JPH11350193A - 光電着法を用いた画像記録方法およびこれを用いたカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

光電着法を用いた画像記録方法およびこれを用いたカラーフィルターの製造方法

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JPH11350193A
JPH11350193A JP16217098A JP16217098A JPH11350193A JP H11350193 A JPH11350193 A JP H11350193A JP 16217098 A JP16217098 A JP 16217098A JP 16217098 A JP16217098 A JP 16217098A JP H11350193 A JPH11350193 A JP H11350193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に用いる材料の制約等がない汎用性の高
い光電着法を用いた画像記録方法を提供すること。ま
た、高解像度、高階調度を有する画像を形成し得る画像
記録法を提供すること。さらに、この画像記録方法を利
用して、高い平滑性および高い光透過性を有する高解像
度のカラーフィルターの製造方法を提供すること。 【解決手段】 支持体11、導電性膜12、および光半
導体薄膜13を順次積層した基板10を((A))、少
なくとも光半導体薄膜13が、電着液20に接触するよ
うに配置し、導電性膜12に電流または電圧を供与しつ
つ、光半導体薄膜13側から電着液20を介して、画像
様に基板10を光照射し((B))、光照射部に光起電
力を発生させ、光照射部に電着膜21を形成すること
((C))を含む画像記録方法である。さらに、電着膜
21を、所望により、普通紙等の像保持基材40上に転
写すること((D))を含む画像記録方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 オフィス用の多色
印刷機、および工業的なカラーフィルターの製造等に広
く利用し得る画像記録方法に関する。さらに詳細には、
高精彩で、かつ高解像度の画像を容易に形成し得る光電
着法を利用した画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微細な画像パターンを形成し得る
画像形成方法として、電着法を使用した技術が種々提案
され、印刷や、カラーフィルターの製造に利用されてい
る。例えば、特開平6−293125号公報には、電着
法を利用したオフセット印刷方法が提案されている。ま
た、特開平4−9902号公報には電着法を利用した微
細パターンの形成方法についての技術が提案されてい
る。さらに、特開平5−60914号公報には、電着法
を利用した画像形成を用いたカラーフィルターの製造方
法についての技術が提案されている。しかし、これらの
方法は、あらかじめ電着基板の導電性膜をフォトリソグ
ラフィー等によりパターニングする必要があり、製造コ
ストが高い。
【0003】フォトリソグラフィー工程を省略したもの
としては、特開平5−157905号公報、および特開
平5−119209号公報に記載されている電着法を利
用したカラーフィルターの製造方法がある。このカラー
フィルターの製造方法は、光半導体の光メモリー性を利
用し、光照射により光照射部の導電度を増加させ、電着
材料の酸化還元反応を利用して、光照射部のみに電着材
料を析出させるものである。この方法では、60V程度
の電圧を印可する必要があり、電着膜厚のバラツキ制御
が困難である。また、光照射による履歴が基板上に残存
し、再現性が低い。本発明者等も、特開平10−971
25号公報に光半導体の光起電力を利用した画像記録方
法を提案している。この方法によれば、5V以内の電圧
の印加で電着材料を析出させることが可能であり、電着
膜厚の制御が容易で、再現性よく微細な画像パターンを
形成することができる。また、この方法によれば、基板
上に形成された電着膜をそのまま記録紙上に転写するこ
とができるので、印刷版は不要となり、少量多種類の画
像記録を目的とするオフィス用の印刷装置にも好適に用
いることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記画像記録
方法は、光照射を基板の背面から行うので、支持体、導
電性膜、および光半導体薄膜の材料として、照射光に対
して透過性のものを用いる必要があり、材料の選定や、
照射光源の選定等に限界があった。さらに、印刷装置等
に利用した場合に、基板背面側から光照射を行うことに
よる装置設計上の制約も大きかった。
【0005】本発明は、前記光電着法を用いた画像記録
方法を改良し、基板に用いる材料の制約等がない汎用性
の高い光電着法を用いた画像記録方法を提供することを
目的とする。また、高解像度、高階調度を有する画像を
形成し得る画像記録法を提供することを目的とする。さ
らに、この画像記録方法を利用して、高い平滑性および
高い光透過性を有する高解像度のカラーフィルターの製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の画像記録方法は、支持体、導電性膜、光半
導体薄膜を順次積層した基板を、少なくとも前記光半導
体薄膜が電着液に接触するように配置する工程、および
前記導電性膜に電流または電圧を供与するともに、光半
導体薄膜側から電着液を介して基板を光照射し、前記光
半導体薄膜の光照射部に光起電力を発生させ該光照射部
に電着膜を形成する工程とを含む構成とした。
【0007】光半導体薄膜を光照射すると、光半導体薄
膜の光照射部に光起電力が発生する。この光起電力が、
導電性膜に供与される電流または電圧によるバイアスに
加算され、光半導体薄膜の電位が電着材料の電着に必要
な閾値を超えると、光照射部のみに電着膜が形成され
る。本発明では、光照射は、光半導体薄膜側から電着液
を介して行うので、基板を構成する支持体および導電性
膜が照射光に対して透明である必要はない。従って、光
照射に用いる光源や、基板に用いる材料等の選択範囲が
広くなる。また、光照射を光半導体薄膜側から行うこと
により、印刷装置の設計上の制約も解消される。
【0008】本発明に用いる電着材料として、pHの変
化により溶解度が変化するイオン性分子を用いれば、導
電性膜に供与する電流または電圧を小さく設定すること
ができる。その結果、電着膜厚の高精度な制御等が容易
となり、高い平滑性を有する画像を再現性よく形成する
ことができる。
【0009】また、前記工程を種々の電着液で繰り返す
ことにより、多色画像を基板上に記録し得る。また、本
発明の画像記録方法により、赤色電着膜、緑色電着膜、
および青色電着膜を形成した後、該電着膜の未形成領域
に黒色電着膜を形成すれば、ブラックマトリックス含む
カラーフィルターを、フォトリソグラフィーを用いるこ
となく容易に製造することができる。さらに、基板上に
形成された電着膜は、容易に種々の像保持基材に転写し
得るので、本発明の画像記録方法は、普通紙の印刷工程
や、カラーフィルターの工業的生産等、種々の分野に幅
広く応用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の画像記録方法の1態様を
図1を用いて簡単に説明する。支持体11、導電性膜1
2、および光半導体薄膜13を順次積層した基板10
((A))を、少なくとも光半導体薄膜13が、電着液
20に接触するように配置する。次に、導電性膜12に
電流または電圧を供与しつつ、光半導体薄膜側から電着
液20を介して、画像様に基板10に光30を照射する
((B))。光半導体薄膜13の光照射部には、光起電
力が生じ、導電性膜12への電流または電圧の供与によ
るバイアスに加算され、光半導体薄膜13の電位が、電
着液の電着の閾値を超えると、光照射部のみに電着膜2
1が形成される((C))。所望により、電着膜21が
形成された基板10上に、像保持基材40を接触させ、
これをヒータ51を内臓した弾性ローラで加圧しながら
加熱すると((D))、転写画像41が普通紙等の像保
持基材上に転写される。
【0011】まず、本発明に用いられる基板について詳
細に説明する。基板は、支持体、導電性膜、および光半
導体薄膜を順次積層したものである。本発明では、光半
導体薄膜への光照射を光半導体薄膜側から電着液を介し
て行うので、支持体および導電性膜は、照射光に対して
透明である必要はない。従って、支持体としては、金
属、ガラス、プラスチック等種々の材料からなるものを
用いることができ、用途に応じて選択すればよい。
【0012】導電性膜は、導電性を有する材料であれば
広く用いることができる。例えば、Al、Zn、Cu、
Fe、Ni、Cr等の金属、ITO(インジュウム−ス
ズ酸化物)、二酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられ
る。また、導電性カーボン材料、導電性セラミックス材
料等を用いることもできる。導電性膜は、例えば、蒸着
法、スパッタリング法、CVD法等従来公知の方法によ
り支持体上に形成することができる。
【0013】光半導体薄膜は、光照射により光起電力を
生じるものであればいずれも使用することができる。光
半導体は光照射による効果を一定期間保有する光履歴効
果を有するが、本発明に用いられる光半導体は、光履歴
効果の弱いものが好ましい。但し、光履歴効果が強いも
のであっても、光半導体薄膜を薄くすれば、光履歴効果
を小さくできる。光半導体には、n型光半導体とp型光
半導体があるが、本発明ではいずれの光半導体も使用可
能である。さらに、n型光半導体薄膜とp型光半導体薄
膜とを積層したpn接合を有する光半導体薄膜、または
n型光半導体薄膜と、i型光半導体薄膜と、n型光半導
体薄膜とを積層したpin接合を有する光半導体薄膜
等、積層構造の光半導体薄膜を用いると、高出力の光電
流が確実に得られ、画像のコントラストがより高くなる
ので好ましい。
【0014】また、本発明に用いられる光半導体薄膜
は、無機光半導体からなるものであっても、有機光半導
体からなるものであってもよい。無機光半導体として
は、SiGaN、a−C、BN、SiC、ZnSe、ダ
イヤモンド、GaAs系化合物、CuS、Zn3 2
酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、ポリシ
リコン等が挙げられる。有機光半導体としては、フタロ
シアニン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系顔料、ポリビ
ニールカルバゾール、ポリアセチレン等が挙げられる。
これらの混合物からなるものであってもよく、また、各
々の材料からなる光半導体薄膜を複数積層したものであ
ってもよい。中でも、TiO2 、ZnO等の金属酸化物
は、電着時の安定性に優れ、光照射効率も優れているの
で、繰り返し使用するような場合には好適である。ま
た、特に、TiO2 は、ゾル−ゲル法、スパッタリング
法、電子ビーム蒸着法等種々の方法により製膜すると、
良好なn型光半導体薄膜が得られることが近年の研究で
明らかになっている。光半導体薄膜は、光半導体のみか
らなるものが好ましく、樹脂等の絶縁性材料を含有して
いないものが好ましい。光半導体薄膜に樹脂等の絶縁性
材料を混合すると、光起電力の発生効率が低下し、光履
歴効果が高くなる。
【0015】光半導体薄膜は、従来公知のゾル−ゲル
法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンコー
ト法、グロー放電着膜法等により、導電性膜上に形成す
ることができる。例えば、TiO2 を用いてn型の光半
導体薄膜を製膜する方法としては、熱酸化膜法、スパッ
タリング法、エレクトロンビーム法(EB法)、ゾル−
ゲル法等が通常用いられる。充分な光起電力を有するT
iO2 薄膜を形成するためには、TiO2 にあらかじめ
還元処理を施し、光学活性の高いアナターゼ型のTiO
2結晶を用いて製膜するのが好ましい。光学活性の高い
結晶を用いれば、低温加熱処理で、高い光感度を有する
光半導体薄膜を作製できる。例えば、アナターゼ型のT
iO2 結晶を溶媒中に分散(または溶解)させ、この分
散液(溶液)を導電性薄膜上に塗布し、100℃以下で
乾燥することにより高い光感度のn型光半導体薄膜を作
製できる。アナターゼ型のTiO2 を還元処理すると、
酸素原子が離脱してTiO2-x となり、さらに光学活性
が高くなる。この還元処理の方法としては、水素ガスの
雰囲気下で加熱処理する方法が挙げられる。加熱条件
は、約500℃で1時間加熱する(J.Electro
chem.Soc.,Vol.141,No3,p.6
60,1994,Y.Hamasaki et alに
記載)等、比較的高温で長時間処理するのが一般的であ
る。しかし、水素混合窒素ガスを所定の流速で流しなが
ら加熱処理すれば、比較的低温短時間で処理することも
できる。例えば、TiO2 の粉末を、3%の水素混合窒
素ガスを、流速1リットル/minで流しながら、約3
60℃で10分間加熱処理することにより、比較的低
温、短時間の加熱処理で、TiO2-x に還元できる。
【0016】光半導体薄膜の膜厚については、特に制約
はないが、0.05μm以上1.8μm以下の膜厚であ
ると、良好な特性となるので好ましい。膜厚が0.05
μm未満であると、生じる光起電力が小さ過ぎて、画像
形成性が悪化する傾向がある。一方、1.8μmを超え
ると、光照射によって生じた電荷が膜内にトラップさ
れ、光履歴効果が大きくなるため画像形成性が悪化する
傾向がある。
【0017】次に、電着液について説明する。電着液
は、水系溶媒に電着材料を分散または溶解させたもので
ある。電着材料は、少なくとも溶液のpH変化に対応し
て溶解度が変化するイオン性分子と、電着膜を所望の色
に着色するための染料、顔料、色素等の色材を含んでい
る。色材自体が、電着能を有する必要はなく、イオン性
分子が電着する際に、色材を取り込んで凝集、析出する
ことにより着色電着膜が形成される。また、色材自体が
イオン性分子であって、電着能を有する場合は、電着材
料は色材のみからなっていてもよい。本発明の画像記録
方法をカラーフィルターの製造に利用する場合は、顔料
とイオン性高分子とを含有する電着材料を使用すると、
得られる電着膜の耐光性が高くなるので好ましい。尚、
イオン性分子は陰イオン解離性基を有するアニオン性分
子であっても、陽イオン解離性基を有するカチオン性分
子であってもよく、用いられる光半導体薄膜の極性に応
じて選択される。
【0018】いずれのイオン性分子を電着材料として選
択するかは、イオン性分子が有するpHの変化に対応し
た溶解度の変化特性を目安にすることができる。本発明
に用いられる電着材料は、溶液のpH変化に依存して、
急激に溶解度が変化する性質を有するものが好ましい。
例えば、溶液の±1.0のpH変化に対応して、より好
ましくは、±0.5のpH変化に対応して状態変化(溶
存状態→沈殿、または沈殿→溶存状態)するものが好ま
しい。このような溶解度特性を有するイオン性分子を電
着材料として用いれば、より迅速に電着膜を作製でき、
また耐水性に優れた電着膜を作製することができる。図
2に、イオン性分子の溶解特性と、溶液のpH変化との
相関を示した。図2中、Aは電着材料として好ましいイ
オン性分子、Bは電着材料として不適当なイオン性分
子、Cは電着応答性の低いイオン性分子の溶解特性の変
化を示している。また、図3には、本発明の電着材料と
して好ましいイオン性分子の溶解特性と溶液のpH変化
との相関を示した。Aはアニオン性分子の電着材料、B
はカチオン性分子の電着材料の溶解特性を示している。
さらに、電着材料として用いるイオン性分子は、pHの
変化に対応する状態変化(溶存状態→析出の変化と析出
→溶存状態の変化)にヒステリシスを示すものが好まし
い。即ち、pHの減少または増加に対応する析出状態へ
の変化は急峻であり、かつpHの増加または減少に対応
する溶存状態への変化は緩慢であると、電着膜の安定性
が向上するので好ましい。
【0019】イオン性分子としては、陰イオン性解離基
であるカルボキシル基等を有するアニオン性高分子、陽
イオン性解離基であるアミノ基、イミノ基等を有するカ
チオン性高分子が挙げられる。イオン性高分子は、熱可
塑性であると、基板上に形成されたイオン性高分子から
なる電着膜を像保持基材上に転写する場合に、容易に熱
転写できるので好ましい。例えば、イオン性解離基を有
する親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体が好
ましく、ランダム共重合体が特に好ましい。
【0020】陰イオン性解離基を有する親水性モノマー
としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル、アクリルアミド、無水マレイン酸、無
水トリメリト酸、無水フタル酸、ヘミメリット酸、コハ
ク酸、アジピン酸、プロピオル酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマ
ー、およびこれらの誘導体が挙げられる。中でも、メタ
クリル酸、アクリル酸をモノマーとするイオン性高分子
は、pHの変化により状態変化が急峻であるとともに、
水系液体への親水性も高いので好ましい。陽イオン性解
離基を有するモノマーとしては、1級アミン、2級アミ
ン、3級アミン、4級アミン、オキサゾリン、アルキル
アミン、アルキルイミン、ポリアミン、ポリイミン等の
アミノ基またはイミノ基を有するモノマー等が挙げられ
る。また、陽イオン性解離基を有するカチオン性高分子
は、高分子にアミノ基、イミノ基等の陽イオン性解離基
を導入したものであってもよい。親水性モノマーは、そ
の分子構造中に50重量%以上75重量%以下の割合で
イオン解離性基を含有するものが好ましい。また、親水
性モノマーは、2種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0021】疎水性モノマーとしては、エチレン、ブタ
ジエン等のオレフィン、スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等、およ
びこれらの誘導体が用いられる。特に、スチレン、α−
メチルスチレンは疎水化効率が高く、電着析出効率が良
好なので好ましい。また、親水性モノマーとの共重合の
際の制御性が高い点でも好ましい。尚、疎水性モノマー
は、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】イオン性高分子を色材とともに使用する場
合は、イオン性高分子は、透明な電着膜を形成し得るも
のが、色材の発色を妨げないので好ましい。例えば、水
溶性アクリル樹脂が好ましい。
【0023】イオン性高分子は、電着液の液安定性の観
点からは、適度な親水性を有している必要があり、一
方、電着膜の膜強度および耐水性の観点からは、適度な
疎水性を有している必要がある。電着材料として用いら
れるイオン性高分子に要求されるこのような疎水性と親
水性のバランスは、例えば以下の様なイオン性高分子中
の疎水性モノマーのモル%で示すことができる。イオン
性高分子は、40モル%以上80モル%以下の疎水性モ
ノマーから構成されているものが好ましい。より好まし
くは、55モル%以上70モル%以下の範囲のものが好
ましい。疎水性モノマーの含有量が40モル%未満であ
ると、電着膜の耐水性や膜強度が不十分となり好ましく
ない。また、疎水性モノマーの含有量が80モル%を超
えると、イオン性高分子の水系溶媒に対する親和性が低
下し沈殿したり、電着液の粘度が高くなりすぎて、均一
な電着膜を形成できないので好ましくない。一方、疎水
性モノマーの含有量が前記範囲であると、水系溶媒との
親和性も高く、電着液の液性が安定するとともに、電着
効率も高いので好ましい。
【0024】イオン性高分子の疎水性と親水性のバラン
スは、アニオン性高分子を用いる場合は、酸価によって
示すこともできる。アニオン性高分子の酸価は、60以
上300以下の範囲であると、良好な電着特性となるの
で好ましく、90以上195以下であると特に好まし
い。アニオン性高分子の酸価が60以下であると、水系
溶媒への親和性が低くなり、アニオン性高分子が沈殿し
たり、電着液の粘度が高くなりすぎて、均一な電着膜が
形成できない場合がある。一方、酸価が300を超える
と、形成された電着膜の耐水性が低下したり、電着効率
が低下する傾向がある。
【0025】電着材料として用いるイオン性高分子の分
子量は、電着膜の膜特性等の観点から、重量平均分子量
が6.0×103 以上2.5×104 以下であるのが好
ましく、9.0×103 以上2.0×104 以下である
のがより好ましい。重量平均分子量が6.0×103
満であると、膜が不均一で、耐水性が不十分となる傾向
がある。その結果、電着膜中にクラックが発生したり、
電着膜が粉末化することがあり、堅牢性の高い電着膜が
得られにくい。一方、重量平均分子量が2.5×104
を超えると、水系溶媒との親和性が低下し、沈殿が生じ
たり、電着液の粘度が高すぎて電着膜が不均一となる場
合がある。また、これらイオン性高分子は、ガラス転移
点が80℃以下で、流動開始点が180℃以下、分解点
が150℃以上であると、基板上に形成されたイオン性
高分子からなる電着膜を像保持基材上に熱転写する場合
に、転写制御が容易となるので好ましい。
【0026】電着材料がイオン性の色材からなる場合、
イオン性の色材としては、トリフェニルメタンフタリド
系、フェノサジン系、フェノチアジン系、フルオレセイ
ン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフ
タリド系、ジフェニルメタン系、クロメノピラゾール
系、ロイコオーラミン系、アゾメチン系、ローダミンラ
クタル系、ナフトラクタム系、トリアゼン系、トリアゾ
ールアゾ系、チアゾールアゾ系、アゾ系、オキサジン
系、チアジン系、ベンズチアゾールアゾ系、キノンイミ
ン系の染料、およびカルボキシル基、アミノ基、または
イミノ基を有する親水性染料等が挙げられる。
【0027】例えば、フルオレセイン系の色素であるロ
ーズベンガルやエオシンは、pH4以上の水溶液中では
還元状態となり溶存するが、pHが4未満の水溶液中で
は酸化状態となり沈殿する。また、オキサジン系の塩基
性染料Cathilon Pure Blue 5GH
(C.I.Basic Blue 3)やチアジン系の
塩基性染料メチレンブルー(C.I.Basic Bl
ue 9)は、pHが10以下の水中では酸化状態とな
り溶存するが、pH10以上の水中では還元状態となり
不溶化し析出する。このような構造変化は伴わないが、
一般にカルボキシル基、アミノ基、またはイミノ基を有
する親水性染料は、水溶液のpH変化によって溶解度が
大きく変化する。例えば、カルボキシル基を有する耐水
性改良インクジェット染料は、pH6以上の水には可溶
であるが、pH6未満の水には不溶で沈殿する。
【0028】電着液は、水系溶媒中に前記電着材料を溶
解または分散させて用いる。ここで、水系溶媒とは、水
を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範
囲でアルコール等の水と親和性のある他の溶剤や、種々
の塩および添加剤等を添加した溶媒をいう。
【0029】電着液中には、電着速度を速めることを目
的として、電着材料以外の電解質を添加してもよい。電
解質を添加すると溶液の導電率が増加する。本発明者等
が検討した結果、水系液体中の導電率と、電着速度(言
い換えると電着量)とは相関し(図4)、導電率が高く
なればなるほど一定時間に付着する電着膜の膜厚が厚く
なり、導電率が約100mS/cm2 (10Ω・cmに
相当する。)になると飽和する。従って、電着膜の形成
に影響しないイオン、例えばNa+ イオンやCl- イオ
ンを加えれば、電着速度を速めることができる。
【0030】光照射前の電着液のpHは、用いる電着材
料の状態変化が生じるpHより±2の範囲に設定するの
が好ましい。電着液のpHをこのような範囲に設定して
おけば、電着膜が形成される前に電着材料の水系溶媒へ
の溶解が飽和状態となる。その結果、一旦電着膜を形成
してしまえば、膜形成後に電着液中に再溶解し難いの
で、安定的に電着膜を形成することができる。一方、電
着膜の形成時に、電着材料が未飽和状態であると、一旦
電着膜が形成されても、電流等の供与を中止した途端に
膜が再溶解し始めることがある。電着液のpHを調整す
るには、電着特性に影響を与えない酸性またはアルカリ
性物質を添加することにより行う。
【0031】基板を電着液中に配置する際には、少なく
とも光半導体薄膜が電着液に接触するように配置すれば
よい。本発明では、光照射を電着液を介して行うので、
照射光が透過する電着液の実効厚みが薄い程、光が光半
導体薄膜に到達するまでの光散乱等による光強度の低下
を抑えられ、光照射効率(光半導体薄膜表面の光照射エ
ネルギー/光源の発光エネルギー×100(%))を高
く維持できるので好ましい。光照射効率は5%以上が好
ましく、30%以上であるのがより好ましい。一方、光
半導体薄膜に接触している電着液の実効厚みが薄すぎる
と、充分な膜強度の電着膜を形成できなくなる。このよ
うなことを考慮し、鋭意研究した結果、電着液層の膜厚
は、20μm以上15mm以下が好ましく、100μm
以上3mm以下であるのがより好ましいことがわかっ
た。電着液の実効厚みが、20μmより薄いと、光半導
体薄膜への電着液の供給性が低下し、画像の光学濃度が
低下したり、光学濃度にむらが生じる。一方、15mm
より厚くなると、光照射効率が低下し、画像形成部と画
像未形成部との光学濃度差が充分得られない場合があ
る。
【0032】次に、水系液体の基板近傍で生じるpH変
化、およびこれに伴う電着膜の形成機構について説明す
る。一般的に、水溶液中に白金電極を浸し電流または電
圧を供与すると、アノード近傍の水溶液中のOH- イオ
ンは消費されてO2 になり、水素イオンが増えてpHが
低下する。これは、アノード近傍でホール(p)とOH
- イオンとが結び付く以下の反応が起こるためである。 2OH- +2p+ → 1/2(O2 )+H2 O 但し、この反応が起こるには、基板の電位が一定値(閾
値電位)を超える必要がある。閾値電位を超えて始めて
反応が進行し、水溶液中のpHが変化する(アノード近
傍ではpHが低下し、カソード近傍ではpHが増加す
る)。本発明では、あらかじめ基板に電流または電圧を
供与してバイアスを加えつつ、光照射により光半導体に
光起電力を起こさせ、光照射部のみを閾値電位を超える
電位とし、基板の光照射部近傍の水溶液のみに前記の反
応を進行させるものである。反応が進行した結果、光照
射部近傍の水溶液のpHは変化し、これに対応して着色
電着材料の溶解度が変化し、光照射部のみに着色電着膜
が形成される。
【0033】このように、光起電力を利用して電気化学
反応を引き起こす試みは、今までに種々検討されてき
た。例えば、A.Fujishima, K. Honda, Nature Vol.23
8, p37, (1972)には、n型光半導体のTiO2 に光を照
射して、生じた光起電力により水の電気分解を行った例
が報告されている。 また、 光起電力を利用した画像形成
の例としては、H. Yoneyama,et al, J. Electrochem. S
oc., p2414,(1985) に、Si基板上に光を照射して、生
じた光起電力によりピロールを電解重合し、 ドーピング
・ 脱ドーピングで画像形成を行った例が報告されてい
る。 また、 我々も導電性高分子のドーピング・ 脱ドーピ
ングに色素を用い、 光で画像形成する方法を特許出願中
である。 しかし、光起電力を利用して、導電性高分子に
より画像形成を行う場合は、使用できる発色材料に限界
がある。その結果、多彩色の画像形成を行うのは困難で
あった。導電性高分子が存在しない系であっても、電着
膜を形成することは可能であるが、電着膜形成に必要な
電圧は、 導電性高分子がある場合に比較して大きくな
る。 例えば、 前記特開平5−119209号公報「カラ
ーフィルター製造方法及びカラーフィルター製造用の電
着基板」、および特開平5−157905号公報「カラ
ーフィルター製造方法」では、 光半導体薄膜に光照射を
行い、該光照射部に発現した光導電性を利用して電着膜
を形成する技術が開示されているが、印加電圧は20V
から100Vであり、電着物質は高分子の酸化還元反応
を利用している。 一方、 光半導体薄膜の光起電力は1V
未満(例えばSiで0.6V程度)であり、画像を形成
するには光起電力だけでは不十分となる。 あらかじめ電
流または電圧の供与により電位を嵩上げしておくことも
考えられるが、一定の電圧(用いる光半導体のバンドギ
ャップに対応する電圧)を超えて電圧を印可すると、半
導体と電着液間のショトキーバリヤーが壊れてしまい、
画像形成ができなくなる。本発明では、電着に高分子等
の酸化還元反応を利用せず、前記のように、電着液中の
pH変化に対応した電着材料の溶解度変化を利用して電
着膜を形成しているので、低電圧の印加により薄膜を形
成することが可能である。
【0034】本発明において、あらかじめ基板(基板中
の光透過性導電膜)に供与する電流または電圧は、光半
導体薄膜が発現する光起電力により基板に生じる電位を
補い、基板の電位が閾値電位に達するようにその大きさ
を設定する必要がある。一方、あらかじめ基板(基板中
の光透過性導電膜)に供与する電流または電圧は、ショ
トキーバリアーを超えない大きさに設定する必要もあ
る。あらかじめ基板に供与する電流または電圧が大きす
ぎると、ショトキーバリアーが壊れ、光照射されていな
い領域にも電流が流れ、光半導体基板の全領域に電着膜
が形成され、着色電着膜の形成位置を制御できなくなる
からである。例えば、TiO2 の光起電力は、約0.6
Vであるので、2.0Vで電着する電着材料であれば、
1.4Vのバイアス電圧を印加しつつ光照射すると、基
板(光半導体膜)の光照射部の電位は0.6V+1.4
V=2.0Vとなり、電着に必要な閾値電位を越え、光
照射部のみに着色電着膜が形成される。一方、基板に
2.5V以上のバイアス電圧を印可すると、ショトキー
バリアーが壊れてしまう。
【0035】次に、光半導体と着色電着材料の組み合わ
せについて説明する。本発明では、光起電力の形成に、
光半導体と接触した界面に生じるショトキーバリヤー
や、pn接合あるいはpin接合の障壁を利用してい
る。図5(A)にn型光半導体と電着液との界面に生じ
るショトキーバリヤーを、(B)にpin接合のエネル
ギーバンドを模式的に示した。例えば、n型光半導体を
用いた場合(図5(A))、n型光半導体側を負にした
場合には、電流が流れる順方向であるので電流は流れる
が、逆に、n型光半導体側を正にした場合は、n型光半
導体と水系液体とのショトキー接合がバリヤーを形成し
て、電流は流れない。ところが、n型光半導体側を正に
して電流が流れない状態でも、光を照射するとn型光半
導体薄膜からエレクトロン・ホールペアが発生し、ホー
ルが溶液側に移動して電流が流れる。この場合、n型光
半導体を正電位にするのであるから電着する材料はアニ
オン性分子でなければならない。従って、n型光半導体
とアニオン性分子の組合せとなり、逆にp型光半導体で
はカチオンが電着されることになる。特に、n型光半導
体を用いた場合はカルボキシル基を有するアニオン性分
子、p型半導体を用いた場合はアミノ基、またはイミノ
基を有するカチオン性分子を含有する着色電着材料を用
いるのが好ましい。
【0036】次に、導電性膜に電流または電圧を供与す
る手段について説明する。導電性膜に電流または電圧を
供与するには、導電性膜の側縁等に電流または電圧が供
与されるための通電路を設ければよい。電流または電圧
の供給には、ポテンショスタット等を用いる。
【0037】次に、光半導体薄膜への光照射について説
明する。光半導体薄膜への光照射は電着液を介して行う
ので、照射光の波長は、電着液による光吸収がまったく
ないか、または光吸収があったとしてもその吸光度が小
さい波長領域であることが好ましい。即ち、照射光の主
波長域は、電着液の主吸収波長域と異なっていることが
好ましい。カラー画像を記録する場合、電着液として、
可視光域の光を吸収するものを用いるので、照射光は波
長が400nm以下の紫外光か、あるいは700nm以
上の近赤外光および赤外光が好ましい。このような光の
光源としては、水銀灯、水銀キセノンランプ、He−C
dレーザ、ガスレーザ、エキシマレーザ、He−Neレ
ーザ、半導体レーザ、赤外線レーザ等、従来知られてい
る光源を広く用いることができる。また、照射光は、光
半導体薄膜に対して光起電力を発生させる波長域の光で
ある必要がある。例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等の
光半導体は、紫外線の照射により光起電力を発生する。
他方、ポリシリコン、フタロシアニン系化合物等は、赤
外線の照射により光起電力を発生する。このように、用
いる光半導体が感知する光の光源を適宜選択すればよ
い。画像様に光照射する方法としては、フォトマスク等
を介して水銀灯、水銀キセノンランプ等を用いて全面露
光する方法や、レーザを用いて走査露光する方法等があ
る。
【0038】本発明の画像記録方法をカラーフィルター
の製造に利用する場合は、基板上の電着膜未形成領域に
容易にブラックマトリックスを形成することができる。
電着膜の未形成領域には光半導体が露出しているので、
これを利用して容易にブラックマトリックスを形成する
ことができる。具体的には、ブラックマトリックス形成
用の黒色電着材料を含有する電着液中に、本発明の画像
記録方法により形成されたRGB層を有する基板を電着
液中に配置し、基板の導電性膜に電着材料が析出するた
めに必要な閾値電位を超えるように電圧等を供与すれ
ば、電着膜の未形成領域のみにブラックマトリックスを
形成することができる。用いる黒色電着材料としては、
カーボンブラックと前記イオン性高分子の混合物等が挙
げられる。この方法でブラックマトリックスを形成する
場合は、ブラックマトリックスが電着膜を覆ってしまわ
ないように、赤色、緑色、および青色の電着膜が絶縁性
となるように、電着材料を選択する。絶縁性の目安とし
ては、電着膜の体積固有抵抗値が1.0×103 Ω・c
m以上、好ましくは1.0×104 Ω・cm以上になる
ように電着材料を選択する。
【0039】また、カラーフィルター以外にも、電着膜
の未形成領域に画像の背景色の電着膜を形成したい場合
も、同様に容易に形成できる。具体的には、本発明の画
像記録方法により形成された1色以上の電着膜を有する
基板を、背景色の電着膜を形成し得る電着材料を含有す
る電着液に接触させ、基板が電着材料の電着に必要な電
位となるように電流又は電圧を供与することにより、容
易に背景色の電着膜を形成することができる。この場
合、印加電圧の大きさ等を調整すれば、光半導体薄膜を
光照射する必要は特にない。光照射する場合であって
も、光照射位置を制御する必要はなく、全面露光すれば
よい。この場合も、画像を形成している電着膜が、背景
色の電着膜で覆われてしまわないように、電着材料とし
て絶縁性の電着膜を形成し得る材料を選択する。絶縁性
の目安は、前記と同様である。
【0040】本発明の画像記録方法により基板上に形成
された画像様の電着膜は、所望により像保持基材上に転
写される。基板上に形成された電着膜は水分を含んでい
るので、弾性ローラー等による若干のニップ圧により粘
性変形を生じ、容易に像保持基材上に転写することがで
きる。転写効率を向上することを目的として、加熱状態
で転写を行ってもよい。電着膜を破壊することなく転写
するためには、加熱温度は、電着膜を構成するイオン性
高分子の分解点より20℃高い温度を上限として設定す
る必要がある。一方、転写効率の点からは、加熱温度の
下限は、前記イオン性高分子のガラス転移点とするのが
好ましい。
【0041】例えば、本発明の画像記録方法に、基板上
に形成された画像様の電着膜を普通紙等に転写する工程
を付加すれば、オフィス用の印刷装置に好適に利用する
ことができる。また、基板上に形成されたRGB層およ
びブラックマトリックスを、光透過性のガラス基板や光
透過性のプラスチックフィルム上に転写する工程を付加
すれば、カラーフィルターの工業的製造に好適に利用す
ることができる。
【0042】図6は、本発明の画像記録方法を用いた画
像記録装置の1例の概略図である。エンドレスベルト形
状の基板10は、支持体、導電性薄膜、および光半導体
薄膜を順次積層した構成であって、図6中、外側が光半
導体薄膜、内側が支持体である。導電性膜には通電路が
設けられていて、電流または電圧の供与により、バイア
スされている。基板10は、駆動ローラー60により搬
送される。基板10は、所定の位置で電着液20に接触
するとともに、光半導体薄膜は、画像様に光照射(3
0)され、該光照射部に電着膜21が形成される。電着
膜21は、基板10に接着した状態で加熱弾性ローラの
ニップ部まで搬送される。電着膜21は、加熱弾性ロー
ラのニップ圧と加熱により、像保持基材40に転写され
る。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて、さらに詳細
に説明するが、本発明はこれに制限されるものではな
い。
【0044】実施例1 5mm厚みのガラス基板に、0.5μmのITOの導電
性膜をスパッタリング法で作製し、さらに同方法により
0.5μmのTiO2 薄膜を作成した。 次に、TiO2
の光電流特性を上げるために、還元処理として、3%の
水素ガスが混合された純窒素ガス中で、410℃で10
分間加熱アニールした。作製された基板を、スチレンー
アクリル酸ランダム共重合体(分子量1.6×104
スチレンのモル%が72%、酸価130、ガラス転移点
40℃、流動開始点85℃、分解点240℃)と、アゾ
系マゼンタ色超微粒子顔料を固形分比率で8対2に分散
させた顔料を含む電着液にTiO2 薄膜が接触するよう
に配置した。電着液の最大吸収波長は546nmであ
り、体積電気抵抗率は3×102 Ω・cmであった。次
に、電気化学分野で一般的に使用される三極式の配置に
おいて、 飽和カロメル電極に対し基板を作用電極として
利用し、 ITO導電性膜に電圧を供与し、作用電極の電
位を1.6Vにした。電着液の厚みを3mmとし、Ti
2 薄膜を、電着液の液面外側から、水銀キセノンラン
プ(山下電装社製、 波長365nm、光強度50mW/
cm2 )により、マスクパターン画像のフォトマスクを
介して10秒間投影露光をした。TiO2 薄膜表面の光
照射部には、マゼンタの画像パターンが形成された。 次に、 マゼンタ色の電着膜を有する基板を、前記スチレ
ンーアクリル酸ランダム共重合体とアゾ系イエロー超微
粒子顔料を固形分比率で8対2に分散させた顔料を含む
電着液(最大吸収波長は446nm、体積電気抵抗率は
5×102 Ω・cm)にTiO2 薄膜が接触するように
配置し、飽和カロメル電極に対し基板を作用電極として
利用し、 作用電極の電位が1.7Vとなるように電圧を
供与した。電着液の厚みを3mmとし、TiO2 薄膜
を、電着液の液面外側から、水銀キセノンランプ(山下
電装社製、 波長365nm、光強度50mW/cm2
により、マスクパターン画像のフォトマスクを介して1
0秒間投影露光した。TiO 2 薄膜表面の光照射部に
は、イエローの画像パターンが形成された。 2色の電着膜を有する基板を、前記スチレンーアクリル
酸ランダム共重合体とフタロシアニン系シアン超微粒子
顔料を固形分比率で8対2に分散させた顔料を含む電着
液(最大吸収波長は658nm、体積電気抵抗率は2×
102 Ω・cm)にTiO2 薄膜が接触するように配置
した。飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として
利用し、 作用電極の電位が1.7Vとなるように電圧を
供与した。電着液の厚みを3mmとし、TiO2 薄膜
を、電着液の液面外側から、水銀キセノンランプ(山下
電装社製、 波長365nm、光強度50mW/cm2
により、マスクパターン画像のフォトマスクを介して1
0秒間投影露光をした。TiO2 薄膜表面の光照射部に
は、シアン色の画像パターンが形成された。 3色の電着
膜の体積固有抵抗値は5×104 Ω・cmであった。次
に、 3色の電着膜を有する基板を純水で洗浄した後、 該
基板を、スチレンーアクリル酸ランダム共重合体(分子
量1.3×104 スチレンーアクリル酸ランダム共重合
体(分子量1.6×104 、スチレンのモル%(スチレ
ンのモル濃度/(アクリル酸のモル濃度+スチレンのモ
ル濃度) )が70%、酸価150)とカーボンブラック
粉末(平均粒子径80nm)を固形分比率で1対4に分
散させた電着液にTiO2 薄膜が接触するように配置し
た。飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として利
用し、 作用電極の電位が2.0Vとなるように3.0秒
間電圧を印加したところ、着色電着膜の未形成領域に、
黒色の薄膜が形成された。基板を水で洗浄した後、普通
紙を電着膜上に載せて、190℃のオーブン中で、普通
紙上から200g/cm2 で10分間加圧した。その後
オーブンから取り出し、普通紙を剥離したところ、着色
電着膜が普通紙上に転写されていた。普通紙上に記録さ
れた画像の解像度は1200dpi、256階調であ
り、高解像度、かつ高精彩のカラードキュメントが作製
できた。
【0045】実施例2 4mm厚みの無アルカリガラス基板に、0.2μmのI
TO導電性膜をスパッタリング法で作製し、さらに同方
法により0.5μmのTiO2 薄膜を作製した。 次に、
TiO2 の光電流特性を上げるために、還元処理とし
て、4%の水素ガスが混合された純アルゴンガス中で、
370度で20分間加熱アニールした。作製された基板
を、スチレンーアクリル酸ランダム共重合体(分子量
1.9×104 、スチレンのモル%が70%、酸価16
0、ガラス転移点47℃、流動開始点95℃、分解点2
44℃)と、アゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で7
対3に分散させた顔料を含む電着液にTiO2 薄膜が接
触するように配置した。電着液の最大吸収波長は446
nmであり、体積抵抗率は6×102 Ω・cmであっ
た。次に、電気化学分野で一般的に使用される三極式の
配置において、 飽和カロメル電極に対し基板を作用電極
として利用し、 ITO導電性膜に電圧を供与し、作用電
極の電位を1.9Vにした。電着液の厚みを1mmと
し、TiO2 薄膜を、電着液の液面外側から、水銀キセ
ノンランプ(山下電装社製、 波長365nm、光強度5
0mW/cm2 )により、赤色用フォトマスクを介して
7秒間光照射した。TiO2 薄膜表面の光照射部には、
赤色の画像パターンが形成された。次に、 赤色の電着膜
を有する基板を、前記スチレンーアクリル酸ランダム共
重合体とフタロシアニングリーン系超微粒子顔料を固形
分比率で8対2に分散させた顔料を含む電着液(最大吸
収波長は646nm、体積電気抵抗率は8×102Ω・
cm)にTiO2 薄膜が接触するように配置し、飽和カ
ロメル電極に対し基板を作用電極として利用し、 作用電
極の電位が1.9Vととなるように、電圧を供与した。
電着液の厚みを1mmとし、TiO2 薄膜を、電着液の
液面外側から、水銀キセノンランプ(山下電装社製、 波
長365nm、光強度50mW/cm 2 )により、緑色
用のフォトマスクを介して10秒間光照射した。TiO
2 薄膜表面の光照射部には、緑色の画像パターンが形成
された。 2色の電着膜を有する基板を、前記スチレンーアクリル
酸ランダム共重合体とフタロシアニンブルー系超微粒子
顔料を固形分比率で8対2に分散させた顔料を含む電着
液(最大吸収波長は652nm、体積電気抵抗率は9×
102 Ω・cm)にTiO2 薄膜が接触するように配置
した。飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として
利用し、 作用電極の電位が1.9Vになるように電圧を
供与した。電着液の厚みを1mmとし、TiO2 薄膜
を、電着液の液面外側から、水銀キセノンランプ(山下
電装社製、 波長365nm、光強度50mW/cm2
により、青色のフォトマスクを介して10秒間光照射し
た。TiO2 薄膜表面の光照射部には、青色の画像パタ
ーンが形成された。 3色の電着膜の体積固有抵抗値は、
それぞれ、6×105 Ω・cm、3×106 Ω・cm、
5×106 Ω・cmであった。次に、 3色の電着膜を有
する基板を純水で洗浄した後、 該基板を、前記スチレン
ーアクリル酸ランダム共重合体とカーボンブラック粉末
(平均粒子径95nm)を固形分比率で5対5に分散さ
せた電着液にTiO2 薄膜が接触するように配置した。
飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として利用
し、 作用電極を2.6Vとして4秒間電圧を印加したと
ころ、着色電着膜の未形成領域が、黒色の薄膜で覆わ
れ、ブラックマトリックスが形成された。基板を水で洗
浄した後、1mm厚の青色ガラスを電着膜上に載せて、
220℃のオーブン中で、普通紙上から400g/cm
2 で20分間加圧した。その後オーブンから取り出し、
青色ガラスを剥離したところ、着色電着膜が青色ガラス
上に転写されていた。その後、転写された着色電着膜か
らなるカラーフィルター層にポリイミド樹脂の希薄溶液
を塗布、乾燥させて、カラーフィルター層上に保護層を
形成し、VGS仕様のカラーフィルターを作成した。 こ
のカラーフィルターは、高い平滑性および高い光透過性
を有し、高解像度であった。
【0046】実施例3 3mm厚みのアルミナ基板に、0.5μmの金の導電性
膜をスパッタリング法で作製し、さらにゾル−ゲル法に
より0.6μmのTiO2 薄膜を作製した。 製膜は、T
iO2 のアルコキシド液を導電性膜上にスピンコート
(1700回転/秒で30秒間で製膜。)することによ
り行った。光半導体薄膜の光電流特性を上げるために、
実施例1と同様の還元処理を行った。 作製された基板を、スチレンーアクリル酸ランダム共重
合体(分子量1.0×104 、スチレンのモル%が65
%、酸価145、ガラス転移点25℃、流動開始点65
℃、分解点200℃)と、アゾ系赤色超微粒子顔料を固
形分比率で9対1に分散させた顔料を含む電着液にTi
2 薄膜が接触するように配置した。電着液の最大吸収
波長は456nmであり、体積電気抵抗率は2×103
Ω・cmであった。次に、電気化学分野で一般的に使用
される三極式の配置において、 飽和カロメル電極に対し
基板を作用電極として利用し、 金の導電性膜に電圧を供
与し、作用電極の電位を1.7Vとした。電着液の厚み
を0.5mmとし、TiO 2 薄膜を、電着液の液面外側
から、水銀キセノンランプ(山下電装社製、 波長365
nm、光強度50mW/cm2 )により、赤色用のフォ
トマスクを介して5秒間光照射した。TiO2 薄膜表面
の光照射部には、赤色の画像パターンが形成された。 次に、 赤色の電着膜を有する基板を、前記スチレンーア
クリル酸ランダム共重合体とフタロシアニングリーン系
超微粒子顔料を固形分比率で9対1に分散させた顔料を
含む電着液(最大吸収波長は656nm、体積電気抵抗
率は2×102Ω・cm)にTiO2 薄膜が接触するよ
うに配置し、飽和カロメル電極に対し基板を作用電極と
して利用し、 作用電極の電位が1.7Vにとなるように
電圧を供与した。電着液の厚みを0.5mmとし、Ti
2 薄膜を、電着液の液面外側から、水銀キセノンラン
プ(山下電装社製、 波長365nm、光強度50mW/
cm2 )により、緑色用のフォトマスクを介して5秒間
光照射した。TiO2 薄膜表面の光照射部には、緑色の
画像パターンが形成された。 2色の電着膜を有する基板を、前記スチレンーアクリル
酸ランダム共重合体とフタロシアニンブルー系超微粒子
顔料を固形分比率で9対1に分散させた顔料を含む電着
液(最大吸収波長は646nm、体積電気抵抗率は1.
5×102 Ω・cm)にTiO2 薄膜が接触するように
配置した。飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極と
して利用し、 作用電極の電位が1.7Vになるように電
圧を供与した。電着液の厚みを0.5mmとし、TiO
2 薄膜を、電着液の液面外側から、水銀キセノンランプ
(山下電装社製、 波長365nm、光強度50mW/c
2 )により、青色用フォトマスクを介して10秒間光
照射した。TiO2 薄膜表面の光照射部には、青色の画
像パターンが形成された。 3色の電着膜の体積固抵抗値
は、それぞれ、3×106 Ω・cm、7×106 Ω・c
m、4×107 Ω・cmであった。次に、 電着膜を有す
る基板を純水で洗浄した後、 該基板を、前記スチレンー
アクリル酸ランダム共重合体とカーボンブラック粉末
(平均粒子径80nm)を固形分比率で9対1に分散さ
せた電着液中にTiO2 薄膜が接触するように配置し
た。飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として利
用し、 作用電極の電位が2.6Vになるように電圧を印
加したところ、着色電着膜の未形成領域が、黒色の薄膜
が覆われ、ブラックマトリックスが形成された。基板を
水で洗浄した後、該基板の電着膜上に0.2mm厚のポ
リイミドフィルムを載せて、ローラ表面の温度が140
℃で、700g/cm2 のニップ圧を有する2本のロー
ラ間を、線速度20mm/secで通過させた。その
後、ポリイミドフィルムを剥離したところ、着色電着膜
がポリイミドフィルム上に転写されていた。その後、転
写された着色電着膜からなるカラーフィルター層にポリ
イミド樹脂の希薄溶液を塗布、乾燥させて、カラーフィ
ルター層上に保護層を形成し、カラーフィルターを作成
した。 このカラーフィルターは、高い平滑性および高い
光透過性を有し、高解像度であった。
【0047】実施例4 厚さ5mmのアルミ基板に、0.2μmのITOの導電
性膜をスパッタリング法で作製し、このITO導電性膜
上に、シランガスをグロー放電着膜法により製膜し、こ
の製膜過程の後半にジボランガスを導入し、0.8μm
のp型a−Si薄膜を作製した。次に、基板を約500
℃で1 時間加熱処理し、a−Si薄膜の結晶化度を向上
させた後、2 種類のドーピング処理によりpn接合型ポ
リシリコン薄膜とした。次に、 この基板を、実施例1と
同様のスチレンーアクリル酸ランダム共重合体と、アゾ
系マゼンタ色超微粒子顔料を固形分比率で7対3に分散
させた顔料を含む電着液にポリシリコン薄膜が接触する
ように配置した。電着液の最大吸収波長は553nmで
あり、体積電気抵抗率は3×102 Ω・cmであった。
次に、電気化学分野で一般的に使用される三極式の配置
において、 飽和カロメル電極に対し基板を作用電極とし
て利用し、 ITO導電性膜に電圧を供与し、作用電極の
電位を1.8Vにした。電着液の厚みを0.5mmと
し、TiO2 薄膜を、電着液の液面外側から、He−N
eレーザ光源を用いて、マゼンダ画素に対応した信号に
より、レーザ光を走査露光した。ポリシリコン薄膜表面
の光照射部には、マゼンタ色の画像パターンが形成され
た。 次に、 マゼンタ色の電着膜を有する基板を、前記スチレ
ンーアクリル酸ランダム共重合体とアゾ系イエロー超微
粒子顔料を固形分比率で7対3に分散させた顔料を含む
電着液(最大吸収波長は448nm、体積電気抵抗率は
4×102 Ω・cm)にポリシリコン薄膜が接触するよ
うに配置し、飽和カロメル電極に対し基板を作用電極と
して利用し、 作用電極の電位が1.7Vとなるように電
圧を供与した。電着液の厚みを0.5mmとし、ポリシ
リコン薄膜を、電着液の液面外側から、He−Neレー
ザにより、イエロー画素に対応した信号により、レーザ
光を走査露光した。ポリシリコン薄膜表面の光照射部に
は、イエローの画像パターンが形成された。 2色の電着膜を有する基板を、前記スチレンーアクリル
酸ランダム共重合体とフタロシアニン系シアン色超微粒
子顔料を固形分比率で7対3に分散させた顔料を含む電
着液(最大吸収波長は654nm、体積電気抵抗率は
1.5×102 Ω・cm)にポリシリコン薄膜が接触す
るように配置した。飽和カロメル電極に対し、基板を作
用電極として利用し、 作用電極の電位が1.7Vとなる
ように電圧を供与した。電着液の厚みを0.5mmと
し、ポリシリコン薄膜を、電着液の液面外側から、He
−Neレーザにより、シアン画素に対応した信号によ
り、レーザ光を走査露光した。ポリシリコン薄膜表面の
光照射部には、シアン色のイエローの画像パターンが形
成された。 3色の電着膜の体積固有抵抗値は、それぞ
れ、7×106 Ω・cm、5×107 Ω・cm、3×1
7 Ω・cmであった。次に、 3色の電着膜を有する基
板を純水で洗浄した後、 該基板を、前記スチレンーアク
リル酸ランダム共重合体と、カーボンブラック粉末(平
均粒子径80nm)を固形分比率で5対5に分散させた
電着液にポリシリコン薄膜が接触するように配置した。
飽和カロメル電極に対し、基板を作用電極として利用
し、 作用電極の電位が2.5Vとなるように5秒間電圧
を印加したところ、着色電着膜の未形成領域に、黒色の
薄膜が形成された。基板を水で洗浄した後、0.3mm
厚の白色フィルムを電着膜上に載せて、ローラ表面の温
度が170℃で、450g/cm2 のニップ圧を有する
2本のローラ間を、線速度12mm/secで通過させ
た。その後、白色フィルムを剥離したところ、着色電着
膜が白色フィルム上に転写されていた。190℃のオー
ブン中で、普通紙上から200g/cm2 で10分間加
圧した。その後オーブンから取り出し、普通紙を剥離し
たところ、着色電着膜が普通紙上に転写されていた。転
写された着色電着膜にポリイミド樹脂の希薄溶液を塗
布、硬化、乾燥させて、保護層を形成した。白色フィル
ム上に記録された画像は、800dpiの解像度、およ
び128階調を有しており、高解像度、かつ高精彩のカ
ラードキュメントが作製できた。
【0048】
【発明の効果】本発明の画像記録方法によれば、基板に
用いる材料に特に制約されることなく、高解像度、かつ
高階調度を有する高精彩なカラー画像を容易に形成する
ことができる。基板上に形成された電着膜は、種々の像
保持部材上に容易に転写されるので、印刷工程、カラー
フィルターの製造等に幅広く応用する応用することがで
きる。特に、カラーフィルターの製造に利用すると、フ
ォトリソグラフィーを用いることなく、高い平滑性およ
び高い光透過性を有する高解像度のカラーフィルターを
低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】本発明の画像記録方法の一態様を示す概略図。
【図2 】電着液のpH変化と電着材料の溶解特性との相
関を示すグラフ。
【図3 】電着液のpH変化とアニオン性分子からなる電
着材料およびカチオン性分子からなる電着材料との溶解
特性との相関を示すグラフ。
【図4 】電着液の導電率と電着量との相関を示すグラ
フ。
【図5】(A)光半導体薄膜と電着液界面に生じたショ
トキーバリヤーを模式的に示した図。(B)pin接合
を有する光半導体のエネルギーバンドを模式的に示した
図。
【図6】本発明の画像記録方法を利用した画像記録装置
の概略図。
【符号の説明】
10 基板 11 支持体 12 導電性膜 1
3 光半導体薄膜 20 電着液 21 電着膜 30 照射光 40 像保持基材 41 転写画像 42 普通紙
ロール 50 加熱弾性ローラ 51 ヒータ 52 弾性
層 60 駆動ローラ 61 液だれ防止基材 62
バックアップ台 70 洗浄水噴射器

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、導電性膜、光半導体薄膜を順次
    積層した基板を、少なくとも前記光半導体薄膜が電着液
    に接触するように配置する工程、 前記導電性膜に電流または電圧を供与するともに、光半
    導体薄膜側から電着液を介して基板を光照射し、前記光
    半導体薄膜の光照射部に光起電力を発生させ該光照射部
    に電着膜を形成する工程、 を含む画像記録方法。
  2. 【請求項2】 光照射の照射光の主波長域が、電着液の
    主吸収波長域と異なることを特徴とする請求項1に記載
    の画像記録方法。
  3. 【請求項3】 基板を光半導体薄膜側から20μm以上
    15mm以下の実効厚みの電着液を介して光照射するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像記
    録方法。
  4. 【請求項4】 光半導体薄膜の電着膜形成部分と基準電
    極との電位差が絶対値で5V以下であるように、電流ま
    たは電圧を供与することを特徴とする請求項1から請求
    項3までのいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 【請求項5】 電着液がpHの変化に対応して溶解度が
    変化するイオン性分子を含有し、かつ電着膜が該イオン
    性分子を含有することを特徴とする請求項1から請求項
    4までのいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 【請求項6】 イオン性分子が、疎水性モノマーと親水
    性モノマーのランダム共重合体であり、該ランダム共重
    合体が疎水性モノマーを40モル%以上80モル%以下
    含有していることを特徴とする請求項1から請求項5ま
    でのいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 【請求項7】 イオン性分子が分子量6.0×103
    上2.5×104 以下のイオン性高分子であることを特
    徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記
    載の画像記録方法。
  8. 【請求項8】 前記イオン性分子の酸価が90以上19
    5以下であることを特徴とする請求項1から請求項7ま
    でのいずれか1項に記載の画像記録方法。
  9. 【請求項9】 光半導体薄膜がn型光半導体からなり、
    かつ電着液がカルボキシル基を有するイオン性分子を含
    有し、かつ電着膜が該イオン性分子を含有するすること
    を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項
    に記載の画像記録方法。
  10. 【請求項10】 n型光半導体が酸化物半導体であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の画像記録方法。
  11. 【請求項11】 n型光半導体が酸化チタンであること
    を特徴とする請求項9に記載の画像記録方法。
  12. 【請求項12】 光半導体薄膜がp型光半導体からな
    り、かつ電着液がアミノ基またはイミノ基を有するイオ
    ン性分子を含有し、かつ電着膜が該イオン性分子を含有
    することを特徴とする請求項1から請求項7までのいず
    れか1項に記載の画像記録方法。
  13. 【請求項13】 光半導体薄膜がn型光半導体薄膜とp
    型光半導体薄膜とを積層したpn接合を有する光半導体
    薄膜、またはn型光半導体薄膜と、i型光半導体薄膜
    と、n型光半導体薄膜とを積層したpin接合を有する
    光半導体薄膜であることを特徴とする請求項1から請求
    項8までのいずれか1項に記載の画像記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項13までのいずれ
    か1項に記載の画像記録方法により基板上に1 色以上の
    電着膜を形成した後、基板上の電着膜を像保持基材上に
    転写する工程を含む画像記録方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項10までのいずれ
    か1項に記載の画像記録方法により1 色以上の電着膜を
    形成する工程、 該電着膜を有する基板を少なくとも光半導体薄膜が電着
    液に接触するように配置する工程、 導電性膜に電流または電圧を供与するとともに、光半導
    体薄膜側から電着液を介して基板の全面を光照射し、電
    着膜の未形成部分に光起電力を発生させ、電着膜未形成
    部分に電着膜を形成する工程、 および電着膜を像保持基材上に転写する工程、を含む画
    像記録方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項13までのいずれ
    か1項に記載の画像記録方法により赤色、緑色、および
    青色の電着膜を形成する工程、 該電着膜を有する基板を少なくとも光半導体薄膜が電着
    液に接触するように配置する工程、 導電性膜に電流または電圧を供与し、光半導体薄膜の電
    着膜未形成部分に黒色の電着膜を形成する工程、 基板上の赤色、緑色、青色、および黒色の電着膜を光透
    過性の像保持基材上に転写する工程、 を含むカラーフィルターの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項13までのいずれ
    か1項に記載の画像記録方法を4回繰り返し、黒色、赤
    色、緑色、青色の電着膜を形成する工程、 基板上の赤色、緑色、青色、および黒色の電着膜を光透
    過性の像保持基材上に転写する工程、 を含むカラーフィルターの製造方法。
  18. 【請求項18】 加熱および/または加圧状態で転写す
    ることを特徴とする請求項14から請求項17までのい
    ずれか1項に記載の画像記録方法。
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