JP3127875B2 - 全反射螢光x線分析方法及び装置 - Google Patents

全反射螢光x線分析方法及び装置

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JP3127875B2
JP3127875B2 JP10047933A JP4793398A JP3127875B2 JP 3127875 B2 JP3127875 B2 JP 3127875B2 JP 10047933 A JP10047933 A JP 10047933A JP 4793398 A JP4793398 A JP 4793398A JP 3127875 B2 JP3127875 B2 JP 3127875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面に1次X
線を微小な角度で照射して、試料表面からの螢光X線を
分析する全反射螢光X線分析方法及び装置に関し、特
に、試料からの回折X線に起因する誤差を補正するバッ
クグランド補正方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積化に伴い、プロ
セスのより一層のクリーン化が要求されている。シリコ
ンウエハーに関しては表面に存在する不純物金属が結晶
欠陥発生によるデバイス特性の悪化、耐圧不良、閾値電
圧の変動等、さまざまな影響をデバイス特性に与えるこ
とが知られている。高信頼性のサブミクロンデバイスを
高歩留まりで生産するためにはこの表面不純物金属の量
は1010atoms/cm2以下にする必要がある。こ
のためにさまざまな工夫が行なわれているが、不純物量
を低減するためには、まずウエハー上の不純物量を正確
に検出し定量する分析手法の開発および改善が必要とな
る。このための方法として以前よりライフタイム等の電
気的特性を測定する方法、2次イオン質量分析法、原子
吸光分光分析等を用いる湿式化学分析法、および、全反
射螢光X線分析法等が実用化されている。
【0003】全反射螢光X線分析法(以下、TXRFと
略記する)は、当初、SOR(放射光)を用いた方法が
主であったが、X線源として回転対陰極を用い、分光結
晶で単色化された入射X線を用いる実験室用の小型装置
が市販されるようになって以来、急速に表面微量金属の
分析法として普及してきた。
【0004】TXRFによる微量金属分析の原理は以下
に示す通りである。X線の波長領域では全ての物質の屈
折率は1よりもわずかに小さい。従って、光学的に平坦
な表面に、物質によって決まるある一定の臨界角よりも
低角度でX線を照射すると、入射X線はほとんど物質中
に侵入することなく、入射角度と等角度で反射される。
入射X線の反射率は臨界角付近で大きく変化し、それに
伴いX線の侵入深さも変化する。臨界角以下の角度で
は、X線の侵入深さは、せいぜい数十オングストローム
程度であり、この時、表面近傍の入射X線強度が定在波
の効果によって強くなる。このような条件下で、平坦な
表面に原子層以下程度の金属不純物が付着していた場
合、この金属不純物は入射X線によって強く励起されて
特性X線を発生するので、ごく微量な金属不純物でも感
度よく検出することが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のT
XRF技術で極微量金属不純物を検出する場合には、以
下に示すような問題が存在する。
【0006】TXRFでシリコン基板上の極微量金属不
純物を定量する場合、目的とする元素の特性X線以外に
シリコン基板からのSi−Kαピーク、および、入射X
線がシリコン基板によって散乱された散乱X線のピーク
がバックグランドとして被分析元素の特性X線と同時に
観察される。
【0007】さらに入射X線が分光結晶によって単色化
されたX線であった場合、シリコン基板が単結晶である
と入射X線の入射方位によっては、この入射X線がシリ
コン基板表面で検出器方向にブラッグ回折して検出器に
直接入射することがある。この回折線は表面で散乱され
た入射X線と同じエネルギーを持つから、この場合には
さらに強いピークが入射X線のエネルギー位置に観測さ
れる。
【0008】この現象は、文献「X線分析の進歩24、
97〜111頁」によれば、以下のように説明される。
シリコン基板をSi(001)、入射X線方位を〔11
0〕、入射X線をW−Lβ(λ=0.128nm)とし
た場合、W−LβとSi(001)の逆格子についてエ
ワルトの作図を行なうと図6のようになる。全反射条件
でSi基板に入射したX線は、実際にはSi基板中に数
十オングストロームの深さまで侵入するから、Si基板
によって回折を受けて出射する。この場合、図6から、
(224)と(444)が回折条件を満たすことが分
る。これを実空間で表示すると図7のようになり、 S
i基板10に入射したX線21はそれぞれ回折角10
9.4°、70.6°で回折するので、両回折線24と
も半導体X線検出器(SSD)15の方向に出射する。
このため、強いピークが入射X線21のエネルギー位置
に観測される。
【0009】先に述べた2本のピークのうち、Si−K
αはエネルギーが1.739keVであるが、入射X線
のエネルギ―は、例えば、入射X線にW−Lβを用いた
場合には9.671keV、Au−Lαを用いた場合に
は9.712keVであリ、シリコン特性に影響を与え
る金属不純物(主に遷移金属)の特性X線を励起するの
に十分なエネルギーを持っている。このため、上述した
ように、入射X線が検出器の方向に回折されて、入射X
線の散乱回折ピークが強く観察された場合、検出スペク
トル中のFe−Kα、Ni−Kα等の強度が増減する現
象が観察される(前掲論文)。これは検出器の窓として
使用されているBe膜中のFe、Ni等の不純物が入射
X線の散乱回折線によって励起されてFe−Kα、Ni
−Kα等を発生するためで、これがバックグランドとな
る。従って、この場合、バックグランドの強度は入射X
線の散乱回折X線強度にほば比例して増減する。これら
Fe−Kα、Ni−Kα等の強度は、Be膜中の不純物
の濃度レベルによって異なるが、通常、109〜1010
atoms/cm2レベルのバックグランドと同等の強
度を持っている。これはSi基板上の不純物検出に必要
とされる検出下限のレベルと同等である。従ってこのバ
ックグランドはTXRFをSi基板上の不純物濃度のモ
ニタ―として使用する場合には、大きな問題となる。
【0010】この、入射X線がSi基板上で回折されて
検出器方向に出射することに起因するバックグランドの
増加を解消するための薄膜X線回折装置が、特開平2−
184747号公報に記載されている。この公開公報に
記載された薄膜X線回折装置は、図8に示すように、X
線源81、試料薄膜82、検出器83の関係を基板84
からの強い回折線が検出器73方向に出射する位置に設
定する。この状態から、入射点D85はそのままにして
基板84の面方位ベクトルC86に垂直な平面内で試料
薄膜を方位DEから方位DFのように所定の回転角αn
(n=1)づつ回転させる。この時、検出される回折ピ
ークをモニタし、回折ピークが消える回転角αn(n:
正の整数)で試料薄膜82を固定する。この状態で通常
の薄膜X線回折を行なう。さらに、基板からの回折線が
2本以上観察される場合には、それぞれの回折ピークが
消える回転角αnをあらかじめ記憶しておく。試料薄膜
82を回転させながら薄膜X線回折の測定を行ない、基
板84からの回折ピークが現われる角度で薄膜X線回折
の測定を休止して試料薄膜82の回転を続ける。その
後、回折ピークが現われる角度が過ぎてから薄膜X線回
折の測定を再開することで基板84からの回折ピ―クを
回避し単結晶性基板上の薄膜であっても、精度の高いX
線回折を行なうことが出来る。
【0011】しかし、上記の、回折ピ―クの除去方法
は、ハード的に試料台を回転させて回折X線の発生しな
い角度で測定するもので、試料台に回転機構等のより複
雑な機構を装着することが必要であり、コスト的に割高
となる。また、上記の薄膜X線回折装置にあっては、試
料薄膜82の中心の1点における回折X線の除去のみに
対応できるにすぎず、試料薄膜上の他の位置における回
折X線を除去することはできないため、試料薄膜の中心
以外の部分では正確な測定が出来ないという問題があ
る。TXRFによるSi基板表面の極微量金属不純物の
測定では、Si基板上の1点のみでなく、あらゆる位置
における不純物を測定する必要があるから、上述の薄膜
X線回折装置の手法をTXRFによる不純物測定に適用
できない。
【0012】このため別の解決策として、ソフト的に回
折ピークの影響を除去する方法が用いられている。則
ち、Be膜中の不純物のバックグランド強度が散乱回折
X線強度に比例すると考えて、予めバックグランド強度
と散乱回折X線強度の比を測定により求めておき、TX
RF測定時に測定した散乱回折X線強度と、予め求めて
おいたバックグランド/散乱回折X線強度の比とからバ
ックグランドの強度を計算によって求め、実測した強度
から差し引くことでバックグランドを除去している。
【0013】しかしながら、上述したソフト的にバック
グランドの影響を除去して測定値を補正する方法では、
入射X線のSi基板への入射方位によっては、前もって
求めた係数を散乱回折X線強度に掛けて求めた補正値が
バックグランド強度に必ずしも一致せず、うまくいかな
い場合がある。
【0014】この補正がうまくいかない原因として以下
の理由による。図9はSi基板10による入射X線21
の回折の様子を模式的に示したものである。既に説明し
たように、(001)Si基板10に〔110〕方向か
ら入射したX線21は(224)、(444)面で回折
される。この時それぞれの回折X線24は検出器のBe
膜15aへ侵入角109.4°および70.6°で侵入
する。このように回折X線24がBe膜15aに斜めか
ら侵入した場合、侵入角をθ、Be膜厚をtとすると、
Be膜中を回折X線24が通過するパスの長さxは、x
=t/sinθとなり、垂直に侵入した場合に比べ1/
sinθだけパスの長さが長くなる。Be膜厚tはおよ
そ10μmであり、この程度の厚さでは多少パスの長さ
が変わったとしてもBe膜15aに侵入した回折X線
(侵入X線)24の強度はほとんど減衰しないで膜を通
過する。ちなみに10μmのBe膜15aに吸収される
X線の割合はエネルギーが10.5keVのX線の場合
にはおよそ0.1%であり、侵入角109.4°および
70.6°の侵入パスの長さはそれぞれ10.6μm、
10.6μmとなる。このような条件下ではBe膜中に
含まれる微量成分の特性X線強度は回折X線(侵入X
線)24のパスの長さxに比例して大きくなる。従って
侵入角θで侵入したX線によって励起されるBe膜中の
元素iの特性X線強度Iiと垂直侵入のX線によって励
起される特性X線の強度Iipの関係は Ii/Iip=1/sinθ で表される。
【0015】このように回折X線のBe膜への侵入角が
異なると励起される特性X線強度も異なるから、Si基
板へある特定の入射方位で入射したX線の散乱回折X線
強度と、その時のバックグランド強度の比を全ての入射
方位に対する基準として係数を求め、未知試料のバック
グランドを算出しても正しく補正されないのである。
【0016】TXRF装置における試料ホルダーは通
常、r、θ移動機構で動作する。すなわち試料上の任意
の測定点にX線を照射するためにはrとθの組合せで試
料位置を設定している。これは入射X線の試料面に対す
る入射角度を0.01°〜0.3°の間で正確に設定す
る必要があるためにX、Y移動機構では機械的精度を出
すのが難しいためである。このためSi基板上で多点測
定を行なう場合、測定点によってSi基板に対する入射
X線の入射方位が異なるということが生じる。すなわち
上述したバックグランドの補正の効かない入射方位での
測定の可能性が常に存在する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ための、本発明における全反射蛍光X線分析方法は、X
線を全反射する角度で単結晶基板に入射し、単結晶基板
からの螢光X線を検出して単結晶基板表面の不純物元素
の種類と濃度を定量する全反射螢光X線分析方法におい
て、単結晶基板表面で入射X線が散乱・回折して発生し
た散乱回折X線の回折角を求める第1の工程と、第1の
工程で求めた回折角からX線検出器のBe窓中の散乱回
折X線のパスの長さを求め、パスの長さからBe窓中に
存在する不純物の特性X線強度を計算して求め、求めた
特性X線強度をバックグランド強度とする第2の工程
と、単結晶基板からの螢光X線を検出して得られたスペ
クトルから第2の工程で得られたバックグランド強度を
差し引いてスペクトル強度を補正する第3の工程とを有
する全反射蛍光X線分析方法である。
【0018】ここで、第1の工程を、低角度で単結晶基
板に入射させた入射X線の入射方位〔hkl〕および単
結晶基板の面方位(hkl)から単結晶基板表面で入射
X線が散乱・回折して発生した散乱回折X線の回折角を
計算により求める工程とする方法と、散乱回折X線の回
折角と強度を測定して求める工程とする方法がある。こ
の時、計算により回折角を求める前者の第1の工程の場
合、第2の工程は、第1の工程で求めた回折角からX線
検出器のBe窓中の前記散乱回折X線のパスの長さを求
め、予め求めておいた係数から求めた散乱回折X線強度
と、パスの長さとを用いてBe窓中に存在する不純物の
特性X線強度を計算してバックグランド強度を求める工
程となる。また、測定して回折角を求める後者の第1の
工程の場合、第1の工程で得られた回折角からX線検出
器のBe窓中の前記散乱回折X線のパスの長さを求め、
パスの長さと測定した散乱回折X線強度とを用いてBe
窓中に存在する不純物の特性X線強度を計算してバック
グランド強度を求める工程となる。
【0019】本発明の全反射螢光X線分析装置は、試料
表面に1次X線を微小な角度で入射するX線源と、試料
表面に対向し、1次X線を受けた試料からの螢光X線を
検出するX線検出器とを備え、X線検出器での検出結果
に基づいて前記螢光X線を分析する全反射螢光X線分析
装置において、検出結果を補正するデータ処理部を備え
たことを特徴とする全反射螢光X線分析装置であって、
データ処理部が、試料表面で散乱・回折して発生した散
乱回折X線の回折角を求める第1の工程と、第1の工程
で求めた回折角からX線検出器のBe窓中の散乱回折X
線のパスの長さを求め、バスの長さからBe窓中に存在
する不純物の特性X線強度を計算して求め、求めた特性
X線強度をバックグランド強度とする第2の工程と、試
料からの螢光X線を検出して得られたスペクトルから第
2の工程で得られたバックグランド強度を差し引いてス
ペクトル強度を補正する第3の工程とを有する全反射蛍
光X線分析装置と、データ処理部が、低角度で試料に入
射させた1次X線の入射方位〔hkl〕および試料の面
方位(hkl)から表面で1次X線が散乱・回折して発
生した散乱回折X線の回折角を計算により求める第1の
工程と、第1の工程で求めた回折角からX線検出器のB
e窓中の前記散乱回折X線のパスの長さを求め、予め求
めておいた係数から求めた散乱回折X線強度と、パスの
長さとを用いてBe窓中に存在する不純物の特性X線強
度を計算してバックグランド強度を求める第2の工程
と、試料からの螢光X線を検出して得られたスペクトル
から第2の工程で得られたバックグランド強度を差し引
いてスペクトル強度を補正する第3の工程とを有する全
反射蛍光X線分析装置と、データ処理部が、試料表面で
入射X線が散乱・回折して発生した散乱回折X線の回折
角と強度をX線検出器を介して測定する第1の工程と、
第1の工程で得られた回折角からX線検出器のBe窓中
の散乱回折X線のパスの長さを求め、パスの長さと測定
した散乱回折X線強度とを用いてBe窓中に存在する不
純物の特性X線強度を計算してバックグランド強度を求
める第2の工程と、試料からの螢光X線を検出して得ら
れたスペクトルから第2の工程で得られたバックグラン
ド強度を差し引いてスペクトル強度を補正する第3の工
程とを有する全反射蛍光X線分析装置がある。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す
フローチャートである。
【0021】本発明によるところの、TXRFのバック
グランド強度を補正する全反射螢光X線分析方法は、図
1に示すように、回折角計算工程、バックグランド強度
計算工程、測定値からのバックグランド強度の差し引き
工程の3工程から成る補正工程を備えている。
【0022】先ず、Si基板からの螢光X線を測定する
(S1)。次いで、回折角計算工程により、入射X線が
Si基板で散乱・回折された回折X線の回折角を求める
(S2)。更に、バックグランド強度計算工程により、
回折角に基づいて、X線検出器のBe窓中に存在する不
純物の特性X線強度を計算し、バックグランド強度を求
め(S3)、測定した螢光X線スペクトルからバックグ
ランド強度を減算して測定値を補正する(S4)。最後
に、補正したデータから元素の種類とその濃度を定量す
る(S5)。
【0023】回折角を求める工程(S2)は、予め与え
られている既知のSi基板等単結晶試料面の面方位(h
kl)、入射X線の波長λ、試料のどちらの結晶方位方
向からX線が入射するかを示す入射X線方位〔hkl〕
より、回折X線の回折角を計算する工程である。ここで
回折X線の回折方向はエワルト球の中心からエワルト球
と逆格子点が接する方向である。Si基板へのX線の入
射方位〔hkl〕を変えるということは、変化する入射
方位〔hkl〕にそってエワルト球を逆格子の原点を軸
にして回転させることである。この時、エワルト球と逆
格子点がある特定の入射方位で接すれば、その方向に回
折が起こる。半径1/λ(λは入射X線の波長)のエワ
ルト球と接する逆格子点H(hkl)は、入射方位〔h
kl〕と半径1/λの大きさから計算で求めることが出
来る。ちなみにSi(001)基板に入射方位〔11
0〕から入射X線のエネルギー9.671keV(W−
Lβ、波長λ=1.28オングストローム)のX線を入
射させた場合、エワルト球の中心は逆格子点(330)
付近に存在し、図5に示したようにエワルト球と逆格子
点(444)、(224)が接する(則ち、逆格子点
(444)、(224)がエワルト球面上にある)。回
折X線の出射方向はエワルト球の中心とエワルト球面上
の逆格子点を結ぶ方向となるので回折角は(444)で
は70.6°、(224)では109.4°となる。
【0024】上述したように、回折X線の回折方向はエ
ワルト球の中心からエワルト球と逆格子点が接する方
向、則ち、エワルト球上の逆格子点の方向であるから、
先ず、エワルト球上の逆格子点を求め、この逆格子点か
ら回折角を計算する。これには、先ず、試料の任意の場
所、例えば入射X線の入射点、をCとして、入射X線の
方向〔hkl〕に入射波の波数ベクトルをとり、その先
端Oを逆格子の原点として逆格子点H(hkl)を計算
する。次に、点Cを中心とした半径1/λのエワルト球
上にある逆格子点H(hkl)を求める。則ち、計算し
た逆格子点H(hkl)からエワルト球の式を満足する
逆格子点を選出する。このエワルト球上にある逆格子点
H(hkl)から回折面(hkl)が分かるから、結晶
系とその格子定数から、回折面(hkl)の面間隔d
(hkl)を計算する。例えば立方晶系では、単位格子の1
稜の長さをaとすると面間隔d(hkl)は 1/d(hkl) 2=(h2+k2+l2)/a2 となる。この関係は、ほかの結晶系についても既知であ
るので、結晶系に応じてそれぞれ計算すればよい。この
面間隔d(hkl)とブラッグの式 2d(hkl)sinθ(hkl)=nλ λ:入射X線の波長、θ(hkl):回折角、d(hkl):格子
面間隔、n:回折次数から回折角θ(hkl)を計算する。
この様にして求めた全ての回折角θ(hkl)のうちBe膜
(Be窓)15aに入射する回折X線24の回折角θ
(hkl)のみを選出する。則ち、図2に示すように、入射
点DからBe膜(Be窓)15aを見込む円錐30の中
に入る回折X線24の回折角θ(hkl)のみを選出する。
この為には、Si基板10からBe膜(Be窓)15a
までの距離Lと、Be膜(Be窓)15aの直径Rから
求まる立体角Ω内に回折されるX線の回折角θ(hkl)
選出すればよい。
【0025】バックグランド強度計算工程(S3)は検
出器の窓に用いられているBe膜の膜厚t、先の工程
(S2)で求めた回折角θ(hkl) 、および、単位膜厚単
位散乱回折強度におけるバックグランド強度から測定試
料におけるバックグランド強度を求める工程である。被
測定試料から螢光X線を測定した際に測定されるトータ
ルの散乱回折X線強度Iは、入射方位に関係なく全ての
方位に散乱される散乱X線強度IRと特定の結晶面(h
kl)で回折された全てのX線強度IDとの和である。
則ち、I=ID+IRである。しかし、TXRFの通常の
測定条件下では、全ての方位に散乱される散乱X線強度
Rは無視できるほど小さく、I=IDとおいても大きな
誤差は生じないから、I=IDとする。ここでBe膜厚
をt(μm)、回折角をθhkl 、散乱回折X線強度をI
(cps)、単位膜厚、単位散乱回折強度におけるバッ
クグランド強度をI0(1/μm・cps)とすると測
定試料におけるバックグランド強度IBは IB=(t/sinθ)×I0×I となる。単位膜厚、単位散乱回折強度におけるバックグ
ランド強度I0は前もって表面に不純物が付着していな
いSi基板を用いて特定入射方位における回折X線とバ
ックグランド強度の関係から求めておく。
【0026】さらに、2種類以上の回折面からの回折X
線が検出器に同時に侵入した場合には、バックグランド
強度IBはそれぞれの回折面(hkl)からの回折X線
の強度をI(hkl)とすると
【0027】のように個々の回折X線ごとにバスの長さ
を補正したものの和となる。
【0028】ここでI(hkl)は個々の回折線の強度であ
るが、この相対的な大きさは回折面毎に異なっているの
で、回折線毎に強度に補正を加えなければならない。個
々の回折線の強度I(hkl)に対してはJCPDS(jo
int committeeon powder di
ffraction standards)カード等で
相対的な強度比 (I/Ii)(hkl) を知ることができるから、個々の回折X線の強度I
(hkl)
【0029】となる。ここでIiは回折線のうち最も強
度の強い回折X線の強度で、JCPDSカードではこれ
を基準にして個々の回折線の相対強度(I/Ii)
(hkl)のデ―タが示されているから、その値を用いる。
Iは被測定試料から測定した全ての散乱回折X線強度で
ある(被測定試料から螢光X線を測定する際に測定して
おけばよい。)。
【0030】上記、式1、式2に、Be膜厚t、予め求
めておいた単位膜厚、単位散乱回折強度におけるバック
グランド強度I0、JCPDSカードから求めた個々の
回折線の相対強度(I/Ii)(hkl)、先の工程(S
2)で求めた回折角θ(hkl)を代入してバックグランド
強度IBを計算する。
【0031】測定値からのバックグランド強度の差し引
き工程(S4)は、測定試料における各元素iの実測し
た強度Iimから、バックグランド強度計算工程(S3)
で求めたバックグランド強度IBを差し引いて測定値を
補正する工程である。この工程3を経た結果、得られた
各元素iのX線強度Ii0(Ii0=Iim−IB)は、Si
基板からの回折X線の影響が取り除かれた値であり、そ
のまま濃度に変換することが出来る。濃度に変換するに
は検量線に基いて行う。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0033】この第2の実施の形態は、第1の実施の形
態とは異なり、回折角は計算で求めずに、測定して求め
ている例である。先ず、Si基板からの螢光X線を測定
する(S1)。次いで、入射X線がSi基板で散乱・回
折された回折X線の回折角θm(hkl)と回折強度Im(hkl)
を測定する(S2)。この後、バックグランド強度計算
工程により、測定により得られた回折角θm(hkl)と回折
強度Im(hkl)に基づいて、X線検出器のBe窓中に存在
する不純物の特性X線強度を計算し、バックグランド強
度IBを求め(S3)、測定した螢光X線スペクトルか
らバックグランド強度IBを減算して測定値を補正する
(S4)。最後に、補正したデータから元素の種類とそ
の濃度を定量する(S5)。
【0034】バックグランド強度IBの計算は、第1の
実施の形態の式1から回折角θ(hkl)及びI(hkl)の替わ
りに測定した回折角θm(hkl)と回折強度Im(hkl)を用い
て計算すればよい。測定した螢光X線スペクトルからバ
ックグランド強度IBを減算して測定値を補正する方法
と、補正したデータから元素の種類とその濃度を定量す
る方法は第1の実施の形態と同じである。
【0035】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、全反射螢光X線分析装置を示す図3、及び、全反射
螢光X線分析装置のデータ処理部のフローチャートを示
す図4に基いて説明する。
【0036】この実施の形態の全反射螢光X線分析装置
は、図3に示すように、回転対陰極X線源11と、X線
源から放射されたX線を単色化するための分光結晶12
と、回転対陰極X線源11及び分光結晶12とは水平面
内で試料台13を挾んで互いに180度離間した位置に
配置されて、単色化されたX線がSi基板10等の試料
に低角度で入射して、その表面で全反射したX線22の
強度を計測するシンチレーションカウンタ等のX線検出
器14と、試料から発生した螢光X線(特性X線)23
を検出するためのリチウムドリフト型Si検出器等の半
導体X線検出器(SSD)15と、Z軸、r軸移動機
構、Ψ軸、θ軸回転機構を有する試料台13と、データ
処理部18等で構成され、第1の実施の形態の補正手順
がプログラム化され自動的に行なわれるようになってい
る。入射X線21の入射角、X線の入射方位〔hkl〕
はデ―タ処理部18を通して自動的に設定され、その値
を基にデータ処理部18で第1の実施の形態で示した補
正計算が行なわれる。また、このデ―タ処理部18は試
料台13の設定にも使用され、試料の測定点までの移動
にともなうステップモータコントローラ20への制御信
号の出力等が自動的に行なわれる。
【0037】SSD15は試料台直上に設置され、その
出力は増幅器16に入力される。増幅器16に入力され
た信号は増幅され、電圧パルスの立ち上がり幅に比例し
た波高を有するパルスに波形整形されて波高分析器17
に入力され、各波高値が計数される。コンピュータ等の
データ処理部18は、図4に示すフローチャートに従
い、波高分析器17で測定されたデータを処理してその
結果を出力部19のメモリに格納したり、出力部19で
画面表示や印刷を行う。
【0038】データ処理部18の処理工程は、図4に示
すように、先ず、X線検出器14からの全反射X線強度
情報、試料台13の回転・移動情報及び予め与えられて
いる入射X線の入射角、入射X線の入射方位〔hk
l〕、Si基板10表面の測定位置情報に基き、ステッ
プモータコントローラ20を介して試料台13のΨ軸、
θ軸回転機構、Z軸、r軸移動機構を駆動制御すると共
にX線検出器14の位置を制御して入射X線21の入射
角、入射X線の入射方位〔hkl〕、Si基板表面の測
定位置を設定し、SSD15を介して螢光X線を測定す
る(S11)。次に、第1の実施の形態の方法によりS
SD15で測定された特性X線23の強度を補正する。
則ち、予め入力されている、入射X線の入射角、X線入
射方位〔hkl〕、結晶方位(hkl)、入射X線の波
長λ、Si基板10とSSD15との距離、SSD15
のBe窓直径Rとから、SSD15に入射する全ての回
折X線24の回折角θ(hkl)を計算する(S12)。次
いで、 SSD15のBe膜15aの厚さtと、回折角
計算工程(S12)で求めたSSD15に入射する全て
の回折X線24の回折角θ(hkl)とからバックグランド
強度IBを計算する(S13)。最後に、SSD15で
測定した特性X線強度からバックグランド強度IBを減
算してバックグランドを補正し(S14)、この補正さ
れたデータ及び検量線から元素の種類と濃度を算出して
その結果を出力部19に出力する(S15)。更に、必
要であれば、 試料台を駆動・制御してSi基板の測定
位置を変更し(S16)、再度、工程S12〜S16を
繰り返し、Si基板表面上の必要な全ての測定点につい
て測定する。なお、Si基板の測定位置を変更した際に
Si基板へのX線の入射方位〔hkl〕が変わらなけれ
ば、工程S12、S13は省略してよい。
【0039】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、全反射螢光X線分析装置を示す図3、及び、全反射
螢光X線分析装置のデータ処理部のフローチャートを示
す図5に基いて説明する。
【0040】この第4の実施の形態の全反射螢光X線分
析装置は、図3に示すように、回転対陰極X線源11
と、X線源から放射されたX線を単色化するための分光
結晶12と、回転対陰極X線源11及び分光結晶12と
は水平面内で試料台13を挾んで互いに180度離間し
た位置に配置されて、単色化されたX線がSi基板10
等の試料に低角度で入射して、その表面で全反射したX
線22の強度を計測するシンチレーションカウンタ等の
X線検出器14と、試料から発生した螢光X線(特性X
線)23を検出するためのリチウムドリフト型Si検出
器等の半導体X線検出器(SSD)15と、Z軸、r軸
移動機構、Ψ軸、θ軸回転機構を有する試料台13と、
データ処理部18等で構成され、第2の実施の形態の補
正手順がプログラム化され自動的に行なわれるようにな
っている。入射X線21の入射角、X線の入射方位〔h
kl〕はデ―タ処理部18を通して自動的に設定される
と共に、回折X線の回折角と回折強度が自動的に測定さ
れ、その値を基にデータ処理部18で第2の実施の形態
で示した補正計算が行なわれる。また、このデ―タ処理
部18は試料台13の設定にも使用され、試料の測定点
までの移動にともなうステップモータコントローラ20
への制御信号の出力等が自動的に行なわれる。
【0041】SSD15は試料台直上に設置され、その
出力は増幅器16に入力される。増幅器16に入力され
た信号は増幅され、電圧パルスの立ち上がり幅に比例し
た波高を有するパルスに波形整形されて波高分析器17
に入力され、各波高値が計数される。コンピュータ等の
データ処理部18は、図5に示すフローチャートに従
い、波高分析器17で測定されたデータを処理してその
結果を出力部19のメモリに格納したり、出力部19で
画面表示や印刷を行う。
【0042】データ処理部18の処理工程は、図5に示
すように、先ず、X線検出器14からの全反射X線強度
情報、試料台13の回転・移動情報及び予め与えられて
いる入射X線の入射角、入射X線の入射方位〔hk
l〕、Si基板10表面の測定位置情報に基き、ステッ
プモータコントローラ20を介して試料台13のΨ軸、
θ軸回転機構、Z軸、r軸移動機構を駆動制御して入射
X線21の入射角、入射X線の入射方位〔hkl〕、S
i基板表面の測定位置を設定する(S21)。次に、第
2の実施の形態の方法によりSSD15で測定された特
性X線23の強度を補正する。則ち、入射角、入射方位
を固定した状態で、X線検出器14(又はSSD15)
の位置を移動・制御し、X線検出器14(又はSSD1
5)を介して、Si基板からの螢光X線測定時にSSD
15に入射する回折X線の回折角θm(hkl)と回折強度I
m(hkl)を測定する(S22)。この測定した回折角θ
m(hkl)と、回折強度Im(hkl)と、SSD15のBe膜1
5aの厚さtとからバックグランドとなるBe膜中の不
純物の特性X線強度IBを計算する(S23)。最後
に、SSD15で測定した各元素iの特性X線強度Iim
からバックグランド強度IBを減算してバックグランド
を補正し、この補正されたデータIi0(Ii0=Iim−I
B)及び検量線から元素の種類と濃度を算出してその結
果を出力部19に出力する(S24)。更に、必要であ
れば、Si基板表面上の測定位置を変えて(S26)、
再度、工程S22〜S26を繰り返し、特性X線強度を
必要な全ての測定点について測定する。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による全反
射螢光X線分析方法は、回折角を求める工程、バックグ
ランド強度計算工程、測定した螢光X線スペクトルから
バックグランド強度を差し引く工程の3工程から成る補
正工程を備え、回折X線の回折角を考慮してバックグラ
ンド強度を補正しているので、単結晶基板上の微量不純
物の定量を正確に行なうことが出来る。また、本発明の
全反射螢光X線分析装置は、デ―タ処理部により上記補
正が自動的に行なわれるので、単結晶基板上の微量不純
物の定量を迅速かつ正確に行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すフローチヤー
ト図。
【図2】回折X線の回折方向とBe窓との関係を示す
図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す全反射螢光X
線分析装置の概略図。
【図4】第3の実施の形態の全反射螢光X線分析装置に
おけるデータ処理部の処理工程を示すフローチャート
図。
【図5】第4の実施の形態の全反射螢光X線分析装置に
おけるデータ処理部の処理工程を示すフローチャート
図。
【図6】Si基板表面における入射X線の回折を示すエ
ワルト作図。
【図7】シリコン表面における入射X線の回折を示す実
空間図。
【図8】従来の薄膜X線回折装置を示す斜視図。
【図9】入射X線のSi基板による回折、及び、回折X
線のBe膜への侵入状態を示す図。
【符号の説明】
10 Si基板 11 回転対陰極X線源 12 分光結晶 13 試料台 14 X線検出器 15 半導体X線検出器(SSD) 15a Be膜 16 増幅器 17 波高分析器 18 データ処理部 19 出力部 20 ステップモータコントローラ 21 入射X線 22 反射X線 23 特性X線 24 回折X線 30 円錐 81 X線源 82 試料薄膜 83 検出器 84 基板 85 入射点D 86 ベクトルC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−35708(JP,A) 特開 平6−174665(JP,A) 特許2630249(JP,B2) Kozono S.,et.a l.,”Trace Analysis of a Beryllium Wi ndow for a Solid S tate Detector Syst em by Inductively Coupled Plasma Mas s Spectrometry”,An al.Sci.,(1994),Vol. 10,No.3,p477−p480 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/223 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を全反射する角度で単結晶基板に入
    射し、前記単結晶基板からの螢光X線を検出して前記単
    結晶基板表面の不純物元素の種類と濃度を定量する全反
    射螢光X線分析方法において、前記単結晶基板表面で入
    射X線が散乱・回折して発生した散乱回折X線の回折角
    を求める第1の工程と、前記第1の工程で求めた前記回
    折角からX線検出器のBe窓中の前記散乱回折X線のパ
    スの長さを求め、前記パスの長さからBe窓中に存在す
    る不純物の特性X線強度を計算して求め、求めた特性X
    線強度をバックグランド強度とする第2の工程と、前記
    単結晶基板からの螢光X線を検出して得られたスペクト
    ルから前記第2の工程で得られたバックグランド強度を
    差し引いてスペクトル強度を補正する第3の工程とを有
    することを特徴とする全反射蛍光X線分析方法。
  2. 【請求項2】 X線を全反射する角度で単結晶基板に入
    射し、前記単結晶基板からの螢光X線を検出して前記単
    結晶基板表面の不純物元素の種類と濃度を定量する全反
    射螢光X線分析方法において、低角度で単結晶基板に入
    射させた入射X線の入射方位〔hkl〕および単結晶基
    板の面方位(hkl)から単結晶基板表面で入射X線が
    散乱・回折して発生した散乱回折X線の回折角を計算に
    より求める第1の工程と、前記第1の工程で求めた前記
    回折角からX線検出器のBe窓中の前記散乱回折X線の
    パスの長さを求め、予め求めておいた係数から求めた散
    乱回折X線強度と、前記パスの長さとを用いてBe窓中
    に存在する不純物の特性X線強度を計算してバックグラ
    ンド強度を求める第2の工程と、前記単結晶基板からの
    螢光X線を検出して得られたスペクトルから前記第2の
    工程で得られたバックグランド強度を差し引いてスペク
    トル強度を補正する第3の工程とを有することを特徴と
    する全反射蛍光X線分析方法。
  3. 【請求項3】 X線を全反射する角度で単結晶基板に入
    射し、前記単結晶基板からの螢光X線を検出して前記単
    結晶基板表面の不純物元素の種類と濃度を定量する全反
    射螢光X線分析方法において、前記単結晶基板表面で入
    射X線が散乱・回折して発生した散乱回折X線の回折角
    と強度を測定する第1の工程と、前記第1の工程で得ら
    れた前記回折角からX線検出器のBe窓中の前記散乱回
    折X線のパスの長さを求め、前記パスの長さと前記散乱
    回折X線強度とを用いてBe窓中に存在する不純物の特
    性X線強度を計算してバックグランド強度を求める第2
    の工程と、前記単結晶基板からの螢光X線を検出して得
    られたスペクトルから前記第2の工程で得られたバック
    グランド強度を差し引いてスペクトル強度を補正する第
    3の工程とを有することを特徴とする全反射蛍光X線分
    析方法。
  4. 【請求項4】 試料表面に1次X線を微小な角度で入射
    するX線源と、前記試料表面に対向し、前記1次X線を
    受けた試料からの螢光X線を検出するX線検出器とを備
    え、前記X線検出器での検出結果に基づいて前記螢光X
    線を分析する全反射螢光X線分析装置において、前記検
    出結果を補正するデータ処理部を備え、且つ、前記デー
    タ処理部が、試料表面で散乱・回折して発生した散乱回
    折X線の回折角を求める第1の工程と、前記第1の工程
    で求めた前記回折角からX線検出器のBe窓中の前記散
    乱回折X線のパスの長さを求め、前記パスの長さからB
    e窓中に存在する不純物の特性X線強度を計算して求
    め、求めた特性X線強度をバックグランド強度とする第
    2の工程と、前記試料からの螢光X線を検出して得られ
    たスペクトルから前記第2の工程で得られたバックグラ
    ンド強度を差し引いてスペクトル強度を補正する第3の
    工程とを有することを特徴とする全反射蛍光X線分析装
    置。
  5. 【請求項5】 試料表面に1次X線を微小な角度で入射
    するX線源と、前記試料表面に対向し、前記1次X線を
    受けた試料からの螢光X線を検出するX線検出器とを備
    え、前記X線検出器での検出結果に基づいて前記螢光X
    線を分析する全反射螢光X線分析装置において、前記検
    出結果を補正するデータ処理部を備え、且つ、前記デー
    タ処理部が、低角度で試料に入射させた1次X線の入射
    方位〔hkl〕および単結晶基板の面方位(hkl)か
    ら単結晶基板表面で1次X線が散乱・回折して発生した
    散乱回折X線の回折角を計算により求める第1の工程
    と、前記第1の工程で求めた前記回折角からX線検出器
    のBe窓中の前記散乱回折X線のパスの長さを求め、予
    め求めておいた係数から求めた散乱回折X線強度と、前
    記パスの長さとを用いてBe窓中に存在する不純物の特
    性X線強度を計算してバックグランド強度を求める第2
    の工程と、前記試料からの螢光X線を検出して得られた
    スペクトルから前記第2の工程で得られたバックグラン
    ド強度を差し引いてスペクトル強度を補正する第3の工
    程とを有することを特徴とする全反射蛍光X線分析装
    置。
  6. 【請求項6】 試料表面に1次X線を微小な角度で入射
    するX線源と、前記試料表面に対向し、前記1次X線を
    受けた試料からの螢光X線を検出するX線検出器とを備
    え、前記X線検出器での検出結果に基づいて前記螢光X
    線を分析する全反射螢光X線分析装置において、前記検
    出結果を補正するデータ処理部を備え、且つ、前記デー
    タ処理部が、試料表面で入射X線が散乱・回折して発生
    した散乱回折X線の回折角と強度をX線検出器を介して
    測定する第1の工程と、前記第1の工程で得られた前記
    回折角からX線検出器のBe窓中の前記散乱回折X線の
    パスの長さを求め、前記パスの長さと前記散乱回折X線
    強度とを用いてBe窓中に存在する不純物の特性X線強
    度を計算してバックグランド強度を求める第2の工程
    と、前記試料からの螢光X線を検出して得られたスペク
    トルから前記第2の工程で得られたバックグランド強度
    を差し引いてスペクトル強度を補正する第3の工程とを
    有することを特徴とする全反射蛍光X線分析装置。
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Kozono S.,et.al.,"Trace Analysis of a Beryllium Window for a Solid State Detector System by Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry",Anal.Sci.,(1994),Vol.10,No.3,p477−p480

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