JP3432056B2 - 積層圧電素子,積層圧電素子の製造方法,積層圧電素子を用いた振動装置およびこれを用いた駆動装置 - Google Patents

積層圧電素子,積層圧電素子の製造方法,積層圧電素子を用いた振動装置およびこれを用いた駆動装置

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JP3432056B2
JP3432056B2 JP22322095A JP22322095A JP3432056B2 JP 3432056 B2 JP3432056 B2 JP 3432056B2 JP 22322095 A JP22322095 A JP 22322095A JP 22322095 A JP22322095 A JP 22322095A JP 3432056 B2 JP3432056 B2 JP 3432056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体を積層して
作った積層圧電素子およびその製造方法に関し、さらに
は、積層圧電素子を用いた振動波装置およびこれを用い
た駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】積層圧電素子は、複数の圧電体を積層
し、積層状態にて各圧電体の分極処理を行って作られ
る。分極処理後の積層圧電素子は、例えば弾性体に接合
されて、周波電圧が印加されることによってこの弾性体
に振動を生じさせる振動装置として用いられ、さらにこ
の振動装置は、弾性体に接触する部材を駆動する振動装
置の主要部品として用いられる。
【0003】従来の積層圧電素子は、例えば図17に示
すように、6つの電極膜(14A,14B,14AG,
14BG)が分割形成された最上層の圧電体(図17
(a))と、表面円周方向に12の電極膜(12A,1
2B,16A,16B,13A,13B)が1/4波長
ごとに分割形成された上から2層目以下の圧電体(図1
7(b)〜(f))とから作られ、2層目以下の圧電体
は、電極膜の位相が同じになるように積層される。
【0004】このように作られた積層圧電素子では、間
に1層を挟んで積層された2層の圧電体の電極膜同士
が、挟まれた1層の圧電体に形成されたスルーホール等
の導体を介して接続されている。分極処理においては、
図18に示すように、最上層の各電極膜に外部電極を接
続して正又は負方向に直流電圧を印加する。これによ
り、図19に示すように、各層の圧電体が、上下の電極
膜間の電界の方向に応じて分極する。
【0005】そして、分極処理後に、最上層の電極膜に
周波電圧を印加すると、積層圧電素子が振動し、弾性体
に進行性振動波を発生させることができる
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層圧電素子では、2層目以下の各層の電極膜の位相が
同じであるため、1層の圧電体を挟んだ上下の層の圧電
体の電極膜同士を接続する導体を通すために、挟まれた
層の電極膜の一部を削除する必要がある。したがって、
図20(b)に示すように、周波電圧の波長が短く、1
つの電極膜の面積が小さくなる場合には、削除部分が本
来の電極膜の面積に対して大きくなり、電極膜の有効面
積が小さくなってしまうという問題がある。
【0007】また、従来の積層圧電素子の分極処理を行
う場合には、図18に示すように、電極膜の数に応じた
多数の外部電極が必要になるとともに、これら外部電極
と電極膜との位置決めに高い精度が要求されていた。
【0008】さらに、従来の積層圧電素子では、各層に
おいて隣合う電極膜に印加される電界が逆向き(すなわ
ち、分極が逆極性)となっているため、図20(d)に
示すように、2つの電極膜の境界部分には、全く分極さ
れない領域や面内方向に分極される領域が生じていた。
このような積層圧電素子を駆動装置に用いた場合、これ
らの領域は接触部材の駆動に全く寄与しないか駆動の妨
げになり、積層圧電素子の有効使用効率や駆動装置の駆
動効率を低下させる原因になるという問題がある。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、積層圧電
素子の有効使用効率をできるだけ向上させることができ
るようにした積層圧電素子を提供することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、各層の電極
膜の有効面積をできるだけ広くした積層圧電素子を提供
することにある。
【0011】また、本発明の第3の目的は、簡単に分極
処理を行うことができる積層圧電素子を提供することに
ある。
【0012】さらに、本発明の第4の目的は、駆動効率
の高い振動装置およびこれを用いた駆動装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、請求項1に記載のように、片面に
複数の電極膜が形成されてなる圧電体を積層した積層圧
電素子において、層内同一極性に分極した第1圧電体
と、この第1圧電体とは逆極性に分極した第2圧電体と
が交互に積層され前記第1圧電体の前記電極膜と前記
第2圧電体の前記電極膜とが互いに位相ずれを有すると
ともに、前記第2圧電体の前記電極膜の間を通って前記
第1圧電体の前記電極膜同士をつなぐ導体と、前記第1
圧電体の前記電極膜の間を通って前記第2圧電体の前記
電極膜同士をつなぐ導体とを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するために、第2の発明は、請求項2
に記載のように、上記第1の発明において、前記積層圧
電素子の前記第1圧電体の電極膜は1層おきに導体につ
ながれるとともに、前記第2圧電体の電極膜も1層おき
に導体につながれることを特徴とする第1、第2の発
明では、複数の電極膜が形成された圧電体を積層した積
層圧電素子において、第1圧電体と第2圧電体を位相を
ずらして交互に積層することで、第1圧電体の電極膜間
と第2圧電体の電極膜とが重なり、第2圧電体の電極膜
間と第1圧電体の電極膜とが重なる。 したがって、第1
圧電体の電極膜間を通して第2圧電体の同位相にある電
極膜を導体で接続し、第2圧電体の電極膜間を通して第
1圧電体の同位相にある電極膜を導体で接続することが
でき、第2圧電体の電極膜同士を接続するために第1圧
電体の電極膜の一部を除去すること、および第1圧電体
の電極膜同士を接続するために第2圧電体の電極膜の一
部を除去することが不要となり、電極膜の有効面積をで
きるだけ広くすることができる上記目的を達成するた
めに、第3の発明は、請求項3に記載のように、上記第
1または第2の発明で、前記積層圧電素子の最外層には
電極膜が非形成の圧電体が形成されていて、該最外層の
圧電体の表面には、前記第1圧電体及び前記第2圧電体
における各電極膜と導通する導体が露出していることを
特徴とする。 第3の発明では、積層圧電素子の最外層に
露出する導体を介して給電を行なう ことができる。
【0014】
【0015】上記の目的を達成するために、第4の発明
は、請求項4に記載のように、片面に複数の電極膜が形
成されてなる第1圧電体と、片面に複数の電極膜が形成
されてなる第2圧電体を位相をずらして交互に積層し、
前記第1圧電体の前記電極膜同士を、前記第2圧電体の
前記電極膜の間に導体を通して最外層の圧電体に形成さ
れた電極膜につなぐとともに、前記第2圧電体の前記電
極膜同士を、前記第1圧電体の前記電極膜の間に導体を
通して前記最外層の圧電体に形成された電極膜につな
ぎ、前記最外層の圧電体の電極膜を介して前記第1圧電
体を同極性、且つ、前記第2圧電体を前記第1圧電体と
は逆極性となるよう分極処理を施した後、前記最外層の
圧電体電極膜を取り除くことを特徴とする積層圧電素
子の製造方法とするものであるこの第4の発明では、
最外層の圧電体の電極膜を用いて分極処理のための電圧
を印加することができる。その際、前記最外層の圧電体
に用意する電極膜としては、例えば2つ用意し、一方の
該電極膜には積層される第1圧電体の各電極膜とつなが
れる各導体を導通させ、他方の該電極膜には積層される
第2圧電体の各電極膜とつながれる各導体を導通させれ
ば、分極処理のための正負の2つの外部電極を一方の該
電極膜と他方の該電極膜に導通させることで分極処理を
行なうことができる。 そして、分極処理後に最外層の圧
電体の電極膜を取り除くことで前記各導体を露出させ
る。
【0016】上記目的を達成するために、第5の発明
は、請求項5に記載のように、上記第3の発明の積層圧
電素子と弾性体とからなる振動子を有することを特徴と
する振動装置とするものである。なお、振動子は、円環
又は円板状に形成しても棒状に形成してもよい。上記目
的を達成するために、第6の発明は、請求項6に記載の
ように、上記第5の発明で、前記積層圧電素子の最外層
と弾性体との間に、前記積層圧電素子に周波電圧を印加
するためのプリント配線板を接合したことを特徴とす
る。
【0017】なお、この振動装置では、積層圧電素子を
3相又は4相の交流電圧によって駆動するのが望まし
い。
【0018】そして、このような振動装置を駆動源とし
て用いて駆動装置を構成するのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1に、本発明を適用した円環型超音
波モータ用積層圧電素子の各層の電極パターンを示す。
図1(a)は、第1層(最上層)の電極パターンを示
す。50A,50B,50Cは、各層の電極を1層おき
に上下につなぐスルーホールを示す。14(+)は、こ
のうち偶数層(即ち、図1(b),(d),(f))の
電極(即ち12A(+),12B(+),12C
(+))を全てつなぐように第1層の外周側に設けられ
た電極である。同様に14(−)は奇数層(即ち、図1
(c),(e))の電極(即ち、12A(−),12B
(−),12C(−))を全てつなぐように第1層の内
周側に設けられた電極である。
【0020】図1(b)に、第2層の電極パターンを示
す。本実施形態では、円環型超音波モータが3次(即
ち、進行波の波数が3)モードで駆動される場合の例を
示しており、第2層の電極は約1/3波長、即ち約40
degの長さを有して、周方向等間隔に9個配置されて
いる。各電極の中央および電極の境界部分に示す点は、
図1(a)に示したスルーホール50A,50B,50
Cである。
【0021】図1(c)に、第3層の電極パターンを示
す。電極形状は第2層と全く同じであるが、電極の位相
が第2層に対して20deg(即ち1/6波長)ずれて
いる。図1(d)に、第4層の電極パターンを示してお
り、この第4層は第2層と全く同じに形成される。図1
(e)は、第5層の電極パターンを示しており、この第
5層は第3層と同じに形成される。さらに、図1(f)
に、第6層、即ち最下層を示している。なお、図1
(e),(f)における白丸は、スルーホール50A,
50B,50Cの端部を示している。
【0022】本実施形態の積層圧電素子は、図1(a)
〜(f)に示す電極パターンを圧電材シート上に印刷し
た6枚の圧電体が、積層プレスされた後に焼結されて作
られる。
【0023】図2は、このようにして作られた積層圧電
素子を分極処理する場合の電圧印加方法を示す図であ
り、2つの外部電極を用いて電極14(+)にプラス、
14(−)にマイナスの電位を与えている。外部電極を
2つしか用いないので、従来例(図18参照)に比べ
て、分極用電極回路の構成がシンプルになり、また、外
部電極の位置決め精度がそれほど高く要求されない等分
極処理を簡単に行える。なお、図3に示すように、スル
ホール50A,50B,50Cを周方向1個おきに第1
層の外径側と内径側に寄せた場合には、第1層の電極1
4(+)と14(−)も単純な同心リング状になるた
め、分極処理時に外部電極の周方向の位置決めが全く不
要となり、分極処理をより簡単に行える。
【0024】図4は、分極処理された後の残留分極の極
性を、展開して示したものである。第1層の電極14
(−)にはマイナス電位がかかり、第2層の電極12A
(+),12B(+),12C(+)の全てにプラスの
電位がかかるので、第1層の圧電体は全て同極性(矢印
上向き↑)に分極される。第3層の電極12A(−),
12B(−),12C(−)の全てにはマイナス電位が
印加されるので、第2層の圧電体は全て同極性、但し、
第1層とは逆極性(矢印下向き↓)に分極される。以下
の層についても同様に分極され、これにより互いに反対
極性に分極された圧電体が交互に積層されることにな
る。なお、第6層の圧電体は下に電極が無いので分極さ
れない。
【0025】図5(a),(b),(c),(d)は、
本発明の電極構造を示しており、以下これら図と従来例
の電極構造を示す図17(a),(b),(c),
(d)とを用いて両者の違いを説明する。
【0026】図5(a)は、本積層圧電素子の電極構造
を斜めから見た立体的な配置を示すものである。この図
から分かるように、圧電体の周方向(図中の左右方向)
には、1/3波長の長さの電極が所定幅の間隔をおいて
並んでいる。上下の層の電極の位相は互いにずれている
ため、上側の層の電極と図示しない上から3番目の層の
電極とをつなぐスルーホール50A,50B,50C
は、2番目(図中下側)の層の2つの電極の間(以下、
境界部分という)を通ることができる。一方、従来例で
は、図20(a)に示すように、上下の層の電極が完全
に重なっているため、スルーホールを通すためには、2
番目(図中下側)の層の電極に穴を形成し、この穴の内
側にスルーホールを通す必要がある。このため、特に、
小型の超音波モータを設計した場合のように波長が短か
くなると、図20(b)に示すようにスルーホール貫通
のための穴の面積の割合が大きくなり、電極の有効面積
の割合が小さくなってしまっていた。しかも、図20
(b)を真上から見た場合の投影図である図20(c)
に示すように、穴によって上下の電極が重ならなくなっ
た部分が周方向に連続するため、この部分の分極がうま
く行われなくなるおそれがある。この点、図5(c)に
示すように、本圧電素子においても上下の電極の重なら
ない部分ができるが、図5(d)に示すように、各層の
上側か下側のいずれかに必ず電極膜が存在するとともに
層内が同一極性に分極されるため、電極の境界部分も電
界のまわり込みによって他の部分とほとんど同程度に分
極される。したがって、本圧電素子が振動子として用い
られた場合、分極された境界部分も有効に働くことがで
きる。
【0027】一方、図20(d)は、従来例の電極の境
界部分周辺を示しており、この図から分かるように、層
内での分極極性が逆になるので、全く分極されない部分
や、面に沿った方向(面内方向)に分極される部分など
ができてしまう。
【0028】図6は、分極処理後に第1層の電極14
(+)と電極14(−)を削除した状態の積層圧電素子
を第1層側から見た図である。この図から分かるよう
に、スルーホール50A,50B,50Cの端部が露出
する。
【0029】図7は、この積層圧電素子を使った円環型
振動波モータの振動子の部品構成を示す図である。20
は多数の突起を持った金属弾性体であり、この弾性体2
0の底面には、積層圧電素子の最下層面(この実施例で
は第6層)が接合される。さらに、積層圧電素子の第1
層上面にはフレキシブルプリント基板30が接合(接着
orハンダ付)され、このプリント基板30には後述す
る駆動回路が接続される。
【0030】図8は、この場合のフレキシブルプリント
基板30の導体パターンを示したものであり、導体31
Aは積層圧電素子のスルーホールのうち、2つおきに並
んでいる全てのスルーホール50Aに接続され、端子3
2Aを介して給電を受ける。同様に導体31Bは、全て
のスルーホール50Bに接続され、端子32Bを介して
給電を受ける。同様に導体31Cは、全てのスルーホー
ル50Cに接続され、端子32Cを介して給電を受け
る。
【0031】図9は、これら端子32A,32B,32
Cに印加される交流電圧を示している(横軸は時間
t)。交流電圧(周波電圧)は、120°位相がずれた
3相交流電圧である。なお、この図では印加電圧を矩形
波で示したが正弦波でも良い。また、周波数は、周知の
ように、振動波モータの振動子の曲げ固有振動数(この
場合3次モード)近傍の周波数である。
【0032】こうして圧電素子の電極間には、VA −V
B ,VB −VC ,VC −VA の電界がかけられ、圧電素
子および弾性体の周方向一方に回転する進行性振動波が
生じる。振動波を逆転させる場合は、印加電圧の位相を
入れ変えれば良い。
【0033】図10は、駆動回路の1例を示しており、
この図中の48は制御用マイコンである。42は発振器
であり、43は120度/−120度の移相器である。
44A,44B,44Cはスイッチング回路であり、4
6A,46B,46Cはスイッチングされたパルス電圧
を増幅するコイルである。
【0034】(第2実施形態)図11に、本発明の第2
実施形態の積層圧電素子における各層の電極パターンを
示す。本実施形態と第1実施形態との違いは、第2層以
下の電極の長さが1/2波長となっている点である。こ
の場合、印加される交流電圧は、図12に示すように、
90degずつ位相のずれた4相交流電圧となる。
【0035】即ち、圧電素子の電極間には、VA −V
B ,VB −VC ,VC −VD ,VD −VA の電界がかけ
られる。
【0036】(第3実施形態)図13に、本発明の第3
実施形態を示す。本実施形態の積層型圧電素子は、N枚
の圧電体を積層して作られている。最上層(第1層)を
除く層の圧電体の上面には、周方向3分割された電極膜
が形成されており、奇数層の圧電体と偶数層の圧電体と
が電極膜の位相を120°ずらして積層されている。ま
た、最上層の圧電体の上面には、2つの同心状の環状電
極膜1ABC(+),1ABC(−)が形成されてい
る。さらに、各圧電体は、層内同一極性に分極処理され
ており、奇数層と偶数層は、互いに逆極性に分極されて
いる。
【0037】最下層の圧電体を除く各圧電体には、厚さ
方向に貫通するスルーホール(2A1,2A2,2B
1,2B2,2C1,2C2)が周方向に6ケ所等間隔
に形成されている。但し、電極膜1ABC(+)につな
がるスルーホール2A1,2B1,2C1は内径よりに
形成され、電極膜1ABC(−)につながるスルーホー
ル2A2,2B2,2C2は外径よりに形成されてい
る。
【0038】第2層の圧電体には、前述のように3分割
された電極膜2A(+),2B(+),2C(+)が形
成されており、これら電極膜にはスルーホール2A1,
2B1,2C1がつながっている。なお、他のスルーホ
ール2A2,2B2,2C2は、電極膜2A(+),2
B(+),2C(+)の境界部分を通って、これら電極
からは絶縁されている。
【0039】第3層の圧電体には、前述のように3分割
された電極膜3A(−),3B(−),3C(−)が形
成されており、これら電極膜の位相は、第2層に対して
180°ずれている。電極膜3A(−),3B(−),
3C(−)には、スルーホール2A2,2B2,2C2
がつながっている。なお、他のスルーホール2A1,2
B1,2C1は、電極膜3A(−),3B(−),3C
(−)の境界部分を通って、これら電極からは絶縁され
ている。
【0040】第4層、第6層、第8層、…など偶数層
は、第2層と同様の構造をしており、これら偶数層の電
極膜には、スルーホール2A1,2B1,2C1がつな
がっている。
【0041】また、第5層、第7層…などの奇数層は、
第3層と同様の構造をしており、これら奇数層の電極膜
には、スルーホール2A2,2B2,2C2がつながっ
ている。
【0042】このように形成される積層圧電素子におい
ても、図14に示すように、2つの外部電極を最上層の
電極に接続するだけで、簡単に各層の分極処理を行うこ
とができる。そして、分極処理後、第1層の電極1AB
C(+),1ABC(−)を取り除き、図示しないフレ
キシブルプリント基板と合わせて弾性体間に挟んで棒状
振動子となす。
【0043】(第4実施形態)図15は、本発明の第4
実施形態である積層圧電素子を棒状振動波モータに適用
した場合における積層圧電素子の各層の電極パターンを
示す。この積層圧電素子は、第1〜第3実施形態と同様
に、複数の圧電体を積層プレスして焼結した後、電極1
4(+),14(−)の間に電圧を印加して分極処理を
行う。また、分極処理した後、第1層の電極14
(+),14(−)を取り除き、図示しないフレキシブ
ルプリント基板と合わせて弾性体間に挟んで棒状振動子
となす。
【0044】本実施形態において、駆動時に印加される
電圧は、図12に示したような位相関係を有する。即
ち、90度位相のずれた4相の交流電圧VA ,VB ,V
C ,VD をフレキシブルプリント基板を通じてスルーホ
ール50A,50B,50C,50Dに印加すると、電
極12A(+),12B(−)間にVA −VB の電界
が、12B(−),12C(+)間にVB −VC の電界
が、12C(+),12D(−)間にVC −VD の電界
が、12D(−),12A(+)間にVD −VA の電界
がそれぞれかけられる。
【0045】この積層型圧電素子3は、図16に示す棒
状振動波モータの振動子Aの駆動部として振動弾性体a
1,a2の間に挟持され、これらの振動弾性体a1,a
2をボルト締結することによって固定される。この際、
図15に示した最上層における電極14(+)および電
極14(−)を取り除いた面には、フレキシブルプリン
ト基板12の導体パターンを密着させる。
【0046】この棒状超音波モータでは、図示しない駆
動回路により圧電素子3に交流電圧を印加すると、振動
弾性体a1の端面に楕円運動が励起される。一方、この
振動弾性体a1の端面には、移動体であるロータRのつ
ば付きバネ片部が加圧接触している。なお、この加圧力
はバネ受け部材b1を介して加圧バネb2により与えら
れている。ロータRは振動子Aの振動弾性体a1に形成
される楕円運動により摩擦駆動され、ロータRに噛み合
う出力部材c1に回転力が伝達される。
【0047】以上、第1〜第4の実施形態では、3相駆
動(第1、第3の実施形態)および4相駆動(第2、第
4の実施形態)の例を示したが、これに限らず、5相駆
動、6相駆動…など相数を増すことは可能である。しか
し、相数が増えると、電極パターンが細かくなったり、
駆動回路の出力部の規模が大きくなったりするなど、経
済性が悪くなると同時にコンパクト化に不利になる。従
って3相又は4相駆動が最も安価、且つ、小型化に適し
ている。
【0048】なお、本発明は、以上の実施形態および変
形例、またはそれら技術要素を必要に応じて組み合わせ
て用いてもよい。
【0049】(実施形態と請求の範囲との関係)上記実
施形態における偶数層の圧電体は、請求の範囲にいう第
1圧電体に相当し、奇数層の圧電体は、請求の範囲にい
う第2圧電体に相当する。また、上記実施形態における
スルーホールは、請求の範囲にいう導体に相当する。
【0050】さらに、上記実施形態における図16に示
す振動波モータは、請求の範囲にいう駆動装置に相当す
る。
【0051】以上が本発明の各構成と実施形態の各構成
の対応関係であるが、本発明はこれら実施形態の構成に
限られるものではなく、請求項に示した機構または実施
形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのよ
うなものであってもよい。
【0052】
【発明の効果】請求項1、2に係る発明によれば、複数
の電極膜が形成された圧電体を積層した積層圧電素子に
おいて、第1圧電体と第2圧電体を位相をずらして交互
に積層することで、第1圧電体の電極膜間と第2圧電体
の電極膜とが重なり、第2圧電体の電極膜間と第1圧電
体の電極膜とが重なる。したがって、第1圧電体の電極
膜間を通して第2圧電体の同位相にある電極膜を導体で
接続し、第2圧電体の電極膜間を通して第1圧電体の同
位相にある電極膜を導体で接続することができ、第2圧
電体の電極膜同士を接続するために第1圧電体の電極膜
の一部を除去すること、および第1圧電体の電極膜同士
を接続するために第2圧電体の電極膜の一部を除去する
ことが不要となり、電極膜の有効面積をできるだけ広く
することができる
【0053】請求項3に係る発明によれば、積層圧電素
子の最外層に露出する導体を介して給電を行なうことが
できる。
【0054】請求項4に係る発明によれば、電極膜の一
部を除去することなく同極性である第1圧電体の電極膜
同士、および第1圧電体と逆極性である第2圧電体の電
極膜同士を接続することができる。そして、最外層の圧
電体の電極膜を用いて分極処理のための電圧を印加する
ことができ、分極処理後はこの最外層の圧電体の電極膜
を取り除くことにより、最外層の圧電体に第1、第2圧
電体の各電極膜同士と導通する各導体を露出させること
ができる。請求項5、6に係る発明によれば、積層圧電
素子の最外層の圧電体に露出する導体に給電でき、特に
請求項5に係る発明ではプリント配線板を介して積層圧
電素子の片側のみへの給電で駆動装置を駆動することが
できる。
【0055】請求項7に係る発明によれば、前述したよ
うに電極膜の境界部分も適正に分極処理されて駆動に有
効な振動を発生するため、駆動装置の駆動効率を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の積層圧電素子における
各層の電極パターンを示す図である。
【図2】本発明の積層圧電素子のプレス、焼結後の姿お
よび分極処理時の印加電圧を示す図である。
【図3】スルーホールを内径と外径に振り分けた例の第
1層電極パターンを示す図である。
【図4】各層内の分極極性を示す展開断面図である。
【図5】電極、スルーホールの位置関係を説明するため
の図である。
【図6】最上層の圧電体から電極膜を取り除いた状態を
示す平面図である。
【図7】本発明を適用した円環型超音波モータの振動子
の構成要素の分解図である。
【図8】本発明の積層圧電素子に給電するためのフレキ
シブルプリント基板の導体パターンを示す図である。
【図9】本発明の超音波モータを駆動する交流電圧を示
す図である。
【図10】本発明の超音波モータを駆動する回路の例を
示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態の積層圧電素子におけ
る各層の電極パターンを示す図である。
【図12】上記第2実施形態の超音波モータを駆動する
交流電圧を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態の積層圧電素子におけ
る各層の電極パターンを示す図である。
【図14】上記第3実施形態の積層圧電素子のプレス、
焼結後の姿および分極処理時の印加電圧を示す図であ
る。
【図15】本発明の第4実施形態の積層圧電素子におけ
る各層の電極パターンを示す図である。
【図16】上記第4実施形態の積層圧電素子を用いた棒
状振動波モータの断面図である。
【図17】従来の積層圧電素子の各層の電極パターンを
示す図である。
【図18】従来の積層圧電素子の分極処理のための電圧
印加を示す図である。
【図19】従来の積層圧電素子の分極極性を示す展開断
面図である。
【図20】従来の積層圧電素子の電極、スルーホールの
位置関係を説明するための図である。
【符号の説明】
12A〜12C,12D 積層圧電素子の電極 14(+),14(−) 積層圧電素子の第1層の電極 50A〜50C,50D 積層圧電素子層間を継ぐ導体
(スルーホール) 20 振動子弾性体 30 フレキシブルプリント基板 31A〜31C フレキシブルプリント基板の導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−175567(JP,A) 特開 平6−120580(JP,A) 特開 平7−193291(JP,A) 特開 平6−339286(JP,A) 特開 平7−213081(JP,A) 特開 平6−77550(JP,A) 特開 平5−38170(JP,A) 実開 昭62−202087(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に複数の電極膜が形成されてなる圧
    電体を積層した積層圧電素子において、 層内同一極性に分極した第1圧電体と、この第1圧電体
    とは逆極性に分極した第2圧電体とが交互に積層され 前記第1圧電体の前記電極膜と前記第2圧電体の前記電
    極膜とが互いに位相ずれを有するとともに、 前記第2圧電体の前記電極膜の間を通って前記第1圧電
    体の前記電極膜同士をつなぐ導体と、前記第1圧電体の
    前記電極膜の間を通って前記第2圧電体の前記電極膜同
    士をつなぐ導体とを有する ことを特徴とする積層圧電素
    子。
  2. 【請求項2】 前記積層圧電素子の前記第1圧電体の電
    極膜は1層おきに導体につながれるとともに、前記第2
    圧電体の電極膜も1層おきに導体につながれることを特
    徴とする請求項1記載の積層圧電素子。
  3. 【請求項3】 前記積層圧電素子の最外層には電極膜が
    非形成の圧電体が形成されていて、該最外層の圧電体の
    表面には、前記第1圧電体及び前記第2圧電体における
    各電極膜と導通する導体が露出していることを特徴とす
    る請求項1または2記載の積層圧電素子。
  4. 【請求項4】 片面に複数の電極膜が形成されてなる第
    1圧電体と、片面に複数の電極膜が形成されてなる第2
    圧電体を位相をずらして交互に積層し、前記第1圧電体
    の前記電極膜同士を、前記第2圧電体の前記電極膜の間
    に導体を通して最外層の圧電体に形成された電極膜につ
    なぐとともに、前記第2圧電体の前記電極膜同士を、前
    記第1圧電体の前記電極膜の間に導体を通して前記最外
    層の圧電体に形成された電極膜につなぎ、前記最外層の
    圧電体の電極膜を介して前記第1圧電体を同極性、且
    つ、前記第2圧電体を前記第1圧電体とは逆極性となる
    よう分極処理を施した後、前記最外層の圧電体電極膜
    を取り除くことを特徴とする積層圧電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項記載の積層圧電素子と弾性体と
    からなる振動子を有することを特徴とする振動装置。
  6. 【請求項6】 前記積層圧電素子の最外層と弾性体との
    間に、前記積層圧電素子に周波電圧を印加するためのプ
    リント配線板を接合したことを特徴とする請求項記載
    の振動装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の振動装置を駆動
    源として用いることを特徴とする駆動装置。
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