JPH06121557A - 超音波モータ及び超音波モータの駆動方法 - Google Patents

超音波モータ及び超音波モータの駆動方法

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JPH06121557A
JPH06121557A JP4267108A JP26710892A JPH06121557A JP H06121557 A JPH06121557 A JP H06121557A JP 4267108 A JP4267108 A JP 4267108A JP 26710892 A JP26710892 A JP 26710892A JP H06121557 A JPH06121557 A JP H06121557A
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JP
Japan
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phase
rotor
piezoelectric element
vibrator
ultrasonic motor
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JP4267108A
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English (en)
Inventor
Kazuma Suzuki
数馬 鈴木
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HAMITSUTO KK
Original Assignee
HAMITSUTO KK
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は超音波モータに関し、超音波モータ
の回転トルクを、効率良く取り出せるようにすることを
目的とする。 【構成】 振動子12と、振動子12により駆動される
ロータ13とを具備した超音波モータにおいて、振動子
12を、弾性体で構成した円筒体14と、円筒体14の
内周面に突設した複数個の駆動子15a〜15dと、円
筒体14の外周面に、偶数個づつに分割して配設された
2群(A相、B相)の圧電素子16a〜16d、17a
〜17dとで構成し、ロータを、振動子12の内部に配
置して、駆動子15a〜15dと接するようにした。ま
た、2群の圧電素子に、それぞれ交番電圧を印加して励
振することにより、ロータ13を所定方向で回転させ、
いずれか一方の群(例えば、B相)に属する圧電素子の
印加電圧位相を変化させることにより、ロータを逆方向
に回転させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用して回転
駆動する超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来例の説明図であり、図6A
は超音波モータの概略構成図、図6Bは図6Aの圧電素
子の構造を示した図である。
【0003】図6中、1振動子、2はロータ、3は圧電
素子、3AはA相の圧電素子、3BはB相の圧電素子を
示す。従来、各種の超音波モータが開発されていたが、
その内の1例を図6に示す(例えば、日経BP社発行,
1992年6月1日号,「日経メカニカル」,66〜6
7頁参照)。
【0004】この超音波モータは、図6Aに示したよう
に、圧電素子3を有する振動子1と、該振動子1の先端
部に押し当てたロータ2等で構成されている。上記圧電
素子3は、円盤状の複数の圧電素子からなり、図6Bに
示したように、A相の圧電素子3Aと、B相の圧電素子
3Bからなる2相の圧電素子で構成されている。
【0005】これら、A相の圧電素子3Aと、B相の圧
電素子3Bは、それぞれ、中央で2分割し、プラス
(+)と、マイナス(−)に逆分極させている。そし
て、それぞれ2分割し、逆分極した2種類の圧電素子3
A、3Bを直交させて、ボルト締めランジュバン振動子
とし、励振により、2相の複合屈曲振動をさせる。
【0006】この場合、A相の圧電素子3A、及びB相
の圧電素子3Bの2相への入力を制御して、振動子1
(ボルト締めランジュバン振動子)の端部に発生する首
振り回転モードを、ロータ2に摩擦伝達して、回転力を
取り出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のも
のにおいては、次のような課題があった。すなわち、従
来の超音波モータは、複合屈曲振動を行う振動子1の先
端部に、ロータ2を押し当てて回転力を得る構造となっ
ている。このため、ロータ2の押し当てを強める程、振
動子の振幅を減衰する事になるため、回転トルクを効率
良く取り出す事が困難であった。
【0008】本発明は、このような従来の課題を解決
し、超音波モータの回転トルクを、効率良く取り出せる
ようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、次のように構成した。 (1)、交番電圧により励振される振動子と、該振動子
により駆動されるロータとを具備した超音波モータにお
いて、上記振動子を、弾性体で構成した円筒体と、該円
筒体の内周面に突設した複数個の駆動子と、該円筒体の
外周面に、偶数個づつに分割して配設された2群(A
相、B相)の圧電素子とで構成し、上記ロータを、振動
子の内部に配置して、上記複数個の駆動子と接するよう
にした。
【0010】(2)、構成(1)の超音波モータの駆動
方法において、上記2群(A相、B相)の圧電素子に、
それぞれ交番電圧を印加して励振することにより、上記
ロータを、所定方向で回転させ、上記圧電素子の内、い
ずれか一方の群(例えば、B相)に属する圧電素子の印
加電圧の位相を変化させることにより、上記ロータの回
転方向を切り換えて、逆方向に回転させるようにした。
【0011】
【作用】上記構成に基づく本発明の作用を説明する。 :超音波モータの駆動時には、上記圧電素子を、A
相、B相に分けて励振する。今、A相、B相の圧電素子
に励振電圧を印加すると、圧電効果により圧電素子が振
動し、それに合わせて、円筒体が伸縮動作を行う。
【0012】このA相とB相の動作時の伸縮方向は、各
圧電素子の配列と極性に従った方向になっている。ま
た、この伸縮変形は、入力される交番電圧の次の半サイ
クルでは、伸びる方向と縮む方向が逆になり、所定の伸
縮モードで共振振動を行うことになる。
【0013】:振動子に設けた駆動子と、ロータの外
周面とが圧接した状態で、圧電素子を励振し、上記のよ
うに、円筒体を伸縮動作させたとする。この時、円筒体
が外側へ伸びる位置の駆動子は、ロータから離反して行
き、円筒体が内側に縮む位置の駆動子は、ロータに、更
に圧接されることになる。また、励振電圧が逆になれ
ば、この駆動子の離反と圧接の状態は反対になる。
【0014】このような動作により、ロータに回転トル
クが発生し、該ロータは、所定の方向で回転する。 :ロータを逆回転させるには、例えば、B相への入力
電圧の位相を、略π/2(180°)だけ遅らせて印加
すればよい。
【0015】:上記のようにすれば、ロータを内接し
た円筒体全体を、振動子として励振する事が出来るの
で、大きな回転力を発生する事が出来ると共に、ロータ
と駆動子との接触面積を大きく出来るので、大きな回転
トルクを、効率良く取り出す事が可能となる。
【0016】:また、振動子に設けた駆動子を、振動
の節部、或いは腹部の位置に設けることにより、ロータ
の押し当てによる振動の振幅の減衰を少なくする事が出
来る。従って、回転トルクを効率良く取り出す事が出
来、大きな回転トルクが得られる。
【0017】:更に、円筒体の長さ方向の全域に、駆
動子を設置すれば、該駆動子とロータとの接触面積を大
きくする事が出来る。従って、回転トルクを効率良く取
り出す事が出来、大きな回転トルクが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例の説明)図1〜図4は、本発明の第1実施
例の説明図であり、図1〜図4中、10は超音波モー
タ、11はシャフト、12は振動子、13はロータ、1
4は円筒体、15a〜15dは駆動子、16a〜16
d、17a〜17dは圧電素子板、19は摺動板、20
はスポンジラバー、21は円環、22−1〜22−4は
圧電素子、23は高周波電源、24はA相発振器、25
はB相発振器、26は位相調整回路を示す。
【0019】:超音波モータの構成の説明・・・図
1、図2参照 図1Aは本実施例の超音波モータの外観図、図1Bは図
1AのX−Y線方向断面図、図2Aは振動子の断面図、
図2Bはロータの断面図、図2Cはロータの外観図(斜
視図)である。
【0020】−1:超音波モータ全体の説明・・・図
1A、図1B参照 図示のように、超音波モータ10の外観は円柱状であ
り、その長手方向の中央部には、シャフト11が設けて
ある。
【0021】この場合、超音波モータ10は、外側に設
けた円筒状の振動子12と、該振動子12の内側に設け
たロータ13とで構成され、上記シャフト11は、この
ロータ13に設けてある。
【0022】−2:振動子の構成の説明・・・図1
B、図2A参照 上記振動子12は、金属製の円筒体(弾性体)14と、
この円筒体14の外周面に接着した複数の圧電素子板1
6a〜16d、17a〜17d(この例では8個)と、
円筒体14の内周面に固着した複数の駆動子15a〜1
5d(この例では4個)で構成されている。
【0023】この駆動子15a〜15dは、円筒体14
を挟んで、上記圧電素子板と対向する位置に設けると共
に、該駆動子15a〜15dの先端部は、ロータ13の
外周面によって圧接される構造にする。
【0024】更に具体的に説明すると、次のようにな
る。 (イ):各圧電素子板16a〜16d、17a〜17d
は、円筒体14の外周面上の長手方向に沿って形成され
ている。その長さは、円筒体14の長さと略同じであ
る。
【0025】また、圧電素子板16a〜16d、17a
〜17dの内、16a、16b、16c、16dがA相
として使用され、17a、17b、17c、17dがB
相として使用される。
【0026】(ロ):上記駆動子15a〜15dは、回
転トルクを効率よく取り出すため、圧電振動子板の振動
による振動(円筒体の伸縮)の節部、或いは腹部となる
位置に設ける(なお、節部と腹部は、A相、B相の圧電
振動子板により、時間的に略同時に発生する)。
【0027】このため、図示のように、圧電素子板16
aの略中央部と向かい合った位置に、駆動子15aを配
置し、圧電素子板16bの略中央部と向かい合った位置
に、駆動子15bを配置し、圧電素子板16cの略中央
部と向かい合った位置に、駆動子15cを配置し、圧電
素子板16dの略中央部と向かい合った位置に、駆動子
15dを配置する。
【0028】(ハ):駆動子15a〜15dの形状は任
意であるが、この例では、断面形状が矩形であり、円筒
体14の長手方向に沿って、該円筒体14と同じ略長さ
のものを設ける。
【0029】−3:ロータの説明・・・図2B、図2
C参照 ロータ13は、その長手方向中央部に、シャフト11が
設けてあり、該シャフト11の外側(外周面側)には、
円筒状のスポンジラバー20を設ける。更に、スポンジ
ラバー20の外側(外周面側)には、3分割した摺動板
(例えば、ポリイミド樹脂)19を設ける。
【0030】このようにして、ロータ13には、スポン
ジラバー20と、摺動板19を設けるが、全体として、
円柱状に形成し、このロータ13を、上記振動子12の
内側に挿入(圧入)する。
【0031】そして、このロータ13を、振動子12の
内側に挿入した場合、スポンジラバー20の圧縮力が、
常に外周に向かって伸びようとするため、該摺動板19
の外周面が、振動子12に設けた駆動子15a〜15d
の先端部に圧接するようになる。
【0032】:超音波モータの動作説明・・・図3、
図4参照 図3Aは、基本動作説明用の振動子の構成図、図3B
は、円環の十字型伸縮モードの説明図、図3Cは、駆動
回路例、図4Aは、座標の説明図、図4Bは動作説明図
である。
【0033】−1:動作の基本的な説明・・・図3
A、図3B参照 先ず、上記超音波モータの基本的な動作を、図3A、図
3Bに基づいて説明する。なお、図3A、Bでは、説明
の都合上、上記円筒体14を、円環として説明する。
【0034】今、図3Aに示したように、金属製の円環
21の外周に、4個の圧電素子22−1、22−2、2
2−3、22−4を接着して振動子を構成したとする。
そして、上記圧電素子22−1〜22−4の分極方向を
図示のようにして、高周波電源23より、各圧電素子に
対し、並列に電圧(例えば、正弦波交流電圧)を印加す
る。
【0035】電圧が印加された圧電素子22−1〜22
−4は、振動状態となり、円環21も上記圧電素子と一
緒に振動する。そして、この振動により、円環21は図
3Bに示したような十字型伸縮モードで伸縮する。
【0036】例えば、ある時点では、円環21のP1、
P2方向の外表面では、圧電効果により、面方向に延び
るので、外側に突出し、P3、P4方向の外表面では、
面方向に縮むので、内側に入り込む。
【0037】そして、次の半サイクルでは、上記とは逆
に、円環21のP3、P4方向の面では、面方向に延び
るので、外側に突出し、P1、P2方向の面では、面方
向に縮むので、内側に入り込む。
【0038】以上の動作を繰り返して行うことにより、
十字型伸縮モードによる振動が発生する。なお、上記円
環21の直径が大きい場合、上記圧電素子の対数を増や
して、3角形或いは4角形伸縮モードとしてゆくことで
対応する。
【0039】−2:超音波モータの駆動回路例の説明
・・・図3C参照 図1、図2に示した超音波モータ10の駆動回路の1例
を、図3Cに示す。上記超音波モータ10を駆動する場
合、圧電素子板をA相とB相の2相に分けて、それぞれ
電圧を供給する。
【0040】例えば、圧電素子板16a〜16dをA相
(Aチャンネル)とし、圧電素子板17a〜17dをB
相(Bチャンネル)として駆動する。この場合、図3C
に示したような駆動回路を使用する。
【0041】この例では、上記駆動回路を、A相の発振
器(メイン発振器)24と、B相の発振器25と、位相
調整回路26等で構成する。そして、該位相調整回路2
6では、上位制御部(図示省略)からの方向指示信号に
より、B相の発振器25の発振位相を調整出来るように
してある。
【0042】すなわち、A相の発振器24では、基準位
相の電圧を、A相の圧電素子板16a〜16dに印加
し、B相の発振器25では、上記A相の電圧に対して略
同位相か、または反転位相の電圧を、B相の圧電素子板
17a〜17dに印加して、超音波モータ10の回転方
向を変える。
【0043】回転方向の制御は、上記方向指示信号によ
り、位相調整回路26にて、B相への入力電圧の位相を
切り換えて、変化させることにより制御する。 −3:超音波モータの動作の説明・・・図4参照 図4Aは、動作説明用の座標の説明図、図4Bは、動作
時の円筒体の変形方向の説明図である。以下、図4に基
づいて、超音波モータの動作を説明する。
【0044】−3−1:座標の説明・・・図4A参照 超音波モータの動作を説明する上で、座標を図4Aのよ
うに設定する。この座標では、上記図1、図2に示した
振動子12の圧電素子板に対し、図示のように座標軸
X、Y、Xθ、Yθを設定する。
【0045】図示のように、振動子12の中心軸を原点
0とし、各圧電素子板16a〜16d、17a〜17d
に対し、16a、16b方向をY−Y方向、16c、1
6d方向をX−X方向、17a、17b方向をYθ−Y
θ方向、17c、17d方向をXθ−Xθ方向とする。
【0046】−3−2:駆動方法の説明 図1、図2に示した超音波モータ10を駆動する場合、
図3Cに示したような駆動回路に接続して駆動するが、
この時、圧電素子板16a〜16dからなる圧電素子
と、圧電素子板17a〜17dからなる圧電素子は、そ
れぞれ、A相とB相の2群に分けて、各4個づつ並列に
接続する。
【0047】すなわち、圧電素子板16a〜16dをA
相とし、圧電素子板17a〜17dをB相として駆動す
る。この場合、A相の圧電素子板16a、16bは、外
側がプラス(+)に分極されており、16c、16dは
マイナス(−)に分極されている。また、B相の圧電素
子板17a、17bは、外側がプラス(+)に分極され
ており、19c、17dは、マイナス(−)に分極され
ている。
【0048】−3−3:駆動時の伸縮動作の説明・・
・図4B参照 今、上記A相の4個の圧電素子板16a〜16dに励振
電圧が印加(A相のみ)すると、圧電素子板16a〜1
6dが振動し、円筒体14は、X−X、Y−Y方向に変
形する。
【0049】この場合、図4Bの(B−1)に示したよ
うに、円筒体14は、X−X方向には縮み、かつ、Y−
Y方向には伸びるように動作する。また、B相の4個の
圧電素子板17a〜17dに励振電圧が印加(B相の
み)すると、圧電素子板17a〜17dがが振動し、円
筒体14は、Xθ−Xθ、Yθ−Yθ方向に変形する。
【0050】この場合、図4Bの(B−2)に示したよ
うに、円筒体14は、Xθ−Xθ方向には縮み、かつ、
Yθ−Yθ方向には伸びるように動作する。上記のよう
に、A相とB相の動作時の伸縮方向は、45°のづれに
なり、この方向は、各圧電素子板の配列と極性に従った
方向になっている。
【0051】以上の伸縮変形は、入力される交番電圧の
次の半サイクルでは、伸びる方向と縮む方向が逆にな
り、上記図3で説明したような円環の十字型伸縮モード
で共振振動を行うことになる。
【0052】−3−4:トルク発生の説明 図1に示したように、振動子12に設けた4個の駆動子
15a〜15dと、ロータ13の外周面とが圧接した状
態で、A相の圧電素子板16a〜16dを駆動し、図4
Bの(B−1)に示した方向の伸縮変形動作(A相のみ
の動作)をさせたとする。
【0053】この時、駆動子15a、15bはロータ1
3から離反して行き、他方の駆動子15c、15dは、
ロータ13に、更に圧接されることになる。また、励振
電圧が逆になれば、この駆動子の離反と圧接の状態は反
対になる。
【0054】次に、A相と略同時に、B相の圧電素子板
17a〜17dにも略同相の交番電圧を印加すると、図
4Bの(B−1)、(B−2)に示した方向の伸縮変形
が略同時に発生する。
【0055】ここで、駆動子15c、15dに着目する
と、図4Bの(B−1)の伸縮状態では、X−X方向に
は収縮しつつあるため、駆動子15c、15dは、内接
しているロータ13に、ますます圧接される。
【0056】この動作と略同じくして、B相の挙動は、
図4Bの(B−2)の状態となり、例えば、駆動子15
dは、右旋回することになる。すなわち、円筒体14
は、圧電素子板17aで外側に伸ばされ、圧電素子板1
7dで内側に収縮するため、その中間における駆動子1
5dの先端部は、右方向へ首振り変形することになる。
【0057】そのため、駆動子15dに圧接中のロータ
13には、左回転の力が与えられ、対側の駆動子15c
においても、同じ動作が行われる。この瞬間において
は、駆動子15cと、15dの2箇所でロータ13に力
が加えられる。
【0058】交番電圧が次の半サイクルになると、図4
Bの(B−1)、(B−2)の伸縮モードがそれぞれ反
対になる。このため、今度は、駆動子15a、15bが
ロータ13に働きかける順になり、駆動子15c、15
dは伸びる側となって、ロータ13より離反する。
【0059】このようにして、駆動子15a、15bの
グループと、駆動子15c、15dのグループは、励振
電圧の半サイクル毎に、交互にロータ13に回転力(ト
ルク)を与える事になる。
【0060】このため、ロータ13は、図1Bにおい
て、左回転することになる。ロータ13の回転を逆回転
させるには、例えば、B相への入力電圧の位相を、略π
(180°)だけ遅らせて印加すればよい。
【0061】(第2実施例の説明)図5は第2実施例の
説明図であり、図5中、図1〜図4と同じものは同一符
号で示してある。また、14Aは、多角筒体、15は駆
動子、A1 〜A6 はA相の圧電素子板、B1 〜B6 はB
相の圧電素子板を示す。
【0062】本実施例は、第1実施例の円筒体14を、
多角筒体14Aとした例であり、該多角筒体の断面図を
図5に示す。図示のように、振動子12を多角筒体14
Aで構成し、該多角筒体14Aの外周面に、A相の圧電
素子板A1 〜A6 (6個並列)と、B相の圧電素子板B
1 〜B6 (6個並列)を設けると共に、その内周面に
は、複数(この例では6個)の駆動子15を設ける。
【0063】上記多角筒体14Aの成形は、駆動子15
を含め、押し出し方が有利である。なお、多角筒体14
A以外の構成は、上記第1実施例と同じなので、説明
は、省略する。
【0064】(他の実施例)以上実施例について説明し
たが、本発明は次のようにしても実施可能である。 (1)、各圧電素子板の駆動電圧は、正弦波交流に限ら
ず、矩形波電圧等、交番的に変化する電圧ならば、どの
ような波形の電圧を使用してもよい。
【0065】(2)、圧電素子板は、A相、B相用を積
層してもよく、また、円筒体の内周面に、一部の圧電素
子板を設けてもよい。 (3)、圧電素子板を製造する際、スパッタリング法に
より、圧電磁器フィルムとして、形成してもよい。特
に、量産時には、スパッタリング法による圧電素子の形
成方法は、有利である。
【0066】(4)、上記実施例の円筒体そのものを、
圧電セラミックスで構成することも可能である。すなわ
ち、上記実施例の圧電素子板を一体化して、円筒体を構
成すればよい。
【0067】この場合、例えば、圧電材として、PZT
系のセラミックス材を用いると、周波数定数が小さいの
で、小型化に伴う共振周波数の値を、低く抑制する効果
を持つ。
【0068】(5)、上記実施例では、円筒体の伸縮ピ
ッチが90°の場合を示したが、円筒体の径により、6
0°でも、45°でもよい。この場合、駆動子の設置箇
所も、6箇所、8箇所と増やす事が可能である。
【0069】(6)、円筒体の寸法、すなわち、直径と
長さは任意でよい。例えば、出力トルクを大きくしたい
場合には、円筒体の長さを長くすればよい。この場合、
円筒体の全表面積に比例して、トルクが大きくなり、共
振モードの安定さは変化しない特徴がある。
【0070】(7)、上記実施例において、ロータを固
定して、振動子側を回転させることも可能である。この
場合、円筒体から回転トルクを取り出す。 (8)、上記実施例において、円筒体の外側にロータを
設けることも可能である。この場合、駆動子は、円筒体
の外周面に設ける。
【0071】(9)、圧電素子の一部を独立させて、発
振回路を構成するためのフィードバック信号源としても
よい。 (10)、上記第2実施例に示した多角筒体は、任意の
角数N(N=3以上の整数)でよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1)、ロータを内接した円筒体全体を、振動子として
励振する事が出来るので、大きな回転力を発生する事が
出来ると共に、ロータと駆動子との接触面積を大きく出
来るので、大きな回転トルクを、効率良く取り出す事が
可能となる。
【0073】(2)、振動子に設けた駆動子を、振動の
節部、或いは腹部の位置に設けることにより、ロータの
押し当てによる振動の振幅の減衰を少なくする事が出来
る。従って、回転トルクを効率良く取り出す事が出来、
大きな回転トルクが得られる。
【0074】(3)、円筒体の長さ方向の全域に、駆動
子を設置すれば、該駆動子とロータとの接触面積を大き
くする事が出来る。従って、回転トルクを効率良く取り
出す事が出来、大きな回転トルクが得られる。
【0075】(4)、ロータを内接した円筒体全体を、
振動子として励振する事が出来るので、振動子の寸法
を、小型から大型まで任意に設定出来る。従って、任意
の大きさの超音波モータが容易に製造出来る。
【0076】(5)、圧電振動子を、スパッタリング法
による圧電磁器フィルムで構成すれば、低コスト化と、
量産化が容易に達成出来る。 (6)、A相、B相の共振点は、同じ円筒体を共用して
いるため、略同一になる。従って、量産時には、共振点
の調整作業が不要となり、製品の低コスト化が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の説明図(その1)であ
り、図1Aは、超音波モータの外観図、図1Bは、図1
AのX−Y線方向断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の説明図(その2)であ
り、図2Aは、振動子の断面図、図2Bは、ロータの断
面図、図2Cは、ロータの外観図である。
【図3】本発明の第1実施例の説明図(その3)であ
り、図3Aは、基本動作説明用の振動子の構成図、図3
Bは、円筒体の十字型伸縮モードの説明図、図3Cは、
駆動回路例である。
【図4】本発明の第1実施例の説明図(その4)であ
り、図4Aは、座標の説明図、図4Bは、円筒体の変形
方向の説明図である。
【図5】本発明の第2実施例の説明図である。
【図6】従来例の説明図であり、図5Aは、超音波モー
タの概略構成図、図5Bは、圧電素子の構造を示した図
である。
【符号の説明】
10 超音波モータ 11 シャフト 12 振動子 13 ロータ 14 円筒体 15a〜15d 駆動子 16a〜16d 圧電素子板 17a〜17d 圧電素子板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交番電圧により励振される振動子(1
    2)と、 該振動子(12)により駆動されるロータ(13)とを
    具備した超音波モータにおいて、 上記振動子(12)を、 弾性体で構成した円筒体(14)と、 該円筒体(14)の内周面に突設した複数個の駆動子
    (15a〜15d)と、 該円筒体(14)の外周面に、偶数個づつに分割して配
    設された2群(A相、B相)の圧電素子(16a〜16
    d、17a〜17d)とで構成し、 上記ロータ(13)を、振動子(12)の内部に配置し
    て、上記複数個の駆動子(15a〜15d)と接するよ
    うにしたことを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 上記2群(A相、B相)の圧電素子(1
    6a〜16d、17a〜17d)に、それぞれ交番電圧
    を印加して励振することにより、 上記ロータ(13)を、所定方向で回転させ、 上記圧電素子の内、いずれか一方の群(例えば、B相)
    に属する圧電素子(17a〜17d)の印加電圧の位相
    を変化させることにより、 上記ロータ(13)の回転方向を切り換えて、逆方向に
    回転させることを特徴とした請求項1記載の超音波モー
    タの駆動方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007118417A1 (fr) * 2006-04-14 2007-10-25 Boly Media Communications (Shenzhen) Co., Ltd Moteur à ultrasons et procédé de commande de celui-ci
JP2009274843A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Crown Machinery Co Ltd シート状物のフィード装置

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