JP5328109B2 - 積層圧電素子及び振動波駆動装置 - Google Patents

積層圧電素子及び振動波駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電材料の層と電極材料の層とを交互に積層した積層圧電素子及び振動波駆動装置に関する。
近年、複数の圧電素子を積層化した小型で高性能な積層圧電素子の開発が進展している。第1の従来例に係る積層圧電素子として、振動波モータ(特に棒状構造の振動波モータ)の振動体の加振源である図5に示す構成を有する積層圧電素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、第1の従来例に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。
図5において、積層圧電素子40は、圧電材料(圧電セラミックス)の層である複数の圧電層41と、各圧電層41の表面に設けられた電極材料の層である電極層(以下内部電極)42から構成されている。また、各圧電層間の内部電極42を接続するための層間配線として、圧電層41の層内に軸方向に沿って設けた貫通孔に導電材料を充填したいわゆるスルーホール(バイヤホール)43を用いている。
各内部電極42は、圧電層41の周方向に4分割されて形成されると共に、互いに非導通に構成されている。また、各内部電極42は、スルーホール43により接続されている。スルーホール43は、その端部を積層圧電素子40の最上層の圧電層41の表面に露出している。これにより、表面電極44を形成している。
図6は、図5の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波モータの構成を示す断面図である。
図6において、振動波モータ50は、棒状に形成されており、積層圧電素子40を振動体51に組み込んだ構成を有する。積層圧電素子40は、上記表面電極44に可撓性を有する柔らかい樹脂からなる配線基板52が接触させられると共に、中空の部材53と部材54との間に配置される。ボルト55を部材54側から挿入して部材53にねじ込むことにより、部材53と部材54との間に積層圧電素子40と配線基板52が挟持された状態で固定される。これにより、振動体51が構成される。
更に、配線基板52を外部電源の駆動回路(不図示)に接続する。これにより、駆動用の交流電圧が積層圧電素子40に印加され、振動体51の振動によりロータ56が回転駆動される。
第2の従来例に係る積層圧電素子として、図7に示す構成を有する積層圧電素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図7は、第2の従来例に係る積層圧電素子と配線基板を示す図である。
図7において、積層圧電素子60は、棒状の振動波モータの振動体に組み込まれるものであり、外周部に外部電極65が形成されると共に可撓性を有する配線基板61が設けられている。配線基板61は、配線66と外部端子67を有する。
図8は、図7の積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。
図8において、積層圧電素子60は、複数の圧電層62と、各圧電層62の表面に4分割して設けられた内部電極63から構成されている。内部電極63の外周端は、圧電層62の外周端よりも内側に位置している。更に、圧電層62の表面には、各内部電極63と接続されて圧電層62の外周端まで延びる接続電極64が形成されている。接続電極64は、例えば同一位相位置の内部電極63に対して一層おきに且つ同一位相位置に形成されている。
更に、同一位相位置同士の接続電極64は、積層圧電素子60の外周部に設けられている層間電極である外部電極65により接続されている。外部電極65は、積層圧電素子60の軸方向の同一位相位置に位置する接続電極64毎に周方向に合計8箇所に形成されている。なお、積層圧電素子60の上下の両端面は圧電層62で形成されており、内部電極63と外部を絶縁している。
更に、積層圧電素子60は、図7に示したように、その外周部の所定位置に可撓性を有する配線基板61が巻き付けられ接着により固定されている。配線基板61の表面側の各配線66は、配線基板61の裏面側の積層圧電素子60の各外部電極65にそれぞれ導通すると共に、配線基板61の外周表面の外部端子67に集められている。
図9は、図7の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波モータの構成を示す断面図である。
図9において、振動波モータ70は、棒状に形成されており、積層圧電素子60を振動体71に組み込んだ構成を有する。積層圧電素子60は、中空の部材53と部材54との間に配置される。ボルト55を部材54側から挿入して部材53にねじ込むことにより、部材53と部材54との間に積層圧電素子60が直接挟持され固定される。これにより、振動体71が構成される。
更に、積層圧電素子60の外周部に固着された配線基板61の外部端子67に、フレキシブルな配線基板72(或いはフラットケーブル)をはんだ付けする。更に、配線基板72を外部電源の駆動回路(不図示)に接続する。これにより、駆動用の交流電圧が積層圧電素子60に印加され、振動体71の振動によりロータ56が回転駆動される。
特開平8−213664号公報 特開2003−9555号公報
上記第1の従来例では、積層圧電素子と可撓性を有する柔らかい樹脂からなる配線基板とを2つの部材間に挟持することで、振動波モータの振動体を構成している。そのため、振動体の振動の減衰(エネルギー損失)が大きくなり、振動波モータの効率を悪化させ、振動波モータの性能を低下させるという問題があった。
また、上記第2の従来例では、外部電極を設けた積層圧電素子の外周面に可撓性を有する配線基板を積層圧電素子に巻き付けることで、振動波モータの振動体を構成している。そのため、積層圧電素子に外部電極を設けるための新たな工程が増加する。更に、積層圧電素子の外周面の略全周に配線基板を巻き付ける構造のため、振動体の振動の減衰の原因となり、上記第1の従来例と同様に振動波モータの性能を低下させるという問題があった。
本発明の目的は、信頼性を保ちつつ、新たな製造設備を設置することなく且つ製造コストを上げることなく、振動波駆動装置の性能の向上を図ることができる積層圧電素子及び振動波駆動装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の積層圧電素子は、圧電材料から構成される圧電層と、電極材料から構成される電極層とが交互に複数重ねて積層化され、複数の前記電極層と電気的に導通する複数のスルーホールが設けられ、複数の前記圧電層のうちの1つの圧電層に前記複数のスルーホールとそれぞれ電気的に導通する配線用導電膜が設けられている積層圧電素子であって、前記配線用導電膜が設けられた前記圧電層はリング形状を有し、前記配線用導電膜は、前記積層圧電素子の外径部より外側まで形成されることで分極用電極と導通し、前記圧電層の分極に用いられた後に前記積層圧電素子の外径部より外側の部分が除去されることにより、前記配線用導電膜の端部は、前記リング形状の圧電層の外周面の4分の1以下の部分に集合した状態で露出され、前記配線用導電膜の端部と接続される配線基板が、前記積層圧電素子の外周面の一部に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、積層圧電素子の外周面に配線用導電膜の端部を露出させるため、積層圧電素子を振動波駆動装置の振動体の部材間に直接挟持することができる。その結果、積層圧電素子と共に配線基板を振動体の部材間に挟持する場合と比較し、振動体の振動減衰を少なくできる。また、前記配線用導電膜の端部を、リング形状の圧電層の外周面の1/4以下の部分に集合させ、露出させることにより、配線基板の面積を小さくすることができると共に、積層圧電素子の厚さ方向の長さも短くすることができる。これにより、振動波モータ20の振動体21の振動減衰を更に少なくすることが可能となる。よって、信頼性を保ちつつ、新たな製造設備を設置することなく且つ製造コストを上げることなく、振動体の振動減衰が少なく振動波駆動装置の性能の向上を図ることができる積層圧電素子を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。
図1において、積層圧電素子1は、圧電材料の層である複数の圧電層4−1、4−2、4−3、4−4、4−3、・・・、4−3、4−4と、圧電層4−3、4−4の表面に設けられた電極材料の層である内部電極5から構成されている。即ち、積層圧電素子1は、圧電材料の層と電極材料の層とを交互に複数重ねて積層化されたものであり、両端面が圧電層4−1と圧電層4−4から構成されている。さらに、圧電層4−2以下は、圧電層4−3と4−4が交互に重ねられている。図中11は配線基板であり、図4の説明箇所で詳述する。
内部電極5の外周端は、圧電層4−3、4−4の外周端よりも内周側に設けられている。圧電層4−3は、表面が周方向に4分割されることで内部電極A+、A−、B+、B−が形成されている。内部電極A+、A−、B+、B−は、互いに非導通に構成されている。圧電層4−4は、表面が周方向に4分割されることで内部電極AG+、AG−、BG+、BG−が形成されている。内部電極AG+、AG−、BG+、BG−は、互いに非導通に構成されている。圧電層4−3と圧電層4−4とは交互に積層されている。
圧電層4−3に形成された内部電極A+、A−、B+、B−、圧電層4−4に形成されたAG+、AG−、BG+、BG−は、8個のスルーホール6により接続されている。即ち、内部電極A+、A−、B+、B−、AG+、AG−、BG+、BG−と、8個のスルーホール6とは電気的に導通している。8個のスルーホール6は、圧電層4−2の表面に達している。
圧電層4−2には、8個のスルーホール6にそれぞれ電気的に導通した8本の配線用導電膜2が設けられている。8本の配線用導電膜2のそれぞれの端部3は、圧電層4−2の外周面に一列に集合した状態で露出している。8本の配線用導電膜2のそれぞれの端部3は、配線基板11が接触状態で固定されるものであり、電気的な端子として利用することができる。
図2は、図1の積層圧電素子の製造方法を示す図である。
図2において、最初に、圧電層4となる圧電セラミックス粉末と有機バインダからなる一定寸法の角形状に切り出したグリーンシート10に、スルーホール6となる小さな孔を形成する。更に、グリーンシート10に形成した孔の中に、導電粉末材料(銀・パラジウム粉末)からなるペーストをスクリーン印刷法で充填する。更に、グリーンシート10の表面に、内部電極5と配線用導電膜2を形成する導電粉末材料(銀・パラジウム粉末)からなるペーストをスクリーン印刷法で印刷する。
図示の破線が最終的な積層圧電素子1の内径部と外径部を示している。最上層の下側の圧電層4−2において、配線用導電膜2は、電気的に導通するスルーホール6から積層圧電素子1の破線で示す外径部の外側まで形成されている。また、最上層の圧電層4−1において、表面の露出したスルーホール7とその周囲の分極用表面電極膜8は、積層圧電素子1の外径部の外側に形成されている。圧電層4−1のスルーホール7と分極用表面電極膜8は、その下の圧電層4−2の配線用導電膜2の端部と電気的に導通している。
積層圧電素子1の製造においては、図示のように複数枚のグリーンシート10を下から順に重ねて、加熱・加圧装置(不図示)により加熱しながら加圧し、積層化する。更に、複数枚のグリーンシート10を積層化した直方体に対して、積層圧電素子の内径部となる部分の内側をドリル(不図示)により穿孔する。その後、積層化した直方体を1100℃〜1200℃の鉛雰囲気下で焼成を行う。焼成を行った後、配線用導電膜2を使用して分極処理を行う。
図3は、図1の積層圧電素子を構成する複数枚のグリーンシートを積層化した直方体を示す斜視図である。
図3において、積層化した直方体を後述する条件で分極処理を行う。最終的に、直方体の両端面を加工装置(不図示)によりわずかに削り平坦化すると共に、積層圧電素子の外径部となる部分の外側を除去する機械加工を行い、内径部を有するリング形状の積層圧電素子1として仕上げる。この機械加工によりスルーホール7と分極用表面電極膜8は除去され、積層圧電素子1の外周面には図1に示したように配線用導電膜2の端部3が現れる。
分極処理は、8箇所の分極用表面電極膜8にそれぞれプローブ(不図示)を押し当て、以下のように直流電圧を印加する。スルーホール7、配線用導電膜2、スルーホール6に繋がる各内部電極A+、A−、B+、B−、AG+、AG−、BG+、BG−に対して、A+とB+には+300Vを印加する。A−とB−には−300Vを印加する。AG+、AG−、BG+、BG−はグランドとする。更に、120〜130℃のシリコーンオイル中で30〜60分間の分極処理を行う。即ち、4分割された内部電極のうち、180度の位置関係にある2つの内部電極を互いに分極方向が異なるように分極する。
製造した積層圧電素子1の各部の具体的な数値は以下の通りである。積層圧電素子1は外径10mm、内径2.8mm、厚さ約2.2mmである。圧電層は厚さ85μmである。内部電極は外径9.5mm、厚さ2〜3μmである。圧電層の層数は25層、内部電極の層数は24層である。スルーホールの径はφ0.1mmである。配線用電極膜は幅0.4mm、厚さ20μmである。
図4は、図1の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波駆動装置としての振動波モータの構成を示す断面図である。
図4において、振動波モータ20は、部材22、部材23、ボルト24を有すると共に積層圧電素子1が組み込まれた振動体21と、ロータ25と、出力部材26とから構成されている。振動波モータ20を組み立てる際は、内径部を有するリング形状の積層圧電素子1を、中空で円筒状の部材22と部材23との間に配置する。更に、先端細径部がピン形状に形成されたボルト24を部材23側から挿入して部材22にねじ込むことにより、部材22と部材23との間に積層圧電素子1を挟持した状態で固定する。
積層圧電素子1の両端面は、上述したように圧電層4−1と圧電層4−4から構成されている。両端面の圧電層4−1と圧電層4−4は、内部電極5に対して電気的に絶縁されると共に、表面が平坦に形成されている。一方、振動波モータ20の部材22と部材23も、積層圧電素子1を挟持する側の表面が平坦に形成されている。これにより、振動波モータ20の部材22と部材23との間に、積層圧電素子1を確実に挟持して固定することが可能となる。
振動波モータ20の部材22と部材23との間に積層圧電素子1を挟持固定した後、積層圧電素子1の外周面の一部分に一列に整列して集合され露出した配線用導電膜2の端部3に、配線基板11を接触固定させる(図1)。配線用導電膜2の端部3を電気的な端子として利用することで、配線用導電膜2が配線基板11を介して外部電源の駆動回路(不図示)に接続される。これに伴い、積層圧電素子1には、外部電源から配線用導電膜2、スルーホール6を介して各内部電極5に駆動用の交流電圧が印加され、電力が供給される。これにより、積層圧電素子1は振動波モータ20の振動体21の加振源となる。
配線基板11は、例えば、厚さ30μmのポリイミド樹脂からなる基材の表面に、25μm厚の銅箔からなる複数の配線パターンが形成された可撓性を有する基板である。配線基板11は、積層圧電素子1の外周面の一部に接着固定される(図1)。配線基板11の複数の配線パターンが、積層圧電素子1の外周面に露出した配線用導電膜2の複数の端部3とそれぞれ電気的に導通する。
振動波モータ20の駆動時には、以下のように積層圧電素子1の各内部電極に高周波電圧が印加される。電気的なグランドに相当する内部電極AG+、AG−、BG+、BG−に対し、内部電極A+、A−に振動体の固有振動数に略一致した高周波電圧が、内部電極B+、B−に内部電極A+、A−と90°の位相差を有する高周波電圧が各々印加される。先の分極処理とこの高周波電圧の印加により、振動体21には軸方向に対して直交する2つの曲げ振動を発生させることが可能となる。
即ち、棒状の振動波モータ20の駆動原理は、以下のようになる。積層圧電素子1を組み込んだ振動体21に軸方向に対して直交する2つの曲げ振動を時間的位相差を有して発生させる。これに伴い、振動体21を構成する部材22の先端部を駆動部として部材22が首振りのような運動を行い、部材22にバネ力により加圧状態で接触される接触体としてのロータ25が摩擦接触により回転する(相対的に移動する)。ロータ25の回転は、ロータ上方に配置されているギヤから構成される出力部材26に伝達され、出力部材26を介して振動波モータ外部に出力される。
積層圧電素子1の外周面に露出した配線用導電膜2の複数の端部3は、積層圧電素子内部に広く散在するスルーホール6の位置に関わらず、スクリーン印刷により任意にその位置を選定することができる。
本実施の形態では、配線用導電膜2の複数の端部3を積層圧電素子1の外周面の約4分の1の部分に集合させる構成としているが(図1)、これに限定されるものではない。配線用導電膜2の複数の端部3を積層圧電素子1の外周面の更に狭い範囲に集合させる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、配線用導電膜2の複数の端部3を積層圧電素子1の最上層である圧電層4−1の下の圧電層4−2に設ける構成としているが、これに限定されるものではない。配線用導電膜2の複数の端部3は積層圧電素子1の各圧電層のうちの任意の圧電層に設ける構成としてもよいし、1つの圧電層ではなく複数の圧電層に設ける構成としてもよい。
このように、本実施の形態では、積層圧電素子1と外部電源の駆動回路との接続を、積層圧電素子1の外周面に露出させた配線用導電膜2の端部3を介して行う構成としている。本構成により、上記第1の従来例と異なり、振動波モータ20の振動体21を構成する2つの部材22と部材23との間に積層圧電素子1を直接挟持することができる。これにより、配線基板11による振動波モータ20の振動体21の振動減衰を少なくすることが可能となる。
また、上記第2の従来例では、積層圧電素子の外周の略全周に配線基板を巻き付ける構成としている。これに対し、本実施の形態では、配線用導電膜2の複数の端部3を積層圧電素子1の外周面の約4分の1の部分に集合させ、端部3に配線基板11を固定している。本構成により、配線基板11の面積を小さくすることができると共に、積層圧電素子1の厚さ方向の長さも短くすることができる。これにより、振動波モータ20の振動体21の振動減衰を更に少なくすることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、積層圧電素子の外周面に配線用導電膜の端部を露出させる構成としているため、積層圧電素子を振動波モータの振動体の両部材間に直接挟持することができる。そのため、積層圧電素子と共に配線基板を振動体の部材間に挟持する場合と比較し、振動体の振動減衰を少なくできる。また、圧電層の内部電極を接続するスルーホールはスクリーン印刷法で製造するため、専用の製造設備を設置する必要はない。これにより、信頼性を保ちつつ、特別に新たな製造設備を設置することなく且つ製造コストを特別に上げることなく、振動体の振動減衰が少なく振動波モータの性能の向上を図ることができる積層圧電素子を提供することが可能となる。
また、積層圧電素子の内部に配線用導電膜を設ける構成としている。これにより、積層圧電素子に今後予想される複雑に分割(4分割以上の多分割)した内部電極やセンサ用の内部電極を設ける構成でも、換言すればスルーホールの個数が増加する構成でも、配線用導電膜と端部を容易に製造することが可能となる。更に、本構成の積層圧電素子の実現により、将来予想される高機能な振動波モータを開発する際においても有益となる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、積層圧電素子に8個のスルーホールと8本の配線用導電膜を形成した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。積層圧電素子に形成するスルーホールと配線用導電膜の個数は本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意とすることが可能である。
上記実施の形態では、積層圧電素子の圧電層を4分割して内部電極を形成した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、積層圧電素子の圧電層を4分割以上の多分割を行って内部電極を形成する場合にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。 図1の積層圧電素子の製造方法を示す図である。 図1の積層圧電素子を構成する複数枚のグリーンシートを積層化した直方体を示す斜視図である。 図1の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波駆動装置としての振動波モータの構成を示す断面図である。 第1の従来例に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。 図5の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波モータの構成を示す断面図である。 第2の従来例に係る積層圧電素子と配線基板を示す図である。 図7の積層圧電素子の構成を示す分解斜視図である。 図7の積層圧電素子を振動体に組み込んだ振動波モータの構成を示す断面図である。
符号の説明
1 積層圧電素子
2 配線用導電膜
3 配線用導電膜の端部
4 圧電層
5 内部電極(電極層)
6、7 スルーホール
8 分極用表面電極膜
11 配線基板
20 振動波モータ(振動波駆動装置)
21 振動体
22 部材(駆動部)
23 部材
25 ロータ(接触体)
26 出力部材

Claims (5)

  1. 圧電材料から構成される圧電層と、電極材料から構成される電極層とが交互に複数重ねて積層化され、
    複数の前記電極層と電気的に導通する複数のスルーホールが設けられ、複数の前記圧電層のうちの1つの圧電層に前記複数のスルーホールとそれぞれ電気的に導通する配線用導電膜が設けられている積層圧電素子であって、
    前記配線用導電膜が設けられた前記圧電層はリング形状を有し、
    前記配線用導電膜は、前記積層圧電素子の外径部より外側まで形成されることで分極用電極と導通し、前記圧電層の分極に用いられた後に前記積層圧電素子の外径部より外側の部分が除去されることにより、前記配線用導電膜の端部は、前記リング形状の圧電層の外周面の4分の1以下の部分に集合した状態で露出され、
    前記配線用導電膜の端部と接続される配線基板が、前記積層圧電素子の外周面の一部に設けられていることを特徴とする積層圧電素子。
  2. 前記積層圧電素子の両端面は前記圧電層から構成されると共に、前記両端面の前記圧電層は前記電極層とは電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の積層圧電素子。
  3. 前記配線用導電膜の端部に接続される前記配線基板を介して前記積層圧電素子の外部から前記電極層に電圧が印加されることで電力の供給を受けることを特徴とする請求項1または2に記載の積層圧電素子。
  4. 前記配線用導電膜を介して前記電極層に規定の電圧を印加することで前記電極層の分極処理が行われていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層圧電素子。
  5. 前記積層圧電素子を加振源とする振動波駆動装置であって、
    前記積層圧電素子が組み込まれると共に駆動部を有し前記駆動部に振動を形成する振動体と、前記振動体の前記駆動部に加圧状態で接触される接触体とを備え、前記振動体と前記接触体とを相対的に移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動波駆動装置。
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