JPH11345849A - 半導体ウエ―ハにおける金属汚染の評価方法、及び半導体ウエ―ハ - Google Patents

半導体ウエ―ハにおける金属汚染の評価方法、及び半導体ウエ―ハ

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JPH11345849A
JPH11345849A JP7674399A JP7674399A JPH11345849A JP H11345849 A JPH11345849 A JP H11345849A JP 7674399 A JP7674399 A JP 7674399A JP 7674399 A JP7674399 A JP 7674399A JP H11345849 A JPH11345849 A JP H11345849A
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JP
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wafer
metal
metal impurities
atmosphere
semiconductor wafer
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JP7674399A
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Inventor
Nobuyuki Kubo
信之 久保
Hiroshi Horie
浩 堀江
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエーハ表面に存在する金属不純物の検出及
び分布の評価を容易に行うことができる半導体ウエーハ
における金属汚染の評価方法、及び、その評価方法を用
いるとともに製品として使用可能に再生した半導体ウエ
ーハを提供すること。 【解決手段】 半導体ウエーハ1を当該ウエーハ1表面
上が結露する雰囲気下に曝露して、前記ウエーハ1表面
に存在する金属不純物を凝集させて検出する構成の半導
体ウエーハにおける金属汚染の評価方法、及び、前記金
属不純物の凝集物を除去した構成の半導体ウエーハであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエーハ表
面に存在する金属不純物を検出して評価する半導体ウエ
ーハにおける金属汚染の評価方法、及び、その評価方法
を用いるとともに製品として使用可能に再生した半導体
ウエーハに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエーハ表面の金属不純物
を評価する方法としては、ウエーハ表面部を薬液、薬液
の水溶液、又は水に溶解し、その液中の金属不純物濃度
を定量評価する誘導結合プラズマ法(ICP)や誘導結
合プラズマ質量分析法(ICPーMS)及び原子吸光分
析法(AAS)、並びに、ウエーハ表面を直接測定する
全反射蛍光X線法(TXRF)等の手法があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した誘
導結合プラズマ法、誘導結合プラズマ質量分析法又は原
子吸光分析法を用いてウエーハ表面の金属不純物を評価
する場合は、測定対象が溶液であることから、ウエーハ
表面全域に存在する金属不純物を一定容量に濃縮できる
ため、金属不純物をより感度良く検出できるという利点
があるが、反面、サンプリング時の汚染やウエーハ表面
域でのサンプリングムラ等により、測定値にバラツキが
生じてしまうという問題がある。また、測定対象が溶液
であるが故に、定量値がウエーハ表面全域の平均値にな
ってしまうため、ウエーハ表面の金属不純物の分布を評
価することができないという不都合もある。
【0004】一方、全反射蛍光X線法を用いて評価する
場合は、ウエーハ表面を直接測定する手法のため、金属
不純物の分布を評価することができるが、近年製造され
ているウエーハは、ウエーハ表面の単位面積あたりに存
在する金属不純物濃度が全反射蛍光X線法の検出下限値
よりも低い場合が多く、従って、試料として試験的に金
属汚染を施すような場合にしか、ウエーハ表面の金属不
純物の分布を評価することができないという不都合があ
る。
【0005】更に、このような全反射蛍光X線法は、例
えば6インチウエーハ一枚をウエーハ表面全域測定する
のに24時間以上要するというように、非常に長い測定
時間を要するため、少量の研究用の評価にしか用いられ
ていないのが現状である。
【0006】そして、これらの従来の評価方法に用いら
れたウエーハは、表面部のサンプリングによって再生不
能になったり、サンプリング時や測定時に裏面や側面が
搬送部と接触して生じる汚染や傷によって再生不能にな
ったりするため、それらのほとんどが廃棄されているの
が現状である。
【0007】従って、製品として用いるウエーハ表面の
金属不純物の分布を評価する方法は、今のところないの
が現状である。
【0008】そこで本発明は、これらの諸問題を解決す
るべく、ウエーハ表面に存在する金属不純物の検出及び
分布の評価を容易に行うことができる半導体ウエーハに
おける金属汚染の評価方法、及び、その評価方法を用い
るとともに製品として使用可能に再生した半導体ウエー
ハを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、半導体ウエーハを当該ウエーハ表面上が結露
する雰囲気下に曝露して、前記ウエーハ表面に存在する
金属不純物を凝集させて検出をする半導体ウエーハにお
ける金属汚染の評価方法である。
【0010】すなわち、金属不純物を凝集することによ
り、金属不純物の粒子の大きさが増大するので、これが
容易に検出されるとともに、凝集物の散在状態から、金
属不純物の分布が容易に検知される。
【0011】尚、こうした金属不純物の凝集は、ウエー
ハを当該ウエーハ表面上が結露する雰囲気下に曝露する
と、雰囲気中の水分が、ウエーハ表面に対して僅かな温
度変化や気液平衡状態による吸着離脱を繰り返すために
起こるものと考えられる。
【0012】すなわち、水分が吸着離脱を繰り返す際
に、ウエーハ表面に存在する金属不純物は、吸着した水
分中にある程度溶解されて、その水分が離脱するととも
にウエーハ表面上で析出凝集し、そして、再び吸着した
水分中に溶解した金属不純物は、その水分が離脱すると
ともに前に析出凝集した金属不純物の凝集物を核として
析出凝集する。これを繰り返すことにより、金属不純物
の凝集物は次第に大きく形成されると考えられる。
【0013】ここで、前に析出凝集した金属不純物に更
に水分中の金属不純物が析出凝集するのは、粒子の大き
さにより水分中への溶解が異なるためであり、大きな粒
子に対し、小さな粒子はより水文中へ溶解しやすく、溶
解した粒子はより大きな粒子へ析出するためである。
【0014】本願第2請求項に記載した半導体ウエーハ
における金属汚染の評価方法は、請求項1において、前
記雰囲気は、酸性又はアルカリ性であり、そのため、ウ
エーハ表面に結露する水分が酸性又はアルカリ性とな
り、ウエーハ表面の金属不純物が、ウエーハ表面の水分
中へ溶解しやすくなり、水分が離脱する際の析出凝集量
が多くなる。従って、より早く金属不純物を凝集させる
ことが可能となる。また、中性の溶液には溶けにくい金
属不純物の場合も、容易に前記水分中に溶解し、容易に
検出することが可能となる。
【0015】例えば、中性雰囲気から酸性又はアルカリ
性雰囲気に変化させた場合、中性雰囲気中の水分が、酸
性成分又はアルカリ性成分を吸収して、酸性又はアルカ
リ性に変化するため、金属不純物が前記水分中に溶解し
やすくなり、水分が離脱する際の析出凝集量を多くする
ことが可能である。
【0016】本願第3請求項に記載した半導体ウエーハ
における金属汚染の評価方法は、請求項1又は2におい
て、前記雰囲気は、酸性ガス又はアルカリ性ガスが混入
されるものであり、そのため、混合気体中からウエーハ
表面に結露する水分が酸性又はアルカリ性となり、ウエ
ーハ表面の金属不純物が容易に前記水分中に溶解し、前
記水分離脱の際の析出凝集量を多くすることが可能とな
り、容易な検出が可能となる。
【0017】本願第4請求項に記載した半導体ウエーハ
における金属汚染の評価方法は、請求項1又は2におい
て、前記雰囲気は、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液が
当該雰囲気中に曝露されるものである。前記溶液が蒸発
して雰囲気が酸性又はアルカリ性の混合気体となるた
め、容易に雰囲気が酸性又はアルカリ性となる。従っ
て、ウエーハ表面に結露する水分が酸性又はアルカリ性
となり、ウエーハ表面の金属不純物が、ウエーハ表面の
水分中へ溶解しやすくなり、水分を離脱する際の析出凝
集量が多くなる。従って、より早く金属不純物を凝集さ
せることが可能となる。また、中性の溶液には溶けにく
い金属不純物の場合も、容易に前記水分中に溶解し、容
易に検出することが可能となる。
【0018】また、本願第5請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法は、請求項1乃至4
のいずれかにおいて、ウエーハを金属不純物の凝集物の
個数の増加及び大きさの増大が飽和状態に達するまで曝
露するものであり、ウエーハ表面が結露する雰囲気下に
おいて析出するほとんどの金属不純物を凝集物とするこ
とにより、金属不純物の検出及び分布の評価がより正確
に行われる。
【0019】また、本願第6請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法は、請求項5におい
て、金属不純物の凝集物の個数、大きさ、及び構成金属
種とその含有率を測定し、ウエーハ表面の金属汚染量
を、その測定結果を用いて算出定量するものであり、こ
れによりウエーハ表面の金属汚染量が容易に検知され
る。
【0020】特に、金属不純物の凝集物の測定は、走査
型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置等を用
いて行われる。
【0021】また、本願第7請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法は、請求項1乃至6
のいずれかにおいて、金属不純物の凝集物の検出を、レ
ーザー散乱式表面検査装置を用いて行うものであり、こ
れによりウエーハ表面の測定が短時間で迅速に行われ
る。
【0022】また、本願第8請求項に記載した半導体ウ
エーハは、請求項1乃至7いずれかにおいて、金属不純
物の凝集物を除去したものであり、これにより半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価が行われて製品として使
用可能に再生される。
【0023】すなわち、ウエーハを浪費することなく金
属汚染の評価が簡便且つ安価に行われるとともに、金属
イオンの溶解再付着が防止されるため、評価前のウエー
ハよりも低表面不純物濃度のウエーハとして再生され
る。
【0024】尚、金属不純物の凝集物の除去は、SC1
洗浄、SC2洗浄、HF洗浄、HF/H洗浄、H
F/O洗浄等で行われる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体について図面
を参照しながら説明する。
【0026】図1は、本例の半導体ウエーハにおける金
属汚染の評価手順を示す説明図であって、図2(a)、
図2(b)は、それぞれ、前記評価手順に従って検査し
たウエーハ1の表面を示す概要図である。これらの図に
示すように、金属汚染の評価は、ウエーハ1表面に金属
汚染を施して、このウエーハ1表面をレーザー散乱式表
面検査装置で検査した後に、ウエーハ1をその表面が結
露する雰囲気下に曝露して、再びウエーハ1表面を同装
置で検査して行っている。
【0027】尚、前記レーザー散乱式表面検査装置は、
レーザーでウエーハ1表面をスキャンして、表面のパー
ティクル(粒子及びピット)を検出する装置である。本
例の場合、ウエーハ1一枚の検査に要する時間は、数十
秒から数分程度である。
【0028】湿度100%雰囲気下の曝露前後のウエー
ハ1表面の検査によると、それぞれウエーハ1表面には
異物2が検出される。異物2は、曝露前(図2(a)参
照)より曝露後(図2(b)参照)に多く検出される。
すなわち、曝露前の異物2は、結晶起因パーティクル
(COP)や付着パーティクルであり、曝露後の異物2
は、これらのパーティクル及びウエーハ表面が結露する
雰囲気下において金属不純物が凝集したものである。
【0029】このウエーハ1表面上が結露する雰囲気下
は、湿度100%雰囲気下は勿論、それ以下の雰囲気下
であってもよく、また、ここで析出する異物2は、ウエ
ーハ1を汚染している金属不純物が凝集したものであ
る。
【0030】仮に、ウエーハ1がある程度金属汚染され
ていないと、湿度100%雰囲気下においても異物2は
析出しない。
【0031】こうした金属不純物の凝集は、ウエーハ1
を当該ウエーハ1表面上が結露する雰囲気下に曝露する
と、雰囲気中の水分が、ウエーハ1表面に対して僅かな
温度の変化や気液平衡状態による吸着離脱を繰り返すた
めに起こるものと考えられる。
【0032】すなわち、水分が吸着離脱を繰り返す際
に、ウエーハ1表面に存在する金属不純物は、吸着した
水分中にある程度溶解されて、その水分が離脱するとと
もにウエーハ1表面上で析出凝集し、そして、再び吸着
した水分中に溶解した金属不純物は、その水分が離脱す
るとともに前に析出凝集した金属不純物の凝集物を核と
して析出凝集する。これを繰り返すことにより、金属不
純物の凝集物は次第に大きく形成されると考えられる。
【0033】ここで、前に析出凝集した金属不純物に更
に水分中の金属不純物が析出凝集するのは、粒子の大き
さにより水分中への溶解が異なるためであり、大きな粒
子に対し、小さな粒子はより水文中へ溶解しやすく、溶
解した粒子はより大きな粒子へ析出するためである。
【0034】このように、ウエーハ1をウエーハ表面が
結露する雰囲気下に曝露することで、ウエーハ1に存在
する金属不純物がウエーハ1の表面で凝集するので、そ
の凝集物を検出することにより金属不純物の存在を確認
することができる。
【0035】尚、金属不純物を凝集させる点において
は、ウエーハ1表面上が結露するのであれば、ウエーハ
1を曝露する雰囲気は必ずしも湿度100%でなくとも
よい(例えば、湿度90%)。
【0036】また、本例では、6インチP(100)、
10Ωcmの複数のシリコンウエーハの表面に、それぞ
れ銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)による
金属汚染を施して(1×1011atoms/c
)、これらのウエーハ表面を湿度100%雰囲気下
で曝露前後にレーザー散乱式表面検査装置にて検査し
た。ウエーハの曝露時間は、24時間、48時間、72
時間、120時間である。
【0037】その結果、図3乃至図4に示すように異物
が検出された。
【0038】図3の模式図においては、左側のブロック
から順に、銅、ニッケル、亜鉛で汚染したものを示し、
上段が曝露前、下段が曝露後(72時間)を示してい
る。また、図4は、曝露時間による異物数の変化を示す
グラフである。
【0039】これらの図に示すように、異物数が時間と
ともに増加してることから、金属不純物が凝集している
ことが確認される。更に、図4からは、金属不純物の凝
集物の個数の増加及び大きさの増大が、曝露時間およそ
72時間で飽和状態に達していることが確認される。
【0040】それぞれ銅、ニッケル、亜鉛で汚染した各
ウエーハについて、凝集物の散在状態(図3参照)から
は、ウエーハ表面における金属汚染の分布が確認され
る。これは、不純物の凝集が、金属汚染の著しい部分に
集中して起こるためである。
【0041】尚、凝集物及びその散在状態は、凝集物の
個数の増加及び大きさの増大が飽和状態に達した際に、
最も鮮明に確認される。
【0042】更に本例では、亜鉛で汚染したウエーハに
ついて、凝集物の測定を行った。
【0043】図5は、曝露時間72時間の際における凝
集物の走査型電子顕微鏡(SEM)による分析データを
示す模式図であり、図6は、同凝集物のエネルギー分散
型X線分析装置(EXD)による分析データを示す模式
図である。
【0044】このウエーハ表面に析出した凝集物は、図
5に示すようにパーティクル状であり、図6に示すよう
に汚染した金属元素、すなわち亜鉛を含むものであっ
た。
【0045】また、このように金属不純物の凝集物の個
数、大きさ、及び構成金属種とその含有率を測定し、こ
の測定結果を用いることによれば、ウエーハ表面の金属
汚染量を、各元素毎に算出定量することができる(すな
わち、金属汚染量=凝集物の個数×凝集物の大きさ×所
定の元素の含有率/ウエーハ表面積)。
【0046】尚、本例では、銅、ニッケル、亜鉛による
金属汚染を施してこれを検出するように構成したが、予
め金属汚染されたウエーハであっても、また、その他の
金属元素による金属汚染であっても、金属不純物を同様
に凝集させて検出することができる。
【0047】但し、金属不純物の元素は、酸化物、水酸
化物、硫化物等の化合物又は単体の状態でウエーハに存
在しており、その溶解度が大きすぎると凝集したものが
再び溶解してしまうため、また、その溶解度が小さすぎ
ると水分中への溶解が十分に得られないため、凝集して
析出させるのは困難である。
【0048】従って、金属不純物の元素からなる化合物
又は単体の水100gに対する溶解度は、1×10−9
〜1g程度であることが望ましい。
【0049】前記の溶解度は、pH7の場合の溶解度を
示したが、水に難溶性の金属不純物の溶解度は、一般に
液が酸性又はアルカリ性になると大きくなる。すなわ
ち、ウエーハ表面に結露した水分中に金属不純物が溶解
する場合、前記水分がわずかに酸性又はアルカリ性にな
ると、金属不純物が水分中に溶解しやすくなるため、水
分が離脱した際の析出凝集量を多くすることができる。
例えば、水分が中性(pH7)であり、金属不純物の溶
解度が小さいために、析出凝集量が少なくて検出が困難
となる場合がある。
【0050】そこで、前述と同様に、6インチP(10
0)、10Ωcmの複数のシリコンウエーハの表面に、
それぞれ銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)
による金属汚染を施して(1×1011atoms/c
)、塩酸(HCl)が存在する湿度100%雰囲気
下で曝露前後のウエーハ表面をレーザー散乱式表面検査
装置にて検査した。ウエーハの曝露時間は、24時間、
48時間、72時間、120時間である。また、塩酸の
濃度は、100μg/mである。
【0051】結果を図7に示す。
【0052】図4の結果と図7の結果を比較すると、ウ
エーハ表面の金属不純物が析出凝集し飽和状態に達する
までの時間が短縮されていることが確認できる。また、
アンモニア(NH)を用いて同様の実験を行ったとこ
ろ、図7と同様の結果が得られ、金属不純物が析出凝集
し飽和状態に達するまでの時間が短縮されることが確認
できた。
【0053】従って、ウエーハ表面に結露した水分を酸
性又はアルカリ性とすると、前記水分中に金属不純物が
溶解しやすくなるため、析出凝集量が多くなり、より早
く凝集物の個数、サイズが飽和状態に達し、より短時間
で金属汚染量を算出定量できる。
【0054】ウエーハ表面に結露する水分を酸性又はア
ルカリ性とする方法としては、雰囲気中に酸性ガス又は
アルカリ性ガスを混入して、結露する水分を酸性又はア
ルカリ性とする。または、中性の雰囲気中に酸性ガス又
はアルカリ性ガスを混入して、雰囲気を酸性又はアルカ
リ性の混合気体とし、混合気体中の酸性成分又はアルカ
リ性成分を結露した水分中に吸収させる。
【0055】その他、酸性又はアルカリ性の水溶液の蒸
気を雰囲気中に拡散して、雰囲気中の酸性成分及びアル
カリ性成分をウエーハ表面に吸着させることがあげられ
る。
【0056】雰囲気中に混入する酸性若しくはアルカリ
性ガス、又は、酸性若しくはアルカリ性水溶液の濃度が
高いほど、ウエーハ表面に結露する水分中への金属不純
物の溶解度は大きくなるが、溶解度が大きくなりすぎる
と凝集したものが再び溶解してしまうため、混入ガス又
は溶液の濃度は、金属不純物のウエーハ表面水分中への
溶解度が水100gに対し1gを超えない範囲が望まし
い。
【0057】ウエーハにおける金属汚染の評価は、ウエ
ーハを浪費することなく行われ、この評価に用いたウエ
ーハで金属不純物が凝集したものは、その金属不純物の
凝集物を除去することにより、金属イオンの溶解再付着
を防止することができるため、評価前のウエーハよりも
低表面不純物濃度のウエーハとして再生される。
【0058】以上説明したように、本例の半導体ウエー
ハにおける金属汚染の評価方法によると半導体ウエーハ
を当該ウエーハ表面上が結露する雰囲気下に曝露して、
ウエーハ表面に存在する金属不純物を凝集させて検出す
るので、ウエーハ表面に存在する金属不純物の検出及び
分布の評価を容易に行うことができる。
【0059】すなわち、金属不純物を凝集させることに
より、金属不純物の粒子の大きさが増大するので、これ
を容易に検出することができるとともに、凝集物の散在
状態から金属不純物の分布を容易に検知することができ
る。特に、当初は、非常に微少で検出不可能であった金
属不純物も凝集することにより、検出が可能となる。
【0060】また、本例の半導体ウエーハにおける金属
汚染の評価方法によると、ウエーハを金属不純物の凝集
物の個数の増加及び大きさの増大が飽和状態に達するま
で曝露するので、ウエーハ表面が結露する雰囲気下にお
いて析出するほとんどの金属不純物を凝集物とすること
により、金属不純物の検出及び分布の評価をより正確に
行うことができる。
【0061】また、本例の半導体ウエーハにおける金属
汚染の評価方法によると、金属不純物の凝集物の個数、
大きさ、及び構成金属種とその含有率を測定し、ウエー
ハ表面の金属汚染をその測定結果を用いて算出定量する
ので、ウエーハ表面の金属汚染量を容易に検知すること
ができる。
【0062】特に、金属不純物の凝集物の測定は、走査
型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置等を用
いて行うことができる。
【0063】また、本例の半導体ウエーハにおける金属
汚染の評価方法によると、金属不純物の凝集物の検出
を、レーザー散乱式表面検査装置を用いて行うので、ウ
エーハ表面の測定を短時間で迅速に行うことができる。
【0064】また、本例の半導体ウエーハによると、金
属不純物の凝集物を除去したので、半導体ウエーハにお
ける金属汚染の評価を行うとともに、製品として使用可
能に再生することができる。
【0065】すなわち、ウエーハを浪費することなく金
属汚染の評価を簡便かつ安価に行うことができるととも
に、金属イオンの溶解再付着を防止することができるた
め、評価前のウエーハよりも低表面不純物濃度のウエー
ハとして再生することができる。
【0066】とりわけ、ウエーハを廃棄せず、再生利用
することによれば、半導体ウエーハの大口径化が進む昨
今では、このような評価にかかるコストの低減に大きく
貢献することができる。
【0067】尚、金属不純物の凝集物の除去は、SC1
洗浄、SC2洗浄、HF洗浄、HF/H洗浄、H
F/O洗浄等で行うことができる。
【0068】また、本例の半導体ウエーハにおける金属
汚染の洗浄方法によると、半導体ウエーハを当該ウエー
ハ表面上が結露する雰囲気下に曝露して、ウエーハ表面
に存在する金属不純物を凝集させて洗浄するので、ウエ
ーハ表面に存在する金属不純物を効率よく除去すること
ができる。
【0069】すなわち、従来では、ウエーハ表面の面内
に存在する金属不純物を除去するのは困難であったが、
本例では、金属不純物を凝集させるので、ウエーハ表面
のその他のパーティクルとともに、SC1洗浄、SC2
洗浄、HF洗浄、HF/H洗浄、HF/O洗浄
等で容易に除去することができる。
【0070】また、本例の半導体ウエーハにおける金属
汚染の洗浄方法によると、ウエーハを、金属不純物の凝
集物の個数の増加及び大きさの増大が飽和状態に達する
まで曝露するので、ウエーハ表面が結露する雰囲気下に
おいて、析出するほとんどの金属不純物を凝集物にする
ことにより、金属不純物の除去を一層効率よく行うこと
ができる。
【0071】尚、本例ではあえて半導体ウエーハを金属
汚染させて評価したが、金属汚染されていない半導体ウ
エーハは、表面が結露する雰囲気下に曝露しても凝集物
が検出されることはない。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
記載した発明は、半導体ウエーハを当該ウエーハ表面上
が結露する雰囲気下に曝露して、前記ウエーハ表面に存
在する金属不純物を凝集させて検出をする半導体ウエー
ハにおける金属汚染の評価方法である。
【0073】すなわち、金属不純物を凝集することによ
り、金属不純物の粒子の大きさが増大するので、これが
容易に検出されるとともに、凝集物の散在状態から、金
属不純物の分布を容易に検知することができる。特に、
当初は非常に微小で検出不可能であった金属不純物も、
凝集することにより検出が可能となる。
【0074】また、本願第2請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法によると、ウエーハ
表面上に結露する水分を酸性又はアルカリ性とすること
で、前記水分が中性の場合と比べ、ウエーハ表面の金属
不純物がより結露した水分中に溶解しやすくなる。この
ため、水分が離脱する際の析出凝集量を多くすることが
できる。また、より早く金属不純物を凝集させることが
可能になる。水分が中性のため溶解度が低く、検出が困
難である場合でも、ウエーハ表面上に結露する水分を酸
性又はアルカリ性とすることで、容易に検出することが
可能となる。
【0075】また、本願第3請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法によると、前記雰囲
気は、酸性ガス又はアルカリ性ガスを混入して前記雰囲
気とするため、混合気体中からウエーハ表面に結露する
水分が酸性又はアルカリ性となり、また、ウエーハ表面
上の水分に混合気体中の酸性成分又はアルカリ性成分が
吸収されるため、ウエーハ表面の金属不純物が容易に前
記水分中に溶解し、前記水分を離脱する際の析出凝集量
を多くし、容易に検出できる。
【0076】また、本願第4請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法によると、前記雰囲
気は、半導体ウエーハと共に、酸性水溶液又はアルカリ
性水溶液を前記雰囲気中に曝露するため、容易に雰囲気
が酸性又はアルカリ性となり、ウエーハ表面に結露する
水分が酸性又はアルカリ性となって、金属不純物が容易
に前記水分中に溶解し、前記水分を離脱する際の析出凝
集量を多くし、容易に検出できる。 また、本願第5請
求項に記載した半導体ウエーハにおける金属汚染の評価
方法によると、請求項1乃至4いずれかにおいて、金属
不純物の凝集物の個数及び大きさの増大が飽和状態に達
するまで曝露するので、ウエーハ表面が結露する雰囲気
下において析出するほとんどの金属不純物を凝集物とす
ることにより、金属不純物の検出及び分布の評価がより
正確に行うことができる。
【0077】また、本願第6請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法によると、前記請求
項1乃至5いずれかにおいて、金属不純物の凝集物の個
数、大きさ、及び構成金属種とその含有率を測定し、ウ
エーハ表面の金属汚染量を、その測定結果を用いて算出
定量するので、ウエーハ表面の金属汚染量が容易に検知
することができる。
【0078】特に、金属不純物の凝集物の測定は、走査
型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置等を用
いて行われる。
【0079】また、本願第7請求項に記載した半導体ウ
エーハにおける金属汚染の評価方法によると、請求項
1、2又は3において、金属不純物の凝集物の検出を、
レーザー散乱式表面検査装置を用いて行うので、ウエー
ハ表面の測定が短時間で迅速に行うことができる。
【0080】また、本願第8請求項に記載した半導体ウ
エーハによると、前記請求項1乃至7いずれか記載のウ
エーハであって、金属不純物の凝集物を除去したので、
半導体ウエーハにおける金属汚染の評価を行うとともに
製品として使用可能に再生することができる。
【0081】すなわち、ウエーハを浪費することなく金
属汚染の評価が簡便且つ安価に行われるとともに、金属
イオンの溶解再付着が防止されるため、評価前のウエー
ハよりも低表面不純物濃度のウエーハとして再生するこ
とができる。
【0082】特に、ウエーハを廃棄せず再生利用する
と、半導体ウエーハの大口径化が進む昨今では、このよ
うな評価にかかるコストの低減に大きく貢献することが
できる。
【0083】なお、金属不純物の凝集物の除去は、SC
1洗浄、SC2洗浄、HF洗浄、HF/H洗浄、
HF/O洗浄等で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係り、ウエーハにおける金
属汚染の評価手順を示す説明図である。
【図2】 本発明の具体例に係り、(a)は湿度100
%雰囲気下曝露前のウエーハ表面を示す概要図であり、
(b)は湿度100%雰囲気下曝露後のウエーハ表面を
示す概要図である。
【図3】 本発明の具体例に係り、レーザー散乱式表面
検査装置によるウエーハ表面の検査結果を示す模式図で
ある。
【図4】 本発明の具体例に係り、ウエーハを湿度10
0%雰囲気下に曝露する時間により異物数の変化を示す
グラフである。
【図5】 本発明の具体例に係り、亜鉛で汚染したウエ
ーハについて、走査型電子顕微鏡で観た凝集物を示す模
式図である。
【図6】 本発明の具体例に係り、亜鉛で汚染したウエ
ーハについて、エネルギー分散型X線分析装置による凝
集物の解析データを示す模式図である。
【図7】 本発明の具体例に係り、ウエーハを濃度10
0μg/m塩酸を含む湿度100%雰囲気下に曝露す
る時間による異物数の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ウエーハ 2 異物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエーハを当該ウエーハ表面上が
    結露する雰囲気下に曝露して、前記ウエーハ表面に存在
    する金属不純物を凝集させて検出をすることを特徴とす
    る半導体ウエーハにおける金属汚染の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気は、酸性又はアルカリ性であ
    ることを特徴とする請求項1記載の金属汚染の評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記雰囲気中に酸性ガス又はアルカリ性
    ガスを混入することを特徴とする請求項1又は2いずれ
    か記載の金属汚染の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気中に酸性水溶液又はアルカリ
    性水溶液を曝露することを特徴とする請求項1又は2い
    ずれか記載の金属汚染の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記ウエーハを、前記金属不純物の凝集
    物の個数の増加及び大きさの増大が飽和状態に達するま
    で曝露することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記
    載の半導体ウエーハにおける金属汚染の評価方法。
  6. 【請求項6】 前記金属不純物の凝集物の個数、大き
    さ、及び構成金属種とその含有率を測定し、前記ウエー
    ハ表面の金属汚染量を、前記測定結果を用いて算出定量
    することを特徴とする請求項5記載の半導体ウエーハの
    金属汚染の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記金属不純物の凝集物の検出を、レー
    ザー散乱式表面検査装置を用いて行うことを特徴とする
    請求項1乃至6いずれか記載の半導体ウエーハにおける
    金属汚染の評価方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7いずれか記載のウエーハ
    であって、前記金属不純物の凝集物を除去したことを特
    徴とする半導体ウエーハ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2008205224A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Fujitsu Ltd 表面検査方法及び表面検査装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6878303B2 (en) 2002-01-17 2005-04-12 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Substrate processing apparatus and substrate processing method
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