JPH1134497A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH1134497A
JPH1134497A JP9198813A JP19881397A JPH1134497A JP H1134497 A JPH1134497 A JP H1134497A JP 9198813 A JP9198813 A JP 9198813A JP 19881397 A JP19881397 A JP 19881397A JP H1134497 A JPH1134497 A JP H1134497A
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JP
Japan
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optical recording
recording medium
group
recording layer
alkylene
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Application number
JP9198813A
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English (en)
Inventor
Akito Miyamoto
本 明 人 宮
Soji Tsuchiya
屋 宗 次 土
Yoshimi Yamamoto
本 佳 美 山
Masashi Ono
野 正 志 小
Yasuki Okazaki
崎 庸 樹 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kanko Shikiso Kenkyusho KK
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Kanko Shikiso Kenkyusho KK
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光産業分野において利用される光記録媒体に
関し、高感度、高速記録、高出力、更に保存安定性に優
れた追記型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明基板1上に記録層2、反射層3およ
び保護層4を有し、半導体レーザー光が透明基板を通し
て入射し、情報の記録、再生を行う光記録媒体であっ
て、記録層が特定のスチリル系色素を主体として構成さ
れる光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光により情報
を記録、再生する追記型の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光により情報を再生する光記録
媒体は、CD、CD−ROMと呼ばれ音楽再生用、コン
ピュター用と現在、広く普及してきている。これらのデ
ィスク構造は、厚さ1.2mmの透明基板の片側に凹凸
情報ピット列を設け、その上からアルミ、金等の反射膜
をスパッタ法あるいは蒸着法により設け、さらに保護膜
をコートして作製されている。また、これらの光ディス
クは、780nmの半導体レーザー光を透明基板を通し
て入射し、ピットの凹凸による反射率の変化から信号を
読みとり、情報を再生している。
【0003】しかし、CD、CD−ROMは再生専用メ
ディアであり、編集機能を持たない。そこで、記録可能
な光ディスクとしてCD−R(一度だけ記録可能)、P
D(書き換え可能型)が開発され、実用化されている。
CD−R、PDは編集機能の他に先に述べたCD−RO
Mとの互換性(再生機能)をもっている。このような光
ディスクにはテルル等のカルコゲナイト系化合物、希土
類金属化合物、シアニン系、ナフタロシアニン系、フタ
ロシアニン系等の有機化合物を記録層としたものが用い
られている。
【0004】CD−Rは、記録膜の微小面積にレーザー
光を集光させ、それを熱エルギーに変換し、記録膜の性
状を変える。レーザー光の出力としては、通常は書き込
み用と読みとり用は異なり、読みとり用のレーザー光の
出力は書き込み用と比較して弱いものが用いられる。ま
た、記録部分と未記録部分とのコントラストは最終的に
は電気信号として読みとられる。光学的には反射率の変
化がコントラストに反映される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近では、このような
光記録媒体として、高感度、高速記録および保存安定性
に優れた書き込み可能な光記録媒体、さらに、低コスト
で生産性に優れた光記録媒体の要望が高まっている。
【0006】また、特開平06−295469号公報記
載の記録媒体では、繰り返し再生による読み出し破壊を
防ぐために、再生光波長より短波長の光で情報の記録を
行う方式を提案しているが、実際には記録用レーザー光
および再生用レーザー光の波長はコスト等を考えると同
一のものが望ましい。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、近年、開発された半導体レーザーに対応した追記型
の光記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の光記録媒体は、透明基板上に光学的に情報
を記録する記録層が形成されてなり、この記録層は、
(化3)または(化4)で示されるスチリル系色素を少
なくとも一種以上を含有する層からなることを特徴とす
るものである。さらに、詳しくは、この材料を用いて高
性能な光記録媒体とするためには、構成材料となるアニ
オン性の材料の選択、製膜法および条件の選択、レーザ
ー光波長との適合化を図るものである。
【化3】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、透明な基板上に設けられた記録層を有する光記録媒
体であって、記録層が、一般式(化3)からなる色素材
料、または一般式(化4)からなる色素材料を少なくと
も一種以上含有することを特徴とする光記録媒体であ
る。
【0010】(化3)において、AはO、S、CR1
2 のいずれかを示し、R1 、R2 は同一、あるいは異種
の低級アルキル基、ハイドロオキシアルキル基、または
アルキレンの途中にO、Sを含んでもよく、R1 、R2
で環構造を有していてもよい。R3 は水素、低級アルキ
ル基、またはCN基を表す。R4 、R5 は同一、あるい
は異種の低級アルキル基、またはアルキレンの途中に
O、Sを含んでもよく、末端にハロゲン基、−CN、−
S02 CH3 を有していてもよく、いずれかあるいは両
方とも環構造を有していてもよく、R4 とR5 により環
構造を形成していてもよい。さらには、次にあるR6
いずれかあるいは両方ともで環構造を有してもよい。R
6はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、−CN、
−CF3 、−CH3 CO、−SO2 CF3 、−COCF
3 、−SO2 Ph、−COPhを表す。YはOまたはS
を、Z1は−N−C−Y−とともに環構造を形成するに
必要な炭素数が2〜4のアルキレン基を、Xは水素、ま
たは−S02 CH3 、−CN、−CF3 、−COC
3 、−SO2 CF3 、−COCF3 、−SO2 Ph、
−COPh、−NO2 、−CH3 、−OCH3 、ハロゲ
ン原子のいずれかを表す。(化4)において、Z2 はカ
ーボン数が1から18のアルキレン基で、末端あるいは
間にSまたは0を含んでいてもよい。Bはハロゲン、酸
根、アルコキシアニオン等のアニオンを表すものであ
る。以上の構成により、レーザー光による高感度、高速
書き込みが可能な光記録媒体が実現できるという作用を
有する。
【0011】請求項2に記載の発明は、透明な基板上に
設けられた記録層を有する光記録媒体であって、記録層
が、−CN、−COOH、−OH、−SO3 H、−NO
2 などの基を有する電子アクセプター性の強い芳香族化
合物と(化3)式に示す色素との混合物からなることを
特徴とする光記録媒体であり、レーザー光による高感
度、高速記録が可能な光記録媒体が実現できるという作
用を有する。
【0012】請求項3に記載の発明は、アクセプター性
の化合物としてテトラシアノキノジメタン(TCNQ)
を用いることを特徴とする材料を含有する請求項2記載
の光記録媒体であり、レーザー光による高感度、高速記
録が可能な光記録媒体が実現できるという作用を有す
る。
【0013】請求項4に記載の発明は、透明な基板上
に、2源以上の共蒸着法により記録層を形成することを
特徴とする請求項1または2または3記載の光記録媒体
であり、レーザー光による高感度、高速記録が可能な光
記録媒体が実現できるという作用を有する。
【0014】請求項5に記載の発明は、光記録、再生を
行う光源として、波長が500nmから800nm域内
のレーザ光源を用いることを特徴とする請求項1から4
の何れかに記載の光記録媒体であり、レーザー光による
高感度、高速記録が可能な光記録媒体が実現できるとい
う作用を有する。
【0015】本発明が適用される光記録媒体は、透明基
板上に記録層をスピナーなどを用いた塗布法、あるいは
蒸着法により製膜し、その上に反射層および保護層を順
次形成したものからなる。透明基板としては樹脂が用い
られ、光学特性としては、400〜800nmの範囲で
高い透過率を示すものであれば原理上材質は問わない。
透過率は80%以上が望ましく、90%以上あればさら
に好ましい。本発明に有効な基板材質としては、ガラ
ス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂等からな
る基板が挙げられる。最近はポリカーボオネートが一般
に用いられている。
【0016】記録層の製膜方法は、ドライプロセスで
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法など、ウェッ
トプロセスでは、スピンコート法によって通常は薄膜形
成が行われる。
【0017】まず、スピンコート法の例を示す。有機色
素を溶剤に溶解し、透明基板を回転させつつ色素溶液を
滴下して記録層を形成すればよく、色素溶液は0.5〜
5重量%の色素濃度に調整されていることが望ましい。
【0018】この色素溶液を作成する溶媒は、色素を溶
解し透明基板に無害であれば使用可能であるが、溶媒と
してはメチルアルコール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、テトラフルオロアルコール、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シク
ロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエ
タン、四塩化炭素、メトキシエタノール、エトキシエタ
ノール、アセトニトリル、トリエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、色素
溶解性、作業性、基板への影響、経済性を考慮して決定
される。
【0019】さらに、有機溶媒に色素を溶解して色素溶
液を作成する際に、光安定剤、酸化防止剤が含まれてい
てもよく、光安定剤としては、一重項酸素クエンチャー
である金属錯体やジイモニュウム塩、ヒンダードアミン
化合物、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール化合
物、ベンゾフェノン化合物、酸化防止剤としては、一次
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、アミン系酸
化防止剤、そして2次の酸化防止剤としては、有機イオ
ウ系2次酸化防止剤、リン系2次酸化防止剤等が挙げら
れる。なお、これら光安定剤、酸化防止剤は、単独もし
くは複合して配合してもよく、添加量は、色素重量10
0部に対して添加剤を0.1〜200部程度が好まし
い。
【0020】また、色素溶液に結着剤として樹脂を添加
してもよく、ニトロセルロース、リン酸セルロース、硫
酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、パルミチン酸セルロース、酢酸・
プロピオン酸セルロース、酢酸・酪酸セルロースなどの
セルロースエステル類、メチルセルロース、エチルセル
ロース、プロピルセルロース、ブチルセルロースなどの
セルロースエーテル類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどのビニル樹脂類、スチレン−ブタジェンコポ
リマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチ
レン−ブタジェン−アクリロニトリルコポリマー、塩化
ビニル−酢酸ビニルコポリマーなどの共重合樹脂類、ポ
リメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリルニトリルなどのアクリル樹脂類、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどのポ
リオレフィン類などを用いることができ、これらの樹脂
類は、色素重量100部に対し1〜1000部の範囲に
わたって添加することができる。
【0021】そして、スピンコート法によって記録層を
形成するには、回転数と回転時間で所望の膜厚に調整す
ればよく、塗布条件は、色素溶液粘度、色素濃度などを
考慮して決定する。
【0022】また、記録層は、50〜400nmの範囲
に設定されることが望ましいから、回転数1000〜5
000rpm程度で記録層の所望膜厚となるように、色
素溶液の濃度と粘度を調整する必要がある。
【0023】一方、蒸着法で記録層を形成する場合に
は、10-2Pa以下の真空度で蒸着されることが望まし
い。また、蒸着可能な光安定剤、酸化防止剤等の添加剤
と記録層色素とを所定量混合して一つの熱源で蒸着して
もよく、添加剤と色素を別々の熱源で蒸着してもよい。
なお、光安定剤、酸化防止剤などは前述した光安定剤や
酸化防止剤の化合物から選択される。
【0024】反射層は使用する光源に対して反射率の高
い材料を用いる。使用する材料としては、金、銀、銅、
白金、アルミニウム、コバルト、錫、ニッケル等の金属
が好ましく、これらを単独または合金として使用できる
ことができる。これらの反射層の膜厚は20〜200n
mが望ましく、形成法としてはスパッタ法、真空蒸着法
により形成される。また、反射層は、これら金属に限ら
れるものではなく有機系の高反射膜を使用することも可
能である。 保護層は記録層または反射層に対する傷や
汚れの保護や保存安定性のために設けられ無機材料とし
てはSiOやSiO2 などが使用できる。有機材料では
ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ
樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、
セルロース、脂肪族系炭化水素樹脂系、天然ゴム、ワッ
クス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、
熱溶融樹脂も用いることができる。前記保護層には必要
に応じ、難燃剤、安定剤、帯電防止剤などを添加するこ
とができる。保護膜としては、熱硬化性や光硬化性樹脂
が用いられる。
【0025】案内溝の形状については、特に制限はない
が、平均溝幅は0.3〜1.2ミクロン、また、溝深さ
は70〜200nmの範囲が好ましい。この光記録媒体
では、透明基板を通して記録層2にレーザー光を照射
し、このときに発生する熱によりピットを形成する、ヒ
ートモード方式により記録が行われる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。(実施例1)図
1は、実施例1における追記型光記録媒体の断面図を示
す。1は基板、2は基板上に設けられた記録層、3は記
録層上に設けられた反射層、4は反射層上に設けられた
保護層である。基板1は、ポリカーボネート製の円盤状
の透明基板を用い、厚さ1.2mm、トラックピッチ
1.6μm、溝幅0.6μm、溝深さ76nmの形状に
射出成形したものである。この基板1の上部に有機記録
層2を形成し、さらに記録層2の上部に反射層3として
銀をスパッター法で作製し、最後にUV硬化樹脂で保護
層4を形成した。
【0027】記録層2の材料としては、(化5)に示す
ようなスチリル系色素を用い、アニオン性化合物として
は、TCNQを用いた。(化5)は、一般式(化3)の
YがO、Z1 がC2 4 、R3 は水素、R4 およびR5
はCH3 、R6 は無置換、AはC(CH3 2 、XはS
2 CH3 である。記録層2の製膜は真空蒸着法を用
い、2源で同時蒸着法により形成した。これは、一般
に、TCNQは溶剤に対する溶解性が低いため、通常の
スピンコート法では製膜が困難であると推察されるから
である。また、TCNQ量が少ないと色素の発色濃度が
低くなり記録感度等に影響を及ぼす可能性があるため、
TCNQの量は色素のモル数に対して等モル以上は含有
されるようにした。なお、このときの蒸着条件は、基板
温度は室温、真空度1×10-3Pa、蒸着速度0.1n
m/sであった。得られた有機薄膜の膜厚は、SLOA
N社製、DEKTAK3 STを用いて計測し、さらに、
薄膜有機の吸収スペクトルは日立製作所製分光光度計
(U−4000)を用いて測定を行った。この記録層の
光吸収ピークは580nmにあり、780nmの半導体
レーザーの波長域には若干の吸収をもつものである。
【化5】
【0028】以上のように構成された追記型光記録媒体
について、780nmの半導体レーザーにより記録速度
1.5m/s、記録感度8mWで書き込みを行い、その
後、同様に、780nmの半導体レーザーにより再生速
度1.5m/s、0.5mWで読みとりを行った。この
ときの未記録部分の反射率は70%、11T信号C/N
出力は45dB、3T信号C/N出力は38dBであっ
た。
【0029】このように、上記色素を記録層に用いた場
合、半導体レーザーを用いた光記録媒体として、記録、
再生特性が良好で、さらに、記録に要するレーザー出力
が小さく高感度であることがわかる。
【0030】(実施例2〜7)実施例2〜7において
は、(化5)で示されるスチリル系色素のXを、H、C
N、NO2 、CH3 、OCH3 、Clに変えたこと以外
は、実施例1と同様にして作製し、光ディスク特性の評
価を行った。
【0031】以下の(表1)に実施例2〜7における置
換基(X)、および記録感度、変調度(信号振幅)を示
す。
【表1】 結果として、780nm半導体レーザーによる記録・再
生特性は、実施例1と遜色ないものであった。
【0032】なお、一般式化(化3)において、Aは
O、S、またR4 、R5 はいずれかあるいは両方とも環
構造を有している場合、または、有していない場合は同
一あるいは異種の低級アルキル基、R6はアルキル基、
アルコシ基、ハロゲン基、−CN、−CF3 、−CH3
CO、−SO2 CF3 、−COCF3 、−SO2 Ph、
−COPh、YはSなどの構造を有するスチリル系色素
の合成を行い、同様に検討を行った。置換基などの違い
により、色素の光吸収ピークを数nmから数十nmの範
囲で制御することが可能となるため、高密度、高コント
ラストの光記録媒体とするためには、記録・再生に用い
る半導体レーザーの波長に適合した置換基を選ぶことが
必要である。
【0033】(実施例8)実施例8においては、実施例
1における(化5)の色素のみを蒸着法により製膜を行
った後、塩酸ガス雰囲気中の処理を行って色素を十分に
発色した状態を作り、その後、反射膜、保護膜を形成し
て、光記録媒体を作製した。(化5)の構造でアニオン
性化合物のない状態であると、光吸収ピークは400n
m以下にあり、600nm以上の波長域ではほとんど光
吸収がなく、780nmの半導体レーザには感度を有さ
ない。
【0034】このようにして作製した光記録媒体につい
て、780nmの半導体レーザーにより記録速度1.5
m/s、記録感度8mWで書き込みを行い、その後、同
様に、780nmの半導体レーザーにより再生速度1.
5m/s、0.5mWで読みとりを行った。このときの
未記録部分の反射率は70%、11T信号C/N出力は
43dB、3T信号C/N出力は37dBであった。
【0035】このように、上記色素を記録層に用いた場
合、半導体レーザーを用いた光記録媒体として、記録、
再生特性が良好であった。
【0036】(実施例9〜14)実施例9〜14におい
ては、(化5)で示されるスチリル系色素のXを、H、
CN、NO2 、CH3 、OCH3 、Clに変えたこと以
外は、実施例8と同様にして作製し、記録・再生特性の
評価を行った。
【0037】以下の(表2)に実施例9〜14における
置換基(X)、および記録感度、変調度を示す。
【表2】
【0038】(実施例15)実施例15における光記録
媒体の構成は、実施例1と同様にし、記録層の材料とし
ては、(化6)に示すようなスチリル系色素を用いた。
(化6)は、一般式(化4)のZ2 がC2 4 O、R3
は水素、R4 およびR5 はCH3 、R6 は無置換、Aは
C(CH3 2 、Xは水素である。また、BはBrであ
る。この色素の光吸収ピークは590nmにあり、78
0nm半導体レーザの波長域には弱冠の吸収をもつもの
である。製膜は、スチリル系色素の3.0重量%フッ素
化アルコール溶液を5000rpmでスピンコートし、
薄膜形成を行った。また、真空蒸着法によっても形成し
た。
【化6】
【0039】以上のように構成された追記型光記録媒体
について、780nmの半導体レーザーにより記録速度
1.5m/s、記録感度7mWで書き込みを行い、その
後、同様に、780nmの半導体レーザーにより再生速
度1.5m/s、0.5mWで読みとりを行った。スピ
ンコート膜は、未記録部分の反射率は75%、11T信
号C/N出力は45dB、3T信号C/N出力は40d
Bであった。
【0040】このように、スチリル系色素を記録層に用
いた場合、半導体レーザを用いた光記録媒体として、記
録、再生特性がが良好で、さらに、記録に要するレーザ
ー出力が小さく高感度であることがわかる。
【0041】(実施例16〜21)実施例16〜21に
おいては、(化6)で示されるスチリル系色素のXをS
2 CH3 、CN、NO2 、CH3 、OCH3 、Clに
変えたこと以外は、実施例15と同様にして作製し、記
録・再生特性の評価を行った。
【0042】以下の(表3)に実施例16〜21におけ
る置換基(X)、および記録感度、変調度を示す。
【表3】 結果として、780nm半導体レーザーによる記録・再
生特性は、実施例15と遜色ないものであった。
【0043】なお、一般式(化4)において、AはO、
Sであってもよく、R4 、R5 はいずれかあるいは両方
とも環構造を有している場合、または、有していない場
合は同一あるいは異種の低級アルキル基、R6 はアルキ
ル基、アルコシ基、ハロゲン基、−CN、−CF3 、−
CH3 CO、−SO2 CF3 、−COCF3 、−SO 2
Ph、−COPh、また、Z2 はカーボン数が1から1
8のアルキレン基で間にSまたは0を含んでいてもよ
く、Bはハロゲン、酸根、アルコキシアニオン等のアニ
オンなどの構造を有するスチリル系色素の合成を行い、
同様に検討を行った。置換基などの違いにより、色素の
光吸収ピークを数nmから数十nmの範囲で制御するこ
とが可能となるため、高密度、高コントラストの光記録
媒体とするためには、記録・再生に用いる半導体レーザ
ーの波長に適合した置換基を選ぶことが必要である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、透明基板上に記
録層を有する光記録媒体において、記録層に、スチリル
系有機色素を含有する構成によって、低出力のレーザー
で記録が可能であり、高感度、高速記録に対応し、さら
に、保存安定性に優れた書き込み可能な追記型光記録媒
体が提供できる。また、スチリル系色素は容易に作成で
きるため、低コスト化、生産性に優れた追記型光記録媒
体が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される追記型光記録媒体の構造を
示す概略断面図
【符号の説明】
1 透明基板 2 有機記録層 3 反射層 4 保護層
フロントページの続き (72)発明者 山 本 佳 美 岡山県岡山市藤田錦564番176 株式会社日 本感光色素研究所内 (72)発明者 小 野 正 志 岡山県岡山市藤田錦564番176 株式会社日 本感光色素研究所内 (72)発明者 岡 崎 庸 樹 岡山県岡山市藤田錦564番176 株式会社日 本感光色素研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に設けられた記録層を有す
    る光記録媒体であって、記録層が、一般式(化1)から
    なる色素材料、または一般式(化2)からなる色素材料
    を少なくとも一種以上含有することを特徴とする光記録
    媒体。 【化1】 【化2】 (化1)において、AはO、S、CR1 2 のいずれか
    を示し、R1 、R2 は同一、あるいは異種の低級アルキ
    ル基、ハイドロオキシアルキル基、またはアルキレンの
    途中にO、Sを含んでもよく、R1 、R2 で環構造を有
    していてもよい。R3 は水素、低級アルキル基、または
    CN基を表す。R4 、R5 は同一、あるいは異種の低級
    アルキル基、またはアルキレンの途中にO、Sを含んで
    もよく、末端にハロゲン基、−CN、−S02 CH3
    有していてもよく、いずれかあるいは両方とも環構造を
    有していてもよく、R4 とR5 により環構造を形成して
    いてもよい。さらには、次にあるR6といずれかあるい
    は両方ともで環構造を有してもよい。R6 はアルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン基、−CN、−CF3 、−
    CH3 CO、−SO2 CF3 、−COCF3 、−SO2
    Ph、−COPhを表す。YはOまたはSを、Z1 は−
    N−C−Y−とともに環構造を形成するに必要な炭素数
    が2〜4のアルキレン基を、Xは水素、または−S02
    CH3 、−CN、−CF3 、−COCH3 、−SO2
    3 、−COCF3 、−SO2 Ph、−COPh、−N
    2 、−CH3 、−OCH3 、ハロゲン原子のいずれか
    を表す。(化2)において、Z2 はカーボン数が1から
    18のアルキレン基で、末端あるいは間にSまたは0を
    含んでいてもよい。Bはハロゲン、酸根、アルコキシア
    ニオン等のアニオンを表す。
  2. 【請求項2】 透明な基板上に設けられた記録層を有す
    る光記録媒体であって、記録層が、−CN、−COO
    H、−OH、−SO3 H、−NO2 などの基を有する電
    子アクセプター性の強い芳香族化合物と(化1)式に示
    す色素との混合物からなることを特徴とする光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 アクセプター性の化合物としてテトラシ
    アノキノジメタン(TCNQ)を用いることを特徴とす
    る請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 透明な基板上に、2源以上の共蒸着法に
    より記録層を形成することを特徴とする請求項1または
    2または3記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 光記録、再生を行う光源として、波長が
    500nmから800nm域内のレーザ光源を用いるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光記
    録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002086879A1 (de) * 2001-03-28 2002-10-31 Bayer Aktiengesellschaft Optischer datenträger enthaltend in der informationsschicht einen hemicyaninfarbstoff als lichtabsorbierende verbindung
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