JP2000097822A - 評価方法及び評価装置 - Google Patents
評価方法及び評価装置Info
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- JP2000097822A JP2000097822A JP10269317A JP26931798A JP2000097822A JP 2000097822 A JP2000097822 A JP 2000097822A JP 10269317 A JP10269317 A JP 10269317A JP 26931798 A JP26931798 A JP 26931798A JP 2000097822 A JP2000097822 A JP 2000097822A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は素子、基板の表面及び内部の
汚染物や純水、薬液中の不純物を高感度で分析できる方
法、装置を提供することである。 【解決手段】 基板12上に、汚染物を含有する液体1
1との付着力が大きい領域13と小さい領域を作成し、
前記付着力が大きい領域に前記液体の少なくとも一部が
接触するように前記液体を前記基板上に滴下し、この滴
下後に前記滴下した液体を乾燥させ、前記液体との付着
力が大きな領域上の前記汚染物14の濃度を測定するこ
とを特徴とする評価方法。
汚染物や純水、薬液中の不純物を高感度で分析できる方
法、装置を提供することである。 【解決手段】 基板12上に、汚染物を含有する液体1
1との付着力が大きい領域13と小さい領域を作成し、
前記付着力が大きい領域に前記液体の少なくとも一部が
接触するように前記液体を前記基板上に滴下し、この滴
下後に前記滴下した液体を乾燥させ、前記液体との付着
力が大きな領域上の前記汚染物14の濃度を測定するこ
とを特徴とする評価方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を形成
する際に行う、基板や素子の表面及び内部の汚染分析に
関する。
する際に行う、基板や素子の表面及び内部の汚染分析に
関する。
【0002】
【従来の技術】集積度が高まると共に、半導体素子形成
時に許容される基板、素子の表面及び内部の汚染レベル
は一層厳しくなる。例えば、SIA(Semicond
uctor Industry Associatio
n)の技術ロードマップによると、0.1μm世代の半
導体素子作製時にはSiウエハの表面重金属汚染濃度は
2.5×109 atoms/cm2 以下にしなければな
らない。このようなレベルで基板や素子の清浄度を管理
するためには、上記レベルよりも低い濃度の汚染物を検
出できることが必要である。
時に許容される基板、素子の表面及び内部の汚染レベル
は一層厳しくなる。例えば、SIA(Semicond
uctor Industry Associatio
n)の技術ロードマップによると、0.1μm世代の半
導体素子作製時にはSiウエハの表面重金属汚染濃度は
2.5×109 atoms/cm2 以下にしなければな
らない。このようなレベルで基板や素子の清浄度を管理
するためには、上記レベルよりも低い濃度の汚染物を検
出できることが必要である。
【0003】Siウエハ表面の金属汚染の分析法として
は、表面の自然酸化膜を弗酸蒸気等で溶解して自然酸化
膜の表面や内部などに存在する汚染金属を回収し、その
回収液に含まれる金属を原子吸光法やICP(Indu
ctively Coupled Plasma)質量
分析法等で分析する方法がある。また素子表面の局所的
な汚染を分析する方法としては全反射蛍光X 線分析法や
Static SIMS(Secondary Ion
Mass Spectrometer)分析法などが
挙げられる。しかしこれらの分析法の金属の検出感度
は、最も高い元素で5.0×108 atoms/cm2
前後であり、0.1μm以降の世代の半導体素子を作製
する際には更に高感度な分析法が必要とされている。ま
たSiウエハ表面の微量な有機物汚染がゲート絶縁膜の
特性を劣化させることが最近明らかになってきた。ウエ
ハ表面の有機物の分析方法としては、ウエハ上の有機物
を純水中に溶解させ、純水中でその有機物を分解して生
成する炭酸イオンを検出する方法や、ウエハを加熱して
脱離する有機物を質量分析により検出する方法などがあ
る。しかし、前者は有機物の種類によっては回収が不十
分であったり、後者は蒸気圧が低い有機物の検出が難し
いなどの問題があり、有機物回収方法の改善と検出感度
の向上が必要とされている。
は、表面の自然酸化膜を弗酸蒸気等で溶解して自然酸化
膜の表面や内部などに存在する汚染金属を回収し、その
回収液に含まれる金属を原子吸光法やICP(Indu
ctively Coupled Plasma)質量
分析法等で分析する方法がある。また素子表面の局所的
な汚染を分析する方法としては全反射蛍光X 線分析法や
Static SIMS(Secondary Ion
Mass Spectrometer)分析法などが
挙げられる。しかしこれらの分析法の金属の検出感度
は、最も高い元素で5.0×108 atoms/cm2
前後であり、0.1μm以降の世代の半導体素子を作製
する際には更に高感度な分析法が必要とされている。ま
たSiウエハ表面の微量な有機物汚染がゲート絶縁膜の
特性を劣化させることが最近明らかになってきた。ウエ
ハ表面の有機物の分析方法としては、ウエハ上の有機物
を純水中に溶解させ、純水中でその有機物を分解して生
成する炭酸イオンを検出する方法や、ウエハを加熱して
脱離する有機物を質量分析により検出する方法などがあ
る。しかし、前者は有機物の種類によっては回収が不十
分であったり、後者は蒸気圧が低い有機物の検出が難し
いなどの問題があり、有機物回収方法の改善と検出感度
の向上が必要とされている。
【0004】また、半導体素子を上述した高い清浄度で
製造するためには、使用する純水や薬液も高純度のもの
が必要である。現在これらに含まれる汚染金属はICP
質量分析などでppt(part per trill
ion)レベルで分析されているが、より高純度の純
水、薬液を製造するため更に高い感度で分析することが
望まれている。
製造するためには、使用する純水や薬液も高純度のもの
が必要である。現在これらに含まれる汚染金属はICP
質量分析などでppt(part per trill
ion)レベルで分析されているが、より高純度の純
水、薬液を製造するため更に高い感度で分析することが
望まれている。
【0005】さらに、現在地球環境を劣化させないこと
がますます重要となっており、工場や発電所などの廃
液、排水、土壌中に含有される金属や放射線物質、或い
は河川水、湖水、海水、水道水、土壌などが含有する汚
染を高感度で検出することが必要とされている。
がますます重要となっており、工場や発電所などの廃
液、排水、土壌中に含有される金属や放射線物質、或い
は河川水、湖水、海水、水道水、土壌などが含有する汚
染を高感度で検出することが必要とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、集積
度が進む半導体素子を作製するためには、素子や基板の
表面及び内部に含まれる汚染物や、製造に用いる純水や
薬液の純度を高感度で分析し、これらを高レベルで清浄
に保つことが必要である。
度が進む半導体素子を作製するためには、素子や基板の
表面及び内部に含まれる汚染物や、製造に用いる純水や
薬液の純度を高感度で分析し、これらを高レベルで清浄
に保つことが必要である。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的は素子、基板の表面及び内部の汚染物や純
水、薬液中の不純物を高感度で分析できる方法、装置を
提供することである。
で、その目的は素子、基板の表面及び内部の汚染物や純
水、薬液中の不純物を高感度で分析できる方法、装置を
提供することである。
【0008】本発明はまた、地球環境を保持するため、
廃液、水道水、河川水、湖水、海水等の液体に含有され
る不純物を高感度で検出する方法、装置を提供すること
を目的としている。
廃液、水道水、河川水、湖水、海水等の液体に含有され
る不純物を高感度で検出する方法、装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、基板上
に、汚染物を含有する液体との付着力が大きい領域と小
さい領域を作成し、前記付着力が大きい領域に前記液体
の少なくとも一部が接触するように前記液体を前記基板
上に滴下し、この滴下後に前記滴下した液体を乾燥さ
せ、前記液体との付着力が大きな領域上の前記汚染物の
濃度を測定することを特徴とする評価方法である。
に、汚染物を含有する液体との付着力が大きい領域と小
さい領域を作成し、前記付着力が大きい領域に前記液体
の少なくとも一部が接触するように前記液体を前記基板
上に滴下し、この滴下後に前記滴下した液体を乾燥さ
せ、前記液体との付着力が大きな領域上の前記汚染物の
濃度を測定することを特徴とする評価方法である。
【0010】第2の発明は、前記付着力が大きい領域が
凹部底面の少なくとも一部であることを特徴とする第1
の発明に記載の評価方法である。第3の発明は、前記汚
染物を含有する液体が、試料表面もしくは試料内部の汚
染物を回収した液体であることを特徴とする第1の発明
に記載の評価方法である。
凹部底面の少なくとも一部であることを特徴とする第1
の発明に記載の評価方法である。第3の発明は、前記汚
染物を含有する液体が、試料表面もしくは試料内部の汚
染物を回収した液体であることを特徴とする第1の発明
に記載の評価方法である。
【0011】第4の発明は、前記付着力が大きい領域の
表面に、前記液体中の特定の金属よりもイオン化傾向が
大きな金属が付着されていることを特徴とする第1の発
明に記載の評価方法である。
表面に、前記液体中の特定の金属よりもイオン化傾向が
大きな金属が付着されていることを特徴とする第1の発
明に記載の評価方法である。
【0012】第5の発明は、汚染物を含有する液体との
付着力が大きい領域と小さい領域が形成された基板と、
前記液体との付着力が大きい領域に前記液体の少なくと
も一部が接触するように前記液体を前記基板上に滴下す
る手段と、前記滴下した液体を乾燥させる手段と、前記
液体との付着力が大きい領域上の前記汚染物の濃度を測
定する手段と、を備えることを特徴とする評価装置であ
る。
付着力が大きい領域と小さい領域が形成された基板と、
前記液体との付着力が大きい領域に前記液体の少なくと
も一部が接触するように前記液体を前記基板上に滴下す
る手段と、前記滴下した液体を乾燥させる手段と、前記
液体との付着力が大きい領域上の前記汚染物の濃度を測
定する手段と、を備えることを特徴とする評価装置であ
る。
【0013】第6の発明は、汚染物を含有する液体の一
部を保持する治具と;前記液体の一部を前記治具の開口
内部に保持すると共に前記液体の残りの部分を前記治具
の開口外部に保持する手段と、前記液体の一部分を蒸発
させる手段と、基板と、未蒸発の前記液体を前記基板上
に滴下する手段と、前記滴下した液体を乾燥させる手段
と、前記基板上の前記汚染物の濃度を測定する手段と、
を備えたことを特徴とする評価装置である。
部を保持する治具と;前記液体の一部を前記治具の開口
内部に保持すると共に前記液体の残りの部分を前記治具
の開口外部に保持する手段と、前記液体の一部分を蒸発
させる手段と、基板と、未蒸発の前記液体を前記基板上
に滴下する手段と、前記滴下した液体を乾燥させる手段
と、前記基板上の前記汚染物の濃度を測定する手段と、
を備えたことを特徴とする評価装置である。
【0014】第7の発明は、汚染物を含有する液体の一
部を治具の開口内部に保持すると共に前記液体の残りの
部分を前記治具の開口外部に保持し、前記液体の一部分
を蒸発させ、この蒸発後に未蒸発の前記液体を基板上に
滴下し、前記滴下した液体を乾燥させ、この乾燥後に前
記基板上の前記汚染物の濃度を測定することを特徴とす
る評価方法である。
部を治具の開口内部に保持すると共に前記液体の残りの
部分を前記治具の開口外部に保持し、前記液体の一部分
を蒸発させ、この蒸発後に未蒸発の前記液体を基板上に
滴下し、前記滴下した液体を乾燥させ、この乾燥後に前
記基板上の前記汚染物の濃度を測定することを特徴とす
る評価方法である。
【0015】第8の発明は、前記治具開口部の内壁が、
前記汚染物との付着力が小さな部材で形成されているこ
とを特徴とする第7 の発明に記載の評価方法である。本
発明の骨子は、汚染物を含有する液体を基板上の微小な
領域上で乾燥させ、その領域を分析することによって、
液体中の汚染物濃度を求めることにある。
前記汚染物との付着力が小さな部材で形成されているこ
とを特徴とする第7 の発明に記載の評価方法である。本
発明の骨子は、汚染物を含有する液体を基板上の微小な
領域上で乾燥させ、その領域を分析することによって、
液体中の汚染物濃度を求めることにある。
【0016】即ち本発明は、汚染物を含有する液体を、
この液体との付着力が大きな領域と小さな領域とが形成
された基板上に、液体との付着力が大きな領域とその一
部が接触するように滴下し、基板上で液体を乾燥させた
後に液体との付着力が大きな領域上の汚染物濃度を測定
することにより、液体中の汚染物濃度を算出するもので
ある。
この液体との付着力が大きな領域と小さな領域とが形成
された基板上に、液体との付着力が大きな領域とその一
部が接触するように滴下し、基板上で液体を乾燥させた
後に液体との付着力が大きな領域上の汚染物濃度を測定
することにより、液体中の汚染物濃度を算出するもので
ある。
【0017】本発明はまた、汚染物を含有する液体を、
汚染物を含有する液体の一部を治具の開口内部に、残り
の液体を治具の開口外部に保持し、前記液体の一部分を
蒸発させた後に未蒸発の液体を基板上に滴下し、滴下し
た液体を乾燥させた後に、基板上の汚染物の濃度を測定
することにより、液体中の汚染物濃度を求めるものであ
る。
汚染物を含有する液体の一部を治具の開口内部に、残り
の液体を治具の開口外部に保持し、前記液体の一部分を
蒸発させた後に未蒸発の液体を基板上に滴下し、滴下し
た液体を乾燥させた後に、基板上の汚染物の濃度を測定
することにより、液体中の汚染物濃度を求めるものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の第1
の実施形態であるシリコン(Si)ウエハの金属汚染分
析について、図1を参照しながら説明する。図1は、本
発明の第1の実施形態に係る汚染物含有液の分析手順を
説明する概略図である。まず受入直後の8インチSiウ
エハを弗化水素ガスに晒し、SiO2 +6HF→H2 S
iF6 +2H2 Oの反応を生じさせて、Siウエハ表面
の自然酸化膜を分解する。自然酸化膜の表面や内部、或
いは自然酸化膜とSiの界面に存在していた金属不純物
は、反応生成物である珪弗酸(H2 SiF6 )中に取り
込まれる。次にSiウエハ上に100μlの純水を滴下
し、この純水をSiウエハ全面に渡って転がすようにス
キャンさせて、Siウエハ上の珪弗酸を純水中に回収す
る。この時、珪弗酸中に溶解していた金属不純物も同時
に回収される。
面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の第1
の実施形態であるシリコン(Si)ウエハの金属汚染分
析について、図1を参照しながら説明する。図1は、本
発明の第1の実施形態に係る汚染物含有液の分析手順を
説明する概略図である。まず受入直後の8インチSiウ
エハを弗化水素ガスに晒し、SiO2 +6HF→H2 S
iF6 +2H2 Oの反応を生じさせて、Siウエハ表面
の自然酸化膜を分解する。自然酸化膜の表面や内部、或
いは自然酸化膜とSiの界面に存在していた金属不純物
は、反応生成物である珪弗酸(H2 SiF6 )中に取り
込まれる。次にSiウエハ上に100μlの純水を滴下
し、この純水をSiウエハ全面に渡って転がすようにス
キャンさせて、Siウエハ上の珪弗酸を純水中に回収す
る。この時、珪弗酸中に溶解していた金属不純物も同時
に回収される。
【0019】他方、図1(a)に示すように、テフロン
板12上に半径1mmの円形状のシリコン窒化膜13を
形成しておく。これを希弗酸中に浸漬し純水でリンスす
る。これにより、両者の表面の金属汚染が除去されると
共に、シリコン窒化膜13表面の一部は水酸基で終端さ
れ、シリコン窒化膜13の表面は親水性を示すようにな
る。尚、テフロン板12の表面は疎水性である。次に、
ウエハ上の金属不純物を回収した汚染回収液11を、図
1(a)に示したシリコン窒化膜13上に滴下する。な
お汚染回収液11の体積は100μlであり、これは半
径2.9mmの球状液滴に相当する。従って汚染回収液
11をこの汚染回収液11との付着力の大きい半径1m
mの円形シリコン窒化膜13上に滴下することは困難で
はない。
板12上に半径1mmの円形状のシリコン窒化膜13を
形成しておく。これを希弗酸中に浸漬し純水でリンスす
る。これにより、両者の表面の金属汚染が除去されると
共に、シリコン窒化膜13表面の一部は水酸基で終端さ
れ、シリコン窒化膜13の表面は親水性を示すようにな
る。尚、テフロン板12の表面は疎水性である。次に、
ウエハ上の金属不純物を回収した汚染回収液11を、図
1(a)に示したシリコン窒化膜13上に滴下する。な
お汚染回収液11の体積は100μlであり、これは半
径2.9mmの球状液滴に相当する。従って汚染回収液
11をこの汚染回収液11との付着力の大きい半径1m
mの円形シリコン窒化膜13上に滴下することは困難で
はない。
【0020】また滴下の際に、汚染回収液11の液滴の
中心が円形シリコン窒化膜13の中心と多少ずれていて
も、シリコン窒化膜13の表面が親水性であるのに対し
周囲のテフロン板12表面は疎水性であるため、滴下後
の汚染回収液11はシリコン窒化膜13上のみに存在す
るようになる(図1(b))。
中心が円形シリコン窒化膜13の中心と多少ずれていて
も、シリコン窒化膜13の表面が親水性であるのに対し
周囲のテフロン板12表面は疎水性であるため、滴下後
の汚染回収液11はシリコン窒化膜13上のみに存在す
るようになる(図1(b))。
【0021】次に、例えば、テフロン板12等を加熱す
ることにより、この汚染回収液11中の水分を蒸発させ
る。これにより、図1(c)に示すようにシリコン窒化
膜13上でのみ乾燥が進む。なお金属の蒸気圧は低いた
め、この水分蒸発過程で金属が気化して汚染回収液11
から失われることはない。液中の水分が完全に蒸発する
と、液中に含まれていた金属は全てシリコン窒化膜13
上に残留する(図1(d))。
ることにより、この汚染回収液11中の水分を蒸発させ
る。これにより、図1(c)に示すようにシリコン窒化
膜13上でのみ乾燥が進む。なお金属の蒸気圧は低いた
め、この水分蒸発過程で金属が気化して汚染回収液11
から失われることはない。液中の水分が完全に蒸発する
と、液中に含まれていた金属は全てシリコン窒化膜13
上に残留する(図1(d))。
【0022】次にシリコン窒化膜13の表面を全反射蛍
光X線分析法によって分析した結果、5.2×1011a
toms/cm2 のFeが検出された。半径1mmの円
形シリコン窒化膜の面積は8インチウエハの面積の約1
300分の1であることから、汚染を回収した元の8イ
ンチウエハは4.0×108 atoms/cm2 のFe
で汚染されていたことになる。このように本発明を用い
ることにより、ウエハ表面の低レベルのFe汚染を検出
することができた。
光X線分析法によって分析した結果、5.2×1011a
toms/cm2 のFeが検出された。半径1mmの円
形シリコン窒化膜の面積は8インチウエハの面積の約1
300分の1であることから、汚染を回収した元の8イ
ンチウエハは4.0×108 atoms/cm2 のFe
で汚染されていたことになる。このように本発明を用い
ることにより、ウエハ表面の低レベルのFe汚染を検出
することができた。
【0023】次にウエハ表面のこのような微量のFe汚
染がシリコン酸化膜の電気的特性に与える影響を調べる
ため、厚さ3nmの熱酸化膜を、4.0×108 ato
ms/cm2 のFeが検出されたSiウエハと、Fe汚
染濃度が5.0×107 atoms/cm2 以下である
Siウエハ上に形成し、その上に電極として燐添加多結
晶Si膜を作製した。ここでFeの分析には上述した方
法を用いた。その後この酸化膜絶縁破壊耐性を調べたと
ころ、8MV/cm以上の耐圧を示したものは前者では
82%であるのに対し、後者では90%であった。この
ように本発明を用いることでSi酸化膜の電気的特性と
酸化前の表面汚染度との相関が明らかになり、信頼性の
高い極薄酸化膜を形成する指針が得られた。
染がシリコン酸化膜の電気的特性に与える影響を調べる
ため、厚さ3nmの熱酸化膜を、4.0×108 ato
ms/cm2 のFeが検出されたSiウエハと、Fe汚
染濃度が5.0×107 atoms/cm2 以下である
Siウエハ上に形成し、その上に電極として燐添加多結
晶Si膜を作製した。ここでFeの分析には上述した方
法を用いた。その後この酸化膜絶縁破壊耐性を調べたと
ころ、8MV/cm以上の耐圧を示したものは前者では
82%であるのに対し、後者では90%であった。この
ように本発明を用いることでSi酸化膜の電気的特性と
酸化前の表面汚染度との相関が明らかになり、信頼性の
高い極薄酸化膜を形成する指針が得られた。
【0024】次に本発明の第2の実施形態であるシリコ
ンウエハの金属汚染分析について、図2を参照して説明
する。図2は、本発明の第2、さらに後述する第3の実
施形態に係る汚染物含有液の分析手順を説明する概略図
である。
ンウエハの金属汚染分析について、図2を参照して説明
する。図2は、本発明の第2、さらに後述する第3の実
施形態に係る汚染物含有液の分析手順を説明する概略図
である。
【0025】8インチSiウエハを弗化水素ガスに晒
し、自然酸化膜を珪弗酸に変え、その内部に汚染金属を
取り込む。次に純水(100μl)でウエハ表面をスキ
ャンして珪弗酸と汚染金属を回収する。
し、自然酸化膜を珪弗酸に変え、その内部に汚染金属を
取り込む。次に純水(100μl)でウエハ表面をスキ
ャンして珪弗酸と汚染金属を回収する。
【0026】他方図2(a)に示すように、基板22上
に酸化ルテニウム膜23と多結晶Si膜24を形成し、
更に基板を約0℃に保った状態でCl2 ガスのプラズマ
エッチングを施すことにより多結晶Si膜24の一部を
酸化ルテニウム膜に対して選択的に、かつテーパ角を持
ってエッチングし、開孔径0.5mm、底面0.3mm
の孔25を開孔した。さらにこれを希弗酸に浸漬し、純
水でリンスすることによってプラズマエッチングで生じ
た汚染金属を除去し、また多結晶Si膜24の表面を水
素で、酸化ルテニウム膜23の表面の一部を水酸基で終
端した。これによって、多結晶Si膜24の表面は疎水
性に、酸化ルテニウム膜23の表面は親水性を示すよう
になった。
に酸化ルテニウム膜23と多結晶Si膜24を形成し、
更に基板を約0℃に保った状態でCl2 ガスのプラズマ
エッチングを施すことにより多結晶Si膜24の一部を
酸化ルテニウム膜に対して選択的に、かつテーパ角を持
ってエッチングし、開孔径0.5mm、底面0.3mm
の孔25を開孔した。さらにこれを希弗酸に浸漬し、純
水でリンスすることによってプラズマエッチングで生じ
た汚染金属を除去し、また多結晶Si膜24の表面を水
素で、酸化ルテニウム膜23の表面の一部を水酸基で終
端した。これによって、多結晶Si膜24の表面は疎水
性に、酸化ルテニウム膜23の表面は親水性を示すよう
になった。
【0027】次に図2(b)に示すように、汚染回収液
21を孔25上に滴下し、さらにこの回収液21を乾燥
させた。この時酸化ルテニウム膜23表面は親水性であ
るのに対して多結晶Si膜24表面は疎水性であるた
め、図2(c)に示すように汚染回収液21は酸化ルテ
ニウム膜23表面のみで乾燥が進み、汚染金属26も酸
化ルテニウム膜23上のみに残留する(図2(d))。
21を孔25上に滴下し、さらにこの回収液21を乾燥
させた。この時酸化ルテニウム膜23表面は親水性であ
るのに対して多結晶Si膜24表面は疎水性であるた
め、図2(c)に示すように汚染回収液21は酸化ルテ
ニウム膜23表面のみで乾燥が進み、汚染金属26も酸
化ルテニウム膜23上のみに残留する(図2(d))。
【0028】次に酸化ルテニウム膜23の表面をSta
tic SIMSにより分析したところ、5.0×10
11atoms/cm2 のAlが検出された。孔25の底
面の酸化ルテニウム膜23の面積は8インチウエハの面
積の約13000分の1であるから、汚染を回収したウ
エハは約4.0×107 atoms/cm2 のAlで汚
染されていたことになる。このように本発明を用いるこ
とによりウエハ表面の汚染Alを高感度で検出すること
ができた。
tic SIMSにより分析したところ、5.0×10
11atoms/cm2 のAlが検出された。孔25の底
面の酸化ルテニウム膜23の面積は8インチウエハの面
積の約13000分の1であるから、汚染を回収したウ
エハは約4.0×107 atoms/cm2 のAlで汚
染されていたことになる。このように本発明を用いるこ
とによりウエハ表面の汚染Alを高感度で検出すること
ができた。
【0029】本発明によるウエハ表面の微量金属の分析
は、例えばウエット洗浄装置の管理にも有効である。す
なわち半導体素子製造に用いる洗浄装置に定期的にSi
ウエハを入れ、洗浄前後のウエハ表面の金属濃度を上述
した方法で分析することで、この装置による洗浄効率や
逆汚染の有無を把握でき、これによって金属で汚染され
た素子の割合を減らし素子製造の歩留まりを向上させる
ことができる。
は、例えばウエット洗浄装置の管理にも有効である。す
なわち半導体素子製造に用いる洗浄装置に定期的にSi
ウエハを入れ、洗浄前後のウエハ表面の金属濃度を上述
した方法で分析することで、この装置による洗浄効率や
逆汚染の有無を把握でき、これによって金属で汚染され
た素子の割合を減らし素子製造の歩留まりを向上させる
ことができる。
【0030】次に本発明の第3の実施形態である工場廃
水中の金属汚染分析について、図2を参照して説明す
る。第2の実施形態と同様に、100μlの工場廃水
を、図2に示した手順で酸化ルテニウム膜23上に滴下
し、乾燥させた後、Static SIMS分析を行っ
た。その結果5.0×109 atoms/cm2 のCr
が酸化ルテニウム膜23上から検出された。0.3mm
の円である酸化ルテニウム膜23の面積は約3.0×1
0-3cm2 であることから、廃水中に含有されていたC
rの全量は1.5×107 atomsである。このCr
原子数をCr一原子の重量8.7×10-23 gと廃水の
体積100μlから、廃水中のCr濃度は13ppq
(13fg/ml)ということになる。このように本発
明を用いることでppqレベルの微量なCr汚染が検出
でき、廃水中の極低濃度汚染物管理が可能となった。
水中の金属汚染分析について、図2を参照して説明す
る。第2の実施形態と同様に、100μlの工場廃水
を、図2に示した手順で酸化ルテニウム膜23上に滴下
し、乾燥させた後、Static SIMS分析を行っ
た。その結果5.0×109 atoms/cm2 のCr
が酸化ルテニウム膜23上から検出された。0.3mm
の円である酸化ルテニウム膜23の面積は約3.0×1
0-3cm2 であることから、廃水中に含有されていたC
rの全量は1.5×107 atomsである。このCr
原子数をCr一原子の重量8.7×10-23 gと廃水の
体積100μlから、廃水中のCr濃度は13ppq
(13fg/ml)ということになる。このように本発
明を用いることでppqレベルの微量なCr汚染が検出
でき、廃水中の極低濃度汚染物管理が可能となった。
【0031】なお、Static SIMS分析によ
り、酸化ルテニウム膜23と周辺の多結晶シリコン膜2
4上に存在するCr濃度を測定したところ、全Cr量の
95%が酸化ルテニウム膜23上に、5%が多結晶シリ
コン膜24上に存在することが明らかになった。これは
滴下された汚染回収液21の一部が多結晶シリコン膜2
4表面に触れた際に、液中のCrの一部が多結晶シリコ
ン膜24上に付着したためと考えられる。これに対し、
汚染回収液21の滴下前に、酸化ルテニウム膜23上に
のみAl含有水を滴下し、乾燥させてAlを付着させた
場合は、汚染回収液21中の全Cr量の99%が酸化ル
テニウム膜23上から検出された。これはAlの方がC
rよりもイオン化傾向が大きく、酸化ルテニウム膜23
表面のAlと汚染回収液21内のCrイオンとの間でA
l+Cr3+→Al3++Cr等の反応が生じて、汚染回収
液21中のCrイオンの酸化ルテニウム膜23表面への
付着が効率良く起きたためと説明される。このように汚
染回収液中の特定の金属イオンを高感度に検出したい場
合には、その金属よりもイオン化傾向が大きな金属を、
予め液の滴下領域に付着させることが有効である。
り、酸化ルテニウム膜23と周辺の多結晶シリコン膜2
4上に存在するCr濃度を測定したところ、全Cr量の
95%が酸化ルテニウム膜23上に、5%が多結晶シリ
コン膜24上に存在することが明らかになった。これは
滴下された汚染回収液21の一部が多結晶シリコン膜2
4表面に触れた際に、液中のCrの一部が多結晶シリコ
ン膜24上に付着したためと考えられる。これに対し、
汚染回収液21の滴下前に、酸化ルテニウム膜23上に
のみAl含有水を滴下し、乾燥させてAlを付着させた
場合は、汚染回収液21中の全Cr量の99%が酸化ル
テニウム膜23上から検出された。これはAlの方がC
rよりもイオン化傾向が大きく、酸化ルテニウム膜23
表面のAlと汚染回収液21内のCrイオンとの間でA
l+Cr3+→Al3++Cr等の反応が生じて、汚染回収
液21中のCrイオンの酸化ルテニウム膜23表面への
付着が効率良く起きたためと説明される。このように汚
染回収液中の特定の金属イオンを高感度に検出したい場
合には、その金属よりもイオン化傾向が大きな金属を、
予め液の滴下領域に付着させることが有効である。
【0032】本発明の第4の実施形態であるシリコンウ
エハの金属汚染分析について、図3を参照して説明す
る。図3は、本発明の第4の実施形態に係る汚染物含有
液の分析手順を説明する概略図である。第1及び第2の
実施形態と同様に、自然酸化膜が形成された8インチS
iウエハを弗化水素ガスに晒し、自然酸化膜を珪弗酸に
変えると共にウエハ表面の金属汚染をその内部に溶け込
ませた。次に100μlのH2 O2 水溶液をウエハ上に
滴下し、スキャンして珪弗酸と汚染金属を回収した。な
お回収液にH2 O2 を含有させることでCu等の貴金属
も回収することができた。
エハの金属汚染分析について、図3を参照して説明す
る。図3は、本発明の第4の実施形態に係る汚染物含有
液の分析手順を説明する概略図である。第1及び第2の
実施形態と同様に、自然酸化膜が形成された8インチS
iウエハを弗化水素ガスに晒し、自然酸化膜を珪弗酸に
変えると共にウエハ表面の金属汚染をその内部に溶け込
ませた。次に100μlのH2 O2 水溶液をウエハ上に
滴下し、スキャンして珪弗酸と汚染金属を回収した。な
お回収液にH2 O2 を含有させることでCu等の貴金属
も回収することができた。
【0033】次に図3(a)に示すように、先端がテフ
ロン製かつ内径が1mmのピペット31にこの汚染回収
液32を回収する。次に図3(b)に示すように、汚染
回収液32の大半をピペット31外に出しながら汚染回
収液32を保持した。
ロン製かつ内径が1mmのピペット31にこの汚染回収
液32を回収する。次に図3(b)に示すように、汚染
回収液32の大半をピペット31外に出しながら汚染回
収液32を保持した。
【0034】さらに、図3(c)に示すように、この状
態で汚染回収液32をヒーター等で加熱し、容積が約1
μlになるまで濃縮した。この加熱の際、汚染回収液3
2の大半はピペットとは接しておらず、またピペット内
部に保持された状態で加熱された一部の回収液について
も、ピペット31先端は疎水性のテフロンで形成されて
いるため、汚染回収液32がピペット31の内壁に付着
して残留することはほとんどなかった。この結果、最初
の回収液に含まれていた汚染金属のほとんどは、濃縮さ
れた液に含有された。
態で汚染回収液32をヒーター等で加熱し、容積が約1
μlになるまで濃縮した。この加熱の際、汚染回収液3
2の大半はピペットとは接しておらず、またピペット内
部に保持された状態で加熱された一部の回収液について
も、ピペット31先端は疎水性のテフロンで形成されて
いるため、汚染回収液32がピペット31の内壁に付着
して残留することはほとんどなかった。この結果、最初
の回収液に含まれていた汚染金属のほとんどは、濃縮さ
れた液に含有された。
【0035】次に図3(d)に示すように、この汚染回
収液32をグラファイト基板33上に滴下し、さらに図
3(e)に示すように、乾燥させた。ここでグラファイ
ト基板33表面は疎水性であるため、グラファイト基板
33表面で汚染回収液32はほとんど広がることなく、
ほぼ球状のまま乾燥が進んだ。その結果汚染金属34
は、グラファイト基板33上に滴下した時点での汚染回
収液32の液滴球の半径である約0.6mmを半径とす
る円の内部で乾燥した。
収液32をグラファイト基板33上に滴下し、さらに図
3(e)に示すように、乾燥させた。ここでグラファイ
ト基板33表面は疎水性であるため、グラファイト基板
33表面で汚染回収液32はほとんど広がることなく、
ほぼ球状のまま乾燥が進んだ。その結果汚染金属34
は、グラファイト基板33上に滴下した時点での汚染回
収液32の液滴球の半径である約0.6mmを半径とす
る円の内部で乾燥した。
【0036】図3(a)から図3(c)に至る際の濃縮
と図3(d)から図3(e)に至る際の乾燥時に、汚染
回収液内の珪弗酸H2 SiF6 の大半はHFとSiF4
として除去されたが、一部は大気中の水分等と反応して
蒸気圧の低いオキシ珪弗化物Hw Six Fy Oz (w+
4x=y+2z)となり、グラファイト基板33上に残
留した。この残留したオキシ珪弗化物35は、弗化水素
ガスに晒すことで除去された(図3(f))。
と図3(d)から図3(e)に至る際の乾燥時に、汚染
回収液内の珪弗酸H2 SiF6 の大半はHFとSiF4
として除去されたが、一部は大気中の水分等と反応して
蒸気圧の低いオキシ珪弗化物Hw Six Fy Oz (w+
4x=y+2z)となり、グラファイト基板33上に残
留した。この残留したオキシ珪弗化物35は、弗化水素
ガスに晒すことで除去された(図3(f))。
【0037】次にグラファイト基板33上に残留した汚
染金属34をStatic SIMSで分析したとこ
ろ、4.0×1011atoms/cm2 のCuが検出さ
れた。汚染金属34がグラファイト基板33上で残留し
た領域は半径約0.6mmの円内であり、この領域の面
積は8インチウエハの面積の約4000分の1である。
従って汚染を回収した8インチウエハは1.0×108
atoms/cm2 のCuで汚染されていたことにな
る。このように本発明を用いることでウエハ表面の極微
量の汚染Cuを検出することができた。
染金属34をStatic SIMSで分析したとこ
ろ、4.0×1011atoms/cm2 のCuが検出さ
れた。汚染金属34がグラファイト基板33上で残留し
た領域は半径約0.6mmの円内であり、この領域の面
積は8インチウエハの面積の約4000分の1である。
従って汚染を回収した8インチウエハは1.0×108
atoms/cm2 のCuで汚染されていたことにな
る。このように本発明を用いることでウエハ表面の極微
量の汚染Cuを検出することができた。
【0038】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。対象とする汚染は金属でなく、有機物、陰イオ
ン、土壌、放射能物質などでも良い。また汚染回収液は
水を主体としたものではなく、アルコールやベンゼン、
四塩化炭素等の有機、無機溶媒でも良い。但し、第1の
実施形態等に適用する場合には、回収液の特性に合わせ
て濃縮する領域と周辺領域の材質を選ぶ必要がある。例
えばメチルアルコールのように水素結合を作りやすい溶
媒については濃縮領域を親水性、周辺領域を疎水性の材
質で、四塩化炭素等の水素結合を作りにくい溶媒に対し
ては、濃縮領域と周辺領域を逆の性質を持つ材質で構成
することが好ましい。また上記実施例では親水性の高い
表面として水酸基(−OH)で終端された表面を用いて
いるが、カルボン酸基(−COO- )、スルホン酸基
(−SOx - )、リン酸基(−POx - )、メチルアン
モニウム基(−N+ Hx (CH3 )y )、アミン基(−
NH2 )、アミンオキシド基(−NO(CH3 )2 )、
スルホキシド基(−SOCH3 )、ホスフィンオキシド
基(−PO(CH3 )2 )、エーテル基(−OC
H3)、メチルカプタン基(−SH)、アミド基(−C
ONH2 )、ニトロソアルカン基(−NO)、アルデヒ
ド基(−CHO)、ケトン基(−COHCH3 )等で覆
われた表面を用いても良い。また疎水性を示す部分につ
いては、H、Cx Hy、Cx Fy などの疎水基による表
面被覆が好ましい。このように表面終端種を制御するこ
とで、汚染含有液を濃縮、乾燥させる領域では液との接
触角が極力小さく、周辺領域では接触角ができるだけ大
きくする必要があるが、これらの接触角は、好ましくは
前者は90度以下、後者は90度以上である。前者表面
の接触角が90度以下の場合には、前者の表面上で液が
広がり前者の表面は全面が液で被覆される。後者の表面
で接触角が90度以上であれば、後者表面での液の広が
りは抑制される。
はない。対象とする汚染は金属でなく、有機物、陰イオ
ン、土壌、放射能物質などでも良い。また汚染回収液は
水を主体としたものではなく、アルコールやベンゼン、
四塩化炭素等の有機、無機溶媒でも良い。但し、第1の
実施形態等に適用する場合には、回収液の特性に合わせ
て濃縮する領域と周辺領域の材質を選ぶ必要がある。例
えばメチルアルコールのように水素結合を作りやすい溶
媒については濃縮領域を親水性、周辺領域を疎水性の材
質で、四塩化炭素等の水素結合を作りにくい溶媒に対し
ては、濃縮領域と周辺領域を逆の性質を持つ材質で構成
することが好ましい。また上記実施例では親水性の高い
表面として水酸基(−OH)で終端された表面を用いて
いるが、カルボン酸基(−COO- )、スルホン酸基
(−SOx - )、リン酸基(−POx - )、メチルアン
モニウム基(−N+ Hx (CH3 )y )、アミン基(−
NH2 )、アミンオキシド基(−NO(CH3 )2 )、
スルホキシド基(−SOCH3 )、ホスフィンオキシド
基(−PO(CH3 )2 )、エーテル基(−OC
H3)、メチルカプタン基(−SH)、アミド基(−C
ONH2 )、ニトロソアルカン基(−NO)、アルデヒ
ド基(−CHO)、ケトン基(−COHCH3 )等で覆
われた表面を用いても良い。また疎水性を示す部分につ
いては、H、Cx Hy、Cx Fy などの疎水基による表
面被覆が好ましい。このように表面終端種を制御するこ
とで、汚染含有液を濃縮、乾燥させる領域では液との接
触角が極力小さく、周辺領域では接触角ができるだけ大
きくする必要があるが、これらの接触角は、好ましくは
前者は90度以下、後者は90度以上である。前者表面
の接触角が90度以下の場合には、前者の表面上で液が
広がり前者の表面は全面が液で被覆される。後者の表面
で接触角が90度以上であれば、後者表面での液の広が
りは抑制される。
【0039】また汚染回収液が接する部分の材質は、回
収液が上述した実施例のように弗酸を含む場合には弗酸
によってほとんどエッチングされないものが好ましく、
そのような材質としては実施例で挙げたテフロン、シリ
コン窒化膜や酸化ルテニウム、シリコン、グラファイト
以外にも酸化オスミウム、酸化ロジウム、酸化イリジウ
ム、酸化パラジウム、酸化白金といった貴金属性の高い
金属の酸化物や貴金属そのもの、及びテフロン以外のC
x Hy 、Cx Fy 等を含む重合膜(ポリエチレン膜やポ
リエーテル膜等)などがある。
収液が上述した実施例のように弗酸を含む場合には弗酸
によってほとんどエッチングされないものが好ましく、
そのような材質としては実施例で挙げたテフロン、シリ
コン窒化膜や酸化ルテニウム、シリコン、グラファイト
以外にも酸化オスミウム、酸化ロジウム、酸化イリジウ
ム、酸化パラジウム、酸化白金といった貴金属性の高い
金属の酸化物や貴金属そのもの、及びテフロン以外のC
x Hy 、Cx Fy 等を含む重合膜(ポリエチレン膜やポ
リエーテル膜等)などがある。
【0040】また汚染物を回収する対象はSiウエハ表
面に限定されるものではなく、ウエハ表面に形成された
別の材質の膜やGaAs等の化合物半導体ウエハ、さら
にはウエハ以外の試料でも構わない。また試料自体をガ
スや薬液で分解し、その分解物を含有する溶液を対象と
することで試料内部の汚染も本発明を用いて高感度に分
析することができる。さらにまた、ピペットに汚染回収
液を保持し、ピペット先端から液の一部を出してその液
を試料表面に接触させた状態でピペットをスキャンする
等の方法で試料表面の一部分の汚染を回収したり、試料
内に汚染回収液を濃縮する部分を設けても良い。また上
述した第1乃至第3の実施形態では汚染回収液をその液
体との付着力の差を利用して固体上の特定領域に濃縮し
ているが、汚染回収液を固体表面に滴下した後、液体に
圧力を与える超音波等をその液滴が焦点になるように照
射しながら加熱することによっても液滴を微小表面上で
乾燥させることができ、固体表面上での汚染物の面濃度
を上げることができる。また試料の汚染回収液以外の液
体中の汚染分析の例として、第3の実施形態で工場廃水
の場合を述べたが、これ以外の液体、例えば純水、薬
液、水道水、河川水、湖水、海水や工場以外、例えば、
発電所等からの廃水等を対象にしても良い。その他種々
変形して適用でき、工場や発電所等からの廃液や水道
水、河川水、湖水、海水等に含まれる微量な汚染物を検
出することができ、地球環境の汚染度の把握や環境劣化
の抑制を図ることができる。
面に限定されるものではなく、ウエハ表面に形成された
別の材質の膜やGaAs等の化合物半導体ウエハ、さら
にはウエハ以外の試料でも構わない。また試料自体をガ
スや薬液で分解し、その分解物を含有する溶液を対象と
することで試料内部の汚染も本発明を用いて高感度に分
析することができる。さらにまた、ピペットに汚染回収
液を保持し、ピペット先端から液の一部を出してその液
を試料表面に接触させた状態でピペットをスキャンする
等の方法で試料表面の一部分の汚染を回収したり、試料
内に汚染回収液を濃縮する部分を設けても良い。また上
述した第1乃至第3の実施形態では汚染回収液をその液
体との付着力の差を利用して固体上の特定領域に濃縮し
ているが、汚染回収液を固体表面に滴下した後、液体に
圧力を与える超音波等をその液滴が焦点になるように照
射しながら加熱することによっても液滴を微小表面上で
乾燥させることができ、固体表面上での汚染物の面濃度
を上げることができる。また試料の汚染回収液以外の液
体中の汚染分析の例として、第3の実施形態で工場廃水
の場合を述べたが、これ以外の液体、例えば純水、薬
液、水道水、河川水、湖水、海水や工場以外、例えば、
発電所等からの廃水等を対象にしても良い。その他種々
変形して適用でき、工場や発電所等からの廃液や水道
水、河川水、湖水、海水等に含まれる微量な汚染物を検
出することができ、地球環境の汚染度の把握や環境劣化
の抑制を図ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば半導体基板等の試料表面
や内部の汚染物や、半導体素子製造に用いる純水や薬液
中の不純物を高感度で検出することができる。従って表
面清浄度が高いレベルで管理された状態で素子等の作製
が可能であり、素子の特性や歩留まりを向上させること
ができる。
や内部の汚染物や、半導体素子製造に用いる純水や薬液
中の不純物を高感度で検出することができる。従って表
面清浄度が高いレベルで管理された状態で素子等の作製
が可能であり、素子の特性や歩留まりを向上させること
ができる。
【図1】 本発明の第1 の実施形態に係る汚染物含有液
の分析手順を説明する概略図である。
の分析手順を説明する概略図である。
【図2】 本発明の第2及び第3の実施形態に係る汚染
物含有液の分析手順を説明する概略図である。
物含有液の分析手順を説明する概略図である。
【図3】 本発明の第4の実施形態に係る汚染物含有液
の分析手順を説明する概略図である。
の分析手順を説明する概略図である。
11 汚染回収液 12 テフロン板 13 シリコン窒化膜 14 汚染金属 21 汚染回収液 22 基板 23 酸化ルテニウム膜 24 多結晶シリコン膜 25 孔 26 汚染金属 31 ピペット 32 汚染回収液 33 グラファイト基板 34 汚染金属 35 オキシ珪弗化物
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に、汚染物を含有する液体との付
着力が大きい領域と小さい領域を作成し、 前記付着力が大きい領域に前記液体の少なくとも一部が
接触するように前記液体を前記基板上に滴下し、 この滴下後に前記滴下した液体を乾燥させ、 前記液体との付着力が大きな領域上の前記汚染物の濃度
を測定することを特徴とする評価方法。 - 【請求項2】 前記付着力が大きい領域が凹部底面の少
なくとも一部であることを特徴とする請求項1記載の評
価方法。 - 【請求項3】 前記汚染物を含有する液体が、試料表面
もしくは試料内部の汚染物を回収した液体であることを
特徴とする請求項1記載の評価方法。 - 【請求項4】 前記付着力が大きい領域の表面に、前記
液体中の特定の金属よりもイオン化傾向が大きな金属が
付着されていることを特徴とする請求項1記載の評価方
法。 - 【請求項5】 汚染物を含有する液体との付着力が大き
い領域と小さい領域が形成された基板と、 前記液体との付着力が大きい領域に前記液体の少なくと
も一部が接触するように前記液体を前記基板上に滴下す
る手段と、 前記滴下した液体を乾燥させる手段と、 前記液体との付着力が大きい領域上の前記汚染物の濃度
を測定する手段と、を備えることを特徴とする評価装
置。 - 【請求項6】 汚染物を含有する液体の一部を保持する
治具と、前記液体の一部を前記治具の開口内部に保持す
ると共に前記液体の残りの部分を前記治具の開口外部に
保持する手段と、 前記液体の一部分を蒸発させる手段と、 基板と、 未蒸発の前記液体を前記基板上に滴下する手段と、 前記滴下した液体を乾燥させる手段と、 前記基板上の前記汚染物の濃度を測定する手段と、を備
えたことを特徴とする評価装置。 - 【請求項7】 汚染物を含有する液体の一部を治具の開
口内部に保持すると共に前記液体の残りの部分を前記治
具の開口外部に保持し、 前記液体の一部分を蒸発させ、 この蒸発後に未蒸発の前記液体を基板上に滴下し、 前記滴下した液体を乾燥させ、 この乾燥後に前記基板上の前記汚染物の濃度を測定する
ことを特徴とする評価方法。 - 【請求項8】 前記治具開口部の内壁が、前記汚染物と
の付着力が小さな部材で形成されていることを特徴とす
る請求項7記載の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10269317A JP2000097822A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 評価方法及び評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10269317A JP2000097822A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 評価方法及び評価装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000097822A true JP2000097822A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17470673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10269317A Pending JP2000097822A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 評価方法及び評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000097822A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007322333A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Tokyo Electron Ltd | 石英部材の分析方法 |
JP2008500554A (ja) * | 2004-05-21 | 2008-01-10 | キアゲン サイエンシス インコーポレイテッド | 試料提示器具 |
JP2009294091A (ja) * | 2008-06-05 | 2009-12-17 | Sumco Corp | シリコンウェーハ中の汚染物の分析方法 |
JP2011257436A (ja) * | 2011-10-04 | 2011-12-22 | Tokyo Electron Ltd | 石英部材 |
US8945761B2 (en) | 2010-12-10 | 2015-02-03 | Gs Yuasa International Ltd. | Battery |
CN113484403A (zh) * | 2021-08-06 | 2021-10-08 | 上海富乐德智能科技发展有限公司 | 一种半导体制造用气体分散部件表面痕量元素污染的测试方法 |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP10269317A patent/JP2000097822A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008500554A (ja) * | 2004-05-21 | 2008-01-10 | キアゲン サイエンシス インコーポレイテッド | 試料提示器具 |
JP4906725B2 (ja) * | 2004-05-21 | 2012-03-28 | キアゲン サイエンシス インコーポレイテッド | 試料提示器具 |
JP2007322333A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Tokyo Electron Ltd | 石英部材の分析方法 |
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