JP3164683B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3164683B2
JP3164683B2 JP01202293A JP1202293A JP3164683B2 JP 3164683 B2 JP3164683 B2 JP 3164683B2 JP 01202293 A JP01202293 A JP 01202293A JP 1202293 A JP1202293 A JP 1202293A JP 3164683 B2 JP3164683 B2 JP 3164683B2
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浩之 今林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波モータ、詳しく
は、電気−機械エネルギー変換素子より発生する振動に
よって回転する超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】電気−機械エネルギー変換素子より発生
する振動によって回転する超音波モータは、従来より種
々提案されていて、このようなものの一例が、特開平4
−91668号公報に開示されていている。該公報に記
載の振動子は、駆動用振動モードの節位置の外径に比較
して、その両端部の外径を太く形成している。振動子の
形状をこのように形成することにより、直径が一様であ
る振動子と比較して固有振動数を下げることができ、逆
にモーダル質量が大幅に増加して大きな振動振幅を得る
ことができるものである。このような技術手段を用いる
ことによって、モータ駆動用の回路系を含めたモータ効
率を向上し、駆動を安定化させる構成となっている。
【0003】また、上述と同様な効果を得る他の技術手
段として、大径部を高密度部としたものが、特開平4−
91670号公報に提案されている。この技術手段で
は、ランジュバン型超音波振動子の圧電素子に電圧を印
加するために、金属製の薄板を該圧電素子と略同形状に
形成して電極板とし、この電極板からリード線を接続す
るための端子部を突設し、このような電極板を上記圧電
素子の両端面に固定していて、電圧印加手段としてはこ
のような構成が一般的なものである。このような電圧印
加手段は、製作が容易であり、しかも圧電素子と良好な
密着性が得られるために古くから多用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−916
68号公報に記載されるような、大径部を振動の腹位置
に配設して振動振幅の拡大を図る技術手段は、非常によ
く用いられるものであるが、一般に振動子の大型化,高
重量化を招くことが懸念されている。電気−機械エネル
ギー変換素子である圧電素子の外周径に対して、付加質
量の部分の外周を大きくすれば径方向に大型化してしま
い、一方、軸方向に付加質量の部分を長くしようとすれ
ば振動子の全長が大型化してしまう。このような振動子
を用いた超音波モータは、スペースが比較的余裕のある
部分に用いる場合にはあまり問題とならないが、限られ
たスペースに用いる場合には大きな欠点となり、実際に
は用いることができない。
【0005】また、上記特開平4−91670号公報に
示されるように、高密度部を振動の腹位置に用いる場合
には小型化が図れるが、2種類の異なった材質の部材が
必要となったり、これら複数の部材を組み立てる工程が
増加したりして、コストが上昇してしまうという問題点
がある。
【0006】一方、上述のような電圧印加手段は、超音
波振動子の外周径から電極板の端子部が突出するため
に、スペース上の問題を有していた。さらに、圧電素子
を多層に積層する場合、超音波振動子の外周に多数の端
子部が突出するのに加えて、これらの端子部に接続され
るリード線の数も多くなり、さらにスペース上の問題が
大きくなる。そして、配線が煩雑になることもいうまで
もない。これらは、特に小型の超音波モータ(例えばφ
10(mm)以下の超音波モータ)において重要な問題点と
なっている。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、振動振幅を拡大して効率を向上できる、小ス
ペースの超音波モータを提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による第1の超音波モータは、棒状の電気
−機械エネルギー変換素子を備え、該電気−機械エネル
ギー変換素子に電気信号を印加することにより端面が中
心軸に対して傾斜しながら回転運動する振動発生部と、
この振動発生部の一方の端面に隣接して同軸に設けら
れ、側面に溝を有する振動片と、この振動片と上記振動
発生部との接続部に形成され、該振動発生部の共振周波
数と上記振動片の共振周波数とが一致する形状をなす
ランジ部と、上記振動片押圧され、所定方向に移動さ
れる被駆動部材と、を具備したことを特徴とする。
た、上記の目的を達成するために、本発明による第2の
超音波モータは、棒状の電気−機械エネルギー変換素子
を備え、該電気−機械エネルギー変換素子に電気信号を
印加することにより端面が中心軸に対して傾斜しながら
回転運動する振動発生部と、この振動発生部の一方の端
面に隣接して同軸に設けられ、且つ軸周りに複数に分割
されている、側面に溝を有する振動片と、この振動片と
上記振動発生部との接続部に形成されたフランジ部と、
上記振動片に押圧され、所定方向に移動される被駆動部
材と、を具備したことを特徴とする。さらに、上記の目
的を達成するために、本発明による第3の超音波モータ
は、棒状の電気−機械エネルギー変換素子を備え、該電
気−機械エネルギー変換素子に電気信号を印加すること
により端面が中心軸に対して傾斜しながら回転運動する
振動発生部と、この振動発生部の一方の端面に隣接して
同軸に設けられ、側面に溝を有する振動片と、この振動
片と上記振動発生部との接続部に配設され、上記中心軸
に平行な面と垂直な面の何れもが薄肉に形成されたフラ
ンジ部と、上記振動片に押圧され、所定方向に移動され
る被駆動部材と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1ないし図4は、本発明の第一実施例を示した
ものである。この第一実施例では、電気−機械エネルギ
ー変換素子として、電圧印加面に銀蒸着された圧電素子
を用いている。
【0011】図1は中心軸から右半分を断面で示した超
音波モータの全体を示す側面図であり、図2は積層され
た圧電素子を中心軸方向に引き伸ばして示した分解斜視
図である。この第一実施例の超音波モータは、中心軸を
構成する締結部材10に対して、圧電素子1,2,3,
4などで構成された発振子5を第一共振器9と第二共振
器17で挟み込んで形成した振動子19に、被駆動部材
たる回転子13を皿ばね20を介してナット21で押圧
量を調整可能にねじ止めして、その主要部を構成されて
いる。
【0012】上記発振子5は、電極板8,第一圧電素子
1,電極板6,第二圧電素子2,電極板8,第三圧電素
子3,電極板7,第四圧電素子4,電極板8をこの順に
積層して構成されている。上記ドーナツ形状の第一圧電
素子1,第二圧電素子2,第三圧電素子3,第四圧電素
子4は、それぞれ中心軸に垂直な方向に分極されてい
て、第一圧電素子1の分極方向と第二圧電素子2の分極
方向とは互いに反転するように配設され、同様に第三圧
電素子3の分極方向と第四圧電素子4の分極方向も反転
されている。そして、第一圧電素子1および第二圧電素
子2の分極軸に対して、第三圧電素子3および第四圧電
素子4の分極軸は、位置的に90°ずれて配置されてい
る。
【0013】また、上記電極板6,8,7は銅で形成さ
れていて、電極板6と電極板7には、90°位相がずれ
た共振周波数附近の正弦波電圧(例えば電極板6にはs
inωt,電極板7にはcosωtの波形を有する電
圧)が図示しない駆動回路からそれぞれ印加されるとと
もに、電極板8はアース(図中、符号Gで示す)に接続
されている。
【0014】上記第一共振器9は、振動伝達に優れた材
質(アルミニウム合金,ステンレス,リン青銅,ジュラ
ルミン,チタン合金など)で形成されていて、本実施例
ではSUS440Cにハードクロムメッキ処理をして、
硬度をHv800以上にしたものを用いている。該第一
共振器9の中心軸部には、締結部材10と螺合する雌ね
じ11が刻設され、振動子19の端面となる方向から電
圧素子1,2,3,4の方向へ向けて、第一共振器9の
端面が締結部材10と接触しないようにカップ状の凹部
12が形成されている。よって、第一共振器9の回転子
13との接触部近傍は薄肉の円筒形状となっていて、振
動片23を構成している。そして、この振動片23より
下側の部分、すなわち第一共振器9の下部と、発振子5
と、第二共振器17とで振動発生部24を構成してい
る。さらに、第一共振器9の外周面には、所定深さの第
一周溝14と第二周溝15が、外周と同心円状に刻設さ
れている。このとき、第二周溝15と共振器9の周面と
を接続する部分、つまり上記振動片23と振動発生部2
4とを接続する部分には、薄肉のフランジ部16が構成
されている。
【0015】また、圧電素子1,2,3,4のもう一方
の端面に配置される第二共振器17も、上記第一共振器
6と同材質で形成されていて、その中心軸部には締結部
材10と螺合するための雌ねじ18が刻設されている。
【0016】図示のように、各圧電素子1,2,3,4
および電極板6,7,8を、締結部材10である2ケ所
のねじ部を有するボルトに貫通させた状態で第一共振器
9と第二共振器17との間に挟み、各構成部材間にエポ
キシ系接着剤を塗布後、圧着し、接着剤を硬化させて超
音波振動子19を構成する。
【0017】上記ボルト10は、超音波振動子19を圧
着構成するとともに、該超音波振動子19の端面に押圧
機構を有する回転子13を支持している。この実施例で
は、皿ばね20の圧着量をナット21によって可変でき
る押圧機構を用いている。
【0018】上記回転子13は、本実施例では、アルミ
ニウム合金で形成するとともに、その摺動部分にシュウ
酸アルマイト処理を施している。該回転子13は、その
周面やや下部に周溝22を刻設し、その下面側はフラン
ジ部22aとなっている。そして、該回転子13はこの
フランジ部22aから下方に向かって一旦、薄肉に形成
された周面となった後、再び内方に向かうフランジ部2
2bが形成されていて、その下部は振動子との接触部2
2cとなっている。このような構成により、回転子13
の接触部の固有振動数が、超音波振動子19の駆動周波
数よりも高くなるようにしている。
【0019】このような第一実施例の作用を説明する。
電極板6,7に互いに位相が90°ずれた共振周波数附
近の正弦波電圧が印加されると、振動発生部24に中心
軸の周りに回転する屈曲振動が発生する。よって、振動
片23の端面には中心軸周りに回転する楕円運動が発生
し、押圧設置された回転子13を回転させる。なお、上
記電極板6,7に加える駆動電圧の位相差を180°ず
らすと、超音波振動子19に逆回転の楕円運動が発生し
て、回転子13を逆回転させる。
【0020】図3は、超音波振動子19が屈曲振動する
際の様子を示す、第一共振器9の半分の断面図である。
上記振動発生部24で発生した屈曲振動が、フランジ部
16を介して振動片23に伝達される。このとき、フラ
ンジ部16の長さlと厚さtを調整して、振動片23の
屈曲振動の共振周波数を振動発生部24の屈曲振動の共
振周波数に一致させる。該フランジ部16は薄肉構造で
あるためばね特性を有し、振動片23を強く励振させ
る。この作用によって、振動発生部24の小さい振動振
幅は、振動片23の端面(すなわち回転子13との接触
面)において、例えば数十倍に拡大された振幅となる。
【0021】図4にフランジ部16の厚さtと振動振幅
の関係をグラフにしたものを示す。図に示すように、振
動振幅は、フランジ部16の厚さがt=0.225(mm)
のときに最大振幅となり、一方、共振周波数はこのとき
最も低くなる。モータを比較的高効率で回転させるため
には、フランジ部16の厚さを0.1(mm)〜0.4(mm)
にするのが良く、この場合には回転子13の回転も安定
している。これに対して、フランジ部16の厚さが0.
1(mm)を下回ったり、0.4(mm)を越える場合には、振
動振幅が極端に小さくなり、モータの効率が低下して発
熱が激しくなる。
【0022】このような第一実施例によれば、振動片2
3の端面には大きな振幅の屈曲振動が励振されるととも
に、回転子13を安定して回転させることができる。ま
た、振動片23と振動発生部24の共振周波数を正確に
一致させているため、最も効率のよい拡大が行われ、モ
ータを高効率にすることができる。さらに、振動片23
の共振周波数はフランジ部16の形状に左右されるた
め、該振動片23の大きさを調整する必要がなく、超音
波振動子の小型化が図れる。このように、小型でかつ効
率の高い超音波モータとすることができる。
【0023】図5は、本発明の第二実施例を示したもの
である。この第二実施例は上記第一実施例における振動
片を4分割したものであるので、第一実施例と同様であ
る部分については説明を省略し、異なる部分のみを説明
する。
【0024】第一共振器9には上記第一実施例と同様
に、カップ状の凹部12,第一周溝14,第二周溝1
5,フランジ部16が形成されている。そして、該第一
共振器9には、その周方向に4等分する4本の溝25
が、回転子13(図一参照)の配設される方向から圧電
素子1,2,3,4の方向へ向かって、中心軸に平行に
所定の深さに形成されている。すなわち、振動片23
は、周方向に沿って4つの部分に分割されている。
【0025】このように構成された第二実施例の作用を
説明する。振動片23の径方向の運動の規制が大幅にな
くなるため、該振動片23が大きく振動するようにな
る。このとき、フランジ部16の形状を調整し、振動発
生部と各振動片23の共振周波数を一致させていること
は、上記第一実施例と同様である。
【0026】このような第二実施例によれば、上記第一
実施例とほぼ同様の効果を有するとともに、さらに大き
な振動振幅が振動片端面に発生するため、比較的高回転
数の超音波モータが得られる。
【0027】図6は、本発明の第三実施例を示したもの
である。この第三実施例は上記第一実施例におけるフラ
ンジ部の形状を変形したものであるので、第一実施例と
同様である部分については説明を省略し、異なる部分の
みを説明する。
【0028】図に示すように、この第三実施例のフラン
ジ部26は、断面形状がL字となるように形成されてい
る。すなわち、薄肉の垂直フランジ部26aが、第一共
振器9の下部から軸方向に沿って一旦垂直に立ち上がっ
た後、薄肉の水平フランジ部26bが軸に垂直に外方に
向かって形成されている。
【0029】このように、第一共振器に形成されるフラ
ンジ部の形状は、軸に垂直に形成された薄肉形状に限ら
れるものではなく、ばね特性を用いて振動片を共振させ
る形状であれば、広い範囲の形状を有するものに対し
て、振動振幅を拡大するという機能を実現することがで
きる。このようなばね特性を有する構成として、例えば
図7に示すようなものも上げられる。この図7に示すも
のでは、フランジ部の上端面を下方に向かうテーパ状に
形成して、最も薄肉である部分が符号27で示す一箇所
であるように設け、この部分でばね特性を有するように
構成したものである。
【0030】このように構成された第三実施例の作用
は、上記第一実施例とほぼ同様であるが、振動発生部2
4から発生した振動を振動片に伝達する際に、上述のよ
うなフランジ部26により、中心軸に対して平行な方向
と、垂直な方向の両方向に屈曲して振幅を拡大する。
【0031】このような第三実施例によれば、薄板形状
のフランジ部以外の形状を有するものでも上記第一実施
例とほぼ同様の効果が得られ、振動振幅を拡大できると
ともに、安定して回転する超音波モータとすることがで
きる。
【0032】図8ないし図11は、本発明の第四実施例
を示したものである。この第四実施例では、電気−機械
エネルギー変換素子として電圧印加面に銀蒸着された圧
電素子51を用いている。図8は薄板電極板52,5
3,54を組込んだ状態の超音波モータの右半分を断面
で示した側面図、図9は圧電素子51と薄板電極板5
2,53を中心軸方向に引き伸ばして示した分解斜視
図、図10は電圧供給部材であるフレキシブル基板55
と薄板電極板52,53,54の接続の概略を示す部分
斜視図、図11は接続部を示す拡大断面図である。
【0033】この実施例の超音波モータは、超音波振動
子56と、この超音波振動子56に押圧手段57で押圧
された回転子58とを有している。上記超音波振動子5
6には、圧電素子51が複数積層され、これらの圧電素
子51の各層の間および両端面側には、電圧印加面に電
圧を印加するための薄板の電極板52,53,54が配
設されている。これら薄板電極板52,53,54は、
図9に示すように、その外周の一箇所に微小な接合部5
9を突設している。該電極板52,53,54は、例え
ば50(μm)の厚さのリン青銅で形成されていて、表
面にニッケルメッキ処理がされている。電極板52,5
3,54より突出して形成された上記接合部59は、図
10に示すように、超音波振動子56の周面に沿って例
えば下方に向けて折曲される。
【0034】このような薄板電極板53には例えばsin
ωtの波形を有する電圧、薄板電極板54には電極板5
3と位相が90度ずれた例えばcosωtの波形を有する
電圧がぞれぞれ印加され、一方、3枚の薄板電極板52
はアースされている。
【0035】上述のような電極板52,53,54に
は、3本の銅パターン60が形成されたフレキシブル基
板55が接続されるようになっている。このフレキシブ
ル基板55には、パターン60を被覆するように絶縁被
覆が設けられているが、先端部はこの絶縁被覆がされて
おらず、パターン60が露出する露出部61となってい
る。また、この露出したパターン60の表面にはニッケ
ルメッキ処理がされている。このようなフレキシブル基
板55は、図10に示すように、超音波振動子56の周
面に沿って湾曲して接着される。
【0036】上述のような薄板電極板52,53,54
の接合部59とフレキシブル基板55のパターン露出部
61とを、細径ワイヤ62を介して、ワイヤボンダー等
の装置によって超音波接合して接続する。この超音波接
続によって、図11に示すように、ワイヤ62の先端部
は変形して接合部59のニッケルと合金化して接続され
る。ここでは、ワイヤ62としてφ50(μm)のアル
ミニウムの細線を用いている。このようなアルミニウム
の細線を用いたときのワイヤ62の最大位置高さは略
0.2(mm)である。なお、図示はしないが、細径ワイヤ
62を保護するために、接続後に表面をフェノール樹脂
で被覆する。
【0037】上述のような超音波モータの作用は、上記
第一実施例とほぼ同様である。すなわち、圧電素子51
に電圧を印加すると超音波振動子56が一次の屈曲振動
を励振し、この屈曲振動が中心軸周りに所定方向に回転
する運動になる。この運動によって、振動子56の端面
に押圧手段57によって押圧された回転子58を回転さ
せる。
【0038】このような第四実施例によれば、薄板電極
板の接合部と電圧供給部材であるフレキシブル基板の露
出部とをアルミニウムの細径ワイヤを介して超音波接合
することにより、超音波モータの外周からの突出を小さ
くすることができる。つまり、従来の半田等の盛り上が
りによるスペースに比べ、接続に要する領域を非常に小
さくできる。上述のフェノール樹脂の保護被覆を形成し
た状態でも、外周からの突出量は略0.5(mm)以下に抑
えることができる。
【0039】なお、超音波接合による細径ワイヤの接続
部は非常に小さく、該細径ワイヤの直径をdとした場合
に、1.5d程度、すなわち直径の1.5倍程度で済
む。つまり、ワイヤの接続に必要な薄板電極板の接合部
は、非常に小さなものにすることができる。また、アル
ミニウムの細径ワイヤは、超音波接合によってニッケル
メッキされた薄板電極板の接合部やフレキシブル基板の
露出パターンと合金化するため強固に接続され、超音波
モータの超音波振動によって接続が外れることはない。
さらに、このような超音波接合によれば、圧電素子に熱
の影響がかからず、熱による圧電特性の劣化がないとい
う効果を有する。
【0040】このように、配線による突出部が非常に小
さくなり、モータの小型化が図れるとともに、モータが
小型であっても、配線接続作業が簡単になり、組み立て
時間の短縮ができる。
【0041】図12は本発明の第五実施例を示したもの
であり、フレキシブル基板と薄板電極板の接続部とを示
す拡大斜視図である。この第五実施例は、上記第四実施
例とほぼ同様であるので、異なる部分のみを説明する。
薄板電極板52,53,54には、電圧供給部材として
のフレキシブル基板64が接続されるようになってい
る。このフレキシブル基板64は、先端が斜めに形成さ
れていて、さらに、該薄板電極板52,53,54の数
に合わせて複数の銅パターン60が形成されている。こ
れらの銅パターン60の内、アースに接続される銅パタ
ーンは、該フレキシブル基板64内で互いに接続されて
一本にまとめられている。このフレキシブル基板64に
は、パターン60を被覆するように絶縁被覆が設けられ
ているが、先端部はこの絶縁被覆がされておらず、パタ
ーン60が露出している。また、この露出したパターン
60の表面にはニッケルメッキ処理がされている。この
ようなフレキシブル基板64は、超音波振動子56の周
面に沿って湾曲して接着される。
【0042】ニッケルメッキ処理された薄板電極板5
2,53,54の接合部59は、図示のごとく、周方向
に少しずつずれて斜めに配列して突出するように構成さ
れている。また、該接合部59は、上記第四実施例のよ
うに超音波振動子56の外周側面に沿って例えば下方に
折り曲げられている。
【0043】このような接合部59に合わせて、フレキ
シブル基板64の斜めに形成された先端が配置され、各
接合部59と銅パターン60とをアルミニウムの細径ワ
イヤ62を介して、超音波接合により接続する。なお、
接続後に図示しないフェノール樹脂で保護被覆が行われ
ることも上記第四実施例と同様である。
【0044】このような第五実施例によれば、細径ワイ
ヤの接続距離を短縮できるため、細径ワイヤの最大位置
高さをさらに低く抑えることができる。また、フレキシ
ブル基板内でアースを一本にまとめる構成であるため、
細径ワイヤが交差することはなく、超音波接合をさらに
簡単に行うことができる。
【0045】このように、細径ワイヤの突出量をさらに
小さくしてモータを小型化することができる。加えて、
接続距離が短くなるので接続の信頼性が向上し、しかも
配線作業の簡素化ができるという効果を有する。
【0046】図13は、上記第五実施例の変形例を示し
たものであり、電圧供給部材と薄板電極板の接続部とを
示す拡大斜視図である。この第五実施例では、電圧供給
部材として、厚さ略0.1(mm)のガラスエポキシ基板6
5を用いている。上記ガラスエポキシ基板65には、図
示のように、アースを基板内で接続して1つにまとめた
銅パターン60が形成されている。銅パターン60の露
出部66は、ガラスエポキシ基板65の先端部の側方に
形成されていて、露出した銅パターン60にはニッケル
メッキ処理が施されている。
【0047】このようなガラスエポキシ基板65の露出
部66に対応して、薄板電極板52,53,54の接合
部59は、図示のように、中心軸に平行に一列に突出
し、さらに下方に折曲されている。この接合部59に近
接して、ガラスエポキシ基板65を周面に沿って湾曲し
て接着固定し、接合部59と銅パターン60とをアルミ
ニウムの細径ワイヤ62を介して、超音波接合して接続
している。このような構成でも上記第五実施例とほぼ同
様の作用と効果が得られる。
【0048】図14は、本発明の第六実施例を示したも
のであり、電圧供給部材と薄板電極板の接続部とを示す
拡大斜視図である。この第六実施例は、上記第四実施例
とほぼ同様であるので、異なる部分のみを説明する。こ
の第六実施例では、電圧供給部材として厚さ0.1(mm)
のガラスエポキシ基板67を用いている。
【0049】上記ガラスエポキシ基板67は、図示のよ
うに、先端部が電極板どうしの間隔にほぼ等しい段差を
有する形状に形成されていて、各段差ごとに銅パターン
60が露出する露出部68が形成されていて、該銅パタ
ーン60の露出部分にはニッケルメッキ処理が施されて
いる。そして、アースに接続される銅パターンは右端に
設けられていて、最も長い露出部の長さを有している。
【0050】この段差を有するガラスエポキシ基板67
の先端部の形状に対応して、薄板電極板52,53,5
4の接合部59が配置され、これらの接合部59の内ア
ースに接続される2つだけは右端のアースパターンの側
部に配置される。
【0051】上述のような薄板電極板52,53,54
の接合部59とガラスエポキシ基板67の露出部68の
銅パターン60とを、アルミニウムの細径ワイヤ62を
介して、超音波接合して接続している。
【0052】このような第六実施例によれば、上述の第
四実施例とほぼ同様の作用と効果を有するとともに、ガ
ラスエポキシ基板の銅パターンを内部で交差する必要が
なく簡単な構成となるため、該基板を製作するコストを
安くすることができる。また、上記第五実施例と同様
に、細径ワイヤの接続距離を短縮できるため、突出量を
小さくでき、信頼性を向上させることができる。
【0053】図15ないし図17は、本発明の第七実施
例を示したものである。この第七実施例は、上記第五実
施例とほぼ同様であるので、異なる部分のみを説明す
る。この第七実施例における薄板電極板52,53,5
4は、図16に示す電極板69の形状になっていて、リ
ン青銅をベースに前処理を行い、アルミニウムを表面に
設けた厚さ略50(μm)の薄板形状に形成されてお
り、外周の一部に細長に突出した連結部70が設けられ
ている。このような形状の電極板52,53,54は、
図15に示すように、電圧供給部材として上記第五実施
例で説明した先端部が斜めに形成されているフレキシブ
ル基板64に接続される。
【0054】そして、該フレキシブル基板64は、図示
のように、超音波振動子56の周面に沿って湾曲して接
着固定される。この後、上記連結部70を超音波振動子
56の中心軸方向に沿って下方に折曲げ、フレキシブル
基板64のパターン露出部71と一致させる。図17
は、このような接続部分の拡大断面図を示したものであ
り、連結部70とパターン露出部71の一致した部分
(すなわち、矢印72で示した部分)を超音波接合して
いる。
【0055】このような第七実施例によれば、薄板電極
板に一体に形成した細長の連結部を用いて電圧供給部材
と超音波接合しているため、接続に必要な箇所が半分に
なり、組立工程を減少させるとともに、組立時間をさら
に短くすることができる。また、超音波モータの周面か
ら突出する量も、電圧供給部材の厚さと薄板電極板の厚
さを合わせた量のみとなり小さくなる。このように、超
音波モータの周面から突出する量が非常に小さいため、
モータをさらに小型化することができる。そして、接続
に必要な距離が短縮し、接続箇所も減少するため、モー
タの組み立てコストが下がるとともにモータの信頼性も
向上する。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、振
動振幅を拡大して効率を向上できる、小スペースの超音
波モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の、中心軸から右半分を断
面で示した超音波モータの全体を示す側面図。
【図2】上記第一実施例の積層された圧電素子を、中心
軸方向に引き伸ばして示した分解斜視図。
【図3】上記第一実施例の超音波振動子が屈曲振動する
際の様子を示す、第一共振器の右半分の断面図。
【図4】上記第一実施例のフランジ部の厚さと振動振幅
の関係を示す線図。
【図5】本発明の第二実施例の超音波振動子の、平面図
および中心軸から右半分を断面で示した側面図。
【図6】本発明の第三実施例の超音波振動子の、中心軸
から半分を断面で示した側面図。
【図7】上記第三実施例の他の例の超音波振動子の右半
分を示した断面図。
【図8】本発明の第四実施例の超音波モータの、右半分
を断面で示した側面図。
【図9】上記第四実施例の圧電素子と薄板電極板を中心
軸方向に引き伸ばして示した分解斜視図。
【図10】上記第四実施例の電圧供給部材と薄板電極板
の接続の概略を示す部分斜視図。
【図11】上記第四実施例の接続部を示す拡大断面図。
【図12】本発明の第五実施例のフレキシブル基板と薄
板電極板の接続部とを示す拡大斜視図。
【図13】上記第五実施例の変形例の電圧供給部材と薄
板電極板の接続部とを示す拡大斜視図。
【図14】本発明の第六実施例の電圧供給部材と薄板電
極板の接続部とを示す拡大斜視図。
【図15】本発明の第七実施例のフレキシブル基板と薄
板電極板の接続部とを示す拡大斜視図。
【図16】上記第七実施例の薄板電極板の形状を示す斜
視図。
【図17】上記第七実施例のフレキシブル基板と薄板電
極板の連結部とを示す拡大断面図。
【符号の説明】
1,2,3,4…圧電素子(電気−機械エネルギー変換
素子) 13…回転子(被駆動部材) 16…フランジ部 20…皿ばね(押圧部材) 23…振動片 24…振動発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−113569(JP,A) 特開 平6−178561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の電気−機械エネルギー変換素子
    備え、該電気−機械エネルギー変換素子に電気信号を印
    加することにより端面が中心軸に対して傾斜しながら回
    転運動する振動発生部と、 この振動発生部の一方の端面に隣接して同軸に設けら
    れ、側面に溝を有する振動片と、 この振動片と上記振動発生部との接続部に形成され、該
    振動発生部の共振周波数と上記振動片の共振周波数とが
    一致する形状をなすフランジ部と、 上記振動片押圧され、所定方向に移動される被駆動部
    材と、 を具備したことを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 棒状の電気−機械エネルギー変換素子を
    備え、該電気−機械エネルギー変換素子に電気信号を印
    加することにより端面が中心軸に対して傾斜しながら回
    転運動する振動発生部と、 この振動発生部の一方の端面に隣接して同軸に設けら
    れ、且つ軸周りに複数に分割されている、側面に溝を有
    する振動片と、 この振動片と上記振動発生部との接続部に形成されたフ
    ランジ部と、 上記振動片に押圧され、所定方向に移動される被駆動部
    材と、 を具備したことを特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 棒状の電気−機械エネルギー変換素子を
    備え、該電気−機械エネルギー変換素子に電気信号を印
    加することにより端面が中心軸に対して傾斜しながら回
    転運動する振動発生部と、 この振動発生部の一方の端面に隣接して同軸に設けら
    れ、側面に溝を有する振動片と、 この振動片と上記振動発生部との接続部に配設され、上
    記中心軸に平行な面と垂直な面の何れもが薄肉に形成さ
    れたフランジ部と、 上記振動片に押圧され、所定方向に移動される被駆動部
    材と、 を具備したことを特徴とする超音波モータ。
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