JP5720297B2 - シリコンウェーハの金属汚染分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハの金属汚染分析方法に関するものであり、詳しくは、シリコンウェーハの表層領域の金属汚染を迅速かつ高感度に分析することを可能とするシリコンウェーハの金属汚染分析方法に関するものである。
半導体製造分野では、半導体デバイスの微細化、高集積化に伴い、基板として使用されるシリコンウェーハ表面の微量金属不純物が、リーク不良や酸化膜耐圧不良、ライフタイム低下などのデバイス特性に影響を及ぼすことが報告されている。さらに、シリコンウェーハ表面上の金属不純物汚染のみならず、シャロートレンチやソース、ドレインなどのデバイス構造を形成するシリコンウェーハ表層領域での微量金属不純物汚染がデバイス特性へ影響することも問題視されてきている。
従来、シリコンウェーハ表面および表層部の金属不純物評価方法としては、シリコンウェーハ表層部を酸溶液で溶解し、その酸溶液を希釈または濃縮して原子吸光光度計(AAS)または誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)で定量分析する方法が用いられていた(以下、「液相エッチング法」という)。しかし、液相エッチング法では、シリコンウェーハ表層を均一にエッチングするには大量の酸溶液が必要となる。従って、大量の酸溶液によって金属不純物濃度が希釈されるために感度不足や酸溶液自体からの持込汚染による分析バックグランド上昇による感度低下が、超微量金属不純物評価が求められる半導体製造分野における高感度分析の妨げとなっていた。
そこで近年、液相エッチング法に代わる手段として、シリコンウェーハ表層部を酸蒸気(エッチングガス)にて気相分解し、その分解残渣を回収し、AASまたはICP−MSで定量分析する方法(以下、「気相エッチング法」という)が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−130696号公報
気相エッチング法は、エッチングで使用する酸溶液が少量でよいことや酸溶液自体からの持込汚染量が液相エッチングと比較して非常に少ないというメリットにより検討が行われている。しかし、気相エッチング法は、液相エッチング法と比較して酸(酸蒸気)とシリコンウェーハとの反応速度が非常に遅い。長時間の気相分解反応を行いエッチング量を増やすことは可能であるが、分析に長時間を要することとなり、特に、分析対象領域が広くなると、生産性の著しい低下を招くこととなる。
また、半導体基板として使用されるシリコンウェーハの金属汚染分析においては、超微量金属成分を高感度分析することが求められるが、特許文献1に記載されているように、気相エッチング法では、気相分解反応で分析対象シリコンウェーハ上に生成するSi化合物(Si残渣)がICP−MS等の分析機器における定量評価で妨害物質となる。特に、分析対象領域が広くなると、シリコンウェーハにおいて気相分解により分解除去するシリコン量も多くなり、これに伴いSi残渣の生成量も多くなるため、Si残渣が分析感度に与える影響は無視できないほど大きくなってしまう。
以上説明したように、気相エッチング法を利用するシリコンウェーハの金属汚染分析においては、迅速かつ高感度な分析を可能とすることが求められており、特に、分析対象領域が広くなるほど、その要求は強くなる。
そこで本発明の目的は、気相エッチング法によるシリコンウェーハの金属汚染分析において、気相分解反応に要する時間の短縮化および分析感度の向上を実現するための手段を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の新たな知見を得るに至った。
従来の気相エッチング法では、特許文献1に記載されているように、弗化水素酸と硝酸との混酸を気化して得られた酸蒸気(即ち、弗化水素ガスと硝酸ガスとの混合ガス)がエッチングガスとして使用されていた。これに対し本発明者らは、上記混合ガスに窒素酸化物ガス(以下、「NOxガス」とも記載する。)を更に混合することで、気相分解反応の反応速度を大きく高めることができることを見出した。これにより、分析対象領域が広く従来の気相エッチング法ではエッチング工程がきわめて長時間となる場合であっても、従来の気相エッチング法と比べてエッチング工程に要する時間を短縮することができる。この理由を、本発明者らは以下のように推察している。
エッチングガスとして弗化水素ガス(HF)と硝酸ガス(HNO3)との混合ガスを使用してシリコンウェーハの表層領域をエッチングすると、以下のHNO3ガスによるSiの酸化(1)と、HFガスによるSiO2の除去(2)が同時に行われる。
Si+4HNO3↑ → SiO2+8NO↑+2H2O …(1)
SiO2+4HF↑ → SiF4+2H2O …(2)
反応で生じたNOガスは、下記(3)に示すように、反応後直ちに酸素と反応する。
2NO↑+O2↑ → 2NO2↑ …(3)
式(1)、式(2)で生じた水蒸気が反応容器内面に付着して微小な液滴になった後、式(4)に示すように、SiF4ガスはこの液滴と反応してゲル状のオルトケイ酸(H4SiO4)を生じる。なお、ここで生成したオルトケイ酸(H4SiO4)は、比較的短時間で分解昇華させることができる。
SiF4↑+4H2O → H4SiO4↓+4HF↑ …(4)
式(3)、式(4)でそれぞれ生じたNO2ガスとHFガスにより、上記式(1)、式(2)の反応が繰り返されることにより、Siが分解昇華される。ここで反応系内にNOxガス(好ましくはNOガスおよび/またはNO2ガスである。)を導入すれば、(1)〜(4)の反応が促進されるため、結果的に気相分解の反応速度(エッチング速度)を大きく高めることができると考えられる。
加えて本発明者らは、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスによる気相分解反応後に、気相分解反応により露出したシリコンウェーハ表面を180℃以上となるように加熱することで、分析感度を低下させるSi残渣量を大きく低減できることも見出した。この理由を、本発明者らは以下のように推察している。
先に説明したとおり、エッチングガスとして弗化水素ガス(HF)と硝酸ガス(HNO3)を含む混合ガスを使用してシリコンウェーハの表層領域をエッチングすると、前述のHNO3ガスによるSiの酸化(1)と、HFガスによるSiO2の除去(2)が同時に行われる。反応で生じたNOガスは、前記(3)に示すように、反応後直ちに酸素と反応する。前記式(1)、式(2)で生じた水蒸気が反応容器内面に付着して微小な液滴になった後、前記式(4)に示すように、SiF4ガスはこの液滴と反応してゲル状のオルトケイ酸(H4SiO4)を生じる。先に説明したように、ここで反応系内にNOxガスを導入すれば、(1)〜(4)の反応が促進されるため、結果的に気相分解の反応速度(エッチング速度)を大きく高めることができると本発明者らは推察しているが、これのみでは、気相分解反応後のSi残渣量を低減することは困難である。これは、HFとHNO3によりSiは、通常その97%以上が分解してSiF4を生成するが、その残りが難分解性のジアンモニウムヘキサフルオロシリケート((NH4)2SiF6)を生成するからである。
これに対し本発明者らは、前記混合ガスによる気相エッチング後に露出したシリコンウェーハ表面を180℃以上に加熱することで、 (NH4)2SiF6を分解昇華させることが可能となり、その結果Si残渣量を大きく低減できることを新たに見出した。なお前述の特許文献1には、段落[0030]に気相分解後に100〜150℃に加熱したホットプレート上でシリコンウェーハを加熱することが提案されているが、ここではホットプレートの設定温度が最高でも150℃であるため、ホットプレート上に置かれたシリコンウェーハの表面温度は180℃に満たない。これでは、易分解性のH4SiO4(前記式(4)の生成物)を分解昇華させることでSi残渣量を低減することはできても、難分解性の(NH4)2SiF6を分解昇華させることは困難である。なお特許文献1の実施例2では、気相分解反応後のシリコンウェーハを120℃に設定したホットプレート上で30分間加熱することで、約90質量%以上のフッ化シリコン化合物が蒸発したとされているが、これは特許文献1の実施例2では、エッチング量が0.2μmとごく僅かであるため(NH4)2SiF6の生成量が少なくフッ化シリコン化合物の大部分が易分解性のH4SiO4であったためと考えられる。これに対し、エッチング量が多くなるほど難分解性の(NH4)2SiF6の生成量も多くなるため、特許文献1に記載されている方法ではSi残渣による分析感度低下を防ぐことは困難である。
以上説明したように、本発明者らは、
弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスをエッチングガスとして使用することで気相分解反応に要する時間を短縮することができること、ならびに、
気相分解反応後のシリコンウェーハ表面を180℃以上に加熱することでSi残渣量を大きく低減できること、
を新たに見出した。そして本発明者らは以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、前記した目的は、下記手段により達成された。
[1]分析対象のシリコンウェーハを、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスと接触させることにより、該シリコンウェーハの表層領域をエッチングすること、
前記エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上の温度となるように加熱すること、
前記加熱後のシリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露すること、
前記曝露後のシリコンウェーハ表面上の金属成分を回収用水溶液中に捕集すること、ならびに、
前記回収用水溶液中の金属成分を分析すること、
を含むシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
[2]前記表層領域は、分析対象シリコンウェーハの表面から深さ3μm以上の領域である[1]に記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
[3]前記エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上250℃以下の温度となるように加熱する[1]または[2]に記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
[4]前記分析対象シリコンウェーハは、工程汚染の把握を行うためのウェーハである[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
本発明によれば、デバイス特性に悪影響を与えるシリコンウェーハの金属汚染を、分析対象領域が広い場合であっても、短時間かつ高感度に評価することができる。評価対象のシリコンウェーハを、工程汚染の把握を行うシリコンウェーハとすることで、工程の金属汚染を把握することができ、これにより高品質なシリコンウェーハを提供することが可能となる。
本発明のシリコンウェーハの金属汚染分析方法(以下、単に「分析方法」ともいう)は、分析対象のシリコンウェーハを、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスと接触させることにより、該シリコンウェーハの表層領域をエッチングすること、前記エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上の温度となるように加熱すること、前記加熱後のシリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露すること、前記曝露後のシリコンウェーハ表面上の金属成分を回収用水溶液中に捕集すること、ならびに、前記回収用水溶液中の金属成分を分析すること、を含む。
先に説明したように、上記混合ガスをエッチングガスとして使用することで気相分解反応に要する時間を短縮することができ、気相分解反応後のシリコンウェーハ表面を180℃以上に加熱することでSi残渣量を大きく低減することができる。ただし上記加熱後のシリコンウェーハ表面は酸化膜が形成され親水性表面となっているため、このまま回収用水溶液による金属成分の回収を行おうとすると、回収用水溶液がシリコンウェーハ表面上で大きく広がるため全面にくまなく走査することは困難であり、また回収用水溶液をシリコンウェーハから確実に回収することも困難となる。その結果、シリコンウェーハ表面から金属成分を高回収率で捕集することができず分析感度の低下を招くこととなる。そこで本発明では、加熱処理後のシリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露する。これによりシリコンウェーハ表面は疎水化されるため、シリコンウェーハ表面上で回収用水溶液が液滴の状態で転がりやすくなり全面走査およびその後のシリコンウェーハ表面からの液滴の回収が容易になる。これによりシリコンウェーハ表面から金属成分を高回収率で捕集することが可能となる。
以下、本発明の分析方法について、更に詳細に説明する。
本発明の分析方法では、分析対象のシリコンウェーハを、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガス(エッチングガス)と接触させることで、シリコンウェーハ表層領域を気相分解反応によりエッチングする。例えば、分析対象のシリコンウェーハが配置されたチャンバー(閉塞空間)内に上記エッチングガスを導入することにより、エッチングガスをシリコンウェーハと接触させることができる
エッチングガスとして使用する弗化水素ガス、硝酸ガスおよびNOxガスの混合ガスは、上記3種のガスを任意の割合で混合することにより得ることができる。例えば、シリコン片を浸漬した硝酸と弗化水素酸(弗酸)との混酸(以下、「混酸A」という)にキャリアガスをバブリングすることにより発生させた硝酸ガスとNOxガスとの混合ガスを、弗化水素酸と硫酸との混酸(以下、「混酸B」という)にキャリアガスをバブリングすることにより発生させた弗化水素ガスと混合することによって、上記混合ガスを得ることができる。混酸Aおよび混酸Bの調製に使用する酸溶液としては、例えば、濃度40〜50質量%の弗化水素酸(HF)、濃度50〜98質量%の硫酸(H2SO4)、濃度50〜70質量%の硝酸(HNO3)を挙げることができる。混酸Aにおける硝酸と弗化水素酸との混合比は、例えば、硝酸:弗化水素酸(体積基準)=10〜20:1〜3とすることができる。混酸Bにおける硫酸と弗化水素酸との混合比は、例えば、弗化水素酸:硫酸(体積基準)=3〜6:1〜3とすることができる。また、バブリングに使用するキャリアガスとしては、窒素ガス等の不活性ガスが好適である。バブリングによれば、常時一定量のガスを供給できるため好ましい。バブリング量は特に限定されるものではないが、例えば0.1〜2L/min.程度が好適である。上記混合ガスの混合比は特に限定されるものではなく、例えば、バブリングのために使用するキャリアガスの流量によって調整することができる。
または、混酸Bに代えて、加熱した弗化水素酸を、弗化水素ガス発生源として使用することも好適である。ここで弗化水素酸を加熱する理由は、ウェーハ表面における気相分解反応速度を高めるためである。弗化水素酸を加熱しないと、加熱する場合と比べて単位時間当たりの弗化水素ガスの発生量が少ないため、ウェーハ表面におけるエッチング速度は低くなる。エッチング速度の観点からは、弗化水素酸は液温30℃以上に加熱することが好ましい。本発明者らの検討によれば、弗化水素酸の液温は40℃が最適条件であり、温度制御も比較的容易であり好ましい。本発明者らが、40℃に加熱した弗化水素酸より発生させた弗化水素ガスを用いて所定条件下でウェーハ表面をエッチングしたところ、エッチング速度は10μm/hr程度、30℃未満の弗化水素酸より発生させた弗化水素ガスを用いて同条件下でウェーハ表面をエッチングしたところ、エッチング速度は40℃加熱の場合の半分以下であった。したがって弗化水素酸を弗化水素ガス発生源とする場合、液温30℃以上となるように加熱することが好ましく、40℃程度に加熱することが特に好ましい。弗化水素酸の加熱温度が高いほど、単位時間当たりの弗化水素ガスの発生量が増加するが、本発明者らの検討によれば、50℃を超える液温に弗化水素酸を加熱して単位時間当たりの弗化水素ガスの発生量を増加させても、ウェーハ表面におけるエッチング速度は、40℃に弗化水素酸を加熱して発生した弗化水素ガスを用いた場合のエッチング速度に対して向上しなかった。この原因は、ウェーハ表面における気相分解反応が律速となっていることにあると考えられる。また、弗化水素酸の液温が50℃を超えると、単位時間当たりの弗化水素の発生量が増加するため、弗化水素酸の交換頻度が増える。したがって工業的にも弗化水素酸の加熱温度は50℃以下とすることが好ましい。例えば、容器に入れた弗化水素酸を電気ヒーター等の加熱手段で加熱するとともに、温度センサーを設置してヒーターの出力を制御することで所望温度(上記の通り、好ましくは30〜50℃)に維持した状態でキャリアガスとして窒素ガスをバブリングすることにより、加熱した弗化水素酸から弗化水素ガスを発生させることができる。
混酸Aから常時または定期的に所定量のNOxガスを発生させるためには、シリコン片を浸漬させた硝酸と弗化水素酸との混酸をキャリアガスによってバブリングさせながら、常時または定期的に一定量の弗化水素酸を添加することが好ましい。ここで使用するシリコン片としては、シリコン片の分解によって系内が汚染することを防止するため、高純度のものを用いることが好ましい。そのような高純度シリコン片としては、シリコンウェーハ、好ましくはシリコン基板製造の最終洗浄を経たシリコンウェーハを裁断することによって得られるシリコンウェーハ片を挙げることができる。シリコン片の使用量は、所望量のガスの発生が可能な量であればよく特に限定されるものではないが、例えば、68質量%硝酸水溶液約80gと50質量%弗酸水溶液約6gとの混酸に対して、約3〜5g程度のシリコン片を浸漬させ、その混酸に50質量%弗酸を0.1〜1.0g/min.量で添加することができる。
異なる発生源から発生したガスは、シリコンウェーハが配置された反応チャンバーにて合流させて混合することもでき、反応チャンバー前に設けた容器内で混合し、混合ガスの状態で反応チャンバーに導入することもできる。混合ガスの均一性を高めるためには、後者の方法を採用することが好ましい。
シリコンウェーハとエッチングガスを接触させる時間は、反応チャンバーに導入するエッチングガス量および所望のエッチング量に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。また、気相分解反応時にシリコンウェーハを加熱または冷却することで、気相分解反応を促進しエッチング時間をより一層短縮できる場合もある。
上記エッチング後のシリコンウェーハ表面には、エッチングされた表層領域に含まれていた金属不純物が残留している。したがって、エッチング後のシリコンウェーハ表面から金属成分を回収、定量することにより、エッチングされた表層領域に含まれていた金属不純物濃度、即ち表層領域の金属汚染量を求めることができる。しかし先に説明したように、エッチング後のシリコンウェーハ表面に、オルトケイ酸およびジアンモニウムヘキサフルオロシリケートが多量に残留していると、これらSi化合物(Si残渣)が分析対象である金属不純物とともに回収され分析機器に導入される結果、分析感度を低下させる原因となる。具体的には、原子吸光分光光度計(AAS)においては、分析時にバックグラウンドが高くなったりサンプルのピーク形状が異常になる。誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)では、分析時に干渉分子ピークとして異常ピークが検出されてしまう。そこで前述の特許文献1では、エッチング後にシリコンウェーハを加熱することでSi残渣を除去することが提案されているが、Si残渣の一種であるジアンモニウムヘキサフルオロシリケート( (NH4)2SiF6)は難分解性物質であり、特許文献1に記載されているような加熱処理では除去することは難しい。これに対し本発明では、エッチング処理後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上の温度となるように加熱する。これにより、該表面上に存在するジアンモニウムヘキサフルオロシリケートを分解昇華させ分析対象の金属不純物とともに回収されるSi残渣量を大きく低減することができるため、分析精度を向上することが可能となる。
上記加熱におけるシリコンウェーハの表面温度は、180℃以上であり、好ましくは180℃以上250℃以下、より好ましくは180℃以上220℃以下である。これは、シリコンウェーハの表面温度が高いと、ウェーハバルク中の金属成分(Cu等)がウェーハ表面に拡散する可能性があるためである。このような拡散が生じると、分析対象領域以外からの金属成分が回収液に捕集されて分析結果に影響を及ぼすことになるため、シリコンウェーハの加熱温度は、上記の通り表面温度として250℃以下の温度とすることが好ましく、220℃以下の温度とすることがより好ましい。
前記加熱は、エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した面を鉛直上方に向けて所定温度に加熱したホットプレート上に配置することで行うことができる。ホットプレートからの汚染を防ぐ観点からは、ホットプレートを洗浄後した後にシリコンウェーハを配置することが好ましく、ホットプレートからの汚染をさらに防ぐために、シリコンウェーハがホットプレートと直接接触しないようにホットプレートとシリコンウェーハとの間に、十分に洗浄して清浄度を高めたシリコンウェーハ(ダミーウェーハ)を配置することが好ましい。
前記加熱は、シリコンウェーハ表面のジアンモニウムヘキサフルオロシリケートが分解昇華されるに十分な時間に設定すればよい。ジアンモニウムヘキサフルオロシリケートは分解昇華すると白煙を生じるため、白煙が生じなくなるまで加熱することでシリコンウェーハ表面からジアンモニウムヘキサフルオロシリケートを十分に除去することができる。例えば200mmφのシリコンウェーハを表面から深さ10μm程度までエッチングする場合には、10分以上加熱することでシリコンウェーハ表面のジアンモニウムヘキサフルオロシリケート量を分析感度に影響を与えない程度にまで低減することができる。
なお、エッチング後のシリコンウェーハ表面には通常、エッチングガスに含まれていた水分および反応により生じた水分、易分解性物質であるオルトケイ酸も残留しているが、これらも上記加熱により除去することができる。
前記加熱によりSi残渣量を低減したシリコンウェーハ表面に回収用水溶液を走査することにより、分析対象のシリコンウェーハ表層領域に含まれていた金属不純物を回収液中に捕集することができる。本発明では、シリコンウェーハ表面に回収用水溶液を走査させる前には、シリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露する。先に説明したように、この処理を行うことで、シリコンウェーハ表面を疎水化することができるため、シリコンウェーハ表面で回収用水溶液が液滴の状態で転がりやすくなり全面走査およびその後のシリコンウェーハ表面からの回収が容易になる。上記弗酸蒸気は、弗化水素酸にキャリアガスをバブリングすることで発生させることができる。キャリアガスとしては、窒素ガス等の不活性ガスが好適である。
前記回収用水溶液としては、HF/H22、HF/HCl/H22、HNO3/HF、HNO3/HF/HCl、等の混酸水溶液を使用することができる。ここで使用する混酸水溶液中の酸濃度は10質量%以上であることが、回収効率の観点から好ましい。シリコンウェーハ表面に供給および走査する回収量は、50〜250μl程度が好適である。
シリコンウェーハ表面に回収用水溶液を走査させる方法としては、例えば、シリコンウェーハ表面に滴下した溶液を全面になじませるように、ウェーハを傾かせて回転させる方法を用いることができる。本発明ではシリコンウェーハ表面は弗酸蒸気に曝露され疎水化されているため、シリコンウェーハ表面上で回収用水溶液は大きく広がることなく液滴の状態で転がることができる。これによりシリコンウェーハ表面の全面にわたりくまなく回収用水溶液を走査することが可能となる。その後、例えばシリコンウェーハを容器上で傾けて表面の液滴(回収用水溶液)を容器内に滴下させることで、シリコンウェーハ表面から回収用水溶液を回収することができる。ここでシリコンウェーハ表面上に回収用水溶液が多量に残留すると、金属成分の回収率が低下し分析感度は低下する。これに対し本発明ではシリコンウェーハ表面が疎水化されているため、回収用水溶液をシリコンウェーハ表面上に多量に残留させることなく回収することができる。なお上記操作は手動で行ってもよく自動で行ってもよい。
次いで、シリコンウェーハ表面上を走査した回収用水溶液中の金属成分を分析することにより、エッチングにより除去されたシリコンウェーハ表層領域に含まれていた金属成分の定性分析および定量分析を行うことができる。金属成分の分析は、溶液中の金属成分を分析可能な公知の方法によって行うことができる。そのような方法としては、原子吸光分析(AAS)および誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)を挙げることができる。AASおよびICP−MSは、微量金属成分を高感度に分析可能であるため好ましい。分析可能な金属としては、Ag、Cu、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni、Zn等の各種金属を挙げることができる。
AASおよびICP−MSは、いずれも高感度分析が可能な分析装置であるが、ICP−MSがより高感度であるため、分析感度をより一層高めるためにはICP−MSを用いることが好ましい。ICP−MSは四重極型ICP−MSと二重収束型ICP−MSに大別されるが、二重収束型ICP−MSは四重極型ICP−MSに比べて高分解能であることから、分解能の点からは二重収束型ICP−MSを用いることがより好ましい。
金属不純物は、シリコンウェーハ製造工程中の酸化、拡散等の各種熱処理において基板表層部へ容易に拡散し、析出物、転位、酸素誘起積層欠陥(OSF:Oxidation−induced Stacking Fault)等の結晶欠陥、少数キャリアのライフタイム低下、リーク電流の増大、酸化膜の絶縁破壊電圧劣化等を引き起こすおそれがある。そのため、熱処理プロセス等の製造工程における金属汚染を低減するために、通常、製品を熱処理する前に、使用する加熱炉のプロセス汚染量を評価用基板を用いて試験的に評価し、この評価値に基づいて汚染を改善した後に、本格的な製品熱処理を行っている。また、日常の工程汚染の把握のため、例えば1ロットあたり1枚、1日あたり1枚、または1週間あたり1枚の評価用基板をサンプリングすることにより、工程汚染を評価することも行われている。本発明の金属汚染分析方法は、上記のような工程汚染の把握を行うためのウェーハの評価方法として用いることができる。金属汚染分析のためにエッチングする表層領域とは、シリコンウェーハ表面から深さ方向に向かう領域をいい、シリコンウェーハの用途および求められる物性によりエッチングすべき深さ(エッチング量)は異なるが、デバイス作製に使用されるシリコンウェーハについては、表面から深さ3μm〜30μm程度、更には10μm〜30μm程度の表層部の金属汚染を分析することが好ましい。特に、3μm以上10μm以下のエッチング量は、エピタキシャルウェーハのエピタキシャル層中の金属不純物評価に有効である。また、10μm以上のエッチング量は、シリコンウェーハ内部の金属不純物評価に有効である。このように比較的広い領域を分析するためにはエッチング量が多くなり、これに伴い難分解性のSi残渣量も増えるが、本発明によればそのような場合であっても、短時間にエッチングを行うことができ、かつSi残渣による分析感度低下を防ぐことができるため、迅速かつ高感度な分析が可能となる。
本発明により表層領域の金属汚染が分析されるシリコンウェーハは、p型半導体基板であってもn型半導体基板であってもよい。その厚さは、例えば600〜1000μmであるが特に限定されるものではない。本発明の分析方法は、φ200mm、φ300mm、その他、φ450mm等どのような口径のウェーハにも適応可能である。
以上説明した本発明の分析方法では、前記した各工程、即ち、気相エッチング工程、ウェーハ加熱工程、弗酸蒸気による表面疎水化工程、および金属不純物捕集工程、を同一装置内で行うこととし、各工程をソフトウェアで制御することで自動化することも可能である。
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の「%」は、質量%を示す。
[実施例1]
(1)気相分解反応によるシリコンウェーハ表層領域のエッチング
表裏面が鏡面加工された直径200mmのp型シリコンウェーハ(抵抗率:10Ω・cm)を反応チャンバー内に配置した。
上記シリコンウェーハを配置した反応チャンバー内に、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスを導入しシリコンウェーハの表層領域を気相分解反応により1時間エッチングした。エッチングされた領域は、シリコンウェーハ表面から深さ11μmまでの表層領域であった。
上記混合ガスは、以下の方法により調製し反応チャンバー内に導入した。
第一の弗素系樹脂製容器に50%弗酸200gを秤量して入れた後、液温40℃となるように容器内で通電ヒーターにより加熱し、以降温度センサーで液温をモニターし40℃に維持した。
別途、第二の弗化樹脂製容器に50%弗酸12gと68%硝酸150gを秤量した後、シリコン片4gを同容器に加えた。エッチング反応に必要なNOxガスを発生させるため、5分間待機した。
5分間待機後、第一、第二の容器の薬液内に窒素ガスをそれぞれ2l/min.(第一の容器)、0.4l/min(第二の容器)で送り込み、バブリングさせた。バブリングによって、第一の容器から弗化水素ガスが、第二の容器からは硝酸ガスおよびNOxガスがそれぞれ発生した。発生したガスを反応チャンバー前に配置した空容器を経由させたのち、シリコンウェーハが配置された反応チャンバー内に導入した。
(2)シリコンウェーハの加熱処理
上記(1)の後、反応チャンバーからシリコンウェーハを表面が汚染されないように取り出し、洗浄処理を施したホットプレート上に清浄なシリコンウェーハ(ダミーウェーハ)を介して、エッチングにより露出した面が鉛直上方に向くように配置した。その後、シリコンウェーハ表面温度を非接触型温度計でモニタリングしながらホットプレート上でシリコンウェーハを加熱した。ここでの加熱は、エッチングにより露出した表面温度が200℃となる温度で10分間行った。加熱中シリコンウェーハ表面から白煙が発生したため、加熱によりアンモニウムヘキサフルオロシリケートが分解昇華したことが確認された。
(3)弗酸蒸気による表面疎水化処理
上記加熱後のシリコンウェーハを反応チャンバー内に配置し、同チャンバーに弗化水素酸に窒素ガスをバブリングさせ発生させた弗酸蒸気を導入することで、シリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露させウェーハ表面を疎水化した。
(4)シリコンウェーハ表面からの金属不純物の捕集および分析
上記(2)の疎水化処理後のシリコンウェーハを反応チャンバーから取り出し、10%HF/10%H22の混酸水溶液200μlを滴下し、疎水化したシリコンウェーハ表面全面をくまなく走査させた後、容器内に回収した。この回収された液を純水で1000μlにメスアップした後、二重収束型ICP−MS(サーモフィッシャーサイエンティフィク製ELEMENT2)に導入した。ICP−MSにより定量されたシリコン濃度は、173ppmであり二重収束型ICP−MSの測定結果に影響しない濃度であったため回収された液中のCu等の金属成分を高感度に定性、定量分析することができた。
[比較例1]
上記(2)の加熱を、シリコンウェーハ表面温度120℃で30分とした以外、実施例1と同様の操作を行ったところ、シリコン濃度は約30000ppm(3%)と二重収束型ICP−MSの検出感度およびマス分子干渉に影響を与えてしまう濃度であったため、金属成分を高感度分析することはできなかった。
[比較例2]
上記(3)の表面疎水化処理を行わず、上記(1)および(2)の工程を経たシリコンウェーハ表面に、上記(4)と同様に混酸水溶液を滴下したところ、液が大きく広がってしまい液滴としてシリコンウェーハ表面上で転がらせることはできなかった。この状態では、シリコンウェーハ表面から金属成分を高回収率で捕集することは困難である。
[参考例1、比較参考例1]
実施例1と同様の方法で調製した弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスを用いて、表裏面が鏡面加工された直径200mmのp型シリコンウェーハ(抵抗率:10Ω・cm)3枚の表層領域を気相分解反応によりエッチングした(参考例1)。
これとは別に、混酸B発生用容器に50%弗化水素酸100g、混酸A発生用容器に68%硝酸80gを入れた点以外は参考例1と同様の方法で3枚のシリコンウェーハをエッチングした(比較参考例1)。
ウェーハ中心部でエッチング前後の厚み測定を行い、参考例1および比較参考例1におけるエッチング量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005720297
評価結果
比較参考例1は、エッチングガスとして弗化水素ガスと硝酸ガスを用いた例であるが、表1に示すように、参考例1と同様のエッチング時間ではエッチングを行うことができなかった。これに対し表1に示すように、エッチングガスとして、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスを用いた参考例1では、比較参考例1と同一時間内でシリコンウェーハ表層部を約10μmエッチングすることができた。
以上の参考例1と比較参考例1との対比から、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスを用いることで、従来の弗化水素ガスと硝酸ガスの混合ガスを用いる気相エッチング法と比べて、エッチングに要する時間を大きく短縮できることが示された。
[実施例2〜4、比較例3]
上記(2)においてシリコンウェーハ表面温度が表2に示す温度となるように加熱した点を除き、実施例1と同様の操作を行った。実施例2〜4では、実施例1と同様に加熱中シリコンウェーハ表面から白煙が発生したため、加熱によりアンモニウムヘキサフルオロシリケートが分解昇華したことが確認されたが、比較例3では白煙の発生はなくアンモニウムヘキサフルオロシリケートの分解昇華は起こらなかった。
加熱温度の影響の確認−1
実施例2〜4、比較例3について、実施例1と同様にICP−MSによりシリコンウェーハ表面から回収された液中のシリコン濃度の測定を行った。先に示した実施例1の測定値ともに、測定されたシリコン濃度(Si残渣量)を下記表2に示す。
Figure 0005720297
加熱温度の影響の確認−2
実施例1(1)(気相分解反応によるシリコンウェーハ表層領域のエッチング)の操作を行わず、実施例1(2)、(3)、(4)と同様の操作を行った。前記(2)のシリコンウェーハの加熱処理において、シリコンウェーハ表面温度が実施例1〜4、比較例3におけるシリコンウェーハ表面温度と同温度となるように加熱処理を行った。各シリコンウェーハについて、前記(4)でシリコンウェーハ表面から捕集された金属不純物中のCu量を定量した。結果を表3に示す。実施例1〜3、比較例1と同温度で加熱処理したシリコンウェーハ表面ではCuは検出されず、ウェーハ内部Cuの表面への拡散汚染はないことが確認された。一方、実施例4と同温度で加熱処理したシリコンウェーハにおいては、僅かであるがCuが検出された。その量は、内部Cu汚染量の1%以下のレベルであった。通常製品レベルのシリコンウェーハでは内部Cu汚染量は非常に低いため、1%程度の拡散汚染があっても製品品質に大きな影響を及ぼすものではない。したがって、シリコンウェーハ表面の加熱温度が250℃以下であれば、十分信頼性の高い分析を行うことができる。なお内部Cu汚染量が高濃度である場合は、1%以下の拡散汚染であっても表面Cuへの拡散量は高くなるため、特に、内部Cu汚染量が高い場合には、シリコンウェーハ表面の加熱温度は220℃以下とすることが好適である。
Figure 0005720297
[実施例5]
実施例1と同様の表裏面が鏡面加工された直径200mmのp型シリコンウェーハ(抵抗率:10Ω・cm)を12枚用意し、表3に示すようにエッチング時間を変えた点以外は実施例1(1)と同じ方法で表層領域を気相分解反応によりエッチングした。3枚ずつ、同一エッチング時間でエッチングを行った。エッチング前後にて、ADE9900(KLAテンコール社製)を用いて厚み測定を行い、エッチング前後の厚みの差よりエッチング量を算出した。結果を下記表4に示す。
Figure 0005720297
表4に示すように、エッチング時間(エッチングガスへの曝露時間)によりエッチング量の制御が可能であった。
エッチング後の各シリコンウェーハを実施例1と同様に処理および分析した。シリコンウェーハ表面から回収された液中のICP−MSにより測定されたシリコン濃度は、エッチング量にかかわらず1000ppm以下と二重収束型ICP−MSの測定結果に影響しない濃度であったため、いずれのウェーハについてもCu等の金属成分を高感度に定性、定量分析することができた。
本発明は、半導体基板の製造分野に有用である。

Claims (4)

  1. 分析対象のシリコンウェーハを、弗化水素ガス、硝酸ガス、および窒素酸化物ガスの混合ガスと接触させることにより、該シリコンウェーハの表層領域をエッチングすること、
    前記エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上の温度となるように加熱すること、
    前記加熱後のシリコンウェーハ表面を弗酸蒸気に曝露すること、
    前記曝露後のシリコンウェーハ表面上の金属成分を回収用水溶液中に捕集すること、ならびに、
    前記回収用水溶液中の金属成分を分析すること、
    を含むシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
  2. 前記表層領域は、分析対象シリコンウェーハの表面から深さ3μm以上の領域である請求項1に記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
  3. 前記エッチング後のシリコンウェーハを、エッチングにより露出した表面が180℃以上250℃以下の温度となるように加熱する請求項1または2に記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
  4. 前記分析対象シリコンウェーハは、工程汚染の把握を行うためのウェーハである請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの金属汚染分析方法。
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