JPH11350287A - 織物構造物の製造法 - Google Patents
織物構造物の製造法Info
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- JPH11350287A JPH11350287A JP10155502A JP15550298A JPH11350287A JP H11350287 A JPH11350287 A JP H11350287A JP 10155502 A JP10155502 A JP 10155502A JP 15550298 A JP15550298 A JP 15550298A JP H11350287 A JPH11350287 A JP H11350287A
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Abstract
ートする従来のラミネート法とは全く異なる方法によ
り、防水性、光線透過性および耐久性にすぐれ、かつ任
意の大きさの(特に大型の)織物構造物を製造すること
のできる工業的な方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 熱溶融可能な耐熱性樹脂フィルムをスリ
ットしたテープ(1t)と耐熱性糸(1s)とを経糸(1) として
用いてこれらを一定の規則で(通常は交互に)配列し、
耐熱性糸(2s)を緯糸(2) として用いて製織を行うことに
より織物を得る。ついで製織後の織物を熱圧着すること
により、織物組織中の隣接するテープ(1t)の端縁同士を
融着接合すると共に、そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸
(1s), (2s)とを一体化する。
Description
した防水性、光線透過性および耐久性にすぐれた織物構
造物を製造する方法に関するものである。
車両の幌として、広巾の織物を縫製により継ぎ合わせた
ものが用いられているが、織物は光線透過性をほとんど
有しないので、太陽光線が射し込むことが望まれる使い
方はできない。
フィルムやポリ塩化ビニルフィルムが用いられていた
が、いずれも耐久性が不足するため、前者の場合は1〜
2年、後者の場合でも2〜3年位で新しいものと張り替
えなければならない上、張り替えるたびに廃棄物が大量
に発生するのでその焼却も容易ではなく、特にポリ塩化
ビニルフィルムの場合には焼却自体が規制されるように
なってきたため、その処置に窮している。
シート材料として、光線透過性を確保するため、ガラス
繊維等の耐熱性糸で目の粗いネット状の織物を製織し、
その織物の少なくとも片面にフッ素系樹脂フィルムを積
層して一体化したラミネート織物を用いることが検討さ
れている。ラミネート用のフィルムとしてフッ素系樹脂
フィルムを用いる理由は、該フィルムの耐侯性や耐久性
が極めてすぐれているからである。織物のための糸とし
てガラス繊維等の耐熱性糸を用いる理由は、フッ素系樹
脂フィルムのラミネート時の高温に耐えるようにするた
めである。
繊維等の耐熱性糸でできた目の粗いネット状の織物にフ
ッ素系樹脂フィルムをラミネートするときには、たとえ
ば260〜300℃程度の温度条件下に熱圧着を行うと
ころ、そのときにフッ素系樹脂フィルムが無視しえない
ほど収縮してラミネート物の周辺が中央側に引きつけら
れるように収縮し、均質なラミネート物を得ることがで
きない。またフィルム部分に、しわ、曇り、気泡などを
生じることを免かれない。そのためこのラミネート物
は、均質さの点で難がある上、それを介して遠景を見よ
うとしても判別できないほど透視性が悪く、光線透過が
余り期待できない。
きさを小さくして収縮を目立たなくすることが考えられ
るが、そのようにしても収縮による不均一性は容易には
解消しない。また、大型テントや農業用ハウスのための
シート材料は大型であるのが通常であるため、多数枚の
ラミネート物を縫製などにより継ぎ合わせて大型のラミ
ネート物にすることは、外観を悪くし、継ぎ合わせのた
めの工数も負担になり、さらには継ぎ合わせ部分の防水
加工のための工数も多大なものとなる。
の粗いネット状の織物にフィルムをラミネートする従来
のラミネート法とは全く異なる方法により、防水性、光
線透過性および耐久性にすぐれ、かつ任意の大きさの
(特に大型の)織物構造物を製造することのできる工業
的な方法を提供することを目的とするものである。
造法は、熱溶融可能な耐熱性樹脂フィルムをスリットし
たテープ(1t)と耐熱性糸(1s)とを経糸(1) として用いて
これらを一定の規則で配列し、耐熱性糸(2s)を緯糸(2)
として用いて製織を行うことにより織物を得ること、つ
いで製織後の織物を熱圧着することにより、織物組織中
の隣接するテープ(1t)の端縁同士を融着接合すると共
に、そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2s)とを一
体化すること、を特徴とするものである。
て、テープ(1t)と、耐熱性糸(1s)とを用いる。また緯糸
(2) として耐熱性糸(2s)を用いる。テープは一般には糸
と称しないこともあるが、本発明においてはテープ(1t)
を経糸方向に配列して製織に供するので、糸と呼ぶこと
にする。
熱性樹脂フィルムをスリットしたものであり、全体の巾
とのバランスで過度に広巾でない限りその巾は任意であ
るものの、たとえば、狭い方では2mm以上、3mm以上、
5mm以上、10mm以上というようにすることができ、広
い方では300mm以下、200mm以下、100mm以下と
いうようにすることができる。テープ(1t)の巾が極端に
狭いときは、光線透過性の点で不利となる。一方テープ
(1t)の巾が極端に広いときは、後の熱圧着過程でのテー
プ(1t)の収縮が無視しえなくなり、また織物構造物に占
めるテープ(1t)の割合が過度に大きくなるので強度も不
足するようになる。
えば10〜1000μm 程度あるいはそれ以上、殊に1
5〜500μm 程度とすることが多い。テープ(1t)は、
単層のみならず、複数枚を重ねたものであってもよい。
FE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、
ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレン共
重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレ
ン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの熱溶融
可能なフッ素系樹脂のフィルムがあげられ、最初に述べ
たETFEが、コスト、溶融温度、透明性などを総合考
慮すると、実用上特に重要である。融点は、共重合体の
場合や第3成分を含む場合にはその組成によっても異な
るが、ETFEが257〜300℃程度、ECTFEが
197〜239℃程度、PFAが302〜310℃程
度、FEPが255〜265℃程度、PCTFEが21
2〜217℃程度、PVDFが172〜177℃程度で
ある。
なる。従って、耐熱性樹脂フィルムとしては、上述のフ
ッ素系樹脂のフィルムのほか、熱溶融可能で、光線透過
性を有し、防水性を有し、かつ相応の耐熱性(たとえば
120℃以上、殊に150℃以上)を有する種々の樹脂
またはエラストマーのフィルムを用いることもできる。
糸、鉱物(セラミックス)繊維糸、金属(ステンレスス
チール、形状記憶合金等)繊維糸、炭素繊維糸、各種の
合成繊維糸、各種の半合成または天然繊維糸などが用い
られる。合成繊維糸の場合には、アラミド(芳香族アミ
ド)繊維糸、ポリエーテルエーテルケトン繊維糸、ポリ
アミドイミド繊維糸、ポリイミド繊維糸、ポリベンズイ
ミダゾール繊維糸、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維糸、液晶ポリエステル繊維糸などの耐熱性
の高い繊維糸が好適である。ただし耐熱性糸(1s), (2s)
は、後述の熱圧着に際し、耐熱性樹脂フィルムをスリッ
トしたテープ(1t)が溶融または軟化したときに、強度が
保たれる程度の耐熱性を有していればよい。
糸、マルチフィラメント糸、紡績糸、紡毛糸(フィラメ
ントを適当な長さに切断して撚りをかけることにより毛
羽を付与したもの)、スリット糸(フィルムをスリット
したもの)、カバリング糸(芯となる糸にスリット糸や
フィラメント糸等の他の糸を螺旋状に巻き付けたもの)
などのいずれであってもよい。またこれらの糸は、同種
または異種の糸の適当本数を引き揃えまたは撚り合わ
せ、さらには必要に応じ再撚り合わせや再引き揃えを行
ったものであってもよい。耐熱性糸(1s), (2s)の太さ
は、細手のものから太手のものまで任意である。
性樹脂を含浸または被覆した糸であることが特に好まし
い。後の熱圧着工程においてテープ(1t)と経緯の耐熱性
糸(1s), (2s)との一体化が円滑になされる上、織物構造
物としたときに耐熱性糸(1s), (2s)の耐水性が確保され
るからである。
熱溶融可能な耐熱性樹脂は、熱圧着時にテープ(1t)を構
成する樹脂と融着するものが適当である。たとえば、テ
ープ(1t)がフッ素系樹脂で構成されているときは、耐熱
性糸(1s), (2s)に含浸または被覆する耐熱性樹脂もフッ
素系樹脂であることが好ましい。
製織に際しては、織り巾と同等かそれ以上の巾を有する
熱溶融可能な耐熱性樹脂フィルムを繰り出すときに、カ
ッター(3) で所定の巾にスリットしてテープ(1t)となす
と共に、そのスリット位置を目安に耐熱性糸(1s)を配列
することにより、テープ(1t)と耐熱性糸(1s)とを一定の
規則で(通常は交互に)配列し、経糸(1) 列とする。そ
して常法に従い、経糸(1) をそうこう(4) で上下させて
開口しながら、緯糸(2) である耐熱性糸(2s)を緯入し、
おさ(5) で打ちつける操作を繰り返して製織する。なお
テープ(1t)はそうこう(4) の目にカールないし丸まった
状態で挿通されることになり、またおさ(5) の間隙もテ
ープ(1t)巾に合わせることになる。
態で交錯している一重織物とすることが多いが、経糸
(1) または緯糸(2) の少なくとも一方が二重以上に重な
っている重ね織物とすることもできる。また2枚の重な
った織物を織るときに表裏の織物が両耳端で接結するよ
うな袋織りを行い、袋織物とすることもできる。織り組
織は、平織り組織のほか、綾織り組織、朱子織り組織、
これらの変化織り組織とすることもできる。
織機のほか、ジェット織機(ウォータージェット、エア
ジェット)、レピア(Lapier)織機、スルザー(Sulzer)織
機などの無杼織機などを用いることができる。
たる用途に鑑みると、できるだけ広巾であることが好ま
しいことが多い。またその巾に対応して、緯糸としても
ある程度太番手の緯糸を使用することが好ましい場合が
多い。しかるに広巾ないし超広巾の織物を織ろうとする
と、あるいは太番手の緯糸を使用しようとすると、緯糸
の緯入を通常のシャトルを用いて行ったのでは、シャト
ルに収容できる緯糸量には制限があるので、頻繁に緯糸
を補充しなければならないという煩わしがある上、緯糸
交換時に織物の緯糸組織に不均一さを生ずることを免か
れない。
とするときには、次のような問題点もある。すなわち、
シャトルの走行機構としては、通常はピッキング機構に
よりシャトルを打撃する方法が採用されるが、広巾ない
し超広巾の織布を製織するときには、初速を大にするた
め打撃音が大きくなるだけでなく、糸の繰り出し時のテ
ンションむらなどに起因してシャトルが斜め方向に飛び
出して作業員に危険をもたらすことがあり、またそのよ
うな飛び出しのおそれがあるので夜間の無人運転ができ
ないという問題点がある。
次のような工夫を講じることが望ましい。すなわち、経
糸(1) および緯糸(2) を用いて製織を行うにあたり、緯
糸(2) を収容した飛走体(6) を磁着手段(8) 付きの移動
体(7) に積載し、その移動体(7) を、織機側に設置した
磁着手段(10)付きの誘導手段(9) の往復動に追随して往
復動させることにより緯入を行うのである。この方法に
よれば、極めて長い長さの緯糸あるいは太番手の緯糸
を、補充することなく緯入に供することができるので、
製織操作を長時間にわたり無人で行うことがきる。
なしの中空状巻回物(H) の形態に形成され、かつ緯糸
(2) の始端側がその中空状巻回物(H) の内面側の空洞
(S) の所から繰り出されるようになっているものが好適
である。この場合、その中空状巻回物(H) の外面側がさ
らに接着テープ、収縮チューブ、樹脂コーティング被
膜、ケース、ネットなどの外面材で覆われているような
ものを飛走体(6) とすることが特に好ましい。この構造
の飛走体(6) は、たとえば、管や棒などの適当な芯材に
緯糸(2) を多重に螺旋巻きした後、好ましくはその中空
状巻回物(H) の外面側の少なくとも一部を外面材で覆
い、ついで芯材を引き抜くことにより得られる。このと
き、緯糸(2) の始端側が、中空状巻回物(H) の内面側の
空洞(S) の所から繰り出されるようにする。緯糸(2) の
巻回にあたっては、S撚りの糸とZ撚りの糸を2本引き
揃えて巻回することもできる。
には、その飛走体(6) を移動体(7)に積載しておく。こ
の移動体(7) は、従来のシャトルに相当するものであ
る。移動体(7) の好適な例は車輪付きの台車であり、移
動体(7) の他の例は滑り性の良い材料でできた滑走体で
ある。飛走体(6) を積載固定するため、移動体(7) には
バンド等の固定部材を付設するか、移動体(7) を閉蓋式
にしたり筒形にしたりするなどの工夫を講じる。
(9) を設置すると共に、その誘導手段(9) に磁着手段(1
0)を設置しておく。誘導手段(9) の好適な例は往復動可
能な無端ベルトであり、駆動走行のためにその無端ベル
トをローラやプーリーなどの回転体間に張設する。誘導
手段(9) の他の例は、チェイン、牽引ワイヤ、プッシャ
ーなどである。磁着手段(10)は、たとえば誘導手段(9)
が無端ベルトであるときは、その無端ベルトに直接設置
してもよいが、磁着手段(10)を一旦板体(11)に設置し、
その板体(11)を無端ベルトの上面に設置するのが通常で
ある。
手段(9) に設ける磁着手段(10)とは、磁石−磁石、磁石
−磁性体、磁性体−磁石の組み合わせとすることがで
き、これらを混在させることもできる。磁性体とは鉄片
などである。
(8) を設けてあり、織機側の誘導手段(9) には磁着手段
(10)を設けてある。そこで、経糸の開口運動に合わせて
誘導手段(9) を経糸群の巾を越えて往復動させれば、そ
れに追随して移動体(7) が往復動するので、緯入を行う
ことができる。飛走体(6) を積載した移動体(7) の往復
動を円滑にするために、織機側には、移動体(7) を浮か
す方向に風を送る送風手段を設けることが好ましい。
行った後の織物を熱圧着することにより、織物中の隣接
するテープ(1t)の端縁同士が融着接合されると同時に、
そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2s)とが一体化
(密着や融着)される。熱圧着は、製織の直後に行って
もよく、製織後に一旦巻き取った織物を、爾後の適当な
段階で熱圧着してもよい。
性樹脂フィルムの溶融温度に依存する。耐熱性糸(1s),
(2s)が熱溶融可能な耐熱性樹脂を含浸または被覆した糸
であるときは、その耐熱性樹脂の溶融温度も考慮に入れ
る。一例をあげると、これらの耐熱性樹脂フィルムおよ
び耐熱性樹脂がETFE(エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体)であるときは、エチレンとテトラフル
オロエチレンとの共重合割合によっても融点が異なるが
(その融点については、「ふっ素樹脂ハンドブック、日
刊工業新聞社発行、1990年11月30日初版1刷発
行」の446頁に記載がある)、その融点の前後かその
融点を越える温度、たとえば260〜320℃程度とす
ることができる。
工や撥水加工などの後加工を行うこともできる。熱圧着
時にテープ(1t), (1t)の継ぎ目の所に別のテープを添え
て熱圧着を行うことも可能である。
構造物は、屋外用の仮設または常設の大型テント、エア
膨張式テントまたはその支柱、各種の幌、テラス用の
幕、農業用ハウスのためのシート材料、搬送用ベルト、
サイロ用の大型袋をはじめ、従来織物やラミネート織物
が用いられている種々の用途に用いることができる。
後、それを熱圧着するだけで、目的の織物構造物を得る
ことができる。この織物構造物は、防水性、光線透過性
を有し、耐久性に富んでいる。
するテープ(1t)の端縁同士が融着接合されている上、そ
のテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2s)とが一体化さ
れている。従って、従来のようなラミネート操作を行わ
ないにもかかわらず、結果的にはネット状の織物にフィ
ルムをラミネートしたのと同様の構造が得られる。
く、そのテープ(1t)が上記のように織物中の隣接するテ
ープ(1t)の端縁同士が融着接合されているので、熱圧着
操作にあたっての収縮率が小さく、従来のラミネート操
作におけるようなラミネートフィルムの収縮に基くしわ
寄りや不均一さを生じない上、テープ(1t)部分の透明性
が保たれ、織物構造物全体の光線透過率が高い。
れば、広巾ないし超広巾の織物を得ようとするときある
いは太番手の緯糸(2) を用いるときでも、緯糸(2) を補
充することなくあるいは緯糸(2) の補充頻度を著しく減
ずることができるので、工業的生産性の点からも有利で
あり、さらには従来のようなシャトルの打撃操作がなく
なるので製織時の騒音も著しく小さくなり、またシャト
ルの飛び出しのおそれが皆無となって夜間の無人運転も
可能となる。
る。
した説明図である。図2は図1のそうこう(4) の部分の
状態を模式的に示した説明図である。図3は図1のおさ
(5) の部分の状態を模式的に示した説明図である。図4
は製織後の織物を熱圧着して得られた織物構造物の一例
を示した平面図である。図5は緯糸(2)を収容した飛走
体(6) を用いて製織を行うときの状態を示した正面図で
ある。
しての広巾のETFE(エチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体)フィルムを原反ロールから繰り出し、多
数並んだカッター(3) により所定の巾にスリットしてテ
ープ(1t)としながら、経方向に配列した。また耐熱性糸
(1s)として、上記と同じETFEを含浸ないし被覆した
ガラス繊維ヤーンを、上記カッター(3) の設置位置に合
わせて経方向に配列した。
(1s)と同様に上記と同じETFEを含浸ないし被覆した
ガラス繊維ヤーンを緯糸(2) として準備した。この緯糸
(2)を用い、金属管からなる芯材を回転させると共に、
供給する緯糸(2) を左右方向に移動または揺動させなが
ら多重に螺旋巻きすることにより、中空状巻回物(H)の
形態に形成していった。螺旋巻きを終了した後、得られ
た中空状巻回物(H) に接着テープからなる外面材を螺旋
巻きしていくことにより、中空状巻回物(H) の外面を外
面材で覆った。最後に芯材を引き抜くことにより(芯材
引き抜き後のスペースは空洞(S) となる)、目的とする
飛走体(6) を得た。得られた飛走体(6)にあっては、緯
糸(2) が芯なしの中空状巻回物(H) の形態に形成されて
いると共に、その中空状巻回物(H) の外面が外面材で覆
われており、かつ緯糸(2) の始端側を中空状巻回物(H)
の内面側の空洞(S) の所から繰り出されるようになって
いる。繰り出された緯糸(2) は、飛走体(1) の空洞(S)
のどちらかの端部側から導出されるようになる。
糸(1s)とが交互に配列された状態で、これらを経糸(1)
として用い、その経糸(1) をそうこう(4) で上下させて
開口しながら、緯糸(2) である耐熱性糸(2s)を上記飛走
体(1) の状態で緯入し、おさ(5) で打ちつける操作を繰
り返して、製織を行った。
(2) を収容した飛走体(6) を磁着手段(8) 付きの移動体
(車輪付きの台車)(7) に積載し、その移動体(7) を、
織機側に設置した磁着手段(10)付きの誘導手段(駆動お
よび従動ローラ間に張設した無端ベルト)(9) の往復動
に追随して往復動させることにより緯入を行った。図2
中の(11)は、磁着手段(10)を設置した板体である。
そうこう(4) の目にカールないし丸まった状態で挿通さ
れている。また図3のように、おさ(5) の間隙はテープ
(1t)巾および耐熱性糸(1s)に合わせてある。
280℃で熱圧着したところ、図4に示した織物構造物
が得られた。この織物構造物にあっては、織物中の隣接
するテープ(1t)の端縁同士が融着接合していると共に、
そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2s)とが一体化
していた。この織物構造物は、防水性、光線透過性がす
ぐれており、また耐侯性が良好で、耐久性が顕著にすぐ
れていた。
構造物を得ることができるので、工業的生産性の点で有
利であること、 ・得られた織物構造物は、防水性、光線透過性を有し、
耐久性に富むこと、 ・織物中の隣接するテープ(1t)の端縁同士が融着接合さ
れている上、そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2
s)とが一体化されているので、従来のようなラミネート
操作を行わないにもかかわらず、結果的にはネット状の
織物にフィルムをラミネートしたのと同様の構造が得ら
れること、 ・テープ(1t)自体の巾は全体の巾とのバランスで相対的
に狭く、そのテープ(1t)が上記のように織物中の隣接す
るテープ(1t)の端縁同士が融着接合されているので、熱
圧着操作にあたっての収縮率が小さく、従来のラミネー
ト操作におけるようなラミネートフィルムの収縮に基く
しわ寄りや不均一さを生じない上、テープ(1t)部分の透
明性が保たれ、織物構造物全体の光線透過率が高いこ
と、 ・先に述べような製織上の工夫を講じれば、広巾ないし
超広巾の織物を得ようとするときあるいは太番手の緯糸
(2) を用いるときでも、緯糸(2) を補充することなくあ
るいは緯糸(2) の補充頻度を著しく減ずることができる
ので、工業的生産性の点からも有利であり、さらには従
来のようなシャトルの打撃操作がなくなるので製織時の
騒音も著しく小さくなり、またシャトルの飛び出しのお
それが皆無となって夜間の無人運転も可能となること、
などのすぐれた効果を奏する。
示した説明図である。
した説明図である。
説明図である。
の一例を示した平面図である。
行うときの状態を示した正面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】熱溶融可能な耐熱性樹脂フィルムをスリッ
トしたテープ(1t)と耐熱性糸(1s)とを経糸(1) として用
いてこれらを一定の規則で配列し、耐熱性糸(2s)を緯糸
(2)として用いて製織を行うことにより織物を得るこ
と、 ついで製織後の織物を熱圧着することにより、織物組織
中の隣接するテープ(1t)の端縁同士を融着接合すると共
に、そのテープ(1t)と経緯の耐熱性糸(1s), (2s)とを一
体化すること、を特徴とする織物構造物の製造法。 - 【請求項2】耐熱性糸(1s), (2s)として、熱溶融可能な
耐熱性樹脂を含浸または被覆した糸を用いることを特徴
とする請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】耐熱性糸(1s), (2s)に含浸または被覆した
熱溶融可能な耐熱性樹脂が、フッ素系樹脂である請求項
2記載の製造法。 - 【請求項4】テープ(1t)の原反である熱溶融可能な耐熱
性樹脂フィルムが、フッ素系樹脂フィルムである請求項
1記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15550298A JP3981204B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 織物構造物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15550298A JP3981204B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 織物構造物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11350287A true JPH11350287A (ja) | 1999-12-21 |
JP3981204B2 JP3981204B2 (ja) | 2007-09-26 |
Family
ID=15607457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15550298A Expired - Lifetime JP3981204B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 織物構造物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3981204B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009133043A (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-18 | Toyo Seat Co Ltd | 幌生地 |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15550298A patent/JP3981204B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009133043A (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-18 | Toyo Seat Co Ltd | 幌生地 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP3981204B2 (ja) | 2007-09-26 |
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