JP3532786B2 - 合成樹脂中に含有される金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用いた金属不純物の測定方法 - Google Patents

合成樹脂中に含有される金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用いた金属不純物の測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂中に含有さ
れる金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用
いた金属不純物の測定方法に係わり、特に、金属不純物
の含有量を高精度で測定できる合成樹脂中に含有される
金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用いた
金属不純物の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェーハの大口径化、デバイス
の高集積化に伴い、シリコンウェーハ中の金属不純物の
低減化が求められている。
【0003】このため、必然的にシリコンウェーハの原
料であるポリシリコン、このポリシリコンからシリコン
ウェーハを製造するまでに使用される石英ガラスルツ
ボ、熱処理用治具類および製造されたシリコンウェーハ
の表層部に含有される金属不純物量を高精度で測定し管
理する必要がある。これら表層部の金属不純物量の測定
には、気相分解法により表面部の金属不純物を溶融中に
回収し、回収液をフレームレス原子吸光分光法(FL−
AAS)や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−M
S)により分析、定量する方法がある。
【0004】表面金属不純物の回収法として気相分解法
(VPD)が用いられており、このVPD法は、図8に
示すように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
製の密閉容器11にHF溶液を収納したパーフルオロア
ルキルビニルエーテルーテトラフルオロエチレン共重合
体(PFA)製の理化学器具,例えば蒸発皿12と、片
面がSiO213で被覆されたシリコンウェーハ14表
面を落下する分解済みHF溶液を受皿15で受けて、シ
リコンウェーハ14表面の金属不純物を回収、分析する
ものである。
【0005】このように合成樹脂製であるPTFE、P
FA製の理化学器具、例えば蒸発皿12と受皿15など
は超微量金属量不純物の分析に用いられることが多い
が、処理溶液である酸やアルカリに接触すると理化学器
具の合成樹脂自体から金属の溶出が起こる。この金属不
純物の除去のために、使用前に酸洗浄などを行っている
が、理化学器具に用いられる樹脂材によっては、洗浄効
果が現れない場合があり、どのような方法が金属不純物
除去に効果的なのか、わかっていないのが現状である。
【0006】理化学器具の合成樹脂中の金属不純物を効
果的に除去するには、合成樹脂中の金属の挙動を解明す
る必要がある。合成樹脂中、特に合成樹脂表面近傍の深
さ方向の分布が解明できれば、どのような条件下でどの
程度拡散除去されるかのデータを得ることができる。
【0007】しかし、合成樹脂中の金属不純物を測定す
る技術は、フッ素樹脂中の金属不純物の定量方法は行わ
れているが、その測定精度が不充分であり、また理化学
器具等の合成樹脂の限られた部位の定量法は未だ確立さ
れていない。また、空試験値が大きすぎて目的とする金
属不純物の挙動を得ることが不可能である。
【0008】この理由は問題とする金属不純物レベルが
もともと低く、分析試料の作製(切削、分解、蒸発、乾
固など)段階で試料に汚染が生じ、正確な分析が困難で
あることによる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、合成樹脂中の
金属不純物の含有量を高精度で測定できる合成樹脂中に
含有される金属不純物の分析用試料の作製方法およびこ
れを用いた金属不純物の測定方法が要望されている。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、合成樹脂中の金属不純物の含有量を高精度で測
定できる合成樹脂中に含有される金属不純物の分析用試
料の作製方法およびこれを用いた金属不純物の測定方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本願請求項1の発明は、合成樹脂分析試料を
収納した分析試料容器および試料分解用溶液を、それぞ
れ接触させることなく隔離状態で、密閉収納容器内に収
納した後、この密閉収容器を加温し、合成樹脂分析試料
に酸液滴を付着させて金属元素を抽出し、前記分析試料
容器内の酸液滴を回収し、回収した液滴を蒸発濃縮する
試料処理を行い、高感度分析法による定量であって、前
記合成樹脂分析試料は、シリコンウェーハを劈開し、こ
の劈開したシリコンウェーハを用いて、合成樹脂分析試
料集団の表面を削り取り、削り取った分析試料から金属
不純物を抽出、回収して作製したことを特徴とする合成
樹脂中に含有される金属不純物の測定方法であることを
要旨としている。
【0012】本願請求項2の発明では、前記合成樹脂分
析試料は、合成樹脂分析試料集団の同一部位から深さ方
向に複数個の分析試料を削り取り、試料処理を行い、合
成樹脂分析試料集団の深さ方向に含まれる金属不純物を
定量するための分析試料とすることを特徴とする請求項
1に記載の合成樹脂中に含有される金属不純物の測定方
法であることを要旨としている。
【0013】本願請求項3の発明は、シリコンウェーハ
を劈開し、この劈開されたシリコンウェーハを用いて、
合成樹脂分析試料の表面を削り取り、分析試料とする合
成樹脂中に含有される金属不純物の分析用試料の作製方
法であることを要旨としている。
【0014】本願請求項の発明は、シリコンウェーハ
を劈開し、この劈開されたシリコンウェーハを用いて、
PTFEまたはPFA分析試料集団の同一部位から深さ
方向に複数個の分析試料を削り取り分析試料とし、この
分析試料を収納した分析試料容器および試料分解用の塩
酸と硝酸からなる混酸溶液を、それぞれ接触させること
なく隔離状態で、密閉収納容器内に収納した後、この密
閉収容器を加温し、分析試料に混酸液滴を付着させて金
属元素を抽出し、前記分析試料容器内の混酸液滴を回収
し、回収した液滴を蒸発濃縮する試料処理を行うことを
特徴とする合成樹脂中に含有される金属不純物の分析用
試料の作製方法であることを要旨としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる合成樹脂中
に含有される金属不純物の分析用試料の作製方法および
これを用いた金属不純物の測定方法の実施形態について
添付図面に基づき説明する。
【0016】合成樹脂中に含有される金属不純物は、例
えば図1に示すような工程を有する方法により測定され
る。
【0017】
【外1】
【0018】劈開されたシリコンウェーハ1には鋭利な
刃部1aが形成されるので、合成樹脂分析試料集団をほ
ぼ一定の厚さに削り取ることができ、一定した量の分析
試料が得られる。また、シリコンウェーハ1自身の金属
汚染の度合が小さいので、削り取られた分析試料は切断
手段によって汚染されることがなく、分析試料集団(例
えば、理化学器具)に近い状態のサンプリングが行え
る。また、合成樹脂製分析試料集団の同一部位を劈開さ
れたシリコンウェーハ1によって深さ方向に複数回削り
取って複数個の分析試料S1を分析することにより、分
析試料集団の深さ方向の汚染度合を高精度で測定可能な
サンプリングが行える。
【0019】次に、図3に示すように、サンプリングし
たフッ素樹脂であるPTFEの分析試料S1を用意し、
この分析試料S1を収納したPTFE製分析試料容器2
および試料分解用溶液3,例えば塩酸と硝酸からなる混
酸を、それぞれ接触させることなく隔離状態で、PTF
E製密閉収納容器4内に収納した後、この密閉収容器4
を加温する酸蒸気法により分析試料S1に酸液滴を付着
させることで金属不純物を溶出させる。そして、分析試
料容器2内の酸液滴を回収し、回収した液滴dを蒸発濃
縮器具(図示せず)に移し、濃縮、乾固する分析試料処
理方法がとられる。
【0020】この分析試料処理方法において、分析試料
S1が収納される分析試料容器2が試料分解用溶液3と
直接接触しないように隔離されて配置されているので、
加温により気化した試料分解用溶液3の気相のみが分析
試料S1と接触して分析試料S1を分解させることがで
きる。
【0021】従って、金属汚染の度合が小さいシリコン
ウェーハ1により削り取る金属汚染のないサンプリング
と、気化した試料分解用溶液3の気相により分析試料S
1を金属汚染なく目的物を抽出する分析試料処理方法の
相乗効果により金属汚染がなく、極めて分析試料集団に
近い分析試料S1を作製できる。また、合成樹脂製分析
試料集団(例えば、理化学器具)の同一部位を劈開され
たシリコンウェーハ1によって深さ方向に複数回削り取
って作製された複数個の分析試料S1を分析することに
より、分析試料集団の深さ方向の汚染度合を高精度で測
定可能な試料とすることができる。
【0022】なお、フッ素樹脂としてPTFEの他にP
FAが理化学器具に多く用いられており、PFAについ
ても同様の処理により分析試料を得ることができる。ま
た、サンプリングは劈開したシリコンウェーハ1を用い
て行うのが好ましいが、分析試料が金属汚染されなけれ
ば、通常用いられる切削手段を用いても、上述の酸蒸気
法(気相法)による分析試料処理方法を用いて分析試料
の処理を行えば、金属汚染の少ない分析試料の作製が行
える。
【0023】次に、図4に示すような高感度分析法、例
えばICP−MSにより試料S1は定量される。試料溶
液は、ネプライザでガス化あるいはエアゾール化され
て、石英ガラス製のIPCトーチからなるプラズマ発生
器のアルゴンプラズマ中に導入される。あるいは、電気
加熱気化装置を用いることによって50μl程度という
高倍率(噴霧器のほぼ20倍)に濃縮した試料溶液を電
気グラファイト炉からICPトーチに導入することがで
きる。さらに、試料は大気圧プラズマ中で6000〜7
000Kに加熱され、各元素は原子化、さらにはイオン
化される。イオン化された試料はスキマー(インターフ
ェイス)を通過した後、イオンレンズ部でエネルギ収束
され、最後に高真空に排気された4重極型質量分析部に
導かれて分析される。
【0024】また、高感度分析法としてFL−AASを
用いても合成樹脂中に含有される金属不純物を高感度に
定量することができる。
【0025】本実施形態の合成樹脂中に含有される金属
不純物の測定方法によれば、金属汚染が少なく、極めて
分析試料集団に近い金属元素含有量の分析試料S1を用
いて測定を行うことができるので、正確な金属不純物の
測定を行うことができる。また、合成樹脂試料集団の深
さ方向の金属不純物の汚染度合を微量まで正確に定量で
きる。従って、理化学器具の洗浄度管理を容易に行うこ
とができ、使用済み理化学器具を良く洗浄することによ
り清浄な理化学器具として使用できるなどの確証が得ら
れるなどの効果がある。
【0026】次に本発明に係わる合成樹脂中に含有され
る金属不純物を分析する試料の作製方法およびこれを用
いた金属不純物の測定方法の他の実施形態について説明
する。
【0027】上述した実施形態と同様に図2に示すよう
な劈開したシリコンウェーハ1を用いて、フッ素樹脂製
分析試料集団、例えばPTFE製蒸発皿の所定の部位の
表面を所定の厚さ、例えば3μmに削り取りサンプリン
グする。
【0028】次に図5に示すように、サンプリングした
分析試料S2を石英製の分解容器2に入れ、酸素を一定
の割合、例えば1リットル/分の割合で供給しながら所
定温度、例えば600℃に加熱して、分析試料Sを分解
し、分解して得られた分析試料S2を蒸発濃縮器具(図
示せず)に移し、酸を用いて金属不純物を回収し、通常
の方法で濃縮、乾固する分析試料処理方法がとられる。
【0029】この分析試料処理方法において、金属汚染
の度合が小さいシリコンウェーハ1により削り取る金属
汚染がないサンプリングと、分析試料S2の分解に試料
分解用溶液を用いず酸素を供給しながら加熱して分析試
料S2を分解させる金属汚染がない分析試料処理方法の
相乗効果により、金属汚染がなく、金属不純物を高率で
回収することができて、極めて分析試料集団に近い分析
試料S2を製作できる。
【0030】なお、フッ素樹脂であるPFAについて
も、上述したと同様の処理方法で、試料処理を行うこと
ができる。
【0031】本第2の実施形態により処理された試料
は、上述した第1の実施形態と同様にICP−MSやF
L−AASなどの高感度分析法により定量することがで
きる。
【0032】また、本実施形態の合成樹脂中に含有され
る金属不純物の測定方法によっても、フッ素樹脂試料集
団の深さ方向の金属不純物の汚染度合を微量まで高精度
で定量できる。
【0033】
【実施例】(1)試験1:劈開シリコンウェーハによる
削り取り試験 図2に示すような劈開シリコンウェーハを用いて、PT
FEの表面を繰返し削り取り、削り取られた試料の厚さ
のバラツキを調べた。
【0034】結果は表1の通りである。
【0035】
【表1】
【0036】手作業により3μm程度の削り取りが可能
であることがわかった。
【0037】(2)試験2:第1の実施形態の処理方法
の空試験値および定量下限 第1の実施形態の処理方法(酸蒸気法)の空試験値およ
び定量下限を求めた。
【0038】結果は表2の通りである。
【0039】
【表2】
【0040】第1の実施形態の処理方法の空試験値は、
従来方法に比べて1桁程度低減できることがわかった。
【0041】(3)試験3:第1の実施形態の処理方法
と従来方法の分析値比較 第1の実施形態の処理方法(酸蒸気法)の正確さを確認
するために、同一試料を用いて、第1の実施形態の処理
方法と従来方法の分析値比較を行った。
【0042】結果は表3の通りである。
【0043】試料A:PTFEシート(市販品、厚さ1
00μm) 試料B:PTFEシールテープ(市販品、厚さ100μ
m)
【表3】
【0044】第1の実施形態の処理方法(実施例)と従
来方法(従来例)の分析値は良く一致し、第1の実施形
態の処理方法の正確さが確認できた。
【0045】なお、従来例では、Alは空試験値が高
く、定量が困難であった。
【0046】(4)試験4:第1の実施形態の処理方法
を用いた洗浄効果確認 PTFE材を、SUS製鋸を用いて切断した後、切断面
を劈開シリコンウェーハを用いて表面、20μm、40
μm、60μm、80μmと5回削りとり、第1の実施
形態の処理方法(酸蒸気法)を用いて、試料処理を行
い、PTFE材試料集団の深さ方向の金属不純物汚染度
合を調べた。
【0047】また、SUS製鋸を用いて切断した後に、
温硝酸(HNO:1+HO:1)中に15分間浸漬
して洗浄したPTFE材試料集団から上述と同様の削り
取り、酸蒸気法処理を行なった。結果は図6、図7に示
す通りである。
【0048】図6に示すようにSUS製鋸による金属汚
染は深さ80μmまで及んでいることを的確に定量でき
た。
【0049】図7に示すように図6と比較すると、洗浄
の効果が大であることが明確になり、さらにAl、Fe
については引き続き洗浄を継続する必要があることがわ
かるなど理化学器具の洗浄度管理に用い得ることがわか
った。
【0050】(5)試験5:第2の実施形態の空試験値
および定量下限 第2の実施形態の空試験値および定量下限を求め、表5
の結果を得た。
【0051】劈開シリコンウェーハにより削り取られた
1回の分析サンプルが、5cm2、30mg(平均30
μm:3μmの試料の10個分)の場合を想定し、空試
験値の3σから求めた。
【0052】結果は表4の通りである。
【0053】
【表4】
【0054】(6)試験6:回収率試験 第2の実施形態の回収率を確認するために、劈開シリコ
ンウェーハによる削り取り、十分洗浄した薄膜状試料に
金属不純物(Al、Cr、Fe、Ni)を2.5ng添
加して、金属不純物の回収率を調べた。
【0055】結果は表5の通りである。
【0056】
【表5】
【0057】いずれも90%以上の回収率が得られ、定
量を行うには満足できる結果となった。
【0058】Alは石英製分解容器からの汚染があった
ものと思われる。
【0059】(7)試験7:新品PTFE器具の金属不
純物汚染濃度測定 新品の自社製PTFE器具を劈開シリコンウェーハによ
り同一部位を4回削り取り、第2の実施形態の処理方法
により、深さ方向の金属不純物汚染濃度を分析した。
【0060】結果は表6の通りである。
【0061】
【表6】
【0062】汚染は表面に集中している傾向が確認され
たが、内部にも相当存在していることがわかった。
【0063】(8)試験8:洗浄の効果調査 新品のPTFE器具と使用済みで十分に洗浄したPTF
E器具を劈開シリコンウェーハにより削り取り、第1の
実施形態の処理方法により、表面から深さ30μmまで
の金属不純物濃度を測定した。
【0064】結果は表7の通りである。
【0065】
【表7】
【0066】十分に洗浄したPTFE器具の金属不純物
濃度は低位であり、洗浄は有意義であることが確認でき
た。
【0067】
【発明の効果】本発明に係わる合成樹脂中に含有される
金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用いた
金属不純物の測定方法によれば、合成樹脂中の金属不純
物の含有量を高精度で定量できる合成樹脂中に含有され
る金属不純物の分析用試料の作製方法およびこれを用い
た金属不純物の測定方法を提供することができる。
【0068】合成樹脂分析試料を酸蒸気法で試料処理を
行い、高感度分析法により定量するので、試料処理にお
いて分析試料が金属汚染されることなく、合成樹脂中の
金属不純物を高精度で定量を行うことができ、また、理
化学器具の洗浄度管理に活用できる。
【0069】劈開されたシリコンウェーハを用いて削り
取った合成樹脂分析試料を酸蒸気法で試料処理を行い、
高感度分析法により定量するので、金属汚染の度合が小
さいシリコンウェーハにより削り取る金属汚染ないサン
プリングと酸蒸気法により分析試料を金属汚染なく分解
する処理方法の相乗効果により金属汚染がなく、極めて
高精度で合成樹脂中の金属不純物を定量できる。
【0070】合成樹脂分析試料集団の同一部位から深さ
方向に複数個の分析試料を削り取り、この分析試料を用
いて酸蒸気法で試料処理を行い、高感度分析法により定
量するので、金属汚染の度合が小さいシリコンウェーハ
により削り取る金属汚染のないサンプリングと酸蒸気法
により分析試料を金属汚染なく抽出する処理方法の相乗
効果により金属汚染がなく、分析試料集団の深さ方向の
金属不純物の含有量を高精度で定量を行うことができ
る。
【0071】合成樹脂分析試料は、フッ素樹脂であるの
で、理化学器具が分析試料集団であっても容易に分析試
料を作製することができ、理化学器具の洗浄度管理に大
いに活用できる。
【0072】フッ素樹脂質分析試料は、PTFEまたは
PFAであるので、理化学器具が分析試料集団であって
も容易に分析試料を作製することができ、理化学器具の
洗浄度管理に大いに活用できる。
【0073】試料分解用溶液は塩酸と硝酸からなる混酸
であり、合成樹脂分析試料はフッ素樹脂であるので、理
化学器具が分析試料集団であっても迅速かつ金属汚染の
心配がなく、分析試料を作製することができ、理化学器
具の洗浄度管理に大いに活用できる。
【0074】高感度分析法は、誘導結合プラズマ質量分
析法または原子吸光分光法であるので、試料処理におい
て金属汚染されることない分析試料を用いて、精度の高
い定量を行うことができる。
【0075】シリコンウェーハを劈開し、この劈開した
シリコンウェーハを用いて、合成樹脂分析試料集団の表
面を削り取り、削り取った分析試料を分解し、分解後金
属不純物を回収し、高感度分析法により定量することに
より、試料処理工程において分析試料が金属汚染される
ことなく、金属不純物の含有量を高精度で定量を行うこ
とができ、また、理化学器具の洗浄度管理に活用でき
る。
【0076】合成樹脂分析試料集団の同一部位から深さ
方向に複数個の分析試料を削り取り、この分析試料を用
いて試料処理を行うので、金属汚染の度合が小さいシリ
コンウェーハにより削り取る金属汚染のないサンプリン
グと酸蒸気法により分析試料を金属汚染なく分解する処
理方法の相乗効果により金属汚染がなく、分析試料集団
の深さ方向の金属不純物の含有量を高精度で定量を行え
る分析試料を提供することができる。
【0077】分析試料の分解および金属不純物の回収
は、合成樹脂分析試料を分析試料容器に収納し、酸素を
供給しながら加熱して分解し、酸を用いて回収するの
で、試料処理工程において分析試料が金属汚染されるこ
となく、金属不純物を高率で回収することができて、金
属不純物の含有量を高精度で定量を行うことができ、ま
た、理化学器具の洗浄度管理に活用できる。
【0078】シリコンウェーハを劈開し、この劈開され
たシリコンウェーハを用いて、合成樹脂分析試料の表面
を削り取り、分析試料とするので、切断手段により汚染
のない、分析試料を提供することができる。
【0079】合成樹脂分析試料集団の同一部位から複数
個の分析試料を削り取り、合成樹脂分析試料集団の深さ
方向に含まれる金属不純物量を定量するのに用いる分析
試料を製作するので、分析試料集団の深さ方向の金属不
純物の含有量を高精度で定量するのに最適な分析試料を
提供することができる。
【0080】分析試料の分解および金属不純物の回収
は、合成樹脂分析試料を分析試料容器に収納し、酸素を
供給しながら加熱して分解し、酸を用いて回収するの
で、試料処理において分析試料が金属汚染されることな
く、金属不純物を高率で回収することができる分析試料
を提供することができる。
【0081】劈開されたシリコンウェーハを用いて削り
取った合成樹脂分析試料を酸蒸気法で試料処理を行うの
で、金属汚染の度合が小さいシリコンウェーハにより削
り取る金属汚染ないサンプリングと酸蒸気法により分析
試料を金属汚染なく分解する処理方法の相乗効果により
金属汚染がなく、極めて高精度で合成樹脂中の金属不純
物を定量できる分析試料を提供することができる。
【0082】合成樹脂分析試料はフッ素樹脂分析試料で
あるので、理化学器具が分析試料集団であっても容易に
分析試料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の測定方法の実施形態の工程を示す説明図。
【図2】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の分析用試料の作製方法に用いられる劈開されたシ
リコンウェーハの説明図。
【図3】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の分析用試料の作製方法の実施形態を示す説明図。
【図4】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の測定方法に用いられる誘導結合プラズマ質量分析
法の概念図。
【図5】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の分析用試料の作製方法の他の実施形態を示す説明
図。
【図6】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の測定方法により分析された結果を示す表面深さと
金属元素濃度の相関図。
【図7】本発明に係わる合成樹脂中に含有される金属不
純物の測定方法により分析された結果を示す表面深さと
金属元素濃度の相関図。
【図8】従来の気相分解法の説明図。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ 1a 刃部 2 分解容器 S1、S2 分析試料 3 分析試料容器 4 試料分解用溶液 5 密閉納容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−333121(JP,A) 特開 平7−72056(JP,A) 特開 平11−183342(JP,A) 特開 平10−253511(JP,A) 特開 昭62−214354(JP,A) 特開 平5−256744(JP,A) 実開 昭61−206845(JP,U) 特公 昭55−26425(JP,B2) 東芝セラミックス株式会社,“世界最 高感度のシリコンの超微量分析技術−10 兆分の1の超微量不純物を求めて−”, FC REPORT,日本,社団法人日 本ファインセラミックス協会,1996年 4月20日,第14巻、第4号,p.90−91 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 G01N 21/25 - 21/39 G01N 27/62 - 27/70 G01N 33/00 - 33/46 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂分析試料を収納した分析試料容
    器および試料分解用溶液を、それぞれ接触させることな
    く隔離状態で、密閉収納容器内に収納した後、この密閉
    収容器を加温し、合成樹脂分析試料に酸液滴を付着させ
    て金属元素を抽出し、前記分析試料容器内の酸液滴を回
    収し、回収した液滴を蒸発濃縮する試料処理を行い、高
    感度分析法による定量であって、前記合成樹脂分析試料
    は、シリコンウェーハを劈開し、この劈開したシリコン
    ウェーハを用いて、合成樹脂分析試料集団の表面を削り
    取り、削り取った分析試料から金属不純物を抽出、回収
    して作製したことを特徴とする合成樹脂中に含有される
    金属不純物の測定方法。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂分析試料は、合成樹脂分析
    試料集団の同一部位から深さ方向に複数個の分析試料を
    削り取り、試料処理を行い、合成樹脂分析試料集団の深
    さ方向に含まれる金属不純物を定量するための分析試料
    とすることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂中に
    含有される金属不純物の測定方法。
  3. 【請求項3】 シリコンウェーハを劈開し、この劈開さ
    れたシリコンウェーハを用いて、合成樹脂分析試料の表
    面を削り取り、分析試料とする合成樹脂中に含有される
    金属不純物の分析用試料の作製方法。
  4. 【請求項4】 シリコンウェーハを劈開し、この劈開さ
    れたシリコンウェーハを用いて、PTFEまたはPFA
    分析試料集団の同一部位から深さ方向に複数個の分析試
    料を削り取り分析試料とし、この分析試料を収納した分
    析試料容器および試料分解用の塩酸と硝酸からなる混酸
    溶液を、それぞれ接触させることなく隔離状態で、密閉
    収納容器内に収納した後、この密閉収容器を加温し、分
    析試料に混酸液滴を付着させて金属元素を抽出し、前記
    分析試料容器内の混酸液滴を回収し、回収した液滴を蒸
    発濃縮する試料処理を行うことを特徴とする合成樹脂中
    に含有される金属不純物の分析用試料の作製方法。
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