JPH11335472A - 電磁波吸収性熱伝導性シリコ―ンゲル成形シ―トおよびその製造方法 - Google Patents
電磁波吸収性熱伝導性シリコ―ンゲル成形シ―トおよびその製造方法Info
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- JPH11335472A JPH11335472A JP11068956A JP6895699A JPH11335472A JP H11335472 A JPH11335472 A JP H11335472A JP 11068956 A JP11068956 A JP 11068956A JP 6895699 A JP6895699 A JP 6895699A JP H11335472 A JPH11335472 A JP H11335472A
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Abstract
コストの電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形シー
トを提供する。 【解決課題】 金属酸化物磁性体粒子と熱伝導性充填剤
とを含むシリコーンゲルの組成物からシリコーンゲル成
形シートを加熱形成する。このシートは、周波数500-80
0MHzの範囲において高い電磁波吸収性を示す。前記組成
物の硬化後の硬さは、ASKER F型硬度計で測定した場
合、10-95の範囲に設定する。前記金属酸化物磁性体粒
子としては、Mn-ZnフェライトまたはNi-Znフェライトで
あり、その平均粒子径は1-50μmの範囲のものを使用す
る。また、前記熱伝導性充填剤としては、金属酸化物、
窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素または炭化
ケイ素を使用する。シリコーンゲル成形シート1はシリ
コーンゲル層2の一方の表層部分に導電性メッシュ3が
埋設され、他方の面は粘着表面4が形成されている。
Description
導性シリコーンゲル成形シートに関する。さらに詳しく
は、例えば、発熱性電子部品等の電磁波ノイズの吸収と
放熱とを行うために用いられる電磁波吸収性熱伝導性シ
リコーンゲル成形シートに関する。
ー、パソコン、テレビ等の電子機器は、多くの高周波の
電磁波ノイズを発生するため、電磁波障害が問題になっ
ている。このため、前記電子機器における電子部品等の
電磁波を吸収するための技術が求められている。
ており、例えば、金属磁性体粉末と樹脂との複合材を用
いて電磁波を吸収する技術(特開昭50−155999
号公報)が開示されている。しかし、このような電磁波
吸収材は、電磁波吸収力が弱く、電磁波を発生する電子
部品に装着した際に、十分な効果が得られないという問
題があった。
粉末を充填した樹脂層を含む電磁波吸収性シート(特開
昭57−129003号公報、特開平4−234103
号公報、特開平7−249888号公報)も開示されて
いる。前記シートは、電磁波の一部を反射し、一部を吸
収してその電磁波を減衰させるという効果を示す。しか
し、前記シートは、その構造が複雑であるため製造コス
トが高く、また前記樹脂の耐熱強度が低いために、使用
可能温度範囲が狭いという問題があった。
ついて、放熱のために用いられる冷却構造の一部として
熱伝導性シートが提案されている(特開平2−1667
55号公報、特開平2−196453号公報および特開
平6−155517号公報)。しかし、発熱性電子部品
は、同時に電磁波ノイズによる電磁波障害が問題になる
ことが多く、このような場合には、熱伝導性シートの他
に、電磁波吸収を目的とするシールド材が併用されてい
る。このように二つ以上の部品が必要となることから、
コストが高くなるという問題があった。
問題を解決するため、高い電磁波吸収性と熱伝導性とを
併せ持ち、また低コストである電磁波吸収性熱伝導性シ
リコーンゲル成形シートを提供することを目的とする。
に、本発明の電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形
シートは、金属酸化物磁性体粒子と熱伝導性充填剤とを
含むシリコーンゲルから形成される。
化物磁性体粒子と熱伝導性充填剤とを含有することによ
り、従来の電磁波吸収性シートと放熱性シートとを併用
するよりも、高い電磁波吸収性と熱伝導性とを併せ持
つ。この理由は、次のように推察される。電磁エネルギ
ーは、通常、電磁波吸収性シートに吸収されると熱エネ
ルギーに変換され、本発明の前記シートでは、熱伝導性
を有するため、前記熱エネルギーが速やかに前記シート
内で伝達され、放熱される。このため、本発明の前記シ
ートは、電磁エネルギーが直ちに熱エネルギーに変換さ
れ、その結果、高い電磁波吸収性を発揮するのである。
したがって、本発明の前記シートは、電磁波吸収性と熱
伝導性の両性質を示すため単独で使用でき、その構造も
単純であり、また低コストであるため極めて有用であ
る。また、前記シリコーンゲルは、その耐熱温度が他の
有機合成樹脂と比較して高く、耐熱性に優れているた
め、本発明の前記シートは、広い温度範囲で使用するこ
とができる。
ンゲル成形シートの上下面の少なくとも片面表層部に、
さらにシート状の導電性補強材を埋没させたことが好ま
しい。これにより、さらに高い電磁波吸収性が得られ
る。この理由は、本発明の前記シート内に侵入した電磁
波が、導電性シートによって反射され、本発明の前記シ
ート内を再び通過する際に、前記した作用・効果、すな
わち、電磁エネルギーは、通常、電磁波吸収性シートに
吸収されると熱エネルギーに変換され、本発明の前記シ
ートでは、熱伝導性を有するため、前記熱エネルギーが
速やかに前記シート内で伝達され、放熱される。このた
め、本発明の前記シートは、電磁エネルギーが直ちに熱
エネルギーに変換され、その結果、高い電磁波吸収性を
発揮するという理由により再び効率良く熱エネルギーに
変換されるためである。また、本発明の電磁波吸収性熱
伝導性シリコーンゲル成型シートは、低硬度であり、強
度も比較的弱いが、導電性補強材を埋没させるこによ
り、補強材の役目を果たし、実装作業時の取り扱い性が
改善されるという利点もある。
ーンゲル成形シートの製造方法は、シリコーンゲルに金
属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤を添加し、混
合して均一組成物からなる混合物とし、前記混合物を脱
泡機により脱気し、次いで脱気後の前記混合物を所定の
形状の支持フィルムで上下方向に挟み、加熱しつつプレ
ス成形により前記混合物を硬化させてシートを作製する
ことを特徴とする。この方法により、前記本発明のシリ
コーンゲル成型シートを効率良く合理的に製造できる。
ゲル混合物を所定の形状の支持フィルムで上下方向に挟
み込む際に、所定の形状の下側の支持フィルム上に硬化
前の金属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤を配合
したシリコーンゲルを載せ、その上からシート状の導電
性補強材と上側の支持フィルムを被せた後、シート状の
導電性補強材をシリコーンゲル内に埋設することが好ま
しい。この方法により、前記導電性補強材を埋没させた
シリコーンゲル成型シートを効率良く合理的に製造でき
る。
厚み1mmのシートにおいて、10〜1000MHzの
範囲の周波数における電圧の減衰量が10dB以上であ
ることが好ましい。前記減衰量が10dB以上であれ
ば、電磁波吸収性能として実用的なレベルであるからで
ある。また本発明の前記シートは、ASKER F型硬
度計で測定した場合の硬さが、10〜95の範囲である
ことが好ましく、特に好ましくは30〜70の範囲であ
る。前記硬さが10〜95の範囲である本発明の前記シ
ートは、発熱性電子部品と十分に密着することができ
る。密着性が十分であれば前記シートの伝熱面積がさら
に確保されるため、その放熱効率がより向上する。ま
た、このように硬度を低く設定すれば、圧縮荷重を低く
抑えることも可能となる。なお、前記硬さとは、金属酸
化物磁性体粒子と熱伝導性充填剤とを含むシリコーンゲ
ルをシート状に成形して硬化させた後の硬さをいう。ま
た、本発明において、前記硬さは、次のようにして測定
する。
はそのサンプルを準備し、シート面が水平となるように
配置する。そして、前記ASKER F型硬度計を手で
垂直に保持し、前記シートまたはサンプル表面と前記硬
度計の加圧面とがほぼ平行な状態で、前記シートまたは
サンプル表面上に前記硬度計を静かに置き、手を離して
そのまま放置する。その際に、前記硬度計の示す最大値
が、前記成形品の硬さである。前記硬度計は、その重量
が約500gであり、その自重がそのまま測定圧となっ
て、硬度を測定するものである。なお、前記硬度を測定
する前記シートまたはサンプルは、そのシート面積が前
記加圧面の面積より大きく、厚みが25mmよりも厚け
ればよく、例えば、縦100mm,横100mm、厚み
25mmの前記シートまたはサンプルであれば、測定に
供することができる。
も一方の前記シート表面が、粘着性を有することが好ま
しい。このように、前記シートの少なくとも片面が粘着
性を有することにより発熱性電子部品と十分に密着する
ことができるため、伝熱面積が充分に確保され、熱伝導
性および電磁波吸収性がさらに向上する。なお前記粘着
性は、加熱成形後のシリコーンゲル自体がもともと持っ
ている性質である。
物磁性体粒子が、Mn−ZnフェライトおよびNi−Z
nフェライトから選ばれる少なくとも一つの磁性材料か
ら形成されることが好ましい。この中でも特に好ましく
はMn−Znフェライトである。また、前記金属酸化物
磁性体は、いずれか一種類とは限らず、二種類以上を併
用してもよい。
物磁性体粒子の平均粒子径が1〜50μmの範囲である
ことが好ましく、特に好ましくは、1〜20μmの範囲
である。ここで平均粒子径とは、重量平均粒子直径をい
う。
充填剤が、金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素および炭化ケイ素からなる群から選択さ
れる少なくとも一種類の物質であることが好ましい。こ
の中でも特に好ましくは、低コストの金属酸化物であ
る。前記金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等が使用
でき、特に好ましくは、酸化アルミニウムである。ま
た、前記熱伝導性充填剤は、いずれか一種類とは限ら
ず、二種類以上を併用してもよい。
ンゲル100重量部に対する金属酸化物磁性体粒子およ
び熱伝導性充填剤の合計含有量が400重量部以上が好
ましく、より好ましくは400重量部以上600重量部
以下である。また、前記金属酸化物磁性体粒子(X)と
熱伝導性充填剤(Y)との重量配合比がX:Y=2:1
〜1:2の範囲であることが好ましく、特に好ましくは
前記重量配合比が1:1である。
の上下面の少なくとも片面表層部に、埋没させたシート
状の導電性補強材が、合成繊維、天然繊維および無機繊
維から選ばれる少なくとも一つの繊維に導電性金属を被
覆した繊維を用いて形成した網目構造体であることが好
ましい。導電性金属の被覆は、例えばメッキ、蒸着また
はスパッタリング等で形成できる。合成繊維としては、
ポリエステル繊維、耐熱ナイロン繊維、アラミド繊維、
ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維等があり、天然繊維
としては、木綿、麻等がある。さらに無機繊維として
は、炭素繊維またはガラス繊維等も使用できる。またメ
ッキに用いられる導電体としては、銅、ニッケル、金、
銀、亜鉛、アルミニウム等の金属である。前記金属は一
種類とは限らず、2種類以上を併用しても良い。
下のようにして作製できる。まず、シリコーンゲルに金
属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤を添加し、均
一になるまで撹拌して、この混合物を脱泡機により脱気
する。続いて、前記混合物を所定の形状の支持フィルム
で上下方向に挟み、熱を加えるプレス成形により前記混
合物を硬化させることによって本発明の前記シートを作
製できる。
下側の支持フィルム上に硬化前の金属酸化物磁性体粒子
および熱伝導性充填剤を配合したシリコーンゲルを載
せ、その上からシート状の導電性補強材と上側の支持フ
ィルムを被せた後、シート状の導電性補強材をシリコー
ンゲル内に埋設し、シリコーンゲルを熱を加えるプレス
成形により硬化させて、電磁波吸収性熱伝導性シリコー
ンゲルシートを作成できる。前記シリコーンゲルは、特
に制限されず、例えば、付加反応型シリコーンゲル、縮
合反応型シリコーンゲル等が使用でき、好ましくは付加
反応型シリコーンゲルである。
の組成により適宜決定されるが、通常、前記混合物を硬
化できる温度であればよく、80〜120℃の範囲であ
る。また、前記プレス成形の圧力条件は、前記混合物の
組成により適宜決定されるが、通常30〜150kgf
/cm2の範囲であり、気泡の生起を防ぐため、好まし
くは、50〜80kgf/cm2の範囲である。前記プ
レス成形の処理時間は、通常、前記混合物の組成、前記
温度条件および前記圧力条件により適宜決定されるが、
通常2〜10分の範囲である。
フィルム等が使用でき、好ましくはポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)
フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等であり、特
に好ましくはPETフィルムである。前記支持フィルム
は、通常、前記プレス成形後に除去する。
μmの範囲が好ましく、特に好ましくは50〜150μ
mの範囲である。
ては、前記プレス成形の他にも、例えば、コーティング
成形、カレンダー成形、圧延成形等が適用できる。
mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜3mm
の範囲である。
性体粒子および熱伝導性充填剤の他に、その他の成分を
含んでいてもよく、例えば、粘着剤、補強剤、着色剤、
耐熱向上剤、接着助剤等を含有していてもよい。その割
合は、本発明の前記シートの特性に支障をきたさない範
囲であれば特に制限されない。
せて説明する。なお、実施例および比較例におけるシリ
コーンゲル成形シートの各特性の測定方法は、下記に示
すとおりである。
の測定を行った。0.5〜5gfのサンプルを直径0.
1mm以下の金属線で結び、23℃の空気中で正確に秤
量し、これを23℃に設定された蒸留水の入ったビーカ
ーに入れ、水中における質量を測定し、下記式(数1)
により比重(S)を求めた。下記式において、aは前記
サンプルの空気中の質量、bは前記サンプルの水中の質
量をそれぞれ示す。
で作製したテストサンプルシート(100×100×2
5mm)について、ASKER F型硬度計(高分子計
器(株)社製)を使用し、前述と同様の方法により硬さ
を測定した。
位:Ω・cm)の測定を行った。
施例等で調製したサンプルを挟み、これらに2kgの荷
重をかけ、トランジスタに20wの電力を印加する。そ
して、所定位置に取り付けた温度センサーにより、3分
後のトランジスタ温度(TC,単位:℃)と放熱器温度
(TF,単位:℃)とをそれぞれ測定し、下記式(数
2)により、熱抵抗(θ,単位:℃/w)を求めた。
ト)と放熱板との間に組み込み、端子伝導ノイズ測定法
により測定を行った。前記CPUから発信された信号系
の特定周波数における電圧をスペアナーで読み取り、前
記電圧の変動を調べた。
ミリタリー スタンダード(Militaly Standard)を示
し、MIL-STD-285はシールデッド ルーム テストメソ
ッド(Shielded Room Test Method)を示す)に準じて電
磁波吸収性(単位:dB)の測定を行った。測定は、テ
クトロニクス(Tektronix) 社製492スペクトロムアナ
ライザーを用い、10MHz〜1000MHzの範囲で
行った。
性評価器を用いて、10MHz〜1000MHzの範囲
で透過減衰量を測定した。
部、金属酸化物磁性体粒子250重量部および熱伝導性
充填剤250重量部を攪拌機を用いて均一になるまで混
合撹拌した。前記シリコーンゲルとしては、付加反応型
シリコーンゲル(東芝シリコーン(株)社製、以下同
じ)を、前記金属酸化物磁性体粒子としては、重量平均
粒子直径が3μmであるMn−Znフェライト(戸田工
業(株)社製、以下同じ)を、熱伝導性充填剤として
は、重量平均粒子直径が37μmである球状アルミナ
(昭和電工(株)社製、以下同じ)をそれぞれ使用し
た。前記組成物を脱泡機を用いて気泡を除去した後、こ
れを厚さ100μmのPETフィルムで挟み、80kgf/
cm2の圧力をかけ、120℃で5分間加熱して、プレス
成形を行った。その結果、厚み1mmのシリコーンゲル
成形シートが得られた。前記シートの電磁波吸収性の測
定結果を下記の表1に示す。また諸特性についての測定
結果を後の表2に示す。また、図1のグラフの実線に、
前記シートの伝導ノイズの評価である周波数と電圧との
関係を示す。
0MHz〜1000MHzの範囲で−20dB一定であ
った。これに対して従来技術の各特許公報に記載されて
いる電磁波吸収性は10MHz〜1000MHzの範囲
で−10dB程度であった。
金属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤を配合した
シリコーンゲル組成物を、脱泡機を用いて気泡を除去し
た後、PETフィルム上に載せ、その上からポリエステ
ル繊維(太さ約10μm)に、ニッケルを無電解メッキ
により厚さ約0.2μm被覆した繊維を用いて、網目状
構造体(ネット、目付:24.3g/m2、厚み:0.25mm)
としたセーレン社製の導電性メッシュ(商品名”プラッ
トSE200”)を載せ、その上から厚さ100μmのPE
Tフィルムを被せ、120℃で5分間加熱して、プレス
成形を行った。その結果、厚み1mmのシリコーンゲル
成形シートが得られた。前記シートの電磁波吸収性の測
定結果を下記の表2に示す。また諸特性についての測定
結果を後の表3に示す。また、図2のグラフの実線に、
前記シートの電磁波シールド性の評価結果を示す。前記
電磁波シールド性は、周波数と透過減衰量との関係で示
す。このグラフの破線は、導電性補強材のみの測定結果
である。図3は実施例2で得られたシリコーンゲル成形
シート1の概略断面図である。シリコーンゲル層2の一
方の表層部分に導電性メッシュ3が埋設され、他方の面
は加熱成形後のシリコーンゲル自体が有する性質の強粘
着表面4が形成されている。
とMn−Znフェライト550重量部とを混合し、この
混合物を用いて、以後実施例1と同様にして、厚み1m
mのシリコーンゲル成形シートを作製した。前記シート
の諸特性についての測定結果を下記表2に示す。また、
図1のグラフの破線に、前記シートの伝導ノイズの評価
である周波数と電圧との関係を示す。
おり、前記表2に示すように、金属酸化物磁性体粒子の
みを含有する比較例1のシートに比べて、本発明の実施
例のシートは、その熱抵抗が低かった。このことから、
実施例では、比較例よりも熱伝導性が高いシリコーンゲ
ル成形シートが得られたといえる。また、図1に示すよ
うに、実施例1のシートの伝導ノイズは、比較例1と比
べて周波数500〜800MHzの範囲において、明ら
かな差が見られ、電磁波吸収性に優れていた。また、表
2に示すように、実施例1のシートは、周波数10MH
z〜1000MHzの範囲において、高い電磁波吸収性
が確認された。さらに図2に示すように、実施例2のシ
ートの電磁波シールド性は、従来技術に比較してはるか
に高いことが確認できた。
高い電磁波吸収性と熱伝導性とを併せ持つ。このため、
本発明の前記シートを電子部品等へ使用すれば十分な電
磁波吸収および放熱の効果を得ることができる。また、
本発明の前記シートは、構造も単純であることからコス
トも低く、電子部品への装着もより容易に行うことが可
能であり、利用に適したものである。また、本発明の前
記シートは、その硬度を低く設定すれば圧縮荷重値を低
く抑えることが可能となるため、これにより放熱性電子
部品、放熱体、基盤等を含む実装挟体の圧縮による変
形、損傷等を防止し、電子部品等の信頼性を向上するこ
とができる。
の少なくとも片面表層部に、さらにシート状の導電性補
強材を埋没させたという好ましい例によれば、さらに高
い電磁波吸収性が得られる。
に金属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤を添加
し、混合して均一組成物からなる混合物とし、前記混合
物を脱泡機により脱気し、次いで脱気後の前記混合物を
所定の形状の支持フィルムで上下方向に挟み、加熱しつ
つプレス成形により前記混合物を硬化させてシートを作
製することにより、前記本発明のシリコーンゲル成型シ
ートを効率良く合理的に製造できる。
定の形状の支持フィルムで上下方向に挟み込む際に、所
定の形状の下側の支持フィルム上に硬化前の金属酸化物
磁性体粒子および熱伝導性充填剤を配合したシリコーン
ゲルを載せ、その上からシート状の導電性補強材と上側
の支持フィルムを被せた後、シート状の導電性補強材を
シリコーンゲル内に埋設するという好ましい例によれ
ば、前記導電性補強材を埋没させたシリコーンゲル成型
シートを効率良く合理的に製造できる。
イズの測定を行った結果を表すグラフである。
シールド性の測定を行った結果を表すグラフである。
面図。
Claims (14)
- 【請求項1】 金属酸化物磁性体粒子と熱伝導性充填剤
とを含むシリコーンゲル組成物から形成される電磁波吸
収性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項2】 シリコーンゲル成形シートの硬さが、A
SKER F型硬度計で測定した場合、10〜95の範
囲である請求項1に記載の電磁波吸収性熱伝導性シリコ
ーンゲル成形シート。 - 【請求項3】 金属酸化物磁性体粒子が、Mn−Znフ
ェライトおよびNi−Znフェライトから選ばれる少な
くとも一つの磁性材料である請求項1または2に記載の
電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項4】 金属酸化物磁性体粒子の平均粒子径が、
1〜50μmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記
載の電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項5】 熱伝導性充填剤が、金属酸化物、窒化ア
ルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素および炭化ケイ素
からなる群から選択される少なくとも一種類の物質であ
る請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波吸収性熱伝導
性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項6】 シリコーンゲル100重量部に対する金
属酸化物磁性体粒子および熱伝導性充填剤の合計含有量
が400重量部以上であり、前記金属酸化物磁性体粒子
(X)と熱伝導性充填剤(Y)との重量配合比がX:Y
=2:1〜1:2の範囲である請求項1〜5のいずれか
に記載の電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形シー
ト。 - 【請求項7】 シリコーンゲル成形シートの上下面の少
なくとも片面表層部に、さらにシート状の導電性補強材
を埋没させた請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波吸
収性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項8】 導電性補強材が、合成繊維、天然繊維お
よび無機繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維に導電
性金属を被覆した繊維を用いて形成した網目構造体であ
る請求項7に記載の電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲ
ル成形シート。 - 【請求項9】 シートの少なくとも一方の表面が、粘着
性を有する請求項1〜8のいずれかに記載の電磁波吸収
性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項10】 シートの厚みが、0.2〜5mmの範
囲である請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波吸収性
熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項11】 厚み1mmのシートにおいて、10〜
1000MHzの範囲の周波数における電圧の減衰量が
10dB以上である請求項1〜10のいずれかに記載の
電磁波吸収性熱伝導性シリコーンゲル成形シート。 - 【請求項12】 請求項1〜11に記載の電磁波吸収性
熱伝導性シリコーンゲル成形シートを製造する方法であ
って、シリコーンゲルに金属酸化物磁性体粒子および熱
伝導性充填剤を添加し、混合して均一組成物からなる混
合物とし、前記混合物を脱泡機により脱気し、次いで脱
気後の前記混合物を所定の形状の支持フィルムで上下方
向に挟み、加熱しつつプレス成形により前記混合物を硬
化させてシートを作製することを特徴とする電磁波吸収
性熱伝導性シリコーンゲル成形シートの製造方法。 - 【請求項13】 脱気後のシリコーンゲル混合物を所定
の形状の支持フィルムで上下方向に挟み込む際に、所定
の形状の下側の支持フィルム上に硬化前の金属酸化物磁
性体粒子および熱伝導性充填剤を配合したシリコーンゲ
ルを載せ、その上からシート状の導電性補強材と上側の
支持フィルムを被せた後、シート状の導電性補強材をシ
リコーンゲル内に埋設する請求項12に記載の電磁波吸
収性熱伝導性シリコーンゲル成形シートの製造方法。 - 【請求項14】 シリコーンゲルは、付加反応型シリコ
ーンゲルまたは縮合反応型シリコーンゲルである請求項
12または13に記載の電磁波吸収性熱伝導性シリコー
ンゲル成形シートの製造方法。
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