JP5369514B2 - シリコンウェーハの金属汚染分析方法およびシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

シリコンウェーハの金属汚染分析方法およびシリコンウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウェーハ表面および表層部の金属汚染の高感度分析が可能なシリコンウェーハの金属汚染分析方法に関する。更に本発明は、前記分析方法を用いて良品を判定することにより、高品質なシリコンウェーハを提供し得るシリコンウェーハの製造方法に関する。
シリコンウェーハ表層部の金属汚染は、ウェーハ研磨時にシリコンウェーハに供給されるスラリー、研磨後のシリコンウェーハを洗浄するSC−1(NH4OH/H22/H2O)洗浄液およびSC−2(HCl/H22/H2O)洗浄液等に含まれる金属成分に起因し発生する。しかし、半導体製造分野では高集積化、デバイスの微細化に伴い、デバイスの性能を著しく劣化させるシリコンウェーハ表面や表層部に存在する金属不純物の低減は、重要な課題となっている。そこでシリコンウェーハの品質管理、製造工程の改善のため、シリコンウェーハ表層部の金属不純物を短時間に簡素化された化学分析手法により高精度・高感度に分析可能な分析法の確立が望まれている。
シリコンウェーハ表層部に含まれる金属不純物の分析方法としては、フッ化水素酸と硝酸を滴下した面上にシリコンウェーハを載せエッチング回収するサンドウィッチ法と言われる手法が知られている。このサンドウィッチ法は、滴下した液滴上にシリコンウェーハを乗せ、その後、シリコンウェーハをずらし液滴を回収する。
上記サンドイッチ法は、分析精度が高いものの操作が煩雑であるため汎用性に乏しく、フッ化水素酸と硝酸の混合溶液によるシリコンウェーハのエッチング回収によりフッ化水素酸成分・硝酸成分・シリコン分解残渣が多い点が課題である。また、分解残さ中の金属不純物を定量分析する方法として、原子吸光分光光度計と誘導結合プラズマ質量分析装置による分析方法が知られている。分解残さ中の金属不純物を原子吸光分光光度計で定量分析を行った場合は、原子吸光分光光度計の感度が高くないため高感度分析が困難であることと、フッ化水素酸成分・硝酸成分・シリコン分解残渣が多いためピークに異常が観られることが課題である。分解残さ中の金属不純物を誘導結合プラズマ質量分析装置で定量分析を行った場合は、回収溶液中にフッ化水素酸成分・硝酸成分・シリコン分解残渣が多量に含まれているので除去する必要がある。そのシリコンなどを昇華し除去する目的で、王水や硫酸などの混合液に溶かして濃縮を行っているが、この方法は多量の薬品を使用するため、薬品中に含まれる金属不純物を持ち込む危険性と、長時間の濃縮による大気中または治具類からの金属不純物汚染を取り込む可能性もあるという問題があった。一方、溶液から発生する蒸気を利用してウェーハ表層をエッチングする間接溶解法も知られている(例えば特許文献1〜3参照)。間接溶解法では、シリコンウェーハ表層をエッチング(分解)した後にシリコンウェーハ表面に回収溶液を走査させ回収溶液中に取り込まれた金属成分を分析する。回収された金属成分は、原子吸光分光光度計(Atomic Absorption Spectrophotometer:AAS )、誘導結合プラズマ質量分析装置(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)などで分析される。特許文献3では、回収溶液としてフッ化水素酸と過酸化水素水の混合溶液を使用することが提案されている。
特開平6−213805号公報 特開平8−330271号公報 特開2005−265718号公報
しかし、フッ化水素酸と過酸化水素水の混合溶液では、イオン化傾向の高い元素は比較的高い回収率で回収できるが、シリコンウェーハ表面のAgは一部のみしか回収することができず、正確なAg汚染量を把握することは困難であった。これは、HF/H22の混合水溶液に対する銀の溶解度が低いためと推察されている(例えばINTERNATIONAL STANDARD ISO 17331、Materials Science and Engineering B102 (2003)238-246 M.B.Shaban 参照)。
そこで本発明の目的は、シリコンウェーハ表面の金属汚染を、汚染金属種によらず高感度に分析可能な手段を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、フッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液によりAgを含む各種汚染金属を高感度に分析できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]シリコンウェーハ表層部をエッチングにより除去すること、および、
前記エッチングによる表層部除去後のシリコンウェーハ表面に溶液を走査させた後、該溶液中の金属成分を分析すること、
を含み、
前記エッチングを、フッ化水素酸含有水溶液(ただし、硝酸、過酸化水素水、およびオゾン水からなる群から選ばれるシリコン酸化成分を含まない)から発生する蒸気をシリコンウェーハ表面に接触させることにより行い、
前記シリコンウェーハ表面に走査させる溶液として、フッ化水素を0.01〜10.0質量%、過酸化水素を0.01〜20.0質量%、および塩化水素を0.01〜10.0質量%含有するフッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液を使用し、
前記溶液の走査を、水平に配置したシリコンウェーハ表面上でノズルにより液滴を保持し、シリコンウェーハを円周方向に回転させながらノズルを中心から外周へ、または外周から中心へ半径方向に移動させることにより行う、シリコンウェーハの金属汚染分析方法。
[2]前記フッ化水素酸含有水溶液は、硫酸を更に含む[1]に記載の金属汚染分析方法。
[3]前記シリコンウェーハの回転速度は、5〜100mm/分の範囲である[1]または[2]に記載の金属汚染分析方法。
[]前記ノズルの移動速度は、1〜10mm/回転の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の金属汚染分析方法。
[]前記シリコンウェーハ表面に走査する溶液量は、50〜250μlの範囲である[1]〜[]のいずれかに記載の金属汚染分析方法
[6]前記表層部は酸化膜である[1]〜[5]のいずれかに記載の金属汚染分析方法。
[]シリコンウェーハを複数含むウェーハロットを準備する工程と、
前記ロットから少なくとも1つのシリコンウェーハを抽出する工程と、
前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染を分析する工程と、
前記分析により良品と判定されたシリコンウェーハと同一ロット内の他のシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することを含む、シリコンウェーハの製造方法であって、
前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染の分析を、[1]〜[]のいずれかに記載の方法によって行うことを特徴とする、前記方法。
本発明によれば、シリコンウェーハの金属汚染を高感度・高精度に分析することができる。
本発明は、シリコンウェーハ表面に溶液を走査させた後、該溶液中の金属成分を分析するシリコンウェーハの金属汚染分析方法に関する。本発明の分析方法では、前記溶液として、フッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液を使用する。上記混合溶液をシリコンウェーハ表面に接触させると、例えば金属成分としてAgが存在する表面上では、以下の反応が起こる。
HCl → H+ + Cl- (1)
Ag → Ag+ + e- (2)
22 + 2H + 2e- → 2H2O (3)
また、上記反応と同時に下記の反応が起こる。
Si + 2H22 → SiO2 + 2H2O (4)
SiO2 + 6HF → H2SiF6 + 2H2O (5)
すなわち、シリコンウェーハ表面を、上記混合溶液により溶解する時に溶解反応(1・2・3)とエッチング反応(4・5)が同時に発生することにより、シリコンウェーハ表面のAgやCuやその他の元素を高回収率で回収することができる。
以下、本発明の分析方法について更に詳細に説明する。
前記混合溶液は、フッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液であり、好ましくはフッ化水素を0.01〜10.0質量%、過酸化水素を0.01〜20.0質量%、塩化水素を0.01〜10.0質量%含有する。フッ化水素、過酸化水素および塩化水素の含有量がそれぞれ上記範囲であることにより、前述の反応式(1)〜(5)の反応を良好に進行させることができる。ウェーハ表面に供給および走査する溶液量は、50〜250μl程度が好適である。
前記混合溶液を走査するシリコンウェーハとしては、単結晶シリコンウェーハ、酸化膜付きシリコンウェーハ、エピタキシャルシリコンウェーハ、アニールウェーハ、SOIウェーハ等の各種ウェーハを挙げることができる。前記混合溶液を走査するウェーハ表面は、間接溶解法により表層部をエッチングによって除去した表面であることが好ましい。このような表面上にはエッチングにより除去された表層部に含まれていた金属成分が残留しているため、この金属成分を回収することによりシリコンウェーハ表層部の金属汚染を分析することができる。
前記間接溶解法としては、特開平6−213805号公報、特開平8−330271号公報、特開2005−265718号公報等に記載のフッ化水素酸溶液から発生する蒸気を利用する方法を用いることができる。これらの方法は、自然酸化膜とともにシリコンウェーハ表層部を分解・分析する際に好適である。一方、近年、比較的厚い酸化膜を形成したシリコンウェーハも存在し、そのような酸化膜中の金属不純物分析のニーズが高まっている。比較的厚い酸化膜としては、例えば、Epiウェーハの裏面酸化膜や貼り合わせSOIウェーハのBOX膜と裏面酸化膜などがある。Epiウェーハの裏面酸化膜は、熱処理中裏面からウェーハ中B・Pが飛び出し表面へ拡散することによりEpi層の抵抗値が変化することを防止するために、Epiウェーハの裏面に形成される。SOIウェーハのBOX膜と裏面酸化膜は、ユーザーの要求仕様により厚い酸化膜を形成する場合がある。シリコンウェーハ表面の酸化膜(SiO2)中の金属不純物を分析するのであれば酸化膜を分解する溶液にシリコン酸化成分を使用する必要はない。このような場合には、酸化膜付きシリコンウェーハを冷却しつつ、フッ化水素ガスと接触させることによりウェーハ表面に結露(但しシリコン酸化成分を含まない)を発生させる方法が好適である。ここでシリコン酸化成分とは、Siと反応することによりSiO2を生成する成分をいい、例えば、過酸化水素、オゾン、硝酸等が挙げられる。
フッ化水素酸溶液から発生する蒸気を利用するエッチング方法では、ウェーハ表面上では、酸化膜(SiO2)を分解する下記の反応が進行する。
SiO2 + 6HF → H2SiF6 + 2H2O (6)
2SiF6 → SiF4↑ + 2HF (7)
特開平6−213805号公報、特開平8−330271号公報、特開2005−265718号公報に記載の方法では、エッチング用蒸気を発生させる溶液にフッ化水素酸とともに、硝酸、過酸化水素水、オゾン水といったシリコンを酸化させる成分が含まれるため、ウェーハ上では上記反応とともにSiの酸化反応が進行する。そのため、これら方法では、分解残さ中に多量のSi成分が含まれる。しかし、分解残さを回収した回収溶液中にSi成分が多量に含まれる場合、回収溶液を直接、原子吸光分光光度計にかけると、分析時にバックグラウンドが高くなったりサンプルのピーク形状が異常になる。また、誘導結合プラズマ質量分析装置では、分析時に干渉分子ピークとして異常ピークが検出される。一般に、このような場合にはシリコンを昇華し除去する目的で、分解残さを回収した溶液を王水や硫酸などの混合液に溶かして濃縮している。一方、シリコン酸化成分を含まない結露を発生させる前記方法によれば、分解残さ中のSi成分の混入を抑制することができるため、比較的厚い酸化膜であっても上記濃縮を行うことなく酸化膜中の金属汚染を分析することができる。エッチングにより除去する酸化膜は、自然酸化膜のように意図せず形成された酸化膜でもよく、熱酸化工程等の酸化膜形成工程を経て形成された酸化膜でもよい。前述のエッチング方法は比較的厚い酸化膜を短時間でエッチングすることができるため、酸化膜形成工程を経て形成された酸化膜を除去する方法として好適である。
酸化膜の膜厚は限定されるものではないが、前記エッチング方法を使用する場合、上記理由から好ましくは10Å以上である。エッチング時間を考慮すると5000Å以下であることが好ましい。前記酸化膜の膜厚の好ましい範囲は10〜3000Å、より好ましい範囲は10〜1000Åである。
酸化膜付きシリコンウェーハを冷却しつつフッ化水素ガスと接触させる。これによりウェーハ表面(酸化膜表面)で結露が発生する。この結露は前述の反応式(6)、(7)によりSiO2を分解可能なフッ化水素(HF)を含むため酸化膜を分解することができる。フッ化水素ガスとシリコンウェーハ表面とを接触反応させることができる装置の一例を図1に示す。以下、図1に基づき説明するが本発明のエッチング方法は、図1に示す態様に限定されるものではない。
シリコンウェーハ表面とフッ化水素ガスを接触させる反応容器は、短時間で反応を行うためには、図1に示すように、閉鎖容器であることが好ましい。ここで閉鎖容器とは、供給されたガスが一定時間容器内に滞留できる程度に閉鎖されていればよく容器全体が完全に密閉されているものに限定されず、図1に示すようにガス供給口や排気口を有するものも含まれる。
ウェーハ表面上へのフッ化水素ガスの供給は、例えば、図1に示すように反応容器のガス供給口からフッ化水素ガスを容器内へ導入して行うことができる。フッ化水素ガスは、フッ化水素酸含有溶液をキャリアガスによりバブリングすることにより発生させることができる。バブリングによれば、常時一定量のガスを供給できるため好ましい。キャリアガスとしては、窒素ガス等の不活性ガスが好適である。なお、上記フッ化水素酸含有溶液としては、シリコン酸化成分を含まない結露をウェーハ表面に発生させるためにシリコン酸化成分を含まない溶液を使用する。
前記フッ化水素酸含有溶液は、好ましくはフッ化水素酸水溶液であり、より好ましくはフッ化水素とともに硫酸を含有する水溶液である。硫酸を含むフッ化水素酸水溶液を使用することによりエッチングレートを増加させることができる。これは、硫酸の脱水作用(下記反応式(8))によりチャンバー内への水分の供給を防ぎ、HFガスのチャンバー内への供給を増加させることができるからである。
2SO4 + 4H2O → H2SO4・4(H2O) (8)
特に、厚い酸化膜をエッチングする場合には硫酸を含むフッ化水素酸水溶液を使用すればエッチング時間を短縮することができるため好ましい。
前記フッ化水素酸溶液中のフッ化水素濃度は、バブリングによりフッ化水素を安定的に発生させる観点から5質量%以上であることが好ましく、操作性の観点から50質量%以下であることが好ましい。硫酸を含有する場合、硫酸濃度は脱水作用によりチャンバー内の水分の供給を効果的に抑制する観点から5質量%以上であることが好ましく、操作性の観点から50質量%以下であることが好ましい。バブリングするキャリアガス量は適宜設定すればよい。
シリコンウェーハの冷却方法としては、酸化膜を上面として水平に保持したウェーハの下部に冷却装置を配置する方法等を使用することができる。冷却された半導体ウェーハの温度は0〜20℃であることが好ましい。上記範囲内の温度であれば結露を安定的に発生させることができる。
上記結露生成により前述の反応式(6)、(7)によってエッチングを行う間、反応容器を排気することが好ましい。排気は、例えば図1に示すように閉鎖容器に設けた通気口を通して行うことが好適である。これにより、エッチング用ガス供給とともに反応式(7)により生成されるSiF4の排気を行うことができる。特に、酸化膜が厚くエッチング量が多い場合、チャンバー内にSiF4が多量に存在すると反応が平衡状態となりウェーハ上にH2SiF6が多量に残留することとなり、分解残さ中のSi成分(H2SiF6)が多くなる。厚い酸化膜を除去する際にも濃縮なしで金属成分をAASやICP−MSにより高精度・高感度分析するためには上記のように排気を行うことが好ましい。排気は、排気ポンプを使用して行うこともできる。排気量は、例えば50〜200hPa程度であるが特に限定されるものではない。通気口は少なくとも1つあればよく、通気効率の観点から、ガス供給口を有する側壁と対向する側壁に設けることが好ましい。
以上説明したエッチング方法によりシリコンウェーハ上の酸化膜の一部または全部を除去することができる。エッチング時間は、エッチングにより除去する酸化膜厚、供給ガス流量等に応じて設定すればよいが、例えば0.2〜180分程度とすることができる。
シリコンウェーハ表面に溶液を走査させる方法としては、例えば、ウェーハ表面に滴下した溶液を全面になじませるように、ウェーハを傾かせて回転させる方法を用いることができる。この方法は手動で行ってもよく自動で行ってもよい。自動で行う方法としては、ウェーハを回転テーブルに載せ、溶液を滴下した後に回転させる方法を挙げることができる。上記方法としては、図2に示すように、水平に配置したシリコンウェーハ表面上でノズルにより液滴を保持し、シリコンウェーハを円周方向に回転させながらノズルを中心から外周へ、または外周から中心へ半径方向に移動させる方法が好適である。この方法によれば、液滴をウェーハ全面に確実に走査させ高回収率でウェーハ表面の金属成分を回収することができる。ウェーハ回転速度およびノズルの移動速度は適宜設定すればよいが、例えば回転速度は5〜100mm/分、ノズル移動速度は1〜10mm/回転程度が好適である。本発明において回収溶液として使用するフッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液は、ウェーハとの接触時間が短時間であっても高回収率で金属成分を液滴中に取り込むことができるので、上記回転速度およびノズル移動速度とした場合のように、走査速度が比較的速い場合でも金属成分を確実に回収することができる。
次いで、シリコンウェーハ表面上を走査した溶液中の金属成分を分析することによりウェーハ表面上の金属成分の定性分析および定量分析を行うことができる。特に、エッチング後のシリコンウェーハ表面にはエッチングにより除去されたウェーハ表層部や酸化膜に含まれていた金属成分が残留しているため、この表面上の金属成分を回収し分析することにより、ウェーハ表層部や表面酸化膜の金属汚染を分析することができる。
金属成分の分析は、溶液中の金属成分を分析可能な公知の方法によって行うことができる。そのような方法としては、原子吸光分析(AAS)および誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)を挙げることができる。AASおよびICP−MSは、微量金属成分を高感度に分析可能であるため好ましい。本発明によれば、比較的厚い酸化膜中の金属汚染を分析する際にも、回収溶液の濃縮を行うことなく高感度・高精度の分析が可能である。
更に本発明は、シリコンウェーハを複数含むウェーハロットを準備する工程と、前記ロットから少なくとも1つのシリコンウェーハを抽出する工程と、前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染を分析する工程と、前記分析により良品と判定されたシリコンウェーハと同一ロット内の他のシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することを含む、シリコンウェーハの製造方法に関する。本発明の製造方法では、前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染の分析を、本発明の金属汚染分析方法によって行う。本発明の金属汚染分析方法によれば、ウェーハ表面や表層部の金属汚染の有無および/またはその程度の評価、汚染金属種の特定、汚染金属の定量が可能である。よって、かかる分析方法により、良品と判定されたシリコンウェーハと同一ロット内のシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することにより、高品質な製品ウェーハを高い信頼性をもって提供することが可能となる。なお、良品と判定する基準は、ウェーハの用途等に応じてウェーハに求められる物性を考慮して設定することができる。また1ロットに含まれるウェーハ数および抽出するウェーハ数は適宜設定すればよい。
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
実施例1
(1)シリコンウェーハ上の酸化膜のエッチング
図1に示す装置の蓋2を開け、スピンコート法によりAgを11乗レベル汚染した約100Åの酸化膜を表面に有するシリコンウェーハ3を反応容器1内のステージ5上に配置した。冷却装置4を冷却し、ステージおよびシリコンウェーハを10℃に冷却した。50質量%フッ化水素酸溶液6(300ml)をエッチング薬液用容器8に入れ、N2ガス7を1l/minの流量で流すとともに、排気孔9から100hPaの排気量で排気した。その状態で20分間放置した。放置中、ウェーハ表面に結露が発生していることを目視により確認した。放置後にシリコンウェーハ表面を目視により観察し、シリコンウェーハ上の酸化膜が除去されたことを確認した。その後、N2ガス7のみを5分間反応容器1に流し、N2ガス置換を行った後、蓋2を開け、シリコンウェーハ3を取り出した。
(2)酸化膜中の金属成分の定量分析
上記(1)で酸化膜をエッチングにより除去したシリコンウェーハを、酸化膜を除去することにより露出したウェーハ表面を上方に向け、図2に示す装置の回転テーブル10に乗せ、表面にフッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸の混合溶液12(フッ化水素1.0質量%、過酸化水素10.0質量%、塩化水素5.0質量%を純水に混合し調製した水溶液)を100μl滴下し、ノズル13により液滴をウェーハ表面上に保持した。液滴をウェーハ表面上に保持した状態で、回転テーブルを100mm/secで回転させながらノズルを中心から外周へ3mm/回転で動かしシリコンウェーハ全面を薬液で溶解した。その後、回収溶液を1mlまで希釈し、ICP/MSで分析したところ、分析時に干渉分子ピークとして異常ピークは検出されなかったことから、分解残さ中のSi成分の影響がないことが確認できた。
[比較例1]
フッ化水素酸を含まない混合溶液(塩酸/過酸化水素)を使用した点以外、実施例1と同様の方法によりAg汚染の定量分析を行った。
[比較例2]
塩酸を含まない混合溶液(フッ化水素酸/過酸化水素)を使用した点以外、実施例1と同様の方法によりAg汚染の定量分析を行った。
[比較例3]
実施例1と同じ方法でAg汚染したシリコンウェーハについて、サンドイッチ法によりAg汚染の定量分析を行った。
比較例3のAg回収率を100%として、実施例1、比較例1〜3のAg回収率を図3に示す。図3に示すように、実施例1によれば約90%の回収率であり、サンドイッチ法と同レベルの回収率でAgを回収・分析することができた。これに対し、フッ化水素酸と過酸化水素水または塩酸と過酸化水素水の混合溶液は、約10%以下の回収率であった。この結果により、フッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液は、各種混合溶液よりもはるかに優れた回収溶液であることが確認された。
[実施例2]
汚染金属をLi、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni、Cu、Znに変えた点以外、実施例1と同様の方法で金属汚染分析を行ったところ、いずれもサンドイッチ法と同レベルの回収率で汚染金属を回収・分析することができた。
[実施例3]
ウェーハ回転スピードを100mm/secから30mm/secに変更した以外は実施例1、2と同様にAg、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni、Cu、Znの金属汚染分析を行ったところ、いずれも回転スピード100mm/secと同レベルの回収率で汚染金属を回収・分析することができた。この結果から、フッ化水素酸/過酸化水素水/塩酸の混合溶液は高速走査においても高回収率で金属成分を回収できることが確認された。
本発明によれば、シリコンウェーハ表面や表層部の各種金属汚染の有無および/またはその程度を、汚染金属種を問わず簡便かつ高感度・高精度に評価することができる。
本発明のエッチング方法に使用可能な反応装置の一例を示す。 本発明の分析方法において金属回収溶液の走査に使用可能な装置の一例を示す。 実施例1および比較例1〜3におけるAg回収率を示す。
符号の説明
1 反応容器
2 蓋
3 シリコンウェーハ
4 冷却装置
5 ステージ
6 フッ化水素酸溶液
7 N2ガス
8 エッチング薬液用容器
9 排気
10 回転ステージ
11 シリコンウェーハ
12 フッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸の混合溶液
13 ノズル
14 ステージ

Claims (7)

  1. シリコンウェーハ表層部をエッチングにより除去すること、および、
    前記エッチングによる表層部除去後のシリコンウェーハ表面に溶液を走査させた後、該溶液中の金属成分を分析すること、
    を含み、
    前記エッチングを、フッ化水素酸含有水溶液(ただし、硝酸、過酸化水素水、およびオゾン水からなる群から選ばれるシリコン酸化成分を含まない)から発生する蒸気をシリコンウェーハ表面に接触させることにより行い、
    前記シリコンウェーハ表面に走査させる溶液として、フッ化水素を0.01〜10.0質量%、過酸化水素を0.01〜20.0質量%、および塩化水素を0.01〜10.0質量%含有するフッ化水素酸と過酸化水素水と塩酸との混合溶液を使用し、
    前記溶液の走査を、水平に配置したシリコンウェーハ表面上でノズルにより液滴を保持し、シリコンウェーハを円周方向に回転させながらノズルを中心から外周へ、または外周から中心へ半径方向に移動させることにより行う、シリコンウェーハの金属汚染分析方法。
  2. 前記フッ化水素酸含有水溶液は、硫酸を更に含む請求項1に記載の金属汚染分析方法。
  3. 前記シリコンウェーハの回転速度は、5〜100mm/分の範囲である請求項1または2に記載の金属汚染分析方法。
  4. 前記ノズルの移動速度は、1〜10mm/回転の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属汚染分析方法。
  5. 前記シリコンウェーハ表面に走査する溶液量は、50〜250μlの範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の金属汚染分析方法。
  6. 前記表層部は酸化膜である請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属汚染分析方法。
  7. シリコンウェーハを複数含むウェーハロットを準備する工程と、
    前記ロットから少なくとも1つのシリコンウェーハを抽出する工程と、
    前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染を分析する工程と、
    前記分析により良品と判定されたシリコンウェーハと同一ロット内の他のシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することを含む、シリコンウェーハの製造方法であって、
    前記抽出されたシリコンウェーハの金属汚染の分析を、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法によって行うことを特徴とする、前記方法。
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