JPH11350066A - 被削性に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法及びその部品並びにそれに用いる熱間圧延鋼材 - Google Patents

被削性に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法及びその部品並びにそれに用いる熱間圧延鋼材

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JPH11350066A
JPH11350066A JP10156365A JP15636598A JPH11350066A JP H11350066 A JPH11350066 A JP H11350066A JP 10156365 A JP10156365 A JP 10156365A JP 15636598 A JP15636598 A JP 15636598A JP H11350066 A JPH11350066 A JP H11350066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼の被削性向上に対して、黒鉛の大きさ及び
量を適切に制御した鋼材ないし粗形材を製造する技術を
開発する。 【解決手段】 Cを0.80%以上の過共析鋼とし、黒
鉛化促進のためSiを高めとし、延性確保のため適量の
Mnを添加し、黒鉛化指数CEを1.30以上にし、且
つ不純元素を低位に抑えた鋼を調製する。次いで、上記
化学成分の鋼を熱間鍛造して600℃までを緩冷却して
黒鉛を析出させ、同時に金属組織を適度な硬さのフェラ
イト+パーライト組織とする。必要に応じて更に、黒鉛
析出熱処理を行なった後、機械加工により部品を所望形
状に仕上げる。その後適当な熱処理、又は/及び表面硬
化処理を施すことによって鋼部品を製造する。 【効果】 無鉛で被削性は鉛快削鋼や球状黒鉛鋳鉄と同
等、材質特性は球状黒鉛鋳鉄より優れ鋼製品と同等の疲
労強度を有する快削鋼部品が安価に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クランクシャフ
ト、ギア等熱間鍛造により製造される自動車、産業機械
用の鋼部品の製造方法に関するもので、機械加工前に適
度な大きさと量の黒鉛を有し、機械加工性が良好で、従
来の球状黒鉛鋳鉄より高い疲労強度と靱性を有する熱間
鍛造鋼部品の製造方法及びその部品、更に、それに用い
る熱間圧延鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や建設機械等に使用されるクラン
クシャフト、ギア等の鋼部品は熱間鍛造により粗形状の
部品(以下、「粗形材」という)に加工した後、切削、
ドリル穴明け等の機械加工を行って、所望の部品形状に
仕上げられるが、この機械加工に要するコストは部品製
造費の50%を超えることもあり、多大なコストアップ
の要因となっている。
【0003】したがって熱間鍛造後の粗形材は、優れた
被削性を有することが必要である。ところで、鋼に求め
られる被削性としては、切削工具の寿命と切り屑の処理
性が重要である。
【0004】今日の機械加工は生産性を高めるため、従
来より極めて高速で行なわれるため、工具の摩耗が、よ
り大きくなって、工具寿命に優れた快削鋼が求められて
いる。また最近は自動盤により無人で機械加工されるこ
とが多く、切り屑が長くつながって絡まってしまうと、
機械の停止や切り屑を取り除くための余計な作業を行な
う必要が生じ、生産性を低下させることになる。このた
め、切り屑が適当な大きさに細かく分断するような、切
り屑処理性に優れた快削鋼が求められている。
【0005】また、コネクチングロッド、クランクシャ
フトにおいては、潤滑油を供給するための、径の細い穴
をいくつか有しているが、この穴は深いために、穴明け
加工においては、切り屑が細かく分断して、ドリル穴か
ら支障なく排出されることが必要である。即ち、分断し
にくい切り屑では穴から排出されず、切り屑が穴に詰ま
ってドリル折損を引き起こすのである。
【0006】従って、上記のような部品の機械加工に当
たっては、工具寿命向上及び切り屑処理性の改善のた
め、快削元素である鉛を0.05〜0.30%添加した
鉛快削鋼が広く用いられてきた。たとえばS45C、S
50Cといった機械構造用炭素鋼や0.10%程度のV
を含有させた非調質鋼に、被削性改善のためにPbを添
加した鋼が用いられてきた。
【0007】鉛は融点が327℃程度と低いので、機械
加工の熱により容易に溶融して、鋼の延性が低下して切
り屑は適度な大きさに分断する。これによって工具の寿
命が延びる。
【0008】しかしながら、鉛含有鋼からは鉛のヒュー
ムが発生すること、また、鉛には元来毒性がある等の問
題があるため、近年の地球環境保護の機運の高まりに伴
って、無鉛の快削鋼が強く求められている。
【0009】切削性を向上させる元素としてはPbの他
にS、Ca、Bi、Se、Te等の元素が知られている
が、これら元素は、単独では被削性改善効果が鉛に及
ばない、高価である、毒性がある、といった欠点を
少なくとも1つはもっているので、鉛代替の元素にはな
り得ない。
【0010】また歯車やカムシャフトにおいては、Pb
を含有させると、使用中に繰り返し負荷される高面圧に
より、Pbが溶融して表面が剥離するという問題、いわ
ゆるピッチングを発生する問題があり、歯車用鋼として
鉛を添加した肌焼鋼は、積極的には使用されていない。
従って、歯車の機械加工における被削性は良好ではな
く、更に、耐ピッチング性を落とすことなく、被削性を
改善した鋼材の開発が望まれている。
【0011】一方、黒鉛は鋳鉄にみられるように、被削
性を極めて向上させる物質である。しかし、鋼において
は黒鉛を析出させるために炭素を多量に添加すると、セ
メンタイトが析出し、黒鉛を得るのは容易ではない。従
来の発明における炭素0.10〜1.5%を有する鋼の
場合には、例えば特開平2−107742号公報、及び
特開平3−140411号公報には、600〜800℃
の温度で数時間〜200時間もの長い時間の焼鈍を行な
って、黒鉛を析出させた鋼材又はその製造方法が開示さ
れている。
【0012】また、特開昭49−67816号公報、及
び特開昭49−67817号公報には、750〜950
℃で焼入れ、600〜750℃で焼戻して黒鉛を形成さ
せた黒鉛快削鋼が開示されている。
【0013】このように、従来開示例においてはいずれ
も黒鉛を得るための、黒鉛化熱処理を施す必要がある。
従って、極めてコスト高になってしまう。また黒鉛化熱
処理により金属組織がフェライトになってしまう。この
ために強度の低い部品や冷間鍛造によって製造可能な小
さな部品の製造に限定されてしまい、クランクシャフト
やコネクチングロッド、あるいはハイポイドギアといっ
た大型の鍛造部品の製造には適用することができなかっ
た。
【0014】一方、炭素量が3.8%前後の鋳鉄や鋳鋼
はCaやMg等の接種により、鋳造ままで容易に球状黒
鉛が得られ、被削性が良好であることは良く知られてい
る。これら鋳鉄や鋳鋼は、クランクシャフトや歯車とし
て使用されているが、これらは鋳込ままで使用するの
で、形状の自由度はあるものの、結晶粒が粗く、また金
属組織も粗い。従って、このような鋳鉄や鋳鋼は、降伏
応力、伸び、絞り及び衝撃値といった機械的特性が低い
という欠点を有しており、高い疲労強度や衝撃値を要求
される部品には、使用されていない。
【0015】近年、オーステンパー処理により基地組織
をベイナイトにすることにより、その靱性が改善されて
きてはいる。例えば、特開昭61−243121号公報
には球状黒鉛鋳鉄にオーステンパー処理を施すクランク
シャフトの製造方法が、また特開昭61−174332
号公報には同じく、球状黒鉛鋳鉄にオーステンパー処理
を施すコネクチングロッドの製造方法が開示されてい
る。しかしながらこれら鋳造品は、S50Cの焼入れ焼
戻し材や、S48Cを基本成分にして0.10%程度の
Vを添加した非調質鋼の鍛造品に較べると、降伏応力が
低く、疲労強度が低いものである。また、伸び、絞り、
衝撃値といった特性もなお鍛造品には及ばないものであ
る。
【0016】また、これら鋳造品には0.1mm程度の
鋳造巣が発生することがあり、これは疲労破壊の起点と
なるので信頼性が劣るのが欠点である。従って、鋳造方
法ならびに製品の超音波検査に厳重な注意を払う必要が
あり、コストアップの大きな要因となっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、自
動車、産業機械用の鋼部品の製造過程において、熱間鍛
造により調製された粗形材の被削性を改善すると共に、
従来の球状黒鉛鋳鉄より高い疲労強度と靱性を有する鋼
材等の製造技術を開発することにある。この目的を達成
するために、上述した先行技術等には、次のような問題
点がある。
【0018】鋼にPbを添加することにより、鋼材の
快削性は著しく向上するが、Pbの毒性を解消するとい
う観点から、Pb快削鋼には問題がある。 黒鉛の被削性向上効果を、C:0.1〜1.5%の鋼
において発揮させる場合には、黒鉛化熱処理を施す必要
があり、コストが著しく高くなること、またその熱処理
により金属組織がフェライトになるので大型の鍛造部品
では機械的特性や疲労特性が不十分となり、製造するこ
とができない。
【0019】黒鉛の被削性向上効果を、鋳鉄や鋳鋼に
おいて発揮させ、且つオーステンパー処理により材質改
善を図ることができる。そして、形状の自由度の点にお
いて優れている。しかし、そのような改善をしても、機
械的特性や疲労特性が不十分であり、要求される部品に
は使用することができない。
【0020】従って、この発明の最大の課題は、このよ
うな問題を解決して、上述した目的を達成するために、
鋼の被削性向上に対して、黒鉛の大きさ及び量を適切に
制御した鋼材ないし粗形材を製造する技術を開発するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
背景を考慮し、鉛を添加することなく鋳鉄に匹敵する被
削性を有し、且つ耐疲労性等の特性が、鋳鉄より優れて
おり、従来の機械構造用炭素鋼あるいは機械構造用合金
鋼並みの水準にある鋼部品の製造技術を開発すべく、鋭
意研究を重ねた。その結果、次の知見を得た。
【0022】即ち、Cを0.80%以上の過共析鋼と
し、黒鉛化促進のためSiを高めとし、鋼の延性を確保
するために適量のMnを添加し、且つP、S、O、Nの
不純元素を低位に抑えた鋼を調製する。次いで、上記化
学成分の鋼を熱間鍛造して600℃までを緩冷却して黒
鉛を析出させ、同時に金属組織を適度な硬さのフェライ
ト+パーライト組織とする。必要に応じて更に、黒鉛析
出熱処理を行なった後、機械加工により部品を所望形状
に仕上げる。その後適当な熱処理、又は/及び表面硬化
処理を施すことによって鋼部品を製造する。
【0023】これによって、鉛を添加することなく、機
械構造用炭素鋼あるいは、機械構造用合金鋼並みの水準
であって、鋳鉄より優れた機械的性質を有する熱間鍛造
鋼部品の製造が可能であることを見い出した。
【0024】この発明は上記知見に基づきなされたもの
であって、下記特徴を有するものである。請求項1に記
載の発明は、重量%で、C:0.80〜1.50%、S
i:0.50〜2.80%、Mn:0.01〜0.30
%未満、P:0.050%以下、S:0.10%以下、
Al:0.001〜0.100%、O:0.0050%
以下、及び、N:0.015%以下を含有し、残部Fe
及び不可避不純物からなる化学成分を有し、下記(1)
式: CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 --------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす、で
求められる黒鉛化指数CEが1.30以上である熱間圧
延鋼材を、800℃以上、当該熱間圧延鋼材の固相線温
度−50℃以下の間の温度に加熱し、熱間鍛造し、こう
して得られた熱間鍛造鋼材をその温度が600℃になる
まで5分以上の時間をかけて緩冷却し、そして室温まで
冷却して、平均粒径0.5μm以上の黒鉛を50個/m
2 以上有し、且つブリネル硬さが350未満である粗
形材に加工し、こうして得られた上記粗形材を機械加工
により部品形状に仕上げ、次いで、得られた上記部品材
に熱処理又は/及び表層部の加工硬化処理を施すことに
特徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に
優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法である。
【0025】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明のMn含有率を、Mn:0.30〜2.0%に増加
し、Si含有率を、0.80〜2.80%の間として、
Siの下限を高めたものである。即ち、Mnは鋼の延性
を確保するために重要な元素であるが、黒鉛化を妨げる
作用が大きい。このためMn含有率を増やして黒鉛化の
遅延を、Siを若干高めることにより補ったものであ
る。
【0026】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、上記熱間圧延鋼材の化学成分組
成に、下記6種の化学成分組成からなる群から選ばれた
少なくとも1種が、更に付加されて含まれており、重量
%で、Cu:0.01〜2.0%、Ni:0.01〜
2.0%、Co:0.01〜0.50%、Cr:0.0
1〜1.0%、Mo:0.01〜0.50%、及び、B
:0.0005〜0.010%、そして、上記黒鉛化
指数のCEの算出式として、下記(2)式を用いること
に特徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性
に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法である。
【0027】 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6+Cu/9+Ni/9+Co/9 −Cr/9−Mo/9+B ------------------(2) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
【0028】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に
記載の発明のいずれかにおいて、上記熱間圧延鋼材の化
学成分組成に、下記4種の化学成分組成からなる群から
選ばれた少なくとも1種が、更に付加されて含まれてお
り、重量%で、Ti:0.005〜0.10%、Zr:
0.005〜0.10%、V:0.01〜0.30%、
及び、Nb:0.01〜0.30%、そして、上記黒鉛
化指数のCEの算出式として、下記(3)式を用いるこ
とに特徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労
性に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法である。
【0029】 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 ------------------(3) 請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明の
いずれかにおいて、上記熱間圧延鋼材の化学成分組成
に、下記3種の化学成分組成からなる群から選ばれた少
なくとも1種が、更に付加されて含まれており、重量%
で、Ca:0.0010〜0.0100%、Mg:0.
0010〜0.10%、及び、REM:0.0010〜
0.10、そして、上記黒鉛化指数のCEの算出式とし
て、下記(3)式を用いることに特徴を有する、被削性
に優れ、機械的性質、耐疲労性に優れた熱間鍛造鋼部品
の製造方法である。
【0030】 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 +0.07 ------------------(3) 請求項6に記載の発明は、請求項1〜5記載の発明にお
けるよりも更に黒鉛を析出させ、硬さを低めて、被削性
を向上させるために行なうものである。即ち、上記熱間
鍛造及び前記冷却方法として、熱間鍛造後800℃超え
の温度にある粗形材を、徐冷用容器、例えばバケットに
投入して多数個の粗形材を積み重ねた状態とし、600
℃まで10分以上で緩冷却を行なうことにより、黒鉛粒
を成長させると共に、パーライトの面積率を減少させ
て、硬さをブリネルで290未満に低下させる。こうし
て、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に優れた熱間
鍛造鋼部品を製造する方法である。また、600℃まで
10分以上をかけて冷却できる大型粗形材では、単品放
冷してもよい。
【0031】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明よりも更に被削性を向上させるため、請求項1〜
6のいずれかに記載の発明の熱間鍛造後、一旦室温まで
冷却した粗形材を、機械加工する前に、700〜100
0℃の間の温度に再加熱して、黒鉛の析出処理を行なう
ことにより、硬さの一層の低下を図ることに特徴を有す
る、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に優れた熱間
鍛造鋼部品を製造する方法である。
【0032】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の上記部品材に仕上げた後に施す熱処理
として、800〜1000℃の間でオーステナイト化し
た後、100〜600℃の間の恒温槽に入れて急冷し、
残留オーステナイトを含む、ベイナイト、パーライト又
はベイナイト+パーライトの混合組織にする等温変態処
理を行なうことに特徴を有する、被削性に優れ、機械的
性質、耐疲労性に優れた熱間鍛造鋼部品を製造する方法
である。これにより、降伏応力を高めて、耐疲労性を向
上させる。
【0033】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の上記部品材に仕上げた後に施す熱処理
として、400〜600℃の間で軟窒化処理を行なうこ
とに特徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労
性に優れた熱間鍛造鋼部品を製造する方法である。これ
により耐摩耗性、耐疲労性を改善する。
【0034】請求鋼10に記載の発明は、請求項1〜7
のいずれかに記載の上記部品材に仕上げた後に施す熱処
理として、800〜1000℃の間でオーステナイト化
した後焼入れ、400〜650℃の間で焼戻しを行なう
ことに特徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲
労性に優れた熱間鍛造鋼部品を製造する方法である。こ
れにより強度とともに高い靱性を付与する。
【0035】請求項11に記載の発明は、請求項1〜7
のいずれかに記載の上記部品材に仕上げた後に施す熱処
理として、高周波焼入れ焼戻しで行なうことに特徴を有
する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に優れた熱
間鍛造鋼部品を製造する方法である。これにより耐摩耗
性、耐疲労性を改善する。
【0036】請求項12に記載の発明は、請求項1〜1
1のいずれかに記載の上記部品材に施す上記表層部の加
工硬化処理を、フィレットロール加工で行なうことに特
徴を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に優
れた熱間鍛造鋼部品を製造する方法である。これによ
り、表層部に塑性加工を加え、加工硬化によって圧縮残
留応力を付与して、耐疲労性を向上させる。
【0037】請求項13に記載の発明は、請求項1〜1
1のいずれかに記載の上記部品材に施す上記表層部の加
工硬化処理を、ショットピーニングで行なうことに特徴
を有する、被削性に優れ、機械的性質、耐疲労性に優れ
た熱間鍛造鋼部品を製造する方法である。これにより、
表層部に塑性加工を加え、圧縮残留応力を付与して、耐
疲労性、耐摩耗性を向上させる。
【0038】請求項14に記載の発明は、請求項1〜1
3のいずれかに記載の方法で製造されたことに特徴を有
する、被削性に優れ、機械的性質、及び耐疲労性に優れ
た熱間鍛造鋼部品である。
【0039】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載された熱間鍛造鋼部品の素材として用いる被削性に
優れた熱間圧延鋼材であって、重量%で、C :0.8
0〜1.50%、Si:0.50〜2.80%、Mn:
0.01〜0.30%未満、P :0.050%以下、
S :0.10%以下、Al:0.001〜0.100
%、O :0.0050%以下、及びN :0.015
%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる化
学成分を有し、且つ、下記(1)式: CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 --------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす、で
求められる黒鉛化指数CEが1.30以上である熱間圧
延用素材を、800℃以上、当該熱間圧延用素材の固相
線温度−50℃以下の間の温度に加熱し、棒鋼に熱間圧
延し、こうして得られた熱間圧延鋼材をその温度が60
0℃になるまで3分以上の時間をかけて緩冷却し、そし
て室温まで冷却して、得られた棒鋼の黒鉛分布が平均粒
径0.3μm以上のものが100個/mm2 以上であ
り、且つそのブリネル硬さが380以下であることに特
徴を有するものである。
【0040】請求項16に記載の発明は、請求項15記
載の発明のMn含有率を、Mn:0.30〜2.0%に
増加し、Si含有率を、0.80〜2.80%の間とし
て、Siの下限を高めたものである。即ち、Mnは鋼の
延性を確保するために重要な元素であるが、黒鉛化を妨
げる作用が大きい。このためMn含有率を増やして黒鉛
化の遅延を、Siを若干高めることにより補ったもので
ある。
【0041】請求項17に記載の発明は、請求項15又
は16に記載の発明において、上記熱間圧延用素材の化
学成分組成に、下記6種の化学成分組成からなる群から
選ばれた少なくとも1種が、更に付加されて含まれてお
り、重量%で、Cu:0.01〜2.0%、Ni:0.
01〜2.0%、Co:0.01〜0.50%、Cr:
0.01〜1.0%、Mo:0.01〜0.50%、及
び、B :0.0005〜0.010%、そして、上記
黒鉛化指数のCEの算出式として、下記(2)式を用い
ることに特徴を有する、請求項14に記載された熱間鍛
造鋼部品の素材として用いられる、被削性に優れた熱間
圧延鋼材である。
【0042】 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6+Cu/9+Ni/9+Co/9 −Cr/9−Mo/9+B ------------------(2) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
【0043】請求項18に記載の発明は、請求項15〜
17に記載の発明のいずれかにおいて、上記熱間圧延用
素材の化学成分組成に、下記4種の化学成分組成からな
る群から選ばれた少なくとも1種が、更に付加されて含
まれており、重量%で、Ti:0.005〜0.10
%、Zr:0.005〜0.10%、V:0.01〜
0.30%、及び、Nb:0.01〜0.30%、そし
て、上記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記(3)
式を用いることに特徴を有する、請求項14に記載され
た熱間鍛造鋼部品の素材として用いられる、被削性に優
れた熱間圧延棒鋼である。
【0044】 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
【0045】請求項19に記載の発明は、請求項15〜
18に記載の発明のいずれかにおいて、上記熱間圧延用
素材の化学成分組成に、下記3種の化学成分組成からな
る群から選ばれた少なくとも1種が、更に付加されて含
まれており、重量%で、Ca:0.0010〜0.01
00%、Mg:0.0010〜0.10%、及び、RE
M:0.0010〜0.10、そして、上記黒鉛化指数
のCEの算出式として、下記(3)式を用いることに特
徴を有する、請求項14に記載された熱間鍛造鋼部品の
素材として用いられる、被削性に優れた熱間圧延棒鋼で
ある。
【0046】 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 +0.07 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
【0047】
【発明の実施の形態】この発明の基本的事項は、過共析
組成の炭素鋼、及びその低合金鋼を素材とし、所望の形
状に熱間鍛造した粗形材を、所定の冷却速度以下で緩冷
却して、黒鉛を析出させ、且つ硬さを低下させて、被削
性を向上させた粗形材にする。次いで、上記熱間鍛造粗
形材を機械加工した後、適切な熱処理、又は/及び表層
部の加工硬化処理を行って、機械的性質及び耐疲労性を
向上させるものである。
【0048】次に、この発明の構成要件とその限定理由
について、以下に述べる。 〔I〕化学成分関係 (1)炭素(C) Cは、黒鉛を析出させ、強度を確保するのに重要な元素
である。熱間加工ままで黒鉛を析出させるには、Cを
0.80%以上は必要とする。しかしながら、C含有量
が1.50%を超えると、熱間延性の低下が大きく、棒
圧延に際して表面疵の発生が増大する。また、熱間加工
後に析出する黒鉛粒が粗大になり、靱性を低下させる。
従って、C含有量は0.80〜1.50%の範囲内に限
定する。
【0049】(2)珪素(Si) Siは、本発明において重要な役目を果たす元素であ
る。即ち、Siはセメンタイトの黒鉛化を促進する元素
である。しかし、0.50%未満ではその効果は小さ
い。一方、Siが2.80%を超えると、非金属介在物
が増加して靱性の低下を招くのみならず、熱間加工時の
加熱において脱炭を大きくする。従って、Si含有量は
, 0.50〜2.80%の範囲内に限定する。但し、M
nを0.30%以上含有させる場合には、Mnによる、
黒鉛析出の阻害作用を緩和して、黒鉛化を確保するため
に、Si含有率は0.80%以上とする。
【0050】(3)マンガン(Mn) Mnは、鋼中のSをMnSの形態に固定し、Sを無害化
して鋼の熱間延性を向上させる。また、Mnは焼入れ性
を向上させ、パーライトを微細化して、鋼の延性を向上
させる。この目的でMnを用いるときには、0.01%
以上の添加を必要とする。しかし、Mnは黒鉛の析出を
阻害する元素であるので、上限は0.30%未満が望ま
しい。しかし、部品が大型になって内部まで十分微細な
パーライトとしたいときには、2.0%までのMn添加
をしてもよい。但し、Mnを0.30〜2.0%添加す
るときには、上述したようにMnによる、黒鉛析出の阻
害作用を緩和するために、Siは0.80〜2.80%
の範囲内とする必要がある。
【0051】(4)燐(P) Pは、黒鉛化を促進する元素であるが、粒界に偏析して
熱間延性を低下させ、鋼材の表面疵の発生を助長する。
これを抑制するために、0.050%以下に限定する。
望ましくは0.030%以下にする。
【0052】(5)硫黄(S) Sは、黒鉛化を大きく阻害する元素であり、Sの量が
0.10%を超えるとSi等の黒鉛化促進元素を多量に
添加することが必要となり、その結果、熱間延性の低下
を招く。従って、S含有率は0.10%以下に限定す
る。望ましくは0.030%以下にする。
【0053】(6)アルミニウム(Al) Alは、脱酸剤として重要な元素であると共に、Nと結
合してAlNを析出し結晶粒を微細にする元素である。
また、AlはSiと同様に黒鉛化を促進する元素であ
る。これらの効果を発揮させるためには、Alは0.0
01%以上添加する必要がある。しかし0.10%を超
えて添加すると、酸化物系介在物の量が多くなって、鋼
の清浄性を低下させ、熱間加工時の割れ発生の原因とな
る。また、連続鋳造においてAl2 3 がノズルに堆積
して、ノズル詰まりを引き起こす。従って、Al含有率
は0.001〜0.10%の範囲内に限定する。
【0054】(7)酸素(O) Oは、鋼の清浄性を低下させ、黒鉛化を阻害する元素で
ある。従って、できる限り低く抑えるべきである。しか
し、0.0050%までは許容される。
【0055】(8)窒素(N) Nは、単独で鋼中に存在すると黒鉛化を阻害する。N含
有率が0.015%を超えると、黒鉛の析出が困難にな
る他、窒素ガスによるブローホ─ルが多数形成されて、
圧延後の表面疵の原因になる。従って、N含有率は0.
015%以下に限定する。
【0056】次のCu、Ni、Co、Cr、Mo及びB
は、いずれも鋼の焼入れ性を向上させる作用をもつ点に
おいて、この発明における鋼材特性の向上の観点から、
共通の効果を有するものである。
【0057】(9)銅(Cu) Cuは、黒鉛の析出を促進し、且つ焼入れ性を向上させ
る元素である。また、Cuは、溶湯の流動性を増し、鋳
造性を向上させる。これらの目的でCuを利用するする
ときには、0.01%以上の添加を必要とする。しか
し、2.0%を超えると、鋼中への固溶限を超えてしま
うため、未固溶Cuが残存して熱間延性を低下させ、表
面疵の発生を助長する。従って、Cuを0.01〜2.
0%の範囲内で含有させることが望ましい。
【0058】(10)ニッケル(Ni) Niも、Cuと同様に黒鉛の析出を促進させると共に、
焼入れ性を向上させる有用な元素である。これらの目的
で添加するときには、Niは0.01%以上の添加を必
要とする。しかし、2.0%を超えて添加してもその効
果は飽和するのみならず、変形抵抗を増大させることに
なる。従って、Niを0.01〜2.0%の範囲内で含
有させることが望ましい。
【0059】(11)コバルト(Co) Coも、CuやNiと同じく黒鉛の析出を促進させると
共に、焼入れ性を向上させる元素である。これらの目的
で添加するときには、Coは0.01%以上の添加を必
要とする。しかし、2.0%を超えて添加してもその効
果は飽和するのみならず、変形抵抗を増大させる。ま
た、Coは高価な元素である。従って、Coを0.01
〜0.50%の範囲内で含有させることが望ましい。
【0060】(12)クロム(Cr) Crは、Mnと同様に焼入れ性を大きく向上させ、パー
ライトを微細化する元素である。この目的で用いる場合
には、0.01%以上の添加を必要とする。しかし、C
rもMnと同様に黒鉛化を阻害する作用が大きいので、
1.0%を超えて添加すると、黒鉛化促進元素を多量必
要とし、コスト高になる。従って、Crを0.01〜
1.0%の範囲内に限定する。
【0061】(13)モリブデン(Mo) Moも、鋼の焼入れ性を高め、パーライトを微細化する
元素である。この目的で用いる場合には、0.01%以
上の添加を必要とする。しかし、MoもMn、Crと同
様に黒鉛化を阻害する元素であり、0.50%を超えて
添加すると、黒鉛化促進元素を多量に必要とする。従っ
て、Moを0.01〜0.50%の範囲内で含有させる
ことが望ましい。
【0062】(14)ボロン(B) Bは、微量の添加で焼入れ性を高める元素である。ま
た、Bは鋼中のNをBNとして固定し、Nの黒鉛化阻害
作用を軽減する。この目的でBを用いる場合には、0.
0005%以上の添加を必要とする。しかし、0.01
0%を超えてBを添加してもその効果は飽和するのみな
らず、多量のBNや炭ほう化物が析出し、熱間延性を低
下させる。従って、Bを0.0005〜0.010%の
範囲内で含有させることが望ましい。
【0063】次のTi、Zr、V及びNbは、いずれも
鋼材の結晶粒を微細化する作用をもつ点において、この
発明における鋼材特性の向上の観点から、共通の効果を
有するものである。
【0064】(15)チタン(Ti) Tiは、TiN及びTiCを析出させ、結晶粒を微細化
する。また、これら析出物は、黒鉛析出の核として作用
して黒鉛の析出を促進する。Ti含有率が0.005%
未満ではその効果は小さく、一方、0.10%を超えて
添加すると、硬いTiNやTiCが多量に析出して、工
具の摩耗をはやめる。従って、Tiを0.005〜0.
10%の範囲内で含有させることが望ましい。
【0065】(15)ジルコニウム(Zr) Zrも、Tiと同様に窒化物及び炭化物を析出し、結晶
粒を微細化すると共に、黒鉛の析出を促進させる。Zr
含有率が0.005%未満ではその効果は小さく、一
方、Zrを0.10%を超えて添加すると、工具の摩耗
を早める。従って、Zrを0.005〜0.10%の範
囲内で含有させることが望ましい。
【0066】(16)バナジウム(V) Vも、窒化物及び炭化物を析出し、結晶粒を微細化す
る。また、析出物が微細であるので鋼の降伏応力を高
め、疲労限応力を向上させる。V含有率が0.01%未
満では、その効果は小さい。一方、Vは黒鉛の析出を阻
害する元素であり、0.30%を超えて添加すると、黒
鉛化促進元素を多量に必要とする。従って、Vを0.0
1〜0.30%の範囲内で含有させることが望ましい。
【0067】(17)ニオブ(Nb) Nbも、窒化物及び炭化物を析出し、結晶粒を微細化す
ると共に、降伏応力を高める。Nbの炭窒化物は115
0℃の高温でも鋼中に固溶せず、オーステナイト粒の粗
大化を阻止し、鍛造後の粒を微細にして、靱性を向上さ
せる。V含有率が0.01%未満ではその効果は小さ
く、一方、0.30%を超えて添加すると、黒鉛の析出
が阻害されて、黒鉛化促進元素を多量に必要とする。従
って、Nbを0.01〜0.30%の範囲内で含有させ
ることが望ましい。
【0068】次のCa、Mg及びREMは、いずれも鋼
材における黒鉛の析出を促進する作用をもつので、この
発明における鋼材特性の内、被削性向上の観点から共通
の効果を有するものである。
【0069】(18)カルシウム(Ca) Caは、鋳鉄において接種材として使用され、黒鉛化を
促進させる。これはCaの蒸気圧が高く、鋳造中にCa
の蒸気が鉄内に微小な空洞を形成し、これが黒鉛析出の
核となって、球状黒鉛を析出させると考えられる。そし
て、鋳鉄と同様に鋼においても、Caは熱間加工後の黒
鉛析出を容易にする。また、Caは酸化物系介在物とし
て存在すると、超硬工具切削においてベラーグを形成
し、工具寿命を延長する効果が大きいので、快削鋼には
望ましい添加元素である。こうした目的のためには、C
aは0.0010%以上添加する必要があるが、0.0
10%を超えて添加してもその効果は飽和する。従っ
て、Caを0.0010〜0.010%の範囲内で含有
させることが望ましい。
【0070】(19)マグネシウム(Mg) Mgも、Caと同じく鋳鉄において接種材として使用さ
れ黒鉛化を促進させ、鋼においても熱間加工後の黒鉛析
出を容易にする。その添加量が0.0010%未満では
効果は小さく、一方、0.10%を超えて添加しても効
果は飽和する。従って、Mgを0.0010〜0.10
%の範囲内で含有させることが望ましい。
【0071】(20)REM(希土類元素) Ce、La等のREMも鍛造後の黒鉛析出を促進する。
その添加量が0.0010%未満ではその効果は小さ
く、一方、0.10%を超えて添加してもその効果は飽
和する。従って、REMを0.0010〜0.10%の
範囲内で含有させることが望ましい。
【0072】なお、この発明における鋼には以上の他
に、Sn、As等の不可避的に混入する元素を含んでも
よい。また環境に対する問題が小さい場合には、補足的
にBi、Se、Te等の快削元素を少量添加することも
可能である。
【0073】(21)黒鉛化指数 次に、この発明における部品を製造する工程において、
熱間鍛造された粗形材を切削により部品材に加工すると
き、粗形材の被削性が良好であることが重要である。一
方、上記被削性向上の要因として、粗形材中での適切な
黒鉛分布が効果的であり、特に切削時の切り屑処理性の
改善に有効である。ここで、鋼材において黒鉛の析出を
促進するためには、鋼の黒鉛化指数CEに注目すること
が重要である。この黒鉛化指数CEは主要元素について
は以下の式で表わされる。
【0074】CE=C+Si/3−Mn/12+Al/
6+Cu/9+Ni/9+Co/9−Cr/9−Mo/
9+B+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。な
お、Ca、Mg、及びREMの内少なくとも1種を、
0.001%以上含む場合には、上記式の右辺に、0.
07を加える。
【0075】黒鉛の析出は加熱温度、加工度及び冷却速
度によっても左右されるので、CEによって一義的に決
定されるものではない。しかしながら、CEが1.30
以上でないと、焼鈍等の黒鉛を析出させる熱処理を行な
わない限り、実用的な条件で黒鉛を析出させることが困
難になる。従って、黒鉛化指数CEは1.30以上に限
定する。なお、黒鉛の析出傾向にも関係する鋼材の加熱
温度、加工度及び冷却速度の適正条件については、鋼材
の他の特性との関連も考慮して、以下の通り規定した。
【0076】〔II〕加熱、圧延・鍛造、熱処理等関係 この明細書の請求項1〜13に記載された発明(以下、
「請求項1〜13の発明」という。その他請求項の場合
も同じ)は、被削性に優れた熱間鍛造鋼部品(製品)の
製造方法に関するものであり、請求項14の発明は、当
該熱間鍛造鋼部品そのものに関するものである。これに
対して、請求項15〜19の発明に係る熱間圧延鋼材
は、請求項1〜13の製造方法において、熱間鍛造によ
り熱間鍛造粗形材を作るが、その熱間鍛造粗形材を作る
のに供する鋼材に関するものである。この鋼材には、そ
の履歴の如何を問わず、この明細書では「熱間圧延鋼
材」という語句を用いた。そして、この「熱間圧延鋼
材」を作るのに供する鋼には、「熱間圧延用素材」とい
う語句を用いた。
【0077】(22)加熱温度 黒鉛の析出を促進するために、熱間加工時の加熱温度、
即ち、鍛造加熱温度又は圧延加熱温度は重要な因子であ
る。鋼の化学成分組成が適切であって、加熱温度が適正
ならば、鋼が高温状態にある間に微細な黒鉛を析出す
る。また熱間加工によって導入された格子欠陥を多量残
存させることによって、その後の冷却中における黒鉛の
析出を容易ならしめる。しかし過度の高温に長時間保持
すると、その間に一旦析出した黒鉛は再溶解して、加工
後に得られる黒鉛粒の数が少なくなる。
【0078】鋼材の加熱温度が鋼の固相線温度TS −5
0℃を超えて高くなると、熱間延性が急激に低下し、鍛
造材に割れが発生したり圧延棒鋼に疵が発生したりす
る。そこで、加熱温度は固相線温度TS −50℃以下に
する必要がある。一方、加工時の加熱温度が800℃よ
り低い場合には、材料の変形抵抗が増大し、鍛造工具の
寿命は短くなる。また変形能が不足して鍛造割れの原因
となる。従って、鋼材の加熱温度は、800℃以上、鋼
の固相線温度−50℃以下の間の温度に限定する。
【0079】図1に、Fe−C−Si3元系成分におい
てSi=2%のときのFe−C系平衡状態図を示す。同
図中、S点の温度はA1 温度、E点の温度は共晶温度、
HE線は固相線温度を示す。これにより、固相線温度T
S の低下に及ぼすC含有率の影響を推定できる。但し、
同図は、Si=2%におけるFe−C2元系状態図であ
り、その他の成分は含まれていないので、HE線から本
発明鋼におけるSi含有率2%のときの固相線温度を厳
密に推定することはできない。しかし、固相線温度を実
用的に推定するには十分役立つ。同図中に斜線部で、こ
のような条件下での本発明におけるC含有率に対する加
熱温度領域を示す。
【0080】さて、鋼材の加熱温度を上記の通り決める
と、その上限は鋼の固相線温度(鋼を加熱したときに、
液相が出始める温度)TS によって左右される。この固
相線温度TS は、鋼の化学成分組成により定まり、C含
有率及びSi含有率が高くなると低下する。C及びSi
含有率が固相線温度TS に及ぼす影響は概ね下記式: TS (℃) =1420−250(C−0.5)−20S
i、 で表わされる。例えば、1.2%C−1.5%Si鋼の
固相線温度TS は上式より1215℃であるから、加熱
温度の上限はこれより50℃低い1165℃となる。こ
の温度を超えると熱間延性が急激に低下することにな
る。そして、熱間圧延棒鋼に疵が発生したり、熱間鍛造
品に割れが発生したりする。従って、上述したように、
加熱温度の上限は、鋼の固相線温度TS −50℃とす
る。
【0081】さて、通常の0.5%Cの中炭素鋼のTS
は1420℃程度であることを考慮すると、本発明に係
る鋼、例えば上記1.2%C−1.5%Si鋼のTS
約200℃低い。このことは200℃低い加熱温度で
も、従来の機械構造用鋼と同等の変形抵抗、変形能を有
することが示唆され、省エネルギーの面からも好ましい
鋼材ということができる。
【0082】(23)熱間加工後の冷却速度 熱間加工後の冷却速度は、黒鉛の析出、鋼の硬さに大き
な影響を及ぼす。冷却速度が小さいほど、黒鉛は析出し
やすく、その分地鉄中にパーライトとして析出するはず
の炭素が黒鉛として析出し、フェライトの量が増えるこ
とになるので、硬さが低下する。
【0083】熱間圧延鋼材においては、次工程における
熱間鍛造後の黒鉛の析出を容易ならしめるため、微小な
黒鉛核を生成させる必要がある。黒鉛粒は必ずしも大き
くする必要はないので、600℃までを3分以上の時間
をかけて冷却すればよい。
【0084】熱間鍛造粗形材の場合には、被削性を良好
ならしめるため、黒鉛粒を大きく成長させる必要があ
る。適当な大きさ及び量の黒鉛、並びに適当な硬さの粗
形材を得るには、少なくとも、600℃までを5分以上
の時間をかけて緩冷却する必要がある。黒鉛が最も析出
する温度は、800〜700℃の間であり、望ましくは
この温度域を5分以上かけてゆっくり冷却するのがよ
い。緩冷却を簡便に行なう方法としては、800℃以上
にある熱間鍛造粗形材をバケット等の徐冷用容器に投入
し、これらを積み重ねた状態で冷却すればよい。
【0085】上記のように、冷却した粗形材の被削性を
更に向上させたい場合には、粗形材を700〜1000
℃の間の温度に再加熱する。黒鉛は850℃付近までは
昇温中に析出する。これを超えると黒鉛の再溶解が起こ
るが、冷却中にまた再析出する。そこで、再加熱の温度
及び再加熱後の冷却速度は、目標とする黒鉛量や強度等
の機械的性質に応じて上記範囲内において適宜選択す
る。また、750〜850℃付近の温度域において、等
温保持によって黒鉛を析出させることも可能である。
【0086】(24)黒鉛の粒径 熱間圧延鋼材においては、前述の如く熱間鍛造後の黒鉛
の析出を容易ならしめるため、少なくとも、0.3μm
以上の微小な黒鉛核を生成させる必要がある。核は、
0.3μm以上あれば、析出核としての効果を有してい
るので十分である。
【0087】熱間鍛造粗形材においては、粗形材の被削
性を向上させるために、粒状に析出した黒鉛の平均粒径
が、0.5μm未満では、切削時に切り屑を小さく破砕
する効果が小さく、切削性改善への寄与は小さい。した
がって黒鉛の平均粒径は0.5μm以上とする。一方、
平均粒径の上限は特に限定しないが、30μmを超える
黒鉛が多数析出すると靱性低下の原因となるので30μ
m以下であることがが望ましい。なお、本発明における
黒鉛の形状は、一般的に塊状と表現されるものである
が、球状、粒状あるいは楕円体状であってもよく、平均
的な長さ/厚み比が5以下ならば特に差し支えはない。
【0088】(25)黒鉛の数 熱間圧延鋼材においては、次工程における熱間鍛造後に
十分な数の黒鉛を得るため、少なくとも、100個/m
2 以上の黒鉛を必要とする。
【0089】熱間鍛造粗形材においては、被削性を向上
させて、切り屑を小さく分断するためには、50個/m
2 以上の黒鉛を必要とする。黒鉛の数は黒鉛の大きさ
に左右され、粒が大きくなれば少なくなり、小さくなれ
ば多くなる。本発明では、10〜25μmの径の黒鉛が
析出する場合、その数は凡そ50〜1000個/mm2
の間であるが、0.3〜5μmの径の黒鉛が析出する場
合には、その数は凡そ3000〜50000個/mm2
に達する。
【0090】(26)ブリネル硬さ 熱間圧延鋼材のブリネル硬さが、380より高い場合に
は、熱間鍛造後においても、被削性が良好な程度にまで
軟化した粗形材を得ることが困難になる。また、圧延終
了後に鋼材の圧延両端が裂けて割れたするので、熱間圧
延鋼材のブリネル硬さは、380以下とする。
【0091】また、粗形材のブリネル硬さが350より
高い場合には、機械加工工具の寿命が短くなり、工具の
取り替え累計時間が長くなること、工具代がかさむこと
等、コストアップの原因となる。従って、望ましくはブ
リネル硬さ290未満の硬さの粗形材がよい。そのため
には、800℃以上の温度にある粗形材を徐冷用容器に
装入して、600℃までを20分以上かけて緩冷却する
ことによって、黒鉛の析出を促進すると共に、地鉄中の
パーライトの量を減らして、硬さを低下させる。硬さを
更に低下させたい場合には、700〜1000℃の間の
温度に再加熱して、黒鉛を析出し、硬さを低下させる。
これにより被削性を更に改善する。
【0092】以上のようにして調製した粗形材に、外周
切削、穴明け等の機械加工をして、所望の形状に仕上げ
て部品材を作る。こうして得られた部品材に、オーステ
ンパー等の各種熱処理や、フィレットロール加工等の表
層部の塑性歪み付与処理を施して、機械的性質及び耐疲
労性を向上させる。以下、この発明において部品材に施
す、熱処理条件及び表層部の塑性歪み付与処理条件の限
定理由を説明する。
【0093】(27)部品材の熱処理条件 オーステンパーは通常、800〜1000℃に無酸化雰
囲気中で0.5〜2hr加熱してオーステナイト化する
熱処理である。オーステナイト化温度が低い場合には、
多量の黒鉛が析出するため、即ち地鉄中の炭素量が少な
くなるため、強度が低くなる。逆に、オーステナイト化
温度が高い場合には、析出した黒鉛が再溶解するので、
地鉄中の炭素量が多くなって、伸び、絞り及び衝撃値が
低くなる。従って、適切なオーステナイト化温度を選定
することが重要である。
【0094】オーステナイト化した部品材は、これが球
状黒鉛鋳鉄の場合は通常、200〜450℃の塩浴に投
入して急冷し、ベイナイトに変態させる、いわゆるオー
ステンパー処理を行なう。オーステンパー処理により、
その部品材は、変態温度が低いことと炭素含有率が高い
こととにより、残留オーステナイトが多量残存したベイ
ナイト組織になる。そのとき、塩浴温度が低いと、引張
強さは高くなるが、伸び、絞り及び衝撃値が低くなり、
逆に、塩浴温度が高いと、引張強さが低くなり、伸び、
絞り及び衝撃値が向上する。従って、製造対象とする部
品に応じて、塩浴温度を選択する。例えば、ギア、カム
シャフトといった部品は、耐摩耗性と高い硬さを必要と
するので、250℃程度の低めの温度で処理する。クラ
ンクシャフトやコンロッドといった部品は、高い伸びと
衝撃値が要求されるので、380℃程度の高めの温度で
処理する。
【0095】しかしながら、この発明においては熱間加
工を加えるので、化学成分組成が本発明に係る鋼を用い
ると、結晶粒が鋳鉄より細かくなり、このため引張強さ
が200N/mm2 程度だけ高くなる。従って、本発明
に係る鋼を用いて鋳鉄並みの引張強さを得ようとする場
合には、塩浴温度を鋳鉄の場合よりも高める必要があ
る。塩浴温度を鋳鉄並みにすれば、鋳鉄より高い引張強
さが得られる。従って、塩浴温度は200〜600℃の
間とする。450〜600℃の間では微細なパーライト
組織が得られ、延性、靱性も良好なものとなる。またパ
ーライト変態はベイナイト変態より高温で起こるので、
変態完了までの時間が短く、塩浴投入後10分程度で完
了するので、経済的である。なお450〜600℃に急
冷して、微細パーライトを得る熱処理は本来、パテンテ
ィングと呼ぶべきものであり、これと、200〜450
℃の塩浴で処理されるオーステンパーとを総称して、本
明細書では「等温変態処理」と呼ぶことにした(請求項
8参照)。
【0096】また、以上の等温変態処理は通常、塩浴を
用いて行なわれるが、所望の金属組織、機械的性質を得
るのが目的であるから、鉛浴や流動層炉を用いてもなん
ら差し支えない。その冷却能力から、鉛浴の場合には塩
浴より約50℃温度を高める必要があるし、流動層炉の
場合には、流動砂の大きさに合わせて温度を選択せねば
ならないが、約100℃低めに設定する必要がある。従
って、この発明において部品材に施す熱処理としての等
温変態処理においては、オーステンパーにおけるオース
テナイト化後の急冷は、100〜600℃の間の恒温槽
に入れて行なう必要がある。
【0097】更に、上記等温変態処理をした鋼にフィレ
ットロール加工、ショットピーニングを施すと、圧縮残
留応力が付与されて、疲労強度、耐摩耗性を大きく高め
ることができる。
【0098】(28)部品材の軟窒化、焼入れ焼戻し、
高周波焼入れ、フィレットロール加工、ショットピーニ
ングの条件 軟窒化条件 部品材の軟窒化の代表処理法としては、RXガスとNH
3 ガスを1:1で調整したガスにより400〜600℃
の間の温度の炉に2〜5hr保持して行なう。これによ
り表面にビッカース硬さ600〜700の硬い化合物層
を形成させて、疲労強度を高めることができる。
【0099】焼入れ焼戻し条件 部品材のは、部品に高い強度と延性、靱性を持たせるた
めに行なう。一般的には、850〜950℃の間でオー
ステナイト化し、400〜650℃の間の温度で焼戻す
ことにより、焼戻しマルテンサイトを得る。
【0100】高周波焼入れ条件 部品材の高周波焼入れは、部品の一部を局部的に高周波
加熱してオーステナイト化し、その後急冷してマルテン
サイトを得る。これによって疲労強度を高めることがで
きる。焼入れ後通常は、150〜200℃の間で焼戻し
て、残留歪みを開放して、部品が使用中に割れたり変形
するのを防ぐ。
【0101】フィレットロール加工条件 部品材のフィレットロール加工は、繰り返し曲げ応力を
受けるような部品の軸部にローラーを押し当てて、表層
部に加工歪みを加え、これによって圧縮残留応力を付与
して、疲労強度を向上させる。機械加工後の部品にフィ
レットロール加工を加えても十分効果はあるが、特に4
00℃以下の低温オーステンパー処理後にこれをおこな
うと、残留オーステナイトがマルテンサイトに変態して
大きい残留応力を付与するとができる。また、フィレッ
トロール加工を、軟窒化材、焼入れ焼戻し材、あるいは
高周波焼入れ材に行なっても効果がある。
【0102】ショットピーニング条件 部品材のショットピーニングは、1mm程度のショット
粒を部品材表面に吹きつけて、表層部に加工歪みを加
え、これによって圧縮残留応力を付与して、疲労強度を
向上させるものである。フィレットロールと同じく、機
械加工後の部品にショットピーニングを行っても十分効
果はあるが、ショットピーニングをオーステンパー、軟
窒化、焼入れ焼戻し、高周波焼入れ処理後に行なっても
大きな効果を発揮する。
【0103】
【実施例】次に、この発明を実施例によって更に詳細に
説明する。表1、表2及び表3に、試験に用いた供試材
の化学成分組成、黒鉛化指数CE、及び固相線温度Ts
−50℃の値を示す。なお、この明細書においては、黒
鉛化指数CEの値も含めた化学成分組成に注目した場合
に、本発明の範囲内の鋼であるものを、「本発明鋼」と
称し、本発明鋼以外の鋼を、「比較鋼」と称する。但
し、比較鋼の内、公知のものは「従来鋼」と称する。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】表1の鋼No.1〜24の化学成分組成は全
て、少なくとも請求項1に記載の本発明の範囲内の鋼の
化学成分組成に該当する本発明鋼であり、また、鋼No.
25は従来の球状黒鉛鋳鉄、鋼No.26は従来のSCM
822、鋼No.27はS48CにVとPbを添加した従
来の非調質鋼、そして鋼No.28は従来のS50Cの化
学成分組成に該当する従来鋼である。
【0108】表2の鋼No.29〜52の化学成分組成は
全て、少なくとも請求項2に記載の本発明の範囲内の鋼
の化学成分組成に該当し、表3の鋼No.53〜74の化
学成分組成は全て、本発明の範囲外の化学成分組成であ
り、比較鋼である。これらの成分の供試材を130トン
電気炉により溶製後、連続鋳造又は造塊法により鋳片又
は鋼塊に鋳造した。
【0109】鋳片又は鋼塊を鋳造した後、下記4通りの
工程を経て熱間鍛造ラインへ装入した。 工程:連続鋳造による350×400mm断面寸法の
鋳片は、多くのものは分塊圧延により断面寸法160m
m角のビレットにした後、鋼片加熱炉にて加熱後、45
mmφ、及び98mmφ熱間圧延棒鋼を製造し、これを
熱間鍛造ラインに装入した。但し、一部の鋳片について
は、 工程:分塊圧延により90mm角の熱間圧延ビレット
にした後、これを棒鋼にせず、直接、熱間鍛造ラインに
装入した試験、及び、 工程:連続鋳造による200mm角の小断面鋳片の場
合に分塊圧延せずに、鋼片加熱炉にて加熱後、直接、4
5mmφ、及び98mmφ熱間圧延棒鋼を製造し、これ
を熱間鍛造ラインに装入した試験を行なった。 工程:鋼塊は、全て分塊圧延により断面寸法160m
m角のビレットにした後、鋼片加熱炉にて加熱後、45
mmφ及び98mmφ熱間圧延棒鋼を製造し、これを熱
間鍛造ラインに装入した。
【0110】工程、及びによる45mm圧延棒鋼
は、次の試験1に、工程、及びによる98mm圧
延棒鋼、並びに工程による90mm角ビレットは試験
2に供した。
【0111】〔試験1〕表1の鋼No.1〜24及び2
6、表2の鋼No.29〜52、表3の鋼No.53〜74
の45mmφ熱間圧延棒鋼を800℃〜TS −50℃の
間の温度に加熱して、熱間鍛造により自動車デファレン
シャル装置のサイドギア(傘歯車)を製造した。また、
鋼No.25の従来黒鉛鋳鉄はサイドギアに直接鋳造し
た。サイドギアの形状・諸元は、外径56.5mmφ、
内径16mmφ、歯数10、モジュール4.770、圧
力角22°30′である。
【0112】熱間鍛造で製造されたギアをコンベアで搬
送する際に、コンベアを低速送りにして各々の粗形材が
積み重なる用にして冷却した。その後バケット内で徐冷
した。600℃までの冷却時間は35分であった。次い
で、室温まで冷却された粗形材を、目視で割れの有無を
チェックし、顕微鏡により黒鉛の析出状態を試験し、硬
さ計により表面のブリネル硬さを測定した。その後、ホ
ブ盤により歯切り加工を行い、歯車形状に仕上げて、そ
の時の切り屑処理性を判定した。
【0113】図2により、切り屑処理性の判定方法を説
明する。切り屑が2巻き以下で分断しているものを良好
としてランク1、切り屑が3〜6巻で分断しているもの
を普通としてランク2、そして、切り屑が8巻以上につ
ながっているものを劣るとしてランク3と位置づけた。
【0114】歯車に対しては、この後でオーステンパー
を始めとする種々の熱処理、あるいは表面硬化処理が施
され、疲労試験機により歯車の疲労強度を試験した。表
4、表6におけるオーステンパー条件は、900℃×1
hr加熱後、130℃×3Hr流動槽内での保持、軟窒
化処理はRXガス:NH3 ガス=1:1のガス中で55
0℃×3hrの処理、焼入れ焼戻しは850℃×1hr
加熱、油焼入れ、550℃×2Hrの焼戻しの各処理を
行った。また、表5におけるオーステンパー条件は95
0℃×1hr加熱後、280℃×1Hr塩浴での浸漬、
軟窒化処理はRXガス:NH3 ガス=1:1のガス中で
480℃×5hrの処理、焼入れ焼戻しは900℃×1
hr加熱、油焼入れ、620℃×1Hrの焼戻しの各処
理を行った。
【0115】表4、5及び6に、上記試験結果を示す。
【0116】
【表4】
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】
【0119】本発明の範囲内の試験である実施例1〜2
2、及び29〜50は、化学成分、圧延加熱温度共に適
正であり、粗形材に割れの発生はなく、黒鉛粒の大きさ
も0.5〜25μmの間となっており、黒鉛粒の数も十
分多い。このため切り屑は、全て2巻以下に小さく分断
した良好な形状を呈していた。また、表には記載してい
ないが、金属組織はパーライト単相ないしフェライト+
パーライトの組織になっていた。オーステンパー等の処
理後の歯車疲労強度もいずれも400N/mm2 以上と高
く、良好なものであった。
【0120】これに対して、比較例23、24、51及
び52は化学成分は本発明の範囲内であるが、鍛造加熱
温度が本発明の範囲外であったために、粗形材に割れが
発生した。また、比較例25の従来鋳鉄を用いた試験で
は、鋳造品の表面に0.10mmの気泡を有しており、
オーステンパーを施したギアの疲労強度も330N/m
2 と低いものであった。これは、鋳込ままであるため
結晶粒が粗いこともその一因と考えられる。
【0121】また、比較例26の従来SCM822を用
いた試験では、疲労強度は460N/mm2 と良好であ
るが、黒鉛や鉛を含有しないため、切り屑がつながり、
機械を停止して切り屑を除去する必要があった。
【0122】図3に、疲労試験結果の詳細例を、実施例
1、5、33及び49、並びに、比較例28及び25
(従来の球状黒鉛鋳鉄)について示す。以下に比較例に
ついての試験結果を述べる。
【0123】●比較例53は、C量が本発明の範囲を外
れて低く、このため黒鉛の析出は見られなかった。●比
較例54は、逆にCが本発明の範囲を外れて高く、熱間
延性が不足して、棒鋼に割れが発生した。●比較例55
は、Mn=0.35%とやや高めであるにもかかわら
ず、Si=0.80%未満であったために、黒鉛指数C
Eが小さくなり、黒鉛の析出は見られず、切り屑が長く
つながってしまった。このため機械を停止して切り屑を
除去する必要があった。●比較例56は、Siが本発明
の範囲を外れて高く、このため熱間延性が不足して、棒
鋼に割れが生じた。●比較例57は、Mnが2.0%を
超えて高いにもかかわらず、Siが1.0%未満であっ
たために、CEが小さく、黒鉛の析出はみられなかっ
た。●比較例58は、Mnのみが2.0%を超えたもの
であるが、やはりCEが小さく黒鉛の析出はみられなか
った。●比較例59は、Pが本発明より高く、熱間延性
不足で、粗形材に割れが発生した。●比較例60は、S
が本発明の範囲より高く、熱間延性不足で、粗形材に割
れが発生した。●比較例61は、Cuが本発明の範囲よ
り高く、熱間延性不足で、粗形材に割れが発生した。●
比較例62は、Niが本発明の範囲より高く、延性不足
で、粗形材に割れが発生した。●比較例63は、Crが
本発明の範囲より高く、このため熱間延性が不足して、
粗形材に割れが生じた。●比較例64は、Mo及びAl
が本発明の範囲より高く、やはり粗形材に割れが生じ
た。●比較例65は、B、Nが本発明の範囲より高く、
多量のBNが析出して延性不足から割れが生じた。●比
較例66は、Co、Tiが本発明より高く、また比較例
77はZrが、比較例78はVが、比較例69はNb
が、いずれも本発明の範囲より高く、このため延性不足
で割れが生じてしまった。●比較例70はCaが、比較
例71はMgが、比較例72はREMが、本発明の範囲
より高く、このため酸化物系介在物を多量に巻き込み、
これが棒鋼に圧延疵として残存し、これが原因で、粗形
材に割れが発生してしまった。●比較例73及びNo.7
4は、化学成分は本発明の範囲内であるが、CEが本発
明の範囲より低いため、黒鉛の析出はみられなかった。
【0124】更に、本発明鋼の化学成分を持つ鋼材(本
発明鋼)を熱間鍛造して粗形材を作った場合に、粗径材
の硬さに及ぼす熱間鍛造後の冷却速度の影響について試
験した。
【0125】試験方法は、熱間鍛造後の粗形材を種々の
冷却速度で冷却し、またミクロ組織を観察した。即ち、
約950℃で鍛造終了した下記鋼No.の粗形材を、衝風
冷却(800℃から600℃に低下するまでの所要冷却
時間=1.5分)、単品放冷(同=3分)、コンベア上
で5個ずつ積み重ねた冷却(同=6分)、鍛造後バケッ
ト内冷却(同=20分)、及び、バケットに蓋をした徐
冷(同=35分)を行った。
【0126】図4に、本発明鋼No.1、5、33及び4
9のそれぞれについて、粗形材に熱間鍛造後の冷却速度
に対する硬さの変化を示す。どの実施例においても、6
分以上の時間で800℃から600℃まで冷却した場合
には、ブリネル硬さ350以下が得られている。
【0127】図5には、上記試験における図4の鋼No.
5の冷却時間=4分(単品放冷材)の場合、そして図6
には、同鋼No.5の冷却時間=90分(蓋付きバケット
冷却材)の場合のミクロ組織を示す。単品放冷材では、
黒鉛の析出が小さく、粒界付近にわずかのフェライトが
みられるのみであるが、90分冷却材には粒界に黒鉛が
析出、成長し、これに伴い、粒界付近のフェライトが成
長して、パーライトを浸食した様子が伺える。即ち、図
5及び6より、フェライト量の増大につれて硬さが低下
していることがわかる。
【0128】また、本発明鋼の化学成分を持つ粗形材の
硬さに及ぼす再加熱効果の試験を行なった。試験方法
は、熱間鍛造後冷却された粗形材を再加熱して、ブリネ
ル硬さ及びミクロ組織の変化を試験した。
【0129】図7に、本発明鋼の鋼No.1、5、33及
び49のそれぞれについて、1050℃に加熱して熱間
鍛造後、600℃までを6分で冷却し、次いで再加熱し
た場合の粗形材の硬さに及ぼす加熱温度の影響を示す。
再加熱は各温度に1時間保持した後放冷した。700〜
1000℃の間に加熱することにより硬さが低下するこ
とが判る。
【0130】図8には、上記試験における図7の鋼No.
5で焼きならし温度が850℃の場合のミクロ組織を、
また、図9には、同じく図7の鋼No.33で焼きならし
温度が850℃の場合のミクロ組織を示す。析出黒鉛を
中心にフェライトが形成されている。
【0131】上記850℃処理した鋼No.5及び33鋼
を機械加工して、サイドギアに仕上げ、その後900℃
×1hr加熱後、500℃×25分塩浴浸漬の等温変態
処理を行ない、更にショットピーニングを施した。いず
れのサイドギアでも歯切りにおける工具摩耗も小さく、
切り屑処理性に優れたものであった。また、歯車疲労強
度もそれぞれ、480及び500N/mm2 と良好なも
のであった。
【0132】〔試験2〕表1に示した鋼No.1〜22の
本発明鋼、及び鋼No.27、28の比較鋼、並びに表2
に示した鋼No.29〜50の本発明鋼の、ぞれぞれの工
程、及びにより製造した98mmφ熱間圧延棒
鋼、及び工程により製造した90mm角圧延ビレット
を用いて、熱間鍛造により自動車のクランクシャフトに
鍛造した。また従来の黒鉛鋳鉄である鋼No.25につい
ては、クランクシャフトに直接鋳造した。
【0133】熱間鍛造後、本発明の実施例については粗
形材としての上記クランクシャフトをバケットに投入し
て600℃に下がるまで25分で冷却した。また、従来
非調質鋼である鋼No.27及び従来SC材である鋼No.
28は、鍛造後衝風冷却した。これらの鍛造品、鋳造品
に対して、外周を切削した後、油穴として小径深穴ドリ
ルで3mm径の穴を明けて、切り屑処理性の試験をし
た。機械加工後のクランクシャフトにオーステンパーを
始めとする種々の処理を施した後、曲げ疲労試験に供し
た。
【0134】表7、表8に、実施例101〜122、比
較例125、127及び128、並びに実施例129〜
150の試験条件及び試験結果を示す。
【0135】
【表7】
【0136】
【表8】
【0137】オーステンパー条件は900℃×1hr加
熱後、450℃×30分鉛浴での浸漬、軟窒化処理はR
Xガス:NH3 ガス=1:1のガス中で550℃×5h
rの処理、そして、焼入れ焼戻し処理は900℃×1h
r加熱、油焼入れ、580℃×1.5Hrの焼戻しの各
処理を行った。
【0138】本発明の実施例では、粗形材に割れもな
く、黒鉛の十分な析出があり、硬さも低く、切り屑処理
性も良好であり、また疲労強度も380N/mm2 を超
える高いものであった。
【0139】これに対して比較例では、従来鋳鉄を用い
た比較例125では、疲労強度が325N/mm2 と低
い。また、従来調質鋼を用いた比較例127では、鉛を
含有しているため、切り屑処理性については良好で、ま
た疲労強度も高いものであった。一方、鉛を含有しない
従来SC材を用いた比較例128では、切り屑処理性が
劣り、ドリル折損が頻発した。
【0140】次に、表9に、本発明の範囲内の試験であ
る実施例1、102、103、105〜107、11
1、113、114、18、120〜122、132、
36、137、138、140、43、144、14
5、147及び150の中間段階で製造された熱間圧延
棒鋼、又は熱間圧延ビレットの製造工程の種別(数字で
記載した)及び加熱温度その他の製造条件を示す。ま
た、上記で製造された熱間圧延棒鋼、又は熱間圧延ビレ
ットの性状試験結果(割れ、黒鉛分布及び硬さ)を併記
した。但し、上記において熱間圧延ビレットの製造工程
の種別は、の場合に限る。上記実施例の中間段階で製
造された熱間圧延棒鋼、又は熱間圧延ビレットはいずれ
も、請求項15〜19に記載した本発明品に該当する。
なお、表9には、比較試験例として比較例151につい
ての試験条件及び結果を併記した。
【0141】
【表9】
【0142】なお、これらの熱間圧延棒鋼、又は熱間圧
延ビレットを用いて、コネクチングロッド、ナックルス
ピンドル、カムシャフト、トランスミッションギア、エ
ンジンギア、デファレンシャルドライブギア、ピニオン
ギア及びシャフトギア等、各種の部材の製造試験を行な
った。その結果、全ての実施例において、被削性良好
で、疲労特性、摩耗特性及び機械的性質にすぐれた部材
を製造することができた。
【0143】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
無鉛で被削性に優れた快削鋼部品の製造が可能であり、
被削性は鉛快削鋼や球状黒鉛鋳鉄と同等であり、またそ
の材質特性は、従来の球状黒鉛鋳鉄を上回り、鋼製品と
同等の疲労強度を有している。このような熱間鍛造鋼部
品の製造方法及びその鋼部品、並びに、それに用いる熱
間圧延鋼材を提供することができ、工業上有用な効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2.0%Siを含有するときのFe−C系状態
図により、本発明鋼のC%と熱間鍛造加熱温度の本発明
範囲との関係を説明する図である。
【図2】部品材切削時の切り屑処理性のランクと切り屑
形態との対応関係を説明する図である。
【図3】実施例及び比較例における歯車の疲労試験結果
の一例を示すグラフである。
【図4】本発明鋼の成分組成の粗形材の硬さに及ぼす熱
間鍛造後の冷却速度の影響を示すグラフである。
【図5】比較例において、粗形材に熱間鍛造した後の冷
却を単品放冷した場合の金属組織を示す図(倍率×60
0)である。
【図6】実施例において、粗形材に熱間鍛造した後の冷
却を蓋付きバケットで徐冷した場合の金属組織を示す図
(倍率×600)である。
【図7】本発明鋼の成分組成の粗形材の、再加熱温度が
硬さに及ぼす影響を示すグラフである。
【図8】鋼No.5の鍛造後、単品放冷材を850℃に再
加熱した時の金属組織を示す図(倍率×600)であ
る。
【図9】鋼No.33の鍛造後、単品放冷材を850℃に
再加熱した時の金属組織(倍率×600)を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/52 C22C 38/52

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.80〜1.50%、 Si:0.50〜2.80%、 Mn:0.01〜0.30%未満、 P :0.050%以下、 S :0.10%以下、 Al:0.001〜0.100%、 O :0.0050%以下、及び、 N :0.015%以下 を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる化学成分
    を有し、下記(1)式で求められる黒鉛化指数CEが
    1.30以上である熱間圧延鋼材を、800℃以上、当
    該熱間圧延鋼材の固相線温度−50℃以下の間の温度に
    加熱し、熱間鍛造し、こうして得られた熱間鍛造鋼材を
    その温度が600℃になるまで5分以上の時間をかけて
    緩冷却し、そして室温まで冷却して、平均粒径0.5μ
    m以上の黒鉛を50個/mm2 以上有し、且つブリネル
    硬さが350未満である粗形材に加工し、こうして得ら
    れた前記粗形材を機械加工により部品形状に仕上げ、次
    いで、得られた前記部品材に熱処理又は/及び表層部の
    加工硬化処理を施すことを特徴とする、被削性に優れた
    熱間鍛造鋼部品の製造方法。 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 --------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.80〜1.50%、 Si:0.80〜2.80%、 Mn:0.30〜2.0%、 P :0.050%以下、 S :0.10%以下、 Al:0.001〜0.100%、 O :0.0050%以下、及び、 N :0.015%以下 を含有し、残部鉄Fe及び不可避不純物からなる化学成
    分を有し、下記(1)式で求められる黒鉛化指数CEが
    1.30以上である熱間圧延鋼材を800℃以上、当該
    熱間圧延鋼材の固相線温度−50℃以下の間の温度に加
    熱し、熱間鍛造し、こうして得られた熱間鍛造鋼材をそ
    の温度が600℃以下になるまで5分以上の時間をかけ
    て緩冷却し、そして室温まで冷却して、平均粒径0.5
    μm以上の黒鉛を50個/mm2 以上有し、且つブリネ
    ル硬さが350以下である粗形材に加工し、こうして得
    られた前記粗形材を機械加工により部品形状に仕上げ、
    次いで得られた前記部品材に熱処理又は/及び表層部の
    加工硬化処理を施すことを特徴とする、被削性に優れた
    熱間鍛造鋼部品の製造方法。 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 ------------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発明において、
    前記熱間圧延鋼材の化学成分組成に、下記6種の化学成
    分組成からなる群から選ばれた少なくとも1種が、更に
    付加されて含まれており、重量%で、 Cu:0.01〜2.0%、 Ni:0.01〜2.0%、 Co:0.01〜0.50%、 Cr:0.01〜1.0%、 Mo:0.01〜0.50%、及び、 B :0.0005〜0.010%、 そして、前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記
    (2)式を用いることを特徴とする、被削性に優れた熱
    間鍛造鋼部品の製造方法。 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6+Cu/9+Ni/9+Co/9 −Cr/9−Mo/9+B ------------------(2) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の発明のいずれかに
    おいて、前記熱間圧延鋼材の化学成分組成に、下記4種
    の化学成分組成からなる群から選ばれた少なくとも1種
    が、更に付加されて含まれており、重量%で、 Ti:0.005〜0.10%、 Zr:0.005〜0.10%、 V:0.01〜0.30%、及び、 Nb:0.01〜0.30%、 そして、前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記
    (3)式を用いることを特徴とする、被削性に優れた熱
    間鍛造鋼部品の製造方法。 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の発明のいずれかに
    おいて、前記熱間圧延鋼材の化学成分組成に、下記3種
    の化学成分組成からなる群から選ばれた少なくとも1種
    が、更に付加されて含まれており、重量%で、 Ca:0.0010〜0.0100%、 Mg:0.0010〜0.10%、及び、 REM:0.0010〜0.10、 そして、前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記
    (3)式を用いることを特徴とする、被削性に優れた熱
    間鍛造鋼部品の製造方法。 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 +0.07 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  6. 【請求項6】 前記熱間鍛造及び前記冷却方法として、
    熱間圧延鋼材の熱間鍛造を800℃超えの温度で終了
    し、こうして得られた熱間鍛造鋼材を800℃以上の温
    度で徐冷用容器に投入して、その温度が600℃以下に
    なるまで10分以上の時間をかけて緩冷却し、そして室
    温まで冷却し、そして、 前記粗形材のブリネル硬さが290未満となるようにす
    ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の
    被削性に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粗形材を機械加工する前に、当該粗
    形材に対して700〜1000℃の間の温度に再加熱し
    て、黒鉛析出処理を行なうことを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれかに記載の被削性に優れた熱間鍛造鋼部品
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記部品材に施す熱処理として、800
    〜1000℃の間でオーステナイト化した後、100〜
    600℃の間の恒温槽に入れて急冷し、残留オーステナ
    イトを含む、ベイナイト、パーライト又はベイナイト+
    パーライトの混合組織にする等温変態処理を行なうこと
    を特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の被削性
    に優れた熱間鍛造鋼部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記部品材に施す熱処理として、400
    〜600℃の間で軟窒化処理を行なうことを特徴とす
    る、請求項1〜7のいずれかに記載の被削性に優れた熱
    間鍛造鋼部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記部品材に施す熱処理として、80
    0〜1000℃の間でオーステナイト化した後焼入れ、
    400〜650℃の間で焼戻しを行なうことを特徴とす
    る、請求項1〜7のいずれかに記載の被削性に優れた熱
    間鍛造鋼部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記部品材に施す熱処理を、高周波焼
    入れ焼戻しで行なうことを特徴とする、請求項1〜7の
    いずれかに記載の被削性に優れた熱間鍛造鋼部品の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記部品材に施す前記表層部の加工硬
    化処理を、フィレットロール加工で行なうことを特徴と
    する、請求項1〜11のいずれかに記載の被削性に優れ
    た熱間鍛造鋼部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記部品材に施す前記表層部の加工硬
    化処理を、ショットピーニングで行なうことを特徴とす
    る、請求項1〜11のいずれかに記載の被削性に優れた
    熱間鍛造鋼部品の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載の方法
    で製造されたことを特徴とする、被削性に優れた熱間鍛
    造鋼部品。
  15. 【請求項15】 重量%で、 C :0.80〜1.50%、 Si:0.50〜2.80%、 Mn:0.01〜0.30%未満、 P :0.050%以下、 S :0.10%以下、 Al:0.001〜0.100%、 O :0.0050%以下、及び N :0.015%以下 を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる化学成分
    を有し、且つ、 下記(1)式で求められる黒鉛化指数CEが1.30以
    上である熱間圧延用素材を、 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 --------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。8
    00℃以上、当該熱間圧延用素材の固相線温度−50℃
    以下の間の温度に加熱し、棒鋼に熱間圧延し、 こうして得られた熱間圧延鋼材をその温度が600℃に
    なるまで3分以上の時間をかけて緩冷却し、そして室温
    まで冷却して、 得られた棒鋼の黒鉛分布が平均粒径0.3μm以上のも
    のが100個/mm2以上であり、且つそのブリネル硬
    さが380以下であることを特徴とする、請求項14に
    記載された熱間鍛造鋼部品の素材として用いる被削性に
    優れた熱間圧延鋼材。
  16. 【請求項16】 重量%で、 C :0.80〜1.50%、 Si:0.80〜2.80%、 Mn:0.30〜2.0%、 P :0.050%以下、 S :0.10%以下、 Al:0.001〜0.100%、 O :0.0050%以下、及び、 N :0.015%以下 を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる化学成分
    を有し、且つ、 下記(1)式で求められる黒鉛化指数CEが1.30
    以上である熱間圧延用素材を、 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6 --------------(1) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。8
    00℃以上、当該熱間圧延用素材の固相線温度−50℃
    以下の間の温度に加熱し、熱間圧延し、 こうして得られた熱間圧延鋼材をその温度が600℃に
    なるまで3分以上の時間をかけて緩冷却し、そして室温
    まで冷却して、 得られた棒鋼の黒鉛分布が平均粒径0.3μm以上のも
    のが100個/mm2以上であり、且つそのブリネル硬
    さが380以下であることを特徴とする、請求項14に
    記載された熱間鍛造鋼部品の素材として用いられる、被
    削性に優れた熱間圧延鋼材。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16に記載の発明にお
    いて、前記鋼片の化学成分組成に、下記6種の化学成分
    組成からなる群から選ばれた少なくとも1種が、更に付
    加されて含まれており、重量%で、 Cu:0.01〜2.0%、 Ni:0.01〜2.0%、 Co:0.01〜0.50%、 Cr:0.01〜1.0%、 Mo:0.01〜0.50%、及び、 B :0.0005〜0.010%、 そして、 前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記(2)式を
    用いることを特徴とする、請求項14に記載された熱間
    鍛造鋼部品の素材として用いられる、被削性に優れた熱
    間圧延鋼材。 CE=C+Si/3−Mn/12+Al/6+Cu/9+Ni/9+Co/9 −Cr/9−Mo/9+B ------------------(2) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  18. 【請求項18】 請求項15〜17に記載の発明のいず
    れかにおいて、前記熱間圧延用素材の化学成分組成に、
    下記4種の化学成分組成からなる群から選ばれた少なく
    とも1種が、更に付加されて含まれており、重量%で、 Ti:0.005〜0.10%、 Zr:0.005〜0.10%、 V:0.01〜0.30%、及び、 Nb:0.01〜0.30%、 そして、 前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記(3)式を
    用いることを特徴とする、請求項14に記載された熱間
    鍛造鋼部品の素材として用いられる、被削性に優れた熱
    間圧延鋼材。 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
  19. 【請求項19】 請求項15〜18に記載の発明のいず
    れかにおいて、前記熱間圧延用素材の化学成分組成に、
    下記3種の化学成分組成からなる群から選ばれた少なく
    とも1種が、更に付加されて含まれており、重量%で、 Ca:0.0010〜0.0100%、 Mg:0.0010〜0.10%、及び、 REM:0.0010〜0.10、 そして、 前記黒鉛化指数のCEの算出式として、下記(3)式を
    用いることを特徴とする、請求項14に記載された熱間
    鍛造鋼部品の素材として用いられる、被削性に優れた熱
    間圧延鋼材。 CE=C+Si/3+Cu/9+Ni/9+Co/9−Mn/12−Cr/9 −Mo/9+B+Al/6+Ti/3+Zr/3−V/3−Nb/3 +0.07 ------------------(3) 但し、上式中の元素記号は各元素の重量%を表わす。
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