JP3311034B2 - 積層圧電素子、積層圧電素子の製造方法、振動波駆動装置及び振動波駆動装置を備えた機器 - Google Patents

積層圧電素子、積層圧電素子の製造方法、振動波駆動装置及び振動波駆動装置を備えた機器

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JP3311034B2
JP3311034B2 JP22575792A JP22575792A JP3311034B2 JP 3311034 B2 JP3311034 B2 JP 3311034B2 JP 22575792 A JP22575792 A JP 22575792A JP 22575792 A JP22575792 A JP 22575792A JP 3311034 B2 JP3311034 B2 JP 3311034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、層圧電素子、積層圧
電素子の製造方法、振動波駆動装置及び振動波駆動装置
を備えた機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公平3−40767号公報や特公平3
−289375号公報等に、例えば振動波駆動装置とし
ての棒状の振動波駆動装置が記載されている。図10は
棒状の振動波駆動装置の振動の分解斜視図であり、図
11は棒状の振動波駆動装置の縦断面図である。
【0003】図10に示す振動体は、2枚の圧電素子P
ZT1,2を1群とする駆動用のA相圧電素子a1、同
様に2枚の圧電素子PZT3,4を1群とする駆動用の
B相圧電素子a2、又1枚の圧電素子板からなるセンサ
用圧電素子s1を図示のように積層するとともに、これ
らの圧電素子間に駆動用の交流電圧を供給するための電
極板A1,A2及びセンサ信号取り出し用の電極板Sが
ある。またそれらと共にGND用電極板G1,G2,G
3もGND電位を与えるためにある。そしてこれらの圧
電素子および電極板を挟持するように前後に黄銅、ステ
ンレスなどの振動減衰の比較的小さい金属製ブロックb
1,b2を設け、締め付けボルトcにより金属ブロック
b1,b2を締め付けることにより一体化し圧電素子に
圧縮応力を付与している。またこのときセンサ用圧電素
子s1を一枚で済ませるためボルトcと金属ブロックb
2の間に絶縁シートdが入っている。
【0004】このときA相圧電素子a1とB相圧電素
子a2は位置的に90度ずれて配置されており各々が
振動体の軸を含む直する2つの面内方向の屈曲振動
を励振させ、かつ適当な時間的位相差を持たせることに
より、振動体の表面粒子に円あるいは楕円運動を生ぜし
振動体上部に押圧された移動体を摩擦駆動する。
【0005】このような振動体を棒状の振動波駆動装置
に用いた例を図11に示す。この例では、振動体の締結
ボルトcは、先端部に細径の支柱部c2を有し、この支
柱部c2の先端部に固定された固定部材gによりモータ
自体の固定を行えるようにし、又ロータrなどの回転支
持の作用も兼用している。ロータrは前金属ブロックb
1の先端面に接触し、加圧は固定部材gからベアリング
部材eとギヤfを介してロータrに内装されたバネケー
スiのコイルバネhを押圧することであたえられる。
の棒状の振動波駆動装置に使用する圧電素子についてさ
らに詳しく説明すると、1枚の圧電素子PZT1〜4は
図12のように粉末から焼成して作った圧電セラミック
ス5を円盤形状に機械加工し、厚さ0.5mmとし、表
面にはスリットを介して2つのほぼ半円形状の電極膜8
−1,8−2を形成し、裏面には全面に電極膜10を形
成させ、その後半円形状の電極膜8−1,8−2の形
成された領域の極性を右左で異なる方向(+),(−)
となるように分極処理を行い圧電特性を与えている。
のような1枚の圧電素子を図10のように、例えば、
A相においてはPZT1,PZT2が電極板A1をはさ
んで分極方向の極性が向かい合うようにし同時にスリ
ットも重なるように重ね合わせている。同様にB相につ
いても重ね合せている。なわち、図13のように
相の圧電素子a1の分極の方向は矢印14のように表わ
され、電極板A1に駆動用の交流電圧を印加すると、圧
電素子PZT1,PZT2の右側と左側で一方が伸びる
と一方が収縮しこれを交互にくり返し振動体に屈曲振動
を起こさせることになる。B相についてもA相とスリッ
トの向きが90°異なる点を除き同様の状態で屈曲振動
を起こさせる。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では1枚1枚の圧電素子をあらかじめ分極処理
を行ってから、電極板と交互に重ね積層を行っているた
め、分極処理に多大な時間を要しており、また、振動体
の組立てにも時間を要していた。さらに、圧電素子の分
極処理工程時や組立工程時のハンドリングを考慮すると
強度上、圧電セラミックスの厚さもある程度厚くする必
要があり、その結果さらに多層化しようにも、素子全体
の寸法が大きくなり、例えば鉛筆と略同径あるいはそれ
以下の超小型化を実現できる振動波駆動装置の小型化の
障害ともなっており、しいては、多層化により可能な
動波駆動装置の大出力化や低電圧駆動化も難しくしてい
た。
【0007】本出願に係る発明の目的は、このような従
来の問題を解決した層圧電素子、積層圧電素子の製造
方法、振動波駆動装置及び振動波駆動装置を備えた機器
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的
を実現する積層圧電素子は、片面と他面に電極膜を有
し、少なくとも該片面の電極膜が非電極部によって複数
に分割されている略円盤状の複数の圧電素子を重ね合わ
せた積層圧電素子において、複数の圧電素子は各々の圧
電素子の該片面の非電極部が揃うように該片面同士およ
び該他面同士を対向した状態で積層され、少なくとも該
積層圧電素子の内径側面あるいは外径側面のいずれか
に、各々の圧電素子の該片面の電極膜を導通する導電部
と該他面の電極膜を導通する導電部とを設けたことを特
徴とする。本出願に係る発明の目的を実現する積層圧電
素子の製造方法は、片面と他面に電極膜を有し、少なく
とも片面の電極膜が非電極部によって複数に分割されて
いる略円盤状の複数の圧電素子を成形する工程と、該複
数の圧電素子を各々の圧電素子の該片面の非電極部が揃
うように該片面同士および該他面同士を対向させて積層
する工程と、積層された圧電素子の少なくとも内径側面
あるいは外径側面のいずれかに、各々の圧電素子の該片
面の電極膜を導通する導電部と該他面の電極膜を導通す
る導電部とを設ける工程と、該導電部を介して、複数の
圧電素子の該片面の電極膜と該他面の電極膜に同時に電
圧を印加して分極処理を行う工程と、を含むものであ
る。 本出願に係る発明の目的を実現する積層圧電素子の
他の製造方法は、前記分極処理を行う工程において、複
数の前記圧電素子の片面の電極膜と他面の電極膜との間
に電位差を有して直流電圧を印加し、空気中において加
熱しながら分極処理を行うことを特徴とする。本出願に
係る発明の目的を実現する振動波駆動装置は、互いの非
電極部の空間的位相を所定値だけずらした複数の上記し
た構成の積層圧電素子を金属体の間に挟持固定して構成
される振動体と、該振動体に加圧接触する移動体とを有
し、該振動体に該所定値に応じて時間的位相の異なる複
数の交番信号を印加することで該振動体の表面に形成さ
れる円または楕円運動によって該移動体を駆動すること
を特徴とする。本出願に係る発明の目的を実現する振動
波駆動装置を備えた機器は、上記した構成の振動波駆動
装置を駆動源とし、レンズを保持するレンズ保持部材を
回転駆動させて合焦動作を行うことを特徴とする。
【0009】
【実施例】第1の実施例 図1及び図2は本発明による積層圧電素子の第1の実施
例を示し、図3はその分極処理方法を示す。図1の
(3)は(1)のA−A断面、(2)は(3)のB−B
断面を示す。
【0010】1は圧電素子4を8枚積層した積層圧電素
子で、圧電素子4は図2に示すように、予め仮焼後粉砕
した粉末から成形し焼成し、機械加工を行って円盤状に
した圧電セラミックス5に対し、図2の(1)に示す表
の面及び図2の(2)に示す裏の面に夫々銀ペーストを
スクリーン印刷して焼付け、表の面には直径部分のスリ
ット6を挟んで外周側へは全面に広がった2つの半円形
状の電極膜8−1と8−2を形成すると共に、内径部の
周囲に電極膜の非形成部分である内径側電極膜非形成部
7を形成し、一方、裏の面には外周部に沿って電極膜の
非形成部分である外径側電極膜非形成部9を形成すると
共に、内径側へは全面に広がった電極膜10を形成した
ものを用いている。
【0011】なお、本実施例では、圧電セラミックス5
の直径は10mm、厚みは0.125mm、電極膜の厚
さは3〜5μmとし、またスリット6の幅は0.8m
m、内径側電極膜非形成部7と外径側電極膜非形成部は
共に幅0.8mmの一定間隔としている。
【0012】積層圧電素子1は、圧電素子4の表の面同
士、及び裏面同士を対向させて夫々のスリット6を揃え
ながら重ね合わせて積層し、すなわち本実施例では一番
下の圧電素子4は表の面を上にし、下から2番目は裏の
面を上にし、下から3番目は表の面を上にし、というよ
うに交互に8枚の圧電素子を重ね合わせている。
【0013】このとき重ね合わせる面には接着剤を均一
に塗布しており、重ね合わせた後、プレスにより加圧し
ながら温度を60℃に上げ、できるだけ接着剤を薄くし
密着させ接着剤を硬化させた。
【0014】そして、重ねた圧電素子の内径側面に接着
剤と銀からなるペーストを塗布し導電部3を設け、また
外径側面には圧電素子の2つの半円形状の電極膜に対し
て各々同様のペーストを塗布し、導電部2−1,2−2
を形成した。塗布後温度60℃の恒温槽の中に2時間入
れ、接着剤を完全に硬化させた。
【0015】なお、圧電素子間の接着剤は接着剤が硬化
するまえに、一度粘度が低下しその際、プレスにより加
圧しているので圧電素子4の電極膜8−1,8−2,1
0同士が接して導通がとれる。さらに内径、外径の側面
に付けた導電部2−1,2−2,3も恒温槽内で一度粘
度が下がり、各々の圧電素子の電極膜8−1,8−2や
10と接触し、その後硬化し導通がとれる。
【0016】つまり内径側面の導電部3は2層おき
に、各々の圧電素子の裏面に施こされた全面電極膜10
と導通し、外径側面の導電部2−1,2−2は各々の圧
電素子の表面に施こされた2つの半円形状の電極膜8−
1,8−2に各々導通する。
【0017】なお内径側面の導電部3の位置はとくに
場所を選ばないが、外径側面の導電部2−1,2−2の
位置は積層圧電素子を棒状の振動波駆動装置に組み込ん
だ場合その振動をなるべく阻害しないようにスリット6
の近傍にした。また、重ね合せた圧電素子を加圧し、接
着すると接着剤が圧電素子の内径、外径の側面にわずか
にはみだすので、内径、外径側面の導電体部を形成する
ためのペーストを塗布する前には前もって塗布部分の接
着剤を削り落しておいた。導電部2−1,2−2,3と
も厚さ10〜20μm 幅約1mmとした。また電極膜
や導電部の形成方法は本例以外にも蒸着、無電解メッキ
等があるが、これらを用いてもとくに問題はないので信
頼性、生産性やコストを考慮して決めるべきであろう。
【0018】次に、このようにして作った積層圧電素子
を図3のように100MΩの高抵抗122ケを用いて
分圧ができるように結線し、コンタクトピン11を導電
部2−1,2−2および電極膜10に接触させた。そし
て、直流電源13により直流電圧320Vを60分間印
加し120℃の恒温槽の中で分極処理を行った。図3に
示す結線では導電部2−1に導通する電極膜8−1が0
Vで、導電部3に導通する電極膜10に160V、導電
部8−2に320Vが各々印加できる。この結果矢印1
4の方向に分極される。このような分極方向であるので
導電部3又は電極膜10にGNDを結なぎ、導電部2−
1,2−2に棒状の振動波駆動装置の駆動電圧である
番信号としての交流電圧を印加すれば従来例でも説明し
たように図3のA−A断面の左右が交互に伸縮がくり返
えされる。
【0019】従来、例えば厚さ0.5mmの圧電素子の
分極処理では1.0〜1.5kVの電圧を印加する必要
があり、この程度の電圧になると空気中では絶縁破壊を
起こすため、通常絶縁油のなかで行なわれている。本積
圧電素子では1枚の圧電素子の厚さが薄くなり、その
ため分極のための電圧も300V程度と低くでき、空気
中の分極処理が可能となった。
【0020】これは重ねた枚数の圧電素子が一度に分極
できるという大きな利点にくわえ、絶縁オイル使用後の
洗浄、乾燥などが不要となり分極処理が容易になった。
なお、分極前には内外径側面の各々の導電部間の電気抵
抗を測定電圧250Vで測定したところ2000MΩ以
上あり、各導電部、電極膜間の絶縁は良好であった。さ
らに分極前後で導電部3−電極膜10と2つの外径側面
の導電部2−1,2−2の間の静電容量(1kHz)を
比較したところ、20〜30%以上の増加となっており
分極されていることも確認できた。なお、分極に際して
はコンタクトピン11以外にも導通がとれるようにすれ
ばハンダ付等を行っておいても良い。分極条件は電圧、
温度、時間に関係し、とくに本例の条件に限定されるも
のではない。
【0021】以上は焼成後の圧電セラミックスを使用し
て製作した例であるが、次にグリーンシートから作った
例を説明する。
【0022】先ず、圧電セラミックスを作るための仮焼
後の粉砕した粉末と有機バインダーおよび水とを充分に
混合し、押し出し成形機によりシート状に成形した。成
形したシートを打ち抜きプレスを用いて打抜き、そし
て、打抜いたシートに図2と同様の電極パターン8−
1,8−2と10を白金の導電ペーストによりスクリー
ン印刷して電極膜を形成した。そして、前述の様に重ね
合せ、加熱しながらプレスにより圧力を加え一体化させ
た。さらに図1と同じく、白金の導電ペーストで外周側
と内周側に導電部2−1,2−2と3を形成した。この
状態で約1200〜1300℃の鉛雰囲気中で焼成する
と図1と同様の焼成された積層圧電素子作ることがで
きた。
【0023】分極処理は前述と同条件で行った。なお、
積層後焼成により収縮を起こすのであらかじめ寸法は収
縮分を見込んでシートの厚さは0.150mmとし電極
膜の厚さは5〜6μmとした。以上のように製造方法に
は焼結して作った圧電セラミックスを重ね積層する方法
と焼結前のグリーンシートを重ね積層する方法とがある
が、最終的は生産時の信頼性やコストとにより方法を決
めるべきである。
【0024】次に、以上のようにして作った積層圧電素
棒状の振動波駆動装置に組み込んだ例について説明
する。
【0025】本実施例の図3に示す8枚重ねの積層圧電
素子1では、上下面の両端には導電部3で導通した圧電
素子4の裏面の電極膜10が出ており、GND面(G)
を形成している。そこで、棒状の振動波駆動装置に組み
込んで使用する場合、外径側面の導電部2−1,2−2
は等電位で、駆動電圧を印加して使用するので使用前に
あらかじめ前述の接着剤と銀粉の混ざったペーストで導
電部2−1と2−2は導通させておいた。
【0026】図5の(1)は実際に本発明による積層圧
電素子1を2ケ、振動体のA相とB相にスリットの向き
が90°で交差するようにして振動体に組込んだ図であ
り、積層圧電素子1の両端はGND面(G)であるので
図10の従来例での電極板G2とG3は不要となった。
また駆動電圧を供給するため積層圧電素子1の外径側面
の導電部2−1にリード線15,16を直接ハンダ付け
した。このため電極板A1,A2も不要となった。
【0027】また、予め、図5の(1)a1、a2に相
当する2個の積層圧電素子をスリットの向きが90°で
交差する構成で重ねて圧電素子を作っておいても良い。
この場合、a1、a2に相当する導電部3は導通させ、
導電部2−1同士、2−2同士を導通させてから既に述
べたように分極処理を行うことができる。そして、モー
タとして機能させる場合には、導電部2−1同士、2−
2同士を導状態から絶縁状態にし、今度はa1、a2
に相当する各々の導電部2−1と2−2を導通させ、導
電部2−1にリード線をつなぎ、駆動電圧を印加すれば
良い。
【0028】以上の例は8枚重ねの例であり、実際に偶
数枚重ねた積層圧電素子の場合は同様であるが、例えば
図4のように7枚重ねのような奇数枚重ねた積層圧電素
子を棒状の振動波駆動装置に組み込んで使用する場合、
図4の積層圧電素子1’の上下両端面には導電部3’で
導通した電極膜10があるGND面(G)と、導電部
2’−1,2’−2で導通した電極膜8−1,8−2の
ある駆動電圧を供給する駆動電位面(A)を形成してい
る。
【0029】このような積層圧電素子1’を実際に振動
のA,B相に組み込んで使用すると、A相とB相のス
リットの向きを90°交差するようにして図5の(2)
のように絶縁シートd2を積層圧電素子1’の間に入
れ、2つの積層圧電素子1’のGND面(G)電極板
G1,G3と接触通電するようにした。方、駆動電圧
は直接外径側面の導電部2−1にリード線15,16を
直接ハンダ付けし印加した。また、積層圧電素子1’の
側面にリード線で直接がない方法とすれば、図5
(3)のように電極板A1,A2を使い、さらに積層圧
電素子1’をA,B相に各々2ケ、合計4ケを使用して
棒状の振動波駆動装置に組み込んで使用できる。この場
合は積層圧電素子の外径側面の導電部2−1と2−2を
短絡させておく必要はない。以上のように本積層圧電素
子を用いれば従来交互に重ねていた電極板の数を減らす
ことができ、組み立ても容易となった。
【0030】以上説明した実施例では、圧電素子間の電
極膜をぐ導電部を、圧電素子の表面の2つの半円形状
の電極膜については外径側面に、裏面の電極膜について
は内径側面に設けたが、各々の導電部は内外径側面に限
定されることはない。例えば、図6(2)のように、圧
電セラミックス5に形成する電極膜を、表面には外径側
で一定の間隔の電極膜の付いていない部分7’を有し、
裏面には内径側に一定の間隔の電極膜の付いていない部
分9’を有するようにすれば、重ね合せ一体化したあと
で、表面の2つの半円形の電極膜間を各々ぐ導電部
2’−1,2’−2は内径側面に設け、裏面の電極膜間
ぐ導電部3’は外径側面に設けても良い。
【0031】また、別の例として、図7,図8のように
圧電素子4の裏面に各々、外径(図7の(2))、内径
側(図8の(2))の電極膜に付いていない部分に表面
のスリット6の裏側でスリット6より幅の狭い電極膜1
0’をはみ出させ、スリットの向きを揃えて圧電素子を
重ね合せ積層化し、図7の例では導電部2−1,2−
2,3’は外径側にのみ設け、図8では導電部2’−
1,2’−2,3は内径側面にのみ設けている。いずれ
にしても各電極膜間をぐ導電部は、各々の導電部間の
絶縁がとれていれば、各々の導電部の形成場所にかぎる
ことはない。た、これらの積層圧電素子を振動波駆動
装置に組み込んで使用する際にもすでに説明した素子の
外径側面にリード線をぐ方法や両端面に接触させた電
極板を使用する方法が考えられ、圧電素子の裏面である
電極膜が接地され、他方の表面の2つの電極膜に駆動電
圧が印加できるなら問題はない。
【0032】以上の説明はA相、B相の2の駆動電圧
を使用してなる棒状の振動波駆動装置の場合であった。
さらに別に120°の位相差を持つ3相の駆動電圧で棒
状の振動波駆動装置を駆動する場合も考えられる。例え
ばすでに説明した図5の(1)において、3の積層圧
電素子を各々スリットの向きが120°ずれているよう
に配置し、各々の素子をリード線にて結線し、3相駆動
電圧を印加することで2相の場合と同様に振動体の表面
粒子に円又は楕円運動を生じせしめることができる。
【0033】3相を使用すると、2相よりも圧電素子に
印加する電圧を実質的に大きくでき、それだけ振動体
運動を大きくでき、モータの性能も向上する。
【0034】図9は本発明による積層圧電素子1を組み
込んだ棒状の振動波駆動装置を用いた駆動装置を示す。
【0035】この棒状の振動波駆動装置の基本的構造は
図10に示すものと同じであり、積層圧電素子1を用い
る点が従来例と異なっており、振動波駆動装置と一体的
に組付けられているギアfはギア伝達機構Gの入力ギア
GIに噛合し、その出力ギアGOはレンズL1を保持す
るレンズ保持部材Hに形成されたギアHIに噛合してい
る。このレンズ保持部材Hは固定筒Kにヘリコイド結合
し、振動波駆動装置の駆動力によりギア伝達機構Gを介
して回転駆動されて合焦動作が行なわれる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層圧電
素子によれば、積層した状態で分極処理し、振動波駆動
装置の小型化や大出力化、さらには低電圧駆動化も可能
となるばかりでなく、圧電素子の分極処理工程を容易に
し、また振動波駆動装置の組立ての際も圧電素子を短時
間で精度良く組み込めるなどの効果がある。
【0037】また、このようにして作った積層圧電素子
は多層化のほか1枚の圧電セラミックスも薄くでき、そ
の結果静電容量も大きくなり、振動波駆動装置として使
用する際入力インピーダンスが小さくなり、それだけ入
力電力も投入できるので、低電圧駆動や大出力化に適し
た特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層圧電素子の一実施例を示す図。
【図2】図1の積層圧電素子を構成する1枚の圧電素子
を示す図。
【図3】図1の積層圧電素子の分極処理方法を示す図。
【図4】本発明の積層圧電素子の他の実施例を示す図。
【図5】積層圧電素子を棒状の振動波駆動装置に組み込
んだ状態を示す図。
【図6】本発明の積層圧電素子の他の実施例を示す図。
【図7】本発明の積層圧電素子の他の実施例を示す図。
【図8】本発明の積層圧電素子の他の実施例を示す図。
【図9】図1の積層圧電素子を有する振動波駆動装置
駆動源とするレンズ駆動機構を組み込んだレンズ鏡筒の
断面図。
【図10】従来の棒状の振動波駆動装置振動体の分解
斜視図。
【図11】従来の棒状の振動波駆動装置の断面図。
【図12】従来の振動波駆動装置用の圧電素子を示す
図。
【図13】圧電素子の分極方向と伸縮方向との関係を示
す図。
【符号の説明】
1,1’…積層圧電素子 2−1,2−2,3,2’−1,2’−2,3’…導電
部 4…圧電素子 5…圧電セラミ
ックス 6…スリット 7,9…電極膜
未形成部 8−1,8−2,10…電極膜

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面と他面に電極膜を有し、少なくとも
    該片面の電極膜が非電極部によって複数に分割されてい
    る略円盤状の複数の圧電素子を重ね合わせた積層圧電素
    子において、 複数の圧電素子は各々の圧電素子の該片面の非電極部が
    揃うように該片面同士および該他面同士を対向した状態
    で積層され、少なくとも該積層圧電素子の内径側面ある
    いは外径側面のいずれかに、各々の圧電素子の該片面の
    電極膜を導通する導電部と該他面の電極膜を導通する導
    電部とを設けた ことを特徴とする積層圧電素子。
  2. 【請求項2】 片面と他面に電極膜を有し、少なくとも
    片面の電極膜が非電極部によって複数に分割されている
    略円盤状の複数の圧電素子を成形する工程と、 該複数の圧電素子を各々の圧電素子の該片面の非電極部
    が揃うように該片面同士および該他面同士を対向させて
    積層する工程と、 積層された圧電素子の少なくとも内径側面あるいは外径
    側面のいずれかに、各々の圧電素子の該片面の電極膜を
    導通する導電部と該他面の電極膜を導通する導電部とを
    設ける工程と、 該導電部を介して、複数の圧電素子の該片面の電極膜と
    該他面の電極膜に同時に電圧を印加して分極処理を行う
    工程と、を含む 積層圧電素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分極処理を行う工程において、複数
    の前記圧電素子の片面の電極膜と他面の電極膜との間に
    電位差を有して直流電圧を印加し、空気中において加熱
    しながら分極処理を行うことを特徴とする請求項2記載
    の積層圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 互いの非電極部の空間的位相を所定値だ
    けずらした複数の請求項1記載の積層圧電素子を金属体
    の間に挟持固定して構成される振動体と、該振動体に加
    圧接触する移動体とを有し、該振動体に該所定値に応じ
    て時間的位相の異なる複数の交番信号を印加することで
    該振動体の表面に形成される円または楕円運動によって
    該移動体を駆動することを特徴とする振動波駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項記載の振動波駆動装置を駆動源
    とし、レンズを保持 するレンズ保持部材を回転駆動させ
    て合焦動作を行うことを特徴とする振動波駆動装置を備
    えた機器。
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