JP4450117B2 - シリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法 - Google Patents

シリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超純水の水質評価装置及び評価方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、超純水中に含まれる金属元素を簡便かつ再現性よく正確に分析することができる超純水の水質評価装置及び評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超純水の水質は、従来はもっぱら水そのものを分析することによって直接的に評価されてきた。例えば、JIS K 0553 超純水中の金属元素試験方法に規定されているように、試料とする超純水を減圧状態で約50倍に濃縮し、フレームレス原子吸光法により金属元素を定量する。分析装置の高性能化、試料採取及び分析環境の高純度化などにより、現在では1ng/リットル未満の極微量の金属元素の分析が可能となっている。この微量分析技術は、電子材料洗浄工程で使用される洗浄水、リンス水としての超純水の水質管理のレベルアップを可能にし、電子産業の発展に大いに貢献してきた。
しかるに、加工の微細化、多層化が着々と進む現在の最先端の製造プロセスにおいては、1ng/リットルレベルの分析で検出されないような、極めて含有量の少ない水中の不純物によっても、製品の品質や歩留まりが左右される事例が見られるようになってきた。超純水の分析技術の洗練のみでは、今後のさらなる加工寸法の微細化に対応し得る水質管理は困難となってきた。
これに対し、近年、超純水と接触させたシリコン基板の表面を分析することによって、間接的に水質を評価する試みが行われるようになってきた。水質向上の目的は、シリコン基板などの被洗浄物の表面を汚染させないことであり、水質の評価にシリコン基板表面を利用する方法は、水質分析としては間接評価ではあるが、被洗浄物への影響を調査する手法としては、最も直接的な意味のある方法であるといえる。
シリコン基板を用いる超純水の水質評価は、通常次のように行われる。すなわち、試料とする超純水を貯めた容器にシリコン基板を所定時間浸漬し、次いでシリコン基板を取り出して乾燥したのち、シリコン基板に形成された自然酸化膜をフッ化水素酸を用いて溶解する。さらに、得られた溶液を蒸発乾固して粉状物とし、この粉状物を硝酸に溶解したのち、得られた硝酸溶液をフレームレス原子吸光法によって分析して、試料水中の不純物量を定量する。
この方法によると、浸漬によるシリコン基板への不純物の付着では、試料水の量は浸漬容器の容量に限られるので、超純水中の微量不純物の定量には必ずしも精度が十分でなく、複数回の分析操作が必要となる。浸漬容器の容量を大きくしても、容器内の試料水全量とシリコン基板との接触が十分でないので、精度上不十分である。また、フレームレス原子吸光法による分析までに、溶解、乾燥などの工程が多く、操作が複雑であり、汚染の機会が多いことから精度を維持するには細心の注意が必要となる。このように、これまで行われてきたシリコン基板を用いる方法は、装置と操作が複雑な割には、超純水とシリコン基板の接触が成り行きまかせであるので、簡便性、再現性及び正確さにより優れた超純水の水質評価装置及び評価方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、超純水中に含まれる金属元素を簡便かつ再現性よく正確に分析することができる超純水の水質評価装置及び評価方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのち、シリコン基板の表面に付着した金属元素を全反射蛍光X線分析装置などで分析することにより、超純水中に含まれる金属元素を再現性よく分析し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
)超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器に、水質評価のための清浄化されたベアシリコンの基板及び酸化膜付きシリコン基板を装着し、超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのちベアシリコンの基板及び酸化膜付きシリコン基板を取り出し、該ベアシリコンの基板に付着した鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンから選ばれた一種以上の金属元素並びに該酸化膜付きシリコン基板表面に付着した鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンから選ばれた一種以上の金属元素をそれぞれのシリコン基板毎に別々に分析することを特徴とするシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法、
(2)供給する超純水の標準酸化還元電位が負であることを特徴とする第(1)項に記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法、
(3)標準酸化還元電位が負である超純水が高純度水素ガスを溶解した超純水であることを特徴とする第(2)項に記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法、
(4)シリコン基板表面に付着した金属の元素分析する金属元素の種類が、ベアシリコン基板に対しては少なくとも銅であり、酸化膜付きシリコン基板に対しては少なくとも鉄若しくはニッケルである第(1)〜(3)項のいずれかに記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法、及び、
(5)超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器に水質評価のための清浄化されたベアシリコンの基板を装着し、酸素を溶存させた超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのちシリコン基板を取り出し、シリコン基板表面に付着した金属元素を分析することを特徴とするシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
)シリコン基板表面に付着した金属元素の分析を、全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて非接触的に行う第(1)〜(5)項のいずれかに記載の超純水の水質評価方法、
)超純水が溶存酸素ガスを含み、溶存酸素ガスによって基板表面が完全に酸化膜で覆われるまで、超純水とシリコン基板との接触を続ける第()項記載の超純水の水質評価方法、及び、
)取り出したシリコン基板を、清浄気体との接触又は清浄雰囲気内での静置により乾燥させたのちに分析する第(1)〜(7)項のいずれかに記載の超純水の水質評価方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の超純水の水質評価装置は、超純水とシリコン基板とを連続的に接触させる装置であって、超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器からなり、シリコン基板の容器内への装着及び容器外への離脱を可能としたものである。本発明の超純水の水質評価方法は、超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器に清浄化されたシリコン基板を装着し、超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのちシリコン基板を取り出し、シリコン基板表面に付着した金属元素を分析するものである。
図1(a)は、本発明の超純水の水質評価装置の一態様の平面図であり、図1(b)は、容器の超純水供給口側を取り外した状態を示す平面図であり、図1(c)は、A−A線断面図である。本態様の装置は、超純水供給口1を有する容器部分2と超純水排出口3を有する容器部分4が、周縁部において互いに嵌合し、シリコン基板5を挟持する構造である。装置の使用に際しては、超純水供給口を有する容器部分を取り外し、正方形に加工され、清浄化されたシリコン基板を鏡面を上側にして、超純水排出口を有する容器部分に装着する。次いで、超純水供給口を有する容器部分を、超純水排出口を有する容器部分に嵌合し、シリコン基板を挟持することにより固定する。超純水供給口を有する容器部分と、超純水排出口を有する容器部分は、クランプ、ネジ止めなどの手段により固定する。
この状態で、超純水供給口に、超純水を所定の通水速度で所定時間供給する。容器に供給された超純水は、シリコン基板の中央にあたり、シリコン基板の鏡面側の全面に連続的に接触し、正方形のシリコン基板の四辺と円形の容器の間隙から超純水排出口を有する容器部分に流れ、超純水排出口より排出される。超純水中に含まれるシリコン基板を汚染する金属元素は、シリコン基板の鏡面に付着するので、所定量の通水を行ったのち、容器を開いてシリコン基板を取り出し、清浄気体との接触又は清浄雰囲気内での静置によってシリコン基板を乾燥する。清浄気体又は清浄雰囲気としては、例えば、クリーンルームエア、クリーンドライエア、クリーン窒素などを用いることができ、クリーン窒素を特に好適に用いることができる。シリコン基板を乾燥させたのち、シリコン基板の鏡面に付着した金属元素を定量分析することにより、超純水の水質を評価する。
【0006】
本発明装置の容器の材質は、容器に由来するシリコン基板の汚染を生じないものであれば特に制限はなく、例えば、容器の接液部を、フッ素樹脂、高純度石英、表面不導体化金属などで構成することにより、安定して超純水の水質評価を行うことができる。
本発明装置においては、超純水の流路とシリコン基板の位置がともに固定され、超純水とシリコン基板が定量的に再現性よく接触することが好ましく、図1に示す態様のように、供給された超純水がシリコン基板に直角に当たることが特に好ましい。供給された超純水をシリコン基板に直角に当てることにより、超純水の流路が必要以上に広がることなく、超純水が集中的にシリコン基板に当たり、超純水とシリコン基板の接触が効率的になされて、評価時間を短縮することができる。
本発明装置に用いる容器は、使用するシリコン基板の寸法に合わせて加工することもできるが、液体のろ過に使用される市販のフィルターホルダーをそのまま転用することもできる。ウェットプロセス用のフィルターホルダーとして、耐薬品性と耐熱性に優れたフッ素樹脂により全てが構成されている市販品があり、使用前に容器を高度に清浄化する上で、フッ素樹脂製のフィルターホルダーを好適に用いることができる。本発明装置の容器としてフィルターホルダーを用いる場合、フィルターを支える目皿の部分を取り外し、そのあとのくぼみに丁度収まる大きさにシリコン基板を切断して装着することが好ましい。フィルターホルダーの目皿は通常は円形であるが、目皿を取り外したくぼみに装着するシリコン基板は角形であることが好ましく、正方形であることがより好ましい。シリコン基板を角形とすることにより、シリコン基板の表面と接触した後の超純水を排出する経路が確保される。通常のシリコン基板を四角に切断することにより、適当な水質モニター用シリコン基板とすることができる。
【0007】
本発明方法において、シリコン基板の表面に付着した金属元素を定量分析する方法に特に制限はなく、例えば、シリコン基板の表面を全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて非接触的に分析することができ、あるいは、フッ化水素を用いる汚染濃縮回収装置(VRC)で汚染物を液中に回収したのち、その液を分析することもできる。全反射蛍光X線分析装置(TXRF)は、半導体製造工場において通常使用されている分析装置であって、シリコン基板にX線を所定の角度で照射し、全反射させた際に、基板上に存在する金属元素に特有の蛍光X線を発するので、その波長から定性分析することができ、またその強度から定量分析をすることができる。シリコン基板の表面を全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて非接触的に分析する方法は、基板上の付着物を溶解する操作などを必要としないので操作が簡単であり、非接触的にシリコン基板を直接測定対象とするので二次的な汚染を生ずるおそれが少なく、再現性よく正確に分析することができる。
本発明方法は、シリコン基板として、ベアシリコンの基板及び表面が酸化されたいわゆる酸化膜付きシリコン基板の両方を用いて行うことが好ましい。同じ水質の超純水であっても、ベアシリコンに対して親和性の強い金属元素と、酸化膜に対して親和性の強い金属元素は異なるので、ベアシリコンの基板と酸化膜付きシリコン基板の両方を用いることにより、超純水中に含まれる金属元素を漏れなく検出することができる。さらに厳密には、洗浄工程で実際に洗浄される窒化膜や金属製膜などの基板表面を有するシリコン基板を用いることにより、評価はより確実となるが、多くの場合、ベアシリコンの基板と酸化膜付きシリコン基板の両方について試験することにより、十分満足すべき結果を得ることができる。
【0008】
本発明方法に用いるシリコン基板は、予備洗浄により高度に清浄化されたベアシリコンの基板及び酸化膜付きシリコン基板であることが好ましい。予備洗浄の方法に特に制限はなく、例えば、オゾンを溶解した超純水や、硫酸と過酸化水素水の混合液(SPM)による基板表面の酸化と、希フッ化水素酸(DHF)や、フッ化水素酸と過酸化水素水の混合液(FPM)によるエッチングを組み合わせた洗浄などを挙げることができる。最終的に希フッ化水素酸洗浄と、それに続くリンスで仕上げることにより、ベアシリコン表面を有するシリコン基板を得ることができる。また、オゾンを溶解した超純水などの酸化性の洗浄水や薬液と、それに続くリンスで仕上げることにより、表面に酸化膜の層を有するシリコン基板を得ることができる。
ベアシリコンの基板を用いる場合、厳密に長期間にわたってベアな表面を保持するためには、超純水が十分に脱酸素されているだけでは不十分である。このような場合に、基板の表面の酸化を防止しベアシリコンの状態を保つためには、標準酸化還元電位が負である超純水を通水することが好ましい。標準酸化還元電位が負である超純水は、高純度の還元剤でありかつ超純水に溶解させたときに不純物とならない高純度水素ガスを極微量超純水に溶解することによって得ることができる。逆に、ベアシリコンの基板を用いて、溶存酸素ガスを含む超純水を通水すると、シリコン基板の表面は次第に酸化され、ついには基板表面が完全に酸化膜で覆われた状態となる。この現象を利用すると、ベアシリコン基板のみを用いて、ベアシリコンに親和性の強い金属元素と、酸化膜に親和性の強い金属元素の両方を付着させることができる。超純水への水素ガス又は酸素ガスの溶解方法は水質汚染を起こさないものであれば特に制限はなく、例えば、水素ガス又は酸素ガスを超純水の経路に注入する方法などを挙げることができる。
本発明装置及び本発明方法においては、容器内に清浄化したシリコン基板を装着し、超純水供給口から所定量の超純水を供給し、シリコン基板表面と接触して流し、シリコン基板と容器壁の間隙からシリコン基板の裏面側を経由して、排出口から容器外へ排出する。所定の容器を使用し、所定の位置にシリコン基板を装着し、所定の流速で所定量の超純水を通水することにより、シリコン基板と超純水が一定の条件で接触するので、再現性よく超純水の水質を評価することができる。本発明装置及び本発明方法により得られる超純水の水質評価は、超純水中の金属元素の濃度を測定するものではないが、シリコン基板の洗浄工程と酷似する条件において、シリコン基板に付着する金属元素を測定するものであり、洗浄工程における超純水の水質がシリコン基板に与える影響を直接評価し得るという点で、価値の高い情報を得ることができる。また、本発明装置は、工場の超純水系のサンプリングポートに容易に接続することができ、所定時間通水後のシリコン基板を持ち帰って分析することができるので、容易に超純水の水質を評価することができる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
比較例1
最新の超純水製造システムを用いて製造された超純水を、濃縮倍数500倍まで濃縮し、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICPMS)を用いて、鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンについて分析を行った。その結果、これらの金属元素はいずれも検出されず、これらの金属元素の含有量はすべて検出下限である0.5ng/リットル以下であり、この超純水は極めて高い水質を有する超純水であると推定された。
実施例1
比較例1で用いた超純水を、清浄化されたシリコン基板に接触させる方法により、水質の評価を行った。シリコン基板としては、希フッ化水素酸洗浄により仕上げたベアシリコン基板と、オゾン水洗浄により仕上げた表面酸化膜付きシリコン基板を用いた。これらのシリコン基板の表面は、いずれも全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いた分析により、鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンのすべてが検出下限以下にまで清浄化されていることを確認した。
テフロン製フィルターホルダー[フロン工業(株)、F−3020−02]の直径40mmの目皿を外して、そこに28mm角(対角線長=40mm)のシリコン基板を装着し、超純水を通水流量300ml/分で72時間連続的に通水し、シリコン基板の鏡面側へ接触させたた。通水終了後、クリーン窒素ガスをブローしてシリコン基板の表面を乾燥させ、全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて、表面に付着した金属元素を分析した。
ベアシリコン基板の表面には、銅が8×109原子/cm2検出され、鉄、ニッケル、亜鉛、クロム及びチタンは検出されなかった。酸化膜付きシリコン基板の表面には、鉄が12×109原子/cm2とニッケルが7×109原子/cm2検出され、亜鉛、銅、クロム及びチタンは検出されなかった。
同じ超純水を用いて、同じ試験をさらに2回繰り返した。2回目の試験では、ベアシリコン基板の表面には、銅が10×109原子/cm2検出され、鉄、ニッケル、亜鉛、クロム及びチタンは検出されなかった。酸化膜付きシリコン基板の表面には、鉄が15×109原子/cm2とニッケルが8×109原子/cm2検出され、亜鉛、銅、クロム及びチタンは検出されなかった。
3回目の試験では、ベアシリコン基板の表面には、銅が9×109原子/cm2検出され、鉄、ニッケル、亜鉛、クロム及びチタンは検出されなかった。酸化膜付きシリコン基板の表面には、鉄が12×109原子/cm2とニッケルが8×109原子/cm2検出され、亜鉛、銅、クロム及びチタンは検出されなかった。
1回目、2回目及び3回目の結果を、まとめて第1表に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0004450117
【0011】
第1表に見られるように、ベアシリコン基板の表面には銅がごくわずかながら付着し、酸化膜付きシリコン基板の表面には鉄とニッケルがごくわずかながら付着している。試験に用いた超純水は、比較例1の誘導結合プラズマ質量分析装置(ICPMS)を用いた分析では金属元素が検出されていないので、超純水とシリコン基板を接触させたのち、表面に付着した金属元素を全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて分析する本発明方法は、比較例1の方法より高い分析精度を有することが分かる。また、1回目、2回目及び3回目の分析値の再現性は良好であり、本発明方法が超純水の水質評価方法として信頼性の高いものであることが分かる。さらに、ベアシリコン基板を用いて銅が検出され、酸化膜付きシリコン基板を用いて鉄とニッケルが検出されているので、ベアシリコン基板と酸化膜付きシリコン基板の両方を用いて試験することにより、シリコン基板を汚染する可能性のある金属元素を漏れなく検出し得ることが分かる。
実施例2
溶存酸素ガスを含む超純水を用いて、超純水の水質評価を行った。
比較例1及び実施例1で用いた超純水に、気体透過膜モジュールを用いて酸素ガスを溶解し、溶存酸素ガス濃度30mg/リットルの酸素ガス溶解超純水を調製した。
実施例1と同様にして、希フッ化水素酸洗浄により仕上げたベアシリコン基板をテフロン製フィルターホルダーに装着し、酸素ガス溶解超純水を通水流量300ml/分で144時間連続的に通水し、シリコン基板の鏡面側に接触させた。通水初期には疎水性であった表面が、終了時には親水性になっていることを確認した。通水終了後、クリーン窒素ガスをブローしてシリコン基板の表面を乾燥させ、全反射蛍光X線分析装置(TXRF)を用いて、表面に付着した金属元素を分析した。
シリコン基板の表面には、銅が10×109原子/cm2、鉄が14×109原子/cm2、ニッケルが9×109原子/cm2検出され、亜鉛、クロム及びチタンは検出されなかった。
実施例2と実施例1の結果を比較すると、超純水に酸素ガスを溶解し、ベアシリコン基板を用いて評価することにより、1枚のシリコン基板で、ベアシリコンに対して親和性の強い金属元素と、酸化膜に対して親和性の強い金属元素を、同時に検出して評価し得ることが分かる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の超純水の水質評価装置及び評価方法により、従来の超純水中の金属元素を直接分析する水質評価法では検出することができなかった、極微量の不純物の含有についての情報を得ることができる。しかも、これはシリコン基板への影響という実際的な情報であり、超純水製造装置の運転管理に極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の超純水の水質評価装置の一態様の平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 超純水供給口
2 超純水供給口を有する容器部分
3 超純水排出口
4 超純水排出口を有する容器部分
5 シリコン基板

Claims (5)

  1. 超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器に、水質評価のための清浄化されたベアシリコンの基板及び酸化膜付きシリコン基板を装着し、超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのちベアシリコンの基板及び酸化膜付きシリコン基板を取り出し、該ベアシリコンの基板に付着した鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンから選ばれた一種以上の金属元素並びに該酸化膜付きシリコン基板表面に付着した鉄、ニッケル、亜鉛、銅、クロム及びチタンから選ばれた一種以上の金属元素をそれぞれのシリコン基板毎に別々に分析することを特徴とするシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法。
  2. 供給する超純水の標準酸化還元電位が負であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法。
  3. 標準酸化還元電位が負である超純水が高純度水素ガスを溶解した超純水であることを特徴とする請求項2に記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法。
  4. シリコン基板表面に付着した金属の元素分析する金属元素の種類が、ベアシリコン基板に対しては少なくとも銅であり、酸化膜付きシリコン基板に対しては少なくとも鉄若しくはニッケルである請求項1〜3のいずれかに記載のシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法。
  5. 超純水供給口、排出口及びシリコン基板装着部を有する容器に水質評価のための清浄化されたベアシリコンの基板を装着し、酸素を溶存させた超純水を連続的に供給して超純水とシリコン基板を接触させたのちシリコン基板を取り出し、シリコン基板表面に付着した金属元素を分析することを特徴とするシリコン基板洗浄用超純水の水質評価方法。
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