JP3059038B2 - 積層圧電素子、振動波駆動装置および振動波駆動装置を備えた装置 - Google Patents

積層圧電素子、振動波駆動装置および振動波駆動装置を備えた装置

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JP3059038B2
JP3059038B2 JP6002656A JP265694A JP3059038B2 JP 3059038 B2 JP3059038 B2 JP 3059038B2 JP 6002656 A JP6002656 A JP 6002656A JP 265694 A JP265694 A JP 265694A JP 3059038 B2 JP3059038 B2 JP 3059038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層圧電素子およびこ
の積層圧電素子を用いた曲げ進行波を利用する超音波モ
ータに代表される振動波駆動装置および振動波駆動装置
を備えた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円環又は円板状の超音波モータ
は、例えば特公平1−17354号公報等に開示されて
いるように、金属等の振動減衰性の低い弾性体に電歪素
子あるいは圧電素子を固定した振動子を有し、該弾性体
の表面に動体(接触体)を加圧接触させ、並列する電歪
素子あるいは圧電素子の電極群に時間的に位相の異なる
高周波電圧を印加し、該動体(接触体)を(相対)駆動
する。
【0003】この振動子に用いられる圧電素子には、多
数に分割された電極が片面側に配置されると共に、該弾
性体と接合される反対面側には全面電極が設けられてい
て、該片面側の複数の電極は、駆動に供するA、B2相
の複数の電極群からなり、これら2相の電極群は互いに
位置的に4分の1波長、或は4分の1波長の奇数倍の間
隔を有して配置され、互いに異なる方向に分極処理が施
された各群の複数の圧電素子は2分の1波長の間隔を有
していて、この分極方向の異なる同群の圧電素子に同時
に高周波電圧を印加すると、1波長分の振動が励起さ
れ、これを複数組用意すれば、その数に見合った波数の
定在波が形成され、結果として1又は複数の波数の進行
波が励起される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の電歪又は圧電素子は、一層構造であることから、この
圧電素子を用いた超音波モータを実用的な出力で駆動す
るには数十ボルトの高周波電圧を印加する必要があり、
カメラ等の携帯用の機器の電源である電池の電圧では足
りず、昇圧回路を用意する必要があった。
【0005】ここで、圧電素子板を積層化した圧電素子
を用いた積層型セラミックアクチュエータ[内野研二
著:圧電/電歪アクチュエータ;共立出版]が知られて
いるが、これは分極方向が単純な圧電素子を単に積層し
ただけであり、多数の電極に分割され、分極極性が交互
に替わるような複雑な構造の圧電素子板を積層しようと
すると、分極処理や駆動のための配線が複雑化し、実現
化できなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】第1の発明
は、圧電セラミックスの片面側に電極を形成した圧電素
子板を厚み方向に複数枚積層した積層圧電素子におい
て、厚み方向の伸縮で周方向に波長(λ)で複数の波数
の定在波を励起して合成により進行波を形成する2群の
複数の電極部が該圧電セラミックスに厚み方向に同位相
で形成されると共に周方向においては異なる群の電極
部が4分の1波長(λ)の奇数倍の間隔を有して配置さ
れた複数の第1の圧電素子板と、圧電セラミックスに
全面にわたって電極部が形成され、該第1の圧電素子板
と交互に積層配置される第2の圧電素子板とを有するこ
とを特徴とする。 第1の発明では、面外(厚み)方向に
おける伸縮を複数層にわたって同時に形成することが可
能となり、励起される2つの定在波の合成で、周方向
数の波数の進行波を形成することができる従来の圧電
素子に比べて、周波印加電圧をより低電圧で同じ振幅を
得ることができ、昇圧回路を不要とする。
【0007】第2の発明は、圧電セラミックスの片面側
に電極を形成した圧電素子板を厚み方向に複数枚積層し
た積層圧電素子において、厚み方向の伸縮で周方向に波
長(λ)で複数の波数の定在波を励起して合成により進
行波を形成する2群の複数の電極部が該圧電セラミック
スに厚み方向に同位相で形成されると共に、周方向にお
いては異なる群の電極部が4分の1波長(λ)の奇数倍
の間隔を有して配置された複数の第1の圧電素子板と、
該圧電セラミックスに該第1の圧電素子板の電極部と同
位相の電極部が形成され、該第1の圧電素子板と交互に
積層配置される第2の圧電素子板とを有することを特徴
とする。 第2の発明では、第2の圧電素子板の電極部に
間の電圧を印加するようにすれば、2倍の電界を与え
ることが可能となり、さらなる低電圧での駆動が可能と
なる。
【0008】第3の発明は、第1の発明で、前記第1の
圧電素子板の片面側には電極部が形成されていない電極
無形成部を有することを特徴とする。 第3の発明では、
電極膜の形成を容易とすることもできるが、4分の1波
長の間隔で電極部全面にわたり形成することにより、
伸縮エネルギをより大きく取り出すことができる。
【0009】第4の発明は、上記第1又は2の発明で、
前記第1の圧電素子板の片面側には4分の1波長(λ)
の間隔で前記2群の電極部が全周にわたり形成されてい
ることを特徴とする。 第5の発明は、上記いずれかの発
明で、積層される圧電素子板の電極は、一層おきに厚み
方向で対応する電極部とスルーホールで電気的に接続さ
れていることを特徴とする。 第6の発明は、上記いずれ
かの発明で、積層される最上層の圧電素子板には、下層
の電極部とスルーホールを介して電気的に接続される電
極部が複数形成されていることを特徴とする。 第5、第
6の発明によれば、分極時の配線数や駆動回路からの給
電配線数等を削減でき、さらには最上層の圧電素子板に
形成された電極のみを利用して、分極処理や駆動のため
の周波電圧の印加が行える。
【0010】第7の発明は、第6の発明で、前記最上層
の圧電素子板に形成される複数の電極部の一端側は略一
か所に集められるように設けられていることを特徴とす
る。 第7の発明では、給電のために接続されるフレキシ
ブルプリント基板の接続部を小さくすることができ、コ
ストの削減化、基板樹脂による振動減衰を小さく抑える
ことができ、この圧電素子を用いた振動波モータ等の振
動波駆動装置の駆動効率を向上させることができる。
【0011】第8の発明は、上記いずれかの発明で、い
ずれかの圧電セラミック層の一部をセンサー相として用
い、最上層の圧電素子板に該センサー相の信号取り出し
用の電極を設けたことを特徴とする。 第8の発明では、
この積層圧電素子にもセンサー相を設けることができる
ので、振動波駆動装置の駆動制御を高精度に行える。
【0012】
【実施例】図1は本発明による積層圧電素子の第1の実
施例を示す分解斜視図、図2は図1の積層圧電素子を構
成する圧電セラミックスの片面側に形成される電極の平
面図を示す。
【0013】本実施例の積層圧電素子は、図2の(a)
〜(f)に示す円環形状の6枚の圧電セラミックスから
なる圧電素子板を積層したもので、これらの圧電セラミ
ックスの片面側に形成される電極パターンにより3種類
の素子に分けられている。
【0014】第1の電極パターンを有する最上層の圧電
素子板4は、周方向に4分の1波長(λ)の長さでグラ
ンド(GND)用のGND電極14Gが形成され、この
GND電極14Gの両側に、A相用給電電極14A(1
4A(+)、14A(−))と、B相用給電電極14B
(14B(+)、14B(−))とが形成され、内周側
の給電電極14A(−)、14B(−)を外周側の給電
電極14A(+)、14B(+)よりも短くしているの
は、以下に述べるA相、B相の(+)方向に分極処理さ
れた部分が(−)方向に分極処理された部分よりも該G
ND電極14Gより離れた位置に設けられていることに
よる。また、これらの各給電電極の一端側はGND電極
14Gに隣接して設けられているので、図6に示すよう
に、不図示の駆動回路と接続するフレキシブルプリント
基板30によりコンパクトに接続される。
【0015】第2の電極パターンを有する圧電素子板
は、図2の(b)、(d)、(f)に示す上から第2番
目の圧電素子板2、4番目の圧電素子板2、6番目(最
下層)の圧電素子板3で、最上層の圧電素子板4のGN
D電極14Gを基準とすると、このGND電極14Gの
周方向中心と中心を同じにして4分の3波長(λ)の長
さの電極の形成されていない第1無電極部15−1が設
けられ、この第1無電極部15−1と対称の位置に4分
の1波長(λ)の長さの電極の形成されていない第2無
電極部15−2が設けられている。そして、これら両無
電極部の間に2分の1波長の長さでA相用の正負の電極
12(13)A(+)、12(13)A(−)とB相用
の正負の電極12(13)B(+)、12(13)B
(−)が両側に形成されている。
【0016】第2番目と4番目の圧電素子板2と、6番
目(最下層)の圧電素子板3との相違は、第1層の最上
層の圧電素子板4から最下層の圧電素子板3間に配置さ
れる第2層と第4層の圧電素子板には、各電極と導電線
42〜45が接触して貫通する導通穴50と、第1無電
極部に導電用の導電線41が貫通する導通穴50aが形
成されているだけで、他の点については同一の構造を有
している。
【0017】第3の電極パターンを有する圧電素子板
は、図2の(c)、(e)に示す上から第3番目と第5
番目の圧電素子板1で、GND電極11Gが全面に形成
されていて、GND電極11Gと非接触状態に形成され
て導電線42〜45が貫通する貫通穴51と、導電線4
1が接触するように貫通する導電穴52とが形成されて
いる。
【0018】このように構成された6枚の圧電素子板
1、2、3、4は、図2に示す配置の位相で積層され
る。導電線41は、第1層のGND電極14Gと、第3
および第5層の圧電素子板1のGND電極11Gと導通
し、導電線42は第2、第4および第6層の圧電素子板
2、3の電極14B(−)、12B(−)、13B
(−)に導通し、導電線43は同じく電極14B
(+)、12B(+)、13B(+)に導通し、導電線
44は同じく電極14A(−)、12A(−)、13A
(−)に導通し、導電線45は同じく電極14B
(+)、12B(+)、13B(+)に導通する。
【0019】なお、理解を容易とするために導電線41
〜45により積層される圧電素子板間の各電極の導通を
行うとしているが、実際にはスルーホールにより行って
いるもので、これにより一層おきに導線を接続するとい
った作業を不要とし、あるいは外縁部に導電塗料を塗布
して突起を出してしまうようなことがない。
【0020】図3は図1に示す積層化された圧電セラミ
ックスの分極処理方法を示す概略図である。
【0021】分極処理のためのコンタクトピンはすべて
最上層の圧電素子板4の電極に接触され、GND電極1
4Gに対して、A、B相の正の電極14A(+)、B
(+)に正の電圧、A、B相の負の電極14A(−)、
B(−)に負の電圧を印加するようにしている。ここ
で、第3、第5層の圧電素子板1の全面電極11Gには
最上層の圧電素子4のGND電極14Gに導通するスル
ーホール(図1では導線41で示す)を介して分極用の
電圧が印加され、またこれら第3、第5層の圧電素子板
1を挟むように配置される第2、第4および第6の圧電
素子板2、3の正の電極12(13)A、B(+)には
最上層の圧電素子板4の電極14A(+)、B(+)に
導通するスルーホール(図1では導線43、45で示
す)を介し、負の電極12(13)A、B(−)には最
上層の圧電素子板4の電極14A(−)、B(−)に導
通するスルーホール(図1では導線42、44で示す)
を介して上記した分極処理用の電圧が印加される。
【0022】図4は図3による分極処理された積層圧電
素子10の分極状態を示す展開図(電極14Gの中心で
展開している)で、矢印は分極方向を示す。
【0023】ここで、分極処理される圧電セラミックス
は、第2、第3、第4および第5層の圧電セラミックス
で、GND電極11Gに対して電位の高い電圧が印加さ
れる正の電極12(13)A、B(+)の間では、GN
D電極11Gに向かって分極処理が施され、負の電極1
2(13)A、B(−)の間ではGND電極11Gから
負の電極12(13)A、B(−)に向かって分極処理
が施される。
【0024】したがって、このように分極処理された積
層圧電素子10の最上層の圧電素子板4の正の給電電極
14A、B(+)とGND電極14Gとの間に正の電圧
を印加すれば、中間層の圧電セラミックスの正の電極1
2(13)A、B(+)に対応する部分が厚み方向に縮
み、負の給電電極14A、B(−)とGND電極14G
との間に負の電圧を印加すれば、中間層の圧電セラミッ
クスの正の電極12(13)A、B(−)に対応する部
分が厚み方向に伸び、したがってこれら給電電極に交流
電圧を印加すると、伸縮が繰り返されて振動が励起され
る。
【0025】図6はこの積層圧電素子10を円環形状の
振動弾性体20の裏面側に接着剤を介して固定し、第1
層の圧電素子板4の給電電極に接続用のフレキシブル基
板30が接着される。このフレキシブル基板30は、不
図示の駆動回路と接続されていて、A相用の給電電極1
4A(+)、(−)にはA相給電パターン31Aが接続
され、B相用の給電電極14B(+)、(−)にはB相
給電パターン31Bが接続され、GND電極14Gには
GND給電パターン31Gが接続される。
【0026】A相給電パターン31Aの他端側の端子部
32Aと、B相給電パターン31Bの他端側の端子部3
2Bには位相がずれた交流電圧が不図示の駆動回路より
入力されると、A相とB相が4分の1の位置的位相を有
するため、両相の定在波の合成により進行波が形成さ
れ、振動弾性体20の駆動面の表面粒子にだ円運動が形
成される。したがって、この積層圧電素子10と振動弾
性体20とで構成される振動子をステータとし、振動弾
性体20の駆動面にロータ(不図示)を加圧接触させれ
ば該ロータを回転させる超音波モータとして利用でき、
また紙などのシード部材を加圧接触させればシート送り
装置として利用でき、さらには積層圧電素子と振動弾性
体20とを長だ円形状に形成し、その片側の直線部を直
線に延びるレール状の固定子(不図示)に加圧接触させ
ればリニア駆動装置に利用することができるといった種
々の態様の振動波駆動装置に適用することができる。
【0027】なお、上記した図3に示す分極処理方法で
は、A、B相の正の電極と負の電極には別々のコンタク
トピンをそれぞれ接触させて同電位の電圧を印加するよ
うにしているが、図5に示すように、最上層の圧電素子
板4の正の給電電極14A(+)と14B(+)とを接
続し、負の給電電極14A(−)と14B(−)とをそ
れぞれ予め接続しておけば上記したコンタクトピンの接
続本数を削減できることになる。そして、分極処理後、
該接続部14C、14Dを切除することで、図1に示す
積層圧電素子と同じものが得られる。
【0028】また、図1に示す積層圧電素子10には、
振動状態を検出するためのセンサー相を設けていない
が、図7の(b)に示すように、第2層の圧電素子板2
の第1無電極部15−1に4分の1波長幅のセンサー電
極12Sを導通穴50aと非接触に設け、一方最上層の
圧電素子板4にはスルーホールなどによりセンサー電極
12Sと導通する電極14Sが形成されている。
【0029】したがって、分極処理時に電極14Sに正
または負の電圧を印加すれば、第3層の圧電素子板1の
電極11Gとの間でセンサー用の分極処理が行われる。
なお、他の給電電極と仮に、例えば給電電極14A
(+)と外周部で接続しておけば分極処理のために特に
センサー用の配線を用意することはない。
【0030】また、駆動のために駆動回路と接続される
フレキシブルプリント基板30は、図8に示すように、
S相給電パターン31SがGND給電パターン31Gと
接触しないように設けられている。
【0031】図9は本発明の第2の実施例を示す。
【0032】本実施例の積層圧電素子は、図2に示す場
合と同様に、6枚の圧電セラミックスから構成し、異な
る所は、図9の(b)、(d)、(f)に示す、第2、
第4及び第6層の圧電素子板の片面に4分の1波長の間
隔で全周に電極を形成したもので、A相の正極12(1
3)A(+)と負極12(13)A(−)、B相の正極
12(13)B(+)と負極12(13)B(−)とを
一極おきに配置することで、A相とB相とは全体的に4
分の1波長の間隔が得られる。
【0033】したがって、圧電セラミックスを全周にわ
たり利用することができるので、上記した第1の実施例
に比べてより低電圧で同じ出力を得ることができる。
【0034】なお、本実施例では、上記した第2、第4
及び第6の圧電素子板2、3の全周にA相とB相の電極
を互い違いに配置しているので、分極処理および給電の
ために最上層に配置される第1層の圧電素子板4に形成
される給電電極は内外周方向で4周にわたり配置され、
第1の実施例と同様に第2層以下の圧電素子板の各スル
ーホールと夫々接続できるようにしている。
【0035】また、これらの給電電極14A(+)、
(−)、14B(+)、(−)の一端側は、GND電極
14Gに近接して配置され、第1の実施例と同様にフレ
キシブルプリント基板との一括接続を容易としている。
【0036】なお、図7に示すように振動状態を検出す
る電極を第2層の圧電素子板の一部に設けるようにして
も良い。
【0037】図10は本発明の第3の実施例を示す。
【0038】本実施例は、図10の(b)、(d)、
(f)に示すように、第2、第4及び第6層の圧電素子
板2、3に4分の1波長の間隔で全周に電極を形成する
点は図9に示す第2の実施例と同様であるが、図10の
(c)、(e)に示す第3および第5層の圧電素子板6
には、その上下に配置される圧電素子板2、3のA相お
よびB相の各電極と位置的に同位相でGND電極16A
と16Bが交互に4分の1波長の間隔で形成されてい
る。また、最上層の第1層の圧電素子板4には、同心的
に6周にわたり分極及び給電用の電極が形成され、内周
側の2本の給電電極14AGと14BGは、上述した各
実施例と同様にスルーホールにより、第3および第5層
の圧電素子板6の電極、詳しくは給電電極14AGはA
相用のGND電極16Aと、給電電極14BGはB相用
のGND電極16Bと接続されるようになっている。ま
た、給電電極14A(+)、(−)、14B(+)、
(−)は第2、第4及び第6層の圧電素子板2、3の同
相同極性の電極12(13)A(+)、(−)、12
(13)B(+)、(−)に同様スルーホールにより接
続されるようになっている。
【0039】このように構成した積層圧電素子の分極処
理方法は、上記した第1の実施例の場合と略同様で、異
なる所はGND用の給電電極が14AGと14BGの2
つに分かれていることであり、これらの両GND用の給
電電極14AGと14BGとに中間の電位を給電するこ
とにより、第3層及び第5層の圧電素子板6の各GND
電極16A、16Bに該中間の電位が印加される。
【0040】そして、給電電極14A(+)、14B
(+)に正の電圧を、また給電電極14A(−)、14
B(−)に負の電圧を夫々不図示の駆動回路より給電す
ると、第2、第4および第6の圧電素子板2、3の正負
の各電極に夫々正負の電圧が印加され、この分極状態を
図11に示す。
【0041】この積層圧電素子の給電電極に接続される
フレキシブル基板30は、図12に示すように、給電パ
ターン31A1 がGND電極14AGに接続され、また
給電パターン31B1 がGND電極14BGに接続され
るようになっていて、これら両給電パターン31A1
31B1 には夫々端子部32A1 、32B1 を介して不
図示の駆動回路より以下のように駆動電圧が給電され
る。
【0042】すなわち、給電電極14A(+)、(−)
に導通する端子部32Aと、給電電極14B(+)、
(−)に導通する端子部32Bに給電される駆動周波電
圧の位相差は、+90degあるいは−90degであ
るが、端子部32Aと32A1、および端子部32Bと
32B1 間に夫々給電される駆動周波電圧の位相差は1
80degとなる。このため、GND電極16A、Bと
電極12(13)A、B(+)、(−)間に挟まれた第
2、第3、第4および第5層の圧電セラミックスには、
上記した第1および第2の実施例の場合に比べて2倍の
電圧がかかることになる。したがって、さらに低電圧駆
動が可能となる。
【0043】なお分極処理時の配線数を削減するため
に、第1の実施例や第2の実施例のように、第1層の圧
電素子板4に対して不使用箇所で14A(+)と14B
(+)、14A(−)と14B(−)、14AGと14
BGを接続し、分極処理後にこれらの接続部を切断又は
切除ようにしても良い。また、第2の実施例と同様に振
動状態検出用の電極を第1層と第2層に設けるようにし
ても良い。
【0044】図13は上記の各実施例における積層圧電
素子を利用した超音波モータを駆動源とするレンズ鏡筒
を示す。
【0045】100は、例えば図6に示す弾性体20に
積層圧電素子10を接合した構成の振動子で、加圧バネ
101を介してストッパ部材102に当接し、駆動面側
には円環形状のロータである出力部材103が摩擦部材
104を介して加圧接触している。105はフォーカス
キー106に連結されるコロで、光軸回りに回転するこ
とによりフォーカスレンズLを光軸方向に移動させる。
このコロ105は、超音波モータからの出力部材103
と、光軸方向に移動してマニュアルフォーカスとオート
フォーカスとの切換を行うマニュアルフォーカスリング
107との連結によって光軸回りに回転するマニュアル
出力リング108と摩擦接触し、マニュアルフォーカス
リング107がマニュアル出力リング108と非結合の
オートフォーカス状態の場合、出力部材103の回転に
より差動回転してフォーカスキー106が回転駆動し、
フォーカスレンズLを超音波モータにより合焦のために
駆動する。またマニュアルフォーカスリング107がマ
ニュアル出力リング108と結合している場合には、マ
ニュアルフォーカスリング107を回転すると、コロ1
05の差動回転により同様にフォーカスレンズLがフォ
ーカスキー106によりフォーカスレンズLが移動し、
マニュアルフォーカスが行われる。
【0046】なお、上記した各実施例において、積層圧
電素子は圧電セラミックスを6枚積層しているが、これ
に限定されるものではなく、また中間層に配置される圧
電素子板に形成される電極の数も必要とする進行波の波
数に合わせて設けるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の積層圧電素
によれば、複数の波数の定在波の合成により進行波を
形成することができ、しかも分極処理や駆動のための給
電に要する配線を少なくすることが可能となる。
【0048】また、各層間の電極の接続はスルーホール
により行っているもので、これにより一層おきに導線を
接続するといった作業を不要とし、あるいは外縁部に導
電塗料を塗布して突起を出してしまうようなことがな
い。
【0049】さらに、最上層の圧電素子板に設けた電極
のみで分極処理や駆動のための給電が行えるので、分極
処理のための配線や、駆動のための給電の配線を減らす
ことが可能となる。
【0050】一方、駆動回路との接続は、給電用の電極
が一か所に集中しているので、例えば接続用のフレキシ
ブル基板の接続部の面積を小さくすることができ、コス
トの削減化、基板樹脂による振動減衰を小さく抑えるこ
とができ、この圧電素子を用いた振動波モータ等の振動
波駆動装置の駆動効率を向上させることができる。
【0051】勿論、この積層圧電素子にもセンサー相を
設けることができるので、振動波駆動装置の駆動制御を
高精度に行える。
【0052】また、実施例のように積層圧電素子の最下
層の外面には電極を有しないので、例えば積層圧電素子
を振動弾性体に接合する際に、この最下層の圧電素子板
を接着剤で該弾性体に接着させるだけでよく、従来のよ
うに接合面側に設けられた全面電極を駆動回路のGND
側と接続容易とするために、圧電セラミックスの側面に
導電塗料を塗布する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す積層圧電素子の分
解斜視図。
【図2】図1の積層圧電素子を構成する各圧電素子板の
電極を示す平面図。
【図3】図1の積層圧電素子の分極処理方法を示す斜視
図。
【図4】図1の積層圧電素子の分極方向を示す展開図。
【図5】図1の実施例の変形例を示す最上層の圧電素子
板の電極の平面図。
【図6】図1の積層圧電素子を用いた超音波モータの振
動子の分解斜視図。
【図7】図2に示す実施例の変形例である各圧電素子板
の電極を示す平面図。
【図8】図7の積層圧電素子に用いられる接続用のフレ
キシブル基板の平面図。
【図9】第2の実施例の積層圧電素子を構成する各圧電
素子板の電極を示す平面図。
【図10】第3の実施例の積層圧電素子を構成する各圧
電素子板の電極を示す平面図。
【図11】図10の積層圧電素子の分極方向を示す展開
図。
【図12】図10の積層圧電素子に用いられる接続用の
フレキシブル基板の平面図。
【図13】第1の実施例乃至第3の実施例の積層圧電素
子を用いた超音波モータを駆動源とするレンズ鏡筒の断
面図。
【符号の説明】
1、2、3、4 圧電素子板 10 積層圧電素子 20 振動弾性体 30 フレキシブル基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−165540(JP,A) 特開 平7−193291(JP,A) 特開 平6−120580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 B06B 1/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスの片面側に電極を形成
    した圧電素子板を厚み方向に複数枚積層した積層圧電素
    子において、 厚み方向の伸縮で周方向に波長(λ)で複数の波数の定
    在波を励起して合成により進行波を形成する2群の複数
    の電極部が該圧電セラミックスに厚み方向に同位相で形
    成されると共に周方向においては異なる群の電極部が
    4分の1波長(λ)の奇数倍の間隔を有して配置された
    複数の第1の圧電素子板と、圧電セラミックスに全面
    にわたって電極部が形成され、該第1の圧電素子板と交
    互に積層配置される第2の圧電素子板とを有することを
    特徴とする積層圧電素子。
  2. 【請求項2】 圧電セラミックスの片面側に電極を形成
    した圧電素子板を厚み方向に複数枚積層した積層圧電素
    子において、 厚み方向の伸縮で周方向に波長(λ)で複数の波数の定
    在波を励起して合成により進行波を形成する2群の複数
    の電極部が該圧電セラミックスに厚み方向に同位相で形
    成されると共に周方向においては異なる群の電極部が
    4分の1波長(λ)の奇数倍の間隔を有して配置された
    複数の第1の圧電素子板と、圧電セラミックスに該第
    1の圧電素子板の電極部と同位相の電極部が形成され、
    該第1の圧電素子板と交互に積層配置される第2の圧電
    素子板とを有することを特徴とする積層圧電素子。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第1の圧電素子
    板の片面側には電極部が形成されていない電極無形成部
    を有することを特徴とする積層圧電素子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、前記第1の圧
    電素子板の片面側には4分の1波長(λ)の間隔で前記
    2群の電極部が全にわたり形成されていることを特徴
    とする積層圧電素子。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4において、積層
    される圧電素子板の電極は、一層おきに厚み方向で対応
    する電極部とスルーホールで電気的に接続されているこ
    とを特徴とする積層圧電素子。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5において、
    積層される最上層の圧電素子板には、下層の電極部とス
    ルーホールを介して電気的に接続される電極部が複数形
    成されていることを特徴とする積層圧電素子。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記最上層の圧電素
    子板に形成される複数の電極部の一端側は略一か所に集
    められるように設けられていることを特徴とする積層圧
    電素子。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    いずれかの圧電セラミック層の一部をセンサー相として
    用い、最上層の圧電素子板に該センサー相の信号取り出
    し用の電極を設けたことを特徴とする積層圧電素子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の積
    層圧電素子を振動弾性体に接合し、積層される前記2群
    複数の電極部に位相の異なる交流電圧を印加し、該
    動弾性体に形成された2つの定在波の合成により進行波
    を形成して、該振動弾性体の表面粒子に楕円運動を励起
    させることを特徴とする振動波駆動装置。
  10. 【請求項10】 請求項に記載の振動波駆動装置を駆
    動源として有することを特徴とする振動波駆動装置を備
    えた装置。
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