JPH11195685A - 欠陥評価装置及び欠陥評価方法 - Google Patents

欠陥評価装置及び欠陥評価方法

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JPH11195685A
JPH11195685A JP36158297A JP36158297A JPH11195685A JP H11195685 A JPH11195685 A JP H11195685A JP 36158297 A JP36158297 A JP 36158297A JP 36158297 A JP36158297 A JP 36158297A JP H11195685 A JPH11195685 A JP H11195685A
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JP
Japan
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defect
copper
evaluation
sample
insulating film
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Application number
JP36158297A
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English (en)
Inventor
Mariko Takeshita
真理子 竹下
Chapman Mary
チャップマン メアリー
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】より簡単、安価、迅速で正確な欠陥の評価装置
及び方法を提供すること。更に、この手法を、酸化膜耐
圧評価と同様の評価手法として使用することにより、中
量、多量評価の可能な評価方法を提供すること。 【構成】半導体絶縁膜の欠陥評価法である銅析出法に用
いられる装置であって、容器1の下部に銅電極4を配置
し、この銅電極の上方に、絶縁膜2aを下方に向けた評
価試料2を配置し、この評価試料の前記絶縁膜が除去さ
れた面2bに電極の一方3を接触し、電極の他方を銅電
極4として前記絶縁膜に非接触の状態で配置し、容器1
に入れられるメチルアルコール5は、その液上面5a
が、絶縁膜が除去された面に設けられる前記一方の電極
3よりも下方に位置している欠陥評価装置と、この装置
を用いて表面から各深さでの欠陥評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明はゲート酸化膜等の絶縁膜
中の欠陥評価及び半導体基板表面に存在する欠陥評価方
法と、これに用いられる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている絶縁膜の欠陥評価方
法である銅析出法(Cuデコレーション法)は、欠陥の存
在する絶縁膜の真上に銅を析出させ、欠陥の存在位置、
密度や分布等を検出する手法として、1973年には既
にほぼ完成された評価方法である( Werner Kern ,RCA
Review Vol.34 p655〜690 December 1973 、参照)。
【0003】また、この手法は、近年、絶縁膜中の欠陥
観察のために、例えば、電子顕微鏡用の試料作成のため
の欠陥へのマーキング法(特開平8−261957号公
報)や、この手法を、酸化膜耐圧評価と同様の評価手法
として使用することにより、再び注目されている手法で
ある。
【0004】ここで、開発当初1970年代から199
7年現在まで用いられているCuデコレーション法の治具
装置は、開発当初と全く同じ構成のものであって、例え
ば特開平8−261957号に記載されている。すなわ
ち、図5に示すように、容器1の底に評価試料2と接触
する電極(裏面電極)3を設け、その上に一定距離を置
いて銅電極4を配し、銅電極4が浸るようにメチルアル
コール5をいれ、銅電極4と評価試料2との間に電圧を
印加して、欠陥部の真上に銅を析出させる構成のもので
ある。
【0005】このCuデコレーション法においては、前記
特開平8−261957号に記載されているように、銅
析出工程の際に光を照射することが要請されている。
【0006】すなわち、銅の析出は、照射される光の量
によって変化することが指摘されており、一般にCuデコ
レーション法においては評価試料の銅析出面(絶縁膜形
成面)を上側にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、 Cuデコ
レーション法を実施していたときに、あまり光を照射し
なくても、照射した場合に比べ銅析出量が大きく変化し
ないことを見い出した。そして、治具装置に関していえ
ば、従来のように評価試料の銅析出面(絶縁膜形成面)
を上側にすることを前提として構成されている装置は、
下記のように、作業性の悪さや構造上の制約があるの
で、これを除去する必要があるものである。
【0008】すなわち、従来の治具装置は、評価試料が
容器の底に接触する構造であるところから、試料交換時
は必ず銅電極を取り除く必要のあること、評価対象面が
上部を向いていることから、評価対象面に塵埃が降下し
たり、交換時に使用するピンセット等の試料交換用の治
具による汚染や接触による傷をさけるといった細心の注
意が必要とされ、更には特別な治具が必要であること、
また、交換時のメチルアルコール溶液の回収が必要なこ
と等の不都合がある。研究用の少量評価であれば利用で
きる方法であっても、中量及び多量の評価をする方法と
しては、これらの作業性の悪さは致命的であるとさえい
えるものである。
【0009】加えて、評価試料側の電極(裏面電極)の
配線が容器底部を貫通して設けられているので、液漏れ
等の防止が必要であり、また、その際に使用する部材如
何によっては、当該部材からの塵埃による溶液汚染、更
に使用する裏面電極の材質がメチルアルコールに耐食性
のある金や白金が必要である等、種々の問題点と制約が
あるのが現状である。
【0010】ところで、半導体基板表面から深さ方向で
の欠陥の分布等の評価方法については、赤外吸収を使う
のが一般的である。ところが、赤外吸収によると、いか
んせん専用の高価な装置が必要であることと、赤外線を
使用するため検出可能な欠陥のサイズが比較的大きなも
のになってしまうという問題がある。
【0011】また、表面を何らかの方法で一定厚み研磨
した後に評価する手法が考えられる。しかし、その研磨
による影響を考えると妥当な方法とはいえない。
【0012】本発明は、以上のような従来の装置及び方
法による作業性の悪さや構造上の制約を解決するための
もので、より簡単、安価、迅速で正確な欠陥の評価装置
及び方法を提供することを目的とする。更に、この手法
を、酸化膜耐圧評価と同様の評価手法として使用するこ
とにより、中量、多量評価の可能な評価方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載さ
れた発明は、半導体絶縁膜の欠陥評価法である銅析出法
(Cuデコレーション法)に用いられる装置であって、
メチルアルコールを入れた容器に、絶縁膜を形成すると
ともに片方の面の絶縁膜を除去した評価試料を収納し、
この評価試料の前記絶縁膜が除去された面に電極の一方
を接触し、電極の他方を銅電極として前記絶縁膜に非接
触の状態で配置してなる欠陥評価装置において、前記容
器の下部に銅電極を配置し、この銅電極の上方に、前記
絶縁膜を下方に向けた評価試料を配置し、少なくとも前
記双方の電極間に電圧を印加する際における前記メチル
アルコールは、その液上面が前記絶縁膜に接しかつ絶縁
膜が除去された面に設けられる前記一方の電極よりも下
方に位置しているように、入れられている構成の欠陥評
価装置である。
【0014】本発明の欠陥評価装置は、半導体絶縁膜の
欠陥評価法であるCuデコレーション法を実施するにあ
たり、評価試料と銅電極の位置を従来とは逆転させた構
造にしたもので、具体的には、容器にまず銅電極を入
れ、次に、半導体基板上に絶縁膜を形成した試料を、電
極と平行に一定間隔を保って、半導体基板の欠陥評価対
象面を電極面に向けて入れ、試料の評価対象面が浸るよ
うに銅イオンを溶解させたメチルアルコールを入れ、銅
電極と試料間に電圧を印加して、欠陥部の真上に銅を析
出させる構造にすることによって、従来の治具よりも簡
単な構造で且つ材質等の制約を極力少なくし、溶液への
塵埃の持ち込みも少なくなり、試料交換の作業性を著し
く向上させた欠陥評価装置を得ることができる。
【0015】本願第2請求項に記載された発明は、請求
項1の欠陥評価装置において、メチルアルコールに銅片
又は銅メッシュを沈積させて、銅イオン濃度200pp
m以上溶解させた溶液を用いる構成の欠陥評価装置であ
る。
【0016】銅片や銅メッシュをメチルアルコールに沈
積させて銅イオンを溶解させたメチルアルコール溶液を
使用すると、硝酸銅や硫酸銅を銅イオン源に用いる場合
に比べると塩の生成や評価面の酸による変質及び廃液処
理等の問題について優れており、また、銅イオンを含ま
ないメチルアルコールを使用するのに比べると、短時間
で鮮明な銅析出処理ができるという利点がある。
【0017】本願第3請求項に記載された発明は、請求
項1の欠陥評価装置において、前記銅電極と評価試料間
に一定の間隔を保つためのスペーサー兼試料ホルダーが
置かれており、このスペーサー兼試料ホルダーは、評価
試料と同じ径の円形の穴が形成されており、前記穴の内
側に評価試料を載せるためのリング状の爪もしくは等間
隔に配した複数の爪が設けられている構成の欠陥評価装
置である。
【0018】評価試料を載せるためのリング状の爪もし
くは等間隔に配した複数の爪は、なるべく小さくし、或
は小数の方がよい。この爪により遮蔽される面積を可及
的に小さくして、欠陥評価の面積を大きくすることがで
きる。
【0019】本願第4請求項に記載された発明は、請求
項1、2又は3の欠陥評価装置を用いて銅析出処理を行
った後に、評価試料に薬液洗浄と純水によるリンスを施
し、その後、レーザー散乱式表面検査装置により銅析出
部を評価する構成の欠陥評価方法である。
【0020】このように、銅析出処理後に、薬液洗浄と
純水によるリンス処理を実施して、銅析出物以外の付着
物を除去し、レーザー散乱式表面検査装置を用いて欠陥
の存在位置及び密度及び分布を検出評価するようにした
ことにより、より迅速、正確、定量的に欠陥評価を行う
ことができることになる。
【0021】尚、薬液洗浄は、アンモニア、過酸化水素
水、水からなるSC−1洗浄が好ましい。また、レ−ザ
−散乱式表面検査装置は、小さい塵埃等に敏感に反応す
るので、評価試料に薬液洗浄と純水によるリンスを施し
て、検査面を清浄化するものである。
【0022】本願第5請求項に記載された発明は、請求
項4の欠陥評価方法において、評価試料に析出した銅の
密度及び試料面の析出位置の分布をレ−ザ−散乱式表面
検査装置で検出評価する構成の欠陥評価方法である。
【0023】この銅の密度及び試料面の析出位置の分布
の検出は、具体的には例えば銅の析出個数や析出位置を
検査するものである。
【0024】本願第6請求項に記載された発明は、請求
項4記載の欠陥評価方法における銅析出処理を行う前と
後のそれぞれにおいて評価試料をレ−ザ−散乱式表面検
査装置で検出して、その前後における評価試料表面の粒
子及び欠陥を測定し、これらを比較評価する構成の欠陥
評価方法である。
【0025】析出処理をする前に試料の評価をすると、
レ−ザ−散乱式表面検査装置による検出異物(付着異物
と欠陥)を検出することができる。そして、析出処理を
行うと、この欠陥と同じ位置に銅の析出が起こるととも
に、このレ−ザ−散乱式表面検査装置による検出異物以
外の欠陥、すなわち加工による欠陥やその他の欠陥が存
する箇所にも銅の析出が起こる。従って、析出処理の前
後のものを比較評価することにより、レ−ザ−散乱式表
面検査装置による検出異物以外の欠陥(加工による欠陥
等)を把握することができることになる。
【0026】本願第7請求項に記載された発明は、所望
深さにおける結晶欠陥を評価すべく当該所望深さに相当
する深さの酸化膜を形成し、次いでこの酸化膜をHF溶
液で除去して洗浄し、しかる後、請求項4記載の欠陥評
価方法を行う構成の欠陥評価方法である。
【0027】従来は、半導体ウエーハの表面における結
晶欠陥はある程度容易に評価することができているが、
表面下における結晶欠陥を評価することは困難であっ
た。この点、本請求項のように所定深さ(結晶欠陥の評
価をしたい深さ)の酸化膜を形成して、この酸化膜を除
去すれば、当初表面下にあった評価目標の部位が表面に
現れることになる。このようにして現れた面に絶縁膜を
施して、半導体絶縁膜の欠陥評価法である銅析出法を行
えば、所望深さにおける結晶欠陥の評価を極めて容易に
行うことができる。
【0028】本願第8請求項に記載された発明は、異な
る深さにおける結晶欠陥を評価すべく当該各深さに相当
する深さの酸化膜をそれぞれ形成し、次いで各酸化膜を
HF溶液で除去して洗浄し、しかる後、請求項4記載の
欠陥評価方法を行う構成の欠陥評価方法である。
【0029】この場合は、例えば、評価試料表面から1
00Å、200Å、300Å…という具合に段階的な深
さにおける結晶欠陥を評価することにより、200Å迄
の層には、後述するように機械的な加工により発生する
欠陥が多い、等の評価を行うことができる。
【0030】本願第9請求項に記載された発明は、一つ
の半導体ウエーハの異なる深さにおける部位の評価を行
うべく当該各深さに相当する深さをそれぞれ除去し、次
いで各除去面を洗浄し、しかる後、各面の評価を行う構
成の欠陥評価方法である。
【0031】すなわち、一つの半導体ウエーハから複数
のサンプルを抽出し、これらを、評価したい深さに各々
対応させて、その異なる深さ分を除去する。例えば、前
記請求項のように、ウエーハ表面から100Å、200
Å、300Å…という具合に段階的な深さにおける結晶
欠陥を評価したい場合は、それぞれ表面から100Å、
200Å、300Å…の深さ分をエッチング等により除
去する。これにより、ウエーハ表面から100Å、20
0Å、300Å…の部位が表面に現れる。次いで、各除
去面を洗浄し、しかる後、各面の評価を行うものであ
る。
【0032】本願第10請求項に記載された発明は、請
求項9記載の欠陥評価方法において、半導体ウエーハに
酸化膜を形成し、次いで酸化膜をHF溶液で除去する構
成の欠陥評価方法である。
【0033】すなわち、一つの半導体ウエーハの異なる
深さにおける部位の評価を行うべく当該各深さに相当す
る深さをそれぞれ除去するにあたり、半導体ウエーハに
酸化膜を形成し、次いで酸化膜をHF溶液で除去し、次
いで各除去面を洗浄し、しかる後、各面の評価を行うも
のである。
【0034】本願第11請求項に記載された発明は、請
求項9記載の欠陥評価方法において、請求項4記載の欠
陥評価方法を行う構成の欠陥評価方法である。
【0035】すなわち、一つの半導体ウエーハの異なる
深さにおける部位の評価を行うべく当該各深さに相当す
る深さをそれぞれ除去し、次いで各除去面を洗浄し、し
かる後、前記欠陥評価装置を用いて各面の銅析出処理を
行った後に、評価試料に薬液洗浄と純水によるリンスを
施し、その後、レ−ザ−散乱式表面検査装置により銅析
出部を評価する欠陥評価方法である。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る欠陥評価装
置を示している。この装置は、半導体絶縁膜の欠陥評価
法である銅析出法(Cuデコレーション法)に用いられ
る装置であり、前掲の図5と共通の構成要素には同一の
符号を付している。
【0037】この欠陥評価装置は、メチルアルコール5
を入れた容器1に、一面に絶縁膜2aを形成した評価試
料2を収納するとともに、この評価試料の前記絶縁膜が
除去された面2bに電極の一方3を接触し、電極の他方
を銅電極4として前記絶縁膜2aに非接触の状態で配置
してなる欠陥評価装置である。
【0038】更に、本発明では、前記容器1の下部に銅
電極4を配置し、この銅電極4の上方に、前記絶縁膜2
aを下方に向けた評価試料2を配置し、少なくとも前記
双方の電極3,4間に電圧を印加する際における前記メ
チルアルコール5は、その上面5aが、前記絶縁膜が除
去された面2bに設けられる前記一方の電極3よりも下
方に位置しているように、入れられている。
【0039】本例の欠陥評価装置は、前述したように、
半導体絶縁膜の欠陥評価法であるCuデコレーション法
を実施するにあたり、評価試料2と銅電極4の位置を従
来とは逆転させた構造にしたもので、容器1にまず銅電
極4を入れ、次に、半導体基板上に絶縁膜2aを形成し
た試料2を、電極4と平行に一定間隔を保って、半導体
基板の欠陥評価対象面(絶縁膜2a)を電極4面に向け
て入れ、試料2の評価対象面(絶縁膜2a)が浸るよう
に銅イオンを溶解させたメチルアルコールを入れ、銅電
極4と試料2間に電圧を印加して、欠陥部の真上に銅を
析出させる構造である。
【0040】このように構成することによって、従来の
治具よりも簡単な構造で且つ材質等の制約を極力少なく
し、溶液への塵埃の持ち込みも少なくなり、試料交換の
作業性を著しく向上させた欠陥評価装置を得ることがで
きるものとなる。すなわち、従来の治具装置において
は、評価試料が容器の底に接触するので、試料交換時は
必ず銅電極を取り除く必要があり、また、評価対象面が
上部を向いているので、評価対象面に塵埃が降下した
り、交換時に使用するピンセット等の試料交換用の治具
による汚染や接触による傷をさけるため細心の注意を必
要として作業性が悪く、更には特別な治具が必要である
ため煩雑であり、また、交換時のメチルアルコール溶液
の回収が必要なこと等の不都合があったが、本例の欠陥
評価装置によれば、これらの不都合を回避することがで
きる。このような利点を備えているので、自動化にも馴
染むものである。
【0041】更に、本例の欠陥評価装置は、メチルアル
コールの上面が、前記絶縁膜が除去された面に設けられ
る前記一方の電極(裏面電極)よりも下方に位置して、
この裏面電極はメチルアルコールに浸らないので、例え
ばアルミ電極のような安価な材料を用いることができ、
従って、従来のように、メチルアルコール内に設けられ
るためこれに耐食性のある材質のもの(例えば金や白
金)を使用しなければならないといった制約は回避され
る。
【0042】このように、本例によれば、従来の治具よ
りも簡単な構造で且つ材質等の制約を極力少なくし、溶
液への塵埃の持ち込みも少なくなり、試料交換の作業性
を著しく向上させた欠陥評価装置を得ることができる。
【0043】次に、本例の欠陥評価装置を用いて、半導
体絶縁膜の欠陥評価法であるCuデコレーション法を実
施するには、容器にまず銅電極を入れ、次に、半導体基
板上に絶縁膜を形成した試料を、電極と平行に一定間隔
を保って、半導体基板の欠陥評価対象面を電極面に向け
て入れ、試料の評価対象面が浸るように銅イオンを溶解
させたメチルアルコールを入れ、銅電極と試料間に電圧
を印加して、欠陥部の真上に銅を析出させるものであ
る。
【0044】尚、メチルアルコールに銅片又は銅メッシ
ュを沈積させて、銅イオン濃度200ppm以上溶解さ
せた溶液を用いるとよい。すなわち、銅片や銅メッシュ
をメチルアルコールに沈積させて銅イオンを溶解させた
メチルアルコール溶液を使用すると、硝酸銅や硫酸銅を
銅イオン源に用いる場合に比べると塩の生成や評価面の
酸による変質及び廃液処理等の問題について優れてお
り、また、銅イオンを含まないメチルアルコールを使用
するのに比べると、短時問で鮮明な銅析出処理ができる
という利点がある。
【0045】更に、前記銅電極4と評価試料2間には、
一定の間隔を保つためのスペーサー兼試料ホルダー(図
示を省略)が置かれており、このスペーサー兼試料ホル
ダーは、評価試料と同じ径の円形の穴が形成されてお
り、前記穴の内側に評価試料を載せるためのリング状の
爪もしくは等間隔に配した複数の爪が設けられている。
【0046】すなわち、前記スペーサー兼試料ホルダー
は、電極と試料間に3〜5mmの一定の間隔を保つため
に、3〜5mmの厚みで評価試料径の円形の穴が形成さ
れており、その穴の内側に試料をのせるための幅1〜3
mm程度のリング状の爪、もしくは、幅1〜3mm、長
さ3〜10mmで等間隔に配した3〜5点の爪が設けれ
ており、容器よりも小さいスペーサー兼試料ホルダーを
使用している。
【0047】評価試料を載せるためのリング状の爪もし
くは等間隔に配した複数の爪は、なるべく小さくし、或
は小数の方がよい。この爪により遮蔽される面積を可及
的に小さくすることにより、欠陥評価の面積を大きくす
ることができる。
【0048】上述した欠陥評価方法は、更に次のように
展開することができる。すなわち、前記装置を用いて銅
析出処理を行った後に、評価試料に薬液洗浄と純水によ
るリンスを施し、その後、レ−ザ−散乱式表面検査装置
により銅析出部を評価する。
【0049】このように、銅析出処理後に、薬液洗浄と
純水によるリンス処理を実施して、銅析出物以外の付着
物を除去し、レ−ザ−散乱式表面検査装置を用いて欠陥
の存在位置及び密度及び分布を検出評価するようにした
ことにより、より迅速、正確、定量的に欠陥評価を行う
ことができることになる。
【0050】尚、薬液洗浄は、アンモニア、過酸化水素
水、水からなるSC−1洗浄が好ましい。また、レ−ザ
−散乱式表面検査装置は、小さい塵埃等に敏感に反応す
るので、評価試料に薬液洗浄と純水によるリンスを施し
て、検査面を清浄化する。
【0051】更に、上記欠陥評価方法において、評価試
料に析出した銅の密度及び試料面の析出位置の分布をレ
−ザ−散乱式表面検査装置で検出評価することができ
る。この銅の密度及び試料面の析出位置の分布の検出
は、具体的には例えば銅の析出個数や析出位置を検査す
るものである。
【0052】更に、本発明は、前記欠陥評価方法におけ
る銅析出処理を行う前と後のそれぞれにおいて評価試料
をレ−ザ−散乱式表面検査装置で検出して、その前後に
おける評価試料表面の粒子及び欠陥を測定し、これらを
比較評価するものである。
【0053】析出処理をする前に試料の評価をすると、
レ−ザ−散乱式表面検査装置による検出異物(付着物と
欠陥)を検出することができる。そして、析出処理を行
うと、この欠陥と同じ位置に銅の析出が起こるととも
に、この欠陥以外の欠陥、すなわち加工による欠陥やそ
の他の欠陥が存する箇所にも銅の析出が起こる。従っ
て、析出処理の前後のものを比較評価することにより、
検出異物以外の欠陥(加工による欠陥等)を把握するこ
とができることになる。
【0054】更に、本発明は、所望深さにおける結晶欠
陥を評価すべく当該所望深さに相当する深さの酸化膜を
形成し、次いでこの酸化膜をHF溶液で除去して洗浄
し、しかる後、前記の欠陥評価方法を行うものである。
【0055】前述したように、従来は、半導体ウエーハ
の表面における結晶欠陥は容易に評価することができる
が、表面下における結晶欠陥を評価することは困難であ
った。この点、本発明のように所定深さ(結晶欠陥の評
価をしたい深さ)の酸化膜を形成して、この酸化膜を除
去すれば、当初表面下にあった評価目標の部位が表面に
現れることになる。このようにして現れた面に絶縁膜を
施して、半導体絶縁膜の欠陥評価法である銅析出法を行
えば、所望深さにおける結晶欠陥の評価を極めて容易に
行うことができる。
【0056】上述したことの具体例として、異なる深さ
における結晶欠陥を評価すべく当該各深さに相当する深
さの酸化膜をそれぞれ形成し、次いで各酸化膜をHF溶
液で除去して洗浄し、しかる後、前記の欠陥評価方法を
行うとよい。
【0057】この場合は、例えば、評価試料表面から1
00Å、200Å、300Å…という具合に段階的な深
さにおける結晶欠陥を評価することにより、200Å迄
の層には、後述するように機械的な加工により発生する
欠陥が多い、等の評価を行うことができる。
【0058】更に、本発明は、一つの半導体ウエーハの
異なる深さにおける部位の評価を行うべく当該各深さに
相当する深さをそれぞれ除去し、次いで各除去面を洗浄
し、しかる後、各面の評価を行う構成の欠陥評価方法で
ある。
【0059】すなわち、一つの半導体ウエーハから複数
のサンプルを抽出し、これらを、評価したい深さに各々
対応させて、その異なる深さ分を除去する。例えば、前
記のように、ウエーハ表面から100Å、200Å、3
00Å…という具合に段階的な深さにおける結晶欠陥を
評価したい場合は、それぞれ表面から100Å、200
Å、300Å…の深さ分をエッチング等により除去す
る。これにより、ウエーハ表面から100Å、200
Å、300Å…の部位が表面に現れる。次いで、各除去
面を洗浄し、しかる後、各面の評価を行うものである。
【0060】この場合、前記の欠陥評価方法において、
半導体ウエーハに酸化膜を形成し、次いで酸化膜をHF
溶液で除去することもできる。
【0061】すなわち、一つの半導体ウエーハの異なる
深さにおける部位の評価を行うべく当該各深さに相当す
る深さをそれぞれ除去するにあたり、半導体ウエーハに
酸化膜を形成し、次いで酸化膜をHF溶液で除去し、次
いで各除去面を洗浄し、しかる後、各面の評価を行うも
のである。
【0062】更にまた、一つの半導体ウエーハの異なる
深さにおける部位の評価を行うべく当該各深さに相当す
る深さをそれぞれ除去し、次いで各除去面を洗浄し、し
かる後、前記欠陥評価装置を用いて各面の銅析出処理を
行った後に、評価試料に薬液洗浄と純水によるリンスを
施し、その後、レ−ザ−散乱式表面検査装置により銅析
出部を評価することもできる。
【0063】上述した各手法により、表面からある程度
の深さまで、各深さでの欠陥密度の評価や欠陥へのマー
キングをおこなうことかできるようになる。
【0064】この手法は、絶縁膜の評価法であるこの評
価法を半導体基板表面の欠陥評価を目的として用いるた
めに、評価試料表面に絶縁膜を形成する際に一様な温度
と雰囲気で処理時間だけ変化させた条件で絶縁膜を形成
し、各厚み欠陥密度の分布等を比較することにより、基
板が原因で絶縁膜中に取り込まれたと思われる欠陥の評
価をおこなうことかできる。
【0065】すなわち、一定条件で熱処理することによ
り、熱処理条件による膜質の変化を極力一定に統一する
ことによって、基板に起因して絶縁膜に導入された欠陥
を評価することによって間接的に基板の評価をすること
を目的にした欠陥評価方法である。
【0066】
【実施例1】図1に示す欠陥評価装置を用いて、次の実
験を行った。
【0067】シリコン基板に酸化膜を950℃、dry
2雰囲気で250Å形成し、レ−ザ−散乱式表面検査
装置を用いて輝点検出評価を行った後、裏面の酸化膜を
除去し、図1のように、評価面を銅電極側に向けて5m
mの間隔をあけ、半導体のハンドリングに通常用いられ
るバキューム式ピンセットを用いて試料をセットし、評
価面が溶液で浸るように500ppmCuイオン含有の
メチルアルコール溶液を注ぎ、10Vの電圧をかけるこ
とによって、銅析出処理を行った。
【0068】この時使用する銅電極は、表面の酸化皮膜
を硝酸により除去したものを使用した。裏面電極はアル
ミ板を使用している。
【0069】従って、従来の評価装置では、メチルアル
コール溶液に裏面電極が接触する可能性あったので、高
価で耐食性に優れた金や白金等の貴金属を使用する必要
があったが、本発明においては、裏面電極は溶液とは接
触しないので、このアルミのような安価、且つ軽量なも
のを使用でき、また、容易に取扱うことができる。
【0070】銅析出処理したウエーハをSC−1洗浄
で、80℃且つ12minの洗浄後、純水で10min
リンスを行い、スピンナー乾燥を行った。
【0071】このウエーハを、レ−ザ−散乱式表面検査
装置を用いて銅析出部の検出評価を行った。図2にレ−
ザ−散乱式表面検査装置の検査結果によるマップの一部
を示す。
【0072】このように本発明の欠陥評価装置を用い
て、ほぼウエーハ全面域で、表面にハンドリング等の接
触による塵埃や傷を付けることな〈、銅析出部のみを検
出評価することかできた。
【0073】
【実施例2】次に、本例の欠陥評価装置を用いて、欠陥
の深さ方向の評価をする方法を説明する。
【0074】すなわち、試料を、950℃のdryO2
雰囲気で、100〜2500Åの厚さの絶縁膜を、10
0〜500Åの膜厚間隔で形成し、次に、この絶縁膜
を、一旦薄いHF溶液で除去した後に、RCA(SC−
1、SC−2)洗浄を行い、再度、950℃dryO2
雰囲気で、250Åの絶縁膜を形成し、実施例1と同様
の手順で銅析出処理を施し評価を行った。
【0075】一例として、図3に示す模式図を参照して
説明する。(1)乃至(5)は、同一の半導体ウエーハ
から切り出した評価試料2であり、これらを、t1乃至
t5が100、200、350、600、1000Åの
Siを950℃のdryO2雰囲気で絶縁膜21,2
2,23,24,25を形成し(図3の(A))、次
に、この絶縁膜を、HF溶液で除去した後に、RCA洗
浄を行い(図3の(B))、再度、950℃dryO2
雰囲気で、250Åの絶縁膜2aを形成し(図3の
(C))、実施例1と同様の手順で銅析出処理を施し評
価を行った。
【0076】図3における、表面から各深さでの欠陥密
度の結果を、図4に示す。図4は、横軸がウエーハの表
面からの深さ、縦軸が欠陥密度である。
【0077】この結果から、この試料においては、表面
から200Åまでに高密度に欠陥が、存在していること
が、明瞭に確認することができた。
【0078】この手法により表面から各深さの基板に含
まれる欠陥を検出評価することができる。
【0079】すなわち、資料の表面から各探さに存在す
る欠陥の密度評価や、欠陥へのマーキングを行うことが
できるようになる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装置及び
方法を用いることによって、Cuデコレーション法によ
り評価をするにあたって、従来よりも簡単な手法でかつ
材質等の制約を極力少なくし、溶液への塵埃の持ち込み
も少なくなり、試料交換の作業性を著しく向上すること
ができる。
【0081】また、銅析出物以外の付着物を除去した後
に、レ−ザ−散乱式表面検査装置等を用いて欠陥の存在
位置及び密度及び分布を検出評価するようにしたことに
より、より迅速、正確、定量的に欠陥評価を行うことが
できる。
【0082】これらの結果、従来の方法に比べ、簡単、
安価な欠陥評価装置を提供でき、しかも、短時間で絶縁
膜中の欠陥及び結晶中の欠陥及びSOIの埋め込み酸化
膜の欠陥の評価が可能となる。
【0083】また、本発明の深さ方向の評価をする手法
を用いることにより、簡単、安価に表面から各深さでの
基板に含まれる欠陥を検出評価することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる欠陥検出装置の模式図である。
【図2】本発明で検出された欠陥の、レ−ザ−散乱式表
面検査装置による欠陥のマップである。
【図3】同一の半導体ウエーハから切り出した評価試料
による絶縁膜形成、除去、及び再度の絶縁膜形成を示す
模式図である。
【図4】本発明により検出された、表面から各深さでの
欠陥密度を示す図である。
【図5】従来用いられている欠陥検出装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 評価試料 2a 絶縁膜 2b 絶縁膜が除去された面 3 電極 4 銅電極 5 メチルアルコール 5a 上面 21 絶縁膜 22 絶縁膜 23 絶縁膜 24 絶縁膜 25 絶縁膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体絶縁膜の欠陥評価法である銅析出法
    (Cuデコレーション法)に用いられる装置であって、
    メチルアルコールを入れた容器に、絶縁膜を形成すると
    ともに片方の面の絶縁膜を除去した評価試料を収納し、
    この評価試料の前記絶縁膜が除去された面に電極の一方
    を接触し、電極の他方を銅電極として前記絶縁膜に非接
    触の状態で配置してなる欠陥評価装置において、前記容
    器の下部に銅電極を配置し、この銅電極の上方に、前記
    絶縁膜を下方に向けた評価試料を配置し、少なくとも前
    記双方の電極間に電圧を印加する際における前記メチル
    アルコールは、その液上面が前記絶縁膜に接しかつ絶縁
    膜が除去された面に設けられる前記一方の電極よりも下
    方に位置しているように、入れられていることを特徴と
    する欠陥評価装置。
  2. 【請求項2】メチルアルコールに銅片又は銅メッシュを
    沈積させて、銅イオン濃度200ppm以上溶解させた
    溶液を用いることを特徴とする請求項1記載の欠陥評価
    装置。
  3. 【請求項3】前記銅電極と評価試料間に一定の間隔を保
    つためのスペーサー兼試料ホルダーが置かれており、こ
    のスペーサー兼試料ホルダーは、評価試料と同じ径の円
    形の穴が形成されており、前記穴の内側に評価試料を載
    せるためのリング状の爪もしくは等間隔に配した複数の
    爪が設けられていることを特徴とする請求項1記載の欠
    陥評価装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の欠陥評価装置を
    用いて銅析出処理を行った後に、評価試料に薬液洗浄と
    純水によるリンスを施し、その後、レーザー散乱式表面
    検査装置により銅析出部を評価することを特徴とする欠
    陥評価方法。
  5. 【請求項5】評価試料に析出した銅の密度及び試料面の
    析出位置の分布をレーザー散乱式表面検査装置で検出評
    価することを特徴とする請求項4記載の欠陥評価方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の欠陥評価方法における銅析
    出処理を行う前と後のそれぞれにおいて評価試料をレー
    ザー散乱式表面検査装置で検出して、その前後における
    評価試料表面の粒子及び欠陥を測定し、これらを比較評
    価することを特徴とする欠陥評価方法。
  7. 【請求項7】所望深さにおける結晶欠陥を評価すべく当
    該所望深さに相当する深さの酸化膜を形成し、次いでこ
    の酸化膜をHF溶液で除去して洗浄し、しかる後、請求
    項4記載の欠陥評価方法を行うことを特徴とする欠陥評
    価方法。
  8. 【請求項8】異なる深さにおける結晶欠陥を評価すべく
    当該各深さに相当する深さの酸化膜をそれぞれ形成し、
    次いで各酸化膜をHF溶液で除去して洗浄し、しかる
    後、請求項4記載の欠陥評価方法を行うことを特徴とす
    る欠陥評価方法。
  9. 【請求項9】一つの半導体ウエーハの異なる深さにおけ
    る部位の評価を行うべく当該各深さに相当する深さをそ
    れぞれ除去し、次いで各除去面を洗浄し、しかる後、各
    面の評価を行うことを特徴とする欠陥評価方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の欠陥評価方法において、
    半導体ウエーハに酸化膜を形成し、次いで酸化膜をHF
    溶液で除去することを特徴とする欠陥評価方法。
  11. 【請求項11】請求項9記載の欠陥評価方法において、
    請求項4記載の欠陥評価方法を行うことを特徴とする欠
    陥評価方法。
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