JP2014069449A - スキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ICインレイ、本文用紙、電磁波遮蔽シート、表紙からなる非接触型情報媒体付き冊子において、複数枚ある本文用紙の中にスキミング防止機能を付与させ、かつ、正規の機械読み取りは支障なく行なえる非接触型情報媒体付き冊子を提供する。
【解決手段】非接触型情報媒体付き冊子1に対して、電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽シート6でICインレイ5を挟み込むように冊子内に設けることで外部からの不正な情報読み取りを遮断し、また、冊子内に電磁波遮蔽シート6を挿入することで表紙2の種類を問わず、スキミングを未然に防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子に関する。
近年、非接触ICカードや非接触ICタグを用いたシステムが普及する中、例えばパスポートや預貯金通帳等の冊子に非接触ICモジュールとそれに接続されたアンテナからなるICインレットを基材で挟み込んで非接触媒体であるICインレイとし、このICインレイと表紙とを貼り合わせた上で、内貼り用紙と本文用紙を取り付けて装丁したり、ICインレイを本文用紙の一部として挿入したりした、電子データの記入や印字が可能な非接触型情報媒体付き冊子が開発され、公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
このような非接触型情報媒体付き冊子の一事例として、第1の基材の上面側に、所定の広さの開口部を有する第2の基材が接着されて凹部が形成され、この凹部内にICチップとこれに接続されたコイルアンテナが備えられ、前記第1の基材シートの下面側に接着剤層が設けられているICインレイと、このICインレイが裏表紙の内面に貼付されてなる非接触型情報媒体付き冊子がある(例えば、特許文献2、3参照)。
また、同じくパスポートを例に取ると、冊子に偽変造防止機能を付加させることが行なわれている。冊子の偽造を防止するためには一般的に用いられている偽造防止技術を使用することが出来、例えば見る角度によって色が変化するインキ(OVI)や、用紙自体に特殊な蛍光を発する糸を漉き込んだり、セキュリティスレッドを挿入したりすることも行なわれている。また、近年では機械検知によって偽変造を判別するため、例えば特殊な波長で蛍光を発するようインキを印刷することなども行なわれている。更に、名前や顔写真などの個人情報を守るために、例えばホログラムフィルムのラミネートが施されていたり、レーザーエングレービングによって個人情報を記録したりして偽造や変造に対してのセキュリティ性の向上が施されている(例えば、特許文献4参照。)。
ICチップを搭載した非接触型情報媒体には、氏名、性別、住所、ID番号などの個人情報だけでなく、顔写真や指紋などの膨大な個人情報が記録されており(例えば、参考文献5参照)、偽造や変造に対するセキュリティ性の向上以外に悪意あるものからのスキミングと呼ばれている不正な読み取りに対しての対策も求められている。
スキミングは接触型ICカードのような接触型情報媒体などは悪意のある者が不正に読み取り機を接触させることで情報を違法取得するという問題があるが、接触させなければ情報を読み取られることはないため、使用時以外は外からの読み取りを不可能にするような携帯用物入れのようなスキミング防止アイテムが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。その一方で、非接触型ICやパスポートのような非接触型情報媒体は読み取り機の電磁波の影響を及ぼす範囲であれば情報の読み取りが可能であり、接触せずに離れていてもスキミングをされ、情報を読み取られる可能性がある。
特開2008−87396号公報 特開2002−42068号公報 特開2006−99562号公報 特開2008−308555号公報 特開2005−279975号公報 実用新案登録第3114340号公報
しかしながら、上記従来のようにパスポートや預貯金通帳等の冊子に非接触ICモジュールとそれに接続されたアンテナからなるICインレットを基材で挟み込んで非接触媒体であるICインレイとし、このICインレイと表紙とを貼り合わせた上で、内貼り用紙と本文用紙を取り付けて電子データの記入を可能とした非接触型情報媒体付き冊子においては、読み取り機の電磁波の影響を及ぼす範囲であれば非接触型情報媒体から記憶情報を読み取ることが可能であり、接触せずに離れていてもスキミングをされ、情報を読み取られる可能性がある。
また、本文用紙の一部分にICインレイを挿入してなる非接触型情報媒体付き冊子の場合、表紙に電磁波遮蔽シートを施してICインレイを挟み込むことも可能ではあるが、表紙が硬くなり、携帯している際に表紙と本文用紙の間に隙間が空き、スキミングされる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、ICインレイ、本文用紙、電磁波遮蔽シート、内貼り用紙、表紙からなる非接触型情報媒体付き冊子において、複数枚ある前記本文用紙の中にスキミング防止機能を付与させ、かつ、正規の機械読み取りは支障なく行なうことができるスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子を提供することにある。
本発明の請求項1に係るスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子は、内側に接着層を有する少なくとも2つの基材の間に前記接着層を介して挟み込まれるICチップおよび該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレイと、前記ICインレイの表面及び裏面を挟み込む形で挿入されて外部からの電磁波を遮蔽する少なくとも2枚の電磁波遮蔽シートと、複数枚の本文用紙と、表紙とを具備し、前記ICインレイと前記電磁波遮蔽シート及び前記本文用紙を前記表紙の内側に一体化して冊子状に形成し、冊子を開いた状態では前記ICインレイに対する外部からの情報の読取りを可能とし、該冊子を閉じた状態では前記電磁波遮蔽シートにより前記ICインレイに対する外部からの情報の読取りを防止することを特徴とする。
本発明の請求項2は、前記請求項1に係るスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子において、ICインレイと、電磁波遮蔽シートと、複数枚の本文用紙と、表紙とを中綴じして冊子化したことを特徴する。
本発明の請求項3は、前記請求項1又は2に記載の非接触情報媒体付き冊子において、前記ICインレイは、内側に熱可塑性接着剤を塗布してなる多孔質の熱可塑性基材の間に配置し、熱圧着して作製したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ICインレイを有する非接触型情報媒体付き冊子に電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽シートをICインレイが挿入された本文用紙部分に挟み込む形で挿入することで、非接触情報媒体付き冊子を閉じた状態にすると、ICインレイに電磁波遮蔽シートが密着もしくはICインレイと電磁波遮蔽シートの間に1枚以上の本文用紙を挟んだ隙間のない構造を取ることができる。そのため、冊子の表裏どちら側からリーダライタによる読み取り、すなわちスキミングが行なわれても情報の読取りを確実に防止することができる。また、冊子内に電磁波遮蔽シートを挿入することで表紙の種類を問わずスキミングを未然に防止でき、表紙に電磁波遮蔽シートを施した場合よりもスキミング防止効果を向上することができる。
一方、非接触情報媒体付き冊子を開いた状態にすると、ICインレイと電磁波遮蔽シートとは距離ができかつICインレイ部分のみリーダライタで読み込ませることが可能なため、必要なときにだけ情報の引き出しが可能である。
請求項2に係る発明によれば、非接触情報媒体付き冊子を簡易な方法で作製することができる。
請求項3に係る発明によれば、多孔質の熱可塑性基材に熱可塑性接着剤を塗布して熱圧着により接着することで、柔軟性と平滑性に優れたICインレイを得ることが出来る。
本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付き冊子の一実施の形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付き冊子のICインレイの構成を模式的に表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付き冊子の電磁波遮蔽シートを施していない冊子部分を模式的に表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付き冊子の電磁波遮蔽シートを施した冊子部分を模式的に表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付き冊子1を模式的に示す斜視図である。非接触型情報媒体付き冊子1は、表紙2の内面に内貼り用紙3が貼着されており、これに複数の本文用紙4が取り付けられている。更に、その複数の本文用紙間にICインレイ5が挿入されており、そのICインレイ5を挟み込む形で電磁波遮蔽シート6が挿入されて構成されている。
ICインレイ5は、図2に示すように、アンテナシート7、アンテナコイル8およびICチップ9で構成されたICインレットを基材10で挟み込む形状を取っている。このICインレイ5の一部であるICインレットは、アンテナシート7上にエッチング方式やワイヤボンディング方式、印刷アンテナ方式などによってアンテナコイル8が形成され、このアンテナコイル8に、ICチップ9が溶接方式などによって接続されている。
ICインレイ5は、複数(この例では2つ)の基材10の間に配置(挟持)されている。基材10の各内側には、基材10を貼り合わせるための層である接着層11を塗布し、熱圧着することで作製している。
従来のICチップとそのアンテナを内蔵したモジュールを冊子1に挟み込んだパスポートのような冊子1では、3mm以上あるような厚いICが内蔵されたモジュールが冊子1に挟み込まれているものが知られている。しかし、この構成では、通常、冊子1の表表紙と裏表紙が厚紙を用いているため、冊子1を閉じた際に表表紙と裏表紙の端部がうまく重なり合わず、きちんと冊子1を閉じることができずないので、持ち運びの際に冊子1中の紙が折れ曲がったり、取り出す際に冊子1を破損したりするため好ましくない。
一方、この実施の形態におけるICインレイ5は、上述のICインレットを基材10で挟み込むことによって、200μmから800μm程度の薄いICインレイ5を実現している。このため冊子1を閉じた際にも表表紙と裏表紙の端部がうまく重なり、きちんと冊子1を閉じることができ、持ち運びの際に冊子1中の紙が折れ曲がったり、取り出す際に冊子1を破損したりしないため好ましい。
しかし、このような薄いICインレイ5では、ICチップ9やそのアンテナコイル8が透けて見えてしまい、その外観を著しく害してしまうので好ましくない。そこで、この実施の形態に係るICインレイ5では、基材10に白色隠蔽層を形成することにより、ICチップ9やアンテナコイル8を隠蔽して良好な外観を得ることができる。
このとき白色隠蔽層は、顔料として酸化チタンを、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂やそれらの共重合体のような熱可塑樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂のような熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂などの樹脂に添加したものが加工適性、隠蔽性に優れ好ましく用いられる。このとき白色隠蔽層は1μm以上、5μm以下であることが好ましく、1μmより薄いと十分な隠蔽性が得られず、5μmより厚いと隠蔽層のワレ等が発生してしまう。この白色隠蔽層を形成するには、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
また、このような隠蔽層を冊子中に用いている用紙と同種のものに上述の白色隠蔽層をスクリーン印刷法やグラビア印刷法で1μm以上、5μm以下でコーティングしたものをICインレイ5の両側に張り合わせることもできる。これにより、さらに高い隠蔽性と冊子中の他の用紙との質感を揃えることができ、外観もさらに向上させることができる。上記白色隠蔽層は用紙の外側あるいは内側のいずれにも形成することが可能であるが、用紙の外側に白色隠蔽層を形成した場合はICインレイ5への張り合わせが容易であり、また、用紙の内側に白色隠蔽層を形成した場合は冊子中の他の用紙との質感をより確実に揃えることができる。上記白色隠蔽層は1μmより薄いと十分な隠蔽性が得られず、5μmより厚いと隠蔽性のワレ等が発生してしまう。この白色隠蔽層を形成するには、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
また、白色隠蔽層に加えて、アルミニウム粉または墨粉を、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂やそれらの共重合体のような熱可塑樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂のような熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂などの樹脂に分散した下地層を設けることによって、さらに隠蔽性を高めることができるため好ましい。このとき下地層は1μm以上、5μm以下であることが好ましく、1μmより薄いと隠蔽性がほとんど向上せず、5μmより厚いとワレや剥離が発生してしまい好ましくない。この下地層は、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により形成することができ、下地層と白色隠蔽層をワンパスで塗布することもできる。
なお、図2で示したICインレイ5の形態は一例であり、本発明はこの形に限定されるものではない。
また、アンテナシート7、アンテナコイル8およびICチップ9からなるICインレットは、ICチップ自身の厚みや、アンテナの厚み、ジャンパ線とアンテナの接合部や、アンテナシート基材自体の厚みなどにより、凹凸のあるシートとなっている。このICインレットを基材10の間に挟んで加工する際、外観上はこれらの凹凸を無くすことが望ましい。そのため、基材10にICチップ9が収まる穴または溝を開け、ICチップ9が収まるようにしている。
基材10としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、PET−G(テレフタル酸とエチレングリコールにより生産されるポリエステル樹脂にエチレングリコールの一定含有量をシクロヘキサンジメタノールに置き換えた変性ポリエステル樹脂)、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの平滑なシートだけではなく、これらの樹脂を単体または組み合わせて使用し、シリカなどの多孔質粒子を混合したり、混合時に空気をいれて発泡したり、延伸後に穿孔加工したりすることで、穴や窪みを樹脂シート内に加工した多孔質熱可塑性基材を使用することができる。
このような多孔質熱可塑性基材は、一般にインクジェットやオフセットなどに対する印刷適性を付与した樹脂シート又は合成紙として市販されている。また、基材10に多孔質熱可塑性基材を使用することで柔軟性のあるICインレイ5を形成することが可能となる。外観や耐性、加工性など必要に応じて基材10の種類や硬さを選ぶことも可能である。
また、ICインレイ5は、ICカードに代表されるように熱ラミネート方式で製造される事が主流になっている。これは熱可塑性の基材や熱可塑性の接着剤を使用してICチップおよびアンテナを基材間に挟んで成形するものであり、製造方法が容易である。しかし、従来の方法でこのICインレイを冊子の表紙と接着剤を介して接着させるとICインレイの厚みやICチップおよびアンテナの硬さが加わり表紙としての剛度が増すため、冊子を使用する際に使い難いことがあり、利便性を考慮した材料を選ぶ必要がある。
ICインレイ5は、図3、図4に示すように2枚の基材10のそれぞれ内側にあたる部分に、あらかじめ接着剤を塗布し、熱圧をかけることで接着している。図3は非接触型情報媒体付き冊子の電磁波遮蔽シートを施していない冊子部分を模式的に表す断面図、図4は非接触型情報媒体付き冊子の電磁波遮蔽シートを施した冊子部分を模式的に表す断面図である。
上記基材10に塗布する接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、一般的な各種熱可塑性の樹脂を使用することができる。
これらの中でも、特に水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するような塗膜を形成する樹脂、また熱や湿度により劣化し接着部分に剥がれを生じないものを使用する。これらの性能を両立させるために2種類以上の樹脂を混合したり、2層に塗工したりすることも可能である。また、後工程や作業性の面から、塗工が容易で、乾燥後のブロッキングが生じにくく、耐久性の高いものが使用に適する。
例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体系の接着剤にエポキシ系架橋剤を添加したものや、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤などはより好適な性能を得ることが出来る。一方、一般的にポリエステル系の接着剤は湿度による加水分解が生じる可能性があり、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤は経時劣化し易いので注意が必要である。また、上記の樹脂を使用してエマルジョンやディスパージョンにした水系のヒートシール剤を用いる場合には、それらのヒートシール剤自体がアンテナ等に悪影響を与えないかについても注意が必要である。
また、図4で示すように、非接触型情報媒体付き冊子1は、ICインレイ5を複数枚の本文用紙4の間に挿入し、電磁波遮蔽シート6をICインレイ5よりも外側に配置させ、最外部の本文用紙4と内貼り用紙3を接着させて中央で中綴じすることで非接触型情報媒体付き冊子1の表紙2以外の部分を得る。
電磁波遮蔽シート6は、一般的に用いられる金属板として冊子内に挿入することを考慮して金属箔を用いた。この電磁波遮蔽シート6を金属箔のまま冊子の一部として製本することも可能であるが、本文用紙4と同じ用紙を用いて金属箔を挟み込むことで、外部から気付き難くすることができる。接着剤が塗布された本文用紙4に金属箔を挟み込み、ラミネートすることで一枚の用紙状の電磁波遮蔽シート6として本文用紙4と一体化させた。
電磁波遮蔽シート6は、ICインレイ5よりも本文用紙4中の外側に少なくとも2枚設置し、冊子1を閉じた際にICインレイ5を挟み込む構造をしていれば良い。一般的に電磁波遮蔽シート6は充分に電磁波を遮蔽できる導電性材料であればよく、例えば金、銀、銅、ニッケル、クロム、アルミニウム、ステンレス、導電性樹脂、磁性粉、カーボンブラック、半導体、導電性有機材料が挙げられ、これらの金属を単体で用いても数種類をブレンドした合金、多層で構成されたものでも良い。また、銅やニッケルは高い電磁波遮断性があることやアルミニウムは安価であることなど用途に応じて選択する必要がある。
電磁波遮蔽シート6を金属板(金属箔)ではなく、金属メッシュを用いることで透過性に優れたシートを得ることができる。この金属メッシュを用いることで、データページのように読み取りが必要な部分にも電磁波遮蔽シート6を施すことが可能となる。本文用紙4の中にデータページのような読み取りが必要な箇所に電磁波遮蔽シート6をオーバーレイするように配置したい場合は、オーバーレイとして使用する1枚の電磁波遮蔽シート6を金属メッシュとすることで、データページの様に用紙に印字された柄や個人情報など読み取ることが可能な部分にも使用することが可能となる。一般的に金属メッシュは、フィルムに貼り合わせた金属箔をエッチングして細線のメッシュ形成をいったものである。フィルムとしては、重ね合わせる用紙の情報が読み取れる透明性、加工性、耐性などがあれば良く、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、セルロース樹脂、エンジニアリング樹脂などが挙げられる。また、より透明性が必要な場合は好適なフィルムを選ぶ必要があり、更にできる限り金属メッシュの径を細くすることで透明度を増すことが可能となる。
更に、ICインレイ5は、アンテナシート7、アンテナコイル8およびICチップ9からなるICインレットのアンテナシート7側とは逆の位置に金属箔を挟み込みこむことも可能である。
用途に応じて、金属板(金属箔)や金属メッシュといった電磁波遮蔽シート6の形状を選択し、冊子に馴染む形態に容易に加工ができる。
なお、図4で示した冊子形態は一例であり、本発明はこの形に限定されるものではい。
内貼り用紙3を接着する接着剤は、作業性や環境の側面からも水系のエマルジョン接着剤を使用する場合が多く、また、実際にはこれまで冊子を製造してきた設備を使用することも多いので、布と紙の貼り合わせ用としての接着剤が選ぶことができる。例えば、エポキシ系、シリコン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系などが挙げられ、各種のホットメルト接着剤なども使用可能である。
以下に本発明に係る、スキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子について説明するが、本発明はこの形に限定されるものではない。
<実施例1>
ICインレットの作製:ポリエチレンテレフタレート(PET)シートをアンテナシート7として、その表面にアンテナコイル8を形成すると共に裏面にアンテナジャンパを形成し、アンテナコイル8とジャンパ線とを接合した一般的なシートを用意した。アンテナコイル8の接続端子部にICチップ9を接続しICインレットを得た。
ICインレイの作製:基材として熱可塑性シートを準備し、このシートの内側部分にグラビア印刷機を用いて接着層11としてユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」を5μm塗布した後、135℃のオーブンに入れて乾燥させた。
更に図2の下側となる接着層11を設けた基材10はICチップ9を収納する穴を設けた。
これらの上下2枚の接着層11が塗布された基材10の内側に挟み込む形でICインレットを設置し、ローラーで110℃以上160℃以下にしながら圧力をかけて接着させて、ICインレイ5を得た。
電磁波遮蔽シート6の挿入:本文用紙4と同様の用紙を2枚用意し、ユニチカ株式会社製「エリーテルKT−8803」を5μm塗布した後、135℃オーブンに入れ乾燥させた。その後、電磁波遮蔽シート6である銅箔を用意し、本文用紙4の接着剤が塗布されている面と面の間に配置して丁合いを行ないローラーで80℃以上130℃以下にしながら圧力をかけて接着させることで電磁波遮蔽シート6を得た。
非接触型情報媒体付き冊子1の作製:冊子1の中央部分からICインレイ5、本文用紙4、電磁波遮蔽シート6の順に重ね合わせ、本文冊子の最外部分と内貼り用紙3を丁合いし接してから、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙3が取り付けられた冊子1を作製した。
上記で得られた本文冊子に貼着されている内貼り用紙3とは反対の面と表紙2を接着剤で接着することで非接触型情報媒体付き冊子1を得た。
以下、本発明の比較例について説明する。
<実施例2>
ICインレットの作製を実施例1と同様に作製した後、電磁波遮蔽シート6の挿入はせず、複数枚の本文用紙4と1枚の内貼り用紙3を丁合いし、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙3が最外部に取り付けられた本文冊子を作製した。その後、本文冊子に貼着されている内貼り用紙3とは反対の面と表紙2を接着剤で接着することで電磁波遮蔽シート6が挿入されていない非接触型情報媒体付き冊子を得た。
<比較結果>
実施例1と実施例2において、スキミング防止性能をみるために、実際に各冊子1を開けた場合と閉めた場合に外側から、リーダライタを用いてICチップ9内の情報を読み取れるか確認を行なった。
実施例1では外部および内部関係なくICチップ9内の情報を読み取ることができた。
実施例2では、冊子1の開閉に関係なく、外部および内部関係なく情報を読み取ることができた。
上記電磁波遮蔽シート6を挿入している実施例1では、冊子1を開いたときにはICチップ9内の情報の読み取りができ、冊子1を閉めたときにはICチップ9内の情報の読み取りができないことが確認された。
また、実施例1において、意図的に開閉するのではなく、冊子1を自然な状態で放置した際、表紙2と本文用紙4との間に隙間ができてしまった際にも冊子1を閉じたときと同様の結果がみられ、スキミングを防止することができた。
以上説明したように、上記実施の形態の非接触型情報媒体付き冊子1によれば、電磁波遮蔽シート6でICインレイ5を挟みこむように本文用紙4内に設けたことにより、外部からの不正な情報の読み取りはされず、スキミングを未然に防ぐことができた。更には使用時には不具合なく情報を読み取ることも確認できた。
本発明の非接触型情報媒体付き冊子1は、未然にスキミングを防ぐために不使用時では外部からの読み取り不可能になり、正規に使用する時のみ内部からの機械読み取りが可能になり、スキミング防止機能を備えた冊子を得ることができる。そのため、パスポートや通帳など個人情報の漏洩を防ぐ必要のある非接触型情報媒体において優れた実用上の効果を発揮する。
1…非接触型情報媒体付き冊子、2…表紙、3…内貼り用紙、4…本文用紙、5…ICインレイ、6…電磁波遮蔽シート、7…アンテナシート、8…アンテナコイル、9…ICチップ、10…基材、11…接着層。

Claims (3)

  1. 内側に接着層を有する少なくとも2つの基材の間に前記接着層を介して挟み込まれるICチップおよび該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレイと、前記ICインレイの表面及び裏面を挟み込む形で挿入されて外部からの電磁波を遮蔽する少なくとも2枚の電磁波遮蔽シートと、複数枚の本文用紙と、表紙とを具備し、
    前記ICインレイと前記電磁波遮蔽シート及び前記本文用紙を前記表紙の内側に一体化して冊子状に形成し、冊子を開いた状態では前記ICインレイに対する外部からの情報の読取りを可能とし、該冊子を閉じた状態では前記電磁波遮蔽シートにより前記ICインレイに対する外部からの情報の読取りを防止することを特徴とするスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子。
  2. ICインレイと、電磁波遮蔽シートと、複数枚の本文用紙と、表紙とを中綴じして冊子化したことを特徴する請求項1に記載のスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子。
  3. 前記ICインレイは、内側に熱可塑性接着剤を塗布してなる多孔質の熱可塑性基材の間に配置し、熱圧着して作製したことを特徴とする請求項1又は2に記載のスキミング防止機能を有した非接触型情報媒体付き冊子。
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