JPH11343336A - ヘキサフロロプロペンオキシド重合体及びその製造方法 - Google Patents

ヘキサフロロプロペンオキシド重合体及びその製造方法

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JPH11343336A
JPH11343336A JP8139499A JP8139499A JPH11343336A JP H11343336 A JPH11343336 A JP H11343336A JP 8139499 A JP8139499 A JP 8139499A JP 8139499 A JP8139499 A JP 8139499A JP H11343336 A JPH11343336 A JP H11343336A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 下式(1) [Rは、−COF,−I,−Br,−CH2OH,−C
2OCH2CH=CH2,−COOR1又は−CONR2
3(R1,R2,R3はそれぞれ水素原子またはC
1〜20炭化水素基)である。Rfは、環状構造を含ん
でいてもよいC1〜6のパーフロロアルキレン基又はC
2〜10のエーテル結合を有するパーフロロオキシアル
キレン基、x+yは30〜400。]で示され、Mw/
Mnが1.10以下であるヘキサフロロプロペンオキシ
ド重合体。 【効果】 液状ゴム原料等として性状の安定したゴム組
成物を与え、硬化物は良好なゴム物性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘキサフロロプロ
ペンオキシド(以下、HFPOと略す)重合体及びその
製造方法に関し、特には分子量分布の狭い二官能性のH
FPO重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
二官能性HFPO重合体には次のものが知られている。
即ち、米国特許第3,250,807号公報には、FO
C−(CF2n−COF(n=0〜6)をアルカリ金属
フッ化物或いは活性炭などの触媒存在下、非プロトン性
極性溶媒中でHFPOと反応させることにより、下記式
の二官能性HFPO重合体が得られることが記述されて
いる。
【0003】
【化4】
【0004】この場合、一般には、上記のように予め用
意された−COF基にHFPOを付加しようとすると、
下記式のように連鎖移動によって片方の末端にヘキサフ
ロロプロピル基を有するHFPO重合体(一官能性HF
PO重合体)が副生するという問題がある。
【0005】
【化5】
【0006】このような連鎖移動を防ぎ、高純度の二官
能性HFPO重合体を製造するための改良方法が特公昭
53−5360号公報、米国特許第3,660,315
号公報に記述されている。即ち、これらの公報には、 FOCCF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CO
F 及びフッ化セシウムをテトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル中で混合して CsOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(C
3)CF2OCs とし、得られた溶液から過剰のフッ化セシウムを分離し
て均一な溶液を調製し、その均一溶液を重合開始剤とし
て用いることを特徴とするHFPO重合体の製造方法が
開示されている。ここでは、過剰のフッ化セシウムを分
離し、かつ重合を−60℃〜−30℃の低温で行うこと
によって、数平均重合度約50の純粋な二官能性HFP
O重合体が得られている。
【0007】しかし、J.Macromol.Sci.
Chem.,A8(3),499(1974)には、重
合度の高い二官能性HFPO重合体を得ようとして、上
記開始剤に対するHFPOのモル比を増加させると一官
能性HFPO重合体の副生が増大し、二官能性HFPO
重合体の純度が低下することが述べられている。なお、
特開昭57−175185号公報、米国特許第4,35
6,291号公報には、上記開始剤に加えて、高度に精
製したHFPOを用いることにより、数平均重合度44
5のHFPO重合体が得られたと述べられているが、こ
こでは副生する一官能性HFPO重合体及び得られた二
官能性HFPO重合体の純度に関しては言及されていな
い。
【0008】以上のように、従来の二官能性HFPO重
合体に関する検討は、連鎖移動により副生する一官能性
HFPO重合体を低減すること、及び重合度の高いHF
PO重合体を得ることを主な目的としてなされてきた。
【0009】一方、最近では二官能性HFPO重合体を
原料とする液状ゴムの開発が進められている(特開平9
−77777号公報、特開平9−95615号公報、特
開平9−137027号公報)。このような用途におい
ては、原料に一官能性HFPO重合体が混入すると、ゴ
ム物性が低下したり、硬化反応に障害をきたすなどの好
ましくない影響を与えるが、本発明者の検討によると、
それにもまして、原料の二官能性HFPO重合体の分子
量分布がコンパウンドの粘度や流動特性、更には硬化後
のゴム物性に大きな影響を及ぼすことが明らかになっ
た。原料の二官能性HFPO重合体の分子量分布が異な
ると、たとえ重合度が同じであっても、コンパウンド粘
度が異なったり、硬化したゴムの諸物性に大きな差異が
生ずる。
【0010】従って、液状ゴムの原料などとして好適
な、分子量分布の狭くしかも一官能性HFPO重合体含
有率の低い二官能性HFPO重合体が望まれた。
【0011】本発明は、上記要望に応えるためになされ
たもので、分子量分布が狭く、しかも一官能性HFPO
重合体含有率の低い二官能性HFPO重合体及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、例えば、重合開始剤溶液に凝固点の低い溶媒を添
加して粘度を低下させ、なおかつ反応液に十分な撹拌を
加え、HFPOの供給速度を厳密に調節しながらHFP
Oを重合すること、この場合、重合前に重合開始剤溶液
又はこれに凝固点の低い溶媒を加えた溶液をパーフロロ
オレフィンで前処理することにより、分子量分布が狭く
しかも一官能性HFPO重合体含有率の低い二官能性H
FPO重合体が得られることを見出した。
【0013】即ち、上述した従来のHFPO重合体の分
子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は
1.10を超え、通常1.15〜2.0程度のものであ
るが、このような分子量分布の大きいHFPO重合体
は、上述したように液状ゴムの原料として問題がある。
【0014】またこの場合、重合開始剤としては、下記
一般式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
す。)で示される化合物を用いることが好ましく、これ
にヘキサフロロプロペンオキシドを反応させて、本質的
に下記一般式(1a)で示される二官能性HFPO重合
体のみを得ることが好ましい。
【0015】
【化6】 (但し、x,yは正数で、x+yは30〜400であ
り、Rfは上記と同じである。)
【0016】しかしながら、上述したように、従来の製
造方法においては、片末端がヘプタフロロプロピル基で
ある一官能性HFPO重合体も比較的多くの量で副生し
てしまう。
【0017】ところが、二官能性の重合開始剤溶液に炭
素数2〜6のエーテル結合を有する化合物を第二の溶媒
として加え、開始剤溶液の重合温度における粘度を低下
させ、重合反応液の均一性を保つのに十分な撹拌を行い
ながら、HFPOを厳密に調節された供給速度で添加す
ること、更に重合温度より高い温度でパーフロロオレフ
ィンによって前処理を施すことなどの方法により、分子
量分布Mw/Mnが1.10以下の二官能性HFPO重
合体が得られ、しかもこの重合体は、一官能性HFPO
重合体含有率が低く、かかる二官能性HFPO重合体を
液状ゴム原料等として使用した場合、ゴム組成物の流動
特性が向上し、しかもロットによるバラツキもなくなる
上、良好な物性のゴム硬化物が得られることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0018】従って、本発明は、第一に、下記一般式
(1)で示され、数平均分子量(Mn)と重量平均分子
量(Mw)との比Mw/Mnが1.10以下であること
を特徴とするヘキサフロロプロペンオキシド重合体を提
供する。
【0019】
【化7】 [式中、Rは、−COF,−I,−Br,−CH2
H,−CH2OCH2CH=CH2,−COOR1又は−C
ONR23(R1,R2,R3はそれぞれ水素原子又は炭
素数1〜20の一価炭化水素基であり、窒素、酸素、け
い素又はイオウ元素を含んでいてもよく、R2とR3とで
これらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。
また、R2とR3は互いに同一でも異なっていてもよい)
である。Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
す。x及びyは正数で、x+yは30〜400であ
る。]
【0020】また、本発明は、第二に、下記一般式
(2)で示される化合物にヘキサフロロプロペンオキシ
ドを供給することによって得られ、下記一般式(1a)
で示される重合体から本質的になると共に、FOC−C
F(CF3)−末端基のモル数nとCF3CF2CF2−末
端基のモル数mとが2m/(m+n)<0.15の関係
を満たし、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(M
w)との比Mw/Mnが1.10以下であることを特徴
とするヘキサフロロプロペンオキシド重合体を提供す
る。
【0021】
【化8】 (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
す。x及びyは正数で、x+yは30〜400であ
る。)
【0022】更に、本発明は、第三に、ヘキサフロロプ
ロペンオキシドを重合してヘキサフロロプロペンオキシ
ド重合体を製造するに際し、ヘキサフロロプロペンオキ
シドの重合前に、下記一般式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
す。)で示される化合物を分子内に4個以上のエーテル
結合を有する非プロトン性極性溶媒に溶解してなる重合
開始剤溶液又はこれに分子内に1〜3個のエーテル結合
を有する炭化水素化合物溶剤を加えた溶液を重合温度よ
り高い温度においてパーフロロオレフィンで処理した
後、上記重合開始剤溶液に上記分子内に1〜3個のエー
テル結合を有する炭化水素化合物溶剤を加えた溶液にヘ
キサフロロプロペンオキシドを供給して、ヘキサフロロ
プロペンオキシドの重合を行って、上記一般式(1)に
おいてRが−COFであるヘキサフロロプロペンオキシ
ド重合体を主成分とする数平均分子量(Mn)と重量平
均分子量(Mw)との比Mw/Mnが1.10以下であ
る反応生成物を得ることを特徴とするヘキサフロロプロ
ペンオキシド重合体の製造方法を提供する。この場合、
上記反応生成物は、上記一般式(1a)で示される重合
体から本質的になると共に、FOC−CF(CF3)−
末端基のモル数nとCF3CF2CF2−末端基のモル数
mとが2m/(m+n)<0.15の関係を満たすもの
とすることができる。
【0023】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のヘキサフロロプロペンオキシド(HFPO)重
合体は、下記一般式(1)で示されるものである。
【0024】
【化9】
【0025】ここで、Rは、−COF,−I,−Br,
−CH2OH,−CH2OCH2CH=CH2,−COOR
1又は−CONR23である。
【0026】上記R1,R2,R3は、それぞれ水素原子
又は炭素数1〜20の一価炭化水素基であり、この一価
炭化水素基は窒素、酸素、けい素、イオウなどの炭素及
び水素以外の元素を含んでいてもよい。更に、R2とR3
とでこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよ
い。なお、−CONR23において、R2とR3は互いに
同一であっても異なっていてもよい。
【0027】上記炭素数1〜20、好ましくは1〜12
の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オ
クチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアル
ケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等
のアラルキル基などの非置換一価炭化水素基や、これら
非置換一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が塩
素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基、アルコ
キシ基などで置換された置換一価炭化水素基を例示する
ことができる。
【0028】また、上記一価炭化水素基に含み得る他の
元素としては、酸素は−O−として、窒素は−NH−又
は−NR’−(R’はメチル基、エチル基等のアルキル
基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリー
ル基などの炭素数1〜12、特に1〜8の一価炭化水素
基)として、イオウは−S−又は−SO2−として、け
い素は下記式として介在することができる。
【0029】
【化10】 (R’は上記と同じ。aは0〜10、特に0〜4の整
数。)
【0030】更に、−CONR23において、−NR2
3が環を形成する例としては、下記のものを挙げるこ
とができる。
【0031】
【化11】
【0032】−COOR1及び−CONR23は、具体
的には次のようなものを挙げることができる。それら
は、公知の或いは後述する実施例に記載された方法で誘
導することができる。
【0033】
【化12】
【0034】Rfは炭素数1〜6のパーフロロアルキレ
ン基又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフ
ロロオキシアルキレン基を示し、これは環状構造を含ん
でもよい。
【0035】Rfのパーフロロアルキレン基又はエーテ
ル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基として
は、下記のものを挙げることができる。
【0036】
【化13】
【0037】また、上記式において、x,yはそれぞれ
正数であり、x+yは30〜400である。
【0038】本発明のヘキサフロロプロペンオキシド
(HFPO)重合体は、数平均重合度が好ましくは30
〜400、更に好ましくは30〜200であり、数平均
分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比Mw/M
nが1.10以下、好ましくは1.00〜1.05であ
る。数平均重合度が30より小さいと、分子鎖長が短
く、ゴム材料等として利用する場合に適合しないことが
あり、数平均重合度が400より大きいと、多量の一官
能性HFPO重合体が混入するおそれがあるために、ゴ
ム材料として硬化不良となる。また、Mw/Mnが1.
10より大きいと、硬化後のゴム物性(引張強度、伸び
率、引き裂き強度)が低下する。
【0039】ここで、本発明のヘキサフロロプロペンオ
キシド重合体は、下記一般式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
す。)で示される化合物(重合開始剤)にヘキサフロロ
プロペンオキシドを供給、重合することによって得るこ
とができ、これによって、典型的には下記一般式(1
a)で示される両末端が−CF(CF3)COFである
二官能性HFPO重合体が得られるが、通常、この式
(1a)の重合体と共に下記反応式Aに従って生成した
片末端がヘプタフロロプロピル基(CF3CF2CF2
基)である一官能性HFPO重合体も含まれ得る。
【0040】
【化14】
【0041】この場合、本発明のヘキサフロロプロペン
オキシド(HFPO)重合体においては、FOC−CF
(CF3)−末端基のモル数nと、ヘプタフロロプロピ
ル(CF3CF2CF2−)末端基のモル数mとが、 2m/(m+n)<0.15 の関係を満たすものである。つまり、HFPO重合体を
液状ゴムの原料として用いるためには、一官能性ポリマ
ーの含有率、即ち2m/(m+n)[一官能と二官能に
おけるモル比を表す。即ち、ポリマー混合物の全モル数
は(m+n)/2で示され、一官能性ポリマーのモル数
はmに等しい。従って、一官能性ポリマーのモル数/ポ
リマー混合物の全モル数=m/(m+n)/2=2m/
(m+n)となる。]は、0.15以下、更には0.1
0以下であることが好ましい。即ち、本発明のヘキサフ
ロロプロペンオキシド重合体は、上記式(1a)の重合
体を主成分とする高純度のものである。
【0042】本発明の上記分子量分布Mw/Mnの狭い
HFPO重合体を得る方法は特に制限されるものではな
いが、ヘキサフロロプロペンオキシドを重合してヘキサ
フロロプロペンオキシド重合体を製造するに際し、上記
ヘキサフロロプロペンオキシドの重合を、分子内に4個
以上のエーテル結合を有する非プロトン性極性溶媒(第
一の溶媒)と分子内に1〜3個のエーテル結合を有する
炭化水素化合物溶剤(第二の溶媒)との混合溶媒中で行
うことが有効であり、このように第二の溶媒を加えるこ
とにより、重合溶液の重合温度における粘度を低下さ
せ、重合反応液の均一性を保つのに十分な撹拌を行いな
がら、HFPOを厳密に調節された供給速度で添加する
方法を採用することができる。
【0043】ここで、重合開始剤は、非プロトン性極性
溶媒(第一の溶媒)とアルカリ金属フッ化物との混合物
にケトン類、酸ハロゲン化物等のカルボニル基を有する
化合物を添加して調製した溶液が好適に用いられる。重
合開始剤の調製方法は、例えば米国特許第3,660,
315号公報に記載された公知の方法によって行うこと
ができる。アルカリ金属フッ化物としては、フッ化セシ
ウムが好ましい。また、非プロトン性極性溶媒(第一の
溶媒)としては、テトラグライム、トリグライム等のグ
ライム類が好ましく、最も好ましくはテトラグライム等
の分子内に4個以上、特に5個以上のエーテル結合を有
するものである。カルボニル基を有する化合物として
は、下記に例示するものが挙げられる。
【0044】
【化15】
【0045】これらのカルボニル基を有する化合物を、
非プロトン性極性溶媒(第一の溶媒)とアルカリ金属フ
ッ化物の混合物に添加して重合開始剤溶液を調製する。
重合開始剤溶液中では、カルボニル基を有する化合物は
アルカリ金属フッ化物と反応して対応するアルコラート
になる。
【0046】即ち、重合開始剤としては、下記式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは上記と同じ意味を示す。)で示される化
合物を有効に使用することができる。
【0047】なお、上記重合開始剤の重合開始剤溶液中
における濃度は10〜60重量%、特に25〜45重量
%であることが望ましい。
【0048】重合開始剤溶液に添加する第二の溶媒とし
ては、−30℃以下の低温においても重合開始剤溶液と
均一に混合する溶媒であって、凝固点が−50℃以下の
ものがよい。望ましくは分子内に1〜3個のエーテル結
合を有する炭化水素化合物、中でも炭素数2〜6のもの
がよく、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、エチルメチルエーテル、メチルプロピルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等が好適に使用できる。これらの溶媒は、重合開始
剤溶液の重合温度領域(−40℃〜−30℃)における
粘度を低下させ、撹拌効率を高めるために添加される。
添加量は、第一の溶媒と第二の溶媒との割合が重量比で
90:10〜10:90、特に80:20〜20:80
であり、重合開始剤溶液100重量部に対して5〜60
重量部であることが好ましい。60重量部より多いと、
副生成物(一官能性ポリマー)の生成が増大するおそれ
がある。なお、これらの溶媒は予め脱水しておくことが
よく、好ましくは水分量を50ppm以下にすることが
よい。
【0049】次に、重合開始剤溶液と第二の溶媒との混
合物にヘキサフロロプロペン(HFP)等のパーフロロ
オレフィンを反応させ、そのオリゴマーを生成させる。
この操作は、重合開始剤溶液と第二の溶媒中に存在する
連鎖移動を引き起こす原因物質(例えば、プロトン性物
質やフッ化セシウム及びこれから生成するフッ化水素)
を除去し、引き続き行うHFPOの供給時に重合開始を
円滑に行わせるために有効である。なお、この操作は、
第二の溶媒を重合開始剤溶液に加える前に行ってもよい
が、重合開始剤溶液と第二の溶媒との混合物に対して行
うことが好ましい。
【0050】ここで、パーフロロオレフィンとしては、
炭素数2〜9、特に炭素数3〜6のものが使用され、例
えば下記のものを例示することができる。
【0051】
【化16】
【0052】これらの中では、特に下記のものが好まし
い。
【0053】
【化17】
【0054】このパーフロロオレフィンの使用量は特に
制限されないが、通常、重合開始剤溶液100重量部に
対して0.5〜100重量部、特に3〜30重量部が使
用される。
【0055】パーフロロオレフィンを添加して反応を行
う場合の温度は、後述する重合温度より高ければよく、
通常−30℃〜50℃で行うことができるが、好ましく
は−25℃〜30℃である。反応温度が低すぎると反応
時間に長時間を要し、また高温すぎると開始剤の分解が
生じるおそれがある。反応時間は特に制限されないが、
−25℃〜30℃の反応温度においてはパーフロロオレ
フィンの添加に要する時間を含めて通常10分〜2時
間、特に20分〜1時間である。
【0056】以上のように前処理された上記重合開始剤
溶液及び第二の溶媒を反応器内で撹拌しながら冷却し、
HFPOを供給することにより、二官能性HFPO重合
体を得ることができる。このときヘキサフロロプロペン
(HFP)を同時に添加してもよい。HFPの添加は、
重合の進行に伴い次第に増粘する反応液を希釈するの
で、更に流動性を高めることができる。重合時には反応
液の温度を−45℃〜−30℃に保つことが好ましい。
−45℃よりも低い温度では反応液の粘度及びチキソ性
が増加し、その結果効率的な撹拌が困難になる。このよ
うな状況では、反応器内壁或いは撹拌翼の一部に流動性
の失われた反応物が付着して均一な撹拌が困難になり、
生成する重合体の分子量分布が広くなる。また、−30
℃よりも高い温度では、連鎖移動反応が起こり易くな
り、一官能性HFPO重合体が生成してしまう。
【0057】撹拌は、反応液全体が均一な流動性を維持
するために重要である。但し、反応器の形状と大きさに
よってそれぞれ異なり、一般的には、アンカー型、パド
ル型、スパイラルリボン型、インペラー型などを用いる
ことができる。回転数は特に制限はなく、撹拌翼の形状
に合わせて最適の撹拌効率が得られるように調整すれば
よい。
【0058】HFPOの供給は、マスフローコントロー
ラー等の流量調節器を用いて連続的に行うことが好まし
い。HFPO供給を安定した速度で行うことは、反応液
の温度を適度な範囲に保つために必要である。供給速度
は重合開始剤のモル数に対して3〜15倍モル/時間、
好ましくは5〜10倍モル/時間が適当である。供給量
は所望の分子量に応じて適時設定することができ、重合
開始剤1モルに対して30〜400倍モルの範囲で実施
できるが、HFPOの倍率を高めると、得られたHFP
O重合体に無視できない量の一官能性ポリマーが混入す
るので、通常は30〜200倍モル程度である。
【0059】なお、HFP供給は、HFPOの1/4〜
3/4量(重量)をHFPOと同時に供給するとよい。
【0060】HFPOの供給が終了したならば、1〜2
時間程度撹拌を継続したのちに反応液を昇温し、目的物
を分取すれば、上述した一官能性HFPO重合体の生成
が局限されて、実質的に二官能性HFPO重合体からな
り、2m/(m+n)<0.15を満足し、Mw/Mn
が1.10以下の分子量分布の狭いHFPO重合体を得
ることができる。
【0061】このようにして得られた二官能性HFPO
重合体は、末端が−CF(CF3)COF基であり、こ
れを別の官能基−CF(CF3)−Rに変換することに
よって、上記式(1)の種々の有用なHFPO重合体を
合成することができる。
【0062】この場合、−Iや−Brを導入するには、
下記のように末端−COF基と対応するリチウムハロゲ
ン化物とを反応させ、末端−COX(XはBr又はI)
とした後にUV光を照射することにより実施できる。
【0063】
【化18】
【0064】−CH2OHの導入は、末端−COF基を
NaBH4或いはLiAlH4を用いて還元することによ
り実施できる。
【0065】−CH2OCH2CH=CH2を導入するに
は、−CH2OH末端にYCH2CH=CH2(YはCl
等のハロゲン原子)を反応させるなどの公知の方法を採
用し得る。
【0066】−COOR1を導入するには、対応するア
ルコールを塩基存在下で反応させるとよい。
【0067】
【化19】
【0068】−CONR23を導入するには、同様に対
応する一級又は二級アミンを反応させるとよい。
【0069】
【化20】
【0070】本発明のHFPO重合体は、液状ゴムの原
料として有効に使用されるほか、コーティング材、粘着
材、塗料、樹脂改質用添加剤などに好適に用いられる。
【0071】
【発明の効果】本発明のHFPO重合体は、液状ゴム原
料等として用いられて、ロット間のバラツキなどのない
性状の安定したゴム組成物を与え、これによって得られ
たゴム硬化物は品質にバラツキもなく、安定しており、
良好なゴム物性を有する。
【0072】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0073】〔実施例1〕アンカー型の撹拌翼を備えた
内容積0.5Lの反応器に下記の組成の開始剤溶液Cs
OCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)C
2OCsを5.0×10-4mol/g含有するテトラ
グライム溶液13g及びエチレングリコールジメチルエ
ーテル4.0gを入れ、毎分180回転の速度で撹拌し
ながら−10℃に調節された冷媒浴を用いて反応器を冷
却した。
【0074】(ステップ1)反応器の内部温度が−7℃
になった時点でHFPを3.8g/時間の速度で1.9
g供給した。
【0075】(ステップ2)次に、冷媒浴温度を−40
℃に設定し、反応器内部の液体の温度が−38℃に達し
た時点で更にHFPを3.8g/時間の速度で1.9g
供給した。
【0076】(ステップ3)次に、HFPOを7.2g
/時間の速度で108g及びHFPを3.6g/時間の
速度で54gを約15時間かけて供給した。
【0077】供給速度の調節にはマスフローコントロー
ラーを用いた。HFPO供給中の反応器内部の液体の温
度は−38℃〜−35℃の範囲であった。
【0078】HFPO供給終了後、更に1時間撹拌し、
冷媒浴を徐々に室温付近まで昇温した。このとき若干の
発熱が認められると共にHFPが蒸発する様子が観察さ
れた。
【0079】反応器内容物を100gのエタノール中に
あけ、よく撹拌した後、下層を更にエタノール100g
を用いて洗浄し、静置して相分離した下層を取り出し、
固形分を濾過してから120℃、10mmHgにて揮発
分を除去し、無色透明の末端エチルエステル化したHF
PO重合体98gを得た。
【0080】得られたオイル状HFPO重合体について
19F−NMRにて分析し、数平均重合度及びヘプタフロ
ロプロピル基の含有率を求めた。多角度光散乱光検出器
を接続したゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(MALLS−GPC)にて分析を行った。
【0081】19F−NMR:数平均重合度及び一官能性
HFPOポリマー含有率2m/(m+n)は下記の方法
により求めた。
【0082】
【化21】 MALLS−GPC:測定は下記の装置及び条件のもと
で行った。 本体:Shodex GPC SYSTEM−21、昭
和電工(株)製 多角度光散乱光度計:DOWN DSP Wyatt
Technology社製 カラム:Shodex KF−803、昭和電工(株)
製 溶媒:ヘキサフロロベンゼン カラム温度:35℃ 流速:1.0ml/min サンプル濃度:5mg/ml
【0083】〔実施例2〜5〕HFPO、HFP供給量
及び時間、エチレングリコールジメチルエーテル添加量
を変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0084】〔実施例6〕実施例1と同様の重合開始剤
溶液1.20kg及びエチレングリコールジメチルエー
テル0.36kgを30Lステンレス製反応器に入れ、
アンカー型撹拌翼にて毎分120回転の速度で撹拌しな
がら−10℃に調節された冷媒を循環して反応器を冷却
した。
【0085】(ステップ1)反応器の内部温度が−5℃
になった時点でHFPを0.17kg/時間の速度で
0.17kg供給した。
【0086】(ステップ2)次に、冷媒温度を−43℃
に設定し、反応器内部の液体の温度が−35℃に達した
時点で更にHFPを0.17kg/時間の速度で0.1
7kg供給した。
【0087】(ステップ3)次に、HFPOを0.21
kg/時間の速度で10.0kg及びHFPを0.11
kg/時間の速度で5.2kgを約48時間かけて供給
した。
【0088】供給速度の調節にはマスフローコントロー
ラーを用いた。HFPO供給中の反応器内部の液体の温
度は−38℃〜−35℃の範囲であった。
【0089】HFPO供給終了後、更に1時間撹拌し、
冷媒を徐々に室温付近まで昇温した。このとき若干の発
熱が認められると共にHFPが蒸発する様子が観察され
た。
【0090】得られた反応混合物の約100gを取り出
し、実施例1と同様の操作を行い、末端エチルエステル
化したHFPO重合体を得た。
【0091】〔比較例1〜4〕HFPO、HFP供給
量、時間及び撹拌回転数を変更し、エチレングリコール
ジメチルエーテルを添加しなかった以外は実施例1と同
様の操作を行った。
【0092】〔比較例5〕HFPO、HFP供給量及び
時間を変更し、エチレングリコールジメチルエーテルを
添加しなかった以外は実施例6と同様の操作を行った。
以上の結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】〔実施例7〕末端にアリル基を有するHF
PO重合体の合成 実施例6と同じ装置を用い、重合開始剤溶液の使用量を
変更して同様の操作を行い、数平均重合度35、Mw/
Mn=1.02、2m/(m+n)=0.005の−C
OF末端のHFPO重合体を製造した。このHFPO重
合体200gを撹拌しながら、アリルアミン4.7g及
びトリエチルアミン7.1gの混合物を添加して50〜
60℃にて約1時間反応させた。反応終了後、生成した
塩を濾過して取り除き、活性炭粉末4g、パーフロロオ
クタン200gを加えて約4時間撹拌してから再び濾過
し、120℃、5mmHgの条件で濾液から揮発分を留
去した。不揮発分として無色透明のオイル状液体が得ら
れた。このオイル状液体を分析した結果、下記末端基構
造であることが確認された。
【0095】
【化22】
【0096】
【化23】
【0097】〔実施例8〕末端にジメチルビニルシリル
基を有するHFPO重合体の合成 アリルアミンの代わりに3−(ジメチルビニルシリル)
−N−メチルアニリン14.7gを用いた以外は実施例
7と同様の操作を行い、無色透明のオイル状液体182
gを得た。このオイル状液体を分析した結果、下記の末
端基構造であることが確認された。
【0098】
【化24】
【0099】
【化25】
【0100】〔実施例9〕数平均重合度=96、Mw/
Mn=1.02、片末端含有率2m/(m+n)=0.
03の−COF末端のHFPO重合体を用いた以外は実
施例8と同様の操作にて、末端基にジメチルビニルシリ
ル基を導入したHFPO重合体を合成した。
【0101】このHFPO重合体100重量部に下記式
の化合物(A)で処理した比表面積300m2/gの煙
霧質シリカ20重量部を加え、混合、熱処理したのち、
3本ロールミル上にて混合した。次に、エチニルシクロ
ヘキサノールの50%トルエン溶液を0.3重量部、塩
化白金酸を下記式の化合物(B)で変性した触媒のトル
エン溶液(白金として0.5重量%)0.2重量部、下
記式の化合物(C)3.3重量部を加え、よく混合し、
硬化性組成物を調製した。
【0102】得られた硬化性組成物を150℃/1時間
にて硬化させた硬化物について物理的性質を調べたとこ
ろ、硬度(JIS−A)45、引張強度96kgf/c
2、伸び率410%、引き裂き強度28kgf/cm
であった。
【0103】
【化26】
【0104】〔比較例6〕数平均重合度=92、Mw/
Mn=1.21、片末端含有率2m/(m+n)=0.
11の−COF末端のHFPO重合体を用い、実施例8
と同様の操作にて末端基にジメチルビニルシリル基を導
入したHFPO重合体を合成した。この重合体を用いて
実施例9と同様にして硬化性組成物を調製した。得られ
た硬化性組成物を150℃/1時間にて硬化させた硬化
物について物理的性質を調べたところ、硬度(JIS−
A)43、引張強度32kgf/cm2、伸び率230
%、引き裂き強度7kgf/cmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 伸一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、Rは、−COF,−I,−Br,−CH2
    H,−CH2OCH2CH=CH2,−COOR1又は−C
    ONR23(R1,R2,R3はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜20の一価炭化水素基であり、窒素、酸素、け
    い素又はイオウ元素を含んでいてもよく、R2とR3とで
    これらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。
    また、R2とR3は互いに同一でも異なっていてもよい)
    である。Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
    〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
    ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
    す。x及びyは正数で、x+yは30〜400であ
    る。]で示され、数平均分子量(Mn)と重量平均分子
    量(Mw)との比Mw/Mnが1.10以下であること
    を特徴とするヘキサフロロプロペンオキシド重合体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
    〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
    ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
    す。)で示される化合物にヘキサフロロプロペンオキシ
    ドを供給することによって得られ、下記一般式(1a) 【化2】 (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
    〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
    ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
    す。x及びyは正数で、x+yは30〜400であ
    る。)で示される重合体から本質的になると共に、FO
    C−CF(CF3)−末端基のモル数nとCF3CF2
    2−末端基のモル数mとが2m/(m+n)<0.1
    5の関係を満たし、数平均分子量(Mn)と重量平均分
    子量(Mw)との比Mw/Mnが1.10以下であるこ
    とを特徴とするヘキサフロロプロペンオキシド重合体。
  3. 【請求項3】 数平均重合度が30〜400である請求
    項1又は2記載のヘキサフロロプロペンオキシド重合
    体。
  4. 【請求項4】 ヘキサフロロプロペンオキシドを重合し
    てヘキサフロロプロペンオキシド重合体を製造するに際
    し、ヘキサフロロプロペンオキシドの重合前に、下記一
    般式(2) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(2) (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
    〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
    ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
    す。)で示される化合物を分子内に4個以上のエーテル
    結合を有する非プロトン性極性溶媒に溶解してなる重合
    開始剤溶液又はこれに分子内に1〜3個のエーテル結合
    を有する炭化水素化合物溶剤を加えた溶液を重合温度よ
    り高い温度においてパーフロロオレフィンで処理した
    後、上記重合開始剤溶液に上記分子内に1〜3個のエー
    テル結合を有する炭化水素化合物溶剤を加えた溶液にヘ
    キサフロロプロペンオキシドを供給してヘキサフロロプ
    ロペンオキシドの重合を行って、請求項1の一般式
    (1)においてRが−COFであるヘキサフロロプロペ
    ンオキシド重合体を主成分とする数平均分子量(Mn)
    と重量平均分子量(Mw)との比Mw/Mnが1.10
    以下である反応生成物を得ることを特徴とするヘキサフ
    ロロプロペンオキシド重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応生成物が下記一般式(1a) 【化3】 (式中、Rfは、環状構造を含んでいてもよい炭素数1
    〜6のパーフロロアルキレン基又は炭素数2〜10のエ
    ーテル結合を有するパーフロロオキシアルキレン基を示
    す。x及びyは正数で、x+yは30〜400であ
    る。)で示される重合体から本質的になると共に、FO
    C−CF(CF3)−末端基のモル数nとCF3CF2
    2−末端基のモル数mとが2m/(m+n)<0.1
    5の関係を満たす請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合温度が−45℃〜−30℃である請
    求項4又は5記載の製造方法。
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