JPH11341845A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH11341845A
JPH11341845A JP10149595A JP14959598A JPH11341845A JP H11341845 A JPH11341845 A JP H11341845A JP 10149595 A JP10149595 A JP 10149595A JP 14959598 A JP14959598 A JP 14959598A JP H11341845 A JPH11341845 A JP H11341845A
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JP
Japan
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vibrator
stator
screw
ultrasonic motor
resonance frequency
Prior art date
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JP10149595A
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English (en)
Inventor
Akimasa Kubota
晃正 久保田
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Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
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Publication date
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  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子と可動子の圧接面に理論式と同様な進
行波を発生し、可動子を効率良く駆動する。 【解決手段】 振動体5を、電極群を複数有する振動子
5vと、この振動子5vが装着されると共に対向子6に
対する圧接面を有する装着部5oと、この装着部5oを
支持すると共に螺子穴若しくは螺子用貫通穴5bを複数
備えて螺子8により他の部材3に固定される支持部5i
と、から構成し、当該螺子8の締め付けにより、各電極
群の各々に対応した振動体5の共振周波数が略一致する
ように調整されて、装着部5oの圧接面に理論式と同様
な進行波が発生するように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータは、弾性体及び複数
の電極群を有し当該弾性体に例えば貼着により装着され
た圧電素子(振動子)より構成されるステータ(固定
子)と、上記ステータ弾性体に対向し圧接するロータ
(可動子)と、を備え、所定の周波数の信号として位相
の異なる多相のドライブ信号を、上記圧電素子の各電極
群に対して各々供給することによって、上記圧電素子を
振動させてステータ弾性体の圧接面に進行波を発生さ
せ、この進行波による駆動力をロータに摩擦伝達するこ
とで、ロータを回転駆動するように構成されている。
【0003】例えば、上記圧電素子がA,B二つの電極
群に90°空間的位相差を有して区分されている場合に
は、一方の電極群Aに、例えば正弦波電圧信号(sin
波電圧信号;一方の電極群Aに対するドライブ信号)が
供給されて、圧接面に所定の波数の定在波(sin側電
極群による定在波)が発生すると共に、他方の電極群B
に、上記sin波電圧信号に対して90゜時間的位相差
を有する正弦波電圧信号(cos波電圧信号;他方の電
極群Bに対するドライブ信号)が供給されて、圧接面に
所定の波数の定在波(cos側電極群による定在波)が
発生し、これらの定在波が合成されることで、圧接面に
進行波が形成されて、ロータが回転駆動される。
【0004】ここで、上記印加されるsin波電圧信
号、cos波電圧信号は、以下の数1、数2で各々表さ
れる。
【0005】
【数1】
【数2】 但し、V;電圧、V0;電圧の瞬時値、ω;角周波数、
t;時間。
【0006】また、sin波電圧信号が印加された一方
の電極群Aの定在波の振幅をξA、cos波電圧信号が
印加された他方の電極群Bの定在波の振幅をξBとする
と、ξA,ξBは、以下の数3、数4で各々表される。
【0007】
【数3】
【数4】 但し、ξ0;振幅の瞬時値、k;波数、x;位置。
【0008】従って、上記定在波同士を合成した進行波
ξは以下の数5で表される。
【0009】
【数5】 ここで、進行波ξを効率良く利用するには、上記数3、
数4の理論式のξ0を共に最大振幅とする必要があり、
この振幅値を最大とするために、ステータの共振周波数
またはその近傍の周波数の信号を電極群A,Bに各々印
可する。このため、上記数3、数4は、電極群A,Bの
各々に対応したステータの共振周波数が同じであるとい
うのが前提となる。
【0010】ここで、共振周波数とは、sin側または
cos側電極群に駆動信号を印可して振動体(振動子を
有するステータ)のインピーダンス測定を行い、駆動信
号の周波数を可変してインピーダンスが最小になった点
での駆動信号の周波数のことを指す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、電極群A,Bの寸法精度、圧電素子のステータ弾性
体に対する貼着精度、ステータ弾性体の密度のバラツキ
等の影響により、電極群Aにsin波電圧信号を印加し
た時にステータ(圧電素子を含む)に発生する定在波の
共振周波数と、電極群Bにcos波電圧信号を印加した
時にステータ(圧電素子を含む)に発生する定在波の共
振周波数とが一致せず、その結果、上記数5に示す完全
な進行波が発生せずに、ロータを効率良く駆動できない
という問題があった。
【0012】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、振動子を構成する各電極群の各
々に対応した振動体(振動子を含む)の共振周波数を調
整により略一致でき、理論式と同様な進行波を生ぜしめ
て、可動子を効率良く駆動できる超音波モータを提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波モータ
は、互いに対向して圧接する固定子及び可動子を備え、
固定子及び可動子の少なくとも一方が有する振動子の複
数の電極群の各々に対して、位相の異なる所定のドライ
ブ信号をそれぞれ供給することにより当該振動子を振動
させ、固定子及び可動子のうちの振動子を有する側を振
動体として当該振動体の圧接面に発生する進行波によ
り、可動子を駆動する超音波モータにおいて、振動体
は、振動子と、この振動子が装着されると共に対向子に
対する圧接面を有する装着部と、この装着部を支持する
と共に螺子穴若しくは螺子用貫通穴を複数備えて螺子に
より他の部材に固定される支持部と、から成り、螺子の
締め付けにより、各電極群の各々に対応した振動体の共
振周波数が略一致するように調整されたことを特徴とし
ている。
【0014】このような本発明に係る超音波モータによ
れば、電極群を複数有する振動子が装着されると共に対
向子に対する圧接面を有する装着部は、支持部により支
持され、この支持部は、複数の螺子により他の部材に固
定される。この時、当該螺子の締め付けにより、各電極
群の各々に対応した振動体の共振周波数が略一致するよ
うに調整されているため、装着部の圧接面には理論式と
同様な進行波が発生し、可動子は効率良く駆動される。
【0015】ここで、複数の電極群は2群に分割される
と共に電極群同士は90°空間的位相がずれて配置さ
れ、各電極群に対して、位相の異なる所定のドライブ信
号として90゜の時間的位相差を有する2相のドライブ
信号の各々が供給され、複数の螺子のうちの少なくとも
1個の螺子が、2相のドライブ信号のうちの一方の相の
ドライブ信号により圧接面に発生する定在波の節の位置
に対応した位置にあるのが好ましい。
【0016】このような構成を採用した場合、電極群同
士は90°空間的位相がずれて配置されているため、少
なくとも1個の螺子は、他方の相のドライブ信号により
圧接面に発生する定在波の腹の位置に対応した位置に当
たる。このため、当該螺子の締め付けを調整すれば、他
方の電極群(他方の相のドライブ信号を受ける電極群)
に対応した振動体の共振周波数が影響を受けてシフト
し、一方の電極群(一方の相のドライブ信号を受ける電
極群)に対応した振動体の共振周波数に容易に略一致さ
れる。
【0017】また、複数の螺子のうちのさらに少なくと
も1個の螺子が、2相のドライブ信号のうちの他方の相
のドライブ信号により圧接面に発生する定在波の節の位
置に対応した位置にあるのが好ましい。
【0018】このような構成を採用した場合、さらに少
なくとも1個の螺子は、一方の相のドライブ信号により
圧接面に発生する定在波の腹の位置に対応した位置に当
たるため、当該螺子の締め付けを調整すれば、一方の電
極群に対応した振動体の共振周波数が影響を受けてシフ
トする。従って、上述した2個の螺子の締め付けを調整
すれば、各電極群の各々に対応した振動体の共振周波数
が影響を受けてシフトし、当該振動体の共振周波数がよ
り容易に略一致される。また、両共振周波数をシフトし
て略一致させるため、当該共振周波数を所望の値とする
こともできる。
【0019】また、支持部は、その厚みが装着部の厚み
に比して薄くされた薄肉部を有し、当該薄肉部が、他の
部材に対して上記螺子により固定される構成が好まし
い。
【0020】このような構成を採用した場合、装着部と
略同様な厚みの厚肉部を螺子により締め付ける構成に比
して、螺子の締め付けによる影響が当該薄肉部を介して
装着部に良好に伝達されて、各電極群の各々に対応した
振動体の共振周波数が容易にシフトするため、当該振動
体の共振周波数をより容易に略一致することができる。
また、当該薄肉部により、装着部の振動が容易にされる
ようになる。
【0021】また、支持部は、折曲部のない平板形状で
あるのが好ましい。このような構成を採用した場合、螺
子の締め付け位置より装着部側に折曲部を有する平板形
状を螺子により締め付ける構成に比して、螺子の締め付
けによる影響が当該折曲部のない平板形状を介して装着
部に良好に伝達されて、各電極群の各々に対応した振動
体の共振周波数が容易にシフトするため、当該振動体の
共振周波数をより容易に略一致することができる。
【0022】さらにまた、支持部は、薄肉部を含めたそ
の厚みが略均一であるのが好ましい。このような構成を
採用した場合、厚みが不均一な場合に比して、螺子の締
め付けによる影響が装着部に良好に伝達されて、各電極
群の各々に対応した振動体の共振周波数が容易にシフト
するため、当該振動体の共振周波数をより容易に略一致
することができる。
【0023】また、本発明の超音波モータは、互いに対
向して圧接する固定子及び可動子を備え、固定子及び可
動子の少なくとも一方が有する振動子の複数の電極群の
各々に対して、位相の異なる所定のドライブ信号をそれ
ぞれ供給することにより当該振動子を振動させ、固定子
及び可動子のうちの振動子を有する側を振動体として当
該振動体の圧接面に発生する進行波により、可動子を駆
動する超音波モータにおいて、振動体は、振動子と、こ
の振動子が装着されると共に対向子に対する圧接面を有
する装着部と、この装着部を支持すると共に螺子穴また
は螺子用貫通穴を複数備えて螺子により他の部材に固定
される支持部と、から成り、支持部は、螺子により他の
部材に固定される固定支持部と、この固定支持部と装着
部とを連結すると共に、その厚みが固定支持部及び装着
部の厚みに比して薄くされ、且つ螺子穴または螺子用貫
通穴を少なくとも1個以上備えて調整用螺子により他の
部材に固定される連結支持部と、から成り、調整用螺子
の締め付けにより、各電極群の各々に対応した振動体の
共振周波数が略一致するように調整されたことを特徴と
している。
【0024】このような本発明に係る超音波モータによ
れば、電極群を複数有する振動子が装着されると共に対
向子に対する圧接面を有する装着部は、連結支持部を介
して固定支持部により支持され、この固定支持部は、複
数の螺子により他の部材に固定される。また、連結支持
部は、少なくとも1個以上の調整用螺子により他の部材
に固定される。この時、連結支持部は、その厚みが固定
支持部及び装着部の厚みに比して薄くされている(固定
支持部は厚肉にされている)ため、固定支持部を他の部
材に固定する螺子を締め付けても、当該螺子の締め付け
による影響は装着部には伝達され難く、各電極群の各々
に対応した振動体の共振周波数はシフトし難い。一方、
連結支持部を他の部材に固定する調整用螺子を締め付け
れば、当該調整用螺子の締め付けによる影響は当該薄肉
の連結支持部を介して装着部に良好に伝達されて、上記
振動体の共振周波数は容易にシフトする。そして、当該
調整用螺子の締め付けにより、上記振動体の共振周波数
が略一致するように調整されているため、装着部の圧接
面には理論式と同様な進行波が発生し、可動子は効率良
く駆動される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波モータ
の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明
する。なお、図面の説明において、同一要素または同一
機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明
は省略する。
【0026】図1は、第1実施形態に係る超音波モータ
を示す断面図である。この超音波モータは、機械的駆動
機構から成る超音波モータ本体1及び超音波モータ本体
1の駆動を行う駆動回路2から構成される。
【0027】超音波モータ本体1は、固定用ベース(他
の部材)3と、この固定用ベース3に重ねて固定された
外縁円形のステータ(振動体)5と、固定用ベース3及
びステータ5の中央部を貫挿し、当該固定用ベース3に
固定された軸受7により回転自在に支持された回転軸4
と、この回転軸4に圧入固定され、上記ステータ5に対
向する外縁円形のロータ6と、このロータ6をステータ
5に圧接させる圧縮バネ11と、を概略備えている。当
該ロータ6は、ステータ5表面(図示上側)の円周方向
に進行する進行波により回転する(詳しくは後述)。
【0028】上記固定用ベース3は、金属より成り、超
音波モータが適用される例えばカメラ等の本体機器の固
定側に固定される。この固定用ベース3の中央には、上
下方向に貫通穴が形成されており、当該貫通穴に上記軸
受7が嵌合固定されている。
【0029】上記ステータ5は、セラミック圧電素子か
ら成る円環状の振動子5vと、振動子5vが裏面外周部
に貼着された金属から成る円環状の弾性体5eと、を備
えている。この弾性体5eの外周部(装着部)5oは厚
肉であり、この厚肉の外周部5oの裏面に上記振動子5
vが貼着され、表面がロータ6に圧接する圧接面として
機能する。ステータ5の上記外周部5oより内周側の内
周部(支持部)5iは、外周部5oに比して薄肉にされ
ており、この薄肉にされた内周部5iが、外周部5oの
振動を容易にさせると共に、外周部5oと内周部5iと
の間の振動伝達を抑制している。
【0030】ステータ5の内周部5iには、円周方向に
機械角で90°等配の所定位置(詳しくは後述)に螺子
用貫通穴5bが4個形成され、固定用ベース3の上記螺
子用貫通穴5bの各々に対応する位置には螺子穴3bが
形成されており、ステータ5の内周部5iは、4個の螺
子8を各々螺子用貫通穴5bに挿入して螺子穴3bに螺
合することにより固定用ベース3に固定される。この
時、螺子8の締め付け力を調整することで、各電極群の
各々に対応したステータ5の共振周波数が略一致するよ
うになされている(詳しくは後述)。
【0031】なお、以降の説明では、各螺子穴を特定す
る場合には3b1〜3b4の何れかを用い、特定しない
場合またはこれら螺子穴を総称する場合には、単に3b
と記す。
【0032】上記ロータ6は、金属から成る円環状の弾
性体から構成される。このロータ6の内周部6i及びス
テータ5の外周部5oに対向する外周部6oは厚肉であ
り、ロータ6の外周部6oと内周部6iとの間に円環状
の薄肉中間部6mを備え、内周部6iが上記回転軸4に
圧入固定される。
【0033】この回転軸4は、上記軸受7に回転自在に
支持される。回転軸4の上部にはフランジ部4fが設け
られ、さらに下部には、例えばCリング等のスナップリ
ング9が取り付けられており、このスナップリング9と
上記軸受7との間に、スペーサ10を介して上記圧縮バ
ネ11が介挿されている。この圧縮バネ11とフランジ
部4fによって、回転軸4及びロータ6は常時下方に付
勢されている。
【0034】ロータ6は、外周部6oにおける上記ステ
ータ5の外周部5oに対向する面に、幅狭円環状の凸部
6pを有する。ステータ弾性体5e、ロータ6を全面接
触させると、励振側(ステータ弾性体)の振動が相手側
(ロータ)に大部分伝わって進行波の変位量が減衰して
しまうが、ロータ6は凸部6pを有しており、圧接面が
全面接触に比して狭小にされることから、ステータ弾性
体5eに正常な進行波を形成することができる。
【0035】ロータ側凸部6pとステータ5の外周部5
oとの間には、例えば樹脂等より成る円環状の緩衝摩擦
部材12が介在し、緩衝摩擦部材12はこれらと圧接状
態にある。すなわち、ロータ側凸部6pは、圧縮バネ1
1の弾性力によって緩衝摩擦部材12を介してステータ
5の外周部5oを押圧している。この緩衝摩擦部材12
は、上記凸部6pまたはステータ側外周部5oの何れか
一方に、例えば接着剤等により固定されている。この緩
衝摩擦部材12は、ステータ5の外周部5oに生じる進
行波をロータ6側に伝達し難く動作をする一種の振動の
ローパスフィルタの役目を果たしており、ステータ5の
外周部5oに正常な進行波を発生させると共に、金属同
士(外周部5oと凸部6p)の直接接触を回避して異音
(囓り音)の発生を防止し、さらに圧接部の耐久性を向
上させる。なお、緩衝摩擦部材12は、凸部6p、ステ
ータ側外周部5oの何れにも固定されずに、凸部6p、
ステータ側外周部5o間に介在している構成でも良い。
【0036】図2は、ステータ5の外周部5oの裏面に
貼着された圧電振動子5vの一方面側の平面図である。
振動子5vは、円環状の圧電セラミック板CMと、この
圧電セラミック板CMの一方面上に形成された第1電極
群S及び第2電極群Cと、を備えている。振動子5vが
周方向全体で5波の定在波を発生し得るように、第1電
極群Sは4個の第1電極部S1〜S4、第2電極群Cは
4個の第2電極部C1〜C4から各々構成されると共
に、第1電極部S1〜S4及び第2電極部C1〜C4
は、機械角で36゜で等配されて、各々隣り合う領域で
厚み方向の分極方向が互いに逆向き(図示+−参照)と
なるように予め分極処理が施されている。また、第1電
極群Sと第2電極群Cとは、円周方向に電気角で90°
(λ/4)位相がずれて隣接配置されている。なお、各
電極部S1〜S4及びC1〜C4は、円環圧電セラミッ
ク板CMの内縁及び外縁との間に隙間を空けることなく
設けられている。
【0037】図3は、振動子5vの他方面側の平面図で
ある。円環状の圧電セラミック板CMの他方面上には、
圧電セラミック板CMの一方面上の第1電極部S1〜S
4(第1電極群S)の形成領域全体に対向する第1側電
極部SSと、第2電極部C1〜C4(第2電極群C)の
形成領域全体に対向する第2側電極部CCとが設けられ
ている。第1側電極部SSと第2側電極部CCとの間に
は、機械角で18゜、電気角で90゜を成して互いに対
向するフィードバック用電極部FB,FB’が設けられ
ている。
【0038】図1を再び参照すると、振動子5vの上記
一方面は、その全面が金属弾性体5eの裏面側に接着剤
または導電性接着剤で接着されている。一般には非導電
性接着剤を用いても、接着剤厚が薄いため機械加工面の
荒小部分が接触し、電気的には導通する。金属弾性体5
eは、固定用ベース3に電気的に接続されており、従っ
て、振動子5vの一方面に形成された電極部S1〜S
4,FB,C1〜C4は、グランド(GND)に接続さ
れている。
【0039】一方、振動子5vの第1側電極部SS及び
第2側電極部CCは駆動回路2に接続されている。この
駆動回路2は、グランドと振動子5vの第1側電極部S
Sとの間に正弦波電圧信号(sin波電圧信号;第1電
極群Sに対するドライブ信号)を印加し、グランドと第
2側電極部CCとの間にこれと90°の時間的位相差を
有する正弦波電圧信号(cos波電圧信号;第2電極群
Cに対するドライブ信号)を印加する。この駆動回路2
には、振動子5vの変位量に応じてフィードバック用電
極部FB,FB’間に発生した変位検出信号としての圧
電電圧信号が入力され、入力された変位検出信号に基づ
いて振動子5vに供給される正弦波電圧信号の周波数及
び位相を一定に維持する。
【0040】図4は、ステータ5及び固定用ベース3を
抽出して示す下面図である。図4に示すように、前述し
た4個の螺子穴3b(この螺子穴3bに対応する螺子用
貫通穴5bも同様)は、図示左上側の螺子穴3b1が、
第1電極群Sを構成する第1電極部S1,S2の境界部
に対応する位置(境界部とステータ5の中心とを結ぶ線
分上の位置)に設けられている。前述したように、4個
の螺子穴3bは、円周方向に機械角で90°等配されて
いるため、螺子穴3b1に対して図示時計方向に90°
離間配置される図示右上側の螺子穴3b3は、第2電極
群Cを構成する第2電極部C1,C2の境界部に対応す
る位置に設けられ、また螺子穴3b3に対して図示時計
方向に90°離間配置される図示右下側の螺子穴3b4
は、第2電極群Cを構成する第2電極部C4の中央に対
応する位置に設けられ、さらに螺子穴3b4に対して図
示時計方向に90°離間配置される図示左下側の螺子穴
3b2は、第1電極群Sを構成する第1電極部S4の中
央に対応する位置に設けられている。
【0041】ここで、第1側電極部SSとグランドとの
間にsin波電圧信号が印加されると、振動子5vが振
動して、第1電極部S1,S2及びS2,S3及びS
3,S4の各境界部、第1電極部S1,S4の外側境界
部等を節とした5波の定在波がステータ5の表面に周方
向に沿って発生する。また、第2側電極部CCとグラン
ドとの間にcos波電圧信号が印加されると、振動子5
vが振動して、第2電極部C1,C2及びC2,C3及
びC3,C4の各境界部、第2電極部C1,C4の外側
境界部等を節とした5波の定在波がステータ5の表面に
周方向に沿って発生する。この時、ステータ5の薄肉内
周部5iにより、振動子5vが貼着された外周部5oが
振動するようにしているため、定在波は、ステータ5の
外周部5oの表面に発生する。
【0042】すなわち、本実施形態においては、螺子穴
3b1は、第1電極群Sによる定在波SWの節の位置に
対応した位置(定在波の節とステータ5の中心とを結ぶ
線上の位置)にあり、螺子穴3b2は、定在波SWの腹
の位置に対応した位置にある。また、螺子穴3b3は、
第2電極群Cによる定在波CWの節の位置に対応した位
置にあり、螺子穴3b4は、定在波CWの腹の位置に対
応した位置にある。
【0043】ここで、第1電極群Sと第2電極群Cと
は、前述したように、電気角で90°ずれて配置されて
いるため、定在波SWの節の位置は、定在波CWの腹の
位置となる。同様に、定在波CWの節の位置は、定在波
SWの腹の位置となる。
【0044】従って、螺子穴3b1は、定在波SWの節
の位置及び定在波CWの腹の位置に対応した位置にあ
り、また螺子穴3b3は、定在波CWの節の位置及び定
在波SWの腹の位置に対応した位置にあり、また螺子穴
3b4は、定在波CWの腹の位置及び定在波SWの節の
位置に対応した位置にあり、また螺子穴3b2は、定在
波SWの腹の位置及び定在波CWの節の位置に対応した
位置にある。
【0045】特に、本実施形態では、上記位置に配置さ
れた螺子穴3bに対して螺合する螺子8の締め付け力を
調整する(締め付けトルクを個々の螺子8で変える)こ
とにより、第1電極群Sに供給される一方のドライブ信
号によりステータ5(弾性体5e及び振動子5v)に発
生する振動の共振周波数と、第2電極群Cに供給される
他方のドライブ信号によりステータ5に発生する振動の
共振周波数と、が略一致されている。なお、本実施形態
でいう共振周波数とは反共振周波数も含むものとする。
この反共振周波数は、インピーダンスが最大になる点で
ある。
【0046】ここで、定在波の節の位置に対応する位置
の螺子8の締め付け力を調整しても、当該節の位置では
定在波の振幅が“0”で固定されているため、定在波に
よるステータ5の共振周波数に影響を与え難い(シフト
させ難い)が、定在波の特に腹の位置に対応する位置の
螺子8の締め付け力を調整すれば、定在波の振幅を特に
変えられるため、定在波によるステータ5の共振周波数
に影響を与え易い(シフトさせ易い)。
【0047】従って、前述した図4における図示左上
側、図示右下側の螺子8の締め付け力を適宜調整すれ
ば、定在波CWによるステータ5の共振周波数が影響を
受けて容易にシフトされ、図示右上側、図示左下側の螺
子8の締め付け力を適宜調整すれば、定在波SWによる
ステータ5の共振周波数が影響を受けて容易にシフトさ
れる。
【0048】すなわち、本実施形態では、図示左上側且
つ/または図示右下側の螺子8の締め付け力を適宜調整
することにより、定在波CWによるステータ5の共振周
波数をシフトさせ、図示右上側且つ/または図示左下側
の螺子8の締め付け力を適宜調整することにより、定在
波SWによるステータ5の共振周波数をシフトさせ、こ
れらのシフトにより共振周波数の一致が図られている。
【0049】図5は、上記螺子8による締め付け調整を
施した場合のステータ5のインピーダンス特性を示す
図、図6は、上記螺子8による締め付け調整を施さない
場合のステータ5のインピーダンス特性を示す図であ
り、これらは、本発明者の実験により得られた結果であ
る。なお、図5及び図6においては、インピーダンスの
最小となる点が共振周波数、最大となる点が反共振周波
数である。また、具体的な数値を、以下の表1に示す。
【0050】
【表1】 螺子8による締め付け調整を施さない場合(単に固定用
ベース3にステータ5が載置されている時)には、図6
に示すように、各電極群の各々に対応したステータ5の
共振周波数の間には明らかな差があり、その差は、表1
に示すように、25.50Hzの差があって、これらの
定在波の合成により発生する進行波は完全なもの(理論
式(数5)通りのもの)とはならない。
【0051】一方、前述した螺子8による締め付け調整
を施した場合には、図5に示すように、各電極群の各々
に対応したステータ5の共振周波数が両者シフトされ、
共振周波数を略一致することができる。その差は、表1
に示すように、0.5Hzだけである。
【0052】なお、本実施形態においては、両共振周波
数をシフトさせることにより共振周波数の略一致が図ら
れているが、例えば一方の共振周波数を固定し他方の共
振周波数をシフトさせることにより共振周波数の略一致
を図ることも可能である。この場合は、他方の共振周波
数に影響を与える螺子のみの締め付け力を調整すること
になる。
【0053】さて、このような調整が施されたステータ
5における振動子5vの電極群S,Cに対して、2相の
ドライブ信号(その周波数は上記略一致された共振周波
数またはその近傍の周波数)が各々同時に印加される
と、振動子5vが励振して、ステータ5の外周部5oの
表面には、定在波の合成による円周方向に進む理論式
(数5)通りの進行波が発生する。
【0054】この時、圧接面を全面接触に比して狭小と
するロータ側凸部6pにより、発生した進行波の変位量
の減衰が抑止されると共に、緩衝摩擦部材12が振動の
ローパスフィルタの役目を果たすため、ステータ5の外
周部5oには正常な進行波が形成される。この進行波が
発生すると、ステータ5の外周部5oの表面上の微小領
域各点は、進行波の進行方向及びステータ弾性体5eの
厚み方向で規定される平面内で、上記進行波の進行方向
とは逆回りの楕円運動を行う。この楕円運動による駆動
力は、当該ステータ5の外周部5oに圧接する緩衝摩擦
部材12を介して、正確にロータ側凸部6pに摩擦伝達
される。
【0055】これにより、ロータ6は、進行波の進行方
向とは逆方向に回転する。この時、圧接面に発生する進
行波は理論式と同様なため、ロータ6は効率良く駆動さ
れる。またこの時、緩衝摩擦部材12により、異音(囓
り音)の発生が防止されると共に圧接部の耐久性が向上
される。また、印加電圧の位相を逆にすれば、進行波の
進行方向が逆となり、ロータ6も上記回転方向とは逆方
向に回転する。
【0056】このように、本実施形態においては、螺子
8の締め付けにより、各電極群S,Cの各々に対応した
ステータ5の共振周波数が略一致するように調整されて
いるため、ステータ5の外周部5oの圧接面には理論式
と同様な進行波が発生し、ロータ6を効率良く駆動でき
るようになっている。
【0057】また、図4における図示左上側且つ/また
は図示右下側の螺子8の締め付けを調整して、定在波C
Wによるステータ5の共振周波数をシフトさせ、図示右
上側且つ/または図示左下側の螺子8の締め付けを調整
して、定在波SWによるステータ5の共振周波数をシフ
トさせ、これらのシフトにより共振周波数の一致が図ら
れている、すなわち両共振周波数をシフトさせているた
め、当該共振周波数を所望の値とすることができるよう
になっている。また、このように両共振周波数をシフト
させているため、一方の共振周波数を固定し他方の共振
周波数をシフトさせて共振周波数の一致を図る場合に比
して、より容易に共振周波数の一致を図り得るようにな
っている。
【0058】なお、螺子8の個数及び配置は、図4に示
したものに限定されるものではなく、その個数は2個以
上であれば良く、また、その配置は、両共振周波数をシ
フトさせる場合には、少なくとも1個の螺子8が一方の
定在波の腹の位置(他方の定在波の節の位置)に対応し
た位置にあると共に、少なくとも1個の螺子8が他方の
定在波の腹の位置(一方の定在波の節の位置)に対応し
た位置にあれば良く、一方の共振周波数を固定し他方の
共振周波数をシフトさせる場合には、少なくとも1個の
螺子8が他方の定在波の腹の位置(一方の定在波の節の
位置)に対応した位置にあれば良い。因みに、この螺子
8の配置は、共振周波数を容易にシフトさせ得る特に好
ましいものであるが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0059】また、ステータ5の内周部5iを薄肉とし
て、当該薄肉部5iを螺子8により締め付けるようにし
ているため、外周部5oと略同様な厚みの厚肉部を螺子
8により締め付ける構成に比して、螺子8の締め付けに
よる影響が当該薄肉部5iを介して外周部5oに良好に
伝達されて、各電極群S,Cの各々に対応したステータ
5の共振周波数が容易にシフトされ、ステータ5の共振
周波数をより容易に略一致することができるようになっ
ている。また、当該薄肉部5iにより、外周部5oの振
動が容易にされるようにもなっている。
【0060】また、ステータ5の内周部5iは、折曲部
のない平板形状であるため、螺子8の締め付け位置より
外周部5o側に折曲部を有する平板形状を螺子8により
締め付ける構成に比して、螺子8の締め付けによる影響
が当該折曲部のない平板形状を介して外周部5oに良好
に伝達されて、各電極群S,Cの各々に対応したステー
タ5の共振周波数が容易にシフトされ、ステータ5の共
振周波数をより容易に略一致することができるようにな
っている。
【0061】さらにまた、ステータ5の内周部5iは、
その厚みが均一であるため、厚みが不均一な場合に比し
て、螺子8の締め付けによる影響が外周部5oに良好に
伝達されて、各電極群S,Cの各々に対応したステータ
5の共振周波数が容易にシフトされ、ステータ5の共振
周波数をより容易に略一致することができるようになっ
ている。
【0062】図7は、第2実施形態に係る超音波モータ
のステータ及び固定用ベースの要部を示す断面図であ
る。なお、第2実施形態以降の実施形態においては、螺
子8は、ステータ5の円周方向に少なくとも2個以上配
置されており、第1実施形態で述べたと同様に、共振周
波数を調整するにあたってより好ましいとされる位置に
配置されている。
【0063】この第2実施形態の超音波モータが第1実
施形態のそれと違う点は、ステータ5の内周部5iにお
ける螺子8の締め付け位置より外周部5o側に、円環状
の折曲部5icを設けた点である。
【0064】すなわち、内周部5iは、螺子8が挿入さ
れる螺子用貫通穴5bを有し当該螺子8により締め付け
力が調整されて固定用ベース3に固定される第1支持部
5iaと、この第1支持部5iaと同一厚みを有して当
該第1支持部5iaと外周部5oとを連結する第2支持
部5ibと、から構成されており、この第2支持部5i
bの半径方向の所定位置に、円環状の折曲部5icが形
成されている。この折曲部5icは、図7に示すよう
に、急峻な傾斜を有すると共にその折曲長さが短くされ
ている。
【0065】図8は、第3実施形態に係る超音波モータ
のステータ及び固定用ベースの要部を示す断面図であ
る。
【0066】この第3実施形態の超音波モータが第2実
施形態のそれと違う点は、急峻な傾斜を有すると共にそ
の折曲長さが短くされた折曲部5icを、当該折曲部5
icに比して、緩やかな傾斜を有すると共にその折曲長
さが長くされた折曲部5idに代えた点である。
【0067】さらに、図9は、第4実施形態に係る超音
波モータのステータ及び固定用ベースの要部を示す断面
図である。
【0068】この第4実施形態の超音波モータが第2実
施形態のそれと違う点は、急峻な傾斜を有すると共にそ
の折曲長さが短くされた折曲部5icを、傾斜角が90
°にされると共に、当該折曲部5icに比してその折曲
長さが長くされた折曲部5ieに代えた点である。
【0069】これら第2〜第4実施形態においては、折
曲部5ic〜5ieの形状が各々異なるが、周波数の調
整機能においては大差なく、要は第2支持部5ibが薄
肉形状になっていれば良い。第2〜第4実施形態のよう
に構成しても、螺子8の締め付けにより、各電極群S,
Cの各々に対応したステータ5の共振周波数を調整する
ことができる。
【0070】図10は、第5実施形態に係る超音波モー
タのステータ及び固定用ベースの要部を示す断面図であ
る。
【0071】この第5実施形態の超音波モータが第1実
施形態のそれと違う点は、ステータ5の内周部5iにお
ける螺子8の締め付け位置を含む近傍部分を、円環状に
厚肉(外周部5oよりは薄肉)とした点である。
【0072】すなわち、内周部5iは、外周部5oを支
持する薄肉(第1実施形態の内周部5iと略同一厚み)
の第2支持部5igと、この第2支持部5igを支持す
ると共に、当該第2支持部5igに比して厚肉且つ外周
部5oに比して薄肉であり、螺子8が挿入される螺子用
貫通穴5bを有し当該螺子8により締め付け力が調整さ
れて固定用ベース3に固定される第1支持部5ifと、
から構成される。
【0073】ここで、螺子8により締め付けられる第1
支持部5ifの厚みを外周部5oと略同一程度まで厚く
すると、螺子8の締め付けによる影響が殆ど外周部5o
に伝達されない。しかしながら、本実施形態では、第1
支持部5ifの厚みを、図10に示すように、外周部5
oの半分程度の厚みとしているため、螺子8の締め付け
による影響は、多少抑えられるが外周部5oに伝達され
ることになる。
【0074】このため、本実施形態によれば、第2〜第
4実施形態とほぼ同様な効果を期待することができる。
【0075】図11は、第6実施形態に係る超音波モー
タのステータ及び固定用ベースの要部を示す断面図であ
る。
【0076】この第6実施形態の超音波モータが第1実
施形態のそれと違う第1の点は、ステータ5の内周部5
iを、外周部5oと略同一の厚みを有すると共に、螺子
8が挿入される螺子用貫通穴5bを有して当該螺子8に
より固定用ベース3に固定される固定支持部5iiと、
この固定支持部5ii及び外周部5oに比して薄肉にさ
れると共に、固定支持部5iiと外周部5oとを連結す
る連結支持部5mと、から構成した点である。
【0077】また、第2の点は、連結支持部5mの所定
位置に少なくとも1個以上の調整用の螺子用貫通穴5c
を設ける一方で、固定用ベース3を上記連結支持部5m
下まで円環状に延在させると共に、この延在した延在部
3aの上記調整用の螺子用貫通穴5cに対応する位置に
調整用の螺子穴3cを設け、調整用螺子18を螺子用貫
通穴5cに挿入し螺子穴3cに螺合して締め付け力を調
整することで、連結支持部5mを固定用ベース3の延在
部3aに固定すると共に、ステータ5の共振周波数の一
致を図るようにした点である。
【0078】ここで、第5実施形態で説明したように、
螺子8により締め付けられる固定支持部5iiの厚みを
外周部5oと略同一程度まで厚くすると、螺子8の締め
付けによる影響が殆ど外周部5oに伝達されないため、
螺子8の締め付けにより、上記ステータ5の共振周波数
をシフトすることは殆どできない。
【0079】しかしながら、本実施形態では、外周部5
oを支持する薄肉の連結支持部5mを、調整用螺子18
により締め付け力を調整して延在部3aに固定するよう
にしているため、第1実施形態と同様に、上記共振周波
数をシフトでき、ステータ5の両共振周波数を一致させ
ることができる。
【0080】なお、ステータ5は複数の螺子8により固
定用ベース3に固定されているため、調整用螺子18の
個数は1個以上であれば良い。また、調整用螺子18の
配置は、第1実施形態と同様に、両共振周波数をシフト
させる場合には、少なくとも1個の調整用螺子18が一
方の定在波の腹の位置(他方の定在波の節の位置)に対
応した位置にあると共に、少なくとも1個の調整用螺子
18が他方の定在波の腹の位置(一方の定在波の節の位
置)に対応した位置にあれば良く、一方の共振周波数を
固定し他方の共振周波数をシフトさせる場合には、少な
くとも1個の調整用螺子18が他方の定在波の腹の位置
(一方の定在波の節の位置)に対応した位置にあれば良
い。因みに、この調整用螺子18の配置は、共振周波数
を容易にシフトさせ得る特に好ましいものであるが、特
にこれに限定されるものではない。
【0081】図12は、第7実施形態に係る超音波モー
タのステータ及び固定用ベースを抽出して示す断面図で
ある。
【0082】この第7実施形態の超音波モータが第1実
施形態のそれと違う点は、固定用ベース3に設けた螺子
穴を螺子用貫通穴3dに代えると共に、ステータ5の内
周部5iに設けた螺子用貫通穴を螺子穴5dに代えた点
であり、螺子8を螺子用貫通穴3dに挿入し螺子穴5d
に螺合して締め付け力を調整することで、ステータ5を
固定用ベース3に固定すると共に、ステータ5の共振周
波数の一致を図るようにしている。
【0083】このように構成しても、第1実施形態と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
い。
【0084】なお、本実施形態の構成を、第2〜第6実
施形態に対しても同様に適用でき、特に第6実施形態に
関しては、調整用螺子18が挿入される螺子用貫通穴、
螺合される螺子穴に対しても同様に適用できる。
【0085】図13は、第8実施形態に係る超音波モー
タのステータ及び固定用ベースを抽出して示す分解断面
図である。この第8実施形態の超音波モータが第1実施
形態のそれと違う点は、ステータを固定用ベースに対し
て内周側ではなく外周側で螺子固定すると共に当該外周
側の螺子の締め付け調整によりステータの共振周波数の
一致を図る構成とし、この構成の変更に伴って、ステー
タ5及び固定用ベース3の形状を各々変更して、ステー
タ15及び固定用ベース13とした点である。
【0086】ステータ15は、円環状の振動子5vと、
この振動子5vが裏面に貼着された円環状の弾性体15
eと、から成る。この弾性体15eの内周部(装着部)
15iは厚肉であり、この厚肉の内周部15iの裏面に
上記振動子5vが貼着され、表面がロータ6に圧接する
圧接面として機能する。ステータ15の内周部15iを
支持する外周部(支持部)15oは、内周部15iに比
して薄肉にされており、円周方向の所定位置に複数の螺
子用貫通穴15bが形成されている。
【0087】固定用ベース13は、円環状を成すと共
に、その外周部に上記ステータ15の外周部15oに対
向する円環状の凸部13oを有し、上記螺子用貫通穴1
5bの各々に対応する位置に螺子穴13bを有してい
る。
【0088】上記ステータ15の外周部15oは、複数
の螺子8を各々螺子用貫通穴15bに挿入して螺子穴1
3bに螺合することにより固定用ベース13に固定され
る。この時、第1実施形態で説明したのと同様に、螺子
8の締め付け力を調整することで、各電極群の各々に対
応したステータ15の共振周波数が略一致するようにな
されている。
【0089】このように構成しても、第1実施形態と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
い。なお、本実施形態の構成を、第2〜第7実施形態に
対しても同様に適用できる。
【0090】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であるというのはいうまでもなく、
例えば、上記実施形態においては、2相のドライブ信号
を印可することにより進行波を発生させる超音波モータ
に対する適用例が述べられているが、3相以上のドライ
ブ信号を印可することにより進行波を発生させる超音波
モータに対しても同様に適用できる。
【0091】また、本発明は、例えば特開平2−179
281号公報に記載されているような、ロータを弾性体
より構成すると共に当該ロータの裏面に圧電振動子を固
定し、この圧電振動子に、上記実施形態で説明したのと
同様な位相の異なる2相のドライブ信号を印加すること
により、ロータ表面にも円周方向に進む進行波を発生さ
せ、このロータ表面に発生した進行波と前述したステー
タ表面に発生した進行波を利用して、ロータを回転駆動
するタイプの超音波モータに対しても適用可能である。
すなわち、ステータ側だけではなく、圧電振動子を有す
るロータ側に対しても本発明を適用できる。
【0092】さらにまた、可動子の形状を長板状とし当
該可動子をスライダとして駆動するリニヤ型の超音波モ
ータに対しても同様に適用可能であるというのはいうま
でもない。
【0093】
【発明の効果】本発明による超音波モータは、振動体
を、電極群を複数有する振動子と、この振動子が装着さ
れると共に対向子に対する圧接面を有する装着部と、こ
の装着部を支持すると共に螺子穴若しくは螺子用貫通穴
を複数備えて螺子により他の部材に固定される支持部
と、から構成し、当該螺子の締め付けにより、各電極群
の各々に対応した振動体の共振周波数が略一致するよう
に調整されているため、装着部の圧接面には理論式と同
様な進行波が発生し、可動子を効率良く駆動することが
可能となる。
【0094】また、本発明による超音波モータは、振動
体を、電極群を複数有する振動子と、この振動子が装着
されると共に対向子に対する圧接面を有する装着部と、
この装着部を支持すると共に螺子穴若しくは螺子用貫通
穴を複数備えて螺子により他の部材に固定される支持部
と、から構成し、当該支持部を、上記螺子により他の部
材に固定される固定支持部と、この固定支持部と装着部
とを連結すると共にその厚みが固定支持部及び装着部の
厚みに比して薄くされ且つ螺子穴または螺子用貫通穴を
少なくとも1個以上備えて調整用螺子により他の部材に
固定される連結支持部と、から構成し、調整用螺子の締
め付けにより、各電極群の各々に対応した振動体の共振
周波数が略一致するように調整されているため、装着部
の圧接面には理論式と同様な進行波が発生し、可動子を
効率良く駆動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る超音波モータを示す断面図
である。
【図2】振動子の一方面側の平面図である。
【図3】振動子の他方面側の平面図である。
【図4】ステータ及び固定用ベースを抽出して示す下面
図である。
【図5】螺子による締め付け調整を施した場合のステー
タのインピーダンス特性を示す図である。
【図6】螺子による締め付け調整を施さない場合のステ
ータのインピーダンス特性を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る超音波モータのステータ及
び固定用ベースの要部を示す断面図である。
【図8】第3実施形態に係る超音波モータのステータ及
び固定用ベースの要部を示す断面図である。
【図9】第4実施形態に係る超音波モータのステータ及
び固定用ベースの要部を示す断面図である。
【図10】第5実施形態に係る超音波モータのステータ
及び固定用ベースの要部を示す断面図である。
【図11】第6実施形態に係る超音波モータのステータ
及び固定用ベースの要部を示す断面図である。
【図12】第7実施形態に係る超音波モータのステータ
及び固定用ベースを抽出して示す断面図である。
【図13】第8実施形態に係る超音波モータのステータ
及び固定用ベースを抽出して示す分解断面図である。
【符号の説明】
1…超音波モータ本体、2…駆動回路、3,13…固定
用ベース(他の部材)、3a…固定用ベースの延在部
(他の部材)、3b,3b1〜3b4,3c…螺子穴、
5,15…ステータ(振動体;固定子)、5b,15b
…螺子用貫通穴、5c…調整用の螺子用貫通穴、5d…
螺子穴、5e,15e…弾性体、5i…内周部(支持
部)、5ii…固定支持部、5m…連結支持部、5o…
外周部(装着部)、5v…振動子、6…ロータ(可動
子;対向子)、8…螺子、13o…固定用ベースの外周
部(他の部材)、15i…内周部(装着部)、15o…
外周部(支持部)、18…調整用螺子、C,S…電極
群、C1〜C4,S1〜S4…電極部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して圧接する固定子及び可動
    子を備え、前記固定子及び前記可動子の少なくとも一方
    が有する振動子の複数の電極群の各々に対して、位相の
    異なる所定のドライブ信号をそれぞれ供給することによ
    り当該振動子を振動させ、前記固定子及び前記可動子の
    うちの前記振動子を有する側を振動体として当該振動体
    の圧接面に発生する進行波により、前記可動子を駆動す
    る超音波モータにおいて、 前記振動体は、前記振動子と、この振動子が装着される
    と共に対向子に対する圧接面を有する装着部と、この装
    着部を支持すると共に螺子穴若しくは螺子用貫通穴を複
    数備えて螺子により他の部材に固定される支持部と、か
    ら成り、 前記螺子の締め付けにより、前記各電極群の各々に対応
    した前記振動体の共振周波数が略一致するように調整さ
    れた超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記複数の電極群は2群に分割されると
    共に電極群同士は90°空間的位相がずれて配置され、 各電極群に対して、前記位相の異なる所定のドライブ信
    号として90゜の時間的位相差を有する2相のドライブ
    信号の各々が供給され、 前記複数の螺子のうちの少なくとも1個の螺子が、前記
    2相のドライブ信号のうちの一方の相のドライブ信号に
    より前記圧接面に発生する定在波の節の位置に対応した
    位置にあることを特徴とする請求項1記載の超音波モー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記複数の螺子のうちのさらに少なくと
    も1個の螺子が、前記2相のドライブ信号のうちの他方
    の相のドライブ信号により前記圧接面に発生する定在波
    の節の位置に対応した位置にあることを特徴とする請求
    項2記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 前記支持部は、その厚みが前記装着部の
    厚みに比して薄くされた薄肉部を有し、 当該薄肉部が、前記他の部材に対して前記螺子により固
    定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に
    記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記支持部は、折曲部のない平板形状で
    あることを特徴とする請求項4記載の超音波モータ。
  6. 【請求項6】 前記支持部は、前記薄肉部を含めたその
    厚みが略均一であることを特徴とする請求項4または5
    記載の超音波モータ。
  7. 【請求項7】 互いに対向して圧接する固定子及び可動
    子を備え、前記固定子及び前記可動子の少なくとも一方
    が有する振動子の複数の電極群の各々に対して、位相の
    異なる所定のドライブ信号をそれぞれ供給することによ
    り当該振動子を振動させ、前記固定子及び前記可動子の
    うちの前記振動子を有する側を振動体として当該振動体
    の圧接面に発生する進行波により、前記可動子を駆動す
    る超音波モータにおいて、 前記振動体は、前記振動子と、この振動子が装着される
    と共に対向子に対する圧接面を有する装着部と、この装
    着部を支持すると共に螺子穴または螺子用貫通穴を複数
    備えて螺子により他の部材に固定される支持部と、から
    成り、 前記支持部は、前記螺子により前記他の部材に固定され
    る固定支持部と、この固定支持部と前記装着部とを連結
    すると共にその厚みが前記固定支持部及び前記装着部の
    厚みに比して薄くされ、且つ螺子穴または螺子用貫通穴
    を少なくとも1個以上備えて調整用螺子により前記他の
    部材に固定される連結支持部と、から成り、 前記調整用螺子の締め付けにより、前記各電極群の各々
    に対応した前記振動体の共振周波数が略一致するように
    調整された超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106712570A (zh) * 2017-03-17 2017-05-24 浙江师范大学 一种串联型正反螺旋定子直线超声电机

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8816568B2 (en) 2010-06-21 2014-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Vibration-type driving apparatus
US9705428B2 (en) 2010-06-21 2017-07-11 Canon Kabushiki Kaisha Vibration-type driving apparatus
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