JPH1140790A - 分割フォトダイオード及び回路内蔵受光素子 - Google Patents

分割フォトダイオード及び回路内蔵受光素子

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JPH1140790A
JPH1140790A JP9190281A JP19028197A JPH1140790A JP H1140790 A JPH1140790 A JP H1140790A JP 9190281 A JP9190281 A JP 9190281A JP 19028197 A JP19028197 A JP 19028197A JP H1140790 A JPH1140790 A JP H1140790A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程の途中で発生する静電気によってフ
ォトダイオードの接合容量が異常になるのを確実に防止
でき、応答速度の向上や高周波ノイズの低減が図れる分
割フォトダイオードを提供する。 【解決手段】 反射防止膜5は受光領域の周辺部におい
てシリコン酸化膜5a及びシリコン窒化膜5bの2層構
造になっており、受光領域ではシリコン窒化膜5bの単
層構造になっている。また、遮光メタル7の受光領域の
中央側の端部は、反射防止膜5の2層構造部よりも中央
側に突出し、突出部の下端面がシリコン窒化膜5b上に
重畳している。また、PSGカバー膜8の受光領域の中
央側の端部は、遮光メタル7の中央側の端部よりも基端
側に位置しており、遮光メタル7の先端部を覆わない形
状になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受光領域が複数の
光検出部に分割された分割フォトダイオード及びこの分
割フォトダイオードと、信号処理回路とを同一基板に形
成してなる回路内蔵受光素子に関し、より詳しくは、遮
光膜や絶縁カバー膜の表面構造を改善し、耐静電気特性
を向上した分割フォトダイオード及びこの分割フォトダ
イオードを備えた回路内蔵受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の分割フォトダイオードは、例え
ば光ピックアップの信号検出用素子として従来から用い
られている。より具体的には、半導体レーザーの焦点位
置をディスク上に合わせるためのフォーカス誤差信号や
半導体レーザーの焦点位置をディスク上のピットに合わ
せる(トラッキング)ためのラジアル誤差信号を得るの
に利用されている。近年、CD−ROMドライブなどに
用いられる光ピックアップの高速化が進み、高速で性能
の良い分割フォトダイオードや回路内蔵受光素子の開発
が進められている。
【0003】ここで、最近のフォトダイオードでは、応
答速度の高速化のほかに、光感度の高感度化や高周波ノ
イズの低減化が求められている。このうち、光感度は入
射した光のパワーに対してどの程度の電気信号(電流)
に変換できるかを示す目安となるものであり、高感度で
あるほど性能が高い。
【0004】この要求に対しては、通常、反射防止膜を
フォトダイオードの表面に形成し、フォトダイオードの
表面で入射した光が反射することを防止することにより
達成している。
【0005】一方、応答速度の高速化や高周波ノイズの
低減化を図るためには、フォトダイオードの容量を小さ
くする必要がある。そのような手法を講じた先行技術の
一例として、本願出願人が特願平8−260043号で
先に提案した回路内蔵受光素子がある。図5はこの回路
内蔵受光素子を示している。
【0006】この回路内蔵受光素子は、応答速度の高速
化のために形成されるp+型埋込拡散層22とp+型拡散
層26とを、最低限必要な部分にのみ形成することによ
り、応答性を低下させることなく分割フォトダイオード
の接合容量を低減している。より具体的には、図5に示
すように、p+型埋込拡散層22とp+型拡散層26とを
受光領域の中央部に相当する分割フォトダイオードの分
割部近傍にのみ形成している。
【0007】なお、図5において、符号21はp型シリ
コン基板、23はn+型埋込拡散層、24はn型エピタ
キシャル層である。
【0008】しかし、上記の構造によれば、受光領域の
シリコン表面にpn接合ができるため、接合リーク電流
が増大するという問題があり、これを防止するためには
表面にシリコン酸化膜が必要となる。
【0009】ところで、光感度は入射光の波長と反射防
止膜構造により変化する。シリコン酸化膜のみからなる
反射防止膜の場合、DVDやCD−ROMで使用される
半導体レーザ光の波長(例えば、780nm)では、シ
リコン酸化膜の膜厚を最適化しても反射率を15%程度
にしかできず、光感度が悪い。
【0010】そこで、分割フォトダイオードの接合容量
を応答速度を低下することなく低減し、さらに反射率を
できるだけ低減できる反射防止膜として、本願出願人が
特願平8−235670号で先に提案した分割フォトダ
イオード及び回路内蔵受光素子がある。図6及び図7は
その構造を示す。
【0011】図6及び図7に示すように、この反射防止
膜25、35は、いずれも薄い(約10nm)シリコン
酸化膜25a、35aの上にシリコン窒化膜(約50n
m)25b、35bを積層した2層構造になっている。
【0012】なお、図6はp型シリコン基板21を用い
た分割フォトダイオードを示し、図7はn型シリコン基
板31を用いた分割フォトダイオードを示す。図6にお
いて、図5と対応する部分には同一の符号を付してあ
る。また、図7において、符号32はp型拡散層を示
す。
【0013】加えて、図6及び図7に示す分割フォトダ
イオードでは、いずれも、所定の受光領域以外に光が入
らないように、AlSiなどの遮光材料からなる遮光メ
タル27、37を反射防止膜25、35上に積層して遮
光している。
【0014】また、遮光メタル27、37上には、分割
フォトダイオードの受光部やパッド部以外を覆うよう
に、絶縁性材料からなる絶縁カバー(例えば、PSG
膜)28、38が積層されている。
【0015】図6及び図7に示す構造では、分割フォト
ダイオードの受光領域を遮光メタル27、37で決定し
ており、遮光メタル27、37で覆われた部分は完全に
遮光されるため、受光領域と遮光領域の光感度比を大き
くすることができる。また、遮光メタル27、37がそ
れぞれPSG膜28、38で覆われているので、遮光メ
タル27、37が腐食するおそれもない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体IC
製造工程では、上記の分割フォトダイオードはウェハー
状態で製造され、最終的にダイシング工程で個々のチッ
プに切り分けられる。ここで、ダイシング工程は、ウェ
ハーをダイシングシートに貼付ける工程、切り分ける工
程、洗浄・乾燥する工程を包含している。
【0017】これらの工程のうち、特にウェハーをダイ
シングシートに貼付ける工程や、切り分ける工程におい
て、ウェハーに大量の静電気が発生し、分割フォトダイ
オードが静電破壊することがある。これは、これらの工
程の際に吹き付けられる純水との摩擦や、ウェハーとウ
ェハーを切削する刃との摩擦により、大量の静電気が発
生するためである。
【0018】このため、通常は、静電マット上で作業を
したり、切り分ける工程で吹き付ける純水に炭酸ガスな
どを混入して導電率を上げるなど、静電気が溜まりにく
いように工夫されている。
【0019】しかし、静電気を完全に抑えることは不可
能であり、薄い(約10nm)シリコン酸化膜25a、
35aの上にシリコン窒化膜(約50nm)25b、3
5bを積層した上記の反射防止膜25、35の構造は、
この静電気に弱い構造であるため、正常な分割フォトダ
イオードの歩留まりは低いものになる。
【0020】より具体的には、シリコン酸化膜25aと
シリコン窒化膜25bとの場合を例にとって説明する
と、静電気によりシリコン酸化膜25aとシリコン窒化
膜25bとの界面に負電荷が蓄積され、シリコン表面の
n型半導体がp型半導体に反転する(以下、この現象を
p型反転と呼ぶ)。
【0021】このとき、図6に示す構造の場合は、分割
フォトダイオードの分割領域のn型半導体部分がp型に
なることで隣接する分割フォトダイオード領域とつなが
り、分割フォトダイオードの隣り合うフォトダイオード
部がショートしてしまうことによって、フォトダイオー
ドの接合容量が増大する。
【0022】また、図7に示す構造の場合は、n型エピ
タキシャル層の表面がp型に反転することで、n型エピ
タキシャル層と反転した表面のp型層で新たなpn接合
が生じることにより、フォトダイオードの接合容量が増
大する。
【0023】このように、接合容量が増大すると、図8
に示すように、分割フォトダイオードの応答速度が低下
する。また、高周波ノイズの増大につながり不都合であ
る。つまり、ダイシング工程での静電気により分割フォ
トダイオードの容量が異常になるという問題があった。
例えば、図8中に例を示すように、正常状態の接合容量
PD=0.7OpFに対して、1.4〜4.5pFと増
大する。因みに、図8中の異常1の場合のCPD=3.8
9pF、異常2の場合のCPD=4.13pF、異常3の
場合のCPD=4.27pFとなっている。
【0024】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、製造工程の途中で発生する静電気によっ
てフォトダイオードの接合容量が異常になるのを確実に
防止でき、結果的に応答速度の向上や高周波ノイズの低
減を図ることができる分割フォトダイオードを提供する
ことを目的とする。
【0025】本発明の他の目的は、このような分割フォ
トダイオードと、信号処理回路とを同一基板に形成して
なる回路内蔵受光素子を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の分割フォトダイ
オードは、第二導電型の半導体基板上に第一導電型の半
導体層が形成され、且つ該第一導電型の半導体層が第二
導電型の半導体層によって複数に分割され、分割された
個々の第一導電型の半導体層と該半導体基板とにより、
信号光を検出する分割フォトダイオードにおいて、2層
以上の膜からなり、受光領域に形成された反射防止膜
と、導電性材料からなり、該受光領域の周辺部に形成さ
れ、該反射防止膜の周辺部を覆う遮光膜と、絶縁性材料
からなり、該遮光膜上に形成された保護膜であって、該
受光領域の中央側の端部が、該遮光膜の中央側の端部よ
りも周辺側に位置している保護膜とを備えており、その
ことにより上記目的が達成される。
【0027】また、本発明の分割フォトダイオードは、
第一導電型の半導体基板上に複数の第二導電型の半導体
層が形成され、該複数の半導体層と該半導体基板とによ
り、信号光を検出する分割フォトダイオードにおいて、
2層以上の膜からなり、受光領域に形成された反射防止
膜と、導電性材料からなり、該受光領域の周辺部に形成
され、該反射防止膜の周辺部を覆う遮光膜と、絶縁性材
料からなり、該遮光膜上に形成された保護膜であって、
該受光領域の中央側の端部が、該遮光膜の中央側の端部
よりも周辺側に位置している保護膜とを備えており、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0028】好ましくは、前記反射防止膜の前記受光領
域の周辺部に位置する部分の厚みが中央部分や他の部分
よりも厚くなっており、前記遮光膜が該反射防止膜の厚
みが厚くなった周辺部のみを覆っている構成とする。
【0029】また、本発明の回路内蔵受光素子は、請求
項1〜請求項3記載のいずれかの分割フォトダイオード
と、該分割フォトダイオードにより光電変換された電気
信号を処理する信号処理回路とを同一基板上に形成して
なり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】以下に本発明の作用を説明する。
【0031】上記のように、保護膜の受光領域の中央側
の端部が、遮光膜の中央側の端部よりも周辺側に位置す
る構造によれば、遮光膜の中央側の端部は保護膜によっ
て覆われておらず、むき出された状態にある。このた
め、後述の図2に示すように、発生した静電気は、むき
出しの導電性の遮光メタル7(遮光膜)を通じて反射防
止膜5から離れたところまで逃げる。この結果、反射防
止膜を構成するシリコン酸化膜5aとシリコン窒化膜5
bの界面に負電荷が蓄積しなくなる。
【0032】よって、分割フォトダイオードの接合容量
が異常に増大することがないので、分割フォトダイオー
ドの応答性は低下しない。また、高周波ノイズも増大し
ない。
【0033】また、遮光膜が反射防止膜の厚みが厚くな
った周辺部のみを覆う構成によれば、遮光膜が薄い反射
防止膜上に重畳している場合に比べて、単位面積当たり
の寄生MOS容量を、例えば1/10程度に低減でき
る。
【0034】ここで、分割フォトダイオードの容量をで
きるだけ小さくすることは、応答速度の高速化や高周波
ノイズの低減を図る上で一層望ましい効果が得られるた
め、重要であり、この寄生MOS容量はない方が望まし
い。
【0035】このため、この構成によれば、応答速度の
高速化や高周波ノイズの低減を一層効果的に達成するこ
とが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
【0037】(実施形態1)図1及び図2は本発明分割
フォトダイオードの実施形態1を示す。まず、図1に基
づきその概略構造を説明する。p型シリコン基板1上に
はn型エピタキシャル層4が形成されている。p型シリ
コン基板1とn型エピタキシャル層4との境界部分に
は、選択的にp+型埋込拡散層2が形成されており、n
型エピタキシャル層4の表面部分には、このp+型埋込
拡散層2に達するようにp+型分離拡散層2’が形成さ
れている。
【0038】そして、p+型埋込拡散層2及びこれにつ
ながるp+型分離拡散層2’によりn型エピタキシャル
層4が複数のn型エピタキシャル領域に分割されてい
る。そして、分割された個々のn型エピタキシャル領域
とその下側のp型シリコン基板1の対応する部分とによ
り、信号光を検出するフォトダイオードが形成され、全
体として分割フォトダイオードが構成される。
【0039】そして、この分割フォトダイオードでは、
各光検出部を構成するp型シリコン基板1の、分割部の
近傍にのみn+型埋込拡散層3が形成されている。加え
て、分割部となるp+型分離拡散層2’を含むn型エピ
タキシャル領域の表面部分には、分割部近傍のn+型埋
込拡散層3を覆うようにp+型拡散層6が形成されてい
る。
【0040】次に、製造プロセスについて説明する。
【0041】まず、p型シリコン基板1の表面の、分割
フォトダイオードと他の素子との分離部や、分割フォト
ダイオードの分離分割フォトダイオードとなるべき領域
にp+型埋込拡散層2を形成し、また、p型シリコン基
板1上の光検出部の形成予定領域における分割部近傍部
分にのみn+型埋込拡散層3を形成する。
【0042】次に、p型シリコン基板1上の全面にn型
エピタキシャル層4を成長させた後、n型エピタキシャ
ル層4の表面からの不純物拡散により、n型エピタキシ
ャル層4表面のp+型埋込拡散層2に対応する領域にp+
型分離拡散層2’を形成する。これにより分割フォトダ
イオードの分割部が形成される。
【0043】続いて、n型エピタキシャル層4表面の分
割部となっている領域及びその両側近傍部分にのみ、n
+型埋込拡散層3の上方部分を覆うようにp+型拡散層6
を形成する。
【0044】そして、その際の熱処理により、n型エピ
タキシャル層4とp+型分離拡散層2’及びp+型拡散層
6の表面には、シリコン酸化膜が同時に形成されてい
る。
【0045】続いて、分割フォトダイオード内の反射防
止膜に利用されるシリコン酸化膜の膜厚を制御よく形成
するために、フォトリソグラフィ技術と酸化膜エッチン
グ技術により、反射防止膜の形成予定領域のシリコン酸
化膜を一度除去する。
【0046】そして、再度酸化性雰囲気の中で熱処理を
行い、この領域にシリコン酸化膜5aを再度形成する。
続いて、このシリコン酸化膜5aの上にシリコン窒化膜
5bをCVD法等の方法により形成する。これにより2
層構造の反射防止膜5が形成される。なお、このときの
シリコン酸化膜5aとシリコン窒化膜5bの膜厚は、光
ピックアップで使用される光の波長に対して、反射率が
低くなるように設定される。
【0047】次に、AlSiなどの導電性の遮光材料を
全面に積層し、続いて、分割フォトダイオードの受光領
域のみをフォトリソグラフィ技術とメタルエッチング技
術により開口する。これにより、受光領域の周辺部のみ
に遮光メタル7が形成される。
【0048】次に、遮光メタル7を覆うようにPSGカ
バー膜(絶縁性カバー膜)8を全面に形成し、続いて、
フォトリソグラフィ技術と酸化膜エッチング技術により
パッド部と分割フォトダイオードの受光領域の遮光メタ
ル7を覆いきらないように開口し、これにより図示形状
のPSGカバー膜8を形成する。
【0049】ここで、反射防止膜5、遮光メタル7及び
PSGカバー膜8の形状について今少し具体的に説明す
ると、反射防止膜5はシリコン酸化膜5a及びシリコン
窒化膜5bの2層構造になっている。また、遮光メタル
7の受光領域の中央側の端部は、反射防止膜5の2層構
造部よりも中央側に突出し、突出部の下端面がシリコン
窒化膜5b上に重畳している。また、PSGカバー膜8
の受光領域の中央側の端部は、遮光メタル7の中央側の
端部よりも基端側に位置しており、遮光メタル7の先端
部を覆わない形状になっている。
【0050】次に、図2に基づきこのような構造による
効果について説明する。上記のように、ダイシング工程
などでは反射防止膜5上に図2に示すように大量の静電
気が発生する。
【0051】しかるに、本実施形態1の分割フォトダイ
オードでは、図6及び図7に示す従来構造とは異なり、
遮光メタル7の中央側の端部はPSGカバー膜8によっ
て覆われておらず、むき出された状態にある。このた
め、発生した静電気は、むき出しの導電性の遮光メタル
7を通じて反射防止膜5から離れたところまで逃げる。
この結果、本実施形態1の構造によれば、シリコン酸化
膜5aとシリコン窒化膜5bとの界面に負電荷が蓄積し
なくなる。
【0052】それ故、本実施形態1の構造によれば、分
割フォトダイオードの接合容量が異常に増大することが
ないので、分割フォトダイオードの応答性は低下しな
い。また、高周波ノイズも増大しない。
【0053】本発明者等は従来構造の分割フォトダイオ
ードと本実施形態1の分割フォトダイオードについて、
この容量異常の発生率(不良数/測定数)に関して実験
を行ったところ、従来構造のものは、25%以上の確率
で発生したのに対し、本実施形態1の構造では異常は見
られなかった。
【0054】(実施形態2)図3は本発明分割フォトダ
イオードの実施形態2を示す。本実施形態2の分割フォ
トダイオードは、実施形態1の分割フォトダイオードと
は異なり、n型シリコン基板を用いている。以下にその
構造を製造プロセスと共に説明する。
【0055】まず、n型シリコン基板11の表面から分
割フォトダイオード部となる領域にp型拡散層12を形
成する。このときの熱処理により、n型シリコン基板1
1とp型拡散層12の表面には、シリコン酸化膜が同時
に形成される。
【0056】次に、分割フォトダイオード内の反射防止
膜15に利用されるシリコン酸化膜15aの膜厚を制御
よく形成するために、フォトリソグラフィ技術と酸化膜
エッチング技術により、反射防止膜15部のシリコン酸
化膜を一度除去する。そして、再度酸化性雰囲気の中で
熱処理を行い、この領域にシリコン酸化膜15aを再度
形成する。
【0057】続いて、このシリコン酸化膜15aの上に
シリコン窒化膜15bをCVD法等の方法により形成す
る。このときのシリコン酸化膜15aとシリコン窒化膜
15bの膜厚は、光ピックアップで使用される光の波長
に対して、反射率が低くなるように設定される。
【0058】以下、実施形態1同様の工程を経て、実施
形態1と同一形状の遮光メタル7及びPSGカバー膜8
を形成する。
【0059】本実施形態2の分割フォトダイオードも、
実施形態1と同様に、分割フォトダイオードの受光領域
の周辺の遮光メタル7をPSGカバー膜8が覆いきらな
い構造になっているので、ダイシング工程などで発生し
た静電気が、むき出しの遮光メタル7を通じて反射防止
膜15から離れたところまで逃げ、シリコン酸化膜15
aとシリコン窒化膜15bとの界面に負電荷が蓄積しな
い。
【0060】この場合、分割フォトダイオードの隣り合
うフォトダイオード部がショートしないため接合容量が
異常に増大することはない。よって、本実施形態2によ
っても、分割フォトダイオードの応答性は低下しない
し、高周波ノイズも増大しない。
【0061】(実施形態3)図4は本発明分割フォトダ
イオードの実施形態3を示す。本実施形態3の分割フォ
トダイオードは、遮光メタル7の配置位置に特徴を有す
るものである。具体的には、本実施形態3では、遮光メ
タル7の受光領域の中央側の端部がシリコン酸化膜5a
とシリコン窒化膜5bからなる反射防止膜5の薄い部分
に重畳しておらず、この点のみが実施形態1の分割フォ
トダイオードの構造と異なっている。なお、実施形態1
と対応する部分には同一の符号を付し、具体的な説明は
省略する。
【0062】以下に、上記構造上の相違に起因する実施
形態3の実施形態1に比べて有利な効果について説明す
る。
【0063】まず、実施形態1の構造では、薄い反射防
止膜5上に遮光メタル7の受光領域の中央側の端部が重
畳しており、遮光メタル7とn型エピタキシャル層3と
の電位が異なるため、寄生MOS容量となる。この寄生
MOS容量は反射防止膜5の膜厚が薄いため(シリコン
窒化膜換算で約70nm)、単位面積当たりの容量が大
きく、無視できない値である。
【0064】これに対し、本実施形態3では、受光領域
周辺の厚いシリコン酸化膜5a部分とは重畳している
が、薄い反射防止膜5上に遮光メタル7は重畳していな
い。このため、薄い反射防止膜5上に重畳している場合
に比べて、単位面積当たりの容量で1/10程度にな
る。従って、フォトダイオード容量に対して無視できる
程度となる。
【0065】ここで、分割フォトダイオードの容量をで
きるだけ小さくすることは、応答速度の高速化や高周波
ノイズの低減を図る上で一層望ましい効果が得られるた
め、重要であり、この寄生MOS容量はない方が望まし
い。
【0066】このため、本実施形態3の分割フォトダイ
オードによれば、実施形態1、2の分割フォトダイオー
ドに比べて、応答速度の高速化や高周波ノイズの低減を
一層効果的に達成できる利点がある。
【0067】(回路内蔵受光素子の実施形態)本発明の
回路内蔵受光素子は、上記の分割フォトダイオードとそ
の信号処理回路を同一基板上に形成することにより実現
することができる。今少し具体的に説明すると、上記の
n型エピタキシャル層の、分割フォトダイオードが形成
されている領域と電気的に分離された領域に、例えば、
NPNトランジスタや縦型PNPトランジスタからなる
信号処理回路用の回路素子を形成することにより実現で
きる。
【0068】
【発明の効果】以上の本発明分割フォトダイオードは、
保護膜の受光領域の中央側の端部が、遮光膜の中央側の
端部よりも周辺側に位置する構造であるので、遮光膜の
中央側の端部は保護膜によって覆われておらず、むき出
された状態にある。このため、発生した静電気は、むき
出しの導電性の遮光膜を通じて反射防止膜から離れたと
ころまで逃げる。この結果、反射防止膜を構成するシリ
コン酸化膜とシリコン窒化膜の界面に負電荷が蓄積しな
くなる。
【0069】よって、本発明によれば、分割フォトダイ
オードの接合容量が異常に増大することがないので、分
割フォトダイオードの応答性は低下しない。また、高周
波ノイズも増大しない。
【0070】また、特に請求項3記載の分割フォトダイ
オードによれば、遮光膜が反射防止膜の厚みが厚くなっ
た周辺部のみを覆う構成をとるので、遮光膜が薄い反射
防止膜上に重畳している場合に比べて、単位面積当たり
の寄生MOS容量を、例えば1/10程度に低減でき
る。
【0071】ここで、分割フォトダイオードの容量をで
きるだけ小さくすることは、応答速度の高速化や高周波
ノイズの低減を図る上で一層望ましい効果が得られるた
め、重要であり、この寄生MOS容量はない方が望まし
い。
【0072】このため、本発明によれば、応答速度の高
速化や高周波ノイズの低減を一層効果的に達成すること
が可能となる。
【0073】また、特に請求項4記載の回路内蔵受光素
子によれば、そのような効果を発揮する分割フォトダイ
オードが信号処理回路と同一の基板上に形成された回路
内蔵受光素子を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す、分割フォトダイオ
ードの断面図。
【図2】本発明の実施形態1を示す、図1の分割フォト
ダイオードが奏する効果を説明するための分割フォトダ
イオードの断面図。
【図3】本発明の実施形態2を示す、分割フォトダイオ
ードの断面図。
【図4】本発明の実施形態3を示す、分割フォトダイオ
ードの断面図。
【図5】本願出願人が先に提案した分割フォトダイオー
ドを示す断面図。
【図6】本願出願人が先に提案した別の分割フォトダイ
オードを示す断面図。
【図7】本願出願人が先に提案したまた別の分割フォト
ダイオードを示す断面図。
【図8】フォトダイオード容量が正常な場合と異常な場
合の応答波形を対比して示すグラフ。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 p+型埋込拡散層 2’ p+型分離拡散層 3 n+型埋込拡散層 4 n型エピタキシャル層 5、15 反射防止膜 5a、15a シリコン酸化膜 5b、15b シリコン窒化膜 6 p+型拡散層 7、17 遮光メタル 8、18 PSGカバー膜 11 n型シリコン基板 12 p型拡散層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第二導電型の半導体基板上に第一導電型
    の半導体層が形成され、且つ該第一導電型の半導体層が
    第二導電型の半導体層によって複数に分割され、分割さ
    れた個々の第一導電型の半導体層と該半導体基板とによ
    り、信号光を検出する分割フォトダイオードにおいて、 2層以上の膜からなり、受光領域に形成された反射防止
    膜と、 導電性材料からなり、該受光領域の周辺部に形成され、
    該反射防止膜の周辺部を覆う遮光膜と、 絶縁性材料からなり、該遮光膜上に形成された保護膜で
    あって、該受光領域の中央側の端部が、該遮光膜の中央
    側の端部よりも周辺側に位置している保護膜とを備えた
    分割フォトダイオード。
  2. 【請求項2】 第一導電型の半導体基板上に複数の第二
    導電型の半導体層が形成され、該複数の半導体層と該半
    導体基板とにより、信号光を検出する分割フォトダイオ
    ードにおいて、 2層以上の膜からなり、受光領域に形成された反射防止
    膜と、 導電性材料からなり、該受光領域の周辺部に形成され、
    該反射防止膜の周辺部を覆う遮光膜と、 絶縁性材料からなり、該遮光膜上に形成された保護膜で
    あって、該受光領域の中央側の端部が、該遮光膜の中央
    側の端部よりも周辺側に位置している保護膜とを備えた
    分割フォトダイオード。
  3. 【請求項3】 前記反射防止膜の前記受光領域の周辺部
    に位置する部分の厚みが中央部分や他の部分よりも厚く
    なっており、前記遮光膜が該反射防止膜の厚みが厚くな
    った周辺部のみを覆っている請求項1又は請求項2記載
    の分割フォトダイオード。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載のいずれかの分
    割フォトダイオードと、該分割フォトダイオードにより
    光電変換された電気信号を処理する信号処理回路とを同
    一基板上に形成した回路内蔵受光素子。
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