JPH1114566A - X線回折測定及び蛍光x線測定のためのx線装置 - Google Patents

X線回折測定及び蛍光x線測定のためのx線装置

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JPH1114566A
JPH1114566A JP9181714A JP18171497A JPH1114566A JP H1114566 A JPH1114566 A JP H1114566A JP 9181714 A JP9181714 A JP 9181714A JP 18171497 A JP18171497 A JP 18171497A JP H1114566 A JPH1114566 A JP H1114566A
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JP
Japan
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ray
sample
detector
fluorescent
rotation
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JP9181714A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Ogiso
克彦 小木曽
Akihide Doshiyou
明秀 土性
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線回折測定及び蛍光X線測定の両方を行う
X線装置において、蛍光X線測定用のX線検出器の配設
の仕方に改善を加えて、両方の測定の測定精度を向上す
る。 【解決手段】 X線を放射するX線源1と、試料8で回
折するX線を検出するX線カウンタ6と、試料8から発
生する蛍光X線を検出するSSD23と、試料軸線ωを
中心として試料8をX線源1に対してθ回転させるθ回
転駆動系9と、試料軸線ωを中心としてX線カウンタ6
をX線源1に対して2θ回転させる2θ回転駆動系11
とを有するX線装置である。X線源1と試料8との間の
θ回転及びX線源1とX線カウンタ6との間の2θ回転
に連動して、SSD23を試料8に近づけ又は遠ざける
ように移動させる。こうしてSSD23をX線光学系に
対して進退移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を用いて試料
に関する各種特性を測定するX線装置、特にX線回折測
定及び蛍光X線測定の両方の測定を行うことができるX
線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線を用いて試料を分析する装置として
X線回折装置及び蛍光X線装置が知られている。X線回
折装置は、試料にX線を照射したときに、その試料で回
折するX線を検出する。このX線回折装置によれば、試
料に含まれる結晶を構成する原子の配列構造等を判定で
きる。しかしながらこのX線回折装置では、試料に含ま
れる原子の種類それ自体を判別することはできない。
【0003】他方、蛍光X線装置では、試料にX線を照
射したときに、その試料から発生する蛍光X線を検出す
る。この蛍光X線は、試料に含まれる原子のそれぞれに
対応した特有の波長を有するものであり、従って、蛍光
X線の波長ごとの強度分布を測定することにより、試料
に含まれる原子の種類及び量を知ることができる。
【0004】以上のことから、X線回折測定及び蛍光X
線測定の両方を行うことができるX線装置を用いれば、
試料に含まれる原子の種類及びそれらの原子に関する結
晶構造の両方を知ることができるので、非常に便利であ
る。従来、そのようなX線装置として、X線回折測定を
行うためのX線検出器と、蛍光X線測定を行うためのX
線検出器との両方を個別に備えたX線装置が知られてい
る。多くの場合は、X線回折測定のためのX線検出器と
しては、SC( Scintillation Counter)や、PC(Pr
oportional Counter)等が用いられる。また、蛍光X線
測定のためのX線検出器としては、SSD( Soid-Stat
e Detector:半導体検出器)が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】X線回折測定及び蛍光
X線測定の両方を行うことができる従来のX線装置で
は、蛍光X線測定のためのX線検出器がX線回折測定の
ためのX線光学系の邪魔にならないようにするために、
その蛍光X線測定のためのX線検出器を試料から遠く離
して設置していた。しかしながら、X線検出器をそのよ
うに試料から遠く離して設置する場合には、試料から発
生する蛍光X線が空気に吸収されてしまうために、蛍光
X線の検出が困難になるという問題があった。特に、M
g、Al等といった軽元素に対応する蛍光X線に関して
はその傾向が強くて検出が難しかった。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、X線回折測定及び蛍光X線測定の両方を
行うことができるX線装置において、蛍光X線測定のた
めのX線検出器の配設の仕方に改善を加えることによ
り、X線回折測定及び蛍光X線測定の両方の測定精度を
向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るX線装置は、X線を放射するX線源
と、試料で回折するX線を検出する回折X線検出器と、
試料から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線検出器
と、試料軸線を中心として試料をX線源に対して相対的
にθ回転させるθ回転駆動系と、試料軸線を中心として
回折X線検出器をX線源に対して相対的に2θ回転させ
る2θ回転駆動系とを有するX線装置において、X線源
と試料との間のθ回転及びX線源と回折X線検出器との
間の2θ回転の少なくとも1つの回転に連動して、蛍光
X線検出器を試料に近づけ又は遠ざけるように移動させ
ることを特徴とする。
【0008】このX線装置によれば、X線源から放射し
たX線を試料に入射したときにその試料から発生する蛍
光X線を蛍光X線検出器によって検出することにより蛍
光X線測定を行うことができる。また、X線源と試料と
の間でθ回転を行い、同時に、X線源と回折X線検出器
との間で2θ回転を行うことにより、X線回折測定を行
うことができる。
【0009】そして、X線源に対する試料のθ回転及び
/又はX線源に対す回折X線検出器の2θ回転に連動さ
せて蛍光X線検出器を試料に対して移動できるようにし
たので、X線源、試料及び回折X線検出器の各要素を含
むX線光学系がX線回折測定を行うために相対的に角度
移動するときでも、蛍光X線検出器を常にそのX線光学
系の邪魔にならない位置に置くことができる。しかも、
蛍光X線測定を行うときには蛍光X線検出器をできるだ
け試料に接近する位置に置くことができる。試料から発
生する蛍光X線は空気によって吸収され易いので、試料
と蛍光X線検出器との間の間隔が大きく離れると蛍光X
線の検出が困難になるのであるが、上記のように蛍光X
線測定の際に蛍光X線検出器を試料に接近させて配置で
きるということは、蛍光X線測定の測定精度を向上させ
ることに関して極めて有利である。
【0010】上記構成において、回折X線検出器として
は、例えば、SCやPCを用いることができる。また、
蛍光X線検出器としてはPCやSSD、望ましくはSS
Dを用いることができる。SSDは、固体である半導体
のイオン化作用を利用してX線強度をエネルギごと、す
なわち波長ごとに検出するものである。シリコン、ゲル
マニウム等といった半導体にX線が入射すると、その半
導体の中にイオン対(すなわち、電子と正孔)が作られ
る。このイオン対の数は、入射X線のエネルギに比例す
る。これらのイオン対は、電圧が与えられた両極に分離
してパルス電流となる。イオン対は両電極に移動する
際、途中の電子をさらにイオン化することはないので、
パルス電流はかなり弱いが、パルス電流のパルス高さは
入射X線のエネルギと正確に対応し、よって、エネルギ
分解能が非常に高い。
【0011】上記構成のX線装置に関しては、以下のよ
うな実施態様が考えられる。 (1)まず第1に、X線源に対する回折X線検出器の2
θ角度が大きくなるときに、それに連動させて蛍光X線
検出器を試料から遠ざかる方向へ移動するように構成で
きる。従来装置のように蛍光X線検出器を試料に対して
一定位置に固定配置しておくと、X線回折測定を行って
いるときに回折角度2θが小さいときには蛍光X線検出
器が測定の邪魔にならないかもしれないが、回折角度2
θが大きくなると、X線源から試料へX線が入射するこ
とに関して及び試料で回折したX線が回折X線検出器に
到達することに関して、蛍光X線検出器が邪魔になるこ
とが考えられる。これに対して、回折角度2θが大きく
なるにつれて蛍光X線検出器を試料から離れるようにし
ておけば、回折角度2θが大きくなる場合にも試料のま
わりに広い空間を確保できるので、試料に対して十分な
入射X線を供給でき、さらに、試料からの回折X線を減
衰させることなく回折X線検出器へ導くことができる。
【0012】(2)次に、試料軸線を中心としてX線源
を一定方向へ所定の角速度で回転させることによってθ
回転を実現し、上記試料軸線を中心として回折X線検出
器をX線源と反対方向へ同じ角速度で回転させることに
よって2θ回転を実現するようにX線光学系を構成した
上で、上記θ回転及び上記2θ回転の両方の回転角度が
共に大きくなるときに、それらの回転角度に連動させて
蛍光X線検出器を試料から遠ざかる方向へ移動させるこ
とができる。
【0013】(3)また、上記(2)の構成を採用する
ときには、X線源に対する試料のθ回転及び/又はX線
源に対する回折X線検出器の2θ回転に連動させて蛍光
X線検出器を移動させるための手段として平行リンク機
構を採用でき、その場合には、この平行リンク機構の上
にX線源、試料、回折X線検出器及び蛍光X線検出器の
各要素を搭載する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るX線装置の
一実施形態を示している。このX線装置は、X線焦点F
を含むX線源1と、θ回転台2及び2θ回転台3を含む
ゴニオメータ4と、そして回折X線検出器としてのX線
カウンタ6とを有する。測定対象である試料8は、θ回
転台2に装着される。X線源1は、図示の所定位置に固
定設置される。θ回転台2は、軸線ωを中心として回転
する。2θ回転台3は、θ回転台2のまわりに配設され
ていて軸線ωを中心として回転する。軸線ωは、試料8
の表面を通るように設定される。2θ回転台3には外側
へ張り出す検出器アーム7が設けられ、この検出器アー
ム7の上にX線カウンタ6が固定される。X線カウンタ
6は、例えばPC(Proportional Counter)によって構
成できる。
【0015】θ回転台2にはθ回転駆動系9が連結さ
れ、一方、2θ回転台3には2θ回転駆動系11が連結
される。これらの回転駆動系は、例えば、パルスモータ
の回転をウオームとウオームホイールを介して各回転台
2及び3に伝達する構成を採用できる。この構成の場合
には、パルスモータに適宜の駆動パルスを供給すること
により、θ回転台2及び2θ回転台3を希望の角度だけ
回転できる。θ回転駆動系9及び2θ回転駆動系11の
動作はCPU(中央処理装置)12によって制御され
る。
【0016】X線源1と試料8との間には、X線焦点F
から発散するX線の発散を規制する発散規制スリット1
3が配設される。また、X線カウンタ6の手前位置には
受光スリット14が配設される。X線カウンタ6は、X
線を取り込んだときにそのX線強度に対応した信号を出
力し、その出力信号はX線強度演算回路16へ入力され
る。このX線強度演算回路16は、X線カウンタ6の出
力信号に基づいてX線強度を演算する。検出器アーム7
を所定の角速度で回転、いわゆる2θ回転させながらX
線カウンタ6によるX線検出を行い、その出力信号に基
づいてX線強度演算回路16によってX線強度を演算す
れば、図4に示すように、回折角度(2θ)に関するX
線強度分布を得ることができる。このようなX線強度分
布は、CPU12によって駆動制御される表示装置、例
えばプリンタ17によって用紙上にプリントでき、ある
いは、CRTモニタ18によって映像として表示でき
る。
【0017】図1において、X線源1、ゴニオメータ
4、そしてX線カウンタ6は、4個のリンク19a,1
9b,19c及び19dを回転節によって環状に連結し
た平行リンク機構19によって互いに連結されている。
具体的には、平行リンク機構19の1つの回転節21が
θ回転台2及び2θ回転台3の回転軸線ωに一致し、リ
ンク19aの延長部分にX線源1が固定され、そして、
リンク19bの延長部分にX線カウンタ6が固定され
る。
【0018】さらに、平行リンク機構19の回転節のう
ち試料回転軸線ωと対向する位置にある回転節22に
は、蛍光X線検出器としてのSSD( Soid-State Dete
ctor)23が取り付けられている。また、補助リンク2
4a及び24bは、リンク19c及び19dと協働して
小さな平行リンク機構を構成する。
【0019】X線源1と試料8とを結ぶリンク19a
は、θ回転台2と一体になって回転する。また、X線カ
ウンタ6と試料8とを結ぶリンク19bは、2θ回転台
3と一体になって回転する。リンク19a及び19bの
少なくともいずれか一方が試料軸線ωを中心として回転
すると、SSD23は矢印A−A’で示すように、試料
8に近づき又は遠ざかるように平行移動する。このと
き、補助リンク24a及び24bによって構成される小
さな平行リンク機構の働きにより、SSD23のX線取
込口23aは常に試料8を向くように保持される。
【0020】SSD23は、X線が半導体に入射したと
きに形成されるイオン対、すなわち電子と正孔との対、
に基づいてX線を検出するものであり、多くの場合は、
イオン対を熱雑音と区別するために半導体及びそれに付
随する増幅器等を液体窒素を用いて冷却する。SSD2
3の出力端子にはMCA(Multi-Channel Pulse Height
Analyzer :多重波高分析器)26が接続され、そのM
CA26の出力端子がCPU12の入力ポートに接続さ
れる。
【0021】SSD23は、X線取込口23aに特定エ
ネルギ(すなわち、特定波長)のX線が入ったときに、
図2に示すように、そのエネルギに対応した高さ(パル
スハイト)のパルス信号を出力する。そして、この出力
パルスを入力したMCA26は、そのパルスハイトに対
応するチャンネル内に信号を記憶する。SSD23のX
線取込口23aにエネルギの異なる複数のX線が取り込
まれると、MCA26内の対応チャンネル内の信号値が
徐々に大きくなる。図3に示すX線強度分布及び必要に
応じて図2に示すX線強度分布は、プリンタ17又はC
RTモニタ18によって可視像として表示される。
【0022】以上の構成を有する本実施形態のX線装置
は、X線回折測定及び蛍光X線測定の2種類の測定を希
望に応じて選択して実行できる。以下、各測定別に説明
する。 (蛍光X線測定)図1において、θ回転台2の所定位置
に試料8を装着する。そして、2θ回転台3を図の正時
計方向へ回転させることによって検出器側リンク19b
を正時計方向へ回転させ、これにより、X線源側リンク
19aに対する検出器側リンク19bの成す角度2θを
小さくする。すると、平行リンク機構19の作用により
SSD23が矢印Aのように試料8へ向かって平行移動
する。これにより、SSD23のX線取込口23aをで
きるだけ試料8に接近する位置に置く。このとき、補助
リンク24a及び24bを含む小さな平行リンク機構の
働きにより、SSD23は、そのX線取込口23aを常
に試料8へ向けた状態で平行移動する。
【0023】SSD23が試料8に接近した位置にセッ
トされると、X線源1のX線焦点FからX線の放射を開
始する。放射されたX線は、発散規制スリット13によ
ってその発散を制限されて試料8の表面に入射する。す
ると、試料8からは、その内部に含まれる原子の種類に
対応した波長のX線、すなわち蛍光X線が発生し、それ
がSSD23によって検出される。SSD23の出力端
子には、検出したX線の波長に対応するパルスハイトの
パルス信号が出力され、その出力パルスがMCA26の
対応するチャンネルに格納される。
【0024】以上のように、MCA26の各チャンネル
には試料8に含まれる原子に対応したチャンネルに信号
が蓄積されてゆき、結果的に、図3に示すような各チャ
ンネルごと、すなわち、各パルスハイトごとのX線強度
分布が得られる。このX線強度分布を観察することによ
り、試料8に含まれる原子の種類及びその量を知ること
ができる。図3では、Al(アルミニウム)、Si(ケ
イ素)、Fe(鉄)、そして銀(Ag)に対応するチャ
ンネルに信号が蓄積された状態を示している。
【0025】図1において試料8から発生する蛍光X線
は強度が弱くて空気に吸収され易く、それを検出するこ
とが困難であった。特に、Al、Si等といった軽元素
についてはその傾向が強い。しかしながら本実施形態の
X線装置では、SSD23のX線取込口23aを試料8
にできるだけ接近させるようにしたので、蛍光X線の空
気による吸収の影響をできる限り抑えることができ、よ
って、信頼性の高い蛍光X線測定結果を得ることができ
る。
【0026】(X線回折測定)次に、X線回折測定を行
う場合には、図1において、θ回転台2に試料8を装着
したままで、あるいは、新しい試料8に交換した後に、
X線源1を固定した状態で、X線焦点Fから出て試料8
へ入射するX線の入射角度θを初期のホーム位置にセッ
トする。また、X線源1に対するX線カウンタ6の角
度、すなわち回折角度2θを初期のホーム位置にセット
する。
【0027】次いで、θ回転駆動系9を作動してθ回転
台2従って試料8を試料軸線ωを中心として所定の角速
度で間欠的又は連続的に回転、いわゆるθ回転させる。
そして同時に、2θ回転駆動系11を作動して2θ回転
台3従ってX線カウンタ6をθ回転の2倍の角速度で同
じ方向へ回転、いわゆる2θ回転させる。
【0028】試料8がθ回転し、それに合わせてX線カ
ウンタ6が2θ回転する間、X線焦点Fから放射されて
発散規制スリット13によって発散が制限されたX線が
試料8に入射する。そして、入射したX線と試料8の結
晶格子面との間でブラッグの回折条件が満足されるタイ
ミングが到来すると、その試料8でX線が回折し、その
回折X線がX線カウンタ6によってカウントされ、さら
にX線強度演算回路16によってX線強度が算出され
る。このX線強度値はCPU12によって回折角度2θ
と関連づけられ、その結果、図4に示すような回折X線
図形が得られる。この回折X線図形を観察することによ
り、試料8に含まれる結晶を構成する原子の配列構造等
を判定できる。
【0029】以上のX線回折測定を行っている間、X線
カウンタ6の角度位置2θは小さい側(すなわち、低角
度側)から大きい側(すなわち、高角度側)へと移行す
る。このように角度2θが徐々に大きくなるときSSD
23は、矢印A’に示すように、平行リンク機構19の
働きによって試料8から徐々に離れる方向へ移動する。
【0030】仮に、従来装置のように、SSD23が一
定の位置に固定される構造であるとすると、その固定位
置が試料8に接近した位置であれば、蛍光X線測定にお
いては蛍光X線の検出を精度高く行うことができる。し
かしながら、測定モードを変更してX線回折測定を行う
ときには、試料8の近傍に設置されたそのSSD23が
邪魔になって、X線源1のX線焦点FからのX線が十分
に試料8に到達しなかったり、さらに、試料8で回折し
た回折X線の全てがX線カウンタ6に到達することを阻
害される。
【0031】これに対し、X線カウンタ6の2θ回転移
動に連動させてSSD23を試料8から遠ざかるように
移動させれば、回折角度2θが大きくなって試料8のま
わりの空間的な余裕が狭くなるときでも、SSD23が
入射X線及び回折X線の進行を阻害することがなくな
り、その結果、信頼性の高いX線回折測定データを得る
ことができる。
【0032】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発
明の範囲内で種々に改変できる。例えば、以上の説明で
は、図1においてX線回折測定を行う際に、X線源1を
固定状態にしておいて試料8をθ回転させ、同時にX線
カウンタ6をその2倍の角速度で同じ方向へ2θ回転さ
せたが、この動作に代えて、試料8を固定状態にしてお
いてX線源1を図の正時計方向へθ回転させ、同時に、
X線カウンタ6をそれと反対の反時計方向へ同じ角速度
で2θ回転させることもできる。
【0033】また、図1の実施形態では、SSD23の
X線取込口23aを常に試料8を向くようにするため
に、補助リンク24a及び24bを含む小さな平行リン
ク機構を用いたが、これ以外の任意のガイド手段を用い
ることができる。また、SSD23をA−A’方向へ進
退移動させるための手段として平行リンク機構を用いた
が、これに代えて、それ以外の任意の構造の移動機構を
用いることができる。
【0034】また、蛍光X線検出器はSSDに限られ
ず、PCを用いることもできる。但し、PCはSSDに
比べてエネルギ分解能がかなり低いので、蛍光X線測定
のうちの定性分析、すなわち未知試料の中にどのような
原子が存在するかを判別するための測定には不向きであ
り、予め含まれていることがわかっている原子がどのく
らいの量だけ含まれているかを知るための測定、すなわ
り定量測定を行う場合にPCを使用できる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載のX線装置によれば、X線
源に対する試料のθ回転及び/又はX線源に対す回折X
線検出器の2θ回転に連動させて蛍光X線検出器を試料
に対して移動できるようにしたので、X線源、試料及び
回折X線検出器の各要素を含むX線光学系がX線回折測
定を行うために相対的に角度移動するときでも、蛍光X
線検出器を常にそのX線光学系の邪魔にならない位置に
置くことができる。しかも、蛍光X線測定を行うときに
は蛍光X線検出器をできるだけ試料に接近する位置に置
くことができ、従って、空気吸収の影響を排除して信頼
性の高い蛍光X線測定を行うことができる。
【0036】請求項2記載のX線装置によれば、X線光
学系によってX線回折測定を行う際に、蛍光X線検出器
がそのX線光学系の邪魔になることを確実に防止でき
る。
【0037】請求項3記載のX線装置は、試料を固定配
置した状態でX線源及びX線カウンタの両方を試料を中
心として互いに反対方向へ回転移動させることによって
X線回折測定を行う形式のゴニオメータを対象としてい
る。この種のゴニオメータを用いる場合には、X線源及
びX線カウンタの両方が試料のまわりで回転移動するの
で、蛍光X線を検出するための蛍光X線検出器を固定配
置することにすると、特にその蛍光X線検出器がX線回
折測定の邪魔になり易い。このとき、蛍光X線検出器を
X線回折測定のためのX線光学系と連動して移動するよ
うに構成しておけば、そのX線光学系をどのような角度
位置に回転移動させる場合でも、蛍光X線検出器がX線
回折測定を邪魔することを確実に防止できる。
【0038】請求項4記載のX線装置によれば、X線回
折測定のためのX線光学系の回転移動と蛍光X線検出器
の進退移動とを非常に簡単に、且つ、正確な動作を行う
ことができるように連動させることができる。
【0039】請求項5記載のX線装置によれば、PC等
といったその他のX線検出器を用いる場合に比べて、高
精度の測定結果を得ることができる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置の一実施形態を示す平面
図である。
【図2】図1の装置によって実行される蛍光X線測定に
よって得られる測定データの一例を示すグラフである。
【図3】図1の装置によって実行される蛍光X線測定に
よって得られる測定データの他の一例を示すグラフであ
る。
【図4】図1の装置によって実行されるX線回折測定に
よって得られる測定データの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 X線源 2 θ回転台 3 2θ回転台 4 ゴニオメータ 6 X線カウンタ(回折X線検出器) 7 検出器アーム 8 試料 13 発散規制スリット 14 受光スリット 19 平行リンク機構 19a,19b,19c,19d リンク 21,22 回転節 23 SSD(蛍光X線検出器) 23a X線取込口 24a,24b 補助リンク F X線焦点 ω 試料軸線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を放射するX線源と、試料で回折す
    るX線を検出する回折X線検出器と、試料から発生する
    蛍光X線を検出する蛍光X線検出器と、試料軸線を中心
    として試料をX線源に対して相対的にθ回転させるθ回
    転駆動系と、試料軸線を中心として回折X線検出器をX
    線源に対して相対的に2θ回転させる2θ回転駆動系と
    を有するX線装置において、 X線源と試料との間のθ回転及びX線源と回折X線検出
    器との間の2θ回転の少なくとも1つの回転に連動し
    て、蛍光X線検出器を試料に近づけ又は遠ざけるように
    移動させることを特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線装置において、X線
    源に対する回折X線検出器の2θ角度が大きくなるとき
    に蛍光X線検出器を試料から遠ざかる方向へ移動するこ
    とを特徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のX線装置に
    おいて、 試料軸線を中心としてX線源を一定方向へ所定の角速度
    で回転させることによってθ回転を実現し、 上記試料軸線を中心として回折X線検出器をX線源と反
    対方向へ同じ角速度で回転させることによって2θ回転
    を実現し、 上記θ回転及び上記2θ回転に連動させて、それらの回
    転角度が大きくなるときに蛍光X線検出器を試料から遠
    ざかる方向へ移動することを特徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のX線装置において、X線
    源、試料、回折X線検出器及び蛍光X線検出器の各要素
    を平行リンク機構に搭載したことを特徴とするX線装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちの少なくと
    もいずれか1つに記載のX線装置において、蛍光X線検
    出器はSSD(半導体検出器)であることを特徴とする
    X線装置。
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