JPH0583962A - 振動波モータ装置 - Google Patents

振動波モータ装置

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JPH0583962A
JPH0583962A JP3236713A JP23671391A JPH0583962A JP H0583962 A JPH0583962 A JP H0583962A JP 3236713 A JP3236713 A JP 3236713A JP 23671391 A JP23671391 A JP 23671391A JP H0583962 A JPH0583962 A JP H0583962A
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signal
circuit
stator
phase
output
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JP3236713A
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English (en)
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哲 ▲瀬▼川
Satoru Segawa
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NEC Corp
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NEC Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動波モータに内蔵する圧電体を用いた回転
角検出において、位相混合の不具合が原因で生じる進行
波の歪を補正し、周期的な回転角検出誤差の発生を低減
し検出の精度を向上させる。 【構成】 発振回路14と昇圧回路16の間に位相調整
回路15を設け、ステータ3を駆動する信号群aの位相
を独立に調整する駆動回路17と、ロータ5に内蔵した
圧電体6にステータ3の進行性振動をロータ側で電気信
号bとして検出する電極10を設け、電極10からの信
号bを受けてデジタル信号cに変換する比較回路11
と、信号cとステータ駆動信号群aと同期した信号dと
の位相差を検出する位相差検出回路12とから構成され
る回転角検出回路13を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波領域の振動を駆
動源とする振動波モータ、特に回転角を検出する回転角
検出機構を備える駆動波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体に伝搬する進行波を動作原理とす
る振動波モータが、特願昭57−29400号明細書、
および日経メカニカル1989 8−21(no.30
4)114頁に紹介されている。振動子である圧電素子
と弾性体とを一体化したステータに位相が異なる2相以
上の電気信号を入力し、ステータに波の腹と節が移動す
る屈曲進行波を発生させる。屈曲進行波が励振されてい
るステータ上のある一点に着目すると、進行波の凹凸に
よる上下運動と部材の伸縮による水平方向(ロータの移
動方向)との運動とが重なり、一点は楕円軌道を描く。
この楕円軌道の頂点付近をロータと加圧接触させること
により、ステータに励振されている進行波の進む向きと
は逆方向にロータが駆動される。以上が一般に用いられ
ている進行波を動作原理とする振動波モータの動作原理
である。
【0003】また、回転角検出機能を備え、進行波を用
いた振動波モータは、本出願人から既に出願された特許
出願明細書(特願昭63−184164号明細書,特願
昭63−157289号明細書(特開平2−7876号
公報))に開示されている。この振動波モータの動作原
理について、図6および図7を用いて説明する。
【0004】図6は従来の回転角検出機能を備えた振動
波モータ装置の構成を説明した分解斜視図を含むブロッ
ク図であるが、図6の上部に示すように、弾性の共振子
1の裏面に、この共振子1と同様な形状の振動子2であ
る圧電素子を接合して一体化したステータ3を構成して
いる。ステータ3の図面上右方には、ロータ5が設けて
あり、ばね8等の加圧手段によって所定の圧力に押圧さ
れている。ロータ5は、ステータ3との圧力を部分的に
検出する圧電体6を有し、この圧電体6のステータ3と
接触する表面には、耐摩耗性に優れたエンジニアリング
プラスチクスを用いたライニング4が接合されている。
圧電体6にある電極10は、ステータ3に励振されてい
る屈曲進行波の凹凸に対応する接触圧力を検出して電気
信号bに変換して出力する。
【0005】図6の駆動回路23においては発振回路1
4より振動性を有する信号を発生させ、分周回路24に
てステータ3の共振周波数に対応し位相が異なる2つ以
上の振動性の信号群gを出力させる。この信号群gを受
けて電圧を昇圧する昇圧回路16は駆動信号群aを出力
する。駆動信号群aは位相が異なり、周波数は同一であ
る。駆動信号群aは、一般的には進行波をステータ3に
励振するために、π/2[rad]だけ位相が異なる2
つの信号を与える。
【0006】ロータ5の回転角を検出するためには、ロ
ータ5に内蔵された圧電体6に設けられた電極10から
の振動性の電気信号bを比較回路11によりデジタル信
号cに変換した後、このデジタル信号cとステータ3を
駆動している信号群aと同期した信号dとの位相差を位
相差検出回路12により検出し、ロータ5の回転角度に
対応した信号eを得る。
【0007】図6の従来例のステータとロータの関係を
図7(a),(b)に模式的に示してあり、ステータに
あるきざみやばね等は省略してある。ステータ3の基準
位置25はステータ3に設定された極座標でθ=0の位
置とした。
【0008】図7において、ステータ3の中心を原点
に、ステータ3の円周上の一部をステータの基準位置2
5とし、半径方向に原点と基準位置とを結ぶ半直線を基
準に、円周方向に反時計回りの向きにステータ3の回転
位置θ[rad]を、半径方向に長さr[m]とする極
座標を設定する。
【0009】A[V]:入力電圧振幅 d[μm/v]:電気振動−機械振動の変換率 t[sec]:時刻 f[Hz]:ステータ3に供給される信号の周波数(周
期) θ[rad]:ステータ3上の位置 n:ステータ3に励振された進行波の波数 とする。ここでは一般的に採用されている方法として、
位相の異なる2相の電気信号により進行波を励振するも
のとする。振動子2に入力する電気信号を、
【0010】
【数1】
【0011】とする。φ1 ,φ2 の信号が加えられる圧
電素子の電極位置が互いにπ/2[rad]位相ずれて
いることを考慮すると、ステータに励振される振動は
【0012】
【数2】
【0013】で表される。δ1 とδ2 とがステータで合
成されて進行波が励振される。進行波の振幅を表す式は
【0014】
【数3】
【0015】となる。さらに、図6のロータ5に内蔵さ
れた圧電体6の圧電効果による機械振動−電気振動の変
換率をg[V/μm]とし、圧電体6に設けられた電極
10の位置をθとすると、ロータの電極10から出力さ
れる電気信号を表す式は、
【0016】
【数4】
【0017】となる。
【0018】ステータの基準位置25での振動は(5)
式でθ=0として、
【0019】
【数5】
【0020】で得られる。
【0021】ロータに内蔵された圧電体の電極の位置が
θ=0の位置、すなわち図7においてステータの基準位
置25と同じ回転角の位置にある場合については、ロー
タの電極10から出力される振動性の信号bは(6)式
でθ=0として
【0022】
【数6】
【0023】となる。従って、ロータ5の電極10がス
テータ3の基準位置25と同じ回転角にある場合には、
(7)式と(8)式との間に回転角θに伴う位相差は生
じない。同様に、駆動回路23からの分岐した信号gは
(1)式に示す信号φ1 と同期した信号でありこの
(1)式と(8)式との間にも回転角θに伴う位相差は
生じない。
【0024】さて、ロータ5が回転してロータ5の電極
10の位置が図7(b)に図示したようにθ=m[ra
d]の場合には、ロータ5の電極10から出力される信
号bは、(6)式においてθ=mとして、
【0025】
【数7】
【0026】と表される。一方、ステータの基準位置で
の振動は(7)式と変わらず、あるいは、駆動回路23
からの分岐した信号gも(1)式と変わらない。すなわ
ちロータの電極10の位置がステータの基準位置と回転
角m隔たった位置にある場合には、(9)式と(7)式
あるいは(9)式と(1)式で示されるように位相差は
m・nとなる。nはステータに励振される進行波の波数
であり一定値であるから回転角mが増大すると位相差m
・nも増大する。nはステータに励振される振動の波数
であり、ステータの設計により既知である。従って、ロ
ータの回転角に応じた位相差信号eを得ることにより、
ロータの回転角m[rad]を知ることができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の振
動波モータ装置では、ステータを構成する振動子(圧電
素子)には振幅は同じで位相の異なる電気信号φ1 ,φ
2 を入力し、これら電気信号φ1 ,φ2 が変換された振
動δ1 ,δ2 が合成されて進行波がステータに励振され
る。しかし、実際には入力される(3)式,(4)式で
示される電気信号の振幅が同じで、位相差がπ/2[r
ad]であっても、実際に励振される機械振動の位相差
がπ/2[rad]でない場合が生じる。この理由とし
ては、2つの信号に対して、 圧電素子上に印刷された電極面積と電極位置の偏り、 圧電素子の特性である電気信号から機械振動への変換
効率の偏り 圧電素子と共振子との接合強度が異なる ことが原因として考えられる。そして、実際にステータ
に励振される振動の位相差に誤差が生じている場合に
は、ステータの振動とロータに内蔵された圧電体からの
信号との位相差が、ロータの回転角度に正しく対応しな
くなる。このことについて数式を用いて更に説明する。
電気信号φ1 ,φ2 に対する電気−機械変換率をdとす
ると、ステータ3に励振される振動は
【0028】
【数8】
【0029】となるが、さらに、φ1 ,φ2 の信号が加
えられる圧電素子のうち、一方の電極位置が設計値の位
相差π/2[rad]から誤差角ε[rad]だけずれ
ている場合、すなわち位置位相誤差角εを持つ場合につ
いて考慮すると、ステータに励振される振動は
【0030】
【数9】
【0031】で示される。
【0032】d2 /d1 =αとおくと、ステータに励振
される波を表す式は
【0033】
【数10】
【0034】で示される。
【0035】但し、(13)式は周期関数の逆関数であ
り、無限多価関数である。以降、特に注意しない限り−
π/2〜+π/2の主値を対象とする。
【0036】第1の電気信号による振動と第2の電気信
号による振動との位相差π/2に誤差εがある場合に、
ロータ5が回転してロータ5の電極10の位置がθ=m
[rad]の場合には、ロータ5の電極10から出力さ
れる信号bは、(12),(13)式においてθ=mと
して、
【0037】
【数11】
【0038】となる。このとき、
【0039】
【数12】
【0040】で示される回転角度の検出誤差が生じるこ
とになり問題である。
【0041】本発明の目的は、このような問題を解決し
た振動波モータ装置を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】(16)式で示される回
転角検出誤差は複数の駆動信号に対応したステータの振
動特性が位相的に同じでないこと、すなわち位置位相誤
差が生じていることが原因であるが、本発明においては
この均一性に欠けるステータの特性を駆動回路の方で駆
動信号の位相を調整してステータの不均一な特性を補正
することにより、(16)式で示される周期的な回転角
検出誤差を低減するものである。
【0043】すなわち、ステータの共振周波数に対応す
る周波数をもつ振動性の信号を発生する発振回路と、こ
の発振回路の出力信号を受けて位相を調整して出力する
信号のうち少なくとも一つの信号の位相を他の信号の位
相とは独立に変化させることができる位相調整回路と、
前記位相調整回路の出力を受けて電圧を増幅する昇圧回
路とを有する駆動回路とを備え、前記駆動回路の出力信
号を前記の振動子の入力信号として励振された前記ステ
ータの振動を圧力変動として検出する圧電体を前記ロー
タに備え、前記圧電体は少なくとも一部に周囲を絶縁し
て設けた電極と、この電極から出力される振動性の信号
を受けてこの信号と同期したデジタル信号に変換する比
較回路と、前記比較回路の出力信号と駆動回路から出力
され前記の共振子に入力する信号と同期した信号とを入
力して前記ロータの回転角に対応した位相差を検出する
位相差検出回路を備えることを特徴とする振動波モータ
装置を用いる。
【0044】あるいは、前記の振動波モータ装置におい
て、振動子の一部に振動検出用の電極を設け、この電極
より出力される信号をデジタル信号に変換する比較回路
を設け、前記比較回路から出力される信号を、振動回路
から出力され前記の共振子に入力する信号と同期した信
号に代えて位相差検出回路に入力することを特徴とする
振動波モータ装置を用いることにより回転角検出の誤差
を低減できる。
【0045】
【実施例】本発明の振動波モータ装置はステータを駆動
する信号群の位相を調整できる手段を備えることによ
り、駆動信号がステータ内で進行波に合成される際にお
いて、位相混合の不具合すなわち位置位相誤差が原因で
生じる進行波の歪を補正し、周期的に発生する不要な位
相遅れと進みを低減するように作用させる点が従来のも
のと異なる点である。
【0046】次に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0047】図1において共振子1は、燐青銅やアルミ
青銅および黄銅などの弾性を有する材料で形成される。
共振子1の下面には振動子(圧電素子)2を接合してス
テータを構成する。振動子には、電気信号を入力してス
テータ3の屈曲進行波を励振する。振動子2は、ステー
タ3に屈曲進行波が生じることによって、楕円軌跡をも
つ振動を生ずる。この振動をライニング4に皿ばね8に
よって加圧して接触させることによって、ロータ5に回
転運動が生じる。
【0048】ロータ5に設けた圧電体6は、圧力によっ
て生じる歪みに対して電圧が変化する圧力検出器であ
り、直径30mm,厚さ0.5mmの圧電素子を用いて
いる。
【0049】圧電体6がステータ3と接触する表面に
は、耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチクスを
用いたライニング4が接合されている。圧電体6の他方
の面は、ロータ5に接合されている。
【0050】ロータ5に設けた圧電体6には、ステータ
3を励振される屈曲進行波の山と谷とに対応する位置に
電極10を少なくとも一つ設けて、部分的な接触圧力を
検出し、電気信号bに変換して出力する。さらに感度を
増すために2系統それぞれについて位相角でπ[ra
d]隔てた位置にも電極10を設ける。このπ[ra
d]の位相角を隔てた位置にある圧力検出用電極は互い
に逆方向に分極を施すことにより、位相角でπ[ra
d]の位置においてステータ3に励振されている振動の
凹凸に対応させる。そして最大でステータ3に励振され
る波数の2倍の数の電極10を設け圧力検出群を構成す
る。
【0051】回転角検出用電極10からの出力は並列に
一つに接続され圧力検出信号bとなる。検出信号bは比
較回路11によりゼロクロス点において信号のデジタル
化が行われる。このデジタル信号cは、図7のステータ
の基準位置25に相当する振動と同期したパルス信号d
ともに位相差検出回路12に入力する。位相差検出回路
12では、圧力検出信号とステータの基準位置25の振
動に相当する信号dとを入力としてその位相差を検出す
る。この位相差が回転角に対応する。
【0052】本発明による振動回路は位相調整回路を有
することを特徴とする。駆動回路17は、発振回路14
からの出力信号fを位相調整回路15に入力し複数の異
なる位相差を持つ信号gを出力する。昇圧回路16はこ
の信号群gを受けてステータ3の共振周波数に対応し、
振動子2を駆動するのに必要な電圧(50vから180
v)を持つ位相の異なる2つ以上の駆動信号群aを出力
する。ここで駆動信号群aの各信号の手段は同一であ
る。本発明では位相調整回路15により、駆動信号群a
の各信号のうち少なくとも一つの信号の位相を他の信号
の位相とは独立に調整できるようにしている。
【0053】以下、本発明の動作についてπ/2[ra
d]位相が異なる2つの駆動信号群gを与えてステータ
に進行波を励振する場合について数式を用いて説明す
る。
【0054】位相調整回路15を用いて信号を調整する
ことにより駆動側で操作できる変数として、ζ[ra
d]:駆動信号の設定値π/2[rad]からの時間位
相補正量を設定する。ここで記述する時間位相補正量と
は駆動信号側で発生している信号の位相をずらす量のこ
とで、時間軸に対して波形をずらすことになるのでζを
時間位相補正と呼ぶことにする。
【0055】ところで、ステータの進行波は2つの定在
波が合成されて励振されるが、駆動信号に施す位相補正
の量すなわち時間位相補正量を位相的なずれ、すなわち
位置位相誤差εが発生していない定在波に与える場合を
述べる。
【0056】従って、ステータに励振される一方の定在
波は(10)式にζを考慮し、
【0057】
【数13】
【0058】とし、もう一方は(11)式、
【0059】
【数14】
【0060】である。これら2つの定在波がステータに
て混合されて歪のある進行波、
【0061】
【数15】
【0062】が励振される。回転角θ=m[rad]の
とき、回転角検出の誤差は
【0063】
【数16】
【0064】である。
【0065】さて、位相調整回路において一方の駆動信
号に位相差補正量ζ[rad]を
【0066】
【数17】
【0067】と設定した場合には、(20)式に(2
1)式を代入して、
【0068】
【数18】
【0069】となる。すなわち、ζを調整することによ
り、ε位置位相誤差が原因で発生する周期的な回転角検
出誤差を低減することができる。
【0070】次に図1の駆動回路17にある位相調整回
路15についての構成例を、図2,図3を用いて示す。
【0071】図2に示した位相調整回路15は、位相の
シフトをデジタル論理を用いて行うものである。この例
では、発振回路14からの出力信号fの周波数を分周し
て進行波の駆動信号の周波数とするほか、位相シフトの
最小シフト時間に用いる。このため発振器で発生させる
周波数としてはステータを駆動する周波数の100倍か
ら10000倍である。発振回路14からの出力信号f
を分岐させ、一方は位相をシフトさせるための位相シフ
タ回路19aのシフト量操作端子に入力する。また一方
は分周回路18に入力しステータを駆動する周波数の4
倍にあたる周波数を持つデジタル信号hに分周する。分
周回路18からの出力信号hも分岐させて一方は前記の
ものとは別の機能を持つ位相シフタ回路19bに入力
し、他方は位相シフタ回路19aの被シフト入力端子に
入力する。位相シフタ回路19aの出力端子からは、発
振器の出力信号fが持つ周期の整数倍にあたる時間だけ
被シフト入力端子に加えられた入力信号hの位相を遅延
した信号群iが出力され、この信号群iは独立に設けた
位相シフタ回路19bに入力する。2つの位相シフタ回
路19bは、ステータ3を駆動する周波数の4倍の信号
jを受けて連続する2周期を“1”、これに続く連続す
る2周期を“0”とする信号を4つある出力端子ごとに
1周期ずつシフトさせて出力する。この結果、ステータ
を駆動する周波数を持ちπ/2[rad]位相がずれた
4つの信号群を得ることができる。そして、2つの位相
シフタ回路19bの出力をπ/2[rad]ずれた出力
端子から取り出すように設定しておいたうえで、位相シ
フタ回路19aからの出力端子を切替器20により順次
切り替えると、π/2[rad]位相が異なるステータ
を駆動する2組の信号群gは、発振器の出力信号が持つ
周期だけ位相がπ/2[rad]からずらすことができ
る。
【0072】図3に示した位相調整回路15は、位相の
シフトをアナログ的に行う回路の一例である。この実施
例においては、位相調整回路15は、波形成形回路21
により発振回路14の出力信号fは必要ならば分周して
進行波の駆動周波数を持つ正弦波形の信号kとする。こ
の信号kを分岐して、一方は電圧を増幅する昇圧回路1
6に入力する。もう一方の信号は位相進み回路と差動増
幅回路とからなる位相シフト回路22に入力する。位相
シフト回路22の出力は昇圧回路16に入力する。ステ
ータ3を駆動する2つの信号をπ/2[rad]からず
らすためには、位相シフト回路22の可変抵抗を変化さ
せることにより行う。
【0073】以上が位相調整回路15の一例の一部であ
るが、次に回転角検出誤差の低減を実験結果により紹介
する。
【0074】図4(a)は本発明による振動波モータ装
置の回転角検出処理方法を用いて測定を行った回転角検
出における誤差の実測例を示すグラフである。本発明に
よるステータ駆動信号の位相調整をせずに回転角検出の
測定を行った実測例を、図4(b)に示す。図4
(a),(b)において、横軸はステータの基準位置に
対するロータの回転角度を、ステータに励振された進行
波の一波長を2π[rad]とする位相角で示した軸で
あり、ロータ1回転では10π(波数×2π)[ra
d]である。縦軸には検出された回転角の位相角を回転
角に換算(波数で割る)した角度から、実際の回転角度
を差し引いた回転角度検出誤差を[deg]で示してい
る。図4(a)に示した本発明による振動波モータ装置
を用いて検出した回転角検出誤差は、従来例を示す図4
(b)にみられる回転角検出誤差の内、進行波の波長の
1/2、すなわち位相角π[rad]を一波長に持つ周
期的な誤差が低減されて従来例に比べて小さい。
【0075】ところで、ステータの基準位置25に相当
する振動を電気信号dとして取り出す方法には2つあ
る。一つは図1に示したようにステータ3に供給される
モータ駆動回路17から分岐した信号dを使用する方法
である。圧電素子駆動用の信号群aに変換する昇圧回路
16の手前からデジタル信号の状態で分岐させることが
できるため特別な回路が不要な点が長所である。また別
の方法は本発明の第2の実施例を示す図5にあるよう
に、ステータ3の機械振動を振動検出器を用いて取り出
す方法で、ステータ3を駆動している圧電素子上にセン
サ用電極7を作り、そこから電気信号を取り出し、比較
回路11′によりデジタル信号13に変換して位相差検
出回路12に入力する方法である。共振状態の圧電素子
に流入する電圧と電流とは、共振状態の変化により両者
の位相関係が外部負荷や環境温度により変動する。図1
の方法では共振状態の変化を検出することは不可能なの
に対して、図5の方法はステータ3の振動を直接検出し
ているので共振状態の変化に対して誤差が発生するおそ
れがないのが長所である。
【0076】また、実際の圧力検出信号bには不要な機
械振動や、圧電体上に設けた電極の容量に起因する共振
等がノイズとし混在することを防止するため、ステータ
3の駆動振動の周波数を中心周波数とする信号成分だけ
を取り出す帯域通過フィルタを圧力検出用圧電体6と比
較回路11の間に設けることにより、検出信号bの安定
化を図り回転角検出に対して信頼性が向上する。
【0077】
【発明の効果】駆動用の振動子である圧電素子上に設け
られた電極の形状、圧電素子の特性である電気信号から
機械振動への変換効率、及び振動子と共振子との接合強
度などにばらつきが生じることによって発生する回転角
検出特性の周期的な誤差に対して、本発明の振動波モー
タ装置は、ステータを駆動する信号群の位相を調整でき
るために位相混合の不具合すなわち位置位相誤差が原因
で生じる進行波の歪を補正し、周期的に発生する不要な
位相遅れと進みを低減することができ、回転角検出精度
の向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示した分解斜視図を含
むブロック図である。
【図2】図1の位相調整回路の一例を示したブロック図
である。
【図3】図1の位相調整回路の他の例を示したブロック
図である。
【図4】図1に示す実施例における回転角検出誤差、お
よび従来の回転角検出誤差の実施例を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の第2の実施例を示す分解斜視図を含む
ブロック図である。
【図6】従来の振動波モータ装置を示す分解斜視図を含
むブロック図である。
【図7】図6に示す従来例および図1に示す本発明を示
す実施例に共通な回転角検出の動作原理を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 共振子 2 振動子 3 ステータ 4 ライニング 5 ロータ 6 圧電体 7 センサ電極 8 ばね 9 ロータ基板 10 電極 11 比較回路 12 位相差検出回路 13 回転角検出回路 14 発振回路 15 位相調整回路 16 昇圧回路 17,23 駆動回路 18,24 分周回路 19a,19b,22 位相シフタ回路 20 切替器 21 波形成形回路 25 基準位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動波形を有する電気信号を入力して機械
    振動に変換する振動子と、前記振動子と結合した共振子
    とを有するステータと、前記ステータに加圧されて接触
    するロータとを備える振動波モータにおいて、 前記ステータの共振周波数に対応する周波数を持つ振動
    性の信号を発生する発振回路、この発振回路の出力信号
    を受けて位相を調整して出力する信号のうち少なくとも
    一つの信号の位相を他の信号の位相とは独立に変化させ
    ることができる位相調整回路、前記位相調整回路の出力
    を受けて電圧を増幅する昇圧回路とを有する駆動回路を
    備え、前記駆動回路の出力信号を前記の振動子の入力信
    号として励振された前記ステータの振動を圧力変動とし
    て検出する圧電体を前記ロータに備え、前記圧電体は少
    なくとも一部に周囲を絶縁して設けた電極と、この電極
    から出力される振動性の信号を受けてこの信号と同期し
    たデジタル信号に変換する比較回路と、前記比較回路の
    出力信号と駆動回路から出力され前記の共振子に入力す
    る信号と同期した信号とを入力して前記ロータの回転角
    に対応した位相差を検出する位相差検出回路を備えるこ
    とを特徴とする振動波モータ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の振動波モータ装置におい
    て、 振動子の一部に振動検出用の電極を設け、この電極より
    出力される信号をデジタル信号に変換する比較回路を設
    け、前記比較回路から出力される信号を、請求項1に記
    載した駆動回路から出力され前記の共振子に入力する信
    号と同期した信号に代えて位相差検出回路に入力するこ
    とを特徴とする振動波モータ装置。
JP3236713A 1991-09-18 1991-09-18 振動波モータ装置 Pending JPH0583962A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0702420A1 (fr) * 1994-09-16 1996-03-20 CROUZET Automatismes (Société Anonyme) Machine à ondes acoustiques de surface
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CN106549603A (zh) * 2017-01-11 2017-03-29 上海交通大学 一种单振子激励的双行波旋转超声电机

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