JPH06120580A - 積層圧電素子及びその製造方法並びに分極処理方法、及び超音波モータ - Google Patents

積層圧電素子及びその製造方法並びに分極処理方法、及び超音波モータ

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JPH06120580A
JPH06120580A JP26755192A JP26755192A JPH06120580A JP H06120580 A JPH06120580 A JP H06120580A JP 26755192 A JP26755192 A JP 26755192A JP 26755192 A JP26755192 A JP 26755192A JP H06120580 A JPH06120580 A JP H06120580A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円板状の圧電素子を個々に形成し、分極処理
を施す場合は、分極処理等に時間を要したり、圧電セラ
ミックスにある程度の厚みを必要としていたが、このよ
うな問題を解決した積層圧電素子を提供する。 【構成】 圧電セラミックス材料からなるシート2〜6
の積層により構成され、シート2にのみ上面と下面に夫
々第1分割電極膜8−1と、第2分割電極膜8−2を設
け、シート4と6には分割電極膜のみ上面に設け、シー
ト3、5は全面電極膜7’のみ上面に設け、上下のシー
トに設けた電極膜を共用するようにしている。また、第
1分割電極膜8−1は導電穴9bに臨み、第2分割電極
膜8−2は導電穴9a、全面電極膜7,7’は導電穴9
c,9dに臨み、これらシートを所定の位相を有して上
下方向に積層すると、電極膜を共通とする導電穴が夫々
繋がり、貫通孔10−1〜10−3が形成され、そこに
導電ペーストを充填することで各電極膜の導電部が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層圧電素子及びその製
造方法並びにその分極処理方法、及び超音波モータに関
する。
【0002】
【従来の技術】すでにたとえば、特開平3−40767
号や特開平3−289375号等に棒状超音波モータは
記載されている。図10は棒状超音波モータの振動子の
分解斜視図であり、図11は棒状超音波モータの縦断面
図である。
【0003】図10に示す振動子は、2枚の圧電素子P
ZT1,2を1群とする駆動用のA相圧電素子a1、同
様に2枚の圧電素子PZT3,4を1群とする駆動用の
B相圧電素子a2、又1枚の圧電素子板からなるセンサ
用圧電素子s1を図示のように積層するとともに、これ
らの圧電素子間に電気を供給するための電極板A1,A
2及びセンサ信号取り出し用の電極板Sがある。またそ
れらと共にGND用電極板G1,G2,G3もGND電
位を与えるためにある。そしてこれらの圧電素子および
電極板を挟持するように前後に黄銅、ステンレスなどの
振動減衰の比較的小さい金属製ブロックb1,b2を設
け、締め付けボルトcにより金属ブロックb1,b2を
締め付けることにより一体化し圧電素子に圧縮応力を付
与している。またこのときセンサ用圧電素子s1を一枚
で済ませるためボルトcと金属ブロックb2の間に絶縁
シートdが入っている。
【0004】このときA相圧電素子a1とB相圧電素子
a2は位置的に90度ずれて配置されており各々が該振
動子の軸を含む直行する2つの面内方向の屈曲振動を励
振させ、かつ適当な時間的位相差を持たせることによ
り、振動子の表面粒子に円あるいは楕円運動を生ぜしめ
振動子上部に押圧された移動体を摩擦駆動する。
【0005】このような振動子を棒状超音波モータに用
いた例を図11に示す。この例では、振動子の締結ボル
トcは、先端部に細径の支柱部c2を有し、この支柱部
c2の先端部に固定された固定部材gによりモータ自体
の固定を行えるようにし、又ロータrなどの回転支持の
作用も兼用している。
【0006】ロータrは前金属ブロックb1の先端面に
接触し、加圧は固定部材gからベアリング部材eとギヤ
fを介してロータrに内装されたバネケースiのコイル
バネhを押圧することであたえられる。この棒状超音波
モータに使用する圧電素子についてさらに詳しく説明す
ると、1枚の圧電素子PZT1〜4は図12のように粉
末から焼成して作った圧電セラミックス20を円盤形状
に機械加工し、厚さ0.5mmとし、表面にはスリット
21を介して2つのほぼ半円形状の電極膜22−1,2
2−2を形成し、裏面には全面に電極膜23を形成さ
せ、その後半円形状の電極膜22−1,22−2の極性
を右左で異なる方向(+),(−)で分極処理を行い圧
電特性を与えている。
【0007】このような1枚の圧電素子を図10のよう
に、例えば、A相においてはPZT1,PZT2が電極
板A1をはさんで分極の同極性が向かい合うようにし同
時にスリットも重なるように重ね合わせている。同様に
B相についても重ね合せている。
【0008】すなわち、図13のようにA相の圧電素子
a1の分極の方向は矢印15のように表わされ、電極板
A1に駆動用の交流電圧が作用すると、圧電素子PZT
1,PZT2の右側と左側で一方が伸びると一方が収縮
しこれを交互にくり返し振動子に屈曲振動を起こさせる
ことになる。B相についてもA相とスリットの向きが9
0°異なる点を除き同様の状態で屈曲振動を起こさせ
る。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では1枚1枚の圧電素子をあらかじめ分極処理
を行ってから、電極板と交互に重ね積層を行っているた
め、分極処理に多大な時間を要しており、また、振動子
の組立てにも時間を要していた。さらに、圧電素子の分
極処理工程時や組立工程時のハンドリングを考慮すると
強度上、圧電セラミックスの厚さもある程度厚くする必
要があり、その結果さらに多層化しようにも、素子全体
の寸法が大きくなり、例えば鉛筆と略同径あるいはそれ
以下の超小型化を実現できる超音波モータの小型化の障
害ともなっており、しいては、多層化により可能な超音
波モータの大出力化や低電圧駆動化も難しくしていた。
【0010】本発明は、このような従来の問題を解決し
た積層圧電素子、及びその製造方法、分極処理方法、及
び該積層型圧電素子を用いた超音波モータを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を実現する
積層圧電素子、その製造方法並びにその分極処理方法及
び超音波モータは特許請求の範囲に記載した通りであ
り、具体的には、あらかじめ薄い圧電セラミックス材料
からなるシートの表面にのみ分割電極膜を設けた圧電素
子部と、全面電極のみ設けた圧電素子部とを交互に複数
枚重ね合せ、最下層の圧電素子部にのみ分割電極膜と全
面電極膜とを形成したものを配し隣接する圧電素子部間
の電極膜を共用するようにし、さらに各圧電素子部の位
相の合った分割電極膜同士、及び共通電極膜同士を、圧
電素子部の厚み方向に形成した導電穴に充填した導電体
で結ないで一体化し、これを焼成して積層圧電素子が形
成される。そして、本発明の積層圧電素子は、多数枚の
圧電素子部の分極処理を空気雰囲気中で1回の分極工程
で行うことが可能となり、さらに、素子全体の寸法を増
やすことなく、積層枚数を増やすことができるようにし
たものである。
【0012】
【実施例】実施例1 図1及び図2は本発明による圧電素子の第1の実施例を
示し、図3はその分極処理方法を示し、また図1のA−
A線断面図を示す。
【0013】1は5枚の圧電素子部1A、1B、1C、
1D、1Eを積層した積層圧電素子で、圧電素子部1B
と1D、1Cと1Eは夫々同一構造に形成され、圧電素
子部1Aとは別構造であるが、外径及び内径は夫々同径
に形成されている。
【0014】これら圧電素子部1A〜1Eは、予め仮焼
後粉砕した粉末に有機バインダーを混ぜ、シート状に成
形した圧電セラミックス材料からなるシートをリング状
に打ち抜き、このリング状シート2、3、4、5、6を
ベースにし、これらリング状シート3〜6についてはそ
の片面にのみ金属電極ペーストをスクリーン印刷にてス
リットにて絶縁された分割電極膜、又は全面電極膜を形
成し、またシート2については同様にして図2に示すよ
うに両面に2分割した分割電極膜と、全面電極膜を形成
している。
【0015】そして、これら圧電素子部1A〜1Eの構
造の相違は、厚み方向に形成した導電用穴の位置や個数
の相違と、全面電極膜や分割電極膜に形成した切欠き部
の位置等の相違による。
【0016】圧電素子部1Aは、図2に示すように、シ
ート2に1つの導電穴9dのみ形成され、この導電穴9
dは上記した場合と同様に形成された表面の2つの分割
電極膜8−1、8−2を絶縁する一方のスリット11−
1Bに臨むと共に、裏面の全面電極膜7に臨むようにし
ている。
【0017】圧電素子部1B、1Dは、シート3、5の
片側に予め導電穴9aを形成すると共に、他側に2つの
導電穴9bと9cを対向して形成し、また、上面には全
面電極膜7’が形成されていて、この全面電極膜7’に
は該導電穴9aと9bとを避けるように切欠き部11−
2Aと11−2Bを形成している。
【0018】圧電素子部1Cと1Eは、シート4、6に
シート3、5と同様に導電穴9a,9b,9cとを形成
し、上面にはスリット11−1Aと11−1Bにより絶
縁された第1分割電極膜8−1と第2分割電極膜8−2
形成され、第1分割電極膜8−1には導電穴9bが臨
み、第2分割電極膜8−2には導電穴9aが臨み、さら
にスリット11−Bには導電穴9cが形成されている。
【0019】以上のようにして電極膜の形成されたシー
ト2〜6は図1のように積層されるが、シート2は分割
電極膜の形成された面を上面にして第1層をなし、第1
層をなすシート2の上面に、第2層をなすシート3の全
面電極膜7’の形成された面を上にし、同じく第3層、
第4層、第5層をなすシート4、5、6の分割電極膜又
は全面電極膜の形成された電極膜形成面を上にして積層
し、このときシート2、4、6の各第1分割電極膜8−
1と第2分割電極膜8−2の位相を合わせるように配置
している。
【0020】そして、第1層をなすシート2の第2分割
電極膜8−2と対向するシート3の導電穴9a、シート
4、5、6の導電穴9aとが上下方向において繋がり、
第3の貫通孔10−3を形成している。そして、この第
3の貫通孔10−3に電極膜を形成した金属電極ペース
トと略同じペーストを充填し、第2分割電極膜用導電部
を形成している。すなわち、シート2、4、6におい
て、導電穴9aは第2分割電極膜8−2に臨んでいるの
で、この第3の貫通孔10−3に充填形成された該第2
分割電極膜用導電部は、シート2、4、6の各第2分割
電極膜8−2と導通することになる。
【0021】また、シート2の第1分割電極膜8−1と
対向するシート3の導電穴9b、同じくシート4、5、
6の導電穴9bとが上下方向において繋がり第2の貫通
孔10−2を形成している。そして、この第2の貫通孔
10−2に上記の場合と同様に金属電極ペーストと略同
様のペーストを充填し、第1分割電極膜用導電部を形成
している。すなわち、シート2、4、6において、導電
穴9bは第1分割電極膜8−1に臨んでいるので、第2
の貫通孔10−2に充填形成された該第1分割電極膜用
導電部は、シート2、4、6の各第1分割電極膜8−1
と導通することになる。
【0022】さらに、シート2の下面の全面電極膜7
と、該全面電極膜7に臨んだ導電穴9dと、シート3、
4、5、6の各導電穴9cが上下方向において繋がり第
1の貫通孔10−1を形成している。そして、この第1
の貫通孔10−1に上記と同様にして充填した電極ペー
ストにより全面電極膜用導電部を形成しており、つま
り、シート2の下面、シート3、5において導電穴9
d,9cは全面電極膜7,7’に臨んでいるので、該全
面電極膜用導電部と導通することになる。
【0023】このようにして重ね合わせて積層化した積
層圧電素子1をプレスにより温度50〜100℃に加熱
しながら、加圧力80MPa〜150MPaで2〜3分
間加圧し、各シートを密着化させた。そして、焼成炉を
用いて鉛雰囲気中で温度1200〜1300℃で焼成し
た。この際、昇温過程でシートや電極ペーストに含まれ
た有機バインダーは焼失し、焼成後一体化した積層圧電
素子1を得た。
【0024】次に、このようにして作った積層圧電素子
を図3のように、2つの100MΩの高抵抗12を用い
て分圧ができるように結線し、積層圧電素子1の上端面
の第1分割電極膜8−1及び第2分割電極膜8−2と、
最下層の圧電素子部1Aの電極膜7’にコンタクトピン
13を各々接触させた。
【0025】そして、直流電源14により直流電圧50
0Vを30分間、140℃の恒温槽の空気雰囲気中で印
加し分極処理を行った。第1分割電極膜8−1は0V、
全面電極膜7、7’には250V、第2分割電極膜8−
2には500Vが印加されるので、対向する第1分割電
極膜8−1、第2分割電極膜8−2と、全面電極膜7の
間の圧電セラミックスは矢印15の方向に分極される。
【0026】なお、図3に示す積層圧電素子1の断面図
は、図1のA−A線断面を示し、本断面図では厳密には
電極膜7、7’がない部分は分極はされないが、電極膜
7、7’の存在する部分は矢印15の方向に分極され
る。
【0027】このようにして分極処理された本実施例の
積層圧電素子を棒状超音波モータに組み込み、駆動電圧
である交流電圧を印加すれば、従来例でも説明したよう
に、左右の分割電極膜8−1と8−2で交互に伸縮が繰
り返される。
【0028】本実施例では、積層圧電素子の直径は8m
m、シートの厚みは焼成後0.1mmとなるように予め
収縮分を見込んで約0.12mmで積層し、本素子の厚
みは0.5mmとしている。また電極膜の厚さは、5〜
6μmとし、貫通孔の孔径は直径0.2〜0.4mmと
した。なお、電極膜の材料は、白金、パラジウム、また
は銀とパラジウムとを混ぜたものを使用した。穴の位置
は棒状超音波モータの動作原理上なるべく内径側に近い
ところで移動体の振幅の大きい外径部から離れた所に設
けるのが望ましい。
【0029】実施例2 上記した実施例1では、焼成後の寸法、形状精度は外径
(直径)8±0.2mm、厚み精度はシート毎のバラツ
キもあり、厚さ0.5±0.04mm、上下端面は凸又
は凹状の反りを生じた。このため、焼成したままで、本
素子を棒状超音波モータに組み込んで使用すると、モー
タ性能のバラツキの一因となり易い。
【0030】そこで、図4に示すように、図2に示す実
施例1の場合と異なり、本実施例では、積層圧電素子
1’の上下端面に当たるシート2’とシート6’の厚さ
を他のシート3、4、5よりも予め厚くし、また上下面
の電極膜を設けないで形成している。なお、他のシート
3、4、5については実施例1と同じとしている。
【0031】そして、焼成後、研削加工又はラップ加工
を行い、シート2’とシート6’の端面を削り、表面を
平削にした。
【0032】その結果素子1の上下端面の反りはなくな
り、平面度3μm以下とすることができた。
【0033】また、外径及び内径部も研削加工により±
0.03以下に仕上げた。そして、加工後、積層圧電素
子の上下端面には、図1及び図2に示したのと同様に、
電極膜をスクリーン印刷により形成し、800℃に加熱
し焼付けた。また、分極処理は図2に示す方法と同様し
て行った。
【0034】なお、加工代として、シート2’とシート
6’の厚みは予め0.1〜0.2mm程度他のシートよ
り厚く形成した。
【0035】このように、本実施例では加工コストは実
施例1よりも高くなるものの、棒状超音波モータに組み
込む際、電極板との接触が均一密着化でき、外径精度、
厚み精度も良くなるので、モータの性能向上化、並びに
バラツキの減少が図れる。
【0036】次に、本実施例の積層圧電素子を棒状超音
波モータに組み込んだ実施例を図5に示す。
【0037】図5の(a)は、従来例の圧電セラミック
スと同様に、A、B両相の各々に2この積層圧電素子を
用いた例であり、電極板A1とA2の両側に、各々2
個、合計4個の本実施例による積層圧電素子1を、図2
に示す分割電極膜8−1と8−2がある駆動電位面
(A)を電極板A1、A2に向かい合わせてスリットの
向きが一致するようにして組み込んでいる。
【0038】一方、図5の(b)は、電極板A1とA2
に各々1個の圧電素子を絶縁板16を介して重ねた電極
板A1、A2に駆動電位面(A)が接するように組み込
んだ例を示す。
【0039】なお、本実施例ではシートの積層枚数は5
枚としているが、奇数枚であればさらに枚数を増加して
も差異はない。また、偶数枚の場合には、積層圧電素子
の上下端面に電極膜7と7’が位置し、両方ともGND
面(G)となるので異なることになる。
【0040】実施例3 図6は実施例3を示し、本実施例は偶数枚のシートを積
層した積層圧電素子を示す。
【0041】本実施例の積層圧電素子1’’は4枚のシ
ート2、3、4’、5を重ね、実施例1と同様に電極
膜、貫通孔を設けているが、シート5の上面の電極膜は
全面電極膜7となっているため、上下端面はGND面
(G)となっている。
【0042】このため、シート4’の分割電極膜8−1
と8−2に各々切欠き部17を電極膜形成後に設け、積
層し一体焼結後に、図7に示すように、これら切欠き部
17に電極材を充填し、リード線19−1、19−2を
取り付けた。この電極材は、銀粉末とエポキシ樹脂を混
ぜたペーストを温度160℃で焼付けた。分極処理は電
極膜8−1と8−2に導通のとれたリード線19−1、
19−2に図2に示す電極膜8−1、8−2に接するコ
ンタクトピンのリード線を結び、実施例1と同条件にて
行った。
【0043】このようにして形成した本実施例の積層圧
電素子を棒状超音波モータに組み込む例として、例えば
A、B両相について積層圧電素子1’’各1個用いる場
合には、図8に示すように、リード線19−1と19−
2を予め導通させておき、どちらか一方のリード線に駆
動電圧を印加すればよい。
【0044】図9は本発明による積層圧電素子1を組み
込んだ棒状超音波モータを用いた駆動装置を示す。
【0045】この棒状超音波モータの基本的構造は図1
0に示すものと同じであり、積層圧電素子1を用いる点
が従来例と異なっており、超音波モータと一体的に組付
けられているギアfはギア伝達機構Gの入力ギアGIに
噛合し、その出力ギアGOはレンズL1を保持するレン
ズ保持部材Hに形成されたギアHIに噛合している。こ
のレンズ保持部材Hは固定筒Kにヘリコイド結合し、超
音波モータの駆動力によりギア伝達機構Gを介して回転
駆動されて合焦動作が行なわれる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、積層した状態で分
極処理のできる薄い圧電素子を多数枚重ねた積層圧電素
子を用いることにより、棒状超音波モータの小型化や大
出力化、さらには低電圧駆動化も可能となるばかりでな
く、圧電素子の分極処理工程を容易にし、また超音波モ
ータの組立ての際も圧電素子を短時間で精度良く組み込
めるなどの効果があり、特に積層される複数の圧電素子
部間の導通を別部材で外付けする必要がないので、面倒
な外付け作業が不要となるばかりでなく、振動への影響
も少なくすることができる。。
【0047】また、このようにして作った積層圧電素子
は多層化のほか1枚の圧電セラミックスも薄くでき、そ
の結果静電容量も大きくなり、モータとして使用する際
入力インピーダンスが小さくなり、それだけ入力電力も
投入できるので、低電圧駆動や大出力化に適した特性を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層圧電素子の実施例1を示す図。
【図2】図1の積層圧電素子を構成する最下層の圧電素
子部を示す図。
【図3】図1の積層圧電素子の分極処理方法を示す図。
【図4】本発明の積層圧電素子の実施例2を示す図。
【図5】実施例2の積層圧電素子を棒状超音波モータに
組み込んだ状態を示す図。
【図6】本発明の積層圧電素子の実施例3を示す分解斜
視図。
【図7】本発明の積層圧電素子の実施例3を示す図。
【図8】実施例3の積層圧電素子を棒状超音波モータに
組み込んだ状態を示す図。
【図9】図1の積層圧電素子を有する超音波モータを駆
動源とするレンズ駆動機構を組み込んだレンズ鏡筒の断
面図。
【図10】従来の棒状超音波モータの振動子の分解斜視
図。
【図11】従来の棒状超音波モータの断面図。
【図12】従来の超音波モータ用の圧電素子を示す図。
【図13】圧電素子の分極方向と伸縮方向との関係を示
す図。
【符号の説明】
1,1’,1’’…積層圧電素子 2,3,4,5,6…シート 7,7’…全面電極膜 8−1,8−2…分割電極膜 9a〜9d…導電穴 10−1,10−2,10−3…貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9274−4M H01L 41/22 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面側にのみ複数の分割電極膜を形成し
    た第1の圧電素子部と、片面側にのみ全面電極膜を形成
    した第2の圧電素子部とをその電極膜形成面を上向きに
    して互い違いに重ね合わせると共に、最下層には下面に
    全面電極膜が形成され、上面に複数の分割電極膜の形成
    された圧電素子部を配置し、各層の上面の電極膜はその
    上の層の下面の電極膜と共用し、これら圧電素子部はそ
    の各分割電極膜の位相を一致させるようにして重ね合わ
    せて積層され、積層方向において同位相の分割電極膜同
    士を導電させ、且つ互いに非導電状態としている複数の
    分極膜用導電部と、該各全面電極膜同士を導電させた全
    面電極膜用導電部を有し、該複数の分極膜用導電部およ
    び該全面電極膜用導電部は、複数の圧電素子部の厚み方
    向に形成された導電用の穴部に形成されていることを特
    徴とする積層圧電素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の積層圧電素子における
    複数の圧電素子部は、導電用の穴部を有する圧電セラミ
    ック材料からなる所定形状のシートの表裏両面に電極膜
    を形成し、これを積層して加圧しながら加熱して密着化
    し、焼成したことを特徴とする積層圧電素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項3において、積層圧電素子の両端
    面に配されるシートを予めその間に配されるシートより
    厚くすると共に外面側には電極膜を形成していないもの
    を用い、焼成後これら両端面に配されるシートの端面を
    平滑に加工し、その後該平滑加工面に電極膜を形成した
    ことを特徴とする積層圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の積層圧電素子における
    互いに絶縁した電極膜間に直流電圧を印加すると共に、
    空気中において加熱しながら分極処理を行うことを特徴
    とする積層圧電素子の分極処理方法。
  5. 【請求項5】 金属ブロック間に請求項1に記載の積層
    圧電素子を所定の位相を有して複数挟持固定し、これら
    積層型圧電素子に所定の位相を有する交流電圧を印加す
    ることにより、該金属ブロックの表面粒子に楕円又は円
    運動を形成する棒状の振動子と、該振動子に加圧接触し
    て該楕円又は円運動により摩擦駆動される移動体とを有
    することを特徴とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の超音波モータを駆動源
    とすることを特徴とする機器。
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