JPH07274559A - 圧電式リニアアクチュエータ - Google Patents

圧電式リニアアクチュエータ

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JPH07274559A
JPH07274559A JP6082762A JP8276294A JPH07274559A JP H07274559 A JPH07274559 A JP H07274559A JP 6082762 A JP6082762 A JP 6082762A JP 8276294 A JP8276294 A JP 8276294A JP H07274559 A JPH07274559 A JP H07274559A
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JP
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piezoelectric
elastic body
linear actuator
driven
curved
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JP6082762A
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Hideaki Oku
秀明 奥
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Original Assignee
Fanuc Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被駆動体を駆動する弾性体に、リニアアクチ
ュエータ駆動のために望ましい平面部を持たせ、複雑な
機構を用いることなく、平面部を有した弾性体に進行波
を形成する圧電式リニアアクチュエータを提供する。 【構成】 圧電振動体4,5により振動される弾性体3
によって被駆動体1を直線方向に移動する圧電式リニア
アクチュエータ2において、記弾性体3を、少なくとも
一部が被駆動体1と接触する平面部10と該平面部と隣
接する円弧曲面部11とにより外側面13と内側面12
を有する無端形状体を形成するものであり、またその弾
性体3の共振周波数は弾性体の少なくとも一部分の寸法
により調節可能であり、弾性体の外側面と内側面の少な
くとも何れか一方の側面には、2種類の振動モードによ
る定在波を生成し、その定在波の合成により被駆動体を
移動する進行波を形成する圧電振動体4,5を取付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子を駆動源とす
る圧電式リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の進行波型の圧電式アクチュエータ
としては、例えば円環状の圧電式アクチュエータ、ある
いは、直線型の圧電式リニアアクチュエータ等が知られ
ている。図9は円環状の圧電式アクチュエータの構成を
説明する図である。図9の(a)において、従来の円環
状の圧電式アクチュエータは、円環状の弾性体102の
下面に圧電振動体103を取り付け、その圧電振動体1
03により発生する振動によって弾性体102に2種類
の定在波を生じさせ、これらの定在波の位置的、時間的
位相差を所望の関係に設定して合成し、円環上を回転す
る進行波を形成するものである。そして、この進行波に
よって弾性体102上に配置された移動体101を移動
させるものであり、図9に示す円環状の圧電式アクチュ
エータでは、移動体101がロータとなって回転するモ
ータを形成している。なお、弾性体102に取り付けら
れる圧電振動体103は、例えば、図9の(b)に示す
ように、環状体において一定角度ごとに分割した複数個
の分割部分(図では20°毎に分割している)に極性の
異なる圧電素子(図ではA相とB相で表している)を交
互に配置することにより構成している。また、図10は
直線型の圧電式アクチュエータの構成を説明する図であ
る。図において、従来の直線型の圧電式アクチュエータ
は、棒状(あるいは帯状)の弾性体105の両端に発振
器108と吸振器109とを配置し、発振器108によ
り発生した進行波を吸振器109で吸収することによ
り、端点での進行波の反射を防いで、棒状弾性体105
上での定在波の発生を防ぎ進行波のみを発生させる。そ
して、この進行波によりスランダ105を移動させるも
のである。なお、図の構成では、発振器108と吸振器
109はホーン106と振動子107により構成し、発
振器108側の振動子は発振装置によって駆動し、一
方、吸振器109の振動子は弾性体104からの振動を
電気信号に変換するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、進行波は、周
波数が等しく、かつ、時間的,位置的に位相がずれた2
種類の定在波を合成することにより形成することができ
る。そして、圧電振動体とその圧電振動体による振動を
拡大する機能を持つ弾性体とを含めた系全体において、
2種類の定在波をそれぞれ共振状態で生じることが、低
駆動電圧によって大きな変位を得るために最も良い条件
とされている。そのため、従来知られている超音波モー
タは、この条件を満たすために、前記図9に示すように
圧電体の位置によらず同一の周波数での共振を起こす放
射対称形の弾性体を用いている。しかしながら、この形
状の弾性体には、リニアアクチュエータ駆動のために望
ましい直線部分を含む平面部分を設けることができない
という問題点がある。
【0004】そこで、前記の円環状の圧電式アクチュエ
ータを用いて、直線移動を行う圧電式リニアアクチュエ
ータを構成するためには、円環状の圧電式アクチュエー
タによる回転運動をギヤ等の回転−直線運動変換機構等
の機構を用いて直線運動に変換する必要があり、圧電式
リニアアクチュエータのための構成が複雑化するという
問題点がある。また、円環状の圧電式リニアアクチュエ
ータを単に変形して、その一部に直線状の部分を含む形
状とした場合には、進行波の形成が困難となりリニアア
クチュエータの機能を発揮することができない。一方、
前記した直線状の圧電式アクチュエータを用いる場合に
は、有限な弾性体上に進行波を形成しようとすると、端
点において反射波と進行波が干渉して有効な進行波を生
み出すことができないため、弾性体の両端に大きな圧電
振動体を配置する必要がある。したがって、この構成で
はストロークの限られたリニアアクチュエータしか構成
できず、また複雑な機構を必要とするという問題点を有
している。そこで、本発明は前記した従来の問題点を解
決して、被駆動体を駆動する弾性体に、リニアアクチュ
エータ駆動のために望ましい平面部を持たせた圧電式リ
ニアアクチュエータを提供することを目的とする。ま
た、本発明は、複雑な機構を用いることなく、平面部を
有した弾性体に進行波を形成する圧電式リニアアクチュ
エータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電振動体に
より振動される弾性体によって被駆動体を直線方向に移
動する圧電式リニアアクチュエータにおいて、弾性体
を、少なくとも一部が被駆動体と接触する平面部と該平
面部と隣接する円弧曲面部とにより外側面と内側面を有
する無端形状体を形成するものであり、またその弾性体
の共振周波数は弾性体の少なくとも一部分の寸法により
調節可能であり、弾性体の外側面と内側面の少なくとも
何れか一方の側面には、2種類の振動モードによる定在
波を生成し、その定在波の合成により被駆動体を移動す
る進行波を形成する圧電振動体を取付けることにより、
前記目的を達成するものである。本発明の圧電式リニア
アクチュエータは、弾性体の共振周波数は平面部の長手
方向の長さにより調節可能とすることができる。本発明
の圧電式リニアアクチュエータの圧電振動体は、平面状
圧電素子と曲面状圧電素子であって、平面状圧電素子は
無端形状の弾性体の平面部の中心位置にその中心を一致
させて配設し、曲面状圧電素子は無端形状の弾性体の曲
面部の両端位置に配設するものであり、弾性体の平面部
若しくは円弧曲面部を挟む位置に配設される曲面状圧電
素子の分極極性は逆極性とし、平面状圧電素子は同極性
とする構成とすることができる。
【0006】本発明の圧電式リニアアクチュエータで使
用する進行波は、弾性体の側面に形成される位相差を持
つ2つの定在波の合成により形成されるものであり、そ
の定在波は2種類の振動モードの共振あるいは、共振以
外の周波数で形成することができる。また、この進行波
を合成により形成する定在波は、平面状圧電素子と曲面
状圧電素子に印加する電圧に電圧位相差を持たせて駆動
することにより形成することができ、定在波の位相差は
±π/2である。また、この位相差±π/2の定在波
は、電圧位相差を(±π/2±nπ)(nは整数)とす
ることにより形成することができる。本発明の圧電式リ
ニアアクチュエータにおいて、移動体の移動方向の変更
は定在波の位相差の極性を異ならせて進行波の進行方向
を変更することにより行うことができ、さらにこの定在
波の位相差は圧電振動体を駆動する電圧の位相差の極性
を異ならせて変更することができる。
【0007】さらに、本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータにおいて、圧電振動体を駆動する電圧位相差を(±
π/2±nπ)以外とすることにより、弾性体外側面の
振動状態を変化させて低摩擦駆動状態を形成することが
できる。また、弾性体の平面部は被駆動体の側面に対し
て与圧を持って当接させるものであり、その当接は被駆
動体の対向する両側面の各側面と2つの弾性体の各平面
部とにより行うことができ、これによって被駆動体は2
つの弾性体により挾持される。また、この当接は被駆動
体の対向する両側面の一方の側面と弾性体の平面部、及
び他方の側面と支持部とにより行うことができ、これに
よって、被駆動体は弾性体と支持部により挾持される。
本発明の圧電式リニアアクチュエータにおいて、弾性体
の一方の側面において、対向する他方の側面方向に、か
つ、圧電素子の平面部と接触する部分では圧電素子の平
面部の長手方向と直角方向にスリットを配置することが
できる。
【0008】
【作用】本発明の圧電式リニアアクチュエータは、前記
した構成とすることにより本発明の目的を達成するもの
であり、該構成は次に示す条件を満足することにより、
リニアアクチュエータに直線移動に有効な平面部を持た
せ、該平面部を有する弾性体に複雑な機構を用いること
なく進行波を形成することができるものである。
【0009】以下、該条件について説明する。第1の条
件は、振動する弾性体が端点からの反射のない構造であ
ることである。リニアアクチュエータにおける被駆動体
の移動は、弾性体上の進行波により行っており、有限な
弾性体上において進行波を形成しようとすると、端点に
おいて反射波と進行波が干渉して有効な進行波を生み出
すことができず、この反射波を除くためには複雑な機構
を必要とする。そこで、振動する弾性体を反射波の発生
しない構造とするために、弾性体を環状構造とする。ま
た、被駆動体に直線運動を生じさせるためには、弾性体
に直線状の平面部分が必要である。そこで、本発明の圧
電式リニアアクチュエータにおいては、前記環状構造と
直線状の平面部分の両方の条件を満足する構成として、
少なくとも一部が被駆動体と接触する平面部とその平面
部と隣接する円弧曲面部とを有する無端形状体によって
弾性体を構成する。また、該弾性体は圧電振動体により
振動が励起されるものであり、例えば、アルミニューム
等の金属材や合成樹脂などの非金属材を用いることがで
きる。
【0010】第2の条件は、弾性体に形成される2種類
の定在波の周波数が一致することである。一般に、進行
波uは、次式 u=A・cos(ωt−nθ) …(1) =A・cosnθ・cosωt +Acos(nθ−π/2)・cos(ωt−π/2) …(2) により表され、式(1)の進行波uは上記式(2)の第
1項及び第2項の定在波の重ね合わせることにより得ら
れる。したがって、弾性体上において被駆動体を駆動す
る進行波は、2種類の定在波の合成により形成すること
ができ、その定在波の周波数ωは式(2)に示すように
一致している必要がある。
【0011】そこで、本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータを構成する弾性体は、2種類の定在波が同一の周波
数で発生する振動モードが必要である。圧電式リニアア
クチュエータに取り付けた圧電振動体に2相の位相の異
なる駆動信号(主として正弦波)を印加すると、圧電横
効果により無端形状の圧電振動体に特有な2種類の定在
波が弾性体の側面に生じる。この2種類の振動モード
は、弾性体に設ける振動源の配置位置を調節することに
より形成することができ、また、その定在波の共振周波
数は弾性体の外形寸法により調節することができる。こ
の2種類の定在波の共振周波数を一致させることによ
り、その振動の振幅を最大とすることができるが、本発
明の圧電式リニアアクチュエータにおいては、この共振
周波数に限らず、共振周波数以外の周波数により2種類
の定在波を同時弾性体に形成することができる。なお、
この弾性体の振動の周波数と外形寸法との関係は、有限
要素法による演算によって弾性体の振動を解析して求め
たり、あるいは実験値により求めることができる。
【0012】第3の条件は、弾性体の2種類の定在波の
位置の位相差がπ/2であり、また、第4の条件は、弾
性体の2種類の定在波の時間の位相差がπ/2であるこ
とである。この第3の条件は、2種類の定在波のうち
で、一方の定在波の節が他方の定在波の腹に対応してい
ることを表し、上記式(2)の第1項目のcosnθと
第2項目のcos(nθ−π/2)との関係はこの条件
を示している。また、第4の条件は、2種類の定在波の
うちで、一方の定在波が最大振幅のとき他方の定在波は
最小の振幅であることを表し、上記式(2)の第1項目
のcosωtと第2項目のcos(ωt−π/2)との
関係はこの条件を示している。
【0013】この関係を図4の定在波及び進行波の関係
図を用いて説明する。図4の(a)から(c)は、弾性
体の同一個所における振動の振幅を示しており、図4の
(a)は、一方の定在波Aの各時刻T1〜T5における
波形を示し、図4の(b)は、他方の定在波Bの各時刻
T1〜T5における波形を示し、図4の(c)は、定在
波Aと定在波Bの重ね合わせによる合成波を示してい
る。図4の(a)と(b)を比較すると、例えば、弾性
体の中央部においては、定在波Aでは振動の腹に対応
し、定在波Bでは振動の節に対応していて、2種類の定
在波の位置の位相差がπ/2であることを示している。
また、同一の時刻における振動を比較すると、定在波A
が最大振幅のとき定在波Bは最小の振幅であって、弾性
体の2種類の定在波の時間の位相差がπ/2であること
を示している。
【0014】そして、前記第2の条件乃至第4の条件を
満たしている定在波Aと定在波Bの合成波は、図4の
(c)に示すように時刻変化とともに移動する進行波で
あることを示している。
【0015】次に、本発明の圧電式リニアアクチュエー
タを構成する手順について説明する。 (1)第1に弾性体の寸法を調節して定在波の共振周波
数を調節する。本発明のリニアアクチュエータに用いる
弾性体の平面部とその平面部と隣接する円弧曲面部とに
より構成される外側面と内側面を有した無端形状体の形
状においては、共振周波数を決定する主な要素は平面部
の長手方向の長さであり、この平面部の長手方向の長さ
を他の部分の寸法に対して調節することによって、弾性
体の定在波の共振周波数を調節することができる。そし
て、この共振周波数は、同一の弾性体であっても振動モ
ードに応じて異なる周波数となる。前記したように弾性
体に形成される2種類の定在波の周波数の一致という第
2の条件から、定在波の周波数を弾性体の共振周波数と
する場合には、2種類の振動モードの共振周波数を一致
させる必要がある。また、各振動モードは、弾性体に振
動を生じさせる振動源の位置により異なる。図2は、弾
性体の共振周波数の平面部の長手方向の長さに対する変
化を示す図であり、図中の(a)から(d)にかけて平
面部の長手方向の長さが順に短くなる場合の各振動モー
ド(以下、振動モードA、及び振動モードBという)の
共振周波数を示している。
【0016】図において、振動モードAでは平面部の長
手方向の長さに応じて順に共振周波数はfAaからfAb
Acを経てfとなり、振動モードBでは平面部の長手方
向の長さに応じて順に共振周波数はfBaからfBb,fBc
を経てfとなる。なお、この共振周波数の変化特性(周
波数の増減とその程度)は、振動モードにより異なる
(図では、振動モードAは振動モードBと比較して共振
周波数の変化の程度が大きい場合を示している)。した
がって、上記の共振周波数の平面部の長手方向の長さに
対する変化特性を基にして、2種類の振動モードの共振
周波数が一致するように弾性体の平面部の長手方向の長
さを他の部分の寸法に対して調節することができる。こ
の弾性体の平面部の長手方向の長さを他の部分の寸法に
対する調節は、有限要素法解析により行うことができ
る。なお、有限要素法解析に代えて実験値により求める
こともできる。
【0017】(2)第2に、前記(1)で平面部の長手
方向の長さを調節した弾性体において、各振動モードを
生じさせる位置に圧電振動体を取り付けることにより、
振動源を構成する。例えば、弾性体の内側面あるいは外
側面のいずれかの側面の平面部の中心に圧電振動体を取
り付けることにより第1の振動モードを形成する振動源
とし、弾性体の内側面あるいは外側面のいずれかの側面
の円弧曲面部の隅に圧電振動体を取り付けることにより
第2の振動モードを形成する振動源とすることができ
る。
【0018】このとき、取り付ける圧電振動体は、取り
付ける位置に応じて平面型圧電振動体ないし曲面状圧電
振動体を用いることができる。また、取り付ける圧電振
動体の分極方向は、取付け位置に応じて調節することに
より振動モードに対応させる。
【0019】(3)第3に、圧電振動体の配線により振
動源の駆動回路を構成する。前記第4の条件で示したよ
うに、2種類の振動モードを生じさせる圧電振動体の振
動には時間的にπ/2の位相差があるため、前記手順
(2)で配置した圧電振動体は振動モードごとにπ/2
の位相差の電圧を印加する必要がある。そこで、同一の
振動モードを生じさせる圧電振動体は同一位相の電圧源
に接続し、異なる振動モードの電圧源の位相差をπ/2
とする。また、一般に、圧電振動体は通常2本のリード
線の接続により電圧印加の供給を受けて駆動しており、
そのうち一方のリード線はアースに接地されている。そ
こで、同一の振動モードの圧電振動体からの一方のリー
ド線は電圧源接続し、他方のリード線はアースに接地す
るという配線を行うことにより、駆動回路を構成する。
【0020】(4)第4に、被駆動体と接触する弾性体
の平面部において、被駆動体を与圧により押しつける構
成とする。圧電式アクチュエータにおいては、進行波が
生じている面に対して被駆動体を与圧を持って押しつけ
ることにより被駆動体に駆動力を付与するため、本発明
のリニアアクチュエータの駆動面となる弾性体の平面部
において、被駆動体に与圧を与えた状態で平面部側に押
しつける構成が必要となる。上記(1)〜(4)の手順
により、本発明の圧電式リニアアクチュエータを構成す
ることができ、π/2の位相差を持つ電源によりそれぞ
れの圧電振動体を駆動すると、弾性体の側面に2種類の
振動モードの定在波が発生し、この2種類の定在波の合
成によって進行波が形成される。そして、進行波が発生
している平面部上に被駆動体を与圧を持って押しつける
ことにより、被駆動体は直線方向の駆動が与えられて移
動を行う。そして、この圧電振動体を駆動する電源の位
相差の極性を変えることより、被駆動体の移動方向を変
更して正方向逆方向の移動を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。 〔本発明の実施例1の構成〕はじめに、本発明の圧電式
リニアアクチュエータの第1の実施例の構成について説
明する。図1は、本発明の圧電式リニアアクチュエータ
の斜視図である。図1において、被駆動体1は圧電式リ
ニアアクチュエータ2によって矢印に示す直線方向の移
動を行う。圧電式リニアアクチュエータ2は、被駆動体
1と直接接触して被駆動体1を駆動する弾性体3と、該
弾性体3に進行波を形成するための定在波を発生する平
面状圧電振動体4及び曲面状圧電振動体5と、該圧電振
動体4,5を駆動するための電源6,7とから構成さ
れ、支持部9によって被駆動体1に与圧を付加した状態
で台座8に取り付けられている。弾性体3は、少なくと
も一部が被駆動体1と接触する平面部10と該平面部0
と隣接する円弧曲面部11とにより無端形状体を形成し
ており、これによって端点からの反射のない環状構造と
するとともに、被駆動体1を直線運動させるための直線
状の平面部10とを持つ形状を構成することができる。
【0022】図1においては、2つの平面部10を対向
して配置し、さらに、この2つの平面部10を対向配置
した2つの円弧曲面部11により接合した形状として、
概ねトラック状の形状を構成している。弾性体3を構成
する素材としては、弾性運動を行う部材を用いることが
でき、例えば、アルミニューム等の金属材料や合成樹脂
などの非金属材料を用いることができる。この弾性体の
素材の選択は、弾性体の外形寸法とともに所望とする共
振周波数の値によって行うことができる。圧電振動体
4,5は弾性体3に取り付けられて弾性体3に2種類の
定在波を形成する部材であり、弾性体3の内側面12あ
るいは外側面13の何れかの側面に取り付けることがで
きる。平面状圧電振動体4は、弾性体3の平面部10の
側面に取り付けられる圧電振動体であり、図1では対向
する2つの平面部10の内側面12に接着される。この
平面状圧電振動体4は電源6から印加される位相で駆動
され、弾性体3に第1の振動モードの定在波を生じさせ
る。また、曲面状圧電振動体5は、弾性体3の円弧曲面
部11の側面に取り付けられる圧電振動体であり、図1
では対向する2つの円弧曲面部11のそれぞれの両端部
において内側面12側に接着されている。この曲面状圧
電振動体5は、前記電源6と時間的位相差がπ/2の電
源7から印加される位相で駆動され、弾性体3に第2の
振動モードの定在波を生じさせる。圧電振動体として
は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を用い
ることができる。また、この実施例においては、電気軸
に対して直角方向の伸縮を示す圧電横効果を用いた例を
示している。
【0023】平面状圧電振動体4及び曲面状圧電振動体
5によって生じたそれぞれの振動モードの定在波は、弾
性体3上において合成されて進行波を形成する。この進
行波は、弾性体3の平面部10上においても形成されて
おり、この部分に被駆動体1を支持部9によって与圧を
付加しながら押し当てると、被駆動体1は直線方向の移
動を行うことになる。支持部9は、例えば、弾性板によ
って外側面の平面部の長手方向に剛性を持ち、被駆動体
への与圧方向である垂直方向に柔軟性を有するように台
座8に固定することにより構成することができる。ま
た、図3では、被駆動体1を両側から弾性体3により挾
持し、それぞれの支持部9によって与圧を与えている
が、弾性体3及び支持部9を片側のみとし、他方に弾性
体3に代えて直線方向の移動を案内するリニアガイドを
設ける構成とすることもできる。なお、前記実施例にお
いては、平面状圧電振動体4及び曲面状圧電振動体5を
弾性体3の側面のうち内側面12側に設置して、平面部
10の外側面13側において被駆動体1を駆動している
が、逆に、平面状圧電振動体4及び曲面状圧電振動体5
を弾性体3の外側面13側に設置して、平面部10の内
側面12側において被駆動体1を駆動する構成も可能で
ある。
【0024】次に、前記実施例の圧電式リニアアクチュ
エータの構成を形成するための手順の一例について説明
する。 (1)第1に弾性体の寸法を調節して定在波の共振周波
数を調節する。図3は、本発明の圧電式リニアアクチュ
エータの振動モードを説明する図である。図1に示す弾
性体の実施例において、図3の(a)に示すように、弾
性体の平面部の内側面に平面状圧電振動体Bを取付け、
曲面部の内側面に曲面状圧電振動体A,A’を取付けて
圧電横効果による振動を生じさせると、それぞれの圧電
振動体によって異なる振動モードの定在波が生じる。な
お、曲面状圧電振動体AとA’は圧電素子の極性を逆極
性としたものである。図3の(b)及び(c)は平面状
圧電振動体Bにより生じる定在波を表しており、平面状
圧電振動体Bが取り付けられた平面部10の部分におい
て湾曲運動を行う振動であり、また、図3の(d)及び
(e)は曲面状圧電振動体AとA’により生じる定在波
を表しており、曲面状圧電振動体AとA’が取り付けら
れた曲面部において湾曲運動を行う振動である。
【0025】上記振動モードの共振周波数を、主に平面
部10の長手方向の長さを他の部分の寸法に対して調節
することによって調節することができる。この共振周波
数は、同一の弾性体であっても振動モードにより周波数
が異なる。弾性体に進行波を形成するためには、弾性体
に形成される2種類の定在波の周波数の一致する必要が
あり、定在波の周波数を弾性体の共振周波数とする場合
には、2種類の振動モードの共振周波数を一致させる必
要がある。弾性体の共振周波数の平面部の長手方向の長
さに対する変化特性は、振動モードにより異なり、平面
部の長手方向の長さを調節することにより共振周波数を
一致することができる。そこで、同一の共振周波数とす
るような平面部の長手方向の長さを有限要素法等の手法
により求め、この求めた平面部の長手方向の長さを持つ
弾性体を形成する。
【0026】(2)第2に、前記弾性体において各振動
モードを生じさせる位置に圧電振動体を取り付ける。図
3は、圧電振動体の取付けの一実施例を示しており、弾
性体の内側面の平面部中央に平面状圧電振動体Bを取付
け、曲面部の両端部の内側面に曲面状圧電振動体A,
A’(曲面状圧電振動体AとA’は圧電素子の極性が逆
極性である)を取付けた例である。したがって、極性の
等しい曲面状圧電振動体Aは平面状圧電振動体Bを間に
挟み、弾性体の対角線上に配置され、極性の異なる曲面
状圧電振動体Aと曲面状圧電振動体A’は曲面部を挟ん
で配置される。なお、この実施例では、圧電振動体を弾
性体の内側面に配置しているが、弾性体の外側面に配置
することも可能である。
【0027】(3)第3に、圧電振動体の配線を行う。
この配線により振動源の駆動回路が構成される。図3に
おいて、2つの平面状圧電振動体Bは同一の電源に接続
し、2つの曲面状圧電振動体A及び2つの曲面状圧電振
動体A’の合計4つの圧電振動体は前記電源と時間的位
相差がπ/2である別の電源に接続し、これによって平
面状圧電振動体Bと曲面状圧電振動体A,A’を時間的
位相差がπ/2で駆動する。圧電振動体の弾性体方向で
ない側の電極に接続したリード線を、平面状圧電振動体
からの2本を一つにまとめて一方の電源に接続し、曲面
状圧電振動体からの4本を一つにまとめるて他方の電源
に接続する。図8は本発明の圧電振動体の配線を説明す
る図であり、圧電振動体の接地は、弾性体が金属製の場
合には図8の(a)に示すように直接弾性体からとった
り、あるいは図8の(c)に示すようにそれぞれの圧電
振動体からのアース線をまとめて接地することができ、
また、弾性体が非金属製の場合には図8の(b)に示す
ように弾性体の側面に沿って導体を配置し、該導体を介
して接地を行うこともできる。 (4)第4に、支持部9により弾性体の平面部を被駆動
体に対して与圧により押しつける。
【0028】〔本発明の実施例1の作用〕上記(1)〜
(4)の手順により、本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータを構成し、π/2の位相差を持つ電源によりそれぞ
れの圧電振動体を駆動すると、弾性体の側面に2種類の
振動モードの定在波が発生し、この2種類の定在波の合
成によって進行波が形成される。そして、進行波が発生
している平面部上に被駆動体を与圧を持って押しつける
ことにより、被駆動体を直線方向に駆動することができ
る。そして、前記構成の圧電式リニアアクチュエータに
おいて、進行波は既に図4を用いて説明したように定在
波Aと定在波Bの合成により形成され、各定在波は、本
発明の圧電式リニアアクチュエータにおける圧電振動体
A,Bによって生じさせることができる。
【0029】(圧電式リニアアクチュエータの移動方
向)また、圧電式リニアアクチュエータの移動方向につ
いては、圧電振動体を駆動する2つの電源の位相差の極
性を異ならせることによって、被駆動体の移動方向を変
更することができる。本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータにおける進行波は、図4を用いて説明したように、
2種類の定在波の合成によって形成され、この進行波の
進行方向は、進行波uを表す式(1),(2)におい
て、 u=A・cos(ωt−nθ) …(1) =A・cosnθ・cosωt +Acos(nθ−π/2)・cos(ωt−π/2) …(2) 式(2)中の第2項目のcos(ωt−π/2)におけ
るπ/2の位相差の極性を変えることにより変更するこ
とができる。
【0030】例えば、図5に示す定在波の位相関係図に
おいて、図5の(b)に示すように、前記第2項目がc
os(ωt−π/2)のときには上記式(1)に示すよ
うに正方向に移動し(この方向を正方向とする)。逆に
図5の(c)及び次式(4)に示すように、前記第2項
目がcos(ωt+π/2)のときには次式(3)に示
すように逆方向に移動する。 u=A・cos(ωt+nθ) …(3) u=A・cosnθ・cosωt +Acos(nθ−π/2)・cos(ωt+π/2) …(4) したがって、圧電振動体を駆動する2つの電源の位相差
の極性を異ならせることによって、被駆動体の移動方向
を変更することができる。また、圧電式リニアアクチュ
エータの移動方向による実施態様として、圧電振動体を
駆動する2つの電源の位相差の極性の変更を周期的に行
うことにより、圧電式リニアアクチュエータの移動方向
を周期的に変更して、被駆動体の移動方向を周期的に変
更し直線方向の振動運動を起こすこともできる。
【0031】(圧電式リニアアクチュエータの振動周波
数)本発明の圧電式リニアアクチュエータの振動周波数
は、前記したように2種類の振動モードで同一の周波数
であることが必要であり、前記圧電式リニアアクチュエ
ータを構成する手順の説明の中では、弾性体の2種類の
振動モードの共振周波数を用いる例を示しているが、本
発明の圧電式リニアアクチュエータの振動周波数は、こ
の弾性体の2種類の振動モードの共振周波数以外の周波
数とすることができる。図6は本発明の圧電式リニアア
クチュエータの振動周波数を説明する図であり、図6中
の実線は2種類の振動モードの一方の振動周波数とその
周波数における振幅の程度を表している。なお、図では
2種類の振動モードの最大振幅は同じ振幅となる場合を
例として説明している。図6の(a)は弾性体の2種類
の振動モードの共振周波数(fA ,fB )を圧電式リニ
アアクチュエータの振動周波数(f0 とする)とする場
合を示しており、この場合には各振動モードはそれぞれ
最大振幅により振動することになる。
【0032】これに対して、図6の(b)は弾性体の2
種類の振動モードの共振周波数fA,fB が異なる場合
を示している。この場合には、それぞれの振動モードの
振動特性曲線は一部において重なり、共振周波数fA
B と異なるf0 において共通する振動周波数が存在す
ることを示している。本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータは、共振周波数以外の周波数であってこの2種類の
振動モードの共通する振動周波数により定在波を形成す
ることができる。この場合には各振動モードはそれぞれ
最大振幅より小さな振幅の振動となるが、通常、弾性体
において2種類の振動モードの共振周波数を一致させる
ことは難しいため、共振周波数以外の周波数によって2
種類の振動モードの定在波を形成できることは有用とな
る。また、図6の(c)は弾性体の2種類の振動モード
の共振周波数fA ,fB が前記図6の(b)よりさらに
異なる場合を示している。この場合においても、それぞ
れの振動モードの振動特性曲線は一部において重なり、
共振周波数fA ,fB と異なるf0 において共通する振
動周波数が存在するが、そのときの振動周波数による振
幅は最大振幅と比較してさらに小さくなる。したがっ
て、共振周波数が異なる2種類の振動モードを有する弾
性体において、所望の振幅が確保できる共通周波数が求
め、その共通周波数によって定在波を発生して進行波を
形成することができる。
【0033】〔本発明の実施例2の構成と作用〕次に、
本発明の圧電式リニアアクチュエータの第2の実施例の
構成及び作用について説明する。図7は本発明の圧電式
リニアアクチュエータの第2の実施例を説明する図であ
る。第2の実施例は、圧電式リニアアクチュエータの弾
性体は前記実施例1と同様であり、圧電振動体の配置に
おいて相違している。そこで、以下では、圧電振動体の
配置についてのみ説明し、その他の構成については説明
を省略する。図7の(a)において、前記実施例1と同
様の弾性体3の内側面の平面部中央に平面状圧電振動体
B,B’(平面状圧電振動体BとB’は圧電素子の極性
が逆極性である)を取付け、曲面部の両端部の内側面に
曲面状圧電振動体A,A’(曲面状圧電振動体AとA’
は圧電素子の極性が逆極性である)を取付けた例であ
る。
【0034】この実施例では、弾性体の曲面部の両端の
位置に極性の等しい曲面状圧電振動体A、及び曲面状圧
電振動体Aが取り付けられて、異なる極性の曲面状圧電
振動体が弾性体の対角線上に配置され、平面状圧電振動
体BとB’は対向する平面部に配置される。この圧電振
動体の配置により生じる振動モードは、平面状圧電振動
体BとB’が振動する場合には、平面状圧電振動体の極
性が異なるため振動体の一方は伸び他方は収縮して図7
の(b)に示すようになる。また、曲面状圧電振動体
A,A’が振動する場合には、極性の同じ曲面状圧電振
動体が一方の曲面部側にあるため、両端の曲面部の変形
は対称に行われて、図7の(c)に示すようになる。
【0035】そして、この実施例2の圧電振動体の配置
によって生じる2種類の定在波により、前記実施例1と
同様に進行波が形成され被駆動体の移動を行うことがで
きる。
【0036】〔本発明の圧電式リニアアクチュエータの
その他の作用〕また、本発明の圧電式リニアアクチュエ
ータのその他の作用として、低摩擦駆動状態を形成する
ことができる。本発明の圧電式リニアアクチュエータに
おいて、圧電振動体を駆動する2つの電源の位相差を
(±π/2±nπ)以外とすることにより、弾性体の側
面の振動状態を変化させ、弾性体と被駆動体との摩擦を
低下させた低摩擦駆動状態を形成することができる。こ
れは、弾性体に進行波を生じさせるための時間的位相差
が±π/2の条件を満足しない場合には、前記式(2)
等に示すように進行波を形成せず、2種類の振動モード
の振幅の位相関係が変化する。この振幅の位相変化に対
して、弾性体と接している被駆動体は慣性によって追従
することができず、被駆動体は本来の移動方向に対して
運動せずに、弾性体に対して低摩擦でその位置に止まる
状態となる。
【0037】したがって、この2つの電源の位相差を
(±π/2±nπ)以外として圧電振動体を駆動する低
摩擦駆動状態と、電源に電圧を印加しないことによる停
止状態とを用いることによって、被駆動体の微細な位置
決めを可能とすることができる。また、弾性体の一方の
側面において、対向する他方の側面方向に、かつ、圧電
素子の平面部と接触する部分では圧電素子の平面部の長
手方向と直角方向にスリットを配置することによって、
共振周波数を下げ、弾性体の表面の振動振幅を拡大する
ことができる。この共振周波数の低下は圧電振動体を駆
動する制御回路の構成を容易とし、また、弾性体の表面
の振動振幅を拡大は低電圧駆動を可能とするという効果
がある。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、被駆動体を駆動する弾性体に、リニアアクチュエー
タ駆動のために望ましい平面部を持たせた圧電式リニア
アクチュエータを提供することができる。本発明によれ
ば、複雑な機構を用いることなく、平面部を有した弾性
体に進行波を形成する圧電式リニアアクチュエータを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電式リニアアクチュエータの斜視図
である。
【図2】弾性体の共振周波数の平面部の長手方向の長さ
に対する変化を示す図である。
【図3】本発明の圧電式リニアアクチュエータの振動モ
ードを説明する図である。
【図4】定在波及び進行波の関係図である。
【図5】定在波の位相関係図である。
【図6】本発明の圧電式リニアアクチュエータの振動周
波数を説明する図である。
【図7】本発明の圧電式リニアアクチュエータの第2の
実施例を説明する図である。
【図8】本発明の圧電振動体の配線を説明する図であ
る。
【図9】円環状の圧電式アクチュエータの構成を説明す
る図である。
【図10】直線型の圧電式アクチュエータの構成を説明
する図である。
【符号の説明】
1 被駆動体 2 圧電式リニアアクチュエータ 3 弾性体 4 平面状圧電振動体 5 曲面状圧電振動体 6,7 電源 8 台座 9 支持部 10 平面部 11 円弧曲面部 12 内側面 13 外側面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動体により振動される弾性体によ
    って被駆動体を直線方向に移動する圧電式リニアアクチ
    ュエータにおいて、前記弾性体は、少なくとも一部が被
    駆動体と接触する平面部と該平面部と隣接する円弧曲面
    部とにより外側面と内側面を有する無端形状体を形成す
    るものであって、該弾性体の共振周波数は弾性体の少な
    くとも一部分の寸法により調節可能であり、前記弾性体
    の外側面と内側面の少なくとも何れか一方の側面には、
    2種類の振動モードによる定在波を生成し、その定在波
    の合成により被駆動体を移動する進行波を形成する圧電
    振動体を取付けることを特徴とする圧電式リニアアクチ
    ュエータ。
  2. 【請求項2】 前記弾性体の共振周波数は平面部の長手
    方向の長さにより調節可能とする請求項1記載の圧電式
    リニアアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動体は、平面状圧電素子と曲
    面状圧電素子であって、平面状圧電素子は無端形状の弾
    性体の平面部の中心位置にその中心を一致させて配設
    し、曲面状圧電素子は無端形状の弾性体の曲面部の両端
    位置に配設するものである請求項1記載の圧電式リニア
    アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記弾性体の平面部若しくは円弧曲面部
    を挟む位置に配設される曲面状圧電素子の分極極性は逆
    極性であり、平面状圧電素子は同極性である請求項3記
    載の圧電式リニアアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記進行波は、弾性体の側面に形成され
    る位相差を持つ2つの定在波の合成により形成されるも
    のであり、該定在波は前記2種類の振動モードの共振に
    より形成される請求項1記載の圧電式リニアアクチュエ
    ータ。
  6. 【請求項6】 前記定在波は、平面状圧電素子と曲面状
    圧電素子に印加する電圧に電圧位相差を持たせて駆動す
    ることにより形成する請求項5記載の圧電式リニアアク
    チュエータ。
  7. 【請求項7】 前記定在波の位相差は±π/2である請
    求項5,又は6記載の圧電式リニアアクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記電圧位相差を(±π/2±nπ)
    (nは整数)とすることにより位相差が±π/2の定在
    波を形成する請求項6記載の圧電式リニアアクチュエー
    タ。
  9. 【請求項9】 前記位相差の極性を異ならせることによ
    り進行波の進行方向を変更して移動体の移動方向を変更
    する請求項5記載の圧電式リニアアクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記電圧位相差の極性を異ならせるこ
    とにより進行波の進行方向を変更して移動体の移動方向
    を変更する請求項6記載の圧電式リニアアクチュエー
    タ。
  11. 【請求項11】 前記電圧位相差を(±π/2±nπ)
    (nは整数)以外とすることにより、弾性体外側面の振
    動状態を変化させて低摩擦駆動状態を形成する請求項6
    記載の圧電式リニアアクチュエータ。
  12. 【請求項12】 前記弾性体の平面部は被駆動体の側面
    に対して与圧を持って当接する請求項1記載の圧電式リ
    ニアアクチュエータ。
  13. 【請求項13】 前記当接は被駆動体の対向する両側面
    の各側面と2つの弾性体の各平面部とにより行われ、被
    駆動体は2つの弾性体により挾持される請求項12記載
    の圧電式リニアアクチュエータ。
  14. 【請求項14】 前記当接は被駆動体の対向する両側面
    の一方の側面と弾性体の平面部、及び他方の側面と支持
    部とにより行われ、被駆動体は弾性体と支持部により挾
    持される請求項12記載の圧電式リニアアクチュエー
    タ。
  15. 【請求項15】 前記弾性体の一方の側面において、対
    向する他方の側面方向に、かつ、圧電素子の平面部と接
    触する部分では圧電素子の平面部の長手方向と直角方向
    にスリットを配置する請求項1記載の圧電式リニアアク
    チュエータ。
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