JPH06113566A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH06113566A
JPH06113566A JP4256803A JP25680392A JPH06113566A JP H06113566 A JPH06113566 A JP H06113566A JP 4256803 A JP4256803 A JP 4256803A JP 25680392 A JP25680392 A JP 25680392A JP H06113566 A JPH06113566 A JP H06113566A
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JP
Japan
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ultrasonic
vibration
ultrasonic motor
vibrating piece
displacement
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Withdrawn
Application number
JP4256803A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Takenao Fujimura
毅直 藤村
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/125,682 priority patent/US5440190A/en
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】変位拡大を容易に行うことができ、かつ小型化
が図れる超音波モータを提供することを目的とする。 【構成】超音波振動子7の節位置に第1,第2の圧電素
子2,3が設けられ、該圧電素子2,3に印加される電
気エネルギーにより端面が中心軸に対して傾斜して回転
運動する該超音波振動子7と、この超音波振動子7の端
面に軸方向に形成され、外周と同心円状の溝6aが振動
の節位置に配設されるテーパーを有する変位拡大振動片
6とを具備し、回転子21が、上記変位拡大振動片6の
端面に押圧機構によって配置され、所定方向に移動する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波モータ、詳しく
は、振動発生手段により発生する振動を利用して回転す
る超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波モータの効率を向上し、駆
動を安定させる技術手段は種々提案されている。たとえ
ば、図11に示すような、駆動用振動モードの節位置よ
りも外側の端部a1,a2を太くした振動子101を設
定することで上述した利点を満足させた技術手段が特開
平4−91668号公報に開示されている。すなわち、
該振動子101は、振動の節位置よりも外側の両端部a
1,a2を中央部に比して相対的に太径とすることで、
径を一様とする振動子が一般に有する固有振動数を下げ
ることが可能となり、さらに、モーダル質量が大幅にす
ることで大振動振幅を得ることができるようになってい
る。
【0003】また、振動子の、駆動用振動モードの節位
置よりも外側の両端部を高密度化して上述した例と同様
な効果を得る技術手段も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
に示されるような、大径部を屈曲振動の腹位置に設置
し、振動振幅の拡大を図る手段は非常によく用いられる
が、一般に振動子の大型化、高質量化を招くことが懸念
されている。電気−機械エネルギー変換素子である圧電
素子の外周径に対して、負荷質量部となる部分の外周を
大きくすれば該部分の径が大型化し、また、軸方向に負
荷質量部となる部分を長くすると振動子全体が大型化す
る。超音波モータをスペース的に余裕のある部位にて用
いる場合には該振動子の大型化はあまり問題とはならな
いが、限られたスペースにて使用する場合には大きな欠
点となり、実際には用いることができない場合もある。
また、高密度部を屈曲振動の腹位置に用いれば振動子自
体の小型化を図ることが可能となるが、少なくとも2種
類の部材が必要となり、さらに、組立時における工程増
加およびコストの増大を招く虞がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、変位拡大を容易に行うことができ、かつ小型
化が図れる超音波モータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による超音波モータは、振動子に発生する超
音波振動を用いて被駆動部材を駆動する超音波モータに
おいて、上記振動子の節位置に電気−機械エネルギー変
換素子が設けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に
印加される電気エネルギーにより端面が中心軸に対して
傾斜して回転運動する超音波振動子と、この超音波振動
子の端面に軸方向に形成され、外周と同心円状の溝が振
動の節位置に配設されるテーパーを有する変位拡大振動
片とを具備し、上記被駆動部材が、上記変位拡大振動片
の端面に押圧機構によって配置され、所定方向に移動す
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明においては、上記被駆動部材が、上記変
位拡大振動片の端面に押圧機構によって配置され、所定
方向に移動する。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1は、本発明の第1実施例である超音波
モータの構成を示した分解斜視図であるが、まず、この
第1実施例の超音波モータ全体を説明するに先立ち、該
超音波モータにおける振動発生部の概念的な構成・作用
を述べる。なお、本実施例では、電気−機械エネルギー
変換素子として電圧印加面に銀蒸着された圧電素子を用
いる。
【0010】図2は、一般的な振動発生部の概念的な構
成を示した要部拡大斜視図である。
【0011】この図2(a)に示すように該振動発生部
を具備する超音波振動子5は、たとえば金属部材で形成
された2つの共振器1と、該2つの共振器1の間に配設
された2つの第1および第2の圧電素子2,3と、上記
共振器1,圧電素子2,3の中心部に貫通して配設さ
れ、これら各部材を締結する、たとえば、ボルト等にて
形成される締結部材4とで主要部が構成されている。上
記第1,第2の圧電素子2,3は、図2(b)の該圧電
素子の分極状態を示す拡大斜視図に示すように中空円部
を有する円盤形状を呈し、それぞれ中心を通る分極境界
線2a,3aによって図中、矢印M1 ,M2 で示される
ように互いに反対方向に分極されている。そして、該第
1の圧電素子2と第2の圧電素子3とは、その分極境界
線2a,3aが互いに90°ずれるようにして積層方向
に配設されている。なお、上述したように上記圧電素子
2,3の電圧印加面は銀蒸着が施されている。
【0012】そして、該第1,第2の圧電素子2,3
に、位相が互いに90°ずれた交番電圧を印加すること
で図3に示すような屈曲振動の回転運動を発生させるこ
とができる。
【0013】このような超音波振動子5は従来より多数
提案されているが、このままでは振動振幅も小さく超音
波モータとしての実用性に乏しい。そこで、本実施例で
は上述の超音波振動子5に対して後述する振動片を設置
することで振動子自体の振動拡大を図り、これにより超
音波モータとして実用度を向上させている。
【0014】すなわち、本第1実施例による超音波振動
子7は、図4(a)に示すように上記超音波振動子5に
おいて、図中、上方に配設された共振器1の上面側縁部
に、中心軸側の一側面が上方に向けて細くなるように傾
斜した変位拡大振動片6を垂設して構成されている。な
お、上記変位拡大振動片6の他側面は上記共振器1の外
周面と同一面となるように形成されていている。また、
該変位拡大振動片6は、図4(a)においては上記共振
器1上面の一側方に1つだけ配設されているが、実際に
は該変位拡大振動片6と同等形状を有する振動片が該共
振器1上面の側縁部に複数個ほど配設されている。
【0015】また、上記変位拡大振動片6先端部におけ
る、上記超音波振動子7の屈曲振動の節位置には、該複
数個の変位拡大振動片6によって形成される仮想外周面
と同軸に、周方向に所定の深さを有する溝6aが形成さ
れている。さらに、上記第1,第2の圧電素子2,3の
上下方向の位置も超音波振動子7の屈曲振動の節位置に
なるように配置されている。
【0016】さて、上記超音波振動子7に所定の交番電
圧を印加して上記変位拡大振動片6の先端部に該超音波
振動子7からの振動エネルギーを集中させると、上述し
たように屈曲振動の節位置に上記溝6aと圧電素子2,
3とを配置させたことで、振動の力係数(N/V)が増
加し、図4(b)の振動モードに示すように、上記印加
電圧に対して最も効率のよい振動力が得られることにな
る。さらに、変位拡大振動片6に形成された上記溝6a
によって振動の節位置での剛性が低下し、これにより超
音波振動子7自体の振動の変位量がより大きくなるとい
う効果も奏する。
【0017】次に、上記変位拡大振動片6を有する超音
波振動子7を適用した本第1実施例の超音波モータにつ
いて説明する。
【0018】図1は、本発明の第1実施例の超音波モー
タの構成を示す分解斜視図、図5(a)は、該超音波モ
ータの断面図、図5(b)は、該超音波モータの振動モ
ードを示した線図である。
【0019】この図1および図5に示すように、この超
音波モータは、3枚の電極板13,14,15間にそれ
ぞれ配設された第1の圧電素子2,第2の圧電素子3
と、該第1,第2の圧電素子2,3をその端面で挟むよ
うに配設された第1の共振器16および第2の共振器1
2と、これら構成部材を軸方向に一体に締結する締結部
材17とを具備する超音波振動子7と、該超音波振動子
7の一端面(上端面)に圧接され、同超音波振動子7の
超音波振動によって所定方向に回転する被駆動部材であ
る回転子21とで主要部が構成されている。
【0020】上記第1,第2の圧電素子2,3は、上述
したように図2(b)の該圧電素子の分極状態を示す拡
大斜視図に示すように中空円部を有する円盤形状を呈
し、それぞれ中心を通る分極境界線2a,3aによって
図中、矢印M1 ,M2 で示されるように互いに反対方向
に分極されている。そして、該第1の圧電素子1と第2
の圧電素子2とは、その分極境界線2a,3aが互いに
90°ずれるようにして積層方向に配設されている。
【0021】上記電極板13,14,15は、上記第
1,第2の圧電素子2,3とほぼ同型の径を有する電圧
印加用の銅製電極板であり、それぞれリード線半田付け
用の端子A,G,Bが突設されていて、それぞれ図示し
ない電源に接続されている。
【0022】また、上記第1,第2の圧電素子2,3お
よび上記電極板13,14,15および第2の共振器1
2で振動発生部11が構成される。
【0023】上記第1の共振器16は底部16bを有す
る中空の円筒形状であって、振動伝達に優れた材質、た
とえば、アルミニウム合金,ステンレス,リン青銅,ジ
ュラルミン,チタン合金で構成され、本実施例ではSU
S440Cを熱処理し、硬度をHv800以上にしたも
の用いている。また、本実施例では該第1の共振器16
にアルミニウム合金にシュウ酸アルマイト被膜を施して
いて、さらに蒸気封孔処理によって該アルマイトの微小
孔を底部まで水和物で充填している。
【0024】上記第1の共振器16の底部16bの中心
部には上記締結部材17に螺刻されたねじ部17aと螺
合するねじ部18が設けられ、該締結部材17と螺合し
ている。また、この底部16bの上方の該第1の共振器
16の内部は上端面において開口部を形成しているカッ
プ形状の中空部20となっていて、該第1の共振器16
の上端面における振動が該締結部材17によって規制さ
れないようになっている。さらに、該第1の共振器16
の上部16a外周側面には中心軸と平行に複数の垂直溝
22が形成されていて、該共振器上部16aを垂直方向
に8当分して8つの変位拡大振動片6(図4参照)を形
成している。また、該共振器上部16aと上記共振器底
部16bとの間の外周側面には中心方向へ向かって周溝
25が形成されている。さらに、上記各変位拡大振動片
6の、超音波振動子7の屈曲振動の節となる位置には中
心方向へ向かって溝6aがそれぞれ形成されている。
【0025】上記第1,第2の圧電素子2,3の下部に
は、該圧電素子2,3とほぼ同大同型の接触面を有する
第2の共振器12が配設されていて、該第2の共振器1
2と上記第1の共振器16とで上記電極板13,14,
15および第1,第2の圧電素子2,3を挟むようにな
っている。この第2の共振器12は、上記第1の共振器
16と同等な材質で構成されている。
【0026】上記第2の共振器12下部は下方に向かっ
てテーパー28が形成された略円錐形状を呈し、該略円
錐の先端部は中心軸周りに突出部29が形成されていて
図示しない外部固定部との接触面積を少なくしている。
【0027】なお、上記電極板13と上記第1の共振器
16との間、および上記電極板15と上記第2の共振器
12との間には、たとえばアルミナで形成された、中空
円部を有する円盤形状の絶縁部材が配設されている。
【0028】上記超音波振動子7は、上記第1,第2の
圧電素子2,3,電極板13,14,15,第1および
第2の共振器16,12とを図1に示す如く積層し、中
心に上記締結部材17を貫通させ、各構成部材間にエポ
キシ系接着剤を塗布した後、該締結部材17に配設され
た圧着ナット30と上記第2共振器12とによって各構
成部材を圧着し、該接着剤を硬化させて構成される。
【0029】一方、上記締結部材17には、上記第2の
共振器12のさらに下方にもボルトが形成されている。
そして、該締結部材17は該第2の共振器12より上方
において上記超音波振動子7を圧着するとともに、上記
回転子21を支持し、該第2の共振器12より下方にお
いては該超音波振動子7の下端面を図示しない固定部材
に圧着支持して超音波モータを固定するようになってい
る。
【0030】上記第1の共振器16の上端面、すなわ
ち、超音波振動子7の上端面には該超音波振動子7の超
音波振動によって所定方向に回転する回転子21が複数
のベアリング26を介して該締結部材17に軸支されて
配設されている。また、該回転子21の、上記超音波振
動子7との接触面の反対側には上記締結部材17のねじ
部17bに軸支された皿ばね31およびナット32とに
よる可変押圧機構が配設されていて該回転子21の圧着
力を可変できるようになっている。上記回転子21は、
たとえばアルミ合金で構成され、その表面はシュウ酸ア
ルマイト処理が施されている。さらに、上記回転子21
の、超音波振動子7との接触部近傍には薄肉ばねフラン
ジ部33が2箇所において形成され、該回転子21の接
触部の固有振動数を超音波振動子7の駆動周波数よりも
高くしている。
【0031】このように構成される超音波モータは、上
記電極板13,15の端子A,Bに共振周波数附近の正
弦波電圧を時間的に90°ずらして印加し、上記電極板
14の端子Gをアースすることで、超音波振動子7に一
次モードの屈曲振動が該振動子7の中心軸周りに回転す
る運動が発生し、回転子21が所定方向に回転する。
【0032】このような第1実施例の超音波モータの駆
動原理はすでに公知であるので、ここでの説明は省略す
る。
【0033】本第1実施例では、振動発生部11(図5
参照)は上述したように、電極板13,14,15と、
第1,第2の圧電素子2,3および第2の共振器12を
含めた位置にあたり、その一方の端面に8個の変位拡大
振動片6が形成されている。そして、該変位拡大振動片
6の中心軸側には、上述したように円錐カップ形状の中
空部20が設けられているため、上記変位拡大振動片6
の中心軸側の側面はテーパー形状となり上記振動発生部
11からの微小な振動を該変位拡大振動片6先端に向か
って集中させて大きな振動発生力が回転子21に伝達さ
れる。
【0034】また、本第1実施例の超音波モータは、図
5(b)の振動モードに示すように振動する。この屈曲
振動の2箇所の節となる位置にはそれぞれ、溝6a,圧
電素子2,3が配置され、上述したように剛性の低減と
力係数の増加作用によって振動発生部11から得られる
振動を最も大きく拡大させる。このように、第1の共振
器16に溝6aや円錐カップ形状の中空部20を設ける
と、回転子21と接触する超音波振動子7の端面におい
て振動振幅が最大となり、回転子21側の屈曲振動の節
位置が圧電素子2,3側に近づく。
【0035】このような本第1実施例によると、振動発
生部からの微小な振動を変位拡大振動片の先端において
大きな振動振幅に拡大し、しかも超音波振動を該変位拡
大振動片の先端に集中させ、高トルクを得ることができ
る。そして、振動振幅の拡大によって安定した回転動作
を行うことができ、極めて回転ムラの少ない超音波モー
タを実現することが可能となる。なお、実験の結果、直
径φ6mm,全長8mmの大きさを有する本実施例にお
ける超音波振動子において、変位拡大振動片の先端付近
の振動振幅は約3μmとなり、振動発生部の振幅を約2
0倍に拡大する。
【0036】図6は、上記第1実施例の1変形例である
超音波モータの中心軸より半分を示した断面図である。
【0037】この変形例では、節位置の剛性低減のため
に形成された変位拡大振動片における溝を該変位拡大振
動片66の内周面に溝66aとして形成したものであ
り、その他の構成・作用は上記第1実施例と同様であ
る。この変形例によっても上記第1実施例と同様な効果
を得ることができる。
【0038】図7は、上記第1実施例の他の変形例であ
る超音波モータの中心軸より半分を示した断面図であ
る。
【0039】この変形例では、上記第1実施例における
変位拡大振動片6における溝6aを複数の細い溝76a
に置き換えた変位拡大振動片76を具備するものであ
り、その他の構成・作用は上記第1実施例と同様であ
る。
【0040】この変形例によると、節位置の剛性低減の
ために形成された変位拡大振動片における溝をより細か
く、複数設けたことで、上記第1実施例に対して若干剛
性が上がるため、低速高トルク型の超音波モータを提供
することができる。
【0041】図8は、本発明の第2実施例である超音波
モータの中心軸より半分を示した断面図である。
【0042】この第2実施例は上記第1実施例における
変位拡大振動片を変更したものであり、その他の構成・
作用は同様であるのでここでの説明は省略する。
【0043】この第2実施例における変位拡大振動片8
6は、基本的には上記第1実施例における変位拡大振動
片6と同様な形状を呈するが、該変位拡大振動片6にお
ける溝6aと同様な形状を成し、同様な位置に配設され
た溝86aの下方外周面にさらに、複数の(本実施例で
は2つの)溝86bを形成している。この複数の溝86
bは、超音波モータの屈曲振動の腹位置(図5(b)参
照)に配置され、上記溝86aよりも幅が狭くなってい
る。
【0044】一般に、ランジュバン型の超音波振動子は
発熱が生じ易く、特に屈曲振動の腹位置では内部応力が
集中して発熱量が最大となる。そして、この発熱によっ
て変位が急速に低下する現象が確認されている。したが
って、最も発熱量の多い屈曲振動の腹位置に複数の溝を
設けた本実施例によると、応力が分散され、発熱を抑制
することができ、安定した振動振幅を得ることが可能と
なる。
【0045】また、本実施例のように変位拡大振動片に
複数の溝を設けると、該変位拡大振動片の剛性がさらに
低下するため、振動振幅はさらに大きく拡大される。し
たがって、上記第1実施例に比べると高回転型の超音波
モータとなる。すなわち、変位拡大振動片に形成する溝
の深さ、幅、本数を適宜選定することで、外形状が同寸
法でありながら、種々のトルク−回転数特性を有する超
音波モータを得ることが可能となり、超音波モータのシ
リーズ化が容易に達成できる。
【0046】図9は、上記第2実施例の超音波モータに
おける変位拡大振動片の変形例を示した要部拡大図であ
る。
【0047】この変形例は、上記変位拡大振動片86に
おける溝86bの底部を半円形状に形成しており(符号
86c)、該底部の角部に発生する応力集中をさらに低
下することが可能となっている。
【0048】図10は、本発明の第3実施例である超音
波モータの中心軸より半分を示した断面図である。
【0049】この第3実施例は、上記第1実施例と同様
な役目を果たす変位拡大振動片96上部の、回転子21
との接触部近傍に、ばね性を有するフランジ部96aを
形成している他は、上記第1実施例と同様な構成を有す
る。
【0050】本第3実施例のように超音波振動子側にば
ね性を有するフランジ部を設けることで、該超音波振動
子の機械的Qmを大きくすることができる。このため、
変位拡大振動片96の先端においてさらに大きな振動振
幅を得ることができる。また、回転子21底部におけ
る、該超音波振動子との接触面の不均一な“うねり”に
対して、該回転子21側に形成された2段のばねフラン
ジ部33と変位拡大振動片96側のばねフランジ部96
aとによって、該回転子21と超音波振動子との接触面
が常に一定の条件(接触圧力、真実接触面積等)で接触
することができる。
【0051】したがって、機械的Qmの高い超音波振動
子が構成でき、振動発生部の微小振動を効率よく拡大す
ることができる。また、回転子と超音波振動子との接触
条件を一定とし、回転をスムースにすることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、変
位拡大を容易に行うことができ、かつ小型化が図れる超
音波モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である超音波モータの構成
を示した分解斜視図である。
【図2】一般的な振動発生部の概念的な構成を示した要
部拡大斜視図である。
【図3】上記図2における振動発生部の屈曲振動回転運
動の一例を示した斜視図である。
【図4】上記第1実施例における超音波振動子を示した
要部拡大斜視図である。
【図5】(a)は、上記第1実施例の超音波モータの断
面図、図5(b)は、該超音波モータの振動モードを示
した線図である。
【図6】上記第1実施例の1変形例である超音波モータ
の中心軸より半分を示した断面図である。
【図7】上記第1実施例の他の変形例である超音波モー
タの中心軸より半分を示した断面図である。
【図8】本発明の第2実施例である超音波モータの中心
軸より半分を示した断面図である。
【図9】上記第2実施例の超音波モータにおける変位拡
大振動片の変形例を示した要部拡大図である。
【図10】本発明の第3実施例である超音波モータの中
心軸より半分を示した断面図である。
【図11】従来の、駆動用振動モードの節位置よりも外
側の端部を太くした振動子を示した側面図である。
【符号の説明】
2…第1の圧電素子 3…第2の圧電素子 6…変位拡大振動片 6a…変位拡大振動片6の溝 7…超音波振動子 11…振動発生部 12…第2の共振器 13,14,15…電極板 16…第1の共振器 17…締結部材 21…回転子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子に発生する超音波振動を用いて被駆
    動部材を駆動する超音波モータにおいて、 上記振動子の節位置に電気−機械エネルギー変換素子が
    設けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に印加され
    る電気エネルギーにより端面が中心軸に対して傾斜して
    回転運動する超音波振動子と、 この超音波振動子の端面に軸方向に形成され、外周と同
    心円状の溝が振動の節位置に配設されるテーパーを有す
    る変位拡大振動片と、 を具備しており、上記被駆動部材が、上記変位拡大振動
    片の端面に押圧機構によって配置され、所定方向に移動
    することを特徴とする超音波モータ。
JP4256803A 1992-09-25 1992-09-25 超音波モータ Withdrawn JPH06113566A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100691270B1 (ko) * 2005-08-05 2007-03-12 삼성전기주식회사 압전 스테이터의 노달 지점을 자동으로 찾아 지지하는 구조

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KR100691270B1 (ko) * 2005-08-05 2007-03-12 삼성전기주식회사 압전 스테이터의 노달 지점을 자동으로 찾아 지지하는 구조

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