JPH05126768A - 蛍光x線の分析方法 - Google Patents

蛍光x線の分析方法

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JPH05126768A JP31852791A JP31852791A JPH05126768A JP H05126768 A JPH05126768 A JP H05126768A JP 31852791 A JP31852791 A JP 31852791A JP 31852791 A JP31852791 A JP 31852791A JP H05126768 A JPH05126768 A JP H05126768A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料に含まれた元素の回折X線によるノイズ
をなくして、低含有量の元素についても、S/N比を改
善して蛍光X線の分析精度を高める。 【構成】 試料1を試料上の所定点まわりに180°以
上回転させながら、この試料1に1次X線を照射するこ
とで、試料1から発生する蛍光X線および回折X線を含
んだ2次X線を検出する。この検出により得られた2次
X線強度が最小値を示す回転方向位置に試料1を位置決
めする。このような位置決め後において、試料を、その
主面に平行な面内で互いに直交するXY方向に移動させ
て試料の主面全域の蛍光X線分析を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、局部的に電
極膜が形成される半導体基板と同一の工程を経て、単結
晶であるシリコンウェハの主面全域に電極膜等を付着し
てなるモニタウェハ(以下、試料と称す)について、そ
の電極膜等の蛍光X線分析を行う方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】単結
晶シリコンウェハの主面に、アルミ(Al)、けい素
(Si)および銅(Cu)からなる配線膜を局部的に形
成してなる半導体基板について、その配線膜の膜厚およ
び成分濃度などを知って品質のチェックを行う場合、一
般に、その半導体基板と同一の工程を経て、単結晶シリ
コンウェハの主面全域に配線膜を付着してなるモニタウ
ェハ(以下、試料と称す)を用い、その試料に1次X線
を照射し、該試料から発生する蛍光X線を含んだ2次X
線を検出して分析していた。また、最近はタングステン
(W)からなる配線膜も使用されており、蛍光X線で膜
厚の測定が行われている。
【0003】上記試料の主面全域の蛍光X線分析を行な
うにあたっては、従来、いわゆるr−θ駆動装置を用い
て、試料を半径方向および周方向に移動させ、1次X線
を試料の主面全域に照射して、その蛍光X線を測定して
いた。ところが、測定対象であるWおよびCuの蛍光X
線は、LiFの分光結晶で、それぞれ43°および45
°付近に測定角度をもつ。そのために、試料の回転方向
位置によっては、X線源から照射される1次X線が基板
(Si)に入射して回折を起こし、上記測定角度43
°,45°付近において回折X線が発生し、その回折X
線が妨害として現れることがある。これが蛍光X線に対
して大きなノイズとなり、そのために、S/N比が悪く
なり、分析精度が低下する。
【0004】そこで、従来、試料の主面上の複数の測定
点において、その測定個所の周りに試料を360°回転
させながら蛍光X線の強度を測定し、回折X線によるノ
イズ成分の影響を平均化することが提案されている。し
かし、元素の含有量と2次X線のうちの蛍光X線の強度
とは比例関係にある一方で、2次X線に含まれる回折X
線の強度は、元素の含有量にさほど影響されないから、
測定すべき元素の含有量が少ない場合、ノイズである回
折X線の強度が、蛍光X線に対して相対的に大きくなる
ために、S/N比が十分に改善されず、分析精度の向上
にはつながらない。
【0005】この発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、試料に含まれた元素の回折X線によるノイズの影響
をなくして、低含有量の元素であっても、S/N比を改
善して分析精度を著しく高めることができる蛍光X線の
分析方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る蛍光X線の分析方法は、試料の蛍光
X線分析に先立って、上記試料を試料上の所定点まわり
に180°以上回転させながら、この試料に1次X線を
照射して、試料から発生する蛍光X線および回折X線を
含んだ2次X線を検出し、得られた2次X線強度が最小
値を示す回転方向位置に試料を位置決めし、この状態
で、試料を、その主面に平行な面内で互いに直交するX
Y方向に移動させて、試料の主面全域の蛍光X線分析を
行なうものである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、試料の主面全域の蛍光X線
を分析する前に、該試料を所定点まわりに180°以上
回転させながら、1次X線を照射して、試料から発生す
る蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線を検出す
る。この検出により得られた2次X線強度が最小値を示
す回転方向位置に試料を位置決めすることにより、試料
に含まれた元素の回折X線によるノイズの影響をなくす
ることができる。この状態で、試料をXY方向に移動さ
せて所定の蛍光X線分析を実行することにより、回折X
線によるノイズの影響をなくして、S/N比を改善し、
精度の高い分析を行なうことができる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面にもとづいて
説明する。図1は、この発明の蛍光X線の分析方法を実
施するために使用する分析装置の概略構成図であり、こ
の分析装置は、試料1に向けて1次X線を照射するX線
管2と、上記1次X線の照射によって試料1から発生す
る蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線を、たとえ
ばLiF分光結晶によって分光したのち検出し、その2
次X線強度を検出する分光・検出装置3と、上記試料1
を載置する試料台4と、この試料台4を試料1上の所定
点周り、この実施例では試料1の中心点O周りに回転さ
せる旋回ベース5と、この旋回ベース5を回転可能に支
持した状態で、試料1の主面1aに平行な面内で互いに
直交するXY方向(二次元)に移動させるXY移動ベー
ス6と、上記旋回ベース5を上記の中心点O周りに回転
駆動するモータ7と、上記XY移動ベース6をXY方向
に駆動するXY駆動機構8とを備えている。
【0009】上記試料1は、例えば図2に示すように、
シリコンウェハ1Aの主面全域に、Al−Si−Cuか
らなる配線膜1Bを付着してなるもので、図3のよう
に、その周面の一部をカッティングしてオリフラ1Cを
形成している。
【0010】つぎに、上記構成の分析装置を使用しての
蛍光X線の分析方法について説明する。上記試料1を図
3に示すように、上記オリフラ1Cが旋回ベース5(図
1)の回転方向位置の基準点に設定されるように、試料
台4上に載置する。この状態で、試料1の蛍光X線分析
を行なうのであるが、それに先立って、つぎのような試
料の回転方向位置決めを実行する。
【0011】すなわち、図1のモータ7によって旋回ベ
ース5を回転駆動して、試料台4および試料1を、該試
料1の中心点Oの周りに360°回転させながら、この
試料1にX線管2から1次X線を照射し、試料1から発
生する蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線を分光
・検出装置3により検出する。これによって、図4に示
すように、W,Cuなどの元素の測定位置(測定角度)
において、基板のシリコンウエハからの回折X線Kxが
蛍光X線Sxに対しピーク状に突出して重なった鋸歯状
の2次X線が得られる。
【0012】ついで、上記のようにして得られた2次X
線強度が最小値を示す回転方向位置θmin に試料1を位
置決めする。これにより、試料1は、X線管2からの1
次X線に対して、回折X線が発生しない回転方向位置に
設定される。この位置決めは、基準点に設定されている
図3のオリフラ1Cを基準にして、図1の旋回ベース5
をモータ7によって最適回転位置に回転させることによ
ってなされる。上記モータ7の操作は、手動または後述
する自動的な制御によってなされる。
【0013】以上のような試料1の回転方向の位置決め
を行ったのち、XY駆動機構8を介してXY移動ベース
6を駆動して、試料1をその主面に平行な面内で互いに
直交するXY方向に移動させながら、その試料1にX線
管2から1次X線を照射し、試料1から発生する2次X
線を分光・検出装置3により検出する。このようにXY
方向に移動させれば、試料1の回転方向位置は変化しな
いで、最適回転方向位置に保たれるから、回折X線によ
るノイズの影響が排除され、S/N比が改善される。し
たがって、低含有量の元素であっても、精度のよい分析
を行なうことができる。
【0014】また、試料1をXY方向に移動させてその
主面全域を1次X線で照射する場合、XY駆動機構8の
ストロークは、つぎに説明するように、X方向またはY
方向の一方については、試料1の直径分ではなく、半径
分で済むので、ストロークを小さくして、XY駆動機構
8を小型化できる。
【0015】つまり、試料1の回転方向の位置決めが終
了したとき、1次X線の照射点は、図5(a)に示した
試料1の中心点Oにある。ここから、1次X線の照射に
よる2次X線強度の測定を開始するのであるが、その
際、まず、XY駆動機構8によって試料1を+X方向お
よび±Y方向に移動させることにより、試料1のハッチ
ングした第1の領域11を測定する。ついで、図1の旋
回ベース5を180°回転させたのち、XY駆動機構8
を介して、図5(b)に示す試料1を同じく+X方向お
よび±Y方向に移動させることにより、第2の領域12
を測定する。こうして、X方向については+X方向に試
料1の半径分だけ移動することにより、試料1の主面の
全域を測定できる。
【0016】試料1は、結晶構造からして、一旦設定し
た最適回転方向位置から180°回転した位置でも、回
折角と入射角との相対関係は変化しないので、回折X線
強度はやはり最低となるから、問題はない。
【0017】ところで、上記実施例では、蛍光X線分析
に先立つ試料1の回転方向の位置決め動作において、上
記旋回ベース5の駆動用モータ7を手動操作すること
で、試料1を最適回転方向位置に設定したが、この位置
決めは自動化することもできる。図6は、その自動位置
決め手段を採用した場合の分析装置の概略構成図を示
す。同図において、1〜8は上記実施例と同一であるた
め、該当部分に同一の符号を付して、それらの説明を省
略する。
【0018】図6において、分光・検出装置3からの検
出信号は、2次X線強度測定手段(例えば波高分析器)
15に入力されて2次X線の強度が測定され、この測定
された2次X線強度の最小値が最小値判定手段16によ
って判定される。判定された最小値を基に試料1の最適
回転方向位置が最適回転方向位置判定手段17によって
判定され、この判定された最適回転方向位置に試料1が
位置決めされるように、回転駆動信号発生手段18が旋
回ベース6の駆動モータ7にフィードバックすべき回転
駆動信号を発生する。
【0019】このような構成からなる自動位置決め手段
を備えた分析装置によれば、蛍光X線分析に先立つ試料
の回転方向位置決め動作から、その位置決め後のXY移
動による所定の蛍光X線の分析動作までの全ての動作を
自動化して、分析作業の省力化、効率化を図ることがで
きる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、試料
の主面全域の蛍光X線を分析する前に、2次X線強度が
最小値を示す回転方向位置を検出して、その位置に試料
を位置決めした状態で、XY移動による所定の蛍光X線
の分析を実行することにより、試料に含まれた元素の回
折X線によるノイズの影響のない位置で蛍光X線の分析
を行なうことが可能となる。したがって、低含有量の元
素であっても、ノイズの影響を少なくして、S/N比を
改善し、極めて精度の高い蛍光X線分析を行なうことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る蛍光X線の分析方法の実施に使
用する分析装置の概略構成図である。
【図2】分析試料の斜視図である。
【図3】試料の基準点設定の説明図である。
【図4】2次X線強度の回転方向の分布図である。
【図5】蛍光X線の分析方法の手順を説明する図であ
る。
【図6】この発明の他の実施例による蛍光X線の分析方
法を実施するために使用する分析装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1…試料、2…X線管、3…検出器、5…旋回ベース、
6…XY移動ベース、Kx…回折X線、Sx…蛍光X
線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の蛍光X線分析に先立って、上記試
    料を試料上の所定点まわりに180°以上回転させなが
    ら、この試料に1次X線を照射して、試料から発生する
    蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線を検出し、得
    られた2次X線強度が最小値を示す回転方向位置に試料
    を位置決めし、この状態で試料を、その主面に平行な面
    内で互いに直交するXY方向に移動させて試料の主面全
    域の蛍光X線分析を行なう蛍光X線の分析方法。
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