JPH05237458A - 超音波振動子 - Google Patents

超音波振動子

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Publication number
JPH05237458A
JPH05237458A JP4043399A JP4339992A JPH05237458A JP H05237458 A JPH05237458 A JP H05237458A JP 4043399 A JP4043399 A JP 4043399A JP 4339992 A JP4339992 A JP 4339992A JP H05237458 A JPH05237458 A JP H05237458A
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JP
Japan
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resonators
ultrasonic transducer
resonator
ultrasonic
vibration
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Withdrawn
Application number
JP4043399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Toshiharu Tsubata
敏晴 津幡
Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
Isamu Nakajima
勇 中嶋
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/026,316 priority patent/US5410204A/en
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  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】発熱が少なく、振動振幅を最大に維持できる超
音波振動子を提供することを目的とする。 【構成】厚さ方向に重合され、該厚さ方向の分極領域の
境界面が中心軸周りに互いに所定角度にて傾斜する第
1、第2の電気−機械エネルギー変換素子1,2と、こ
れら第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子1,2
を厚さ方向の端面にて互いに挟み込む複数の共振器5,
6と、上記第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子
および複数の共振器の中心を貫通し、これらを軸方向に
一体に締結する締結部材10とを具備しており、上記第
1、第2の電気−機械エネルギー変換素子1,2に、互
いに位相が1/4波長程ずれた正弦波電圧をそれぞれ印
加することにより、1次モードの屈曲振動が中心軸を中
心に回転しながら発生させる超音波振動子であって、上
記第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子1,2は
上記屈曲振動の腹位置に配置され、上記共振器5,6は
該振動子の両端面付近となる部分で締結部材10と接触
しないことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波振動子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波振動子は種々提案されてい
るが、1例を図13に示す。
【0003】この超音波振動子は、第1円筒状圧電振動
子101および第2円筒状圧電振動子102と、これら
の円筒状圧電振動子101,102の一端間に挾まれた
第1の金属円筒103と、該圧電振動子101,102
の他端にそれぞれ設けられた第2の金属円筒104,第
3の金属円筒105とを貫通部材106により固着した
圧電楕円運動振動子である。上記第1円筒状圧電振動子
101はその中心軸に層方向で2分割する第1の境界面
107および厚さ方向で2分割する第2の境界面108
を境として厚さ方向に互いに逆向きとなるように分極さ
れている。上記第2円筒状圧電振動子102は、その中
心軸に沿う方向で2分割され、かつ第1の境界面107
と所定角度で傾斜した第3の境界面109および厚さ方
向で2分割する第4の境界面110を境にして厚さ方向
に互いに逆向きとなるように分極されており、第2の境
界面108、第4の境界面110にそれぞれ第1、第2
の中間端子板111を有し、第1、第2、第3の金属円
筒103,104,105を共通アースとし、中間端子
板111に互いに異なる位相の交流電圧を印加して、圧
電楕円運動振動子の両端部に円を含む楕円運動を励起可
能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
に示される楕円運動振動子は、図14に示すように1次
の屈曲振動を発生し中心軸を中心に回転する。このよう
な楕円運動振動子は、円筒状圧電振動子が振動の節位置
に配置され、中心をボルト等の貫通部材で圧着固定され
るが、共振周波数付近における機械的な振動の鋭さを表
す機械的品質係数(以下、機械的Qmと略す)が大きく
できる反面、起動直後、電流が多く流れ込むため楕円運
動振動子が発熱しやすくなる。この発熱によって、共振
周波数のインピーダンスが上昇し、逆に電流が流れ込み
にくくなる現象が発生し、振動子の振動振幅を減少させ
る。また、貫通部材自身も屈曲振動によって振動する
が、貫通部材の剛性によって屈曲振動を抑制し、振動振
幅を減少させる。このように、従来例のような貫通部材
は振動子の機械的Qmを上昇させることができるが、発
熱、振動振幅の低減も引き起こしている。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、発熱が少なく、振動振幅を最大に維持できる
超音波振動子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による超音波振動子は、厚さ方向に重合さ
れ、該厚さ方向の分極領域の境界面が中心軸周りに互い
に所定角度にて傾斜する第1、第2の電気−機械エネル
ギー変換素子と、これら第1、第2の電気−機械エネル
ギー変換素子を厚さ方向の端面にて互いに挟み込む複数
の共振器と、上記第1、第2の電気−機械エネルギー変
換素子および複数の共振器の中心を貫通し、これらを軸
方向に一体に締結する締結部材とを具備しており、上記
第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子に、互いに
位相が1/4波長程ずれた正弦波電圧をそれぞれ印加す
ることにより、1次モードの屈曲振動が中心軸を中心に
回転しながら発生させる超音波振動子であって、上記第
1、第2の電気−機械エネルギー変換素子は上記屈曲振
動の腹位置に配置され、上記共振器は振動子の両端面付
近となる部分で締結部材と接触しないことを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明においては、上記第1、第2の電気−機
械エネルギー変換素子に、互いに位相が1/4波長程ず
れた正弦波電圧をそれぞれ印加して、1次モードの屈曲
振動を中心軸を中心に回転しながら発生させる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1は、本発明の第1実施例を示す超音波
振動子の分解斜視図である。
【0010】この第1実施例の超音波振動子は、たとえ
ば厚さ2mmのドーナツ形状の第1圧電素子1および第
2圧電素子2を具備していて、この各圧電素子1,2は
ともに、図2に示すように、分極方向Mが互いに反転す
るように分極されていて2つの領域に分割されている。
そして、この第1圧電素子1の分極領域の第1境界線1
aと、第2圧電素子2の分極領域の第2境界線2aとが
互いに90°程ずれるようにして配置されている。
【0011】また、第1圧電素子1と共振器5、第2圧
電素子2と共振器6の間にはそれぞれ、たとえば厚さ
0.1mmの銅製電極板3,4が配置されている。この
銅製電極板3,4は、それぞれリード線半田付け用の突
出部3a,4aを有しており、この突出部3a,4aに
はそれぞれ、端子A,B(図3参照)が接続されるよう
になっている。そして、上記電極板3と電極板4にはそ
れぞれ、上記端子A,Bより互いに位相が1/4波長ず
れた共振周波数附近の正弦波電圧が印加されるようにな
っている。
【0012】上記第1圧電素子1と第2圧電素子2との
間には、電極板7が配置されている。この電極板7には
2ヶ所の突出部7a,7bが設けられており、ともに外
部支持部7c(図3参照)により揺動自在に一点にて支
持されるようになっている。さらに、上記突出部7aに
は、接地端子G(図3参照)が接続されるようになって
いて、これにより上記電極板7は接地されるようになっ
ている。
【0013】上記共振器5,6は上記第1圧電素子1お
よび第2圧電素子2と同等な外径を有する外周面を有
し、振動伝達に優れた材質(アルミ合金、ステンレス、
リン青銅、ジュラルミン、チタン合金等)で形成され、
本第1実施例ではアルミ合金にシュウ酸フルマイト処理
を施したものを採用している。また、該共振器5,6の
中心軸孔の内周面には締結部材10(図3参照)と締結
するねじ部11が設けられている。さらに、同共振器
5,6の内部には、当該超音波振動子の両端面(該共振
器5,6の端面)から上記第1圧電素子1,第2圧電素
子2の方向に向けてカップ形状の凹部5a,6aが形成
されていて、該端面附近では薄肉円環形状になってい
る。これにより、該共振器5,6の端面では上記締結部
材10と接触しないようになっている。
【0014】上記第1圧電素子1および第2圧電素子2
と、各電極板3,4,7と、共振器5,6とを図1に示
すように積層し、各構成部材間にエポキシ系接着剤等の
接着剤を塗布後、中心をボルト等の締結部材10を貫通
させ各構成部材を圧着し、その後、上記接着剤を硬化さ
せ本第1実施例の超音波振動子を構成する。
【0015】なお、図1中の符号8および9は、本第1
実施例の超音波振動子に押圧される回転子およびベアリ
ングであり、詳細は後述する。
【0016】図3は、本第1実施例の超音波振動子が適
用される超音波モータの側断面図である。
【0017】上記締結部材10は本第1実施例の超音波
振動子の中心軸方向に延長され、ベアリング9を内蔵し
た回転子8が当該超音波振動子の端面に押圧手段によっ
て圧着固定される。本第1実施例では、この押圧手段
は、2枚の円錘形状座板12と、この円錐形状座板12
の間に挟まれたコイルバネ13とを、ナット14によっ
て圧着量を可変できるようにして構成している。また、
本第1実施例では、上記回転子8はSK材で硬度Hv6
50の熱処理が施されており、アルマイト処理された上
記共振器5,6との接触面は表面粗さRmax0.1μ
m以下に設定されている。
【0018】次に、本第1実施例の作用について説明す
る。
【0019】上記電極板3,4に、互いに位相が1/4
波長ずれた正弦波電圧を印加すると、1次の屈曲振動が
発生し、中心軸を中心に回転する楕円振動が発生する。
これにより、当該超音波振動子の端面、すなわち、共振
器5の端面に回転子8を圧着すると、該回転子8が回動
する超音波モータが構成される。また、上記2つの正弦
波電圧の位相差を180°程に設定すると当該超音波振
動子に生じる楕円振動の方向が逆転し、上記回転子8を
逆方向に回転させる。
【0020】ところで、上記共振器5,6が仮に中実で
ある、全体長さLの超音波振動子を想定すると、この場
合、1次の屈曲振動は該超音波振動子の両端面から約
0.224Lの位置に振動の節が存在し、該超音波振動
子の中心が振動の腹となり、振幅が最大となる。
【0021】しかし、本第1実施例では、上述したよう
に共振器5,6の内部に両端面方向からカップ状の凹部
5a,6aを設け、該端面附近において上記締結部材1
0との接触を避けるように構成しているので、該共振器
5,6の屈曲方向の剛性を下げると共に、該締結部材1
0の剛性による影響を最小限に抑え、振動の節の位置を
当該超音波振動子の中心、すなわち第1および第2圧電
素子1,2が配置されている位置に近づけ、当該超音波
振動子の両端面において振動振幅が最大となるようにす
ることができる。また、剛性の低下によって共振器5,
6および締結部材10の金属内部摩擦の発生を少なくす
ることができ、これにより発熱現象を抑えることも可能
となった。さらに、共振器5,6の空気に触れる表面積
が相対的に増加したことで放熱効果も増大する。
【0022】一方、締結部材10は共振器5,6の端面
附近とは接触していないため、超音波振動子の屈曲振動
による励振が生じにくく、回転子8を常に水平に保つこ
とができる。
【0023】また、圧電素子を振動の腹位置に集中させ
ているため、製造工程における組立を容易にする。
【0024】以上、まとめると、このような第1実施例
によれば、振動の最大振幅位置を当該超音波振動子の両
端面に発生させることができ、該端面位置に設置された
回転子を効率よく回動させることができる。また、締結
部材で圧着固定しているため、機械的Qmが高く、振動
の発生力が大きく高トルクの超音波モータが実現でき
る。さらに、発熱現象が抑えられるため、共振周波数で
駆動した際のインピーダンスが低い状態で維持でき、常
に安定した振動振幅、回動が得られる超音波モータを得
ることができる。
【0025】なお、実験により、直径φ15、全体長さ
40mmの超音波モータにおいて、100VP-P の正弦
波電圧を印加時、無負荷回転600rpm、起動トルク
350g−cmの特性が得られた。
【0026】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0027】図4は、上記第2実施例の超音波振動子を
適用した超音波モータの側断面図、また、図5は、該超
音波振動子における圧電素子群を示した分解斜視図であ
る。
【0028】この第2実施例の超音波振動子は、図5に
示すような、たとえば厚さ0.5mmのドーナツ形状の
第1圧電素子群31と第2圧電素子群32とを具備し、
これら圧電素子は、その分極が2つの領域に分割され分
極方向Mが互いに反転するように分極されている。各圧
電素子群31,32は、2枚の上記第1実施例と同様な
圧電素子1,2とでそれぞれ構成され、分極方向が相反
するようにしかも分極領域の境界線1a,2aが一致す
るように積層される。そして、第1圧電素子群31の分
極領域の第1境界線1aと第2圧電素子群32の分極領
域の第2境界線2aとが互いに90°程ずれるように配
置されている。
【0029】また、第1圧電素子群31の2枚の圧電素
子1の間、および第2圧電素子群32の2枚の圧電素子
2の間には、それぞれ上記第1実施例と同様な、たとえ
ば厚さ50μmの銅製電極板3および4が配置されてい
る。そして、上記電極板3および電極板4には、それぞ
れ端子AおよびBより位相が1/4波長程ずれた共振周
波数附近の正弦波電圧が印加されるようになっている。
さらに、第1圧電素子群31,第2圧電素子群32,共
振器15の各間には、たとえば厚さ0.1mmを有する
銅製電極板20が配置されている。この各電極板20は
突出部20aを有していて、該突出部20aには接地端
子Gが接続されており、接地されるようになっている。
【0030】一方、第2圧電素子群32と共振器16の
間には、前記第1実施例と同様な、2ヶ所の突出部7
a,7bを有する電極板7が配置されている。そして、
該突出部7a,7bはゴム等で形成された緩衝部材23
を介して外部に固定されている。
【0031】上記共振器15,16は、上記第1実施例
と同様に振動伝達に優れた材質(アルミ合金、ステンレ
ス、リン青銅、ジュラルミン、チタン合金等)で形成さ
れている。該共振器15,16の中心軸孔内周面には締
結部材21と締結するねじ部15b,16bが設けら
れ、当該超音波振動子の両端面、すなわち、共振器1
5,16の端面から第1および第2の圧電素子群31,
32の方向に、円錘カップ形状の凹部15a,16aが
形成されていて、摺鉢形状になっている。これにより、
該共振器15,16の端面が上記締結部材21と接触す
るのを防ぐようになっている。
【0032】上記共振器15の上方には、該共振器15
の端面と同形状の、たとえば、炭化珪素セラミックス
(SiC)で形成されている摺動部材25を介して回転
子8が配置されている。なお、上記摺動部材25は上記
共振器15と回転子8との両方の接触位置に接着固定さ
れている。
【0033】さらに、第1圧電素子群31と、第2圧電
素子群32と、各電極板3,4,7,20と、共振器1
5,16との各間にエポキシ系接着剤等の接着剤を塗布
後、中心をねじ等の締結部材21を貫通させ各構成部材
を圧着し、その後、上記接着剤を硬化させ本第2実施例
の超音波振動子を構成する。
【0034】上記締結部材21は本第2実施例の超音波
振動子の中心軸方向に延長され、ベアリング9を内蔵し
た回転子8が該超音波振動子の両端面に押圧手段によっ
て圧着固定される。本第2実施例では、該押圧手段とし
て皿ばね22が2枚の円垂形状の開口部を対向させて積
層し、ナット14によって圧着量を可変できる押圧手段
を用いている。
【0035】このような構成を有する上記第2実施例の
作用は上記第1実施例と同様であるのでここでの説明は
省略する。
【0036】さて、この第2実施例の超音波振動子の両
端面には同方向に回転する楕円振動が発生するため、締
結部材21を上記両端面方向に延長して、回転子8を該
両端面にそれぞれ設置して出力取り出し箇所を2ヶ所に
している。また、共振器15,16の端面附近と締結部
材21を接触させない構造として、該共振器15,16
の両端面から第1および第2の圧電素子群31,32の
方向へ、円錘カップ形状の凹部15a,16aを形成し
ているため、上記第1実施例と同様に、超音波振動子の
端面に最大振幅を発生させることができ、しかも、発熱
現象を迎えることができる。
【0037】そして、当該超音波振動子の屈曲振動をさ
らに効率良くするために、支持板の役目も果たす電極板
7と外部との間に緩衝部材としてゴム等を介して固定し
たため、支持による振動減衰を低減することができる。
【0038】なお、上述したように、摺動部材25とし
てSiC(炭化珪素セラミックス)を回転子8と共振器
15,16の両端面の間に配置した。ところで、一般
に、同種の材料同士の摩擦力は大きく摩耗が懸念される
ところだが、本実施例で用いたSiCに関しては、摩耗
は特に問題にはならず非常に良い摺動特性を示す。しか
もセラミックスであるため高い振動電圧効率があり、高
トルクを発生させやすくなる。さらに、本第2実施例に
おいては、圧電素子を4枚にしたため、上記第1実施例
に比べより高トルクを発生させることができる。
【0039】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0040】図6は、上記第3実施例の超音波振動子が
適用される超音波モータの側断面図である。
【0041】この第3実施例の超音波振動子は、上記第
2実施例における締結部材21(図4参照)を中心軸方
向にさらに延長し、該締結部材21の一方に上記第2実
施例と同様な押圧手段を用いて回転子8を設置し、他方
において外部との固定を行い、当該超音波振動子を支持
する構成を有している。
【0042】このような構成を有する本第3実施例で
は、超音波振動子を中心軸上に設置された締結部材21
で支持することによって、確実にしかも屈曲振動を抑制
せずに固定できる。たとえば、共振器が中実の超音波振
動子の場合、締結部材も屈曲振動を起こし強く励振して
いるため、該締結部材を延長させて外部との固定を図る
と大きな振動減衰を生じて振動振幅が減少する。また、
回転子を設置する場合も締結部材が屈曲振動の方向に倒
れを生じ、回転子を水平に保てず出力低下を招く。
【0043】しかしながら、本第3実施例の超音波振動
子の場合、共振器15,16の端面附近が締結部材21
と接触していないため該締結部材21に発生する屈曲振
動は弱く、外部と締結しても当該超音波振動子全体にお
ける振動減衰が少ない。そして、回転子8を水平状態に
保ち、超音波振動子だけが1次の屈曲振動で中心軸周り
に回転する振動モードを発生させることができる。ま
た、本第3実施例の場合、電極板の形状をすべて共通に
できるという利点もある。
【0044】したがって、このような第3実施例の超音
波振動子は、該超音波振動子を非常に簡単な構造で支持
することができ、上記第1および第2実施例のような外
部との固定位置に設けられる緩衝部材や支持板を必要と
しない。また、部品の共通化を図ることも可能であり、
部品コスト,加工コストの低減が実現できる。
【0045】次に、本発明の第4実施例の超音波振動子
について説明する。
【0046】図7は、上記第4実施例の超音波振動子が
適用される超音波モータの側断面図である。
【0047】この第4実施例の超音波振動子は、上記第
3実施例の超音波振動子おける共振器15,16を、図
8に示すような共振器45,46に置き換え、また、圧
電素子および電極群を簡略にした構成を有している他
は、上記第3実施例と同様な構成・作用を示す。
【0048】上記共振器45,46は、図8に示すよう
に、その外周面に外周から中心軸に向かって外周と同心
円形状となる複数本、たとえば4本の溝45b,46b
が形成されている。なお、この溝45b,46bは共振
器45,46内部の円錘カップ形状の凹部45a,46
aとは貫通しないようになっている。また、本第4実施
例では、該共振器45,46はアルミ合金で硫酸アルマ
イト処理が施され、回転子8はSUS440CでHv7
00の熱処理が施されている。
【0049】このような構成を有する本第4実施例の超
音波振動子は、共振器45,46の外周に複数の溝45
b,46bを形成したため、屈曲方向の剛性が低下して
該超音波振動子が強く屈曲するようになり、これにより
端面での振動振幅の増加がさらに向上できる。
【0050】なお、実験により、直径φ10mm,長さ
12mmの共振器45,46において、溝45b,46
bをそれぞれ4本形成したものと溝が無いものとで超音
波振動子を構成して、該超音波振動子のインピーダンス
カーブを測定した結果を図9のインピーダンス特性図に
示す。
【0051】この図9において、実線は溝45b,46
bを施した本第4実施例の超音波振動子のインピーダン
ス特性であり、共振周波数f1 ,インピーダンスZ1 は
それぞれ、 f1 = 76KHz Z1 = 112Ω となり、破線で示す、該溝のない超音波振動子の共振周
波数f2 ,インピーダンスZ2 はそれぞれ、 f2 = 102KHz Z2 = 311Ω となる。すなわち、共振器45,46に溝45b,46
bを形成したことによって共振周波数が低下しインピー
ダンスも小さくなる。つまり、小型の超音波振動子を構
成した場合、波長が短くなるために共振周波数が高くな
りすぎるが、上述のように共振器の外周面に溝を形成す
ることによって駆動周波数を低下させることができる。
また、小型の超音波振動子の場合、機械的Qmが圧電素
子の堆積の現象によって大きくできないが、溝を形成す
ることで共振状態でのインピーダンスを低下させ、機械
的Qmを増加させることができ、端面での振動振幅が非
常に増大し、高トルク化が実現できる。さらに、放熱効
果を増加させることが可能となる。
【0052】次に、本第4実施例の変形例について説明
する。
【0053】図10(a)〜(f)は上記第4実施例に
おける共振器の変形例を示す側面図あるいは斜視図であ
る。
【0054】図10(a)に示す例は、上記第4実施例
における共振器45,46の溝45b,46bをV字型
の溝52に変えたもので、上記第4実施例と同様の作用
をするとともに、ばね特性を有することになる。。
【0055】図10(b)に側面を,(c)に斜め上方
より見た図を示す例は、上記第4実施例における共振器
45,46の外周面に、外周から中心軸に向かって切込
み溝53を中心軸を横切るまで形成したものである。こ
れにより該共振器はばね特性を有することになる。
【0056】図10(d)に示す例は、上記第4実施例
における共振器45,46の端面から内径をくりぬき、
締結部材の締結部56と外周側面との間に薄肉のフラン
ジ57を設け、該フランジ57にばね特性を有するよう
にしたものである。
【0057】図10(e)に示す例は、上記第4実施例
における共振器45,46の外周面に螺旋形状の溝58
を形成し、ばね特性を有するようにしたものである。
【0058】図10(f)に示す例は、上記第4実施例
における共振器45,46の外周面にねじ状の溝を形成
し、ばね特性を有するようにしたものである。なお、こ
の変形例を、上記図10(d)に示す例においても実施
することが可能であり、当該例においても上記(d)例
と同様な締結部59とフランジ54とを有している。
【0059】ところで、金属部材を使用して機械的Qm
を増大させるには、ばね構造が最も効果的である。上記
変形例はこのばね構造による機械的Qmの増大効果を巧
みに利用しようとするもので、超音波振動子の機械的Q
mをさらに大きくし、振動振幅の増大・高トルク化を図
るものである。
【0060】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。
【0061】図11は、上記第5実施例の超音波振動子
が適用される超音波モータを示す側面図である。
【0062】この第5実施例は、たとえば厚さ2mmの
ドーナツ形状の第1圧電素子1と第2圧電素子2とを具
備しており、該圧電素子が上記第1実施例と同様に分
極,配置されている。また、第1圧電素子1と共振器6
5、第2圧電素子2と共振器66、第1圧電素子1と第
2圧電素子2との間には、それぞれ、たとえば厚さ0.
1mmの銅製電極板3,4,20が配置されている。上
記共振器65,66は、上記第1実施例同様に振動伝達
に優れた材質(アルミ合金、ステンレス、リン青銅、ジ
ュラルミン、チタン合金等)で形成され、本実施例では
アルミ合金にシュウ酸アルマイト処理を施してものが採
用されている。
【0063】上記共振器65,66の中心軸孔内周面に
は締結部材60と締結するねじ部が設けられ、また、該
共振器65,66の両端面から圧電素子1,2の方向へ
は、同共振器65,66の端面が上記締結部材60と接
触しないようにカップ形状の凹部65a,66aが形成
され、該端面附近では薄肉円環形状になっている。さら
に、2つの共振器65,66の端部にはフランジが形成
されていて、上記圧電素子1,2の外周よりも大きく構
成されている。そして、該フランジの外周面には雄ねじ
61が形成され、また、共振器66の該雄ねじ61の一
部にはリード線通過用の貫通孔62が形成されている。
【0064】上記第1圧電素子1と、第2圧電素子2
と、電極板3,4,20と、共振器65,66とを積層
し、各構成部材間にエポキシ系接着剤等の接着剤を塗布
後、中心を埋め込みネジの締結部材60を貫通させ各構
成部材を圧着し、その後、上記接着剤を硬化させ本第5
実施例の超音波振動子を構成する。
【0065】上記雄ねじ61は円筒管63の内周面に形
成された雌ねじ64と螺合されるようになっている。ま
た、電極板3,4,20には位相が1/4波長程ずれた
共振周波数附近の正弦波電圧が印加されるようになって
いる。なお、電極板20は接地されるようになってい
る。
【0066】このような構成を有する第5実施例の超音
波振動子に正弦波電圧が印加されると該超音波振動子に
1次の屈曲振動が生じ中心軸を中心に図中、矢印Nの方
向に回動する。この動作によって、同超音波振動子自身
が共振器65,66の雄ねじ61と円筒管63の雌ねじ
64とをガイドとして、回動しながら円筒管63内を図
中、矢印Sの方向に直進する。また、正弦波電圧の位相
を180°程ずらして印加すると、逆回転しながら該円
筒管63内を逆方向に直進する。
【0067】この第5実施例の超音波振動子によると、
リニア型の超音波モータを実現することができる。ま
た、図12に示すように、超音波振動子を締結部材67
によって外部に固定すれば、円筒管63が回動しながら
可逆に直進することはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
熱が少なく、振動振幅を両端面において最大にし、端面
附近に設置された回転子を高トルクで、しかも安定して
回転できる超音波振動子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す超音波振動子の分解
斜視図
【図2】上記第1実施例における圧電素子を示す側面
図。
【図3】上記第1実施例の超音波振動子が適用される超
音波モータの側断面図
【図4】本発明の第2実施例を示す超音波振動子が適用
される超音波モータの側断面図。
【図5】上記第2実施例の超音波振動子における圧電素
子群を示した分解斜視図。
【図6】本発明の第3実施例を示す超音波振動子が適用
される超音波モータの側断面図。
【図7】本発明の第4実施例を示す超音波振動子が適用
される超音波モータの側断面図。
【図8】上記第4実施例における共振器を示す側面図。
【図9】上記第4実施例の超音波振動子と従来の超音波
振動子のインピーダンス特性を示した線図。
【図10】(a)〜(f)は上記第4実施例の変形例を
示す側面図および斜視図。
【図11】本発明の第5実施例を示す超音波振動子が適
用される超音波モータの側面図。
【図12】上記第5実施例の変形例を示す側面図。
【図13】従来の超音波振動子を示す斜視図。
【図14】従来の超音波振動子の動作状態を示す斜視
図。
【符号の説明】
1…第1圧電素子 1a…第1境界線 2…第2圧電素子 2a…第2境界線 3,4…電極板 5,6…共振器 5a,6a…凹部 7…電極板 8…回転子 9…ベアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津幡 敏晴 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 若林 勝裕 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中嶋 勇 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ方向に重合され、該厚さ方向の分極領
    域の境界面が中心軸周りに互いに所定角度にて傾斜する
    第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子と、 これら第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子を厚
    さ方向の端面にて互いに挟み込む複数の共振器と、 上記第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子および
    複数の共振器の中心を貫通し、これらを軸方向に一体に
    締結する締結部材と、 を具備しており、 上記第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子に、互
    いに位相が1/4波長程ずれた正弦波電圧をそれぞれ印
    加することにより、1次モードの屈曲振動が中心軸を中
    心に回転しながら発生させる超音波振動子であって、 上記第1、第2の電気−機械エネルギー変換素子は上記
    屈曲振動の腹位置に配置され、上記共振器は該超音波振
    動子の両端面付近となる部分で締結部材と接触しないこ
    とを特徴とする超音波振動子。
  2. 【請求項2】上記共振器の少なくとも一方の端面もしく
    は外周側面に圧接され、上記中心軸周りに回転駆動され
    る被駆動部材を具備することを特徴とする請求項1に記
    載の超音波振動子。
  3. 【請求項3】上記共振器は外周側面に軸周りに形成され
    た溝を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音
    波振動子。
  4. 【請求項4】上記共振器は外周側面に千鳥状に配置され
    た複数の切欠を具備することを特徴とする請求項1に記
    載の超音波振動子。
  5. 【請求項5】上記共振器は外周側面に螺旋状に形成され
    た溝を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音
    波振動子。
  6. 【請求項6】上記共振器は締結部材に締結される被締結
    部と、この被締結部の外周に配置された筒状部と、これ
    らの間を弾性を持って連結する連結部とからなることを
    特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
  7. 【請求項7】上記締結部材は共振器の端面より軸方向に
    延長され、該延長部分に外部に保持されることを特徴と
    する請求項1に記載の超音波振動子。
JP4043399A 1992-02-28 1992-02-28 超音波振動子 Withdrawn JPH05237458A (ja)

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