JP3659553B2 - X線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料にX線を照射したときにその試料で回折するX線をX線検出手段によって検出する構造のX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線装置には、従来から、種々の構造及び種々の用途のものが存在する。例えば、粉末試料の解析に適したθ−2θ回転型ゴニオメータを備えたX線装置や、シリコンウエハ、水晶等といった単結晶試料の解析に適した4軸ゴニオメータを備えたX線装置や、X線カウンタを試料の表面と平行の面内方向、いわゆる緯度方向に走査移動させて測定を行うインプレーン測定用のX線装置、その他各種のX線装置が存在する。
【0003】
今、4軸ゴニオメータを備えたX線装置を考えると、このX線装置は、例えば図3に示すように、X線源Fを含むX線発生装置51と、X線カウンタ52と、4軸ゴニオメータ53とを含んで構成される。4軸ゴニオメータ53は、例えば、架台57上に設置されたθ回転台59と、2θ回転台61と、この2θ回転台61から外径方向へ延びていてX線カウンタ52を支持するカウンタアーム62と、θ回転台59の上に設けたχ(カイ)サークル66と、このχ(カイ)サークル66によって支持されていて試料Sを支持するゴニオヘッド58とを含んで構成される。
【0004】
θ回転台59及び2θ回転台61は、試料Sの表面を通る鉛直方向の軸線、すなわちθ軸線を中心として互いに同軸状に配置されていて、それぞれ独立して回するように構成される。また、χ(カイ)サークル66は、θ軸線を中心としてθ回転台59と同期回転し、更にθ軸線と直交するχ軸線を中心として2θ’回転するように構成される。
【0005】
試料Sはゴニオヘッド58によって支持された状態で、θ軸線とχ軸線との交点となる回転中心Oに位置している。ゴニオヘッド58への試料Sの装着は、周知の方法、例えば接着剤等を用いて行われる。ゴニオヘッド58は、中心軸線ωを中心として試料Sを回転可能に支持する。この中心軸線ωは、χ(カイ)サークル66の回転に従って回転中心Oを中心として回転するものであり、図3ではω軸線とθ軸線とが互いに一致した状態を示している。
【0006】
この4軸ゴニオメータを用いたX線装置によれば、試料Sを入射X線R1に対して3次元空間内で任意の角度に設定できるので、試料Sが単結晶物質である場合に、その試料Sに固有の特定回折角度を探索してその角度位置に試料Sを位置設定できる。
【0007】
次に、上記θ−2θ回転型ゴニオメータを備えたX線装置というのは、図3において、θ回転台59からχ(カイ)サークル66を取り外してそのθ回転台59によって試料Sを直接に支持する構造を有するX線装置と考えられる。このX線装置では、θ回転台59が試料Sを一定の方向へ所定の角速度で間欠的又は連続的に回転、いわゆるθ回転させ、それと同時に2θ回転台61がθ回転の2倍の角速度でそれと同じ方向へカウンタアーム62、従ってX線カウンタ52を回転させることになる。
【0008】
さらに、上記インプレーン測定用のX線装置というのは、インプレーン(In-Plane回折)を利用したX線回折分析方法である。このインプレーン回折というのは、図4に示すように、試料Sの表面に微小入射角度δでX線R1を入射すると、試料表面に対して微小角度の所に回折線R3が発生する現象である。これは、X線R1を微小入射角度で試料Sに入射すると、試料Sの内部に試料表面と平行に走るX線の成分が現れ、それが試料表面に垂直な結晶面によって回折を起こし、その回折線が試料表面にすれすれに出て行くという現象に基づくものである。
【0009】
このインプレーン回折は薄膜評価に適した方法であって、膜厚が薄くなるような試料、あるいは基板との関係で面内の配向が現れるような試料等の評価に関して非常に有用である。このインプレーン測定を実現するためには、X線カウンタ52を光学位置調整のために2θ回転させなければならず、しかも、インプレーン回折線を検出するためにその2θ回転面と直交する面内方向、すなわち緯度方向2θ’に走査回転させなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来知られているX線装置に関しては、上記のような各種の測定、あるいはその他の測定を行うためにそれぞれ専用のX線装置が用いられていた。そのため、各種の測定を行うために多額の経費が必要となり、また、それぞれの専用機のために設置スペースが必要となり、さらに、保守及び点検作業や管理に多大な手間や労力を要していた。
【0011】
また特に、図3に示す4軸ゴニオメータを用いた液晶装置では、χサークルによって試料Sを回転させる関係上、測定中に試料が脱落したり、試料の移動精度、つまり、測定精度に大きな誤差を生じ易いという問題があった。また、χサークルが存在するために、試料高温装置、ガス置換装置等といった環境アタッチメントを付加的に取り付けることが難しいという問題があった。
【0012】
本発明は、従来のX線装置における上記の問題点に鑑みてなされたものであって、多種類のX線測定の中から希望するX線測定を自由に選択して実行することができ、測定中の試料の脱落を確実に防止でき、さらに、環境アタッチメントの設置を容易に行うことのできるX線装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の目的を達成するため、本発明に係るX線装置は、X線を発生するX線源と、試料の表面を通るω軸線を中心としてその試料を回転させるθ回転台と、試料で回折するX線を検出するX線検出手段と、そのX線検出手段を支持する2θ’アタッチメントと、その2θ’アタッチメントを前記ω軸線を中心として回転させる2θ回転台とを有する。前記2θ回転台は、前記試料が置かれる位置で前記ω軸線と直交する2θ’軸線に対して平行に延びるカウンタアームを有し、前記2θ’アタッチメントはそのカウンタアームによって支持される。前記2θ’アタッチメントは、前記カウンタアームによって支持されて該カウンタアームの横方向に延びるアタッチメントアームを有し、前記X線検出手段は該アタッチメントアームによって支持され、前記アタッチメントアームは前記2θ’軸線を中心として回転して前記X線検出手段を前記試料の緯度方向へ走査回転させる。
【0014】
このX線装置によれば、2θ回転台の上に2θ’アタッチメントを設け、そしてその2θ’アタッチメントは、2θ回転台の回転中心線であるω軸線と直交する2θ’軸線を中心としてX線検出手段を回転させることができるので、試料のθ回転、2θ’アタッチメントの2θ回転及びX線検出手段の2θ’回転を必要に応じて適宜に組み合わせることにより、θ−2θ系ゴニオメータを用いた測定、4軸ゴニオメータを用いた測定、インプレーン測定等といった緯度方向に関する測角を必要とする測定、その他各種のX線測定を1つのX線装置によって行うことができる。
【0015】
(2) 上記構成のX線装置において、2θ回転台は、θ回転台による試料の回転から独立して2θ’アタッチメントを回転させるように構成することが望ましい。こうすれば、θ回転台と2θ回転台との間の回転の自由度が増大するので、より多種類のX線測定に対応できる。
【0016】
(3) 次に、本発明に係る他のX線装置は、X線を発生するX線源と、試料の表面を通るω軸線を中心としてその試料を回転させるθ回転台と、試料で回折するX線を検出するX線検出手段と、そのX線検出手段を支持する2θ’アタッチメントと、その2θ’アタッチメントを前記ω軸線を中心として回転させる2θ回転台とを有し、前記2θ’アタッチメントは、ω軸線と直交する2θ’軸線を中心として前記X線検出手段を回転させ、前記2θ回転台はカウンタアームを前記ω軸線を中心として回転させるようになっており、そして、前記2θ’アタッチメントはそのカウンタアームに着脱可能に配置されることを特徴とする。このX線装置によれば、2θ’アタッチメントを用いて行う緯度方向への回転が不要であるときには、その2θ’アタッチメントを取り外すことにより、X線光学系の構造を簡素化できる。
【0017】
(4) 上記(3)のX線装置において、カウンタアームに2θ’アタッチメントを位置決めするためのガイド部を設け、そのガイド部は前記2θ’軸線が前記ω軸線に直交するようにその2θ’アタッチメントをガイドするという構成を採用することができる。こうすれば、カウンタアーム上に2θ’アタッチメントを装着すれば2θ’軸線が自動的にω軸線と交わる所定位置に必ず位置決めされるので、X線光学系の組付け精度が向上し、しかもX線光学系の光軸精度が向上する。
【0018】
(5) 以上の構成のX線装置において、前記2θ’軸線は前記X線検出手段に取り込まれるX線の光軸に対して直角方向に延びるように構成することが望ましい。こうすれば、試料の緯度方向、すなわち試料表面の法線を中心として回転する方向へX線検出手段を、試料に対して一定の傾斜角度を維持した状態で正確に回転移動させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るX線装置の一実施形態を示している。このX線装置は、試料Sに入射するX線R1を発生するX線源Fを含むX線発生装置1と、試料Sからの回折X線R2を検出するX線カウンタ2と、試料S及びX線カウンタ2の位置を測角するゴニオメータ3とを含んで構成される。X線源Fは、固定配置されており、例えば通電によって熱電子を放出するフィラメントと、その熱電子が高速度で衝突するターゲットとを含んで構成できる。この場合、X線は熱電子が衝突したターゲットから発生する。
【0020】
X線源Fと試料Sとの間には、X線源Fから発散するX線R1が試料Sへ入射するようにそのX線R1の発散を規制するための発散規制スリットや、連続X線を単色化するためのモノクロメータ等といった各種のX線光学要素を含んだ入射側光学ユニット4が配設される。また、試料SとX線カウンタ2との間には、散乱X線等といった不要なX線がX線カウンタ2に取り込まれることを防止するための散乱線規制スリットや、X線R2の集束位置に配置される受光スリット等といった各種のX線光学要素を含んだ受光側光学ユニット6が配設される。X線カウンタ2は、例えばSC(Scintillation Counter)によって構成される。
【0021】
ゴニオメータ3は、架台7上に設置されており、試料Sを支持するがゴニオヘッド8と、そのゴニオヘッド8を支持するθ回転台9と、そのθ回転台9のまわりに配設された2θ回転台11と、その2θ回転台11から外径方向に延びるカウンタアーム12とを含んで構成される。θ回転台9は、試料Sの表面を通る鉛直方向のω軸線を中心として回転移動できるように構成される。また、2θ回転台11もω軸線を中心として回転移動できるように構成される。
【0022】
図2に示すように、θ回転台9は、θ回転駆動装置13によって駆動されてω軸線を中心として所定の角速度で間欠的又は連続的に回転する。また、2θ回転台11は、2θ回転駆動装置14によって駆動されてω軸線を中心として回転し、X線カウンタ2を試料Sに対して回転させる。このように、θ回転台9と2θ回転台11とは互いに同軸状に配置されて互いに独立して回転制御される。これらのθ回転駆動装置13及び2θ回転駆動装置14は任意の駆動装置を用いて構成でき、例えばウオームとウオームホイールとを含む動力伝達機構を用いて構成できる。
【0023】
カウンタアーム12の上には、2θ’アタッチメント15が着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、カウンタアーム12の上にガイド部29が形成され、そのガイド部29によって位置決めされた状態で、2θ’アタッチメント15がカウンタアーム12上に固定されている。
【0024】
2θ’アタッチメント15は、支持部材28によって支持されて2θ’軸線を中心として回転できるアタッチメントアーム16と、そのアタッチメントアーム16を回転駆動する2θ’回転駆動装置17とを含んで構成される。この2θ’回転駆動装置17は、例えば、パルスモータからなる駆動モータ18と、この駆動モータ18によって駆動されて回転するウオーム19と、そのウオーム19に噛み合うウオームホイール21とを含んで構成される。もちろん、その他の任意の動力伝達機構を用いて構成することもできる。さらに、2θ’回転駆動装置17は、θ回転駆動装置13及び2θ回転駆動装置14から独立してその動作が制御される。
【0025】
以上の構成により、カウンタアーム12の上にアタッチメントアーム16を介して支持されたX線カウンタ2は、2θ回転駆動装置14によって駆動される2θ回転台11の回転に従ってω軸線を中心として回転し、さらに、2θ’回転駆動装置17によって駆動されて、2θ’軸線を中心として回転するように構成される。
【0026】
試料Sは、例えばゴニオヘッド8によって支持されてω軸線と2θ’軸線との交点Oに位置し、符号θで示すようにω軸線を中心としてX線源Fに対して相対的に回転する。一方、X線カウンタ2は、符号2θで示すようにω軸線を中心として試料Sに対して相対的に回転する。また、X線カウンタ2は、符号2θ’で示すように2θ’軸線を中心として試料Sに対して相対的に回転する。なお、試料Sはゴニオヘッド以外の任意の支持構造によって支持することができる。
【0027】
θ回転駆動装置13、2θ回転駆動装置14及び2θ’回転駆動装置17は、X線測定制御装置20によってそれらの動作が制御される。X線測定制御装置20は、CPU22及びそれに付属するメモリ23を含んで構成される。メモリ23の内部には、X線回折測定の全般的な制御を司るプログラムが格納される。CPU22の出力ポートには、θ回転駆動装置13、2θ回転駆動装置14及び2θ’回転駆動装置17以外に、表示装置としてのCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ24が接続される。
【0028】
一方、CPU22の入力ポートには、X線強度演算回路26が接続される。このX線強度演算回路26はX線カウンタ2の出力端子に接続され、X線カウンタ2の出力信号に基づいてそのX線カウンタ2に取り込まれたX線R2の強度を演算する。そして、X線強度演算回路26によって演算されたX線強度が電気信号としてCPU22へ伝送される。CPU22の入力ポートには、X線強度演算回路26以外にキーボード、マウス形入力器等といった入力装置25が接続される。
【0029】
本実施形態のX線装置は以上のように構成されているので、次のような各種回転、すなわち、
▲1▼ゴニオヘッド8を用いる場合には、ゴニオヘッド8によって行われる試料Sの上下及び左右方向への傾斜回転移動、
▲2▼θ回転台9によって行われる試料Sのθ回転、
▲3▼2θ回転台11によって行われる2θ’アタッチメント15の2θ回転及び
▲4▼2θ’アタッチメント15によって行われるX線カウンタ2の2θ’回転
の各種回転を任意に選択して実行することにより、θ−2θ方式のX線回折測定、4軸ゴニオメータと同等のX線回折測定、インプレーン回折線を測定するX線回折測定、その他あらゆる種類のX線測定を希望に応じて行うことができる。
【0030】
(1)測定例1
例えば、粉末試料に対してθ−2θ方式のX線回折測定を行う場合には、まず、2θ’アタッチメント15によって2θ’=0°の位置、すなわち試料2に入射する入射X線R1と試料Sで回折する回折X線R2とが同一の水平面内に入るような位置、にX線カウンタ2を位置設定する。この状態で、θ回転台9によって試料Sを一定の角速度で一定の方向へ間欠的又は連続的にθ回転させ、同時に2θ回転台11によってX線カウンタ2をθ回転の2倍の角速度で同じ方向へ2θ回転させる。
【0031】
試料Sがθ回転する間、試料Sに入射するX線R1と試料Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条件が満足されると、その試料SでX線が回折し、その回折線がX線カウンタ2によって検出され、さらにX線強度演算回路26によってX線強度が演算され、そのX線強度値がCPU22の処理によってメモリ23の所定記憶場所に記憶される。こうして、X線カウンタ2の角度位置すなわち回折角度2θとその角度位置における回折X線強度との関係が測定される。
【0032】
なお、本実施形態では2θ’アタッチメント15はカウンタアーム12に着脱可能に取り付けられている。よって、2θ’アタッチメント15をカウンタアーム12から取り外し、それに代えてX線カウンタ2をカウンタアーム12の上に装着すれば、2θ回転台11によってカウンタアーム12を2θ回転させることにより、通常のθ−2θゴニオメータと同様なX線光学系によって測定を行うことができる。この場合には、X線光学系が簡素になるので、光学系の光学調整を簡単に行うことができる。
【0033】
また、本実施形態ではカウンタアーム12の所定位置にガイド部29が設けられ、このガイド部29に沿って2θ’アタッチメント15を装着したときには、2θ’軸線が自動的にω軸線に直交するようになっている。従って、上記のように2θ’アタッチメント15をカウンタアーム12に着脱する際、2θ’アタッチメント15をガイド部29に沿わせるという簡単な操作だけで、2θ’軸線をω軸線に対して常に一定の位置に安定して位置決めできる。
【0034】
(2)測定例2
次に、図3に関連して説明した4軸ゴニオメータを用いたX線回折測定と同等の測定を行う場合について説明する。図3においては試料Sは、θ回転台59によってθ軸線まわりに回転し、χサークル66によってχ軸線まわりに回転し、さらにゴニオヘッド58によって傾斜移動する。また、X線カウンタ52は、2θ回転台61によってθ軸線まわりに回転する。これらの各種回転を希望に従って実行することにより、単結晶試料Sに発生する回折線をX線カウンタ52によって捕らえることができる。
【0035】
図1に示す本実施形態のX線装置によってそれと同等のX線測定を行う場合には、試料Sをθ回転台9によってω軸線まわりに回転させること、試料Sをゴニオヘッド8によって傾斜移動させること、X線カウンタ2を2θ回転台11によってω軸線まわりに回転させること、さらにX線カウンタ2を2θ’アタッチメント15によって2θ’軸線まわりに回転させることといった各種の回転移動の中から希望の回転を選択して実行することにより、図3に示す4軸ゴニオメータと同等の測定を行うことができる。
【0036】
なお、図3に示す従来の4軸ゴニオメータを用いたX線装置では、試料Sのまわりにχサークル66が存在する関係上、試料の温度を調節するための試料高温装置、試料のまわりのガス雰囲気を調整するためのガス置換装置等といった環境アタッチメントを試料Sのまわりに装着することが難しかった。これに対し、図1に示す本実施形態では、試料Sのまわりにはχサークル等といった邪魔な部材が存在しないので、環境アタッチメントを容易に取り付けることができる。
【0037】
(3)測定例3
次に、図4に示したインプレーン回折測定を行う場合について説明する。この場合には、ゴニオヘッド8によって入射X線R1に対する試料Sの平面性を調節し、θ回転台9によって試料Sをω軸線まわりに回転させることによってX線入射角度を微小角度δに調節する。そして、2θ回転台11によってX線カウンタ2をω軸線まわりに回転してインプレーン回折線を検出できる微小角度位置δに位置設定し、その状態で、2θ’アタッチメント15によってX線カウンタ2を2θ’軸線を中心として2θ’回転させて試料Sの緯度方向へ走査回転させることにより、試料Sに発生するインプレーン回折線を検出する。
【0038】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
以上の説明では、図1に示すX線装置によって行うことができるX線測定を3種類挙げて説明したが、▲1▼ゴニオヘッド8によって行われる試料Sの上下及び左右方向への傾斜回転移動、▲2▼θ回転台9によって行われる試料Sのθ回転、▲3▼2θ回転台によって行われる2θ’アタッチメント15の2θ回転及び▲4▼2θ’アタッチメント15によって行われるX線カウンタ2の2θ’回転の各種回転を任意に選択して実行することにより、上記3種類以外の任意のX線回折測定を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係るX線装置によれば、2θ回転台の上に2θ’アタッチメントを設け、そしてその2θ’アタッチメントは、2θ回転台の回転中心線であるω軸線と直交する2θ’軸線を中心としてX線検出手段を回転させることができるので、試料のθ回転、2θ’アタッチメントの2θ回転及びX線検出手段の2θ’回転を必要に応じて適宜に組み合わせることにより、θ−2θ系ゴニオメータを用いた測定、4軸ゴニオメータを用いた測定、インプレーン測定等といった緯度方向に関する測角を必要とする測定、その他各種のX線測定を1つのX線装置によって行うことができる。これにより、経費を節減でき、X線装置の設置場所を狭くでき、さらに保守及び点検作業や管理のための労力を低減できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のX線装置の平面図及びそのX線装置のための制御系を示す図である。
【図3】従来のX線装置の一例、特に4軸ゴニオメータを用いたX線装置を示す斜視図である。
【図4】X線回折測定法の一例であるインプレーン回折測定法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置
2 X線カウンタ
3 ゴニオメータ
4 入射側光学ユニット
6 受光側光学ユニット
7 架台
8 ゴニオヘッド
9 θ回転台
11 2θ回転台
12 カウンタアーム
13 θ回転駆動装置
14 2θ回転駆動装置
15 2θ’アタッチメント
16 アタッチメントアーム
18 駆動モータ
19 ウオーム
20 X線測定制御装置
21 ウオームホイール
28 支持部材
29 ガイド部
R1,R2 X線
S 試料
Claims (5)
- X線を発生するX線源と、
試料の表面を通るω軸線を中心としてその試料を回転させるθ回転台と、
試料で回折するX線を検出するX線検出手段と、
そのX線検出手段を支持する2θ’アタッチメントと、
その2θ’アタッチメントを前記ω軸線を中心として回転させる2θ回転台と
を有し、
前記2θ回転台は、前記試料が置かれる位置で前記ω軸線と直交する2θ’軸線に対して平行に延びるカウンタアームを有し、前記2θ’アタッチメントは前記カウンタアームによって支持され、
前記2θ’アタッチメントは、前記カウンタアームによって支持されて該カウンタアームの横方向に延びるアタッチメントアームを有し、前記X線検出手段は該アタッチメントアームによって支持され、前記アタッチメントアームは前記2θ’軸線を中心として回転して前記X線検出手段を前記試料の緯度方向へ走査回転させる
ことを特徴とするX線装置。 - 請求項1において、2θ回転台は、θ回転台による試料の回転から独立して2θ’アタッチメントを回転させることを特徴とするX線装置。
- X線を発生するX線源と、
試料の表面を通るω軸線を中心としてその試料を回転させるθ回転台と、
試料で回折するX線を検出するX線検出手段と、
そのX線検出手段を支持する2θ’アタッチメントと、
その2θ’アタッチメントを前記ω軸線を中心として回転させる2θ回転台と
を有し、
前記2θ’アタッチメントは、ω軸線と直交する2θ’軸線を中心として前記X線検出手段を回転させ、
前記2θ回転台はカウンタアームを前記ω軸線を中心として回転させるようになっており、そして、前記2θ’アタッチメントはそのカウンタアームに着脱可能に配置される
ことを特徴とするX線装置。 - 請求項3において、前記カウンタアームは2θ’アタッチメントを位置決めするためのガイド部を有し、そのガイド部は前記2θ’軸線が前記ω軸線に直交するように前記2θ’アタッチメントをガイドすることを特徴とするX線装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、前記2θ’軸線はω軸線と直交し、X線の光軸を通る面と一致することを特徴とするX線装置。
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