JPH0576188A - 振動波モータ装置 - Google Patents

振動波モータ装置

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Publication number
JPH0576188A
JPH0576188A JP3230647A JP23064791A JPH0576188A JP H0576188 A JPH0576188 A JP H0576188A JP 3230647 A JP3230647 A JP 3230647A JP 23064791 A JP23064791 A JP 23064791A JP H0576188 A JPH0576188 A JP H0576188A
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JP
Japan
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signal
stator
detection
vibration
circuit
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Application number
JP3230647A
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English (en)
Inventor
Satoru Segawa
哲 瀬川
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動波モータに内蔵する圧電体を用いた回転
角検出において、周期的な誤差発生を低減し回転角検出
の精度を向上させる。 【構成】 ロータ5に内蔵した圧電体6の電極10を、
ステータ3に励振される波が持つπ/2[rad]の位
相角を隔てて配置し、ステータ3の進行性振動をロータ
側でπ/2の位相角隔てた位置から電気信号b1 ,b2
として検出する。2系統ある検出信号b1 ,b2 は全波
整流回路11に入力し、整流後の2つの信号c1 ,c2
は演算回路12により差がとられ、比較器でデジタル信
号eに変換後、分周する。分周された信号fとステータ
駆動信号と同期した信号gとの位相差を検出することに
より回転角検出信号hを得る。この結果、位相角πを周
期として発生している回転角検出誤差をπ/2ずれた電
極位置により検出した信号の位相を重ね合わせることが
可能になり周期的な回転角検出誤差を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波領域の振動を駆
動源とする振動波モータ、特に回転角を検出する回転角
検出機構を備える駆動波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体に伝搬する進行波を動作原理とす
る振動波モータが、特願昭57−29400号明細書、
および日経メカニカル1989 8−21(no.30
4)114頁に紹介されている。振動子である圧電素子
と弾性体とを一体化したステータに位相が異なる2相以
上の電気信号を入力し、ステータに波の腹と節が移動す
る屈曲進行波を発生させる。屈曲進行波が励振されてい
るステータ上のある一点に着目すると、進行波の凹凸に
よる上下運動と部材の伸縮による水平方向(ロータの移
動方向)との運動とが重なり、一点は楕円軌道を描く。
この楕円軌道の頂点付近をロータと加圧接触させること
により、ステータに励振されている進行波の進む向きと
は逆方向にロータが駆動される。以上が一般に用いられ
ている進行波を動作原理とする振動波モータの動作原理
である。
【0003】また、回転角検出機能を備え、進行波を用
いた振動波モータは、本出願人から既に出願された特許
出願明細書(特願昭63−184164号明細書,特願
昭63−157289号明細書(特開平2−7876号
公報))に開示されている。この振動波モータの動作原
理について、図9および図10を用いて説明する。
【0004】図9は従来の回転角検出機能を備えた振動
波モータ装置の構成を説明した分解斜視図を含むブロッ
ク図であるが、図9の上部に示すように、弾性の共振子
1の裏面に、この共振子1と同様な形状の振動子2であ
る圧電素子を接合して一体化したステータ3を構成して
いる。ステータ3の図面上右方には、ロータ21が設け
てあり、ばね8等の加圧手段によって所定の圧力に押圧
されている。ロータ21は、ステータ3との圧力を部分
的に検出する圧電体22を有し、この圧電体22のステ
ータ3と接触する表面には、耐摩耗性に優れたエンジニ
アリングプラスチクスを用いたライニング4が接合され
ている。圧電体22にある電極10は、ステータ3に励
振されている屈曲進行波の凹凸に対応する接触圧力を検
出して電気信号bに変換して出力する。
【0005】図9の駆動回路19においては発振回路1
8よりステータ3の共振周波数に対応し、位相が異なる
2つ以上の振動性の信号群kが出力され、この信号群k
を受けて電圧を昇圧する昇圧回路17により駆動信号群
aが出力される。駆動信号群aは位相のみが異なり、振
幅や周波数は同一である。駆動信号群aは、一般的には
進行波をステータ3に励振するために、π/2[ra
d]位相が異なる2つ以上の信号を与える。
【0006】ロータ21の回転角を検出するためには、
ロータ21に内蔵された圧電体22に設けられた電極1
0からの振動性の電気信号bを比較回路13によりデジ
タル信号fに変換した後、このデジタル信号fとステー
タ3を駆動している信号群aと同期した信号gとの位相
差を位相差検出回路15により検出し、ロータ21の回
転角度に対応した信号hを得る。
【0007】図9の従来例のステータとロータの関係を
図9(a),(b)に模式的に示してあり、ステータに
あるきざみやばね等は省略してある。ステータ3の基準
位置24はステータ3に設定された極座標でθ=0の位
置とした。
【0008】図10において、ステータ3の中心を原点
に、ステータ3の円周上の一部をステータの基準位置2
4とし、半径方向に原点と基準位置とを結ぶ半直線を基
準に、円周方向に反時計回りの向きにステータ3の回転
位置θ[rad]を、半径方向に長さr[m]とする極
座標を設定する。
【0009】 A[V]:入力電圧振幅 d[μm/v]:電気振動−機械振動の変換率 t[sec]:時刻 f[Hz]:ステータ3に供給される信号の周波数(周
期) θ[rad]:ステータ3上の位置 n:ステータ3に励振された進行波の波数 とする。ここでは一般的に採用されている方法として、
位相の異なる2相の電気信号により進行波を励振するも
のとする。振動子2に入力する電気信号を、
【0010】
【数1】
【0011】とする。φ1 ,φ2 の信号が加えられる圧
電素子の電極位置が互いに90°位相ずれていることを
考慮すると、ステータに励振される振動は
【0012】
【数2】
【0013】で表される。δ1 とδ2 とがステータで合
成されて進行波が励振される。進行波の振幅を表す式は
【0014】
【数3】
【0015】となる。さらに、図9のロータ21に内蔵
された圧電体22の圧電効果による機械振動−電気振動
の変換率をg[V/μm]とし、圧電体22に設けられ
た電極10の位置をθとすると、ロータの電極10から
出力される電気信号を表す式は、
【0016】
【数4】
【0017】となる。
【0018】ステータの基準位置24での振動は(5)
式でθ=0として、
【0019】
【数5】
【0020】で得られる。
【0021】ロータに内蔵された圧電体の電極の位置が
θ=0の位置、すなわち図10においてステータの基準
位置24と同じ回転角の位置にある場合については、ロ
ータの電極10から出力される振動性の信号bは(6)
式でθ=0として
【0022】
【数6】
【0023】となる。従って、ロータ21の電極10が
ステータ3の基準位置24と同じ回転角にある場合に
は、(7)式と(8)式との間に回転角θに伴う位相差
は生じない。同様に、駆動回路19からの分岐した信号
gは(1)式に示す信号φ1 と同期した信号でありこの
(1)式と(8)式との間にも回転角θに伴う位相差は
生じない。
【0024】さて、ロータ21が回転してロータ21の
電極10の位置が図10(b)に図示したようにθ=m
[rad]の場合には、ロータ21の電極10から出力
される信号bは、(6)式においてθ=mとして、
【0025】
【数7】
【0026】と表される。一方、ステータの基準位置で
の振動は(7)式と変わらず、あるいは、駆動回路19
からの分岐した信号gも(1)式と変わらない。すなわ
ちロータの電極10の位置がステータの基準位置と回転
角m隔たった位置にある場合には、(9)式と(7)式
あるいは(9)式と(1)式で示されるように位相差は
m・nとなる。nはステータに励振される進行波の波数
であり一定値であるから回転角mが増大すると位相差m
・nも増大する。nはステータに励振される振動の波数
であり、ステータの設計により既知である。従って、ロ
ータの回転角に応じた位相差信号hを得ることにより、
ロータの回転角m[rad]を知ることができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の振
動波モータ装置では、ステータを構成する振動子(圧電
素子)には振幅は同じで位相の異なる電気信号φ1 ,φ
2 を入力し、これら電気信号φ1 ,φ2 が変換された振
動δ1 ,δ2 が合成されて進行波がステータに励振され
る。しかし、実際には入力される(3)式,(4)式で
示される電気信号の振幅が同じで、位相差が90°であ
っても、実際に励振される機械振動の振幅が異なり位相
差も90°でない場合が生じる。この理由としては、2
つの信号に対して、 圧電素子上に印刷された電極面積と電極位置の偏り、 圧電素子の特性である電気信号から機械振動への変換
効率の偏り 圧電素子と共振子との接合強度が異なる ことが原因として考えられる。そして、2つの電気信号
の振幅が同じで位相差が90°であっても、実際にステ
ータに励振される振動の大きさに違いが生じる場合、あ
るいは位相差にも誤差が生じている場合には、ステータ
の振動とロータに内蔵された圧電体からの信号との位相
差が、ロータの回転角度に正しく対応しなくなる。この
ことについて数式を用いて更に説明する。
【0028】電気信号φ1 に対する電気−機械変換率d
をd1 、電気信号φ2 に対する変換率dをd2 とする
と、ステータ3に励振される振動は
【0029】
【数8】
【0030】となるが、さらに、φ1 ,φ2 の信号が加
えられる圧電素子のうち、一方の電極位置が設計値の位
相差90°から電気位置の誤差角ε[rad]だけずれ
ている場合を考慮すると、ステータに励振される振動は
【0031】
【数9】
【0032】で示される。
【0033】d2 /d1 =α とおくと、ステータに励振される波を表す式は
【0034】
【数10】
【0035】で示される。
【0036】但し、(13)式は周期関数の逆関数であ
り、無限多価関数である。以降、特に注意しない限り−
π/2〜+π/2の主値を対象とする。
【0037】第1の電気信号による振動と第2の電気信
号による振動との位相および振幅とも異なる場合につい
て、ロータ21が回転してロータ21の電極10の位置
がθ=m[rad]の場合には、ロータ21の電極10
から出力される信号bは、(12),(13)式におい
てθ=mとして、
【0038】
【数11】
【0039】となる。このとき、
【0040】
【数12】
【0041】で示される回転角度の検出誤差が生じるこ
とになり問題である。
【0042】
【課題を解決するための手段】(16)式で示される回
転角検出誤差はステータに励振される波の2倍の周期を
持つ。つまりステータに励振される波の位相π/2[r
ad]に相当する角度だけ離れた位置で検出される回転
角検出の誤差は、(16)式で示される周期の1/2に
あたり符号が反転している。従って回転角検出用の電極
をπ/2[rad]の位相角隔てた位置に2系統設けて
回転角検出の誤差が相殺するように信号処理をすること
により、(16)式で示される周期的な回転角検出誤差
を低減できる。
【0043】すなわち、ロータに備えた圧電体は、絶縁
部を挟んでπ/2[rad]の位相角で配置された圧力
検出用電極を少なくとも1つ以上備え、π[rad]の
位相角を隔てた隣合う圧力検出用電極は互いに逆方向に
分極を施し、π[rad]の位相角を隔てた圧力検出用
電極のそれぞれから出力する信号を並列に接続して一つ
の圧力検出信号とし、前記電極とはπ/2[rad]の
位相角を隔てて配置された残りの圧力検出用電極につい
てもπ[rad]の位相角を隔てた電極から出力する信
号を並列に接続し前記圧力検出信号とは別に一つの圧力
検出信号とし、前記の2つの圧力検出信号を受けてそれ
ぞれ整流を行う2つの全波整流回路を備え、前記の全波
整流回路から出力された2つの信号の大きさの差をとる
演算回路と、前記演算回路の出力信号を受けてこの信号
と同期したデジタル信号に変換する比較回路と、前記比
較回路の出力信号が持つ周期を半分にする分周回路と、
前記分周回路の出力信号と前記の共振子に入力する信号
を分岐した信号とを入力して前記ロータの回転角に対応
した位相差を検出する位相差検出回路を備えることを特
徴とする振動波モータ装置を用いる。
【0044】あるいは、前記の振動波モータ装置におい
て、振動子の一部に振動検出用の電極を設け、この電極
より出力される信号をデジタル信号に変換する比較回路
を設け、前記比較回路から出力される信号を、共振子に
入力する信号を分岐した信号に代えて位相差検出回路に
入力することを特徴とする振動波モータ装置を用いるこ
とにより回転角検出の誤差を低減できる。
【0045】
【実施例】図1において共振子1は、燐青銅やアルミ青
銅および黄銅などの弾性を有する材料で形成される。共
振子1の下面に接合されている振動子(圧電素子)2に
は、電気信号(例えば47kHz,±70Vの正弦波状
の超音波)を入力してステータ3の屈曲進行波を励振す
る。振動子2は、従来の技術のところで説明したよう
に、ステータ3に屈曲進行波が生じることによって、楕
円軌跡をもつ振動を生ずる。この振動をライニング4に
皿ばね8によって加圧して接触させることによって、ロ
ータ5に回転運動が生じる。
【0046】ロータ5に設けた圧電体6は、圧力によっ
て生じる歪みに対して電圧が変化する圧力検出器であ
り、直径30mm,厚さ0.5mmの圧電素子を用いて
いる。
【0047】圧電体6がステータ3と接触する表面に
は、耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチクスを
用いたライニング4が接合されている。圧電体6の他方
の面は、ロータ5に接合されている。
【0048】この振動波モータ装置は、ロータ5に位相
角でπ/2[rad]隔てた位置に2系統の圧力検出用
電極と、この電極からの2つの信号b1 ,b2 を利用し
て精度劣化につながる周期的な位相の遅れと進みを低減
する信号処理回路を持つ点が従来の装置と大きく異なる
点である。
【0049】以下、図1の実施例を示した図と図2に示
した回転角検出用圧電体6の電極パターンを表す平面図
とを利用して説明する。
【0050】ロータ5に設けた圧電体6には、ステータ
3を励振される屈曲進行波の山と谷とに対応する位置に
電極10を設けて、部分的な接触圧力を検出し、電気信
号b1 ,b2 に変換して出力する。本発明の電極10
は、圧電体6に絶縁部11を挟んでステータ3に励振さ
れる波が持つπ/2[rad]の位相角を隔てた位置に
配置する。このように配置することによりステータ3に
励振されている進行性の振動をロータ側でπ/2[ra
d]の位相角だけずれた位置から常に検出することがで
きる。さらに感度を増すために、2系統それぞれについ
て位相角でπ[rad]隔てた位置にも電極10を設け
る。このπ[rad]の位相角を隔てた位置にある圧力
検出用電極は、互いに逆方向に分極を施すことにより、
位相角でπ[rad]の位置においてステータ3に励振
されている振動の凹凸に対応させる。そして一系統あた
りステータ3に励振される波数の2倍の数の電極10を
設け、最大で波数の合計4倍の圧力検出用電極により2
系統の圧力検出群を構成する。
【0051】本実施例の振動波モータでは、ステータ3
に5つの山をもつ進行波を励振して駆動するように設計
されているために、検出用の圧電体6には、位相角でπ
/2[rad]、実際の配置を示す角度では18度隔て
た位置に、異なる系統の信号を出力するための電極を合
計10組設け、そのうち位相角でπ[rad]隔てた位
置にある電極は逆方向に分極を施す。結局、18度ずつ
隔てた20個の圧力検出用電極が+,+,−,−,+,
+,−,−,…の順に分極が行われた電極が設けられ
る。
【0052】この圧電体6に設けた20個の電極のう
ち、位相角でπ[rad]ずつ隔てた位置にある10個
電極をそれぞれ接続し、2系統の圧力検出信号b1 ,b
2 を取り出す。検出信号b1 ,b2 の処理を図1と信号
波形を示した図3を利用して説明する。この2系統ある
検出信号b1 ,b2 はそれぞれ全波整流回路11に入力
し、全波整流した後に整流後の2つの信号b1 ,b2
演算回路12により信号c1 ,c2 の差がとられる。2
系統ある正弦波形をゼロ電位で折り返した波形をもつ信
号c1 ,c2 は差動により三角波形をもつ信号dにな
る。比較回路13により三角波形信号dのゼロクロス点
において信号のデジタル化が行われる場合には、位相角
で±π/4[rad]近傍の2つの検出信号c1 ,c2
の差をとった結果が三角信号のゼロクロス点になり両者
の検出信号の位相誤差を重ねあわせることに相当するた
め、検出位相誤差は低減される。さて演算回路12から
の出力信号dは、比較回路13によって振動波形の正負
がそれぞれ“1”と“0”に対応するデジタル信号eに
変換される。このデジタル信号eの周期は、ステータ3
を駆動する信号と同期した信号gの2倍の周期を持つ。
このため周期を半分にする分周回路14に入力する。分
周回路14の出力信号fは、図10のステータの基準位
置24に相当する振動と同期したパルス信号gと共に位
相差検出回路15に入力する。
【0053】ステータの基準位置24に相当する振動を
電気信号gとして取り出す方法には2つある。一つは図
1に示したように、ステータ3に供給されるモータ駆動
回路19から分岐した信号gを使用する方法である。圧
電素子駆動用の信号群aに変換する昇圧回路17の手前
からデジタル信号の状態で分岐させることができるた
め、特別な回路が不要な点が長所である。また別の方法
は、本発明の第2の実施例を示す図4にあるように、ス
テータ3の機械振動を振動検出器を用いて取り出す方法
でステータ3を駆動している圧電素子上にセンサ用電極
7を作り、そこから電気信号を取り出し、比較回路13
によりデジタル信号13に変換して位相差検出回路15
に入力する方法である。共振状態の圧電素子に流入する
電圧と電流とは共振状態の変化により両者の位相関係が
外部負荷や環境温度により変動する。図1の方法では、
共振状態の変化を検出することは不可能なのに対して、
図4の方法はステータ3の振動を直接検出しているので
共振状態の変化に対して誤差が発生するおそれがないの
が長所である。
【0054】さて、回転角検出用圧電体6から出力され
全波整流,演算および分周処理された信号fと、ステー
タの基準位置24の振動に相当する信号gとは、位相差
検出回路15に入力してその位相差を検出する。この位
相差が回転角に対応する。位相差検出回路15をAND
ゲートで構成することにより、図3に示すように回転角
を表す位相差をデジタル信号hのDUTY比、 ta /T として出力することができる。ここでT[sec]はス
テータに励振された進行波の周期であり、ta [se
c]は位相差検出回路から出力されたデジタル信号の1
の時間を示している。回転角はDUTY比に2πを掛け
位相角に換算したのち波数で除して求めることができ
る。すなわち、 回転角=ta /T×2π/n[rad] となる。
【0055】また、実際の圧力検出信号b1 ,b2
は、不要な機械振動や、圧電体上に設けた電極の容量に
起因する共振等がノイズとして混在するため図5に示す
ように、検出信号b1 ,b2 は圧力検出用圧電体と全波
整流回路11の間に設けた帯域通過フィルタ20にそれ
ぞれ入力してステータ3の駆動振動の周波数を中心周波
数とする信号成分だけを取り出すようにする。
【0056】以上述べた実施例について、さらに数式と
図を用いて2系統の回転角検出用電極による信号検出か
ら信号処理を行うことにより誤差が低減される様子を説
明する。
【0057】2相の駆動信号で励振された進行波が歪ん
でいる場合に、すなわちステータ基準位置での振動が
(12),(13)式で示されるとき、2系統ある電極
の内、一方の電極から出力される信号は、(14),
(15)式で示される。
【0058】また他方の系統の電極から検出される信号
は、位相角でπ/2[rad]ずれた進行波の振動が検
出されることから(12),(13)式で
【0059】
【数13】
【0060】として、
【0061】
【数14】
【0062】となる。回転角検出の誤差は
【0063】
【数15】
【0064】で示される。更に(16)式で示される誤
差と(20)式で示される誤差および(16)式と(2
0)式とを重ね合わせたときの誤差、
【0065】
【数16】
【0066】で示される。(21)式の計算結果を図6
(a)〜(d),図7(e)〜(h)に示す。
【0067】図6,図7では、2相の駆動信号群aが振
動子2と共振子1により機械振動に変換される場合に生
じる振幅誤差と位相誤差をいろいろ変化させ、回転角検
出の誤差に対する影響を図に示す。図6,図7では横軸
にロータの回転角度m[rad]を位相角で示し(つま
り位相角π[rad]のとき実際のロータ回転角はπ/
n[rad]となる)、縦軸には回転角検出の誤差角を
示す。(16)式,(20)式をそれぞれ細線で、(2
1)式を太線で示す。図6(a)から図7(h)まであ
る一連の図は、ステータ3で生じる進行波の誤差を以下
のように設定して計算したものである。
【0068】 図6(a) 振幅誤差α=1.5 位相誤差ε=0° 図6(b) 振幅誤差α=0.7 位相誤差ε=0° 図6(c) 振幅誤差α=1.0 位相誤差ε=18° 図6(d) 振幅誤差α=1.0 位相誤差ε=−18
° 図7(e) 振幅誤差α=1.5 位相誤差ε=18° 図7(f) 振幅誤差α=1.5 位相誤差ε=−18
° 図7(g) 振幅誤差α=0.7 位相誤差ε=18° 図7(h) 振幅誤差α=1.0 位相誤差ε=0° ところで本発明で問題にしている回転角の検出は、ある
回転角の時に計測した検出信号の位相と、ロータが回転
して再び計測した時の位相とを比較して、回転角度を算
出するものである。すなわちステータの基準位置からの
絶対的な回転角ではなく、相対的なロータ回転角度を検
出するものである。従って回転角検出の誤差に対しては
基準位置からの回転角m[rad]に対する誤差より
も、誤差が変動することの方が問題となる。図6,図7
において何れの振幅誤差αと位相誤差εに対しても、太
線で示された誤差変動は細線で示された誤差変動よりも
小さい。すなわち(16)式,(20)式で示される誤
差変動よりも、(16)式と(20)式とを重ね合わせ
た(21)式で示される誤差変動の方が小さい。従って
相対的な回転角検出においては、(21)式で示される
ように2系統の検出信号を重ね合わせることにより、回
転角検出の誤差を低減できる。
【0069】さらに回転角検出誤差の低減を実験結果に
より紹介する。図8(a)は本発明による振動波モータ
装置の回転角検出処理方法を用いて測定を行った回転角
検出における誤差の実測例を示すグラフである。本発明
による検出信号が持つ位相の重ね合わせをせずに、2系
統組み込まれた本発明の回転角検出電極の出力信号それ
ぞれに従来の1系統の回転角検出処理方法を適用して回
転角検出の測定を行った実測例を、図8(b)に示す。
図8(a),(b)において、横軸はステータの基準位
置に対するロータの回転角度を、図10と同様にステー
タに励振された進行波の一波長を2π[rad]とする
位相角で示した軸であり、ロータ1回転では10π(波
数×2π)[rad]である。縦軸には検出された回転
角の位相角を回転角に換算(波数で割る)した角度か
ら、実際の回転角度を差し引いた回転角度検出誤差を
[deg]で示している。図8(a)に示した本発明に
よる振動波モータ装置を用いて検出した回転角検出誤差
は、従来例を示す図8(b)にみられる回転角検出誤差
の内、進行波の波長の1/2、すなわち位相角π[ra
d]を一波長に持つ周期的な誤差が低減されて従来例に
比べて小さい。
【0070】
【発明の効果】駆動用の振動子である圧電素子上に設け
られた電極の形状、圧電素子の特性である電気信号から
機械振動への変換効率、及び振動子と共振子との接合強
度などにばらつきが生じることによって発生する回転角
検出特性の周期的な誤差に対して、本発明の振動波モー
タ装置は、2つの検出系により検出した回転角検出用の
位相差情報を重ね合わせることができるため、誤差の発
生を低減することができ、回転角検出精度の向上に効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示した分解斜視図を含
むブロック図である。
【図2】図1のロータ5に内蔵された圧電体6の電極パ
ターンを示した平面図である。
【図3】図1のブロックに入出力される信号の波形を示
した説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す分解斜視図を含む
ブロック図である。
【図5】本発明の振動波モータ装置の回転角検出回路部
分についての別の実施例を示すブロック図である。
【図6】従来の回転角検出誤差および図1に示す実施例
を用いた回転角検出誤差の計算例を示す図である。
【図7】従来の回転角検出誤差および図1に示す実施例
を用いた回転角検出誤差の計算例を示す図である。
【図8】図1に示す実施例および従来例における回転角
検出誤差の実測例を示すグラフである。
【図9】従来の振動波モータ装置を示す分解斜視図を含
むブロック図である。
【図10】図8に示す従来例および図1に示す本発明を
示す実施例に共通な回転角検出の動作原理を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 共振子 2 振動子 3 ステータ 4 ライニング 5,21 ロータ 6,22 圧電体 7 センサ電極 8 ばね 9 ロータ基板 10 電極 11 全波整流回路 12 演算回路 13 比較回路 14 分周回路 15 位相差検出回路 16,23 回転角検出回路 17 昇圧回路 18 発振回路 19 駆動回路 20 帯域フィルタ 24 基準位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動波形を有する電気信号を入力して機械
    振動に変換する振動子と、前記振動子と結合した共振子
    とを有するステータと、前記ステータに加圧されて接触
    するロータとを備える振動波モータにおいて、 前記振動子により励振された前記ステータの振動を圧力
    変動として検出する圧電体を前記ロータに備え、前記圧
    電体は絶縁部を挟んでπ/2[rad]の位相角で配置
    された圧力検出用電極を少なくとも1つ以上備え、π
    [rad]の位相角を隔てた隣合う圧力検出用電極は互
    いに逆方向に分極を施し、π[rad]の位相角を隔て
    た圧力検出用電極のそれぞれから出力する信号を並列に
    接続して一つの圧力検出信号とし、前記電極とはπ/2
    [rad]の位相角を隔てて配置された残りの圧力検出
    用電極についてもπ[rad]の位相角を隔てた電極か
    ら出力する信号を並列に接続し接続圧力検出信号とは別
    に一つの圧力検出信号とし、前記の2つの圧力検出信号
    を受けてそれぞれ整流を行う2つの全波整流回路を備
    え、前記の全波整流回路から出力された2つの信号の大
    きさの差をとる演算回路と、前記演算回路の出力信号を
    受けてこの信号と同期したデジタル信号に変換する比較
    回路と、前記の比較回路の出力信号がもつ周期を半分に
    する分周回路と、前記分周回路の出力信号と前記の共振
    子に入力する信号を分岐した信号とを入力して前記ロー
    タの回転角に対応した位相差を検出する位相差検出回路
    を備えることを特徴とする振動波モータ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の振動波モータ装置におい
    て、 振動子の一部に振動検出用の電極を設け、この電極より
    出力される信号をデジタル信号に変換する比較回路を設
    け、前記比較回路から出力される信号を、前記共振子に
    入力する信号を分岐した信号に代えて位相差検出回路に
    入力することを特徴とする振動波モータ装置。
JP3230647A 1991-09-11 1991-09-11 振動波モータ装置 Pending JPH0576188A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063653A1 (fr) * 1998-05-29 1999-12-09 Star Micronics Co., Ltd. Technique de detection de position et appareil correspondant, moteur a ultrasons et technique de commande de ce moteur

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063653A1 (fr) * 1998-05-29 1999-12-09 Star Micronics Co., Ltd. Technique de detection de position et appareil correspondant, moteur a ultrasons et technique de commande de ce moteur

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