JP2002249652A - カード用シート - Google Patents
カード用シートInfo
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- JP2002249652A JP2002249652A JP2001051513A JP2001051513A JP2002249652A JP 2002249652 A JP2002249652 A JP 2002249652A JP 2001051513 A JP2001051513 A JP 2001051513A JP 2001051513 A JP2001051513 A JP 2001051513A JP 2002249652 A JP2002249652 A JP 2002249652A
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- card
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Abstract
エンボス加工を行ってカードを製造しても、裏写りが起
こらず、エンボスカールも抑制できるカード用シートを
提供することにある。 【解決手段】 カード用シートは、ポリエチレンテレフ
タレートの構成成分であるエチレングリコールの一部を
1,4シクロヘキサンジメタノールで置換してなる実質
的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とするシー
トである。そして、平均粒径が1〜7μmの板状無機フ
ィラーを3〜15wt%と、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)又はその共重合体を5〜40wt%とを含
有している。シートはシート全体に前記板状無機フィラ
ーとPBT又はその共重合体とが均一に含有された単層
構成に限らず、前記フィラーを含有する層と、PBT又
はその共重合体を含有する層とを組み合わせた複数層構
成としてもよい。
Description
やキャッシュカードなどの磁気ストライプカードやIC
カード用に使用されるカード用シートに関するものであ
る。
プラスチックカードの素材としては、従来よりポリ塩化
ビニル系樹脂(以下、「PVC」という)からなるシー
トがよく使用されている。
に、片面に印刷を施した2枚の白色のコアシートを、印
刷していない面が向き合うように合わせ、さらに磁気テ
ープを仮貼りした透明のオーバーシートを印刷面の上に
重ねて、熱プレスでシート間を熱融着した後、打ち抜き
刃でカード形状に切断し、最後に磁気テープへのエンコ
ードと、エンボスと呼ばれる文字の刻印とを施して製造
される。
でき、印刷、融着、エンボスなどの加工性に優れた、カ
ード用に好適な素材である。近年、世の中のエコロジー
ブームに乗って、PVC以外の素材からなるカード用シ
ートのニーズが高まっており、例えば、テレフタル酸と
エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの脱水縮合体である非結晶性のポリエステル樹脂か
らなるシートが提案されている。
の加工性を持ち、PVCシートと同じ設備を用いてカー
ド化できるため、PVCに替わるシート素材の本命と言
われている。
のポリエステル樹脂からなるシートは、PVCと同じ条
件設定のエンボッサーで文字の刻印を行うと、カードの
カール(以下、「エンボスカール」という)が大きくな
ることがあり、ISO、JIS規格を満たさなかった
り、カードの美観上好ましくないという問題があった。
アシートにスクリーン印刷を行うと乾燥が非常に遅く、
乾燥工程を終えたシートを積み重ねると、印刷面の上側
のシートの裏面にインキが転写してしまう、所謂「裏写
り」が起こり易いという問題があった。
をPVCの場合より長くしたり、インキの溶剤組成を変
更する等の検討が行われているが、PVCシートと非結
晶性ポリエステル樹脂シートを同じ設備でカード化して
いる現状では、これらの対策は実現性に乏しく、PVC
シートと同じ条件でスクリーン印刷を行っても裏写りの
起こらないようなシートが望まれていた。
性率とエンボス部の残留応力との比に比例しており、こ
れを改良するには板状のフィラーを添加して曲げ弾性率
を向上させ、エンボス部の残留応力を低下するのが望ま
しい。しかし、裏写りを同時に防止するには高濃度のフ
ィラーを添加する必要があり、シートの衝撃強度が低下
してカードが割れ易くなるという問題があった。
れたものであり、その目的は、PVCシートと同じ条件
でスクリーン印刷、エンボス加工を行ってカードを製造
しても、裏写りが起こらず、エンボスカールも抑制でき
るカード用シートを提供することにある。
した結果、実質的に非結晶性のポリエステル樹脂を主成
分とするシートのスクリーン印刷後の裏写りは、以下の
原因によるものであることを見出した。即ち、スクリー
ン印刷用インキ中に含まれている遅乾燥性溶剤がPVC
シートには短時間で吸収され、やがてシート中を拡散
し、シート外へ蒸発して行くのに対し、実質的に非結晶
性のポリエステルを主成分とするシートには吸収され難
く、やがてシート表面を溶解してしまう。その結果、通
常の乾燥工程を終えてもシート表面付近の残留シクロヘ
キサノン濃度が高くなっており、裏写りが起こり易くな
る。
PVCのようにシート中へ溶剤が吸収され易くする方法
の他に、逆にシートの耐溶剤性を高くして、溶剤がシー
ト表面を溶解し難くする方法が有効であることを見出し
た。そして、そのためにはポリブチレンテレフタレート
あるいはその共重合体の添加が大きな効果を有し、板状
の無機フィラーとの併用により、裏写りとエンボスカー
ルとを同時に改良(抑制)することができることを見出
し、本願発明に至ったのである。
項1に記載の発明では、ポリエチレンテレフタレートの
構成成分であるエチレングリコールの一部を1,4−シ
クロヘキサンジメタノールで置換してなる実質的に非結
晶性のポリエステル系樹脂を主成分とするシートであっ
て、平均粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜1
5wt%と、ポリブチレンテレフタレート又はその共重
合体を5〜40wt%とを含有する。
脂」とは、所謂共重合ポリエステルの中でも特に結晶性
の低いもので、プレス融着等の実用上頻繁に行われる熱
加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起こさ
ないものを言う。
機フィラーによりシートの曲げ弾性率を向上させ、ポリ
ブチレンテレフタレート又はその共重合体により印刷イ
ンキの裏写りが抑制される。従って、環境面でPVCシ
ートより優れ、しかもPVCシートに近いカードへの加
工性を有するシートが得られる。
テレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの
一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換して
なる実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分と
するシートの少なくとも片側の面に、請求項1に記載の
組成物からなる層が設けられている。
無機フィラーと、ポリブチレンテレフタレート又はその
共重合体とを含有させるのではなく、それらが含有され
ていない非結晶性のポリエステル系樹脂製シートの少な
くとも片面にそれらを含有する前記シートが設けられて
いるので、シートの物性の調整の自由度が大きくなる。
テレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの
一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換して
なる実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分と
する2種2層のシートであって、平均粒径が1〜7μm
の板状無機フィラーを3〜15wt%含有する層と、ポ
リブチレンテレフタレート又はその共重合体を5〜40
wt%含有する層が積層されている。
エンボスカールを抑制する機能とがそれぞれ別の層で担
われるため、各機能が効率良く発揮される。請求項4に
記載の発明では、ポリエチレンテレフタレートの構成成
分であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘ
キサンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性の
ポリエステル系樹脂を主成分とする2種3層のシートで
あって、平均粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3
〜15wt%含有する層が中心層、ポリブチレンテレフ
タレート又はその共重合体を5〜40wt%含有する層
が表裏層となるように積層されている。
様に、裏写りを抑制する機能と、エンボスカールを抑制
する機能とがそれぞれ別の層で担われるため、各機能が
効率よく発揮される。また、表裏層に裏写りを抑制する
機能を有する層が設けられているため、カードを製造す
る際に印刷する面を確認する必要がない。
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記板状
無機フィラーが、平均粒径1μm以上、3μm以下のタ
ルクであり、前記ポリブチレンテレフタレートはその構
成成分であるテレフタル酸の10〜40モル%がイソフ
タル酸で置換されている。
を抑制する機能がより向上する。請求項6に記載の発明
では、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明
において、少なくともシートの片面に、10点平均粗さ
が10μm以上、40μm以下である連続的なマット加
工が施されている。
カードの印刷面にマット加工面が接触するように重ねて
も、裏写りの防止効果が向上する。
形態を説明する。本発明のカード用シートは、ポリエチ
レンテレフタレートの構成成分であるエチレングリコー
ルの一部を1,4シクロヘキサンジメタノールで置換し
てなる実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分
とするシートである。そして、平均粒径が1〜7μmの
板状無機フィラーを3〜15wt%と、ポリブチレンテ
レフタレート又はその共重合体を5〜40wt%とを含
有している。
〜60モル%を1,4シクロヘキサンジメタノールで置
換したイーストマンケミカル社製の商品名PETG67
63や同社のPCTG5445等が商業的に入手可能な
ものとして挙げられる。シートには必要に応じて、着色
剤や滑剤、あるいは衝撃強度や耐熱性等の物性を改良す
る材料が添加されていてもよい。
のもので、例えばマイカ(雲母)、タルク等の汎用のも
のを使用できる。板状無機フィラーの粒径が大きすぎる
とシートの衝撃強度が大きく低下することがあるため、
板状無機フィラーの粒径は概ね平均粒径が7μm以下で
あるのが望ましい。また、粒径が小さすぎるとシートへ
の練り込みの作業性が低下するため、概ね平均粒径が1
μm以上であるのが望ましい。そして、1〜3μmが特
に好ましい。
15wt%以下が望ましい。濃度が3wt%未満ではエ
ンボスカールの改良効果が不十分となることがあり、濃
度が15wt%を超えるとシートの衝撃強度が低下する
ことがある。
酸と1,4−ブタンジオールの脱水縮合体であり、ホモ
ポリマーでも共重合ポリマーでもどちらでもよい。共重
合ポリマーとしては、テレフタル酸の一部をイソフタル
酸で置換したものが商業的に入手でき、好適に使用でき
る。
共重合体の濃度は5wt%以上40wt%以下が望まし
い。ホモポリマーを用いる場合の濃度は概ね5wt%以
上20wt%以下が望ましい。5wt%未満では裏写り
の改良効果が不十分となり、20wt%を超えると、カ
ードの加工での熱プレス融着工程でシートの結晶化が進
み、シート間の融着強度が低下したり、カードが割れ易
くなるという問題が起こることがある。ポリブチレンテ
レフタレートの共重合体を用いると熱プレス融着工程で
の結晶化が起こり難くなるため、例えば、テレフタル酸
の約30モル%をイソフタル酸で置換した共重合体を用
いると結晶化をほぼ防止することができる。しかし、そ
の添加濃度が高すぎるとシートの腰が弱くなりすぎた
り、インキの密着力が弱くなったりすることがあるた
め、その添加濃度の上限は概ね40wt%である。
うな多層構成であってもよい。しかし、上記の板状無機
フィラーと、ポリブチレンテレフタレートあるいはその
共重合体とが、一層に同時に添加されるか、異なる層に
それぞれ単独に添加されて全層で板状無機フィラーと、
ポリブチレンテレフタレートあるいはその共重合体とが
添加されていることが必要で、いずれか一方のみの添加
では、エンボスカールと裏写りとを同時に解決すること
ができない。
ト又はその共重合体を5〜40wt%含有する層がシー
トの片側の表層あるいは表裏層にあり、残りの層が平均
粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜15wt%
含有する層である、2種2層あるいは2種3層構成であ
ってもよい。
限定はないが、ポリブチレンテレフタレートあるいはそ
の共重合体を含有する層が全体に占める割合がおおよそ
20〜50%の範囲であることが望ましい。20%以下
であれば裏写りの防止効果が不十分となることがあり、
50%を超えるとエンボスカールの改良効果が不十分と
なることがある。
レンテレフタレートあるいはその共重合体を含有する層
があるシート面がスクリーン印刷面となるように使用す
る。これらのシートに用いる板状無機フィラーとして
は、シートへの加工性、エンボスカールの改良効果の大
きさ、コスト面から見てタルクが最も好ましい。また、
ポリブチレンテレフタレート又はその共重合体として
は、テレフタル酸の10〜40モル%をイソフタル酸で
置換したものが、カードへの加工でのプレス工程で結晶
化が起こり難いためカードの物性低下が少なく、裏写り
の改良効果も十分にあり、これらを組み合わせて使用す
るのが最も望ましい。
する層を配して2種3層としたものは、印刷後の乾燥が
不充分で溶剤が幾分残存している場合でも、印刷面と接
触する面も溶剤で膨潤し難くなっているので裏写りの危
険が小さく、更に好ましい。
粗さが10μm以上、40μm以下である連続的なマッ
ト加工が施されていることが望ましく、スクリーン印刷
後、シートを積み重ねた時に印刷面に接触する面の表面
粗さが上記の範囲であれば裏写り防止効果がさらに大き
くなる。10点平均粗さが10μm未満であれば裏写り
防止効果が明確に現れないことがあり、40μmを超え
ると、その面同士を合わせてプレスするとき、シート間
に空気が溜まり易くなることがあり望ましくない。
さらに詳しく説明する。 <シートの作製>ポリエチレンテレフタレートの構成成
分であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘ
キサンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性の
ポリエステル系樹脂としては、イーストマンケミカル社
のPETG6763(以下、「PETG」と略す)を、
ポリブチレンテレフタレートとしてはポリプラスチック
社のジュラネックス600FP(以下、「ホモPBT」
と略す)を、ポリブチレンテレフタレートの共重合体と
しては、テレフタル酸の約30モル%をイソフタル酸で
置換した、ポリプラスチック社のジュラネックス600
LP(以下、「IPA変性PBT」と略す)を使用し
た。そして、それらの樹脂を用いて、表1,2に示した
配合処方からなる白色の単層シート及び表4に示した層
構成からなる多層シートを、同方向2軸押出機を使用し
たTダイ押出法及び共押出法により製作した。シートの
厚さは単層、多層ともに総厚さ280μmとした。以
下、これらのシートを「コアシート」と呼ぶ。
ルクAが0.5μm、タルクBが2μm、タルクCが5
μm、タルクDが10μmのものを使用した。いずれの
タルクも特別な表面処理を行っていないものを用いた。
潤滑剤を添加した配合物を用いて、コアシートと同様に
Tダイ押出法によって厚さ100μmの透明シートを得
た。以下、このシートを「オーバーシート」と呼ぶ。
印刷に用いられているインキと同一のスクリーンインキ
(商品名「VSスクリーンインキ」、帝国インキ製造社
製)を用い、スクリーン印刷法によりベタ柄の印刷を行
い、40℃の熱風循環式乾燥機中で15分乾燥した。そ
の後、印刷面が上となるように100枚のシートを積み
重ね、室温で一晩放置した後、一番下側のシートの印刷
面がその上のシートの裏面にどの程度密着しているかを
評価した。
PBTあるいはIPA変性PBTを含有する層側に印刷
を行った。密着がほとんどなく容易に剥がれ、インキの
転移が起こっていないものを○、剥がす時の抵抗が大き
いもの、インキが上側のシートの裏面に転移しているも
のを×とした。
の状態)として上記と同様の評価を行っても、密着がほ
とんどなく容易に剥がれ、インキの転移が起こっていな
いものについては◎とした。
シートで挟み、これを1枚のクロムメッキ板で挟み、1
10℃で10分間、シートの面圧9.8×10 5 Paで
プレスした後、室温まで冷却して取り出し、カード形状
に打ち抜いてから日本データカード社のエンボスエンコ
ーダーDC9000を用いて7Bフォントの文字を3
行、各行19文字エンボスした。エンボス文字のパター
ンは「123・・・90123・・・789」とした。
あるいはIPA変性PBTを含有する層側がオーバーシ
ートと接するような重ね方とした。エンボス後のカード
を定盤上に置き、定盤面からカードの非エンボス面の最
も高い位置までの高さを測定し、これをエンボスカール
の値とした。エンボスカールはISO、JISともに
2.5mm以下と規定されているが、実用上のカードの
見栄えを考慮して、エンボスカールが2.0mm未満の
ものを◎、2.0〜2.2mmのものを○、2.2mm
を超えるものを×とした。
カードの長辺方向に垂直に折り曲げた時、カードが割れ
ずに折れ曲がるものを○、カードが割れるものを×とし
た。
表3及び表4に示す。
場合は、エンボスカール防止効果が無いことを確認でき
る。また、比較例7から板状無機フィラーを含有してい
ても、平均粒径が1μm未満ではエンボスカール防止効
果が無いことを確認でき、比較例9から平均粒径が適正
であっても含有量が3wt%未満ではエンボスカール防
止効果が無いことを確認できる。
くても、板状無機フィラーの平均粒径が10μm程度と
大きくなると、衝撃強度が低下してカードの割れが発生
することを確認できる。また、比較例10からエンボス
カール防止効果が良くても、板状無機フィラーの含有量
が15wt%のように大きくなると、衝撃強度が低下し
てカードの割れが発生することを確認できる。
IPA変成PBTのいずれも含有せずに樹脂成分として
非結晶性のポリエステル系樹脂(PETG)のみを使用
した場合は裏写り防止効果が無いことを確認でき、比較
例5からシートがポリブチレンテレフタレートを含有し
ていても、含有量が5wt%未満の場合は裏写り防止効
果がないことを確認できる。
と、カードが割れ易くなることを確認できる。実施例7
及び実施例8から樹脂成分を非結晶性のポリエステル系
樹脂のみ(PETG)で形成したシートに、適量のIP
A変成PBT及びタルクを含有した非結晶性のポリエス
テル系樹脂で形成した層を片面又は両面に設けることに
より、エンボスカール及び裏写りの抑制効果と、カード
の割れの防止効果が得られることを確認できる。
ルの抑制効果が有る層と、裏写り抑制効果がある層とを
2層又は3層組み合わせることにより、エンボスカール
及び裏写りの両方の抑制効果を有するシートが得られる
ことを確認できる。
ールの抑制効果が有る層と、裏写り抑制効果がある層と
を2層又は3層組み合わせても、元の層に無い効果は新
たに生じないことを確認できる。
粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜15wt%
と、ポリブチレンテレフタレート又はその共重合体を5
〜40wt%とを含有させることにより、カードを製造
したときにエンボスカール及び裏写りを抑制でき、カー
ドの割れも防止できる。
ンテレフタレート又はその共重合体を含有しない層と、
板状無機フィラーと、ポリブチレンテレフタレート又は
その共重合体を含有する層との組合せでも、エンボスカ
ール及び裏写りを抑制でき、カードの割れも防止でき
る。従って、シートの物性の調整の自由度が大きくな
る。
その共重合体を含有する層と、板状無機フィラーを含有
する層とを分けた2層構成でシートを構成することで、
裏写りを抑制する機能と、エンボスカールを抑制する機
能とがそれぞれ別の層で担われるため、各機能が効率良
く発揮される。
挟んでその両面にポリブチレンテレフタレート又はその
共重合体を含有する層が配置された3層構成でシートを
構成することで、エンボスカールを抑制する機能と、裏
写りを抑制する機能とが効率良く発揮される。また、表
裏層に裏写りを抑制する機能を有する層が設けられてい
るため、カードを製造する際に印刷する面を確認する必
要がない。
1μm以上、3μm以下のタルクを使用し、ポリブチレ
ンテレフタレートとしてその構成成分であるテレフタル
酸の10〜40モル%がイソフタル酸で置換されたもの
を使用することにより、裏写り及びエンボスカールを抑
制する機能がより向上する。
系樹脂として、商業的に入手可能なものを使用できるの
で、製造コストを低下できる。 (7) 少なくともシートの片面に、10点平均粗さが
10μm以上、40μm以下である連続的なマット加工
を施すことにより、カードを製造する際、印刷後のカー
ドを積み重ねても、裏写りが起こるのを防止できる。
く、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 2層又は3層構成のシートを共押出しではなく、各
層を構成するシート(フィルム)を別々に製造し、ラミ
ネートでシートを形成してもよい。
(発明)について、以下に記載する。 (1) 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明に
おいて、前記非結晶性のポリエステル系樹脂にポリブチ
レンテレフタレートを含有させる場合は5〜20wt%
を含有させる。
に記載の発明によれば、PVCシートと同じ条件でスク
リーン印刷、エンボス加工を行ってカードを製造して
も、裏写りが起こらず、エンボスカールも抑制できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートの構成成分
であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキ
サンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性のポ
リエステル系樹脂を主成分とするシートであって、平均
粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜15wt%
と、ポリブチレンテレフタレート又はその共重合体を5
〜40wt%とを含有することを特徴とするカード用シ
ート。 - 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレートの構成成分
であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキ
サンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性のポ
リエステル系樹脂を主成分とするシートの少なくとも片
側の面に、請求項1に記載の組成物からなる層が設けら
れていることを特徴とするカード用シート。 - 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレートの構成成分
であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキ
サンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性のポ
リエステル系樹脂を主成分とする2種2層のシートであ
って、平均粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜
15wt%含有する層と、ポリブチレンテレフタレート
又はその共重合体を5〜40wt%含有する層が積層さ
れていることを特徴とするカード用シート。 - 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレートの構成成分
であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキ
サンジメタノールで置換してなる実質的に非結晶性のポ
リエステル系樹脂を主成分とする2種3層のシートであ
って、平均粒径が1〜7μmの板状無機フィラーを3〜
15wt%含有する層が中心層、ポリブチレンテレフタ
レート又はその共重合体を5〜40wt%含有する層が
表裏層となるように積層されていることを特徴とするカ
ード用シート。 - 【請求項5】 前記板状無機フィラーが、平均粒径1μ
m以上、3μm以下のタルクであり、前記ポリブチレン
テレフタレートはその構成成分であるテレフタル酸の1
0〜40モル%がイソフタル酸で置換されている請求項
1〜請求項4のいずれか一項に記載のカード用シート。 - 【請求項6】 少なくともシートの片面に、10点平均
粗さが10μm以上、40μm以下である連続的なマッ
ト加工が施されている請求項1〜請求項5のいずれか一
項に記載のカード用シート。
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