にならない、カード基材に対するインキの密着性が低下する等の問題が発生しやすくなる。
隠蔽層(4)の形成は、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷方式を用いて直接行うことが出来る。印刷方式以外のコーティング方式でも可能であるが隠蔽層以外の複数の層形成を一連の工程で行うためには印刷方式が便利である。印刷は、カード基材に直接印刷する方法と転写フィルム等の中間媒体に印刷してその後に転写を行って形成する間接的な方法のどちらによっても可能である。また、転写による場合は隠蔽層のみ単独で行うことも出来、他の層や絵柄と合わせて行うことも出来る。
隠蔽層の被膜の厚みは1.0μmから2.5μmの範囲が好適であり、1.5μmから2.0μmの範囲がさらに適している。
カード基材(5)上に形成された銀色の隠蔽層(4)の上から必要に応じて白色層(7)を形成する。白色層(7)は銀色の隠蔽層(4)による磁気テープ(3)の隠蔽効果を補完すると同時に絵柄層の表現効果を高めるために設けられる。
本発明のオーバープリントカードの白色層(7)の材料としては塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の樹脂に白色顔料を添加したものを用いることが出来る。
樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、環化ゴム系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、セルロース系樹脂、ポリ乳酸樹脂やそれらの共重合体等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂等の樹脂等を単独でもしくは2種以上併用して用いることが出来る。
相溶性やカード基材との密着性の観点からは塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。
形成された白色層における白色顔料の含有率は20質量%から70質量%(被膜形成後)の範囲が好適であり、30質量%から60質量%(被膜形成後)の範囲がさらに適している。
含有率が20質量%未満では、隠蔽性が低下するために磁気テープ(3)を隠蔽することが出来ないので白色層(7)の膜厚を厚くする必要があり、70質量%を超えるとインキ中における顔料の分散が均一にならない、カード基材に対するインキの密着性が低下する等の問題が発生しやすくなる。また、白色層の白色度は形成された被膜中の酸化チタンの含有率が60質量%以上になると含有率を上げても白色度が向上しないことが知られている.
白色層(7)の形成は、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷方式を用いて直接行うことが出来る。印刷方式以外のコーティング方式でも可能であるが白色層以外の複数の層形成を一連の工程で行うためには印刷方式が便利である。
印刷は、カード基材に直接印刷する方法と転写フィルム等の中間媒体に印刷してその後に転写を行って形成する間接的な方法のどちらによっても可能である。また、転写による場合は白色層のみ単独で行うことも出来、他の層や絵柄と合わせて行うことも出来る。
白色層(7)の被膜の厚みは他の層の厚みとも関係するが、4.0μmから5.0μmの範囲が好適である。
絵柄層(8)はカードに必要な可視情報と装飾絵柄等の絵柄を構成するインキ層であって、通常カード基材(5)上にグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法で施される。図3においてはカード基材(5)上に隠蔽層(4)と白色層(7)を介して施された場合を示した。
印刷は、カード基材に直接印刷する方法と転写フィルム等の中間媒体に印刷してその後に転写を行って形成する間接的な方法のどちらによっても可能である。また、転写による場合は絵柄層のみ単独で行うことも出来、他の層と合わせて行うことも出来る。
この場合のインキも基材材質と印刷方法に適合したポリエステル系、アクリル系、塩酢ビ系等の周知のインキを用いることが出来る。
もちろん、必要に応じてカード基材の印刷予定面上にコロナ処理、アンカー処理等の密着向上処理をすることも可能である。
絵柄層の被膜の総厚は印刷方法と絵柄によって決まるが、加工性の点からは0.5μmから1.0μmの範囲であることが好適である。
表面保護層(9)はカード基材(5)の磁気ストライプ側の最表面に形成された表面保護のための透明樹脂層である。この表面保護層は必要に応じてカード基材の両面に設けても良い。
この表面保護層(9)は、通常熱可塑性樹脂の透明な被膜からなり、使用する熱可塑性樹脂としては、たとえば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂やそれらの共重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられる。さらにカードの表面保護性能を強化するためにより耐性の優れた硬化性の樹脂を使用することや透明性の高い無機物の充填剤を併用することも可能である。
表面保護層(9)の形成は、カード基材(5)上にグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法で施される。図3においてはカード基材(5)上に隠蔽層(4)、白色層(7)と絵柄層(8)を介して施された場合を示した。
表面保護層(9)の形成は、印刷方式以外のコーティング方式でも可能であるが表面保護層以外の複数の層形成を一連の工程で行うためには印刷方式が便利である。印刷は、カード基材に直接印刷する方法と転写フィルム等の中間媒体に印刷してその後に転写を行って形成する間接的な方法のどちらによっても可能である。また、転写による場合は表面保護層のみ単独で行うことも出来、他の層や絵柄と合わせて行うことも出来る。
表面保護層(9)の被膜の厚みは他の層の厚みとも関係するが、1.0μmから1.5μmの範囲が好適である。
この後で、必要な層と絵柄が形成されたカード基材の表面に熱と圧力をかけることで均一な表面を出す。このときの温度は100〜160℃、圧力は10〜50Mpaで行うことが一般的である。転写方式の場合は、印刷層、絵柄の転写と表面出し加工を兼ねることが出来る。最後に打ち抜き等の外形加工を行うことによってオーバープリントカードが完成する。
本発明のオーバープリントカードは磁気ストライプのみならずICチップを備えたカードであっても良いことは勿論である。
以下に本発明の実施の形態をいくつかの実施例で説明する。
<実施例1>
厚さ0.6mmのポリエステル(PET−G)シートからなるコア基材(1)の表面に、磁気テープ(3)が所定の位置に配置されたPET−Gとポリカーボネートのポリマーアロイからなる厚さ0.1mmのオーバーシート(2)を配置し、熱成形により厚さ0.7mmの多面付け配置のカード基材(5)を作成した。
カード基材(5)の磁気テープ(3)側の表面に、スクリーン印刷により乾燥膜厚1.5μmとなるように隠蔽層(4)を以下のインキで印刷した。なお部とは特に断りのない限り質量部である。
<隠蔽層銀インキ>
・樹脂コート円板状アルミ粉末(試作品:平均粒径5.0μm)15部
・SS8 WAC(東洋インキ製造:塩酢ビ) 85部
カード基材(5)の隠蔽層(4)表面にスクリーン印刷により乾燥膜厚4.0μmとなるように白色層(7)を以下のインキで印刷した。
<白色層インキ>
・SS8 コンク611白(東洋インキ製造:塩酢ビ+酸化チタン顔料)
カード基材(5)の白色層(7)表面にオフセット印刷により乾燥膜厚0.5μmとなるように絵柄層(8)を以下のインキで印刷した。
<絵柄層インキ>
・FDO HF1(各色)(東洋インキ製造)
カード基材(5)の絵柄層(8)表面にスクリーン印刷により乾燥膜厚1.0μmとなるように表面保護層(9)を以下の塗工剤で印刷した。
<表面保護層塗工剤>
・TT118プロセスワニス(東洋インキ製造:ポリウレタン−塩酢ビ)100部
・UR240B(東洋インキ製造:イソシアネート) 10部
・添加剤180(東洋インキ製造:ポリエチレンワックス) 5部
以上の層を積層したカード基材をラミネートプレスにより、125℃、20Mpaで20分間熱成形を行い、雌雄金型のパンチャーにより小片化してオーバープリントカードを作成した。
<比較例1>
隠蔽層銀インキを以下の組成に代えた以外は実施例1と同様にしてオーバープリントカードを作成した。
<隠蔽層銀インキ>
・樹脂コートアルミペースト2173A(昭和アルミパウダー)15部
・SS8 WAC(東洋インキ製造:塩酢ビ) 85部
実施例1と比較例1のオーバープリントカードを用いて表面保護層側から白色部分の白さを比較したところ明らかに実施例1のカードの方が白さが増していることが分かった。参考までにプリコントラストメーターPCM−II(サカタインクスエンジニアリング製:Bフィルタ使用)によって同じ部分の反射率を測定したところ、実施例1のカードは比較例のカードに比べて2%から4%高くなり白さの増加が裏付けられた。
磁気ストライプ上の非磁性体の膜厚は7.0μmであり磁気情報の読み取り等の磁気特性上は両方のカードとも問題はなかった。
以上のように、磁気ストライプを隠蔽する銀色の隠蔽層に円板状の金属粉体を含有したインキを用いることによって、隠蔽層の膜厚を増加させることなく磁気ストライプの磁気特性を維持する膜厚の範囲内で、重ねて白色層を印刷したときの白さを向上させたオーバープリントカードが得られることが確認された。
1…コア基材
2…オーバーシート
3…磁気テープ(磁気ストライプ)
4…隠蔽層
5…カード基材
6A…アルミニウム粉体
6B…アルミニウム粉体
7…白色層
8…絵柄層
9…表面保護層

Claims (2)

  1. カード基材上に少なくとも磁気ストライプ、透明樹脂及び金属粉末からなる隠蔽層、白色層がこの順で積層された、磁気ストライプを隠蔽する隠蔽層の上に白色層の印刷を施した白を基調とするオーバープリントカードであって、
    隠蔽層に、表面が平滑な円板状であるアルミニウム粉体に透明の樹脂コートが施された、ノンリーフィングタイプで、平均粒子径が5.0〜6.0μmの範囲のアルミニウム粉体を含有した銀色インキを用い、前記透明樹脂は、ポリ酢酸ビニルとその共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなり、前記白色層における白色顔料の含有率は、20質量%から70質量%の範囲であることを特徴とするオーバープリントカード。
  2. 隠蔽層を含む磁気ストライプ上の非磁性層の合計の厚みを10μm未満とし、その中で隠蔽層の厚みを1.5〜2.0μmの範囲とすることを特徴とした請求項1に記載のオーバープリントカード。
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