JP4857973B2 - シリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー(新品のスラリー)及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中の汚染物を分析する方法に関し、特に、高精度で再現性に優れ、信頼性の高い研磨スラリーの分析方法に関する。
シリコンウェーハ中の汚染物を分析する方法として、シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー(新品のスラリー)を直接分析することによりシリコンウェーハへの汚染量を予測する方法やシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中の汚染物を分析する方法が知られている。研磨スラリーの分析方法は、特に、シリコンウェーハの製造工程内やシリコンウェーハを用いた半導体の製造工程内においてシリコンウェーハの汚染原因を調査する際に用いる分析法として好適である。
従来、研磨スラリーの分析方法として、研磨スラリー中にHFを添加して研磨スラリー中に含まれているSiOなどのシリコン成分を溶解させ、得られた溶解液を直接原子吸光分析装置(AAS)により分析する方法がとられていた。
しかしながら、上述した従来の研磨スラリーの分析方法では、分析精度が悪く、精度良く分析することが困難であった。このため、上述した従来の分析方法で研磨スラリーを分析したとしても、Siや有機物などのマトリックスが存在している為に分析精度が悪く、シリコンウェーハが汚染されるかどうかの判断が出来ない場合があった。しかも、近年、研磨スラリー中の汚染レベルが低くなってきている。このため、より高精度で高感度な分析方法が求められていた。
また、上述した従来の研磨スラリーの分析方法は、再現性が悪く、十分な信頼性が得られなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高精度で再現性に優れ、信頼性が高く、高感度に研磨スラリーの分析方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法は、
シリコンウェーハの研磨スラリー中の汚染物を分析する方法において、
シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中のシリコン成分を溶解してシリコン溶液とする溶解工程と、
前記シリコン溶液を製造用シリコンウェーハ上で加熱して蒸発乾固させる乾燥工程と、
前記蒸発乾固させた残留物中のシリコン成分を除去する除去工程と、
前記除去工程後の残渣を回収する回収工程とを備え、
前記除去工程が、製造用シリコンウェーハ上で前記残留物を200〜400℃に加熱することによりシリコン成分を揮発させる工程を含み、
前記研磨スラリー中の有機物を分解する分解工程を備え、該分解工程が、前記有機物をマイクロウェーブによって加熱することにより分解する工程であることを特徴とする。
本発明は、シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー(新品のスラリー)及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中の汚染物を分析する方法において、前記研磨スラリー中のシリコン成分を溶解してシリコン溶液とする溶解工程と、前記シリコン溶液を蒸発乾固させる乾燥工程と、前記蒸発乾固させた残留物中のシリコン成分を除去する除去工程と、前記除去工程後の残渣を回収する回収工程とを備えることができる
上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記乾燥工程が、製造用シリコンウェーハ上で前記シリコン溶液を加熱する工程である方法とすることができる。
上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記乾燥工程において60〜100℃に加熱することを特徴とする方法とすることができる。
また、上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記除去工程が、製造用シリコンウェーハ上で前記残留物を加熱することによりシリコン成分を揮発させる工程を含む方法とすることができる。
上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記除去工程において200〜400℃に加熱する方法とすることができる。
また、上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記研磨スラリー中の有機物を分解する分解工程を備える方法とすることができる。
上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記分解工程が、前記有機物をマイクロウェーブによって加熱することにより分解する工程である方法とすることができる。
また、上記のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法においては、前記回収工程が、前記除去工程後の残渣を溶媒に定容回収して分析用溶液とする工程であり、前記回収工程後、前記分析用溶液を原子吸光分析装置及び誘導結合プラズマ質量分析装置により分析する方法とすることができる。

本発明者は、鋭意研究を行ない、前記研磨スラリー中のシリコン成分を溶解してシリコン溶液とした後、得られたシリコン溶液を蒸発乾固させる乾燥工程と、前記蒸発乾固させた残留物中のシリコン成分を除去する除去工程と、前記除去工程後の残渣を回収する回収工程とを備えることにより、研磨スラリー中の汚染物を高い精度で分析できるとともに、高い再現性が得られることを見出した。
本発明において乾燥工程は、上述したように、製造用シリコンウェーハ上で前記シリコン溶液を加熱する方法とすることができるが、例えば、テフロン(登録商標)などからなるビーカー内にシリコン溶液を入れて加熱する方法であってもよい。
本発明において用いられる「製造用シリコンウェーハ」とは、シリコン基板製造工程において最終洗浄工程を経たシリコンウェーハであって、表面およびBulk中に存在する金属などの汚染物が存在しないものである。
また、乾燥工程の温度は、シリコン溶液中の水分を蒸発させることによりシリコン溶液を蒸発乾固できればよく、60〜100℃とすることができる。乾燥工程の温度が60℃未満であると、シリコン溶液を効率よく乾燥できないため、好ましくない。
また、乾燥工程の温度が100℃を越えると、シリコン溶液が激しく煮沸し、シリコン溶液が飛散して回収できなくなる虞があるため、好ましくない。
本発明において除去工程は、上述したように、製造用シリコンウェーハ上で蒸発乾固させた残留物を加熱することにより、残留物中のシリコン成分を揮発させる工程を含む方法とすることができるが、除去工程は、蒸発乾固させた残留物の存在するビーカー内に、HF、HNO、HSOHCl、HOなどの薬液を入れて加熱して、残留物中のシリコン成分を分離して除去する方法であってもよい。
また、除去工程においては、残留物中のシリコン成分だけでなく、残留物中の有機物も同時に除去することが望ましい。
また、除去工程の温度は、残留物中のシリコン成分を揮発させることができればよく、200〜400℃とすることができる。
残留物中のシリコン成分は、シリコンが溶解した後に副反応で生成したものであり、通常、ジアンモニウムシリコンヘキサフロライド((NH2SiF6)のシリコン塩として存在している。((NH2SiF6)のシリコン塩は、200〜400℃に加熱すると熱分解を起こして昇華する。本発明の除去工程において200〜400℃、より好ましくは250〜350℃に加熱することで、シリコン成分を十分に、かつ、短時間で揮発させることができる。
除去工程の温度が200℃未満であると、シリコン成分を十分に揮発させることができない虞が生じる。また、除去工程に必要な時間が長くなるため好ましくない。また、除去工程の温度が400℃を越えると、製造用シリコンウェーハ中に金属不純物が拡散し、回収率が悪くなる場合があるため好ましくない。
また、一般に、研磨スラリー中には、4wt%〜50wt%のシリコン成分のほかに、界面活性剤やキレート剤やアミン類などの有機物が含まれている。表1に一般的な研磨スラリー中のシリコン成分量と有機物量および有機物の種類を示す。
Figure 0004857973
このような有機物が除去工程後の残渣中に含まれていると、分析装置が有機物によって汚染されて分析精度が十分に得られない虞がある。具体的には、例えば、分析装置として原子吸光分析装置(AAS)を用いた場合には、研磨スラリー中の有機物によって装置導入系のサンプリングが十分されない為、分析精度が悪くなる問題や、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)では装置導入系の詰まりを引き起こす問題がある。その為、研磨スラリー中の汚染物を分析できない場合があった。
これに対し、前記研磨スラリー中の有機物を分解する分解工程を備える方法とすることで、有機物に起因する悪影響を回避することができ、より一層、研磨スラリー中の汚染物を高い精度で分析できるとともに、高い再現性を得ることができる。また、分析装置として誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いることが可能となる。
研磨スラリー中の有機物を分解する方法としては、マイクロウェーブによって加熱する方法を挙げることができる。マイクロウェーブとしては、例えば、10MHz程度(例えば、13.56MHz)〜100GHz程度、あるいは、2GHz程度のものが適応可能である。
また、本発明において、回収工程によって回収された除去工程後の残渣は、分析装置に応じて適切な状態とされ、分析装置によって分析される。例えば、回収工程が、前記除去工程後の残渣を溶媒に定容回収して分析用溶液とする工程であり、前記回収工程後、前記分析用溶液を誘導結合プラズマ質量分析装置により分析する方法とすることができる。ここで用いる溶媒としては、例えば、HF(2wt%)/H(2wt%)/HO溶液などが上げられる。
なお、分析装置としては、高い感度で分析できる誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)を用いることが望ましいが、誘導結合プラズマ質量分析装置に限定されるものではなく、黒鉛炉原子吸光分析装置(GF−AAS)などシリコン成分による干渉の受けにくい原子吸光分析装置を用いることもできる。誘導結合プラズマ質量分析装置での分析は、原子吸光分析装置で分析する場合と比較して、検出下限が2〜3桁程度低くなり、非常に高感度で分析できる。
また、本発明のシリコンウェーハ中の汚染物の分析方法は、クリーン度の高い環境で行行なわれる。クリーン度の高い環境として、例えば、クラス1000以下のクリーンルームで行なうことが望ましい。さらに、分析に使用する溶媒などの薬液調整や、分析対象の洗浄などは、クリーンルーム内に設置された例えば、クラス100程度のクリーンドラフト内で行なうことが望ましい。
本発明によれば、シリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中の汚染物を分析する方法において、高精度で再現性に優れ、信頼性の高い研磨スラリーの分析方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
「第1実施形態」
図1は、本発明のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法の一例である第1実施形態を説明するための図である。図1に示すシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法では、まず、図1(a)に示すように、シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー(
新品のスラリー)及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー1をテフロン(登録商標)からなるビーカーに入れ、HFを添加して研磨スラリー1中に含まれているSiOなどのシリコン成分を溶解させシリコン溶液とする(溶解工程)。
研磨スラリー1を得るためのシリコンウェーハとしては、いかなるものであってもよく、シリコンウェーハの製造工程やシリコンウェーハを用いた半導体の製造工程におけるどの段階のものでもよい。
次に、図1(b)に示すように、得られたシリコン溶液2を製造用シリコンウェーハ3上に滴下して60〜100℃に加熱することにより蒸発乾固して、図1(c)に示すように、残留物4とする(乾燥工程)。
ここで使用する製造用シリコンウェーハ3は、シリコン基板製造工程において最終洗浄工程を経たシリコンウェーハであって、表面およびBulk中に存在する金属などの汚染物が除去されたものである。
製造用シリコンウェーハの表面に存在する金属などの汚染物の除去方法としては、表面酸化膜を除去する方法などが挙げられる。また、製造用シリコンウェーハとしては、p-型またはn型のシリコンウェーハを用いることが望ましい。p-,n型のシリコンウェーハは、表面からBulk中に金属などの汚染物が拡散しにくいものであるので、製造用シリコンウェーハとしてp-型またはn-型のシリコンウェーハを用いることで、汚染物を高い精度で分析できる。
その後、図1(d)に示すように、製造用シリコンウェーハ3上で残留物4を200〜400℃に加熱することにより、蒸発乾固させた残留物4中のシリコン成分や完全ではないが有機物を選択的に揮発させる(除去工程)。分子量が軽い有機物については揮発させることが出来るが、分子量が重い元素については揮発させることが出来ない。
その後、製造用シリコンウェーハ3および除去工程後の残渣5を冷却し、気相分解槽の底部にHF液を注入して発生させた気体のHFにより、除去工程における加熱によって形成された製造用シリコンウェーハ3上のシリコン酸化膜を分解除去した。
続いて、図1(d)に示す除去工程後の残渣5を、HF/H/HO溶液に定容回収して分析用溶液とすることにより回収(回収工程)する。その後、得られた分析用溶液を原子吸光分析装置により分析する。
第1実施形態の方法においては、蒸発乾固させた残留物4中のシリコン成分を除去するので、高精度で再現性に優れ、信頼性の高い研磨スラリーの分析を行なうことができる。
「第2実施形態」
本発明の第2実施形態において、図1に示す第1実施形態と異なるところは、溶解工程と乾燥工程との間に分解工程を備えるところのみであるので、分解工程のみについて説明し、他の工程についての説明を省略する。
第2実施形態のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法では、図1(a)に示す第1実施形態の溶解工程の後、得られたシリコン溶液2をマイクロウェーブによって加熱することにより、シリコン溶液2中の有機物を分解する(分解工程)。その後、第1実施形態と同様にして、乾燥工程以降の工程を行なう。
この方法では、分解工程によって有機物が分解されるので、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いる高感度な分析が可能となる。よって、高感度且つ高精度に分析することができる。
「第3実施形態」
図2は、本発明のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法の他の例である第3実施形態を説明するための図である。図2に示す第3実施形態において、上述した第2実施形態と異なるところは、溶解工程と乾燥工程と除去工程のみであるので、溶解工程、乾燥工程、除去工程のみについて説明し、他の工程についての説明を省略する。
図2に示すシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法では、まず、図2(a)に示すように、第1実施形態および第2実施形態と同様、研磨スラリー1をテフロン(登録商標)からなるビーカーに入れ、HFとHNOとを添加して研磨スラリー1中に含まれているSiOなどのシリコン成分を溶解させシリコン溶液とする(溶解工程)。
ここで使用されるHF量およびHNO量と研磨スラリー量との関係は、研磨スラリー中に含まれるSiO量に応じて適宜決定され、例えば、表2に示すように、研磨スラリー中のSiO量が少ない場合には、HF量、HNO量とも少なくてよいし、研磨スラリー中のSiO量が多い場合には、HF量、HNO量とも多くする必要がある。また、添加するHF量とHNO量との割合は、HF:HNO=1:0〜1とすることができるが、シリコン成分を効率よく溶解させるためには3:1程度とすることが望ましい。
Figure 0004857973
そして、第2実施形態と同様に分解工程を行った後、図2(b)に示すように、得られたシリコン溶液2をビーカー6内で150〜200℃に加熱することにより蒸発乾固してシリコンを主成分とする残留物とする(乾燥工程)。
その後、図2(c)に示すように、ビーカー6内にHF/HNO/HCLからなる薬液を入れ、残留物とともに150〜200℃に加熱することにより、残留物中のシリコン成分やその他の有機物を選択的に分離して除去(除去工程)した。その後、第1実施形態および第2実施形態と同様にして、回収工程以降の工程を行なう。
この方法では、第2実施形態と同様に分解工程によって有機物が分解されるので、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いる高感度な分析が可能となる。よって、高感度且つ高精度に分析することができる。
なお、第3実施形態においては第2実施形態と同様に分解工程を行なったが、分解工程を行なわず、得られた分析用溶液を原子吸光分析装置により分析してもよい。この場合においても、蒸発乾固させた残留物中のシリコン成分を除去するので、高精度で再現性に優れ、信頼性の高い研磨スラリーの分析を行なうことができる。
「実験例1」
図1に示すシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法を用いて、以下に示すように研磨スラリーの分析を行なった。
まず、図1(a)に示すように、シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー1mlをテフロン(登録商標)からなるビーカーに入れ、HF(38wt%)1.5mlを添加してシリコン溶液とした(溶解工程)。
次に、図1(b)に示すように、得られたシリコン溶液を直径200mm(8インチ)の製造用シリコンウェーハ3上に滴下して1mlの水溜りを8個形成し、70℃で15〜30分間加熱することにより蒸発乾固して、図1(c)に示すように、残留物4とした(乾燥工程)。
その後、図1(d)に示すように、製造用シリコンウェーハ3上で残留物4を350℃で5〜10分加熱することにより、濃縮液中のシリコン成分を揮発させた(除去工程)。
続いて、図1(d)に示す除去工程後の残渣5をHF(2wt%)/H(2wt%)/HO溶液1mlに定容回収して分析用溶液とすることにより回収(回収工程)した。その後、得られた分析用溶液を黒鉛炉原子吸光分析装置(GF−AAS)で分析することにより銅とニッケルの濃度を求めた。さらに、同じ研磨スラリーに対して実験例1の同じ分析方法を5回繰り返し、銅とニッケルの濃度を求めた。その結果を図3に示す。
「実験例2」
実験例1と同様にして溶解工程を行った後、最大出力1000W、2450MHzのマイクロウェーブによって、表3に示す1〜4のレシピを全て行なう条件で、得られたシリコン溶液を加熱することにより、シリコン溶液中の有機物を分解した(分解工程)。分解工程における最高温度は165℃であった。その後、実験例1と同様にして、乾燥工程、除去工程、回収工程を行なった。その後、得られた分析用溶液を誘導結合プラズマ質量分析装置で分析することにより銅とニッケルの濃度を求めた。さらに、同じ研磨スラリーに対して実験例2の同じ分析方法を5回繰り返し、銅とニッケルの濃度を求めた。その結果を図4に示す。
Figure 0004857973
「実験例3」
図2に示すシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法を用いて、以下に示すように研磨スラリーの分析を行なった。
すなわち、図2(a)に示すように、実験例1および実験例2と同様の研磨スラリー1mlをテフロン(登録商標)からなるビーカーに入れ、HF(38wt%)1.5mlとHNO(68wt%)0.5mlとを添加してシリコン溶液とした(溶解工程)。
そして、実験例2と同様に分解工程を行った後、図2(b)に示すように、得られたシリコン溶液を3mlずつビーカー6に入れ、ビーカー6内で200℃で30分間加熱することにより乾燥して残留物とした(乾燥工程)。
その後、図2(c)に示すように、ビーカー6内にHF/HNO/HCL=1:1:2からなる薬液を1ml入れ、残留物とともに200℃で5〜10分間加熱することにより、残留物中のシリコン成分やその他の有機物を選択的に分離して除去(除去工程)した。その後、実験例2と同様にして、回収工程を行なった。その後、得られた分析用溶液を誘導結合プラズマ質量分析装置で分析することにより銅とニッケルの濃度を求めた。さらに、同じ研磨スラリーに対して実験例3の同じ分析方法を5回繰り返し、銅とニッケルの濃度を求めた。その結果を図5に示す。
「実験例4」
以下に示すように研磨スラリーの分析を行なった。
まず、実験例1〜実験例3と同様の研磨スラリー1mlをテフロン(登録商標)からなるビーカーに入れ、HF(38wt%)1.5mlを添加してシリコン溶液とした。次に、得られたシリコン溶液を黒鉛炉原子吸光分析装置(GF−AAS)で分析することにより銅とニッケルの濃度を求めた。さらに、同じ研磨スラリーに対して実験例4の同じ分析方法を5回繰り返し、銅とニッケルの濃度を求めた。その結果を図6に示す。
図6より、実験例4では、銅濃度もニッケル濃度も再現性が悪く、10ppb程度の濃度を検出する場合の信頼性が低いことがわかる。
これに対し、図3〜図5に示す実験例1〜実験例3では、実験結果が安定しており、実験例4と比較して非常に再現性が良いことが確認できた。また、実験例1〜実験例3では、10ppb程度の低い濃度を検出する場合であっても、実験例4と比較して十分に高い信頼性が得られることが確認できた。
さらに、実験例2および実験例3では、分解工程によって有機物が分解されることにより、誘導結合プラズマ質量分析装置での分析が可能とされているため、原子吸光分析装置で分析した実施例1と比較して、非常に高感度で分析できることが確認できた。
図1は、本発明のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法の一例である第1実施形態を説明するための図である。 図2は、本発明のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法の他の例である第3実施形態を説明するための図である。 図3は、実験例1の結果を説明するための図であり、銅とニッケルの濃度を示したグラフである。 図4は、実験例2の結果を説明するための図であり、銅とニッケルの濃度を示したグラフである。 図5は、実験例3の結果を説明するための図であり、銅とニッケルの濃度を示したグラフである。 図6は、実験例4の結果を説明するための図であり、銅とニッケルの濃度を示したグラフである。
符号の説明
1…研磨スラリー、2…シリコン溶液、3…製造用シリコンウェーハ、4…濃縮液、5…残渣、6…ビーカー。

Claims (3)

  1. シリコンウェーハ研磨スラリー中の汚染物を分析する方法において、
    シリコンウェーハを研磨していない研磨スラリー及びシリコンウェーハを研磨することによって得られた研磨スラリー中のシリコン成分を溶解してシリコン溶液とする溶解工程と、
    前記シリコン溶液を製造用シリコンウェーハ上で加熱して蒸発乾固させる乾燥工程と、
    前記蒸発乾固させた残留物中のシリコン成分を除去する除去工程と、
    前記除去工程後の残渣を回収する回収工程とを備え
    前記除去工程が、製造用シリコンウェーハ上で前記残留物を200〜400℃に加熱することによりシリコン成分を揮発させる工程を含み、
    前記研磨スラリー中の有機物を分解する分解工程を備え、該分解工程が、前記有機物をマイクロウェーブによって加熱することにより分解する工程であることを特徴とするシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法。
  2. 前記乾燥工程において60〜100℃に加熱することを特徴とする請求項に記載のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法。
  3. 前記回収工程が、前記除去工程後の残渣を溶媒に定容回収して分析用溶液とする工程であり、
    前記回収工程後、前記分析用溶液を原子吸光分析装置及び誘導結合プラズマ質量分析装置により分析することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシリコンウェーハの研磨スラリーの分析方法。
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