JPH11305029A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法

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JPH11305029A
JPH11305029A JP11317698A JP11317698A JPH11305029A JP H11305029 A JPH11305029 A JP H11305029A JP 11317698 A JP11317698 A JP 11317698A JP 11317698 A JP11317698 A JP 11317698A JP H11305029 A JPH11305029 A JP H11305029A
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electrodeposition
film
color filter
substrate
transparent
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JP11317698A
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English (en)
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Hidekazu Akutsu
英一 圷
Shigemi Otsu
茂実 大津
Ryujun Fu
龍淳 夫
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィを使用することなく、工
程数も少ない方法で低コスト化が図れるとともに、高解
像度で透光性に優れ、制御性の高いカラーフィルターを
提供する。 【解決手段】 透明基板12上に透明導電膜14、半導
体薄膜16を順次形成した基板18を準備し、液体を保
持しうる容器20に色材とpHの変化により化学的に溶
解或いは析出・沈降する電着材料とを含有する水系液体
22を準備し、画像ターンに従って、電流または電界を
供与できる手段24を透明導電膜に接続した基板18を
半導体薄膜16が水系液体22に浸漬されるよう固定
し、電極対の他方である対向電極26を該容器20内に
配置し、該基板18の透明基板12上に所定のマスクパ
ターン28を配置して光照射を行い(レーザー光でも
可)、光照射による起電力が発生した部分に選択的に電
着材料を含む電着膜30を析出させる。色材の色調を変
えて、複数色の電着膜を形成する工程を繰り返し、同様
に多色の電着膜を形成し、加熱・加圧条件下で密着転写
しカラーフィルターを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 CCDカメラや液
晶表示素子なの各種表示素子やカラーイメージセンサー
に使用されるカラーフィルターの形成技術に関するもの
であり、具体的には、フォトリソグラフィ工程を使わず
に着色層やブラックマトリックスを高解像度で、しかも
簡便に形成しうる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、カラーフィルターの製造方法とし
ては、(1)染色法、(2)顔料分散法、(3)印刷
法、(4)インクジェット法(5)電着法などが知られ
ている。 (1)染色法は、ガラス基板上に染色させるための水溶
性高分子を形成し、これをフォトリソグラフィの工程を
経て所望の形状にパターンニングした後、染色液に浸す
ことで着色されたパターンを得て、これを3回繰り返し
R.G.B.のカラーフィルター層を得る方法である。
得られたフィルターは透過率も高く色相も豊富で、技術
の完成度も高いため、現在カラー固体撮像素子(CC
D)に多用されていたが、染料を使用するため耐光性に
劣り、製造工程の数も多いことから、液晶表示素子(L
CD)用としては、近年、顔料分散法に取って代わられ
ている。 (2)顔料分散法は、近年最も主流のカラーフィルター
の製造方法である。まず、ガラス基板上に顔料を分散し
た樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー工程を
経てパターニングする。これを3回繰り返しR.G.
B.のカラーフィルター層を得る。この製造法は、技術
の完成度は高いが工程数が多くコストが高いのが欠点で
ある。 (3)印刷法は熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷
を3回繰り返すことでR.G.B.を塗り分け、その後
で熱を加えて樹脂を硬化させることでカラーフィルター
層を得る。この方法は、R.G.B.層の形成に際して
は、フォトリソグラフィーが必要としないが、解像度や
膜厚の均一性の点に問題がある。 (4)インクジェット法は基体上に水溶性高分子のイン
ク受容層を形成し、この上に親水化・疎水化処理を施し
た後、親水化された部分にインクジェット法でインクを
吹きつけR.G.B.層を塗り分けカラーフィルター層
を得る方法である。この方法も、R.G.B.層の形成
に際しては、フォトリソグラフィーを必要としないが、
解像度の点で劣る。また、隣接するフィルター層に吹き
付け時にインクの小滴が飛散して混色する確率が高く位
置精度の点でも劣る。 (5)電着法は、水溶性高分子に顔料を分散させた電解
溶液中で、予めパターニングした透明電極上に70V程
度の高電圧を印加し、電着膜を形成することで電着塗装
を行い、これを3回繰り返しR.G.B.のカラーフィ
ルター層を得る。この方法は、予め、透明電極をフォト
リソグラフィーによりパターニングして、これを電着用
の電極として使用する必要があり、パターンの形状が限
定されるため、TFT液晶用には使えないという欠点が
ある。
【0003】本発明者らは、このような電着技術そのも
のを原理的なところから検討することにより、水溶性の
色素分子の中には、酸化状態、中性状態及び還元状態で
水への溶解度が大きく変化する分子があることに着目し
た。このような特性をもつ化合物の例を挙げれば、例え
ば、フルオレセイン系の色素であるローズベンガルやエ
オシンはpH4以上では還元状態をとり水に溶解する
が、pH4未満の領域では酸化されて中性状態となり析
出、沈殿する。また、一般にカルボキシル基をもった色
素材料は、構造変化を伴わなくても溶液の水素イオン濃
度(pH)によって溶解度が大きく変化することが知ら
れており、具体的には、耐水性改良インックジェット染
料は、pH6以上では水に溶けるがそれ以下では沈殿す
る。これらの色素を純水中に溶解し、溶液中に電極を浸
して電圧を印加すると、陽極側の電極上にこれらの色素
分子からなる電着膜が生成される。また、カルボキシル
基を持った高分子の一種である水溶性アクリル樹脂もp
Hが6以上では水に溶けるが、それ以下では沈殿する。
この高分子中に顔料を分散させて、溶液中に電極を浸し
電圧を印加すると、陽極側の電極上に顔料及び高分子が
析出して顔料と高分子が混合された電着膜が形成され
る。これらの電着膜は、逆電圧を印加するかpH10〜
12の水溶液に浸すことで、水溶液中に再溶出させるこ
とができる。また、キノンイミン染料の一つであるオキ
サジン系の塩基性染料Cathilon Pure B
lue 5GH(C.I.BasicBlue 3)や
チアジン系の塩基性染料メチレンブルー(C.I.Ba
sicBlue 9)はpHが10以下では酸化状態を
取り発色しているがそれ以上になると還元されて不溶化
し析出する。これらの色素を純水中に溶解し、溶液中に
電極を浸し電圧を印加すると、陰極側の電極上にこれら
の色素分子からなる電着膜が生成される。これらの色素
電着膜は、逆電圧を印加するかpH8以下の水溶液に浸
すことで、元に戻って水溶液中に再溶出する。
【0004】従来の電着技術は、電着膜形成に必要とな
る電圧が約70Vと高く、このような高い電圧を印加す
ると、半導体と電解液とのショットキーバリアを壊して
しまい画像形成はできない。また、透明で実用的なカラ
ーフィルターの形成に使用可能な半導体は皆無であっ
た。このことから、先に述べた従来の電着塗装を利用し
たカラーフィルターの製造方法においては、透明電極の
パターンニングが必要とされ、それがカラーフィルター
のパターンの形状が限定される要因となっている。
【0005】また、導電性高分子のドーピング・脱ドー
ピングに色素を用い、光で画像形成する方法も提案され
ているが、導電性高分子がなくても色素のみで電着膜を
形成することは可能である。ところが、色素自体で電着
膜を形成するのに必要な電圧は、導電性高分子がある場
合に比較して大きくなる。一方、光起電力は汎用のSi
においても約0.6V程度であり、画像形成するには光
起電力だけでは不十分である。従って、バイアス電圧を
印加してかさ上げするなどの方法が考えられるが、それ
でも一定の電圧(使用する半導体のバンドギャップに依
存した電圧)以上になると、光起電力の形成に必要な半
導体と溶液の間のショットキーバリアーが壊れてしまう
という問題があり、印加できるバイアス電圧には限界が
ある。このため、光起電力を用いた水溶液中での画像形
成は、1.0V以下で酸化還元するポリピロールなどの
導電性高分子の光重合反応を使うものなどに限られてい
た。また、この分野で公知の特開平5−119209号
公報(「カラーフィルター製造方法及びカラーフィルタ
ー製造用の電着基板」)や、特開平5−157905号
公報(「カラーフィルター製造方法」)においては、電
着電圧は20Vから80Vと高くなっており、電着物質
として高分子の酸化還元反応を利用している。このよう
に、一般的に電着用塗装として良く知られている高分子
は、電着に必要な電圧が10V以上である。従って、画
像形成には電子写真用のZnO2 などのフォトコンダク
ティブ特性を利用するなどしていたが取り扱いの容易な
水系液体で使用可能な実用的な材料は未だ見いだされて
いない。
【0006】また、カラーフィルターはカラーフィルタ
ー層だけで使用することは殆どなく、各カラーフィルタ
ー画素間をブラックマトリックスで覆ったものを用いる
ことが一般的である。通常、ブラックマトリックスの形
成にはフォトリソグラフィーが使われており、コストア
ップの大きな要因の一つである。従って、R.G.B.
層とブラックマトリックスを含めて考えると、高解像度
で、制御性が高く、さらにフォトリソグラフィー工程を
必要とせず、工程数が少ない、カラーフィルターの製造
方法は見いだされていないのが現状である。例えば、液
晶カラーディスプレイ装置等において、カラーフィルタ
ーがコストの大きな部分を占めることは周知であるが、
これもカラーフィルターの製造において、歩留りが上が
らずコストが高いことが大きな要因である。
【0007】さらに、前記(1)〜(5)の各方法で製
造されたカラーフィルターのうち、フォトリソグラフィ
ー工程による(1)、(2)及び(5)の方法で得られ
たものはリソグラフィーによって基体や形成されたカラ
ーフィルター層の表面には凹凸が形成され、印刷の技術
を応用した(3)及び(4)の方法で得られたものはイ
ンク層の表面に不均一な部分があり、いずれも表面の平
滑性に問題があり、このため、上部に簡単な保護層を形
成しても、保護層の厚みではその凹凸を充分には緩和で
きず、平滑化処理を行わなければ、理想的な平滑性が達
成されないのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トリソグラフィーを使用することなく、工程数が少な
く、高解像度で透光性が高く、制御性に優るカラーフィ
ルターの製造方法を提供することである。また、微細で
複雑な画素配置にも対応でき、ブラックマトリックスの
形成も容易で、低コストで大量生産可能な簡便なカラー
フィルターの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、 本発明者等は電着技術の原理的なところから検討
し、水溶性高分子の中には酸化状態、 中性状態及び還元
状態における水への溶解度が大きく変化するものが存在
することに着目した。 即ち、この水溶性高分子を電気化
学的に直接酸化還元するか、 又は高分子が溶けている水
溶液のpHを変化させることにより生ずる溶解或いは析
出、沈降の相変化について鋭意検討した結果、透明基板
上に透明導電膜を形成し、その上部に非光メモリー性の
有機半導体薄膜又は無機半導体薄膜を形成した基板を準
備し、液体を保持し得る容器内に色材とpHの変化によ
り化学的に溶解或いは析出・沈降する高分子からなる電
着材料とを含有する水系分散液を準備し、少なくとも画
像パターンに従って電流または電界を供与できる手段を
透明導電膜に接続した該基板を半導体薄膜が該水系分散
液に浸漬されるよう固定するとともに、電極対の他方で
ある対向電極を合わせ持つ装置を該容器内に配置し、該
基板の透明基板上に所定のマスクパターンを配置して光
照射を行い、光照射による起電力が発生した部分に選択
的に電着材料を含む電着膜を析出させ、その後、該電着
膜を透明フィルター基材に転写し単色のカラーフィルタ
ーを形成する製造方法を見出し、本発明に至った。ここ
で、これら電気化学的に相変化する材料を適宜、電着材
料と称する。また、「色材とpHの変化により化学的に
溶解或いは析出・沈降する高分子からなる電着材料」と
は、それ自体が色材となる(析出した場合に有色の)高
分子からなる電着材料をも包含するものとする。
【0010】この方法によれば、電着材料を水系の液体
中に溶解、分散し、水系分散液中に電極を浸して電圧を
印加すると、陽極側の電極上にこれらの電着材料からな
る電着膜が生成される。電着材料が無色あるいは淡色高
分子材料である場合には、この高分子中に顔料等の色材
を分散させて、溶液中に電極を浸し電圧を印加すると、
陽極側の電極上に色材を含んだ状態で高分子が析出して
顔料と高分子が混合された有色の電着膜が形成される。
また、電着材料自体が有色物質である場合には、そのま
ま着色電着膜が形成されるが、その場合は特に色材を添
加する必要はない。また、これらの電着膜は、逆電圧を
印加するかpH10〜12の水溶液に浸すことで、水溶
液中に再溶出させることができる。
【0011】前記電着膜形成にはある一定以上の閾値電
圧が必要であり、電流が流れれば必ず電着膜が形成され
るわけではない。 従って、 起電力電圧が閥値電圧を超え
るときはそのままで良いが、閥値電圧を超えないときは
バイアス電圧を印加して閥値以上の電位を与えるように
しなくてはならない。そこで、電着される基板に透明な
半導体層を形成し、この入力信号に光を使用すれば所望
する位置に任意の電着膜を形成することができる。以
下、このようにして形成した電着膜を光電着膜と呼ぶ。
ここで、半導体層への光照射による起電力と、透明電極
に印加するバイアス電圧の総和により電着材料が電着膜
を形成すればよいのであるが、バイアス電圧の印加は光
起電力に応じて任意に調整すればよく、例えば半導体の
光起電力が電着膜を形成するのに十分であれば透明電極
に印加するバイアス電圧は省略することもできる。
【0012】本発明者等がここで提案する光電着膜を利
用したカラーフィルター製造技術は上記知見に基づくも
のであり、その画像形成方法の概要は有機あるいは無機
の透明な半導体を基板として利用し、光を照射すること
で水溶液中の色材を含む(或いは兼ねる)電着材料を半
導体基板上に色素電着膜の形で析出させることで画像を
形成するため、従来電着法によるカラーフィルターの形
成法で必要であった予めパターンニングされた透明導電
膜が不要であり、フォトリソグラフィの工程なしに任意
の画像パターンを形成できる。
【0013】本発明に係る多色のカラーフィルターは、
透明電極上に光半導体薄膜を形成し、 有色電着材料を含
む電着溶液中で透明電極にバイアス電圧を加えておき、
更に光を照射し光起電力を発生させることによって、 基
板近傍のpHを変化させ、高分子または色素分子のこの
pH変化による溶解度の違いを利用した電着膜を光照射
部に選択的に薄膜を形成し、この工程を複数繰り返すこ
とにより多色の電着膜を形成することができる。
【0014】さらに、多色の電着膜を形成した後、ブラ
ックマトリックス形成材料を含む電着液中で、電圧を印
加することによって(この時、光はあっても無くてもよ
い)、すでに形成された電着膜上は表面エネルギーが低
いため、印加電圧の調整により、該電着膜の未形成部分
にのみ選択的にブラックマトリックスが形成される。そ
の後、この電着膜を透明フィルター基材に転写すること
によってカラーフィルターが形成される。従って、形成
されたカラーフィルターには光吸収率の高い半導体薄膜
がなく、薄膜であるため透光性に優れ、極めて表面が平
滑で高精度なカラーフィルターが達成される。また、上
述のようにブラックマトリックスも簡便に形成すること
が可能となる。尚、ブラックマトリックスは電着形成す
る方法に限るわけではなく、紫外線硬化樹脂を使って形
成することもできる。
【0015】従って、本発明のカラーフィルターは、透
明フィルター基材上に着色成分及びpHの変化により化
学的に溶解或いは析出・沈降する高分子を含有する電着
材料により形成された有色電着膜のみからなることを特
徴とする。この有色電着膜は色調を変えて複数設けるこ
とにより多色カラーフィルターとしてもよく、有色電着
膜に加えて、ブラックマトリックスを備えていてもよ
い。また、他方の電着用基板側は転写後も転写前と同
様、透明基板上に透明導電膜、透明な有機半導体薄膜又
は無機半導体薄膜が順に積層された状態であり、複数回
数繰り返し使用することができる。従って、工程の簡素
化を図ることができ、低コスト化と生産性の向上が達成
できる。
【0016】更に、透明な半導体薄膜と電着溶液とのシ
ョトキー接合あるいは透明な半導体薄膜自身のpn接合
あるいはpin接合を利用することで、高解像度の光電
着膜を形成することができ、この形成された光電着膜を
透明フィルター基材に加熱及び/又は加圧下で転写して
カラーフィルターとするため、透光性が高く、高精度な
カラーフィルターを簡便に、かつ低コストで製造するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、 本発明をさらに詳細に説明
する。まず、アルカリ性あるいは酸性等のpHの変化や
電気化学的な変化により溶解度が変化し、溶解、或いは
析出、沈殿する分子(電着材料)が必要である。電着材
料は色素自身であるか、あるいは透明な高分子がアルカ
リ性あるいは酸性で析出する性質を持ち、色材をこの高
分子とともに分散させて使用してもよい。色材を高分子
に分散させて使用する場合には、染料だけではなく、顔
料も使用できる。高い耐光性が要求される部位に用いる
カラーフィルターの場合には、水性高分子に顔料を分散
させたものを利用するほうが望ましい。
【0018】これら電気化学的に相変化する材料を以
下、適宜、電着材料と称する。電着材料を純水中に溶解
し、溶液中に電極を浸して電圧を印加すると、陽極側の
電極上にこれらの電着材料からなる電着膜が生成され
る。電着材料が有色物質である場合には、そのまま着色
電着膜が形成され、無色あるいは淡色高分子材料である
場合には、この高分子中に顔料を分散させて、溶液中に
電極を浸し電圧を印加すると、陽極側の電極上に顔料及
び高分子が析出して顔料と高分子が混合された電着膜が
形成される。これらの電着膜は、逆電圧を印加するか、
溶解度の高いpH(アニオン性電着材料ではpH10〜
13、カチオン性電着材料ではpH1〜4)の水溶液に
浸すことで、水溶液中に再溶出させることができる。前
記電着膜形成には、ある一定以上の閾値電圧が必要であ
り、電流が流れれば必ず電着膜が形成されるわけではな
い。従って、バイアス電圧を印加しておけば、外部から
入力される電圧レベルは小さくても画像を形成すること
が可能である。そこで、電着される基板に半導体を用い
て、この入力信号に光を使用すれば所望する位置に任意
の電着膜を形成することができる。以下、このようにし
て形成した電着膜を光電着膜と呼ぶ。
【0019】このような光電着膜を形成しうる化合物と
して、酸性染料で色素自身が電着形成能力がある、ゼネ
カ社製のPro Jet Farst Yellow2
を例にとって説明する。この染料は、純水(pH6〜
8)に容易に溶解し、アニオンとして水溶液中に存在し
ているがpHが6以下になると不溶化して析出する性質
を持つ。このPro Jet farst Yello
w2の水溶液中に白金電極を浸し通電すると、陽極付近
では水溶液中のOH- イオンが消費されてO2 になり、
水素イオンが増えてpHが低下する。これは、陽極付近
でホール(p)とOH- イオンとが結び付く次のような
反応が起こるためである。 2OH- +2p+ → 1/2(O2 )+H2 O この反応が起こるには、一定の電圧が必要であり、反応
の進行に伴って水溶液中の水素イオン濃度が増えてpH
が低下するのである。従って、ある一定以上の電圧を印
加すると、電極の陽極側ではPro Jet fars
t Yellow2の溶解度が低下して不溶化し薄膜が
形成されるのである。
【0020】本発明はこの一定の閾値電圧を得るのに半
導体に光を照射して生じる光起電力を利用するものであ
る。このような、光起電力を利用する試みは今までいろ
いろな検討がなされてきた。たとえば、A.Fujis
hima, K.HondaNature Vol.2
38,p37,(1972)ではn型半導体のTiO2
に光を照射して水の電気分解を行った。また、フォトエ
レクトロクロミズムの研究に関連して、Si基板上に光
を照射してピロールを電気化学重合し、ドーピング・脱
ドーピングで画像形成を行った例がH. Yoneya
maらによりJ. Electrochem.So
c.,p2414,(1985)に報告されている。ま
た、本発明者らも、導電性高分子のドーピング・脱ドー
ピングに色素を用い、光で画像形成する方法を特許とし
て先に出願した。一方、導電性高分子を用いることなく
色素のみで電着膜を形成することも可能であるが、電着
膜形成に必要な電圧は、導電性高分子を用いる場合に比
較して大きくなる。一方、光起電力はSiでたかだか
0.6Vであり、画像形成するには光起電力だけでは不
十分である。従って、バイアス電圧を印加してかさ上げ
するなどの方法が考えられるが、それでも一定の電圧
(使用する半導体のバンドギャップに依存した電圧)以
上になると、光起電力の形成に必要な半導体と溶液の間
のショットキーバリアーが壊れてしまうという問題があ
り、印加できるバイアス電圧には限界がある。このた
め、光起電力を用いて物質の酸化還元を利用する水溶液
中での画像形成は、1.0V以下で酸化還元するポリピ
ロールなどの導電性高分子の光重合反応を使うものなど
に限られていた。ところが、本発明によれば、上記の分
子のpHによる溶解度の違いを画像形成に利用するた
め、低い電圧で有色電着膜層の形成が可能であり、種々
の半導体を用いた光起電力による電着膜の形成ができ
る、即ち、カラーフィルターの着色膜を形成することが
できるのである。
【0021】透明な高分子の電着材料としては、分子内
に親水基と疎水基を併せ持ち、この分子を最小モノマー
単位にした共重合体により構成され、好ましくはランダ
ム重合した高分子材料がよい。その最小モノマ−単位の
疎水基数の割合が親水基と疎水基の総数の40%から8
0%の範囲に構成され、より好ましくは55%から70
%の範囲に構成されたものが、特に電着析出効果が高
く、電着液の安定性の点でも好ましい。高分子は分子内
の疎水基が色材として用いる有機顔料に対し親和性が強
く、強固に吸着するため、液中における顔料分散機能と
電圧を印加した場合に生ずる親水基部分の親水性脱離に
より瞬時に析出する印字機能を有する。この場合、この
疎水基数の割合がその親水基と疎水基の総数の40%か
ら80%の範囲にあるものは、特に析出効果が高く、低
いバイアス電圧により強固な膜を高効率に形成すること
ができる。また、最小モノマ−単位の疎水基数の割合が
親水基と疎水基の総数の40%未満の場合には、形成さ
れる電着膜の耐水性や膜強度を十分得ることができず、
この割合が80%以上の場合には水系液体への溶解性が
低下し、電着液が濁ったり、電着材料が沈殿したり、電
着液の粘度が上昇してしまう。更に、最小モノマー単位
の親水基部分はその50%以上、より好ましくは75%
以上がpHの変化により親水基から疎水基に可逆的に変
化できる特性を有する電着材料が好ましい。
【0022】また、前記電着材料の酸価は60〜300
である共重合体、より好ましくは90から195である
共重合体を用いることが析出性および形成された電着膜
の膜安定性の観点から好ましく、これに微粒子色材を併
用することにより、耐光性に優れた電着膜を形成するこ
とができる。電着材料の酸価が60以下では、水系液体
への溶解性が低下し電着液の固形分濃度を適正値まで上
げることができなくなったり、液体が濁ったり沈殿物が
生じたり、液粘度が上昇したりといった問題が生ずる。
また、電着材料の酸価が300以上では、形成された膜
の耐水性が低く、通電時にはその電着効率が低くなって
しまう。また、電着材料として先に述べたように分子内
にpHを変化させることにより析出・沈降する単位と、
色材単位とを併せ持つ化合物を用いることもできる。
【0023】更に、透明な高分子の電着材料としては、
親水基がカルボキシル基又はアミノ基であるものがpH
変化による親水基から疎水基への可逆的変化効率が高
く、特に電着時の析出効率が向上し、強固な電着膜を形
成することができる点で好ましい。
【0024】この電着膜を形成しうる物質(電着材料)
を選択する目安として電着材料のpHの変化に伴う溶解
特性を図2のグラフに示す。図2は、各種の材料の溶解
特性と溶液のpHとの関係を示すグラフである。材料の
中にはグラフA(実線で示す)のように、あるpH値を
境に急激に析出がおこるもの、グラフB(破線で示す)
の材料のようにpH値に係わらず溶解性が良好なもの、
グラフC(一点破線で示す)の材料のようにpH値に係
わらず不溶なものがあり、これらの特性は材料と用いる
溶媒(分散媒)との関係でも変化する。本発明において
はグラフAに示すような、あるpH値を境に急激に析出
がおこるものが好ましく、また、このグラフAがいわゆ
るヒステリシス曲線を示すように、pH値の変化に対し
て、再溶解が急激に行われず、析出状態で一定期間保持
されるものが、形成された画像の安定性の観点からは理
想的である。従って、このような特性を持つ電着材料と
十分な溶解性を有するべく調整を行った水系液体(溶
媒)との組み合わせを選択することが好ましい。電着時
の電着液のpH変化により析出・沈殿が生じうるpH変
化幅は、1以内であることが好ましく、更には0.5以
内であることが望ましい。通電時の急峻なpH変化に対
して高効率な析出を可能とし、また析出する画像の凝集
力を高め、電着液への再溶解を低減するのに不可欠であ
る。また、これにより形成された電着膜は耐水性にも優
れる。この電着液のpH値変化により溶解状態から沈殿
を生ずるpH変化幅が1より大きい場合には、強固な電
着膜を形成する速度が低下し、耐水性の低下等をも生ず
る。
【0025】この高分子の電着材料としては、分子内に
親水基と疎水基を併せ持ちこの分子を最小モノマー単位
として構成されるが、この親水基部分としては、メタク
リル酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、
アクリルアミド、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、
無水フタル酸、ヘミメリト酸、コハク酸、アジピン酸、
プロピオール酸、プロピオン酸、フマル酸、イタコン酸
及びその誘導体等が有用に用いられる。特に、メタクリ
ル酸、アクリル酸が親水化効率が高く、またpH変化に
よる電着効率が高い点で特に好ましい。
【0026】また、この疎水基部分としては、アルキル
基、スチレン基、α−メチルスチレン基、α−エチルス
チレン基、メタクリル酸メチル基、メタクリル酸ブチル
基、アクリロニトリル基、酢酸ビニル基、アクリル酸エ
チル基、アクリル酸ブチル基、メタクリル酸ラウリル基
及びその誘導体等が有用に用いられる。特に、スチレン
基、α−メチル−スチレン基が疎水化効率が高く、また
電着析出効率および製造時の重合等における制御性が高
い点で好ましい。
【0027】電着材料に用いる高分子は上述の親水基と
疎水基を含む分子を前記の比率で共重合した高分子物質
であり、各親水基及び疎水基の種類は1種に限定される
ものではない。この高分子物質は、アニオン性、カチオ
ン性等のイオン性高分子で、pHの変化によって前記の
如く溶解度が変化する材料であれば公知のイオン性高分
子のいずれもが使用可能である。具体的には、トリフェ
ニルメタンフタリド系、フェノキサジン系、フェノチア
ジン系、フルオラン系、インドリルフタリド系、スピロ
ピラン系、アザフタリド系、ジフェニルメタン系、クロ
メノピラゾール系、ロイコオーラミン系、アゾメチン
系、ローダミンラクタル系、ナフトラクタム系、トリア
ゼン系、トリアゾールアゾ系、チアゾールアゾ系、アゾ
系、オキサジン系、チアジン系、ベンズチアゾールアゾ
系、キノンイミン系の化合物等が挙げられる。
【0028】これらの化合物は単一での使用のみなら
ず、複数の化合物を組み合わせて用いることもできる。
例えば、(1)2種類以上のアニオン性高分子の混合物
や2種類以上のカチオン性高分子の混合物のような同極
性高分子の混合物、(2)アニオン性高分子とカチオン
性高分子の混合物のような異極性高分子の混合物、
(3)染料と顔料の混合物、(4)高分子と顔料の混合
物などさまざまな混合物の組み合わせで使用できる。複
数の高分子がそれぞれ異なる色相を有する場合には、混
合色が得られることになる。混合物の場合には、単体で
pHの変化によって溶解度が変化し薄膜が形成されると
いう性質を持っている物質が少なくとも1種類含まれる
必要がある。この物質と併用することにより、単体では
薄膜形成能力が無い材料であっても、膜形成時には製膜
能力がある材料に取り込まれた状態で電着膜が形成され
るため混合色が得られるのである。例えば、フルオレセ
イン系の色素であるローズベンガルやエオシンはpH4
以上では還元状態をとり水に溶けるが、それ以下では酸
化されて中性状態となり沈殿する。同様にジアゾ系のP
ro Jet Farst Yellow2や、ある種
の水溶性アクリル樹脂はpH6以上では水に溶けるが、
それ以下では沈殿する。これらの分子を純水中に溶解
し、溶液中に電極を浸し電圧を印加すると、陽極側の電
極上にこれらの分子からなる電着膜が生成される。これ
らの電着膜は、逆電圧を印加するかpH10〜12の水
溶液に浸すことで、水溶液中に再溶出させることができ
る。このように、ローズベンガルやエオシンやPro
JetFarst Yellow2は単体で電着膜形成
能力がある材料であるが、これに電着膜形成能力がない
色素材料を混合すると混色の電着膜が得られる。この
時、混合する色素材料はイオン性があっても無くても良
い。また、組み合わせる物質の特性によっては、イオン
の極性が異なるもの同士も併用することができる。
【0029】2種類のイオンを混合した場合について考
えてみる。一般に、塩基性溶液と酸性溶液を混合すると
中和して錯体など別の析出物を生じて沈殿する。このた
め、2種類の色素を混合して混合色を出す場合には無極
性の顔料を使うか、同極性の材料を分散させるのが一般
的である。ところが、ある種の染料同士では、錯体が形
成されずイオンが共存した状態を取る。この場合には、
塩基性溶液と酸性溶液を混合しても析出を抑えることが
でき、異なる極性のイオン同士の組み合わせでも使用す
ることができる。我々は、この性質を利用して2種類の
色素イオンを混合した場合について考察した。
【0030】まず第一に極性が同じ2種類のイオン性高
分子、例えばアニオン性で電着膜形成能力があるローズ
ベンガル(赤色)と同じアニオン性ではあるが電着膜形
成能力がないブリリアントブルー(青色)を混合した混
合溶液中で、電気化学的に酸化させると電極には混合液
の色と同じ紫色の電着膜が形成される。これは、電着膜
形成能力があるローズベンガルにブリリアントブルーの
分子が取り込まれて製膜されるからである。このよう
に、極性が同じ2種類の高分子を混合する場合には、い
ずれか1種類の高分子に電着膜形成能力があればよい。
【0031】次に極性が異なる2種類のイオン性高分
子、例えばアニオン性で電着膜形成能力があるPro
Jet Farst Yellow2(黄色)とカチオ
ン性で電着膜形成能力があるCathilon Pur
e Blue 5GH(青色)を混合した混合溶液中
で、電気化学的に酸化させると電極には混合液の色と同
じ緑色の電着膜が形成される。逆に電気化学的に還元さ
せると電極にはCathilon Pure Blue
5GH単体の青色の電着膜が形成される。このような
イオン性化合物の特性について説明するに、例えば、図
3のグラフに示すように一方の化合物がグラフA(実線
で示す)のように、中性領域では溶媒中に溶解してお
り、ある低pH値において急激に析出がおき、他方の化
合物はグラフB(破線で示す)の材料のようにある中性
領域では溶媒中に溶解し、高pH値において急激に析出
がおきる特性を有する場合、中性領域では高い溶解性を
保持し、特定pH値において、溶解、析出の相変化を生
じるため、併用が可能となる。このような特性を有する
場合、アニオン性の色素溶液とカチオン性の色素溶液の
混合液中で電気化学反応をさせると印加する電圧の極性
を変化させるだけで、同一の電極上に異なった色素の電
着膜を形成できるのである。
【0032】次に、顔料を色材として用いる場合には、
電着性のある透明あるいは淡色の高分子材料、例えば水
溶性アクリル樹脂や水溶性スチレン樹脂と組合せ、水溶
液中に分散させて使用すればよく、同じように電着材料
が電着膜を形成するとき、顔料を含む有色電着膜が得ら
れるのである。
【0033】また、電着材料に用いる高分子物質は形成
された電着膜の膜性や膜の接着強度の面からその平均分
子量が6,000から25,000のものが好ましく、
更には平均分子量が9,000から20,000のもの
が特に好ましい。平均分子量が6,000より低いと形
成された電着膜が不均一で耐水性が低く、そのため堅牢
性の高い電着膜が得られず膜性が低く粉末化したりす
る。平均分子量が25,000より高いと、水系液体へ
の溶解性が低下し、電着液の固形分濃度を適正値まで上
げることができなくなったり、液体が濁ったり、沈殿物
が生じたり、液粘度が上昇したりといった問題を生ず
る。
【0034】電着材料に用いる高分子物質は、均一な薄
膜を形成させ生産上のバラツキを低減させる点で、その
体積固有抵抗値が104 Ω・cm以上の抵抗値を有する
材料を使用することが好ましい。抵抗値が104 Ω・c
m以下では電着膜が形成された場合に、電着膜自身の絶
縁効果が小さく、一定時間経過後でもその電着析出速度
が高いため、形成する膜厚を制御するのが難しく均一な
膜厚の電着膜を形成しにくい。
【0035】また、該高分子物質は取扱い性や電着膜の
転写工程における制御の容易の点で、ガラス転移点が−
20℃から100℃の範囲にあって、かつ流動開始点が
40℃から180℃の範囲にあるものが特に好ましく、
更に分解点が150℃より高いことが、特に好ましい。
上記の範囲にない高分子物質を電着材料として用いた場
合、各工程での取扱い性が悪くなり簡便な工程での安定
生産が難しくなる。
【0036】次に、溶液の導電率とpHについて述べ
る。 導電率は我々の実験によると電着スピード、言い換
えれば電着量に関連しており、導電率が高くなればなる
ほど一定時間に付着する電着膜の膜厚が厚くなり約10
0mS/cmで飽和する(図4参照)。 従って、電着液
の導電率は十分な膜厚を有し強固な電着膜を得る点で1
-1から10-6S/cmの範囲でコントロールすること
が好ましい。導電率が10-6S/cm以下では、電着量
が少量しかえられず、また10-1S/cm以上では均一
な膜厚に制御するのが難しい。ここで、 高分子イオンだ
けでは導電率が足りない場合には電着に影響を与えない
酸性又はアルカリ性物質、例えばNa+ イオンやCl-
イオンを加えてやることで電着スピードをコントロール
することができ,また、5V以下の電圧の印加によって
も電着膜の形成を可能にすることもできる。また、 水溶
液のpHも当然ながら電着膜の形成に影響する。 例え
ば、 電着膜形成前には色素分子の溶解度が飽和するよう
な条件で電着膜形成を行えば膜形成後には再溶解しにく
い。 ところが、 未飽和状態の溶液のpHで電着膜の形成
を行うと、 電着膜が形成されても、 通電をやめた途端に
膜が再溶解し始める。 従って、溶解度が飽和するような
溶液のpHで電着膜の形成を行うほうが望ましい。
【0037】次に、本発明のカラーフィルターの製造方
法に用いる基体について述べる。本発明においては、電
着膜の形成に光起電力を用いることから、基体は透明で
あることを要する。従って、基体は半導体の基体として
も好適に使用しうるガラス基体が好ましい。ガラス基体
上にまず、透明な導電膜を形成するが、この導電膜は公
知のものを任意に使用することができ、例えば、汎用の
ITO膜を形成すればよい。
【0038】この透明な導電膜上に非光メモリー性で透
明な有機もしくは無機の半導体薄膜を形成する。この半
導体薄膜としては、特に酸化チタンが好適である。この
酸化チタンは吸収が400nm以下にしかなく透明であ
り、また、近年、酸化チタンはゾル・ゲル法、スパッタ
リング法、電子ビーム蒸着法などいろいろな手法でn型
半導体として特性の良いものが得られている。ここで好
適な透明半導体であるTiO2 について述べる。TiO
2 は透明な酸化物半導体で紫外線を照射すると光起電力
が発生する。従って、基板の裏から紫外線を当てれば透
明な基板上に光電着膜を形成することができる。TiO
2 の製膜方法についてはいくつかの方法が知られてい
る。例えば、熱酸化膜法、スパッタリング法、エレクト
ロンビーム法(EB法)、ゾル・ゲル法などが有名であ
る。われわれは、EB法とゾル・ゲル法でTiO2 の製
膜を行った。ところが、通常の製膜法では効率が悪く電
着に必要な光起電流が流れない。そこで、光起電流への
変換効率を高めるために還元処理を行った。還元処理
は、通常は水素ガス中で550℃程度で加熱するのが普
通である。例えば、Y.HamasakiらはJ.El
ectrochem. Soc. Vol.141,
No3.p660,1994では水素ガス中で約550
度で1時間程度で加熱している。ところが、我々は約3
60度で10分間という低温かつ短時間の処理で十分な
効果を得た。これは、3%の水素混合窒素ガスを用いて
1分間に1リットルの流量を流しながら加熱することで
達成できたのである。
【0039】また、本発明に利用できる非光メモリー性
(光履歴効果の殆ど無い)光起電力半導体としては、 基
本的には光照射により起電力を発生し強い光履歴効果の
ない半導体薄膜であれば全て使用できる。 具体的には、
光起電力半導体材料としてSi、GaN、 a−C、 B
N、 SiC、 ZnSe、 TiO2 、 GaAs系化合物、
CuS、Zn3 2 、フタロシアニン顔料系材料、ペリ
レン顔料系材料、アゾ顔料系材料、各種有機光導電性材
料等を、単層または複数層で、また混合物等ででも使用
できる。 これら表面に保護層を有していてもよい。これ
ら半導体層の厚みは0.05μmから1.8μmの範囲
が特に好ましい。0.05μm未満では得られる光起電
力が弱すぎて電着膜の形成ができず、また1.9μm以
上では光照射により発生した電荷が層内にトラップされ
メモリー特性を有することになり(光履歴現象が大きく
なる)、電着膜の形成に問題を生ずる。また、半導体膜
は光電力の発生効率と非光メモリー性を有効に利用する
点で、樹脂等の絶縁性材料の混合や含有のない半導体単
体から構成されていることが好ましい。半導体には、 n
型半導体とp型半導体があるが、 本発明ではいずれの半
導体も使用可能である。 更に、 pn接合やpin接合を
利用した積層構造にすれば、 光起電流が良く流れ確実に
起電力が得られてコントラストが良くなりより望ましく
なる。
【0040】次に、半導体と電着膜形成能力のある材料
との組合せであるが、これは使用する半導体の極性によ
って決まる。光起電力の形成には太陽電池として良く知
られているように、半導体と接触した界面に生じたショ
ットキーバリアやpnあるいはpin接合を利用する。
一例として、図1の模式図によりn型半導体を例にとっ
て説明する。図1(A)の模式図はショットキー接合の
場合を示し、(B)の模式図はpin接合の場合を示
す。n型半導体と溶液との間にショットキーバリアーが
ある時に、半導体側を負にした場合には電流が流れる順
方向であるが、逆に半導体側を正にした時には電流が流
れない。ところが、半導体側を正にして電流が流れない
状態でも、光を照射するとエレクトロン・ホールペアが
発生し、ホールが溶液側に移動して電流が流れる。この
場合、半導体電極を正にするのであるから電着される材
料は負イオンでなければならない。従って、n型半導体
とアニオン性分子の組合せとなり、逆にp型半導体では
カチオンが電着されることになる。このうち、電着析出
効率の点から、n型半導体を用いる場合は、用いる高分
子の分子内にカルボキシル基を有するのものが特に好ま
しく、p型半導体を用いる場合には、分子内にアミノ基
又はイミノ基を持つものが特に好ましい。
【0041】一般に、半導体の光起電力は比較的大きな
Siでもせいぜい0.6Vしか得られない。ところが、
0.6Vで電着が可能な材料は限られている。そこで、
足りない電圧はバイアス電圧を印加して補う必要があ
る。印加できるバイアス電圧の上限は、ショットキーバ
リアーが維持される限界までである。ショットキーバリ
アーが壊れると、光が当たってない領域も電流が流れ
て、半導体基板の全領域に電着膜が形成され画像形成が
できなくなる。例えば、2.0Vで電着される材料であ
れば1.5Vのバイアス電圧を印加して光を照射する
と、半導体の光起電力0.6Vを足して2.1Vとなり
電着に必要な閾値電圧を越えて、光が照射された領域の
み光電着膜が形成される。
【0042】本発明のカラーフィルターの製造方法にお
いて、転写工程で用いる透明フィルター基材としては、
特に限定されるものではなく、その融点温度が電着材料
に用いる高分子物質の流動開始点より高く、製造工程に
おいて溶融・変形等を生じないものであればよい。従っ
て、ガラス基板には限定されず、熱可塑性樹脂等のプラ
スチック基板等も適宜使用することができる。また、こ
こで用いるフィルタ基材は透明なものに限定されず、カ
ラーフィルター以外の他の用途に使用する場合には半透
明なものや、不透明なものも使用することができる。具
体的には、上質紙、合成紙、コピー用紙、印刷用紙、各
種フィルム等が挙げられる。また、該基板の厚みも任意
選択できるが、厚みが0.05〜10mmの範囲にある
ことが記録媒体のハンドリング性、熱伝導性等の点で好
ましい。
【0043】本発明のカラーフィルターの製造方法につ
いて、図5を参照して説明する。まず、前述のような透
明基板12上に透明導電膜14を形成し(図5
(A))、その上部に半導体薄膜16を形成した基板1
8(図5(B))を準備する。次に、図6に示す如き電
気化学で一般的な三極式の配置の装置を用いて、液体を
保持し得る容器20内に色材とpHの変化により化学的
に溶解或いは析出・沈降する電着材料とを含有する水系
液体22を満たして、さらに、容器20内に少なくとも
画像パターンに従って電流または電界を供与できる手段
24を透明導電膜14に接続した該基板18を半導体薄
膜(電極)16が該水系液体22に浸漬されるよう固定
するとともに、電極対の他方である対向電極26を同様
に容器20内に配置する。一方、飽和カロメル電極25
を、基準液体界面として飽和塩化カリウム水溶液を満た
した容器21に配置し、前記電着材料を含む容器22と
の間に制御電極23を設けた。ここで、飽和カロメル電
極25に対して、TiO2電極16を作用電極として利
用する。
【0044】該基板18の透明基板12上に所定のマス
クパターン28を配置して光照射を行うと、光照射によ
る起電力が発生した部分に選択的に電着材料と色材とを
含む有色電着膜30が析出し、これが単色のカラーフィ
ルターの着色層となる。この有色電着膜30が形成され
た基板18を水系液体22から取り出して溶媒を除去す
ることにより、該電着膜30を固定化する。なお、ここ
ではマスクパターン28を配置して起電力を発生させる
部分を決定したが、マスクパターン28を用いず、直接
レーザー光により書き込みを行うことにより、所定の部
分に光照射による起電力を発生させることもできる。
【0045】このとき色材の色調を、例えば、赤
(R)、緑(G)、青(B)に変えてこの工程(単色の
電着膜を形成する工程)を繰り返すことにより、水系液
体22とマスクパターン28とを変えて同様の工程を行
うのみで、多色の電着膜を簡易に形成することができる
(図5(C))。さらに、後述するようにブラックマト
リックス層32を形成し(図5(D))、その上部に透
明フィルター基材40を配置して密着し、必要に応じて
加熱及び/又は加圧を行うことにより、形成された電着
膜(30+32)と接着させる(図5(E))。このと
き、電着膜の形成条件を調整することで、平滑な表面と
しうるため、透明なフィルター基材への接着性を十分に
確保することができる。その後、電着膜(30+32)
を電着用基板18から剥離し、カラーフィルター41を
得る(図5(F))。
【0046】飽和カロメル電極電位は20℃、25℃、
30℃においてそれぞれ0.2444V、0.2412
V、0.23878Vであり、ほぼ接地電位=0Vに等
しい。画像を形成するに当たっては、飽和カロメル電極
を使用せず、容器(電解液)をアース接続して使用する
こともできるが、ワーク電極(析出側電極)の電位を明
確にするため、前記のように電解液を飽和カロメル電極
に接続し電解液表面の電位を飽和カロメル電極の標準電
位に設定してもよい。
【0047】次に、光電着膜作製用の露光装置について
述べる。カラーフィルターの背面からマスクパターンを
介して露光する必要があるため、露光光源は透明な半導
体に感度がある波長でなければならない。すると、40
0nm以下の光源で露光する必要があり、通常は水銀灯
や水銀キセノンランプ、He−CdレーザーやN2 レー
ザー、エキシマレーザーなどが好適に使われる。
【0048】次に、形成された電着膜を透明フィルター
基材に転写する方法について述べる。転写工程は透明フ
ィルター基材と電着膜を密着する際に、電着膜を高速で
十分な接着性を確保するために加熱及び/又は加圧する
ことができることが好ましい。用いる装置としては特に
限定されるものではないが、例えば、熱板等による面圧
着式でも、ヒートローラー等による搬送圧着式でもよ
く、加熱及び/又は加圧ができる装置が特に好ましい。
【0049】次に、ブラックマトリックスの形成方法に
ついて述べる。ブラックマトリックスの形成は従来知ら
れてた一般的な方法はフォトリソグラフィを用いてカラ
ーフィルター層と同様にして形成する方法や紫外線硬化
樹脂を用いてカラーフィルター層の無い部分にのみブラ
ックマトリックスを形成する方法などがあるが、遮へい
を完全に行うためにはいろいろな工夫が必要であり、カ
ラーフィルターのコストアップの大きな要因である。と
ころが、本発明の光電着法を用いて有色の電着膜を形成
した場合には、光電着膜の未形成領域には半導体が露出
しており、この部分にブラックマトリックス用の電着膜
を容易に形成できる。更に、一般に形成された電着膜は
有機薄膜であって絶縁性が高いので、形成されたカラー
フィルター層の上部に、さらなる光電着膜を積層して形
成するのはむしろ困難である。従って、光電着法を用い
て有色電着膜を形成した後、ブラックマトリックス用の
電解溶液中で電圧を印加すれば(この時光はあっても無
くてもよいため、特に露光は必要としない)、有色電着
膜の未形成領域をブラックマトリックスの電着膜がきれ
いに埋めるように形成される。このように、光電着膜を
利用すると、簡単にしかも低コストでブラックマトリッ
クスを形成できる。なお、同様の作用により、紫外線硬
化樹脂を用いた場合でも有色電着膜の未形成領域にきれ
いに電着膜が形成されるため、電着膜を形成する代わり
に紫外線硬化樹脂を用いても良い。ただし、導電性の高
い電着材料を用いて有色電着膜を形成した場合には、さ
らに電着膜を積層することも可能であり、異なる機能の
有色電着膜を形成する場合には、有用であるが、ブラッ
クマトリックスを先に述べた方法により形成する場合に
は、印加電圧等の条件に留意する必要がある。
【0050】上記のように容易に形成することができる
ブラックマトリックスは、任意の色調の電着膜を形成し
た後に、該電着膜の未形成部分に形成してもよく、ま
た、ブラックマトリックスを形成した後に、任意の色調
の電着膜を形成するようにしてもよい。
【0051】また、上記のように形成された転写後の有
色電着膜およびブラックマトリックスの上部には、耐久
性向上のため保護層を設けることができる。保護層はア
クリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹
脂材料を用いて定法により形成することができる。
【0052】前記の如き製造方法により得られた本発明
のカラーフィルターは、先の図5(F)に示すように、
透明フィルター基材上に着色成分及びpHの変化により
化学的に溶解或いは析出・沈降する電着材料により形成
された有色電着膜層のみからなることを特徴とし、色材
として顔料、染料を任意に使用しうるものであり、所望
の耐光性、色調を選択しうる。また、該カラーフィルタ
ーは電気化学的に形成するため高解像度であり、また光
吸収率の高い半導体膜を有していないため薄膜で透光性
に優れ、かつ低コスト化を達成することができる。更
に、該カラーフィルターは着色層である電着膜を透明フ
ィルター基材に転写して作成されるため、表面の平滑性
に優れる。
【0053】なお、本願明細書では、RGB及びブラッ
クマトリックスからなるフィルタの製造例を中心に説明
したが、着色材を増加して若しくは変えて、シアン、マ
ゼンタ、イエローの着色剤を含む電着材料を使用しての
CMY各色フィルタを作成しても良い。この場合は反射
型フィルタとして好適に使用でき、適宜転写するフィル
ター基材を変更して用いることができる。また、RGB
フィルタと組み合わせて3色以上、例えば6色フィルタ
等の形成も可能である。
【0054】本発明のカラーフィルターの製造方法で
は、カラーフィルターの低コスト化を阻害する要因の1
つとなっている半導体層14を、転写後もそのまま電着
用基板18として複数回繰り返して使用することから、
カラーフィルターの低コスト化が実現でき、また、簡素
化した工程で大量生産できるという利点を有する。
【0055】〔実施例1〕1mm厚みの石英ガラス基板
にITOの透明導電膜をスパッタリング法で0.1μm
製膜し、 さらに0.3μmのTiO2 を製膜した。 次
に、TiO2 の光電流特性を上げるために還元処理を行
う。 還元処理は、 4%の水素ガスが混合された純窒素ガ
ス中で410℃で10分間アニールすることを行った。
これを電気化学分野で一般的な三極式の配置において、
電着高分子材料(スチレン−アクリル酸ランダム共重合
体、分子量15,000、 疎水基/(親水基+疎水基)
のモル比65%、酸価140、ガラス転移点40℃、流
動開始点85℃、分解点240℃)とアゾ系赤色超微粒
子顔料を固形分比率で7対3に分散させた顔料を含む水
溶液中で、 飽和カロメル電極に対しTiO2 電極をワー
ク電極として利用し、 ワーク電極を1.7Vのバイアス
電位を与えて基板の裏側から水銀キセノンランプ( 山下
電装社製、 波長365nmの光強度50mW/cm2
によりマスクパターン画像のフォトマスクを用いて10
秒間前記光を照射したところ、 TiO2 表面に透過光が
照射され、その領域だけブルーのマスクフィルターパタ
ーンが形成された。 次に、 前記高分子材料であるスチレ
ン−アクリル酸共重合体とフタロシアニングリーン系超
微粒子顔料を固形分比率で7対3に分散させた顔料を含
む水溶液中で飽和カロメル電極に対しTiO2 電極を作
用電極として利用し、 作用電極を1.7Vにして基板の
裏側から水銀キセノンランプ( 山下電装社製、 波長36
5nmの光強度50mW/cm2 )をフォトマスクを通
して10秒間透過光を照射したところ、 TiO2 表面に
光が照射された領域だけグリーンのマスクフィルターパ
ターンが形成された。 同様に、 前記高分子材料であるス
チレン−アクリル酸共重合体とフタロシアニンブルー系
超微粒子顔料を固形分比率で7対3に分散させた顔料を
含む水溶液中で飽和カロメル電極に対しTiO2 電極を
作用電極として利用し、 作用電極を1.7Vにして基板
の裏側から同様に、TiO2 表面に透過光が照射された
領域だけブルーのマスクフィルターパターンが形成され
て、 カラーフィルター層が形成された。 次に、 純水で洗
浄した後、 スチレン−アクリル酸共重合体(分子量1
3,000、 疎水基/(親水基+疎水基) のモル比70
%、酸化150)とカーボンブラック粉末(平均粒子径
80nm)を固形分比率で1対5に分散させた顔料を含
む水溶液中で飽和カロメル電極に対しTiO2電極を作
用電極として利用し、 作用電極を2.0Vにして電圧を
印加したところ、 カラーフィルター層の無い領域をカー
ボンの薄膜が覆いブラックマトリックスを形成できた。
洗浄した後、1mm厚の青板ガラスを電着層面に載せ
て、2枚のガラス板を200g/cm2 の加圧状態で1
90℃のオーブンに10分滞留させ、その後石英ガラス
板を剥離させ、作製した電着膜を青板ガラス板上に転写
させ、その上部に、 保護層をコーティングしてカラーフ
ィルターを得た。
【0056】〔実施例2〕4mm厚さの無アルカリガラ
ス基板にスパッタリング法で0.2μm厚みのITOの
透明導電膜を製膜し、 さらに0.5μm厚みのTiO2
をスパッタリング法で製膜した。 次に、TiO2 の光電
流特性を上げるために還元処理として3%の水素ガスが混
合された純窒素ガス中で370℃で20分間アニールす
ることを行った。 この後、電気化学で一般的に用いる三
極式の配置において、 スチレン−アクリル酸共重合体(
分子量19,000、 疎水基/(親水基+疎水基)のモ
ル比75%、酸価130、ガラス転移点50℃、流動開
始点95℃、分解点244℃)とアゾ系赤色超微粒子顔
料を固形分比率で8対2に分散させた顔料を含む水溶液
中で、 飽和カロメル電極に対しTiO2 電極を作用電極
として利用し、 作用電極を1.9Vにして基板の裏側か
ら水銀キセノンランプ(山下電装社製、 波長365nm
の光強度50mW/cm2 )をレッド色用フォトマスク
を通して7秒間光を照射したところ、 TiO2 表面に光
が照射された領域だけレッドのマスクフィルターパター
ンが形成された。 次に、 前記と同様の電着性高分子材料
とフタロシアニングリーン系超微粒子顔料を固形分比率
で8対2に分散させた顔料を含む水溶液中で飽和カロメ
ル電極に対しTiO2 電極を作用電極として利用し、 作
用電極を1.9Vにして基板の裏側から水銀キセノンラ
ンプ(山下電装社製、 波長365nmの光強度50mW
/cm2 )をグリーン色用のフォトマスクを通して10
秒間光を照射したところ、 TiO2 表面に光が照射され
た領域だけグリーンのマスクフィルターパターンが形成
された。 同様に、 前記と同様の電着性高分子材料とフタ
ロシアニンブルー系超微粒子顔料を固形分比率で8対2
に分散させた顔料を含む水溶液中で飽和カロメル電極に
対しTiO2 電極を作用電極として利用し、 作用電極を
1.9Vにして基板の裏側から水銀キセノンランプ(山
下電装社製、 波長365nmの光強度50mW/c
2 )をブルー色のフォトマスクを通して10秒間光を
照射したところ、 TiO2 表面に光が照射された領域だ
けブルーのマスクフィルターパターンが形成されて、 カ
ラーフィルター層が形成された。 次に、 純水で洗浄し
た後、 前記と同様の電着性高分子材料とカーボンブラッ
ク粉末(平均粒子径95nm) を固形分比率で5対5に
分散させた顔料を含む水溶液中で飽和カロメル電極に対
しTiO2 電極を作用電極として利用し、 作用電極を
1.6Vにして基板の裏側から水銀キセノンランプ(山
下電装社製、 波長365nmの光強度50mW/cm2)
を全面に10秒間光を照射したところ、 カラーフィルタ
ー層のない領域だけカーボンの薄膜が覆いブラックマト
リックスを形成できた。 水洗浄した後、1mm厚の青板
ガラスを電着層面に載せて、2枚のガラス板を400g
/cm2 の面加圧状態で220℃のオーブンに10分滞
留させ、その後、無アルカリガラス板を剥離させ、作製
した電着膜を青板ガラス板上に転写させ、洗浄した後そ
の上部に、 保護層をコーティングしてカラーフィルター
を作製した。
【0057】〔実施例3〕3mm厚のパイレックスガラ
ス基板にITOの透明導電膜をスパッタリングで0.2
μm厚に製膜し、 ITO薄膜上にゾル・ゲル法により
0.6μm厚のTiO2 層を製膜した。 製膜はITO基
板上にスピンコート法で行い、TiO2 のアルコキシド
(日本曹達社製、 アトロンNTi−092)を回転速度
1700回転/30 秒間で回転し製膜した。そのあと、
約500℃で1時間加熱処理しTiO 2 膜が形成され
た。 その後還元処理として、 実施例1と同様に3%の水
素ガスが混合された純窒素ガス中で350℃で10分間
アニールすることを行った。 これを、 電気化学で一般的
な三極式の配置において、 電着高分子材料(スチレン−
アクリル酸共重合体( 分子量10,000、 疎水基/
(親水基+疎水基)のモル比55%、 酸価170、ガラ
ス転移点35℃,流動開始点65℃、分解点200
℃))とアゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で9対1
に分散させた顔料を含む水溶液中で、 飽和カロメル電極
に対しTiO2 電極を作用電極として利用し、 作用電極
を1.7Vにして基板の裏側から水銀キセノンランプ
(山下電装社製、 波長365nmの光強度50mW/c
2 )をフォトマスクを通して5秒間光を照射したとこ
ろ、 TiO2 表面に光が照射された領域だけレッド色の
マスクフィルターパターンが形成された。 次に、 前記電
着性高分子材料とフタロシアニングリーン系超微粒子顔
料を固形分比率で9対1に分散させた水分散液中で飽和
カロメル電極に対しTiO2 電極を作用電極として利用
し、 作用電極を1.7Vにして基板の裏側から水銀キセ
ノンランプ(山下電装社製、 波長365nmの光強度5
0mW/cm2)をグリーン色のフォトマスクを通して5
秒間光を照射したところ、TiO2 表面に光が照射され
た領域だけグリーンのマスクフィルターパターンが形成
された。 同様に、 前記電着性高分子材料とフタロシアニ
ンブルー系超微粒子顔料を固形分比率で9対1に分散さ
せた顔料を含む水溶液中で飽和カロメル電極に対しTi
2 電極を作用電極として利用し、 作用電極を1.7V
にして基板の裏側から水銀キセノンランプ(山下電装社
製、 波長365nmの光強度50mW/cm2 )をブル
ー色のフォトマスクをとうして5秒間光を照射したとこ
ろ、 TiO2 表面に光が照射された領域だけブルーのマ
スクフィルターパターンが形成されて、 カラーフィルタ
ー層が形成された。次に、 純粋で洗浄した後、 前記電着
性高分子材料とカーボンブラック粉末(平均粒子径80
nm)を固形分比率で9対1に分散させた顔料を含む水
溶液中で飽和カロメル電極に対しTiO2 電極を作用電
極として利用し、 作用電極を1.6Vにして基板の裏側
から水銀キセノンランプ(山下電装社製、 波長365n
mの光強度50mW/cm2 )を全面に7秒間光を照射
したところ、 カラーフィルター層の無い領域だけカーボ
ンの薄膜が覆いブラックマトリックスが形成できた。 水
洗浄した後、0.2mm厚のポリイミドフィルムを電着
層面に載せて、2枚の基材をローラー表面温度140℃
に加熱し700g/cmの線加圧状態の2本のロールの
間を線速度20mm/secで加熱加圧処理を行い、そ
の後パイレックスガラス板を剥離し、作製した電着膜を
ポリイミドフィルム上に転写させ、洗浄した後その上部
に、 保護層をコーティングしてカラーフィルターとし
た。
【0058】〔実施例4〕厚さ3mmの石英ガラス基板
にITOの透明導電膜をスパッタリング法で0.2μm
厚に製膜し、 ITO薄膜上にシランガスのグロー放電着
膜法によりa−Si膜と着膜後半にジボランガスを導入
しながら着膜しp型a−Si膜を積層し、0.8μm厚
の光起電力層を製膜した。そのあと、 約500℃で1時
間加熱処理を行い、Si膜の結晶化度を上昇させP−N
接合型poly−Si膜とした。次に、電気化学で一般
的な三極式の配置において、 実施例1と同様の電着性高
分子材料とアゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で7対
3に純水中に分散させ、水系顔料分散液を得て、 飽和カ
ロメル電極に対しSi層電極を作用電極として利用し、
作用電極を1.7Vにして基板の裏側からHe−Neレ
ーザー光源を用いてレッドフィルター画素に対応した信
号のレーザー光を照射しSiの表面の光が照射された領
域だけレッド色のフィルターパターンが形成された。 次
に、 前記電着高分子材料とフタロシアニングリーン系超
微粒子顔料を固形分比率で7対3に分散させた水系顔料
分散液中で飽和カロメル電極に対しSi電極を作用電極
として利用し、 作用電極を1.7Vにして基板の裏側か
ら先ほどと同様にHe−Neレーザー光を石英基板背面
側から照射し、その部分のSi表面の光が照射された領
域だけグリーンのフィルターパターンが形成された。 同
様に、 前記電着高分子材料とフタロシアニンブルー系超
微粒子顔料を固形分比率で7対3に分散させた水系顔料
分散液中で飽和カロメル電極に対しSi電極を作用電極
として利用し、 作用電極を1.7Vにして基板の裏側か
ら前記同様にレーザー光を照射したところ、Si表面の
光が照射された領域だけブルーのフィルターパターンが
形成されて、カラーフィルター層が形成された。 次に、
純粋で洗浄した後、 カーボンブラック粉末(平均粒子径
110nm) を分散させた紫外線硬化樹脂溶液に接触さ
せ、 基板の裏側からUV光を照射したところ、 カラーフ
ィルター層の無い領域だけ硬化したカーボンの樹脂薄膜
が形成され、 ブラックマトリックスを形成できた.0.
2mm厚のポリイミドフィルムを電着層面に載せて、2
枚の基材をローラー表面温度160℃に加熱し300g
/cmの線加圧状態の2本のロールの間を線速度10m
m/secで加熱加圧処理を行い、その後石英ガラス板
を剥離し、作製した電着膜をポリイミドフィルム上に転
写させ、その後、 洗浄した後で上部にポリイミドの保護
層をコーティングしてカラーフィルターが得られた。
【0059】〔実施例5〕厚さ5mmの石英ガラス基板
にITOの透明導電膜をスパッタリング法で0.2μm
厚に製膜し透明電極を作製した。ITO薄膜上にZn3
2 膜をスパッタリング法で着膜し、次にZnO層をス
パッタリング法で着膜して0.8μm厚の光起電力層を
製膜した。そのあと、 約250℃で1時間加熱処理を行
い、この起電力膜の特性を安定させ、接合型光起電力膜
とした。次に、電気化学で一般的な三極式の配置におい
て、 実施例1と同様の電着性高分子材料とアゾ系赤色超
微粒子顔料を固形分比率で7対3に純水中に分散させ、
水系顔料分散液を得て、 飽和カロメル電極に対し起電力
層電極を作用電極として利用し、 作用電極を1.7Vに
して基板の裏側から水銀キセノンランプ(山下電装社
製、 波長365nmの光強度50mW/cm2 )を全面
に7秒間光を照射したところ、 光が照射された領域だけ
レッド色のフィルターパターンが形成された。 次に、 前
記電着性高分子材料とフタロシアニングリーン系超微粒
子顔料を固形分比率で7対3に分散させた水系顔料分散
液中で飽和カロメル電極に対しSi電極を作用電極とし
て利用し、作用電極を1.7Vにして基板の裏側から水
銀キセノンランプ(山下電装社製、 波長365nmの光
強度50mW/cm2 )を全面に7秒間光を照射したと
ころ、光が照射された領域だけグリーンのフィルターパ
ターンが形成された。 同様に、前記電着性高分子材料と
フタロシアニンブルー系超微粒子顔料を固形分比率で7
対3に分散させた水系顔料分散液中で飽和カロメル電極
に対し起電力層電極を作用電極として利用し、 作用電極
を1.7Vにして基板の裏側から水銀キセノンランプ(
山下電装社製、 波長365nmの光強度50mW/cm
2 )を全面に7秒間光を照射したところ、 光が照射され
た領域だけブルーのフィルターパターンが形成されて、
カラーフィルター層が形成された。 次に、 純粋で洗浄し
た後、 カーボンブラック粉末(平均粒子径110nm)
を分散させた紫外線硬化樹脂溶液に接触させ、 基板の裏
側からUV光を照射したところ、 カラーフィルター層の
無い領域だけ硬化したカーボンの樹脂薄膜が形成され、
ブラックマトリックスを形成できた。 1mm厚のアクリ
ル樹脂板を電着層面に載せて、2枚の基材をローラー表
面温度180℃に加熱し300g/cmの線加圧状態の
2本のロールの間を線速度3mm/secで加熱加圧処
理を行い、その後石英ガラス板を剥離し、作製した電着
膜をポリイミドフィルム上に転写させ、その後、 洗浄し
た後で上部に保護層をコーティングしてカラーフィルタ
ーが得られた。
【0060】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターの製造方法に
より、 フォトリソグラフィ工程を使わずに高解像度で透
光性、平滑性の高いカラーフィルターを製造することが
できる。 また、工程の簡素化が可能であり、単一の半導
体層による繰り返し生産ができるため低コスト化が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はショットキー接合、(B)はpin接
合の場合の半導体のエネルギーバンドの説明図である。
【図2】電着液のpH変化に伴う溶解特性を示すグラフ
である。
【図3】異なる極性を示し、かつ、併用可能な2つの電
着材料のpHの変化に伴う溶解特性を示す説明図であ
る。
【図4】導電率を変化させた時の電着材料の電着量の変
化を示すグラフである。
【図5】(A)〜(F)本発明であるカラーフィルター
の製造工程を示す概略断面図である。
【図6】本発明のカラーフィルターの製造に用いた装置
の断面を示す概要図である。
【符号の説明】
12 透明基板 14 透明導電膜 16 光起電力半導体薄膜 18 電着用基板 20 電着液槽 21 制御電極用液槽 22 電着液 23 制御電極 24 電着用バイアス電源 25 制御電極用コントロー
ルユニット(飽和カロメル電極) 26 対向電極 28 マスクパターン 30 有色電着膜 32 ブラックマトリックス
層 40 透明フィルター基材 41 カラーフィルター

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に透明導電膜を形成し、 その
    上部に光起電力機能を有する光起電力半導体薄膜を形成
    した基板を準備し、液体を保持しうる容器内にpHの変
    化により化学的に溶解或いは析出・沈降する有色電着材
    料を含有する水系液体を準備し、 電流または電界を供与できる手段を透明導電膜に接続し
    た該基板を半導体薄膜が該水系液体に浸漬されるよう固
    定するとともに、電極対の他方である対向電極を合わせ
    持つ装置を該容器内に配置し、 該水系液体中で該基板を透明基板上から光照射し、光照
    射による起電力が発生した部分に電着材料を含む電着膜
    を析出させ、 その後、該電着膜を透明フィルター基材に転写してカラ
    ーフィルターを形成することを特徴とするカラーフィル
    ターの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電着材料の色調を変えて、電着膜を
    形成する工程を複数回繰り返すことにより多色の電着膜
    を形成し、その後、該電着膜を透明フィルター基材に転
    写してカラーフィルターを形成することを特徴とする請
    求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法で任意の
    色調の電着膜を形成した後、 前記電着材料としてブラッ
    クマトリックスを形成しうる色材を用い、電圧を印加す
    ることで電着膜の未形成部分に電着膜によるブラックマ
    トリックスを形成し、該電着膜及びブラックマトリック
    スを透明フィルター基材に転写する工程を含むことを特
    徴とするカラーフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電着材料として、ブラックマトリッ
    クスを形成しうる色材を含有し、請求項1に記載の方法
    で電着膜によるブラックマトリックスを形成した後に、
    同様にして任意の色調の電着膜を形成し、その後、該ブ
    ラックマトリックス及び電着膜を透明フィルター基材に
    転写する工程を含むことを特徴とするカラーフィルター
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の方法で任意の
    色調の電着膜を形成した後、 前記電着材料としてブラッ
    クマトリックスを形成しうる色材を用い、全面に光を照
    射しながら通電することで、 電着膜の未形成部分に電着
    膜によるブラックマトリックスを形成し、その後、該電
    着膜及びブラックマトリックスを透明フィルター基材に
    転写する工程を含むことを特徴とするカラーフィルター
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電着材料として、絶縁性の高い材料
    を使用し、カラーフィルター電着膜表面の絶縁性を利用
    して、カラーフィルター未形成領域にのみ選択的にブラ
    ックマトリックス電着膜を形成することを特徴とする請
    求項3ないし5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電着材料に用いる高分子物質の体積
    固有抵抗値が104Ω・cm以上の抵抗値を有する材料
    を使用することを特徴とする請求項3または4に記載の
    カラーフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記光起電力半導体薄膜がn型半導体か
    らなり、前記電着材料として分子内にカルボキシル基を
    持つ化合物を用いることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載のカラーフィルター製造方法。
  9. 【請求項9】 前記光起電力半導体薄膜がn型半導体と
    p型半導体を順に積層したpn接合、 またはn型半導
    体、 i型半導体、 p型半導体を順に積層したpin接合
    を持つ半導体からなり、 前記電着材料として分子内にカ
    ルボキシル基を持つ化合物を用いることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記光起電力半導体薄膜がp型半導体
    からなり、 前記電着材料としてイオン性分子であって分
    子内にアミノ基またはイミノ基を持つ化合物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のカラーフィルターの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記光起電力半導体薄膜がp型半導体
    とn型半導体を順に積層したpn接合、 またはp型半導
    体、 i型半導体、 n型半導体を順に積層したpin接合
    を持つ半導体からなり、 前記電着材料としてイオン性分
    子であって分子内にアミノ基またはイミノ基を持つ化合
    物を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記光起電力半導体薄膜として、n型
    半導体である酸化物半導体を使用したことを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載のカラーフィル
    ターの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記光起電力半導体薄膜として、n型
    半導体である酸化チタンを使用したことを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記透明基板上に、n型半導体である
    酸化チタンを製膜し、 水素雰囲気下で加熱し還元処理す
    ることにより光起電力半導体薄膜を形成することを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー
    フィルターの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記電着材料を含む水系液体に電着特
    性に影響を与えない酸性又はアルカリ性物質を加えて水
    系液体中のpHを制御し、5V以下の電圧を印加して、
    電着膜を形成することを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記電着材料を含む水系液体に電着特
    性に影響を与えない塩を加えて電着液の導電率を10-1
    から10-6s/cmの範囲に制御し、電着膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のカラーフィルターの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記電着膜の透明フィルター基材への
    転写を、 加熱及び/又は加圧の下に行うことを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれか1項に記載のカラーフィ
    ルターの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記電着材料に用いる高分子物質のガ
    ラス転移点が100℃以下であり、かつその流動開始点
    が180℃以下であることを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記電着材料に用いる高分子物質の分
    解点が150℃以上であることを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造
    方法。
  20. 【請求項20】 前記電着膜を透明フィルター基材へ転
    写する際の加熱温度が電着膜を形成する高分子物質のガ
    ラス転移点より高く、かつ、その分解点プラス20℃以
    下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記電着材料に用いる高分子物質の酸
    価が、90から195の範囲であることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
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