JPH11348960A

JPH11348960A - 樹脂製容器

Info

Publication number: JPH11348960A
Application number: JP15574298A
Authority: JP
Inventors: Noriyuki Sakamoto; 敬之坂本; Shuichi Hirabayashi; 秀一平林
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1998-06-04
Filing date: 1998-06-04
Publication date: 1999-12-21

Abstract

(57)【要約】【課題】薄肉樹脂で容器を形成しラベルを固着したもの
であって、容器の強度を保持・向上でき、かつ、外観品
質の向上が図れる樹脂製容器を提供する。【解決手段】容器１０は、強度の向上を図るため、胴
部１６表面にリブ２０を設けて補強する樹脂製薄肉ボト
ルであり、胴部１６のリブ２０形成箇所は、凸部２２と
凹部とを交互に形成したものにして該凸部２２、２２…
表面同士を繋いで概略矩形のラベル１４を接着して（接
着部２６）固着し、リブ２０の凹んだ部分とラベル１４
との間に柱状空間２４を形成し、強度を高めている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用洗剤、住居
用洗剤、漂白剤、台所洗剤、シャンプーリンス、あるい
は、ボディーソープ等の香粧品や食品等が充填された樹
脂製容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】各種の香粧品や洗剤等の製品を充填する
樹脂製容器に、環境対応容器として、樹脂量が少なく薄
いボトルが導入されている。例えば、詰め替え用の洗剤
容器として、容量５２０（ミリリットル：ｍＬ）のもの
で樹脂量１２．５ｇ（２．４ｇ／１００ｍＬ）、胴部肉
厚０．２〜０．３ｍｍ、ＰＰ（ポリプロピレン）製のも
のや、汎用品として容量５５０ｍＬのもので樹脂量４
４．０ｇ（８．０ｇ／１００ｍＬ）、胴部肉厚０．７〜
１．２ｍｍ、ＰＥ（ポリエチレン）製のもの、容量６７
０ｍＬのもので樹脂量４５．０ｇ（６．７ｇ／１００ｍ
Ｌ）、胴部肉厚０．７〜１．１ｍｍ、ＰＥ製などのもの
がある。

【０００３】しかしながら、樹脂量を削減して行くと強
度（１．落下強度、２．大気圧による内容物の加圧・減
圧強度、３．内容物の酸素吸収による減圧強度、４．内
容物の分解による加圧強度、５．ポンプ等のポンピング
加圧・減圧強度、６．ボトルスクゥイズ排出による加圧
・復元強度、７．積み上げ時の圧縮強度、８．充填時の
圧縮強度、等）が低下するため、ボトル表面にリブ（横
タイプ、縦タイプ、波形タイプの凹凸リブ）を設け補強
することで強度を保持している容器が開発されている。

【０００４】また、この容器で使用されるラベル、印刷
等の意匠は、樹脂量を少なくして成形した容器の場合、
ボトルの強度が低下しているため、全てがボトルに筒状
フィルムラベルを装着してオーブンにて仕上げるシュリ
ンクラベル（材質：ＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）、ＰＥＴ
（ポリエチレンテレフタレート）、ＯＰＳ（延伸ポリス
チレン）、ＯＰＰ（延伸ポリプロピレン）、ＣＰＰ（未
延伸ポリプロピレン）等、厚さ：２０〜１００μｍ）や
ボトル成形時に金型内にラベルを挿入してボトルに貼り
付けるインモールドラベル（材質：ＯＰＰ、ＣＰＰ、合
成紙、厚さ：２０〜１００μｍ）を採用している。な
お、シルク印刷等の印刷装飾は、ボトルの強度が低いた
め対応不可能であり、紙ラベル等は凹凸面で破れが発生
するため使用できない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記のように樹脂量を
少なくした容器の場合、ボトル表面にリブを設け補強す
ることで強度の保持を図り、また、ラベルはボトル強度
の低下からシュリンクラベルやインモールドラベルを採
用している。

【０００６】しかしながら、このような包装形態の場
合、仕上がり外観上でボトル表面のリブの凹凸がシュリ
ンクラベルやインモールドラベルを通して目立ってしま
うので、商品の競争力を低下しまうという問題点が生じ
る。特に、化粧品や香粧品については容器の外観が商品
の価値を左右する場合が多く、リブの採用によりボトル
の樹脂量削減が実施しずらかった。

【０００７】また、樹脂量がボトル内容量に対して７ｇ
／１００ｍＬ以下（胴部肉厚が０．７ｍｍ〜１．１ｍｍ
以下）になるとリブを配置形成して強度の向上を図って
も大幅な強度アップはできず、単純に他の容器に詰め替
える容器形態以外の使用においては、ボトルの樹脂量削
減に限界があった。また、インモールドラベルを貼るこ
とにより、その厚み分（ラベル厚さ３０〜１００μｍが
貼られるとボトルの胴部の肉厚は０．２〜０．３ｍｍか
ら０．２３〜０．４ｍｍに増える）が付加され若干の強
度向上は図られるが、流通市場などでは最終的には容器
の外観で商品の価値が判断されるため、樹脂量削減が実
施できないでいた。

【０００８】本発明は、前記の問題点を解消するためな
されたものであって、薄肉樹脂で容器を形成しラベルを
固着したものであって、容器の強度を保持・向上でき、
かつ、外観品質の向上が図れる樹脂製容器を提供するこ
とを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。請求項１の発明は、
容器側面部に、凸部および凹部を交互に形成し、この側
面部の複数の凸部に、該凸部表面同士を繋いでラベルを
固着し、隣り合う凸部同士とラベルとの間に空間を形成
したことを特徴とする樹脂製容器である。請求項２の発
明は、樹脂量が容器内容量に対して１〜７ｇ／１００ｍ
Ｌである薄肉容器であることを特徴とする請求項１に記
載の樹脂製容器である。

【００１０】請求項１の発明によれば、容器側面部に凸
部および凹部を交互に形成する。容器側面部に溝状リブ
等の凹部を引っ込めて形成した時には凸部は引っ込んで
いない部分になり、または山状リブ等の突出部を形成し
たときには凸部の間が凹部になり、結局凸部と凹部とが
交互に形成されることになる。そして、この側面部の複
数の凸部に、該凸部表面同士を繋いでのラベルを固着
し、該隣り合う凸部同士とラベルとの間に空間を形成す
る。このようにして、ラベルが凸部同士のブリッジの役
目を果すので、容器が変形しようとするときにリブでそ
の変形を阻止すると共にラベルの張力により隣り合う凸
部同士が離れることを阻止でき、したがって、薄肉の容
器であっても強度が向上する。

【００１１】また、前記空間を形成してラベルを複数の
外側端部に固着しているので、ラベルは凹凸のない滑ら
かな状態で容器外周面に固着されることになり、容器表
面の凹凸が目立たなくなる。したがって、リブを形成し
た容器でもその外観の凹凸がラベルで完全に目立たなく
なるので、外観品質が高く商品の競争力の低下が全く生
じない。特に、化粧品や香粧品のように、容器の外観が
商品の価値を左右する場合にも、外観品質を低下させる
ことなくリブを採用してボトルの強度を保持しつつ樹脂
量削減を適切に実施できる。

【００１２】なお、本発明では、樹脂量が容器内容量に
対して１〜７ｇ／１００ｍＬである薄肉容器に実施する
のが特に適している。また、ラベルは、材質としてＰＶ
Ｃ，ＰＥＴ，ＯＰＳ，ＯＰＰ，ＣＰＰ，合成紙，あるい
は、紙と樹脂フイルムとの複合ラベルのうちの少なくと
も一種が好適であり、また、厚さは２０〜２００μｍの
範囲内が好適であり、また、容器への接着方法はタック
式、あるいは感熱式を採用するのが好適である。

【００１３】また、凹部が埋め込みリブの場合は、リブ
の断面形状が丸型、三角形状または台形形状を呈するこ
とができ、リブ間の凸部表面にラベルを貼る等して固着
することにより、柱形状が形成されて強度が向上する。
または凸部が突出リブの場合もリブ断面形状を丸型、三
角形状または台形形状を呈することができ、容器外周の
リブ先端部にラベルを固着することによりリブ間にも柱
形状が形成されて、強度が向上する。特に、内容物が酸
素吸収等による減圧強度、内容物の分解による加圧強
度、ポンプなどのポンピングによる加圧・減圧強度は台
形形状が好ましく、この場合は、例えば図３に示すよう
に、凹部は、前記断面に沿った凹部の幅ｂが凹部同士の
間の凹部非形成部分（凸部先端部）の幅ｃよりも大きい
（ｂ＞ｃ）ことがより好ましい。また、ボトルスクゥイ
ズ排出による加圧・復元強度や衝撃等による復元性につ
いては、凹部の幅ｂが凸部先端部の幅ｃより小さいこと
（ｂ＜ｃ）がより好ましい。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図１は、実施形態にかかる容
器の説明図、図２、図３は変形例の容器の説明図であ
る。図１に示すように、容器（ボトル）１０は、キャッ
プやポンプディスペンサーを嵌合できる口部１２とラベ
ル１４を貼り付けられる胴部（側面部に相当）１６並び
に底部１８とからなり、射出延伸ブローまたは押し出し
ブローによって樹脂成形されるものであり、樹脂量が容
器１０の内容量に対して１〜７ｇ／１００ｍＬとなる薄
肉ボトルである。

【００１５】そして、容器１０は、強度の向上を図るた
め、胴部１６表面にリブ（凹部または凸部に相当；リブ
には横タイプ、縦タイプ、波形タイプの凹凸リブとする
ことができる）２０を設けて補強することにより強度保
持をしている樹脂製薄肉ボトルである。すなわち、図１
の実施形態ではリブ２０は断面台形状に形成された埋め
込みリブを示している。また。図２のように埋め込みリ
ブであって、波形のリブ２０を断面台形状に形成するこ
ともできる。これらのような埋め込みリブでは、凸部が
リブ同士の間の胴部表面になり、凹部はリブになり、凸
部と凹部を交互に形成したものになる。また、リブ２０
は、その断面形状を図１、図３（ａ）に示すように、断
面台形にするほか、（ｂ）に示す変形例１のように断面
丸型（半円形形状）にしたり、（ｃ）に示す変形例２の
ように、断面三角形形状にしたり適宜選択して形成する
ことができる。

【００１６】前記リブ２０は容器１０の胴部１６の一側
面に水平方向に適宜長さで延びたもので、上下方向に並
列に複数配列される。図１（ｂ）に示すように、胴部１
６において複数のリブ２０同士の間の表面がリブ２０底
部２０ａに比較して外方向に向く複数の凸部２２、２２
…となる。胴部１６のリブ２０形成箇所においては、凸
部２２、２２…表面同士を繋いで概略矩形のラベル１４
を接着して（接着部２６）固着し、リブ２０の凹んだ部
分とラベル１４との間に図１の場合は台形柱状の空間２
４を形成している。図３（ｂ）の変形例１の場合の空間
２４は半円柱状、同（ｃ）の変形例２の場合の空間２４
は三角柱状になる。

【００１７】ここで、容器１０に用いる樹脂材料して
は、ＰＥＴ（ポリエチレン・テレフタレート）、ＰＥＮ
（ポリエチレンナフタレート）等のポリエステル樹脂、
ＰＥ（ポリエチレン）、ＰＰ（ホリプロピレン）等のポ
リオレフィン樹脂、ＰＡＮ（ポリアクリロニトリル）、
メタクリロニトリルを主成分とする共重合体等、熱可塑
性樹脂にエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物やナイロ
ン等のうちの少なくとも一種をブレンドしまたは積層し
た樹脂を用いることができる。

【００１８】容器１０へのラベル１４の接着は、接着剤
によっても感熱ラベルで接着しても、その他の方法で固
着してもいずれでもよい。

【００１９】実施形態によれば、容器１０の胴部１６の
リブ２０形成箇所には、凸部２２、２２…表面同士を繋
いで概略矩形のラベル１４を接着して（接着部２６）固
着し、リブ２０の凹んだ部分とラベル１４との間に空間
２４を形成している。したがって、ラベル１４が凸部２
２、２２…同士のブリッジの役目を果すので、容器１０
が変形しようとするときにリブ２０でその変形を阻止す
ると共にラベル１４の張力により隣り合う凸部２２、２
２…同士が離れることを阻止し、したがって、薄肉の容
器１０であっても強度が向上する。

【００２０】また、前記空間２４を形成してラベル１４
を複数の凸部２２、２２…に固着しているので、ラベル
１４は凹凸のない滑らかな状態で容器１０胴部外周面に
貼り上げられて固着されることになり、容器１０表面の
リブ２０による凹凸が目立たなくなる。したがって、リ
ブ２０を形成した容器でもその外観の凹凸がラベル１４
で完全に目立たなくなる。よって、薄肉容器の外観品質
が高く商品の競争力の低下が全く生じない。特に、化粧
品や香粧品のように、容器の外観が商品の価値を左右す
る場合にも、外観品質を低下させることなくリブ２０を
採用して容器１０の樹脂量削減を適切に実施できる。

【００２１】また、樹脂量が容器内容量に対して１〜７
ｇ／１００ｍＬである薄肉容器に実施するのが特に適し
ている。また、ラベルは、ＰＶＣ，ＰＥＴ，ＯＰＳ，Ｏ
ＰＰ，ＣＰＰ，合成紙，紙と樹脂フイルムとの複合ラベ
ルとのうちの少なくとも一種が材質として好適であり、
また、厚さが２０〜２００μｍが好適であり、また、容
器への接着方法はタック式、感熱式が好適である。

【００２２】また、埋め込みリブの場合に断面形状が丸
型、三角形状または台形形状を呈することができ、ラベ
ルを貼る等して固着することにより、柱形状が形成され
て強度が向上する。特に、内容物が酸素吸収等による減
圧強度、内容物の分解による加圧強度、ポンプなどのポ
ンピングによる加圧・減圧強度は台形形状が好ましい。
また、リブ１４は、図３（ａ）〜（ｃ）に示すように、
前記断面に沿ったリブの幅ｂがリブ同士の間の凹部非形
成部分（凸部先端部）の幅ｃよりも大きい（ｂ＞ｃ）こ
とがより好ましい。また、ボトルスクゥイズ排出による
加圧・復元強度や衝撃等による復元性については、凹部
の幅ｂが凹部非形成部分（凸部先端部）の幅ｃより小さ
いこと（ｂ＜ｃ）がより好ましい。

【００２３】なお、前記の実施形態では本発明の好適例
を説明したが、本発明はこれに限定されないことはもち
ろんである。例えば、図４に示す他の実施形態のように
容器１０における胴部１６のリブ３０を突出するもの
（凸部）とする。このリブ３０同士の間は引込んだ凹部
になり凸部と凹部を交互に形成したものになる。そし
て、ラベル１４によりそのリブ３０、３０…表面同士を
繋いで概略矩形のラベル１４を接着して（接着部２６）
固着し、リブ３０、３０…同士とラベル１４との間に空
間２４を形成してもよい。このようにすることにより、
ラベル１４がリブ３０、３０…表面同士のブリッジの役
目を果すので、上記実施形態の作用・効果を同様に奏す
る。

【００２４】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、薄
肉樹脂で容器を形成しラベルを固着したものであって、
容器の強度を保持・向上でき、かつ、外観品質の向上が
図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る薄肉樹脂製容器の説明
図である。

【図２】変形例の容器の説明図である。

【図３】（ａ）〜（ｃ）は実施形態及び変形例のそれぞ
れの説明図である。

【図４】他の実施形態の容器の説明図である。

【符号の説明】

１０容器１４ラベル１６胴部２０リブ２２凸部２４空間３０他の実施形態のリブ（凸部に相当）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】容器側面部に、凸部および凹部を交互に
形成し、この側面部の複数の凸部に、該凸部表面同士を
繋いでラベルを固着し、隣り合う凸部同士とラベルとの
間に空間を形成したことを特徴とする樹脂製容器。
【請求項２】樹脂量が容器内容量に対して１〜７ｇ／
１００ｍＬである薄肉容器であることを特徴とする請求
項１に記載の樹脂製容器。