JP3313782B2 - 積層圧電素子及びその製造方法並びに分極方法、及び振動波駆動装置、振動波駆動装置を備えた機器 - Google Patents

積層圧電素子及びその製造方法並びに分極方法、及び振動波駆動装置、振動波駆動装置を備えた機器

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JP3313782B2
JP3313782B2 JP26755192A JP26755192A JP3313782B2 JP 3313782 B2 JP3313782 B2 JP 3313782B2 JP 26755192 A JP26755192 A JP 26755192A JP 26755192 A JP26755192 A JP 26755192A JP 3313782 B2 JP3313782 B2 JP 3313782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層圧電素子及びその
製造方法並びに分極方法、及び振動波駆動装置、振動波
駆動装置を備えた機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】すでにたとえば、特開平3−40767
公報や特開平3−289375号公報等に棒状超音波
モータ(振動波モータ)は記載されている。図10は棒
状超音波モータ(振動波モータ)の振動子の分解斜視図
であり、図11は棒状超音波モータ(振動波モータ)
縦断面図である。
【0003】図10に示す振動子は、2枚の圧電素子P
ZT1,2を1群とする駆動用のA相圧電素子a1、同
様に2枚の圧電素子PZT3,4を1群とする駆動用の
B相圧電素子a2、又1枚の圧電素子板からなるセンサ
用圧電素子s1を図示のように積層するとともに、これ
らの圧電素子間に電気を供給するための電極板A1,A
2及びセンサ信号取り出し用の電極板Sがある。またそ
れらと共にGND用電極板G1,G2,G3もGND電
位を与えるためにある。そしてこれらの圧電素子および
電極板を挟持するように前後に黄銅、ステンレスなどの
振動減衰の比較的小さい金属製ブロックb1,b2を設
け、締め付けボルトcにより金属ブロックb1,b2を
締め付けることにより一体化し圧電素子に圧縮応力を付
与している。またこのときセンサ用圧電素子s1を一枚
で済ませるためボルトcと金属ブロックb2の間に絶縁
シートdが入っている。
【0004】このときA相圧電素子a1とB相圧電素子
a2は位置的に90度ずれて配置されており各々が該振
動子の軸を含む直する2つの面内方向の屈曲振動を励
振させ、かつ適当な時間的位相差を持たせることによ
り、振動子の表面粒子に円あるいは楕円運動を生ぜしめ
振動子上部に押圧された移動体を摩擦駆動する。
【0005】このような振動子を棒状超音波モータ(振
動波モータ)に用いた例を図11に示す。この例では、
振動子の締結ボルトcは、先端部に細径の支柱部c2を
有し、この支柱部c2の先端部に固定された固定部材g
によりモータ自体の固定を行えるようにし、又ロータr
などの回転支持の作用も兼用している。
【0006】ロータrは前金属ブロックb1の先端面に
接触し、加圧は固定部材gからベアリング部材eとギヤ
fを介してロータrに内装されたバネケースiのコイル
バネhを押圧することであたえられる。この棒状超音波
モータ(振動波モータ)に使用する圧電素子についてさ
らに詳しく説明すると、1枚の圧電素子PZT1〜4は
図12のように粉末から焼成して作った圧電セラミック
ス20を円盤形状に機械加工し、厚さ0.5mmとし、
表面にはスリット21を介して2つのほぼ半円形状の電
極膜22−1,22−2を形成し、裏面には全面に電極
膜23を形成させ、その後半円形状の電極膜22−1,
22−2の極性を右左で異なる方向(+),(−)で分
極処理を行い圧電特性を与えている。
【0007】このような1枚の圧電素子を図10のよう
に、例えば、A相においてはPZT1,PZT2が電極
板A1をはさんで分極の同極性が向かい合うようにし同
時にスリットも重なるように重ね合わせている。同様に
B相についても重ね合せている。
【0008】すなわち、図13のようにA相の圧電素子
a1の分極の方向は矢印15のように表わされ、電極板
A1に駆動用の交流電圧が作用すると、圧電素子PZT
1,PZT2の右側と左側で一方が伸びると一方が収縮
しこれを交互にくり返し振動子に屈曲振動を起こさせる
ことになる。B相についてもA相とスリットの向きが9
0°異なる点を除き同様の状態で屈曲振動を起こさせ
る。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では1枚1枚の圧電素子をあらかじめ分極処理
を行ってから、電極板と交互に重ね積層を行っているた
め、分極処理に多大な時間を要しており、また、振動子
の組立てにも時間を要していた。さらに、圧電素子の分
極処理工程時や組立工程時のハンドリングを考慮すると
強度上、圧電セラミックスの厚さもある程度厚くする必
要があり、その結果さらに多層化しようにも、素子全体
の寸法が大きくなり、例えば鉛筆と略同径あるいはそれ
以下の超小型化を実現できる超音波モータの小型化の障
害ともなっており、しいては、多層化により可能な超音
波モータの大出力化や低電圧駆動化も難しくしていた。
【0010】本発明は、このような従来の問題を解決し
た積層圧電素子及びその製造方法並びに分極方法、及び
振動波駆動装置、振動波駆動装置を備えた機器を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を実現する
積層圧電素子は、片面側に複数に分割された電極膜を形
成した第1の圧電素子層と片面側に前記第1の圧電素子
層とは異なる形状の電極膜を形成した第2の圧電素子層
を互い違いに複数組重ね合わせた層を有し、前記第1
の圧電素子層の電極膜が形成された部位と前記第2の圧
電素子の電極膜が形成されていない部位とを厚さ方向に
貫通して各々の前記第1の圧電素子層の電極膜を導通す
る導電体と、前記第1の圧電素子層の電極膜が形成され
ていない部位と前記第2の圧電素子の電極膜が形成され
た部位とを厚さ方向に貫通して各々の前記第2の圧電素
子層の電極膜を導通する導電体とを有することを特徴と
する。本発明の目的を実現する他の積層圧電素子は、上
記した積層圧電素子において、前記第1の圧電素子層と
前記第2の圧電素子層とを互い違いに複数組重ね合わせ
た層の両端層の表面に前記各導電体と夫々導通する互い
に非接触の電極膜を有することを特徴とする。 本発明の
目的を実現する積層圧電素子の製造方法は、上記いずれ
かの積層圧電素子の製造方法であって、圧電セラミック
材料からなる所定形状の複数のシートに前記電極膜と前
記導電体とを形成する工程と、該複数のシートを積層す
る工程と、該積層したシートを加圧しながら加熱して密
させ、焼成する工程とを含むことを特徴とする。本発
明の目的を実現する積層圧電素子の他の製造方法は、上
記の積層圧電素子の製造方法であって、圧電セラミック
材料からなる所定形状の複数のシートに前記電極膜と前
記導電体とを形成する工程と、該複数のシートを積層す
る工程と、該積層したシートを加圧しながら加熱して密
着させ、焼成する工程と、焼成後に両端に位置するシー
トの端面を平滑に加工する工程とを含むことを特徴とす
る。本発明の目的を実現する積層圧電素子の分極方法
は、上記した他の積層圧電素子の分極方法であって、両
端層の表面の電極膜を介して、前記積層圧電素子の前記
第1の圧電素子層の電極膜と前記第2の圧電素子層の電
極膜に直流電圧を印加して分極処理を行う工程を含む
とを特徴とする。本発明の目的を実現する振動波駆動装
置は、上記いずれかの積層圧電素子を金属ブロックの間
に挟持固定し、積層圧電素子に駆動用の交流電圧を印
加することにより、該金属ブロックに振動を形成する棒
状の振動子を有することを特徴とする。本発明の目的を
実現する振動波駆動装置を備えた機器は、上記振動波駆
動装置を駆動源としレンズを保持するレンズ保持部材
を回転駆動させて合焦動作を行うことを特徴とする。
【0012】
【実施例】図1及び図2は本発明による積層圧電素子の
第1の実施例を示し、図3はその分極方法における分極
処理工程を示し、図1のA―A線断面図を示す。
【0013】1は5枚の圧電素子層としての圧電素子部
1A、1B、1C、1D、1Eを積層した積層圧電素子
で、圧電素子部1Bと1D、1Cと1Eは夫々同一構造
に形成され、圧電素子部1Aとは別構造であるが、外径
及び内径は夫々同径に形成されている。
【0014】これら圧電素子部1A〜1Eは、予め仮焼
後粉砕した粉末に有機バインダーを混ぜ、シート状に成
形した圧電セラミックス材料からなるシートをリング状
に打ち抜き、このリング状シート2、3、4、5、6を
ベースにし、これらリング状シート3〜6についてはそ
の片面にのみ金属電極ペーストをスクリーン印刷にてス
リットにて絶縁された分割電極膜、又は全面電極膜を形
成し、またシート2については同様にして図2に示すよ
うに両面に2分割した分割電極膜と、全面電極膜を形成
している。
【0015】そして、これら圧電素子部1A〜1Eの構
造の相違は、厚み方向に形成した導電用穴の位置や個数
の相違と、全面電極膜や分割電極膜に形成した切欠き部
の位置等の相違による。
【0016】圧電素子部1Aは、図2に示すように、シ
ート2に1つの導電穴9dのみ形成され、この導電穴9
dは上記した場合と同様に形成された表面の2つの分割
電極膜8−1、8−2を絶縁する一方のスリット11−
1Bに臨むと共に、裏面の全面電極膜7に臨むようにし
ている。
【0017】圧電素子部1B、1Dは、シート3、5の
片側に予め導電穴9aを形成すると共に、他側に2つの
導電穴9bと9cを対向して形成し、また、上面には全
面電極膜7’が形成されていて、この全面電極膜7’に
は該導電穴9aと9bとを避けるように切欠き部11−
2Aと11−2Bを形成している。
【0018】圧電素子部1Cと1Eは、シート4、6に
シート3、5と同様に導電穴9a,9b,9cとを形成
し、上面にはスリット11−1Aと11−1Bにより絶
縁された第1分割電極膜8−1と第2分割電極膜8−2
形成され、第1分割電極膜8−1には導電穴9bが臨
み、第2分割電極膜8−2には導電穴9aが臨み、さら
にスリット11−Bには導電穴9cが形成されている。
【0019】以上のようにして電極膜の形成されたシー
ト2〜6は図1のように積層されるが、シート2は分割
電極膜の形成された面を上面にして第1層をなし、第1
層をなすシート2の上面に、第2層をなすシート3の全
面電極膜7’の形成された面を上にし、同じく第3層、
第4層、第5層をなすシート4、5、6の分割電極膜又
は全面電極膜の形成された電極膜形成面を上にして積層
し、このときシート2、4、6の各第1分割電極膜8−
1と第2分割電極膜8−2の位相を合わせるように配置
している。
【0020】そして、第1層をなすシート2の第2分割
電極膜8−2と対向するシート3の導電穴9a、シート
4、5、6の導電穴9aとが上下方向において繋がり、
第3の貫通孔10−3を形成している。そして、この第
3の貫通孔10−3に電極膜を形成した金属電極ペース
トと略同じペーストを充填し、第2分割電極膜用導電部
を形成している。すなわち、シート2、4、6におい
て、導電穴9aは第2分割電極膜8−2に臨んでいるの
で、この第3の貫通孔10−3に充填形成された該第2
分割電極膜用導電部は、シート2、4、6の各第2分割
電極膜8−2と導通することになる。
【0021】また、シート2の第1分割電極膜8−1と
対向するシート3の導電穴9b、同じくシート4、5、
6の導電穴9bとが上下方向において繋がり第2の貫通
孔10−2を形成している。そして、この第2の貫通孔
10−2に上記の場合と同様に金属電極ペーストと略同
様のペーストを充填し、第1分割電極膜用導電部を形成
している。すなわち、シート2、4、6において、導電
穴9bは第1分割電極膜8−1に臨んでいるので、第2
の貫通孔10−2に充填形成された該第1分割電極膜用
導電部は、シート2、4、6の各第1分割電極膜8−1
と導通することになる。
【0022】さらに、シート2の下面の全面電極膜7
と、該全面電極膜7に臨んだ導電穴9dと、シート3、
4、5、6の各導電穴9cが上下方向において繋がり第
1の貫通孔10−1を形成している。そして、この第1
の貫通孔10−1に上記と同様にして充填した電極ペー
ストにより全面電極膜用導電部を形成しており、つま
り、シート2の下面、シート3、5において導電穴9
d,9cは全面電極膜7,7’に臨んでいるので、該全
面電極膜用導電部と導通することになる。
【0023】このようにして重ね合わせて積層化した積
層圧電素子1をプレスにより温度50〜100℃に加熱
しながら、加圧力80MPa〜150MPaで2〜3分
間加圧し、各シートを密着化させた。そして、焼成炉を
用いて鉛雰囲気中で温度1200〜1300℃で焼成し
た。この際、昇温過程でシートや電極ペーストに含まれ
た有機バインダーは焼失し、焼成後一体化した積層圧電
素子1を得た。
【0024】次に、このようにして作った積層圧電素子
を図3のように、2つの100MΩの高抵抗12を用い
て分圧ができるように結線し、積層圧電素子1の上端面
の第1分割電極膜8−1及び第2分割電極膜8−2と、
最下層の圧電素子部1Aの電極膜7’にコンタクトピン
13を各々接触させた。
【0025】そして、直流電源14により直流電圧50
0Vを30分間、140℃の恒温槽の空気雰囲気中で印
加し分極処理を行った。第1分割電極膜8−1は0V、
全面電極膜7、7’には250V、第2分割電極膜8−
2には500Vが印加されるので、対向する第1分割電
極膜8−1、第2分割電極膜8−2と、全面電極膜7の
間の圧電セラミックスは矢印15の方向に分極される。
【0026】なお、図3に示す積層圧電素子1の断面図
は、図1のA−A線断面を示し、本断面図では厳密には
電極膜7、7’がない部分は分極はされないが、電極膜
7、7’の存在する部分は矢印15の方向に分極され
る。
【0027】このようにして分極処理された本実施例の
積層圧電素子を棒状超音波モータ(振動波モータ)に組
み込み、駆動電圧である交流電圧を印加すれば、従来例
でも説明したように、左右の分割電極膜8−1と8−2
で交互に伸縮が繰り返される。
【0028】本実施例では、積層圧電素子の直径は8m
m、シートの厚みは焼成後0.1mmとなるように予め
収縮分を見込んで約0.12mmで積層し、本素子の厚
みは0.5mmとしている。また電極膜の厚さは、5〜
6μmとし、貫通孔の孔径は直径0.2〜0.4mmと
した。なお、電極膜の材料は、白金、パラジウム、また
は銀とパラジウムとを混ぜたものを使用した。穴の位置
は棒状超音波モータ(振動波モータ)の動作原理上なる
べく内径側に近いところで移動体の振幅の大きい外径部
から離れた所に設けるのが望ましい。
【0029】実施例2 上記した実施例1では、焼成後の寸法、形状精度は外径
(直径)8±0.2mm、厚み精度はシート毎のバラツ
キもあり、厚さ0.5±0.04mm、上下端面は凸又
は凹状の反りを生じた。このため、焼成したままで、本
素子を棒状超音波モータ(振動波モータ)に組み込んで
使用すると、モータ性能のバラツキの一因となり易い。
【0030】そこで、図4に示すように、図2に示す実
施例1の場合と異なり、本実施例では、積層圧電素子
1’の上下端面に当たるシート2’とシート6’の厚さ
を他のシート3、4、5よりも予め厚くし、また上下面
の電極膜を設けないで形成している。なお、他のシート
3、4、5については実施例1と同じとしている。
【0031】そして、焼成後、研削加工又はラップ加工
を行い、シート2’とシート6’の端面を削り、表面を
平削にした。
【0032】その結果素子1の上下端面の反りはなくな
り、平面度3μm以下とすることができた。
【0033】また、外径及び内径部も研削加工により±
0.03以下に仕上げた。そして、加工後、積層圧電素
子の上下端面には、図1及び図2に示したのと同様に、
電極膜をスクリーン印刷により形成し、800℃に加熱
し焼付けた。また、分極処理は図2に示す方法と同様し
て行った。
【0034】なお、加工代として、シート2’とシート
6’の厚みは予め0.1〜0.2mm程度他のシートよ
り厚く形成した。
【0035】このように、本実施例では加工コストは実
施例1よりも高くなるものの、棒状超音波モータ(振動
波モータ)に組み込む際、電極板との接触が均一密着化
でき、外径精度、厚み精度も良くなるので、モータの性
能向上化、並びにバラツキの減少が図れる。
【0036】次に、本実施例の積層圧電素子を棒状超音
波モータ(振動波モータ)に組み込んだ実施例を図5に
示す。
【0037】図5の(a)は、従来例の圧電セラミック
スと同様に、A、B両相の各々に2この積層圧電素子を
用いた例であり、電極板A1とA2の両側に、各々2
個、合計4個の本実施例による積層圧電素子1を、図2
に示す分割電極膜8−1と8−2がある駆動電位面
(A)を電極板A1、A2に向かい合わせてスリットの
向きが一致するようにして組み込んでいる。
【0038】一方、図5の(b)は、電極板A1とA2
に各々1個の圧電素子を絶縁板16を介して重ねた電極
板A1、A2に駆動電位面(A)が接するように組み込
んだ例を示す。
【0039】なお、本実施例ではシートの積層枚数は5
枚としているが、奇数枚であればさらに枚数を増加して
も差異はない。また、偶数枚の場合には、積層圧電素子
の上下端面に電極膜7と7’が位置し、両方ともGND
面(G)となるので異なることになる。
【0040】実施例3 図6は実施例3を示し、本実施例は偶数枚のシートを積
層した積層圧電素子を示す。
【0041】本実施例の積層圧電素子1’’は4枚のシ
ート2、3、4’、5を重ね、実施例1と同様に電極
膜、貫通孔を設けているが、シート5の上面の電極膜は
全面電極膜7となっているため、上下端面はGND面
(G)となっている。
【0042】このため、シート4’の分割電極膜8−1
と8−2に各々切欠き部17を電極膜形成後に設け、積
層し一体焼結後に、図7に示すように、これら切欠き部
17に電極材を充填し、リード線19−1、19−2を
取り付けた。この電極材は、銀粉末とエポキシ樹脂を混
ぜたペーストを温度160℃で焼付けた。分極処理は電
極膜8−1と8−2に導通のとれたリード線19−1、
19−2に図2に示す電極膜8−1、8−2に接するコ
ンタクトピンのリード線を結び、実施例1と同条件にて
行った。
【0043】このようにして形成した本実施例の積層圧
電素子を棒状超音波モータ(振動波モータ)に組み込む
例として、例えばA、B両相について積層圧電素子
1’’各1個用いる場合には、図8に示すように、リー
ド線19−1と19−2を予め導通させておき、どちら
か一方のリード線に駆動電圧を印加すればよい。
【0044】図9は本発明による積層圧電素子1を組み
込んだ棒状超音波モータ(振動波モータ)を用いた駆動
装置を示す。
【0045】この棒状超音波モータ(振動波モータ)
基本的構造は図10に示すものと同じであり、積層圧電
素子1を用いる点が従来例と異なっており、超音波モー
タと一体的に組付けられているギアfはギア伝達機構G
の入力ギアGIに噛合し、その出力ギアGOはレンズL
1を保持するレンズ保持部材Hに形成されたギアHIに
噛合している。このレンズ保持部材Hは固定筒Kにヘリ
コイド結合し、超音波モータの駆動力によりギア伝達機
構Gを介して回転駆動されて合焦動作が行なわれる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、積層した状態で分
極処理のできる薄い圧電素子を多数枚重ねた積層圧電
素子を用いることにより、例えば棒状超音波モータ(振
動波モータ)の小型化や大出力化、さらには低電圧駆動
化も可能となるばかりでなく、複数の圧電素子の分極
処理工程を容易にし、また超音波モータ(振動波モー
タ)の組立ての際も圧電素子を短時間で精度良く組み込
めるなどの効果があり、特に積層される複数の圧電素子
間の導通を別部材で外付けする必要がないので、面倒
な外付け作業が不要となるばかりでなく、振動への影響
も少なくすることができる
【0047】また、このようにして作った積層圧電素子
は多層化のほか1枚の圧電セラミックスも薄くでき、そ
の結果静電容量も大きくなり、モータとして使用する際
入力インピーダンスが小さくなり、それだけ入力電力も
投入できるので、低電圧駆動や大出力化に適した特性を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層圧電素子の実施例1を示す図。
【図2】図1の積層圧電素子を構成する最下層の圧電素
子部を示す図。
【図3】図1の積層圧電素子の分極処理方法を示す図。
【図4】本発明の積層圧電素子の実施例2を示す図。
【図5】実施例2の積層圧電素子を棒状超音波モータ
(振動波モータ)に組み込んだ状態を示す図。
【図6】本発明の積層圧電素子の実施例3を示す分解斜
視図。
【図7】本発明の積層圧電素子の実施例3を示す図。
【図8】実施例3の積層圧電素子を棒状超音波モータ
(振動波モータ)に組み込んだ状態を示す図。
【図9】図1の積層圧電素子を有する超音波モータ(振
動波モータ)を駆動源とするレンズ駆動機構を組み込ん
だレンズ鏡筒の断面図。
【図10】従来の棒状超音波モータ(振動波モータ)
振動子の分解斜視図。
【図11】従来の棒状超音波モータ(振動波モータ)
断面図。
【図12】従来の超音波モータ(振動波モータ)用の圧
電素子を示す図。
【図13】圧電素子の分極方向と伸縮方向との関係を示
す図。
【符号の説明】
1,1’,1’’…積層圧電素子 2,3,4,5,6…シート 7,7’…全面電極膜 8−1,8−2…分割電極膜 9a〜9d…導電穴 10−1,10−2,10−3…貫通孔

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面側に複数に分割された電極膜を形成
    した第1の圧電素子層と片面側に前記第1の圧電素子層
    とは異なる形状の電極膜を形成した第2の圧電素子層と
    を互い違いに複数組重ね合わせた層を有し、前記第1の
    圧電素子層の電極膜が形成された部位と前記第2の圧電
    素子の電極膜が形成されていない部位とを厚さ方向に貫
    通して各々の前記第1の圧電素子層の電極膜を導通する
    導電体と、前記第1の圧電素子層の電極膜が形成されて
    いない部位と前記第2の圧電素子の電極膜が形成された
    部位とを厚さ方向に貫通して各々の前記第2の圧電素子
    層の電極膜を導通する導電体とを有することを特徴とす
    る積層圧電素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の圧電素子層と前記第2の圧電
    素子層とを互い違いに複数組重ね合わせた層の両端層の
    表面に前記各導電体と夫々導通する互いに非接触の電極
    膜を有することを特徴とする請求項1に記載の積層圧電
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の積層圧電素子
    の製造方法であって、圧電セラミック材料からなる所定
    形状の複数のシートに前記電極膜と前記導電体とを形成
    する工程と、該複数のシートを積層する工程と、該積層
    したシートを加圧しながら加熱して密着させ、焼成する
    工程とを含むことを特徴とする積層圧電素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の積層圧電素子の製造方
    法であって、圧電セラミック材料からなる所定形状の複
    数のシートに前記電極膜と前記導電体とを形成する工程
    と、該複数のシートを積層する工程と、該積層したシー
    トを加圧しながら加熱して密着させ、焼成する工程と、
    焼成後に両端に位置するシートの端面を平滑に加工する
    工程とを含むことを特徴とする積層圧電素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の積層圧電素子の分極方
    であって、両端層の表面の電極膜を介して、前記積層
    圧電素子の前記第1の圧電素子層の電極膜と前記第2の
    圧電素子層の電極膜に直流電圧を印加して分極処理を行
    工程を含むことを特徴とする積層圧電素子の分極方
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の積層圧電素子
    金属ブロックの間に挟持固定し、積層圧電素子に
    動用の交流電圧を印加することにより、該金属ブロック
    に振動を形成する棒状の振動子を有することを特徴とす
    る振動波駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項記載の振動波駆動装置を駆動源
    としレンズを保持するレンズ保持部材を回転駆動させ
    て合焦動作を行うことを特徴とする振動波駆動装置を備
    えた機器。
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