JPH1137958A - 結晶軸の傾き角度測定方法 - Google Patents
結晶軸の傾き角度測定方法Info
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- JPH1137958A JPH1137958A JP9197463A JP19746397A JPH1137958A JP H1137958 A JPH1137958 A JP H1137958A JP 9197463 A JP9197463 A JP 9197463A JP 19746397 A JP19746397 A JP 19746397A JP H1137958 A JPH1137958 A JP H1137958A
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Abstract
る結晶方位測定方法の提供。 【解決手段】オリフラを下に向けた時と、上に向けた時
のインゴット軸の結晶軸に対するX方向の傾き角度
X0 、X180 を測定する。そして、その測定結果X0、
X180 とインゴットの結晶軸に対応するブラッグ角θか
ら、インゴット軸の結晶軸に対するX方向の傾き角度α
とY方向の傾き角度βとを次式 で算出して、インゴット軸の結晶軸に対する傾き角度を
取得する。
Description
測定方法に係り、特に、シリコン等の単結晶材料の結晶
軸の傾き角度を測定する結晶軸の傾き角度測定方法に関
する。
ン等のウェーハをインゴットからウェーハにスライスす
る場合、そのスライスされたウェーハが所定の結晶方位
となるように、インゴット軸を所定角度傾けてスライス
している。しかし、図1(a)〜(c)に示すように、
インゴットのインゴット軸は、必ずしも結晶軸とは一致
していない。そこで、ウェーハのスライスに先立って、
インゴット軸に対する結晶軸の方位を知る必要がある。
は、インゴット軸に対する結晶軸の最大傾き角度ZM と
傾き方向θM で表されるが、一般には、インゴットに形
成されたオリフラに平行なX方向の傾き角度αと、オリ
フラに垂直なY方向の傾き角度βをX線方位測定器で測
定し、そのα、βから最大傾き角度ZM と傾き方向θM
を計算する。
傾き角度を測定するX線方位測定器の構成について説明
する。図2は、X線方位測定器の構成をダイヤグラムで
示したものである。同図に示すように、X線発生器Tか
ら出たX線はスリットSを通り、点Pで試料Qに当た
り、反射してX線検出器Gに入りメータMを振らせる。
図3に示すように、試料Qの測定すべき結晶軸に対応す
るブラッグ角θは、あらかじめ分かっているので、X線
検出器Gは2θの位置に固定しておく。試料Qは、図示
しない支持台B上に載置されており、該支持台Bは、前
記試料Qの表面に含まれる縦軸Pを軸として回転するこ
とができるように構成されている。
でブラッグ反射が生じたことがメータMの振れで分か
る。メータMの振れが最大になったとき、結晶面は2θ
の2等分線、つまり、θの方向に平行となる。図4に示
すように、切断面が測定すべき結晶面に完全に一致して
いる試料(標準サンプル)Qがブラッグ反射をおこし、
メータMの振れが最大のときの目盛板Dの位置を0度と
しておけば、試料Qのインゴット軸に対する結晶軸の傾
きδは目盛上で直読できる。
ット軸に対する結晶軸の傾き角度の測定方法は、次の通
りである。 1.X方向の傾き角度αの測定 まず、図5(a)、(b)に示すように、X線方位測定
器のθ、2θを測定するインゴットInの結晶軸に対応
するブラッグ角に合わせる。 (1-1) 次に、入射X線がシードエンド面に照射され、X線検出
器が反射X線を検知するようにインゴットInを支持台
Bに載置する。そして、図6(a)に示すように、イン
ゴットInのオリフラ面OFを支持台Bの底面に密着さ
せるとともに、インゴットInの外周を支持台Bの側面
に密着するようにしてインゴットInを支持台B上にセ
ットする(図5(a)参照)。なお、この際、支持台B
の底面は入射X線と反射X線がつくる平面に平行に、ま
た、側面は角度目盛が0度のとき図5(a)のAA' に
直角になるようにセットする。 (1-2) 次に、X線方位測定器に備えられた図示しない手動ハン
ドルを回し、インゴットInを反時計回り又は時計回り
に回転する。そして、正しい結晶面が、図5(a)のA
A' に平行になり、メータMの指針が最大に振れた位置
で回転を止める。 (1-3) 回転を止めたときの角度目盛の角度をX0 とする。そし
て、このとき、角度目盛が+ならば+X0 、−ならば−
X0 とする。 (1-4) 次に、図6(b)に示すように、インゴットInのオリ
フラ面OFを上にして、そのオリフラ面OFを支持台B
の側面に対して直角にするとともに、インゴットInの
外周を側面に密着してインゴットInを支持台B上にセ
ットする(図5(b)参照)。 (1-5) 上記 (1-3)の操作を繰り返し、インゴットInの回転を
止めたときの角度目盛の角度をX180 とする。なお、X
180 の+、−の付け方は上記 (1-4)と同じである。 (1-
6) 測定した、X0 、X180 から、次式
右側側面に、外周を底面に密着してインゴットInをセ
ットする。(2-1) 上記 (1-3)の操作を行い、インゴットInの回転を止め
たときの角度目盛の角度をY90とする。なお、Y90の
+、−の付け方は上記 (1-4)と同じである。(2-2) 次に、図6(d)に示すように、オリフラ面OFを左側
側面に、外周を底面に密着してインゴットInをセット
する。 (2-3) 上記 (1-3)の操作を繰り返し、インゴットInの回転を
止めたときの角度目盛の角度をY270 とする。なお、Y
270 の+、−の付け方は上記 (1-3)と同じである。(2-
4) 測定した、Y90、Y270 から、次式
来の測定方法では、X方向の傾き角度αとY方向の傾き
角度βを得るために、各方向で2回ずつ計4回の測定を
行っている。これは、オリフラOFを下(右)にしたと
きの測定値X0 (Y90)と、オリフラOFを上(左)に
したときの測定値X180 (Y270 )が一致しないためで
あり、この差を消去するために、各方向で2回の測定を
行い、平均値を求めることによって、正しい値を得てい
る。
を行うことは、きわめて手間のかかる作業である。特
に、長いインゴットや直径の大きいインゴットにおいて
は、インゴットの回転等に多大な労力を要し、時間のか
かる作業であった。本発明は、このような事情に鑑みて
なされたもので、結晶軸の傾き角度を簡単に測定するこ
とができる結晶軸の傾き角度測定方法を提供することを
目的とする。
するために、インゴットに形成されたオリフラに平行な
方向をX方向、オリフラに垂直な方向をY方向としたと
きの、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度
αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、X線方位測定器を用いて、前記オ
リフラを一方向に向けた状態におけるインゴット軸に対
する前記結晶軸のX方向の傾き角度X 0 と、オリフラを
前記一方向とは180度反対方向に向けた状態における
インゴット軸に対する前記結晶軸のX方向の傾き角度X
180 を測定し、その測定結果X 0 、X180 と前記結晶軸
に対応するブラッグ角θから、インゴット軸に対する前
記結晶軸のX方向の傾き角度αとY方向の傾き角度βと
を次式
た状態におけるインゴット軸に対する結晶軸のX方向の
傾き角度X0 と、オリフラを前記一方向とは180度反
対方向に向けた状態におけるインゴット軸に対する結晶
軸のX方向の傾き角度X180を測定すれば、インゴット
軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度αとY方向の傾き
角度βとを計算によって取得することができる。
る結晶軸の傾き角度測定方法の好ましい実施の形態につ
いて詳説する。まず、上述した従来技術において、イン
ゴットInのオリフラOFを下にしたときの測定値X0
と、オリフラOFを上にしたときの測定値X180 が一致
しない原因について考察する。
場合、X方向の傾き角度を測定するときの入射X線
X0 、反射X線XR0及びブラッグ角θの関係を示してい
る。このときの結晶面をP0 とすれば、入射X線X0 及
び反射X線XR0は結晶面P0 に垂直な回析平面S0 上に
ある。そして、入射X線X0 が結晶面P0 上のBに入射
し、入射X線X0 の結晶面P0 への入射角∠ABC(入
射X線X0 上のAからの結晶面P0 への垂線をACとす
る。)がブラッグ角θに等しいときブラッグ反射が起き
る。
場合、X方向の傾き角度を測定するときの入射X線
X0 、反射X線XR1及びブラッグ角θの関係を示してい
る。このときの結晶面をP1 とすれば、入射X線X0 及
び反射X線XR1は結晶面P1 に垂直な回析平面S1 上に
ある。そして、入射X線X0 が結晶面P1 上のBに入射
し、入射X線X0 の結晶面P1 への入射角∠ABD(入
射X線X0 上のAからの結晶面P1 への垂線をADとす
る。)がブラッグ角θに等しいときブラッグ反射が起き
る。
7の破線)において、ブラッグ反射が生じたときの入射
X線X0 と結晶面P0 とのなす角∠ABCをθ0 とす
る。このθ0 は、前述したβ=0のときの入射X線X0
と結晶面P0 とのなす角∠ABC=θとは異なり、それ
よりも大きい値若しくは小さい値となる。そして、この
θ0 とθとの相違が、インゴットInのオリフラOFを
下にしたときの測定値X 0 と、上にしたときの測定値X
180 が相違する原因となる。
ならば、正しいブラッグ角θでブラッグ反射が起こると
ころ、Y方向に傾き角度βがあることにより、見掛けの
ブラッグ角度θ0 でブラッグ反射が起きる。この結果、
インゴットInのオリフラOFを下にしたときの測定値
X0 と、上にしたときの測定値X180 が相違する。い
ま、θ0 とθとの差をΔθ(Δθ=θ0 −θ)とすれ
ば、この差Δθが、インゴットInのオリフラOFを下
にしたときの測定値X0 と、上にしたときの測定値X
180 に反映されてくる。すなわち、正しいX方向の傾き
角度をXとすれば、測定値X0 、X180 は、それぞれ、
X0 =α+Δθ、X180 =−(α−Δθ)(又は、X0
=α−Δθ、X180 =−(α+Δθ))となり、結果的
に、二つの測定値X0 、X180 の平均値α=(X0 −X
180 )/2を求めれば、正しい値αが得られる。
の関係を求めると、
射を起こしたときの入射X線X 0 と結晶面P0 とのなす
角θ0 (θ0 =∠ABC)は、次のようにして求めるこ
とができる。
A' から結晶面P0 への垂線をA' C' 、結晶面P1 へ
の垂線をA' D' とすれば、反射X線XR1の結晶面P1
からの反射角∠A' BD' =θ、結晶面P0 とのなす角
∠A' BC' =θ0 である。
すると、
n2 β)1/2 }−θ となる。一方、上式(1) から、
θ=(X0 +X180 )/2 となる。この式を展開すると、
向の傾き角度がゼロ(α=0)のとき、Y方向の傾き角
度βは、インゴットInのオリフラOFを下にしたとき
の測定値X0 と、上にしたときの測定値X180 が求まれ
ば、式(6) により計算で求めることができるということ
である。したがって、Y方向の測定を行わなくても、X
方向の測定のみ、すなわち、インゴットInのオリフラ
OFを下にしたときと、上にしたときの測定のみを行え
ば、α、βを取得することができる。
測定を2回の測定のみで済ませることができ、インゴッ
ト軸に対する結晶軸の傾き角度を簡易、迅速に求めるこ
とができる。ところで、上述した方法は、結晶面のX方
向の傾き角度がゼロ(α=0)の場合における、Y方向
の傾き角度βの取得方法であるが、結晶面がX方向にも
Y方向にも傾いている場合(α≠0、β≠0)は、次の
ようにしてα、βを取得する。
PC とする。Y方向の結晶面の傾き角度β=0°で、X
方向の傾き角度αの結晶面をP0 とする。入射X線X0
と反射X線XR0は、共に結晶面P0 に垂直な回折平面S
0 上にある。そして、結晶面P0 上の点Rに入射した入
射X線X0 は、その入射角が結晶軸P0 に対応するX線
方位測定器に設定したブラッグ角θに等しいときにブラ
ッグ反射が起こる。
≠0°の場合は、図9に示すように、入射X線X0 は、
結晶軸に対応するX線方位測定器に設定したブラッグ角
θと異なる見掛けのブラッグ角θ0 に等しいときにブラ
ッグ反射が起こる。図9において、面OABCを結晶の
切断面PC とし、面ODECをY方向の傾き角度βの結
晶面とする。そして、面ODFGをX方向の傾き角度
α、Y方向の傾き角度βの反射面P0 とする。このと
き、入射X線X0 は、結晶面P0 上の点Rに入射する。
垂線をPO、結晶面P0 上の直線ORへの垂線をPQ、
結晶面P0 への垂線をPVとする。入射X線X0 と反射
X線XR1は、共に結晶面P0 に垂直な回折平面S1 (面
PVV' P' )上にあり、入射X線X0 の入射角∠PR
Vが結晶軸に対応するブラッグ角に等しいときにブラッ
グ反射が起こる。
RO)と、正しいブラッグ角θとの関係は、次の通りで
ある。
GOC=αから、 PQ=POcosα … (9) であり、上式(8) 、(9) から、
法線POと反射面P0 の法線PVとのなす角であるか
ら、切断面PC と反射面P0 とのなす最大傾き角度∠F
OB=ZM に等しい。したがって、
晶軸に対してX、Y方向に傾きを有している場合(α≠
0、β≠0の場合)であっても、Y方向の傾き角度β
は、インゴットInのオリフラOFを下にしたときの測
定値X0 と、上にしたときの測定値X180 が求まれば、
式(16)により計算で求めることができる。したがって、
前記同様に、Y方向の測定を行わなくても、X方向の測
定のみを行えば、インゴット軸に対する結晶軸の傾き角
度を求めることができる。
ば、
X180 )/2=0のとき、すなわち、X0=X180 のと
きは、
α)1/2 を代入すれば、
α)}1/2 =0 となり、β=0となる。このように、本実施の形態によ
れば、X方向の測定のみを行えば、Y方向の測定を行わ
ずしてα、βを取得することができる。
前記従来技術の欄で説明した測定方法と同じである。す
なわち、インゴットInのオリフラOFを下にしたとき
と、上にしたときのX方向の傾き角度X0 、X180 をX
線方位測定器を用いて測定し、その測定結果X0 、X
180 から、次式
した工程(1-1) から工程(2-5) までを行えばよい。な
お、本実施の形態では、インゴット(棒状結晶)のイン
ゴット軸に対する結晶軸の傾き角度を測定する場合につ
いて説明したが、ウェーハ(板状結晶)のウェーハ法線
に対する結晶軸の傾き角度を測定する場合についても同
様に適用することができる。
度X0 、X180 を測定することにより、X、Y方向の傾
き角度α、βを取得する例で説明したが、Y方向の傾き
角度Y90、Y270 を測定することにより、α、βを取得
することもできる。この場合のα、βの算出式は、イン
ゴットInのオリフラOFを右側にしたときのY方向の
傾き角度をY90、インゴットInのオリフラOFを左側
にしたときのY方向の傾き角度をY270 とすれば、
インゴットの結晶軸の傾き角度を測定する場合について
説明したが、ノッチ付きインゴットの結晶軸の傾き角度
を測定する場合についても同様に適用することができ
る。この場合、X方向とY方向は、次のように設定す
る。すなわち、図20に示すように、インゴットInの
中心OINと、ノッチNの中心ON (ノッチNの谷部)を
通る直線yに平行な方向をY方向とし、その直線yに直
交する直線xと平行な方向をX方向とする。
ットの場合と同様で、X線方位測定器を用いて、ノッチ
Nを上側にしたとき(図10の状態)のX方向の傾き角
度X 0 と、ノッチNを下側にしたときのX方向の傾き角
度X180 を測定し、その測定結果X0 、X180 から、次
式
場合の適用例であるが、ノッチ付きウェーハの結晶軸の
傾き角度を測定する場合についても同様に適用すること
ができる。この場合、X方向及びY方向の設定は、ノッ
チ付きインゴットInの場合と同様である。すなわち、
ウェーハの中心と、ノッチNの中心を通る直線に平行な
方向をY方向とし、その直線に直交する直線と平行な方
向をX方向とする。
と同様に、ノッチ付きインゴット又はノッチ付きウェー
ハの場合も、Y方向の傾き角度Y90、Y270 を測定する
ことにより、α、βを取得することができる。また、本
実施の形態では、X方向傾き角度X0 、X180 を測定す
るにあたって、まず、インゴットInのオリフラOFを
下にしたときの傾き角度X0 を測定し、次いで、インゴ
ットInを180度回転させて、インゴットInのオリ
フラOFを上にしたときの傾き角度X180 を測定してい
るが、次の方法によれば、ウェーハを180度回転させ
るという作業を省くことができる。
及び図5(b)に示すように、X線は、X線発生器Tか
ら出て、インゴットInのシードエンドに当たり、反射
してX線検出器Gに入るように構成されているが、X線
発生側とX線検出側を切り換えることができるように構
成する。より具体的には、図11に示すように、X線発
生器とX線検出器とが一体となった装置C1 、C2 を用
いて、装置C1 のX線発生器から照射されたX線を装置
C2 のX線検出器で検出し、装置C2 のX線発生器から
照射されたX線を装置C 1 のX線検出器で検出するよう
に構成する。そして、測定は、まず、装置C1 をX線発
生側、装置C2 をX線検出側として利用して測定し、次
いで、装置C2 をX線発生側、装置C1 をX線検出側と
して利用して測定する。
り換えることにより、実質的に、インゴットのオリフラ
の位置を180度反転したときと同じ測定ができる。す
なわち、インゴットのオリフラを下に向けたままの状態
で、オリフラを上に向けたときの測定を行うことができ
る。この結果、インゴットを180度回転させるという
作業が一切不要となり、より簡易、迅速に結晶軸の傾き
角度の測定を行うことができる。このことは、インゴッ
トが長く、直径の大きいインゴットに対して特に有効で
ある。
度測定方法を用いて、インゴット軸に対する結晶軸の傾
き角度を測定すると、次のようになる。測定対象とする
インゴットはシリコンの〈100〉インゴット、すなわ
ち、インゴット軸が結晶軸〈100〉と略一致している
インゴットとする。そして、その外周にはオリフラが形
成されているものとする。
対する結晶軸〈100〉の傾き角度を測定する。なお、
本測定に用いるX線は、CuKα線(λ=1.5418
Å)である。まず、X線方位測定器を用いてインゴット
InのオリフラOFを下に向けたときと、上に向けたと
きのX方向の傾き角度X0 、X180 を測定する。
180 =−2.976°であったとする。ここで、シリコ
ンの結晶軸〈100〉に対応するブラッグ角θは、3
4.600°であるから、上記測定結果X0 、X180 か
ら、X方向の傾き角度αは、
回の測定だけで、インゴット軸に対する結晶軸の傾き角
度α、βを測定することができる。求められた傾き角度
α、βから、インゴット軸に対する結晶軸の最大傾き角
度ZM は、次式より、
きないため、求めることができない。
トの結晶方位の調整を行う場合は、次のようにして行
う。ここでは、まず、インゴットInのインゴット軸と
結晶軸とのなす最大傾き角度のみを規定し、最大傾き角
度の傾き方向は規定しないという規格について考える。
用いて最大傾き角度ZM を4°と規定した場合、次のよ
うに、インゴットInの結晶方位の調整を行う。まず、
X線方位測定器を用いて測定したインゴットInのオリ
フラOFを下に向けたときと、上に向けたときのX方向
の傾き角度X0 、X180 から、Y方向の傾き角度βの絶
対値を求める。この場合、上記の算出結果から、β=
1.999°となる。
大傾き角度ZM が4°となるときのαの値を求める。
ときは、α=3.465°になるようにインゴットIn
を水平方向(X方向)に振り、X0 が負のときは、α=
−3.465°になるようにインゴットInを水平方向
(X方向)に振る。本測定では、X0 が正であったの
で、α=3.465°になるようにインゴットInを水
平方向(X方向)に振る。
(15)から、
ト軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度αを求める。
2.976°であるから、
転軸としてX0 =3°(X180 =−3°)又はX0 =−
3°(X180 =3°)となるように回転する。この結
果、インゴット軸に対する結晶軸のY方向の傾き角度β
は0になる。次に、X0 が正の時は、α=4°になるよ
うにインゴットInを水平方向に振り、負の時は、α=
−4°になるようにインゴットInを水平方向に振る。
で、α=4°になるようにインゴットInを水平方向に
傾斜させる。以上の操作により、インゴットInは規格
通り、すなわち、最大傾き角度ZMが4°となるように
結晶方位調整がなされる。次に、インゴットInのイン
ゴット軸と結晶軸とのなす最大傾き角度と傾き方向を規
定する規格について考える。
用いて最大傾き角度ZM を4°、傾き方向をX方向と規
定した場合、次のように、インゴットInの結晶方位の
調整を行う。まず、X線方位測定器を用いて測定したイ
ンゴットInのオリフラOFを下に向けたときと、上に
向けたときのX方向の傾き角度X0 、X180 から、Y方
向の傾き角度βの絶対値を求める。この場合、上記の算
出結果から、β=1.999°となる。
向の傾き角度αを求める。この場合、上記の算出結果か
ら、α=3°となる。次に、X0 =3°(X180 =−3
°)又はX0 =−3°(X180 =3°)となるようにイ
ンゴットInを垂直方向(Y方向)に傾斜させる。この
結果、βは0°になる。
°(X0 =4°、X180 =−4°)になるようにインゴ
ットInを水平方向に振り、負の時は、α=−4°(X
0 =−4°、X180 =4°)になるようにインゴットI
nを水平方向(X方向)に傾斜させる。以上の操作によ
り、インゴットInは規格通り、すなわち、最大傾き角
度ZMが4°、傾き方向がX方向になるように結晶方位
調整がなされる。
る場合の実施例について説明する。なお、ここでは、イ
ンゴットをワイヤソーで切断する場合の実施例について
説明する。まず、第1の実施例として、前述したインゴ
ット軸と結晶軸とのなす最大傾き角度のみを規定し、傾
き方向は規定しない規格について考える。
を用いてインゴットの結晶方位合わせを行う。この結晶
方位装置は、ワイヤソーにインゴットを装着する前に、
あらかじめワイヤソーの装置外でインゴットの結晶方位
調整をするための装置である。まず、この結晶方位調整
装置の構成について説明する。図12に示すように、前
記結晶方位調整装置10は、方位調整装置60とX線方
位測定装置20とから構成されている。
は、スライドテーブル70がガイド22、22とレール
24を介してスライド自在に設けられている。このスラ
イドテーブル70は、モータ26に連結されたねじ軸2
8を回動することにより左右方向に移動する。前記方位
調整装置60は、このスライドテーブル70上に載置さ
れる。
30とX線受光部32とを有している。X線照射部30
はアーム34の一端部に、また、X線受光部32はアー
ム34の他端部に所定角度傾斜して支持されている。こ
のアーム34は、扇形のプレート36に円弧状レール3
8を介して揺動自在に支持されており、図示しない送り
ネジ機構に駆動されることにより揺動する。
回動自在に支持された回転軸40が固定されている。こ
の回転軸40にはモータ44のスピンドル46が連結さ
れており、このモータ44を駆動することにより、前記
扇形のプレート36が回転する。図13は、前記方位調
整装置60の正面図であり、図14はその側面図であ
る。図13及び図14に示すように、方位調整装置60
は、主としてワーク受け部62、ガイド部64、昇降部
66及び位置決め部68とから構成されている。
ル70上に設けられた回転盤71と、その回転盤71上
にブラケット72、72、…を介して円弧状に配設され
たワーク受けローラ74、74、…とから構成されてい
る。前記スライドテーブル70は矩形状に形成されてお
り、水平基準と垂直基準とを有している。
70上を回動し、ワーク受けローラ74、74、…で支
持したインゴットInをスライドテーブル70に介して
平行に回動させる。また、その時の回転角度は、回転盤
71に設けられた針73でスライドテーブル70上に形
成された回転目盛(図示せず)を読み取ることにより設
定する。
ベースプレート68に沿って配設されており、インゴッ
トInは、このワーク受けローラ74、74、…上に載
置される。また、このワーク受けローラ74、74、…
に載置されたインゴットInは、スライドテーブル70
に対して平行に載置される。前記ガイド部64は、スラ
イドテーブル70に垂直に設けられた支持プレート76
と、その支持プレート76の両側部に形成されたガイド
レール78、78とから構成されている。
に形成されたガイドレール78、78上をスライド移動
する昇降ブロック80と、前記支持プレート76に設け
られ、昇降ブロック80を昇降移動させる昇降機構84
とから構成されている。前記昇降ブロック80は、水平
部80Aと垂直部80Bとからなる断面L字状に形成さ
れており、その両側部にワークブロック56を支持する
支持アーム82、82が設けられている。
82には、それぞれ水平基準と垂直基準が設けられてお
り、支持したワークブロック56の側面と下面をそれぞ
れ基準駒86、86と支持アーム82の基準面に当接さ
せることにより、位置決めされて支持される。また、前
記昇降ブロック80の背面部には、ナット部88が形成
されており、ナット部88は、支持プレート76に沿っ
て設置されたボールネジ90に螺合されている。このボ
ールネジ90は、上端部に連結された昇降ハンドル92
を回動させることにより回動し、その回動分だけ昇降ブ
ロック80をガイドレール78、78に沿って昇降移動
させる。
盤96が固定されるとともに、その基準盤96と同軸上
に回転目盛盤98が回動自在に支持されて構成される。
前記支持台94は、前記ワーク受けローラ74、74上
に載置され、前記基準盤96とインゴットInが同軸上
に位置するように設置される。前記基準盤96は、円盤
状に形成され、その周縁部に後述する回転目盛盤98の
目盛102を読み取るための基準目盛104が形成され
ている。
れ、その周縁部の4箇所に後述するインゴットInの端
面に引いたケガキ線(インゴットInの結晶方位合わせ
基準を示す)を合わせるためのケガキ合わせ目盛100
V、100Hが所定の間隔で形成されるている。また、
前記回転目盛盤98には、インゴットInの回転角度を
設定するための回転目盛102が形成されている。この
回転目盛102は、中央位置を基準点としてその両側に
角度が目盛られており、回転目盛盤98は、前記基準目
盛104でこの回転目盛102を読み取りながら回転さ
せることで、回転角の設定を行う。
00Hは、前記回転目盛102の基準点の延長線上に垂
直基準となるケガキ合わせ目盛100Vが形成され、こ
の垂直基準となるケガキ合わせ目盛100Vと直交する
ように水平基準となるケガキ合わせ目盛100Hが形成
される。すなわち、基準盤96の基準目盛104が回転
目盛102の基準点を指している場合は、垂直基準とな
るケガキ合わせ目盛100Vは、前記スライドテーブル
70に対して垂直状態となり、水平基準となるケガキ合
わせ目盛100Hは、ベースプレートに対して平行とな
っている。
の端面に引いた水平ケガキ線104H及び垂直ケガキ線
104Vをそれぞれケガキ合わせ目盛の水平基準100
H及び垂直基準100Vに合わせることにより、インゴ
ットInは、その垂直、水平基準がスライドテーブル7
0の垂直、水平と一致する。次に、前記のごとく構成さ
れた結晶方位調整装置10を用いて、上述したインゴッ
ト軸と結晶軸とのなす最大傾き角度のみを規定し、傾き
方向は規定しない規格についての結晶方位の調整方法に
ついて説明する。
した実施例と同じシリコンの〈100〉インゴットとす
る。まず、X線方位測定装置20でインゴットInのイ
ンゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X0 、X
180 を測定する。この場合には、まず、インゴットIn
を方位調整装置60にセットする。この際、インゴット
Inのオリフラは下側に向ける。
調整装置60をスライドテーブル70上に固定する。そ
して、固定したのち、スライドテーブル70を図12上
で右方向に移動させ、インゴットInを図12中二点鎖
線で示す検出位置に位置させる。次に、X線照射部30
からインゴットInの端面に向けてX線を照射し、この
反射X線をX線受光部32で受光して、インゴット軸に
対する結晶軸のX方向の傾き角度XO を測定する。
ト36を180°回転させ、X線照射部30とX線受光
部32の位置を逆転させる(この結果、インゴットIn
を180°回転させ、オリフラの上下を逆転させるのと
同様の効果を得ることができる。)。そして、前記同様
に、X線照射部30からインゴットInの端面に向けて
X線を照射し、この反射X線をX線受光部32で受光し
て、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X
180 を測定する。
向の傾き角度X0 、X180 の測定が終了する。ここで、
測定結果はX0 =3.024°、X180 =−2.976
°であったとする。なお、この測定結果は、モニタ48
上に表示される。次に、スライドテーブル70を元の位
置に戻し、インゴットInの姿勢を方位調整装置60に
よって調整する。
Inの水平、垂直基準となるケガキ線104H、104
Vを予め引く。この際、ケガキ線104Hは、インゴッ
トInの軸心を通り、オリフラ面と平行になるように引
き、また、ケガキ線104Vは、前記ケガキ線104H
と直交し、かつインゴットInの軸芯を通るように引
く。
80の支持アーム82、82に支持させる。一方、イン
ゴットInをワーク受けローラ74、74、…上に載置
するとともに、回転目盛104を基準位置にセットす
る。そして、インゴットInを円周方向に回転させて、
その端面に引いたケガキ線104H、104Vが、ケガ
キ合わせ目盛100H、100Vに一致するように合わ
せる。
準がスライドテーブル70の水平、垂直基準と一致する
(インゴットInのオリフラがスライドテーブル70と
平行になる。)。そして、この状態から、前記測定結果
を基にインゴットInの結晶方位を調整する。ここで、
最大傾き角度ZM を4°と規定した場合は、次のよう
に、インゴットInの結晶方位を調整する。
6)を用いてインゴット軸に対する結晶軸のY方向の傾き
角度β(絶対値)を求める。ここで、X0 =3.024
°、X180 =−2.976°であるから、
ZM =4となるαを求める。α、β、ZM は、次式
になるようにインゴットInを水平方向に振り、負の時
は、α=−3.465°になるようにインゴットInを
水平方向に振る。本測定においては、X0 が正であった
ので、α=3.465°になるようにインゴットInを
水平方向に振る。なお、このインゴットInを水平方向
に振る操作は、回転盤71を回転させことにより行う。
(15)から、
ト軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度αを求める。
2.976°であるから、
転軸としてX0 =3°(X180 =−3°)となるように
回転する。なお、このインゴットInを回転させる操作
は、次のように行う。すなわち、まず、回転目盛盤98
を+3°回転させる。そして、その回転により変更した
ケガキ合わせ目盛100H、100Vの位置にケガキ線
104H、104Vが一致するようにインゴットInを
円周方向に回転させる。これにより、インゴットIn
は、インゴット軸を回転軸として+3°だけ回転する。
Y方向の傾き角度βは0になる。次に、X0 が正の時
は、α=4°になるようにインゴットInを水平方向に
振り、負の時は、α=−4°になるようにインゴットI
nを水平方向に振る。本測定においては、X0 が正であ
ったので、α=4°になるようにインゴットInを水平
方向に振る。なお、このインゴットInを水平方向に振
る操作は、上述したように、回転盤71を回転させこと
により行う。
格通りに結晶方位調整がなされる。調整終了後、ワーク
ブロック56を降ろし、そのワークブロック56をスラ
イスベース58を介してインゴットInに接着する。そ
して、そのインゴットInが取り付けられたワークブロ
ック56をワイヤソーのワークフィードテーブルに取り
付ければ、規格通りのウェーハが切断される。
ゴット軸と結晶軸とのなす最大傾き角度と傾き方向を規
定する規格について考える。この場合、図15に示す結
晶方位調整装置が備えられているワイヤソーを使用す
る。このワイヤソーは、前記第1の実施例とは異なり、
ワイヤソーに備えられたチルチング装置によりインゴッ
トの結晶方位調整を行う。まず、このワイヤソーの構成
について説明する。
0は、インゴットInを切断する加工空間Sと、インゴ
ットInを切断するワイヤ111を有するワイヤソー本
体110と、インゴットInを支持して加工空間Sに配
置させるワーク支持機構130とを備えている。ワイヤ
ソー本体110は、加工空間S内に配置されたワイヤ巻
掛け躯体112と、ワイヤ111を往復走行させるワイ
ヤリール120、120と、ワイヤ111にスラリーを
供給するスラリー供給機構125とを有している。
ーラ113、114、115を有している。この3本溝
付ローラ113、114、115に前記ワイヤ111が
巻き掛けられることにより、上部の溝付ローラ113、
114間に一定ピッチのワイヤ列117が形成される。
ワーク支持機構130は、ワークブロック131、ワー
ク支持部132、結晶軸方位調整部140、ワーク送り
機構160、方位検出手段170、X線ユニット18
0、及び制御装置210を備えている。
1は、インゴットInをワーク支持部132に取り付け
るものであり、インゴットInは、このワークブロック
131にスライスベース5を介して接着される。そし
て、インゴットInが、前記ワーク支持部132に取り
付けられると、その取り付けられたインゴットInは加
工空間Sに設置される。
nの結晶方位を調整するものであり、以下の構成を有す
る。すなわち、図15のワークテーブル141と、図1
6の揺動台142と、揺動台142を揺動駆動する揺動
駆動機構144と、回転台150と、回転台150を回
転駆動する回転駆動機構152とを有している。
160に取り付けられ昇降移動する。揺動台142は、
ワークテーブル141に設けられており、インゴットI
nの中心が配置される設置中心CP回りに、図15のワ
イヤ列117のワイヤ延在方向に対して直角な方向(図
中矢印A、B方向)に揺動する。
置中心CPとを結ぶ揺動軸線CT2回りに回転し、下部
に前記ワーク支持部132が設けられている。揺動駆動
機構144と回転駆動機構152とは、インゴットIn
の結晶方位を調整する方位調整駆動部であり、揺動駆動
機構144は、揺動台142に設けられたラック145
と、ラック145にかみ合う小歯車146と、ワークテ
ーブル141に設けられ、小歯車146を回転駆動する
揺動台駆動用ステッピングモータ147とを有してい
る。
端に揺動軸線CT2を中心として固設された大歯車15
3と、大歯車153にかみ合うウォームInと、揺動台
142に設けられ、ウォームInを回転駆動する回転台
駆動用ステッピングモータ155とを有している。図1
5のワーク送り機構160は、結晶軸方位調整部140
を昇降させものであり、その結晶軸方位調整部140に
支持されたインゴットInをワイヤ列117に押し付け
るものである。
されたインゴットInの結晶方位を検出するものであ
り、以下の構成を有している。すなわち、方位検出手段
170は、垂直回転角度検出器171と、水平回転角度
検出器172とを備えている。垂直回転角度検出器17
1は、図16の揺動台駆動用ステッピングモータ147
の回転角度位置を検出して、インゴットInの垂直回転
中心軸線CT3回りの回転角度を検出する。
用ステッピングモータ155の回転角度位置を検出し
て、揺動軸線CT2回りのインゴットInの回転角度を
検出する。尚、図16の垂直回転中心軸線CT3は、イ
ンゴットInのインゴット軸CT1と揺動軸線CT2と
に直交している。
インゴットInの端面2に照射し、その反射波(X線
L)を受光するものであり、以下の構成を有している。
すなわち、X線ユニット180は、垂れ板181、X線
ユニット設置板182、X線照射器185、X線受光器
186、X線照射角度変更用ステッピングモータ18
8、図18の防塵カバー190とを備えている。
側端に垂れ設けられている。X線ユニット設置板182
は、前記垂れ板181の下端部に設けられており、前記
設置中心CPに向かう回転軸線CT4回りに回転自在に
設けられている。X線照射器185は、X線ユニット設
置板182の一端に設けられ、インゴットInの端面2
に向けてX線Lを照射する。
182の他端に設けられ、インゴットInで反射した前
記X線Lを受光する。なお、このX線受光器186の位
置及び姿勢は、図15に示すようにインゴットInのイ
ンゴット軸CT1が、既定の方位、すなわち、ワイヤ1
1に直角な方向である図中矢印X1、X2方向に向いて
いるときに、受光されたX線Lの強度が最大の強度とな
るように設定されている。
88は、前記垂れ板181の下端部に設けられ、X線ユ
ニット設置板182を90度毎に回転駆動する。防塵カ
バー190は、X線照射器185及びX線受光器186
を包囲する。この防塵カバー190は、図18に示すよ
うに、加工空間SとX線照射器185及びX線受光器1
86との間に設けられ、X線Lが出入りする窓191a
を有する隔壁191と、窓191aを開閉する開閉扉1
92と、開閉扉192を駆動する扉駆動機構193とを
有している。
整部140の方位調整駆動部(図16中符号144、1
52)を駆動して図15のインゴットInを傾けると共
に、X線照射器185から照射され、インゴットInで
反射されX線受光器186で受光されたX線Lの強度情
報と、その際、方位検出手段170で検出されていたイ
ンゴットInの結晶方位とに基づいて、X線Lの強度が
最大となるときのインゴットInの結晶方位を検出し、
所定の方位にインゴットInの結晶軸が向くように方位
調整駆動部(図16中符号144、152)を制御する
ものであり、以下の構成を有している。
晶方位検出部212と、X線駆動制御部214と、方位
調整駆動制御部216と、入力部218と、出力部22
0と、主制御部225とを備えている。結晶方位検出部
212は、垂直回転角度検出器171からの垂直回転角
度情報Bvと、水平回転角度検出器172からの水平回
転角度情報Bhと、X線受光器86からの前記X線Lの
強度情報Dxとを入力する。そして、垂直回転角度情報
BvとX線Lの強度情報Dxとに基づいて、インゴット
軸に対する結晶軸の垂直方位Bv1(インゴット軸の結
晶軸のY方向の傾き角度Y90、Y270 )を検出し、水平
回転角度情報BhとX線Lの強度情報Dxに基づいて、
インゴット軸に対する結晶軸の水平方位Bh1(インゴ
ット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X0 、
X180 )を検出する。
6、X線照射器185、X線照射角度変更用ステッピン
グモータ188、及び扉駆動機構193を駆動制御す
る。方位調整駆動制御部216は、揺動台駆動用ステッ
ピングモータ147と回転台駆動用ステッピングモータ
155を駆動制御する。入力部218は、開始信号S1
などを入力する。
ンタなどから構成されている。主制御部225は、結晶
方位検出部212、X線駆動制御部214、方位調整駆
動制御部216、入力部218、及び出力部220にバ
ス線222を介して接続され、それらを予め記憶された
プログラムに基づいて後述するように制御する。
ソー200は、以上のように構成される。次に、前記の
ごとく構成されたワイヤソー200を用いて、上述した
インゴット軸と結晶軸とのなす最大傾き角度と傾き方向
を規定する規格についての結晶方位の調整方法について
説明する。
した第1の実施例と同じシリコンの〈100〉インゴッ
トとする。まず、インゴットInをワーク支持機構13
0に取付ける。即ち、図16に示すワーク支持機構13
0のワークブロック131をワーク支持部132から外
しておき、そのワークブロック131にスライスベース
5を介してインゴットInを接着する。このとき、イン
ゴットInのオリフラOFが上側に向くように固定す
る。
ワークブロック131をワーク支持部132に再び装着
する。次に、インゴットInの結晶軸の水平方向(X方
向)の傾き角度X0 、X180を測定する。すなわち、ま
ず、図19の制御装置210の入力部218から開始信
号S1を入力する。この開始信号S1に基づいて、主制
御部225は、以下のような制御を行う。
号S2を、方位調整駆動制御部216に揺動駆動開始信
号S3を、結晶方位検出部212に水平方位検出開始信
号Shを出力する。X線駆動制御部214は、駆動開始
信号S2に基づいて、扉駆動機構193を開方向に駆動
制御して、図18の開閉扉192を開く。そして、X線
照射器185を駆動し、X線照射器185からインゴッ
トInの端面2にX線Lが照射する。
面2で反射され、その反射X線LがX線受光器186で
受光される。X線受光器186は、図19の結晶方位検
出部212にその前記X線Lの強度情報Dxを出力す
る。一方、方位調整駆動制御部216は、揺動駆動開始
信号S3に基づいて、回転台駆動用ステッピングモータ
155を低速で所定回転角度範囲だけ往復駆動する。こ
の結果、図15のインゴットInは、回転台150と共
に揺動軸線CT2回りに所定回転角度範囲だけ図中矢印
C、D方向に往復回転される。
2回り回転角度である水平回転角度は、図19の水平回
転角度検出器172で検出され、結晶方位検出部212
に入力される。結晶方位検出部212は、水平方位検出
開始信号Sh、水平回転角度情報Bh及びX線Lの強度
情報Dxに基づいて、X線Lの強度が最大となるときの
インゴットInの水平回転角度Bhを検出し、インゴッ
ト軸に対する結晶軸の水平方位Bh1(インゴット軸の
結晶軸のX方向の傾き角度X180 )を検出する。そし
て、その検出結果、主制御部225に出力する。
h1(X180 )を出力部220に出力する。これによ
り、インゴットInのインゴット軸に対する結晶軸の水
平方位(オリフラを上にしたときのインゴットのインゴ
ット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X180 )が測
定される。
制御部214に駆動開始信号S2を、方位調整駆動制御
部216に揺動駆動開始信号S3を、結晶方位検出部2
12に水平方位検出開始信号Shを出力する。X線駆動
制御部214は、駆動開始信号S2に基づいて、X線照
射角度変更用ステッピングモータ188を駆動制御し
て、X線ユニット設置板182を180度回転させる。
そして、X線照射器185を駆動し、X線照射器185
からインゴットInの端面2にX線Lが照射する。照射
されたX線Lは、インゴットInの端面2で反射され、
その反射X線LがX線受光器186で受光される。X線
受光器186は、図19の結晶方位検出部212にその
前記X線Lの強度情報Dxを出力する。
駆動開始信号S3に基づいて、回転台駆動用ステッピン
グモータ155を低速で所定回転角度範囲だけ往復駆動
する。この結果、図15のインゴットInは、回転台1
50と共に揺動軸線CT2回りに所定回転角度範囲だけ
図中矢印C、D方向に往復回転される。また、このイン
ゴットInの揺動軸線CT2回り回転角度である水平回
転角度は、図19の水平回転角度検出器72で検出さ
れ、結晶方位検出部212に入力される。
始信号Sh、水平回転角度情報Bh及びX線Lの強度情
報Dxに基づいて、X線Lの強度が最大となるときのイ
ンゴットInの水平回転角度Bhを検出し、インゴット
軸に対する結晶軸の水平方位Bh1(インゴット軸の結
晶軸のX方向の傾き角度X0 )を検出する。そして、そ
の検出結果、主制御部225に出力する。
h1(X0 )を出力部220に出力する。これにより、
インゴットInのインゴット軸に対する結晶軸の水平方
位(オリフラを下にしたときのインゴットのインゴット
軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X0 )が測定され
る。
nのインゴット軸に対する結晶軸の水平方位(インゴッ
トのインゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X
0 、X180 )が測定され、この測定結果から、主制御部
225は、インゴットInのインゴット軸に対する結晶
軸の水平方位(X方向の傾き角度)αと、垂直方位(Y
方向の傾き角度β)を算出する。
4°、X180 =−2.976°であったとする。シリコ
ンの結晶軸〈200〉に対応するブラッグ角θは、3
4.600°であるから、上記測定結果X0 、X180 か
ら、水平方位(X方向の傾き角度)αは、
(16)から、
る。そして、主制御部225は、この算出されたα、β
に基づいて、方位調整駆動制御部216に駆動信号S5
を出力し、インゴットInの結晶方位調整を行う。な
お、ここでは、最大傾き角度ZM を4°と規定し、傾き
方向を水平方向(X方向)と規定した場合について説明
する。
動信号S5に基づいて、揺動台駆動用ステッピングモー
タ147を駆動し、結晶軸のX方向の傾き角度X0 が3
°になるようにインゴットInを垂直方向(Y方向)に
傾斜させる。この結果、インゴット軸に対する結晶軸の
垂直方向(Y方向)の傾き角度βは0となる。
した駆動信号S5に基づいて、回転台駆動用ステッピン
グモータ155を駆動し、インゴットInを水平方向
(X方向)に揺動させる。このとき、前記水平方位の測
定の結果、X0 が正の時は、α=4°(X0 =4°、X
180 =−4°)になるようにインゴットInを水平方向
に振り、負の時は、α=−4°(X0 =−4°、X180
=4°)になるようにインゴットInを水平方向(X方
向)に傾斜させる。
格通りに結晶方位調整がなされる。調整終了後、ワイヤ
ソー200を駆動してインゴットInの切断を開始す
る。以上説明したように、インゴットのインゴット軸と
結晶軸とのなす最大傾き角度のみを規定する規格につい
ては、第1の実施例のように、また、インゴットのイン
ゴット軸と結晶軸とのなす最大傾き角度と傾き角度を規
定する規格については、第2の実施例のように実施する
ことにより、本発明を用いてインゴットの結晶方位調整
を行うことができる。
オリフラを一方向に向けた状態におけるインゴット軸に
対する結晶軸のX方向の傾き角度X0 と、オリフラを前
記一方向とは180度反対方向に向けた状態におけるイ
ンゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度X180 を
測定するだけで、インゴット軸に対する結晶軸のX方向
の傾き角度αとY方向の傾き角度βを取得することがで
きる。したがって、結晶軸の傾き角度の測定を簡易迅速
に行うことができる。
β≠0の場合)
β=0の場合)
β≠0の場合)
成を示す側面断面図
断面図
及びX線受光器との間に設けられた隔壁付近を示す正面
断面図
Claims (8)
- 【請求項1】 インゴットに形成されたオリフラに平行
な方向をX方向、オリフラに垂直な方向をY方向とした
ときの、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角
度αと、Y方向の傾き角度βを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記オリフラを一方向に向け
た状態におけるインゴット軸に対する前記結晶軸のX方
向の傾き角度X0 と、オリフラを前記一方向とは180
度反対方向に向けた状態におけるインゴット軸に対する
前記結晶軸のX方向の傾き角度X180 を測定し、 その測定結果X0 、X180 と前記結晶軸に対応するブラ
ッグ角θから、インゴット軸に対する前記結晶軸のX方
向の傾き角度αとY方向の傾き角度βとを次式 α=(X0 −X180 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項2】 インゴットに形成されたオリフラに平行
な方向をX方向、オリフラに垂直な方向をY方向とした
ときの、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角
度αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き
角度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記オリフラを一方向に向け
た状態におけるインゴット軸に対する前記結晶軸のY方
向の傾き角度Y90と、オリフラを前記一方向とは180
度反対方向に向けた状態におけるインゴット軸に対する
前記結晶軸のY方向の傾き角度Y270 を測定し、 その測定結果Y90、Y270 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、インゴット軸に対する前記結晶軸のY
方向の傾き角度βとX方向の傾き角度αとを次式 β=(Y90−Y270 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項3】 ウェーハに形成されたオリフラに平行な
方向をX方向、オリフラに垂直な方向をY方向としたと
きの、ウェーハ法線に対する結晶軸のX方向の傾き角度
αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記オリフラを一方向に向け
た状態におけるウェーハ法線に対する前記結晶軸のX方
向の傾き角度X0 と、オリフラを前記一方向とは180
度反対方向に向けた状態におけるウェーハ法線に対する
前記結晶軸のX方向の傾き角度X180 を測定し、 その測定結果X0 、X180 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、ウェーハ法線に対する前記結晶軸のX
方向の傾き角度αと前記ウェーハ法線に対する前記結晶
軸のY方向の傾き角度βを次式 α=(X0 −X180 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項4】 ウェーハに形成されたオリフラに平行な
方向をX方向、オリフラに垂直な方向をY方向としたと
きの、ウェーハ法線に対する結晶軸のX方向の傾き角度
αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記オリフラを一方向に向け
た状態におけるウェーハ法線に対する前記結晶軸のY方
向の傾き角度Y90と、オリフラを前記一方向とは180
度反対方向に向けた状態におけるウェーハ法線に対する
前記結晶軸のY方向の傾き角度Y270 を測定し、 その測定結果Y90、Y270 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、ウェーハ法線に対する前記結晶軸のY
方向の傾き角度βとX方向の傾き角度αとを次式 β=(Y90−Y270 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項5】 インゴットの中心と該インゴットに形成
されたノッチの中心を通る直線に平行な方向をY方向、
その直線に直交する直線と平行な方向をX方向としたと
きの、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度
αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記ノッチを一方向に向けた
状態におけるインゴット軸に対する前記結晶軸のX方向
の傾き角度X0 と、ノッチを前記一方向とは180度反
対方向に向けた状態におけるインゴット軸に対する前記
結晶軸のX方向の傾き角度X180 を測定し、 その測定結果X0 、X180 と前記結晶軸に対応するブラ
ッグ角θから、インゴット軸に対する前記結晶軸のX方
向の傾き角度αとY方向の傾き角度βとを次式 α=(X0 −X180 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項6】 インゴットの中心と該インゴットに形成
されたノッチの中心を通る直線に平行な方向をY方向、
その直線に直交する直線と平行な方向をX方向としたと
きの、インゴット軸に対する結晶軸のX方向の傾き角度
αと、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角
度測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記ノッチを一方向に向けた
状態におけるインゴット軸に対する前記結晶軸のY方向
の傾き角度Y90と、ノッチを前記一方向とは180度反
対方向に向けた状態におけるインゴット軸に対する前記
結晶軸のY方向の傾き角度Y270 を測定し、 その測定結果Y90、Y270 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、インゴット軸に対する前記結晶軸のY
方向の傾き角度βとX方向の傾き角度αとを次式 β=(Y90−Y270 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項7】 ウェーハの中心と該ウェーハに形成され
たノッチの中心を通る直線に平行な方向をY方向、その
直線に直交する直線と平行な方向をX方向としたとき
の、ウェーハ法線に対する結晶軸のX方向の傾き角度α
と、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角度
測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記ノッチを一方向に向けた
状態におけるウェーハ法線に対する前記結晶軸のX方向
の傾き角度X0 と、ノッチを前記一方向とは180度反
対方向に向けた状態におけるウェーハ法線に対する前記
結晶軸のX方向の傾き角度X180 を測定し、 その測定結果X0 、X180 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、ウェーハ法線に対する結晶軸のX方向
の傾き角度αと前記ウェーハ法線に対する前記結晶軸の
Y方向の傾き角度βを次式 α=(X0 −X180 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。 - 【請求項8】 ウェーハの中心と該ウェーハに形成され
たノッチの中心を通る直線に平行な方向をY方向、その
直線に直交する直線と平行な方向をX方向としたとき
の、ウェーハ法線に対する結晶軸のX方向の傾き角度α
と、Y方向の傾き角度βとを測定する結晶軸の傾き角度
測定方法において、 X線方位測定器を用いて、前記ノッチを一方向に向けた
状態におけるウェーハ法線に対する前記結晶軸のY方向
の傾き角度Y90と、ノッチを前記一方向とは180度反
対方向に向けた状態におけるウェーハ法線に対する前記
結晶軸のY方向の傾き角度Y270 を測定し、 その測定結果Y90、Y270 及び前記結晶軸に対応するブ
ラッグ角θから、ウェーハ法線に対する前記結晶軸のY
方向の傾き角度βとX方向の傾き角度αとを次式 β=(Y90−Y270 )/2 で算出して取得することを特徴とする結晶軸の傾き角度
測定方法。
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1997
- 1997-07-23 JP JP19746397A patent/JP3709664B2/ja not_active Expired - Fee Related
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