JP2019169515A - ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法、金属汚染評価方法および製造方法 - Google Patents

ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法、金属汚染評価方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液を高回収率で回収可能な、低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハの気相エッチング方法の提供。【解決手段】オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをチャンバー内に導入して混合することによりエッチングガスを調製すること、ならびに、抵抗率が0.016Ωcm以下のボロンドープp型シリコンウェーハの表面を上記エッチングガスと接触させることにより上記ボロンドープp型シリコンウェーハの表層領域を気相分解することを含み、上記オゾン含有ガスを上記チャンバー内へ3000sccm以上の流量で導入すること、および、上記フッ酸ミストを、フッ化水素酸濃度41質量%以上のフッ酸を霧化することにより調製することを更に含むボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法、金属汚染評価方法および製造方法に関する。
半導体デバイスについては、半導体基板表面の金属不純物汚染が、リーク不良、酸化膜耐圧不良、ライフタイム低下等のデバイス特性に影響を及ぼすことが知られている。更に、半導体基板表面の金属不純物汚染のみならず、シャロートレンチやソース、ドレイン等のデバイス構造を形成する半導体基板の表層領域内の金属不純物汚染がデバイス特性へ影響することも報告されている。
半導体基板として広く用いられているシリコンウェーハの表面および表層領域内の金属汚染評価方法としては、シリコンウェーハ表層領域を分解し、分解後のシリコンウェーハ表面で回収液を走査させて分解残渣を回収液中に回収し、この回収液中の金属成分を分析する方法が挙げられる。この分析のためにシリコンウェーハ表層領域を分解する方法としては、シリコンウェーハの表面にエッチングガスを接触させて表層領域を気相分解してエッチングする方法(気相エッチング)が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
WO2014/129246 特開2015−52476号公報
シリコンウェーハの導電型はドーパントによって決定され、例えばボロン(B)をドーパントとすることによりp型シリコンウェーハを得ることができる。また、ボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率はボロン濃度によって制御される。
近年、様々な抵抗率のボロンドープp型シリコンウェーハの需要があり、低抵抗ボロンドープシリコンウェーハのニーズも高まっている。しかし本発明者らが検討したところ、ボロンドープp型シリコンウェーハに関しては、抵抗率が低い場合には気相エッチング後にウェーハ表面で回収液を走査させた後に回収液を回収しようとしても、回収液の回収率が低下する傾向があることが明らかとなった。ウェーハ表面からの回収液の回収率が低下すると、結果的に気相分解後のウェーハ表面からの金属成分の回収率が低下してしまう。気相エッチング後のウェーハ表面には、分解された表層領域(表層領域の表面および内部)に存在していた金属成分が残留している。したがって、それら金属成分を回収して分析すれば、評価対象ウェーハの表層領域の金属汚染の有無や程度を評価することができる。しかし、気相エッチング後のウェーハ表面からの金属成分の回収率が低いと、回収液中の金属成分を分析しても、その分析結果は評価対象ウェーハの表面および表層領域内の金属汚染の有無や程度と十分に対応するものではない可能性があり、評価の信頼性は低下してしまう。
本発明の目的は、エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液を高回収率で回収可能な、低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハの気相エッチング方法を提供することにある。
本発明の一態様は、
オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをチャンバー内に導入して混合することによりエッチングガスを調製すること、ならびに、
抵抗率が0.016Ωcm以下のボロンドープp型シリコンウェーハの表面を上記エッチングガスと接触させることにより上記ボロンドープp型シリコンウェーハの表層領域を気相分解すること、
を含み、
上記オゾン含有ガスを上記チャンバー内へ3000sccm以上の流量で導入すること、および、
上記フッ酸ミストを、フッ化水素酸濃度41質量%以上のフッ酸を霧化することにより調製すること、
を更に含む、ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法、
に関する。
一態様では、上記オゾン含有ガスのオゾン濃度は、0.5〜3.5質量%の範囲であることができる。
一態様では、上記エッチング方法は、上記フッ酸ミストを、上記フッ酸を700sccm以上1300sccm以下の流量のキャリアガスによって霧化することにより調製することを含むことができる。
一態様では、上記エッチング方法は、上記オゾン含有ガスおよび上記フッ酸ミストが導入される上記チャンバーとは別のチャンバーへ上記キャリアガスを導入し、上記別のチャンバー内で上記気相分解を行うことを含むことができる。
本発明の他の一態様は、
評価対象のボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率は0.016Ωcm以下であり、
上記ボロンドープp型シリコンウェーハを上記エッチング方法によってエッチングすること、
上記エッチング後のボロンドープp型シリコンウェーハの表面で回収液を走査させること、
上記走査させた回収液を上記ボロンドープp型シリコンウェーハの表面から回収すること、および、
上記回収した回収液中の金属成分を分析すること、
を含むボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染評価方法、
に関する。
本発明の他の一態様は、
ボロンドープp型シリコンウェーハの製造工程において抵抗率が0.016Ωcm以下の工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハを製造すること、
上記工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染の有無、程度、または有無および程度を上記金属汚染評価方法により評価すること、ならびに、
上記評価の結果に基づき上記製造工程の工程管理の必要性を判定し、工程管理が必要と判定された場合には工程管理を実施した後に、工程管理が不要と判定された場合には工程管理なしに、製品として出荷するためのボロンドープp型シリコンウェーハの製造を行うこと、
を含むボロンドープp型シリコンウェーハの製造方法、
に関する。
本発明の一態様によれば、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハを気相エッチングした後に、エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液を高回収率で回収することが可能となる。これにより、エッチング後のウェーハ表面から金属成分を高回収率で回収することも可能となる。
[エッチング方法]
本発明の一態様は、オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをチャンバー内に導入して混合することによりエッチングガスを調製すること、ならびに、抵抗率が0.016Ωcm以下のボロンドープp型シリコンウェーハの表面を上記エッチングガスと接触させることにより上記ボロンドープp型シリコンウェーハの表層領域を気相分解することを含み、上記オゾン含有ガスを上記チャンバー内へ3000sccm以上の流量で導入すること、および、上記フッ酸ミストを、フッ化水素酸濃度41質量%以上のフッ酸を霧化することにより調製することを更に含む、ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法に関する。
以下、上記エッチング方法について、更に詳細に説明する。
<エッチング対象>
上記エッチング方法におけるエッチング対象は、抵抗率が0.016Ωcm以下のボロンドープp型シリコンウェーハである。以下において、かかる低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハを、単に「シリコンウェーハ」または「ウェーハ」とも記載する。
本発明者らの検討によれば、低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハ、具体的には抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハについては、気相エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液の回収率が低いという現象が確認された。これに対し、以下に詳述する本発明の一態様にかかるエッチング方法によれば、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング後の表面で走査させた回収液を、高回収率で回収することができる。この点に関して本発明者らは、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハは、抵抗率が高いボロンドープp型シリコンウェーハと比べてボロン濃度が高く成分組成が異なるためエッチング後に表面荒れが発生しやすい傾向があり、このことが、エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液の一部がウェーハ表面に残留しやすくなり回収液の回収率が低下する原因と考えている。これに対し上記エッチング方法によれば、エッチングによる表面荒れの発生を抑制できることが、回収液の回収率向上に寄与すると、本発明者らは推察している。エッチング対象のウェーハの抵抗率は、0.016Ωcm以下であり、または0.015Ωcm以下であることができ、0.012Ωcm以下であることもできる。また、エッチング対象のウェーハの抵抗率は、例えば0.005Ωcm以上、0.010Ωcm以上または0.011Ωcm以上であることができるが、これら例示した下限を下回ってもよい。抵抗率は、半導体ウェーハの抵抗率測定方法として公知の方法により求めることができる。
上記シリコンウェーハのエッチングは、エッチング対象のウェーハの表面をエッチングガスと接触させることにより、このウェーハの表層領域を気相分解することによって行うことができる。気相分解される表層領域とは、シリコンウェーハの表面から深さ方向に向かう一部領域である。一般的なシリコンウェーハの金属汚染評価では、シリコンウェーハ表面から厚み0.02〜10μm程度の領域が分析対象領域となることが多い。したがって、一例では、エッチングされる表層領域の厚みは、0.02〜10μm程度であることができる。ただし表層領域の厚みは、この範囲外であってもよく、エッチングの目的に応じて設定すればよい。また、エッチング対象のシリコンウェーハの厚みは、例えば500〜1200μmの範囲であることができるが、この範囲に限定されるものではない。
<エッチングガスの調製>
エッチング対象のシリコンウェーハの表面と接触させるエッチングガスは、オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをチャンバー(エッチングガス調製用チャンバー)内に導入して混合することにより調製される。エッチングガス調製用チャンバーは、気相分解を行うチャンバー(気相分解用チャンバー)と同じチャンバーであってもよく、別のチャンバーであってもよい。エッチングガス調製用チャンバーが気相分解用チャンバーとは別のチャンバーである態様に関しては、エッチングガス調製用チャンバーから気相分解用チャンバーへのエッチングガスの供給が可能な各種の公知の構成のチャンバーを使用することができる。エッチングガス調製用チャンバーと気相分解用チャンバーが通気可能に連通している一例として、特許文献1(WO2014/129246)に記載のエッチング装置(同文献の図1、図2等参照)を挙げることができる。ただし、上記エッチング方法で使用されるチャンバーは特許文献1に記載のエッチング装置に限定されるものではない。
上記エッチング方法では、エッチングガスの調製のために、オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをエッチングガス調製用チャンバー内に導入する。オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストの導入は、シリコンウェーハの表層領域の気相分解中に連続的または断続的に継続して行うことが好ましく、連続的に継続して行うことがより好ましい。また、気相分解を行うチャンバーは、シリコンウェーハ表面と接触したエッチングガスの少なくとも一部をチャンバー外に排気可能な排気手段を備えることが好ましい。以下、エッチングガス調製用チャンバー内へのオゾン含有ガスの導入およびフッ酸ミストの導入について更に詳細に説明する。
(オゾン含有ガスの導入)
オゾン含有ガスは、エッチングガス調製用チャンバー内へ3000sccm以上の流量で導入される。流量に関する単位「sccm」とは、「standard cc/min」の略称であり、本発明および本明細書においては、大気圧(1013hPa)下、温度0℃の環境における流量(cc/min)を意味するものとする。エッチングを行う環境が上記気圧以外および上記温度以外の環境であってもよく、その場合には、上記気圧および上記温度における流量に換算して3000sccm以上となる流量で、エッチングガス調製用チャンバー内へのオゾン含有ガスの導入が行われる。エッチングガス調製用チャンバー内へ3000sccm以上の流量でオゾン含有ガスを導入することが、エッチング後のウェーハ表面に走査させた回収液の回収率向上に寄与する。一方、オゾン含有ガスの調製の容易性の観点からは、上記流量は、5000sccm以下であることが好ましく、4000sccm以下であることがより好ましい。また、上記オゾン含有ガスのオゾン濃度は、気相分解反応の反応速度を高める観点からは、0.5質量%以上であることが好ましく、0.7質量%以上であることがより好ましい。一方、オゾン含有ガスの調製の容易性の観点からは、上記オゾン含有ガスのオゾン濃度は、3.5質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることが更に好ましい。オゾン含有ガスは、誘電体バリア放電を利用する方法等の公知の方法により調製することができる。エッチングガス調製用チャンバーへのオゾン含有ガスの導入は、エッチングガス調製用チャンバーの少なくとも1つの開口部から行うことができ、2つ以上の開口部から行うこともできる。エッチングガス調製用チャンバーへのオゾン含有ガスの導入を2つ以上の開口部から行う場合、エッチングガス調製用チャンバー内へのオゾン含有ガスの流量とは、それら2つの開口部からの合計流量を意味するものとする。この点は、フッ酸ミストの導入についても同様である。
(フッ酸ミストの導入)
フッ酸ミストは、フッ酸(フッ化水素酸の水溶液)を霧化することにより調製することができる。このフッ酸として、フッ化水素酸(HF)濃度が41質量%以上のフッ酸を使用することが、エッチング後のウェーハ表面に走査させた回収液の回収率向上に寄与する。回収液の回収率を更に高める観点から、上記フッ酸のHF濃度は、43質量%以上であることが好ましい。一方、調製または入手の容易性の観点からは、上記フッ酸のHF濃度は、50質量%以下であることが好ましい。
フッ酸の霧化は、溶液をキャリアガスと混合することにより霧化して溶液の液滴を含むガス流をもたらすことができる公知の構成の霧化装置(一般に「ネブライザ」と呼ばれる。)によって行うことができる。一例としては、負圧吸引タイプのネブライザを挙げることができる。
霧化のためのキャリアガスとしては、不活性ガスの一種または二種以上の混合ガスを用いることができる。具体例としては、窒素ガス、アルゴンガス等を挙げることができる。キャリアガスの流量は、フッ酸の霧化を効率よく行う観点からは、700sccm以上とすることが好ましい。一方、フッ酸ミスト中のフッ酸濃度を高める観点からは、キャリアガスの流量は、1300sccm以下とすることが好ましい。
<シリコンウェーハ表層領域の気相分解>
上記エッチングガスをエッチング対象のシリコンウェーハの表面と接触させることによって、シリコンウェーハ表層領域を気相分解することができる。エッチングガスとシリコンウェーハ表面との接触時間(エッチング時間)は、例えば0.1〜4時間とすることができる。ただし、エッチング時間は、気相分解すべき表層領域の厚みに応じて設定すればよく、上記範囲に限定されるものではない。気相分解を行うチャンバー内の温度は、例えば17〜29℃程度であることができる。
上記気相分解後のシリコンウェーハ表面には、気相分解された表層領域(表層領域の表面および内部)に含まれていた金属成分が残留している。したがって、気相分解後のシリコンウェーハ表面から金属成分を回収して分析することにより、上記表層領域の金属汚染の有無および/または程度を評価することができる。ただし、先に記載したように、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハについては、気相エッチング後のウェーハ表面からの回収液の回収率が低下する傾向がある。しかし、気相分解後のシリコンウェーハ表面からの回収液の回収率が低いと、結果的に上記表層領域に含まれていた金属成分の回収率が低下してしまい、金属汚染評価の信頼性は低下してしまう。これに対し、上記エッチング方法によれば、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハについて、気相分解後のシリコンウェーハ表面に走査させた回収液を高回収率で回収することが可能となる。
[金属汚染評価方法]
本発明の一態様は、評価対象のボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率は0.016Ωcm以下であり、上記ボロンドープp型シリコンウェーハを上記エッチング方法によってエッチングすること、上記エッチング後のボロンドープp型シリコンウェーハの表面で回収液を走査させること、上記走査させた回収液を上記ボロンドープp型シリコンウェーハの表面から回収すること、および、上記回収液中の金属成分を分析すること、を含むボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染評価方法に関する。
上記金属汚染評価方法における評価対象のボロンドープp型シリコンウェーハは、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハウェーハである。かかるウェーハの詳細については、上記エッチング方法のエッチング対象のシリコンウェーハについて先に記載した通りである。上記金属汚染評価方法では、評価対象のボロンドープp型シリコンウェーハを、上記エッチング方法によってエッチングする。エッチング方法の詳細も、先に記載した通りである。
以下に、エッチング後の工程について更に詳細に説明する。
<エッチング後のウェーハ表面での回収液の走査>
上記金属汚染評価方法では、評価対象のシリコンウェーハの表面で回収液を走査させる。詳しくは、回収液を走査させる表面は、上記エッチング後に気相分解により表層領域が除去されて露出した表面である。回収液を走査させる前には、任意に、シリコンウェーハを加熱することができる。この加熱により、エッチングガスに含まれていた水分や気相分解の反応により生じた水分を乾燥させることができ、気相分解の反応により生じた易分解性物質をウェーハ表面から除去することもできる。加熱温度は、ウェーハ表面温度として、90〜100℃程度が好適である。加熱方法および加熱時間は特に限定されるものではない。
ウェーハ表面での回収液の走査は、気相エッチング後のウェーハ表面から回収液を用いて金属成分を回収する方法として公知の方法により行うことができる。例えば、回収液の走査は、回収液走査用ノズル(以下、「スキャンノズル」とも記載する。)を使用し、ノズル先端に回収液を液滴として保持しつつノズルをウェーハ表面上で移動させることによって行うことができる。その後、このノズルにより液滴を吸引することによって、ウェーハ表面で走査させた回収液を回収することができる。回収液走査用ノズルとしては、公知の構成のノズルを使用することができる。ウェーハ表面でのノズルの移動速度は、例えば2〜3mm/s程度とすることができる。回収液走査用ノズルの移動を自動化することにより、ウェーハ表面での回収液の走査を自動で行うことができる。
回収液としては、シリコンウェーハ表面から金属成分を回収する回収液として公知の回収液を使用することができる。かかる回収液としては、例えば、純水、フッ化水素酸と過酸化水素との混酸水溶液、過酸化水素と塩酸との混酸水溶液、フッ化水素酸、過酸化水素および塩酸の混酸水溶液等を挙げることができる。酸成分を含む回収液を使用する場合、酸成分の濃度については公知技術を何ら制限なく適用することができる。また、回収液の使用量は、例えば700〜1000μl程度とすることができるが、この範囲に限定されるものではなく、評価対象のシリコンウェーハのサイズ等を考慮して決定すればよい。
<金属成分の分析>
上記回収液には、エッチングにより除去されたシリコンウェーハ表層領域に含まれていた金属成分が取り込まれている。したがって、上記回収液中の金属成分を分析することにより、エッチングにより除去されたシリコンウェーハ表層領域に含まれていた金属成分の定性分析および/または定量分析を行うことができる。金属成分の分析は、金属成分の分析装置として公知の分析装置、例えば、誘導結合プラズマ質量分析装置(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry;ICP−MS)、原子吸光分光装置(Atomic Absorption Spectrometry;AAS)等によって行うことができる。シリコンウェーハ表面で走査させて回収された回収液はそのまま、または必要に応じて希釈もしくは濃縮した後、上記分析装置に導入することができる。先に説明した本発明の一態様にかかるエッチング方法によれば、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハについて、エッチング後のウェーハ表面で走査させた回収液を高回収率で回収することができる。その結果、評価対象のシリコンウェーハの表層領域(表層領域の表面および内部)に含まれていた金属成分を高回収率で回収することが可能となり、評価対象のシリコンウェーハ表層領域の金属汚染の有無および/または程度を、高い信頼性をもって評価することができる。
上記金属汚染評価方法は、各工程の実施および工程間のウェーハの搬送が自動化された自動評価システムにおいて行うことができる。例えば、エッチング部、加熱部、回収部、および分析部を備えた評価装置において、エッチング部へのウェーハの搬入、エッチング部での上記エッチング方法の実施、加熱部へのエッチングされたウェーハの搬入、加熱部でのウェーハの加熱乾燥、回収部へのウェーハの搬入、回収部でのウェーハ表面への回収液の供給、走査および回収、ならびに分析部での回収液中の金属成分分析を自動で行うことができる。例えば、上記の各部での工程の実施およびウェーハの搬送をプログラミングし、制御部でプログラムを実行することにより、全工程の自動化(全自動評価)が可能となる。エッチング後のウェーハ表面からの回収液の回収率が低い場合には、ウェーハ表面に残留している回収液を手動により再回収しなければならない場合も想定される、これに対し、先に記載した本発明の一態様にかかるエッチング方法によれば、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング後の表面で走査させた回収液を高回収率で回収することができる。したがって、上記の自動化された自動評価システムにおいて、評価対象のシリコンウェーハの金属汚染評価を高い信頼性をもって行うことが可能となる。
[製造方法]
本発明の一態様は、ボロンドープp型シリコンウェーハの製造工程において抵抗率が0.016Ωcm以下の工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハを製造すること、 上記工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染の有無、程度、または有無および程度を上記金属汚染評価方法により評価すること、ならびに、上記評価の結果に基づき上記製造工程の工程管理の必要性を判定し、工程管理が必要と判定された場合には工程管理を実施した後に、工程管理が不要と判定された場合には工程管理なしに、製品として出荷するためのボロンドープp型シリコンウェーハの製造を行うこと、を含むボロンドープp型シリコンウェーハの製造方法に関する。
シリコンウェーハの金属汚染は、製造工程に起因して発生し得る。上記製造方法は、先に記載した本発明の一態様にかかる金属汚染評価方法によって工程評価用のシリコンウェーハの金属汚染評価を行い、この評価結果に基づき、上記工程評価用シリコンウェーハが製造された製造工程における金属汚染の発生の有無および/または程度を判定する。この判定の結果、金属汚染低減のための工程管理が必要と判定された場合には、金属汚染を低減するための工程管理を行うことにより、工程管理後に当該製造工程において金属汚染が少ないシリコンウェーハを安定的に量産することが可能になる。または、上記判定の結果、工程管理が不要と判定された製造工程では、金属汚染を低減するための工程管理を行うことなく、金属汚染が少ないシリコンウェーハを引き続き安定的に量産することができる。なお上記製造工程の評価のために用いられる工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率は0.016Ωcm以下であるが、上記製造工程において製造されるボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率は0.016Ωcm以下であってもよく、0.016Ωcm超であってもよい。
上記製造工程は、ボロンドープp型シリコンウェーハの製造工程として公知の製造工程であることができ、特に限定されるものではない。例えば、シリコン単結晶インゴットから切り出されたボロンドープp型シリコンウェーハに、各種研削および/または研磨処理を施してポリッシュドウェーハを製造する製造工程、更にアニール処理を含むアニールウェーハの製造工程等を例示できる。シリコンウェーハの製造工程に対して行われる工程管理は、金属汚染低減のために行うことができ、例えば、製造工程に含まれる部材、配管、装置等の交換、洗浄、補修等、製造工程で使用される薬液の交換、高純度化等、プロセスガスの高純度化等を挙げることができる。
上記製造方法のその他の詳細については、ボロンドープp型シリコンウェーハの製造に関する公知技術を適用できる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。ただし本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載する操作は、特記しない限り、室温(20〜25℃)および大気圧下で行われた。また、以下に記載の%は、質量%である。
また、以下のエッチング試験は、特許文献1(WO2014/129246)の図1に示されているチャンバーを用いて実施した。このチャンバーは、気相分解用チャンバー上にエッチングガス調製用チャンバーが備えられ、両チャンバーが通気可能に連通され、かつ気相分解用チャンバーはシリコンウェーハ表面と接触したエッチングガスの少なくとも一部をチャンバー外に排気可能な排気パイプを備えている。
[エッチング試験1]
同じ製造工程において製造されたボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率0.016Ωcm)を複数準備し、各ウェーハをオゾン含有ガス流量が異なる条件でエッチングした。エッチングは、以下の方法により実施し、エッチング中、気相分解用チャンバーおよびエッチングガス調製用チャンバーのチャンバー内の温度は、温度制御手段によって23℃に維持した。
まず、気相分解用チャンバーにエッチング対象のウェーハを導入した。
エッチングガス調製用チャンバーに、オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストを導入した。具体的には、オゾン含有ガスとして、0.7質量%オゾン含有ガスを表1に示す5水準の流量で連続的に継続してエッチングガス調製用チャンバー内に導入した。フッ酸ミストについては、負圧吸引タイプのネブライザ(フッ酸吸引速度:300〜400μl/min)に、キャリアガスとして窒素ガスを流し(流量:700sccm)、フッ酸を霧化してフッ酸ミストをエッチングガス調製用チャンバー内に連続的に継続して噴霧した。フッ酸ミストの調製に用いるフッ酸としては、フッ化水素酸濃度44%のフッ酸を使用した。こうしてエッチングガス調製用チャンバー内でオゾン含有ガスとフッ酸ミストが混合されて気相分解用チャンバーに供給され、エッチングが行われる。エッチングは2時間行った。
その後、シリコンウェーハを気相分解用チャンバーから取り出して加熱ステージへ移し、加熱ステージ上で約5分間加熱した(ウェーハ表面温度約100℃)。この加熱によりエッチング後のウェーハ表面の水分や易分解性物質を除去することができる。
加熱後のシリコンウェーハをスキャンステージへ移し、スキャンステージ上でウェーハ表面に回収液(酸水溶液(HF濃度2%、H22濃度2%))を1000μl滴下し、この液滴をスキャンノズル先端に保持しながらスキャンノズルを速度2mm/sで移動させてウェーハ表面の全面で上記液滴を走査させた。その後、スキャンノズルによりノズル先端の液滴を吸引し回収した。回収された回収液の液量を、表1に示す。
[エッチング試験2]
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率0.010Ωcm)をそれぞれエッチングした点以外はエッチング試験1と同様にエッチング試験を実施した。エッチング後のウェーハ表面から回収された回収液の液量を、表2に示す。
[エッチング試験3(参考試験)]
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率10Ωcm)をそれぞれエッチングした点以外はエッチング試験1と同様にエッチング試験を実施した。エッチング後のウェーハ表面から回収された回収液の液量を、表3に示す。
[エッチング試験4]
同じ製造工程において製造されたボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率0.016Ωcm)を複数準備し、各ウェーハをフッ酸ミスト調製に用いるフッ酸のフッ化水素酸濃度が異なる条件でエッチングした。エッチングは、以下の方法により実施し、エッチング中、気相分解用チャンバーおよびエッチングガス調製用チャンバーのチャンバー内の温度は、温度制御手段によって23℃に維持した。
まず、気相分解用チャンバーにエッチング対象のウェーハを導入した。
エッチングガス調製用チャンバーに、オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストを導入した。具体的には、オゾン含有ガスとして、0.7質量%オゾン含有ガスを3000sccmの流量で連続的に継続してエッチングガス調製用チャンバー内に導入した。フッ酸ミストについては、負圧吸引タイプのネブライザ(フッ酸吸引速度:300〜400μl/min)に、キャリアガスとして窒素ガスを流し(流量:700sccm)、フッ酸を霧化してフッ酸ミストをエッチングガス調製用チャンバー内に連続的に継続して噴霧した。フッ酸ミストの調製に用いるフッ酸としては、表4に示す5水準のフッ化水素酸濃度のフッ酸を使用した。こうしてエッチングガス調製用チャンバー内でオゾン含有ガスとフッ酸ミストが混合されて気相分解用チャンバーに供給され、エッチングが行われる。エッチングは2時間行った。
その後、シリコンウェーハを気相分解用チャンバーから取り出して加熱ステージへ移し、加熱ステージ上で約5分間加熱した(ウェーハ表面温度約100℃)。この加熱によりエッチング後のウェーハ表面の水分や易分解性物質を除去することができる。
加熱後のシリコンウェーハをスキャンステージへ移し、スキャンステージ上でウェーハ表面に回収液(酸水溶液(HF濃度2%、H22濃度2%))を1000μl滴下し、この液滴をスキャンノズル先端に保持しながらスキャンノズルを速度2mm/sで移動させてウェーハ表面の全面で上記液滴を走査させた。その後、スキャンノズルによりノズル先端の液滴を吸引し回収した。回収された回収液の液量を、表4に示す。
[エッチング試験5]
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率0.010Ωcm)をそれぞれエッチングした点以外はエッチング試験4と同様にエッチング試験を実施した。エッチング後のウェーハ表面から回収された回収液の液量を、表5に示す。
[エッチング試験6(参考試験)]
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300mm、抵抗率10Ωcm)をそれぞれエッチングした点以外はエッチング試験4と同様にエッチング試験を実施した。エッチング後のウェーハ表面から回収された回収液の液量を、表6に示す。
エッチング試験1、2、4、5の結果とエッチング試験3、6(参考試験)の結果との対比から、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハでは、エッチング後の回収液の回収率が低下する現象が発生することが確認できる。
更に、表1、2、4、5中の実施例と比較例との対比から、かかる回収液の回収率の低下は、エッチングガス調製のためのオゾン含有ガスの流量を3000sccm以上とし、かつフッ酸のフッ化水素酸濃度を41%以上とすることにより抑制できたことが確認できる。なお表3、表6中の回収液の回収量が、ウェーハ表面に滴下した回収液量をわずかに上回っている理由は、気相分解の反応により生じた微量の副生物も回収液中に回収されたためと推察される。
[金属汚染評価試験]
金属汚染量既知の汚染ウェーハを、以下の方法により準備した。
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300m、抵抗率0.016Ωcm)の表面に、Fe、Ni、Cuの濃度をそれぞれ1ppbに調整した汚染液(0.2%硝酸水溶液)をそれぞれ1ml滴下し、その後、クリーンベンチ内で自然乾燥させた。
同じ製造工程において製造された複数のボロンドープp型シリコンウェーハ(直径300m、抵抗率0.010Ωcmまたは10Ωcm)も同様に処理して汚染ウェーハを準備した。
各汚染ウェーハを、フッ酸ミスト調製に用いるフッ酸のフッ化水素酸濃度を50%または38%とした点以外はエッチング試験4と同様にエッチングして汚染液で汚染された表面側の表層領域を気相分解し、更にエッチング試験4と同様に回収液の走査および回収を行った。回収された回収液をICP−MSに導入して各種金属成分の定量分析を行った。上記既知汚染量を100%として、定量分析された各金属成分の回収率を算出した。結果を表7に示す。なお表7中、回収率が100%をわずかに上回っている値があるが、これは定量分析に用いたICP−MSの装置起因の測定誤差によるものと推察される。
先に示した通り、エッチングガス調製のためのオゾン含有ガスの流量を3000sccm以上とし、かつフッ酸のフッ化水素酸濃度を41%以上とすることにより、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング後の表面から回収液を高回収率で回収することができる。そのように高回収率で回収液を回収できることが、抵抗率が0.016Ωcm以下の低抵抗ボロンドープp型シリコンウェーハにおいて顕著に発生する金属成分の回収率の低下を、表7に示されているように抑制できる理由と考えられる。こうしてエッチング後のウェーハから高回収率で金属成分を回収して金属汚染の評価を行い、その評価の結果を用いて工程管理を行うことによって、金属汚染が少ない高品質なシリコンウェーハを安定供給することが可能となる。
本発明の一態様は、半導体基板として利用可能なシリコンウェーハの技術分野において有用である。

Claims (6)

  1. オゾン含有ガスおよびフッ酸ミストをチャンバー内に導入して混合することによりエッチングガスを調製すること、ならびに、
    抵抗率が0.016Ωcm以下のボロンドープp型シリコンウェーハの表面を前記エッチングガスと接触させることにより前記ボロンドープp型シリコンウェーハの表層領域を気相分解すること、
    を含み、
    前記オゾン含有ガスを前記チャンバー内へ3000sccm以上の流量で導入すること、ならびに、
    前記フッ酸ミストを、フッ化水素酸濃度41質量%以上のフッ酸を霧化することにより調製すること、
    を更に含む、ボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法。
  2. 前記オゾン含有ガスのオゾン濃度は、0.5〜3.5質量%の範囲である、請求項1に記載のボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法。
  3. 前記フッ酸ミストを、前記フッ酸を700sccm以上1300sccm以下の流量のキャリアガスによって霧化することにより調製することを含む、請求項1または2に記載のボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法。
  4. 前記オゾン含有ガスおよび前記フッ酸ミストが導入される前記チャンバーとは別のチャンバーへ前記キャリアガスを導入し、前記別のチャンバー内で前記気相分解を行うことを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボロンドープp型シリコンウェーハのエッチング方法。
  5. 評価対象のボロンドープp型シリコンウェーハの抵抗率は0.016Ωcm以下であり、
    前記ボロンドープp型シリコンウェーハを請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング方法によってエッチングすること、
    前記エッチング後のボロンドープp型シリコンウェーハの表面で回収液を走査させること、
    前記走査させた回収液を前記ボロンドープp型シリコンウェーハの表面から回収すること、および、
    前記回収液中の金属成分を分析すること、
    を含むボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染評価方法。
  6. ボロンドープp型シリコンウェーハの製造工程において抵抗率が0.016Ωcm以下の工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハを製造すること、
    前記工程評価用ボロンドープp型シリコンウェーハの金属汚染の有無、程度、または有無および程度を請求項5に記載の金属汚染評価方法により評価すること、ならびに、
    前記評価の結果に基づき前記製造工程の工程管理の必要性を判定し、工程管理が必要と判定された場合には工程管理を実施した後に、工程管理が不要と判定された場合には工程管理なしに、製品として出荷するためのボロンドープp型シリコンウェーハの製造を行うこと、
    を含むボロンドープp型シリコンウェーハの製造方法。
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