JP2001339019A - 熱伝導材及びその製造方法 - Google Patents
熱伝導材及びその製造方法Info
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Abstract
た熱伝導材の提供。 【解決手段】 熱伝導材1は、基材としてのEPDM3
に、大粒径の炭化ケイ素5,小粒径の炭化ケイ素7,及
び大粒径の窒化ホウ素9を熱伝導フィラーとして混合し
ている。炭化ケイ素5,7及び窒化ホウ素9は良好な熱
伝導性を有する。また、炭化ケイ素5及び窒化ホウ素9
の大きな粒子の隙間を炭化ケイ素7の小さな粒子が埋
め、充填性が向上する。更に、炭化ケイ素7の小さな粒
子が炭化ケイ素5及び窒化ホウ素9の大きな粒子の間に
挟まれるため、炭化ケイ素7がコロとして作用して摩擦
抵抗を低減し、充填性が一層向上する。このため、熱伝
導材1は良好な熱伝導性を有する。また、絶縁性を有す
る窒化ホウ素9の平均粒径は大粒径の炭化ケイ素5の平
均粒径と等しく、炭化ケイ素5,7の間に割り込んで導
通を阻害するので、熱伝導材1は、極めて良好な絶縁性
を有する。
Description
体からの放熱を促すため、その発熱体に対して接触する
ように配置して使用される熱伝導材、及びその製造方法
に関する。
のゴムに熱伝導フィラーを充填し、混練・成形してなる
熱伝導材が考えられている。この種の熱伝導材は、電気
・電子装置の内部において、例えば、発熱源となる電子
部品と、放熱板や筐体パネル等といったヒートシンクと
なる部品(以下、単にヒートシンクという)との間に介
在させるように配置して使用される。このように熱伝導
材を配置した場合、電子部品等が発生する熱をヒートシ
ンク側へ良好に逃がすことができる。このため、この種
の熱伝導材は、例えばCPUの高速化等のために不可欠
な素材として注目を集めている。
ラーには比較的高い導電性を有するものが多く、そのよ
うな熱伝導フィラーを上記ゴムに多量に充填すると熱伝
導材の絶縁性が低下する。すると、上記電子部品等を搭
載した電気・電子装置において接点短絡が発生する可能
性が生じる。特に、近年、微小モータを搭載した電子制
御ユニットが増加しており(例えば、HDD,CD−R
OM,DVD,FDD等)、これらのユニットで使用さ
れる熱伝導材では、接点短絡が起こり難いことが強く要
請される。そこで、本発明は、良好な絶縁性を有し、か
つ、熱伝導性に優れた熱伝導材を提供することを目的と
してなされた。
を達するためになされた請求項1記載の発明は、流動性
を有するゴムに熱伝導フィラーを充填し、混練・成形し
てなる熱伝導材であって、上記熱伝導フィラーとして、
窒化ホウ素または窒化ケイ素の少なくともいずれか一種
類と、他の熱伝導フィラーとを混合して用いたことを特
徴としている。
導性を有する熱伝導フィラーであって絶縁性にも優れて
いることが知られている。本発明では、これらの熱伝導
フィラーの少なくともいずれか一種類と、他の熱伝導フ
ィラーとを混合して上記ゴムに充填しているので、上記
他の熱伝導フィラーが仮に高い導電性を有していたとし
ても窒化ホウ素または窒化ケイ素が上記他の熱伝導フィ
ラーの間に割り込んで導通を阻害する。このため、熱伝
導材全体としては良好な絶縁性を有する。また、窒化ホ
ウ素及び窒化ケイ素はいずれも前述のように比較的良好
な熱伝導性を有するので、上記他の熱伝導フィラーとの
共働によって良好な熱伝導性を呈する。
性を有し、かつ熱伝導性にも優れている。また、本発明
では、窒化ホウ素または窒化ケイ素と他の熱伝導フィラ
ーを混合して併用しているので、窒化ホウ素または窒化
ケイ素の弱点を他の熱伝導フィラーによって補うことも
できる。
成に加え、上記ゴムがEPDMであることを特徴として
いる。本発明では、上記ゴムとしてEPDM(エチレン
・プロピレン共重合体)を用いているので、シリコーン
ゴム(オルガノポリシロキサン)を用いた場合のように
低分子シロキサンガスが発生しない。すなわち、シリコ
ーンゴムでは低分子シロキサンガスが発生してモータや
リレー等の接点短絡を引き起こすことが従来から指摘さ
れており、この低分子シロキサンガスの発生を抑制する
低分子カット技術が研究されている。しかしながら、低
分子カット技術が発達しても低分子シロキサンガスを完
全にゼロにすることはできず、上記接点短絡が発生する
可能性もゼロにすることはできない。
サンガスが発生しないEPDMを母材として用いている
ので、上記接点短絡の発生を良好に抑制することができ
る。従って本発明では、請求項1記載の発明の効果に加
えて、モータやリレー等の接点短絡の発生を良好に抑制
することができるといった効果が生じる。このため、本
発明の熱伝導材は、微小モータ付近に配置された発熱素
子(例えばドライバIC)からの放熱を促すための熱伝
導材としても安心して使用することができる。
記載の構成に加え、上記窒化ホウ素または窒化ケイ素
が、鱗片状の粒子形状を有することを特徴としている。
本発明では、窒化ホウ素または窒化ケイ素が鱗片状の粒
子形状を有するので、その熱伝導フィラーの比表面積が
大きく、熱伝導材中の電流に対する遮蔽効果が大きくな
る。このため、本発明では、請求項1または2記載の発
明の効果に加えて、一層良好な絶縁性を有するといった
効果が生じる。
ずれかに記載の構成に加え、上記他の熱伝導フィラー
が、炭化ケイ素であることを特徴としている。炭化ケイ
素は良好な熱伝導性を有し、かつ、入手が容易な熱伝導
フィラーとして知られている。本発明では、熱伝導フィ
ラーとして炭化ケイ素を用いているので、請求項1〜3
のいずれかに記載の発明の効果に加えて、一層良好な熱
伝導性を有すると共に、熱伝導材の製造コストを良好に
低減することができるといった効果が生じる。
ずれかに記載の構成に加え、上記他の熱伝導フィラー
が、大小2種類の平均粒径を有するものを混合してな
り、上記窒化ホウ素または窒化ケイ素の平均粒径が、大
粒径の上記他の熱伝導フィラーの平均粒径と等しいこと
を特徴としている。
粒径の熱伝導フィラーを充填し、混練・成形する実験を
行った結果、大小2種類の平均粒径を有する熱伝導フィ
ラーを混合してシリコーンゴムに充填したところ、極め
て高い充填性が得られることを発見した(特願平11−
247368号参照)。この理由は、おおよそ次のよう
に考えられる。すなわち、熱伝導フィラーが大きな粒子
のみから構成される場合、どうしても粒子間に隙間が空
いてしまう。これに対して、大きな粒子と小さな粒子と
を混合して用いる場合、大きな粒子の隙間を小さな粒子
が埋め、充填性が向上する。また、小さな粒子のみを用
いても返って充填性が低下する。しかも、熱伝導シート
として同じ熱伝導率を出すためには、より多い充填量を
必要とし、硬度が上がってしまう。
に粒子間には摩擦抵抗が作用するため、これによっても
粒子間の間隙が大きくなる。これに対して、大きな粒子
と小さな粒子とを混合して用いる場合、小さな粒子が大
きな粒子の間に挟まれるため、この小さな粒子がコロと
して作用して摩擦抵抗を低減する。このため、粒子間の
間隙が小さくなり、充填性が一層向上するのである。ま
た、上記コロとしての作用により、大小2種類の平均粒
径を有する熱伝導フィラーを混合して用いた場合、成形
後の熱伝導材の硬度を低下させることができる。
て大小2種類の平均粒径を有するものを混合して用いて
いるので、前述のように多量の熱伝導フィラーを良好に
充填することができ、こうして得られた熱伝導材も良好
な熱伝導性を有する。また、本発明では、混練時の摩擦
抵抗を低減して製造を容易にすると共に、成形後の熱伝
導材の硬度も低下させることができる。更に、上記窒化
ホウ素または窒化ケイ素の平均粒径は大粒径の上記他の
熱伝導フィラーの平均粒径と等しいので、上記窒化ホウ
素または窒化ケイ素は良好に上記他の熱伝導フィラーの
間の導通を阻害することができる。
れかに記載の発明の効果に加えて、一層良好な熱伝導性
及び絶縁性を有すると共に、良好な柔軟性を有し、しか
も、製造が容易で製造コストを良好に低減することがで
きるといった効果が生じる。特に、上記ゴムがEPDM
である場合、EPDMにはシリコーンゴムよりも硬いと
いった弱点があったが、そのEPDMにも良好な柔軟性
を付与して電子部品及びヒートシンク等への密着性を向
上させ、電子部品等の放熱を一層良好に促すことができ
るといった効果が生じる。なお、上記窒化ホウ素または
窒化ケイ素の平均粒径は大粒径の上記他の熱伝導フィラ
ーの平均粒径とは完全に一致する必要はなく、例えば±
10%程度の誤差は許容される。
成に加え、上記窒化ホウ素または窒化ケイ素と大粒径の
上記他の熱伝導フィラーとをあわせた重量と、小粒径の
上記他の熱伝導フィラーの重量との比が、3:2である
ことを特徴としている。すなわち、本発明では、請求項
5記載の熱伝導材における大粒径,小粒径の熱伝導フィ
ラーの重量比を3:2としている。この重量比では、熱
伝導材の柔軟性が最も向上することが実験的に判明して
いる。従って、本発明では、請求項5記載の発明の効果
に加えて、一層良好な柔軟性を有して電子部品及びヒー
トシンク等への密着性が良好で、電子部品等の放熱を一
層良好に促すことができるといった効果が生じる。
成に加え、上記熱伝導フィラーとして、窒化ホウ素を5
重量%以上用いると共に、上記他の熱伝導フィラーとし
て、60重量%以上の金属粒子を用いたことを特徴とし
ている。本願出願人は、上記窒化ホウ素または窒化ケイ
素の内、少なくとも窒化ホウ素を5重量%以上使用する
と熱伝導材全体としての絶縁性が特に向上することを発
見した。この場合、他の熱伝導フィラーとして金属粒子
を用いても、良好な絶縁性が得られる。金属粒子を熱伝
導フィラーとして用いると、熱伝導材の熱伝導性を極め
て向上させることができると共に、その熱伝導材に電磁
波シールド性を付与することができる。そこで、本発明
では、上記熱伝導フィラーとして窒化ホウ素を5重量%
以上混合して用いると共に、上記他の熱伝導フィラーと
して金属粒子を60重量%以上混合して用いている。こ
のため、本発明では、請求項1記載の発明の効果に加え
て、一層良好な絶縁性,熱伝導性,及び電磁波シールド
性を有するといった効果が生じる。
ムに熱伝導フィラーを充填し、混練・成形して熱伝導材
を製造する熱伝導材の製造方法であって、上記熱伝導フ
ィラーとして、窒化ホウ素または窒化ケイ素の少なくと
もいずれか一種類と、他の熱伝導フィラーとを混合して
用いることを特徴としている。
窒化ホウ素または窒化ケイ素の少なくともいずれか一種
類と、他の熱伝導フィラーとを混合して上記ゴムに充填
しているので、良好な絶縁性を有し、かつ、熱伝導性に
も優れた熱伝導材を製造することができる。また、本発
明では、窒化ホウ素または窒化ケイ素と他の熱伝導フィ
ラーを混合して併用しているので、窒化ホウ素または窒
化ケイ素の弱点を他の熱伝導フィラーによって補うこと
も可能となる。
する。本実施の形態では、以下の製造方法により熱伝導
材を製造した。すなわち、EPDM,熱伝導フィラー,
及びオイルとしての塩素化パラフィンを混合することに
より、EPDMに熱伝導フィラーを充填した。熱伝導フ
ィラーとしては、平均粒径80μmの炭化ケイ素と平均
粒径5μmの炭化ケイ素と平均粒径80μmの窒化ホウ
素とを混合して使用し、各熱伝導フィラーの分量は、E
PDM100重量部に対してそれぞれ100〜150重
量部,100〜200重量部,50〜100重量部とし
た。また、塩素化パラフィンは50〜100重量部使用
し、オイルとしてはこの他、プロセスオイル,流動性パ
ラフィン,脂肪油,エステル系可塑剤,炭酸エステル系
可塑剤,液状ゴム等が使用できる。上記混合の方法とし
ては、押し出し,2本ロール,ニーダ等の種々の方法を
適用することができる。
した固形状EPDMを、シート状に成形した。この成形
の方法としては、カレンダロール,押し出し,プレス等
の機械を用いて成形する方法等、種々の方法を適用する
ことができる。このようにして製造された熱伝導材は、
良好な絶縁性を有し、かつ、熱伝導性にも優れていた。
これは、炭化ケイ素も窒化ホウ素も良好な熱伝導性を有
する熱伝導フィラーであって、特に、窒化ホウ素は絶縁
性にも優れているためと考えられる。すなわち、炭化ケ
イ素にはある程度の導電性があるので、前述のように多
量の炭化ケイ素を単独でEPDMに混合した場合、あま
り良好な絶縁性は得られない。これに対して、上記熱伝
導材では、窒化ホウ素が炭化ケイ素の間に割り込んで導
通を阻害するため、熱伝導材全体として良好な絶縁性を
呈するのである。
て上記熱伝導材と同様の熱伝導性を得ようとする場合、
比較的高価な窒化ホウ素を多量に充填しなければならな
い。これに対して、上記熱伝導材では、良好な熱伝導性
を有しかつ入手が容易な炭化ケイ素を窒化ホウ素と併用
しているので、製造コストを良好に低減することができ
る。更に、上記熱伝導材では大小2種類の熱伝導フィラ
ーを混合して充填しているので、熱伝導フィラーの充填
性が極めて向上すると共に成形後の熱伝導材の硬度も低
下させることができる。
と、上記実施の形態の熱伝導材1は、基材としてのEP
DM3に、大粒径の炭化ケイ素5,小粒径の炭化ケイ素
7,及び大粒径の窒化ホウ素9を熱伝導フィラーとして
混合している。このため、炭化ケイ素5及び窒化ホウ素
9の大きな粒子の隙間を炭化ケイ素7の小さな粒子が埋
め、充填性が向上する。また、炭化ケイ素7の小さな粒
子が炭化ケイ素5及び窒化ホウ素9の大きな粒子の間に
挟まれるため、炭化ケイ素7がコロとして作用して摩擦
抵抗を低減し、充填性が一層向上する。また、上記コロ
としての作用により、成形後の熱伝導材1の硬度を低下
させることもできる。
炭化ケイ素5の平均粒径と等しいので、窒化ホウ素9は
良好に炭化ケイ素5,7の間の導通を阻害することがで
きる。従って、熱伝導材1は、極めて良好な熱伝導性及
び絶縁性を有すると共に、良好な柔軟性を有し、しかも
製造が容易で製造コストを良好に低減することができ
る。なお、窒化ホウ素9の平均粒径は大粒径の炭化ケイ
素5の平均粒径とは完全に一致する必要はなく、例えば
±10%程度の誤差は許容される。
に低分子シロキサンガスを発生しないので、モータやリ
レー等の接点短絡の発生を良好に抑制することができ
る。このため、熱伝導材1は、微小モータ付近に配置さ
れた発熱素子(例えばドライバIC)からの放熱を促す
ための熱伝導材としても安心して用いることができる。
更に、EPDM3にはシリコーンゴムよりも硬いといっ
た弱点があったが、熱伝導材1では前述のように良好な
柔軟性を付与することができるので、電子部品及びヒー
トシンク等への密着性を向上させ、電子部品等の放熱を
一層良好に促すことができる。
々に変更して製造し、その特性を調査した。なお、固形
状EPDMとしては、「3042E」(商品名、製造
元:三井化学)を使用し、炭化ケイ素としては「デンシ
ックGC」(商品名、製造元:昭和電工)を、窒化ホウ
素としては顆粒状の「UHP−EX」(商品名、製造
元:昭和電工)を、それぞれ使用した。また、前述のよ
うに混練したEPDMには、170℃,15分,t=
0.5mm及び2mmの加硫条件で加硫を施して成形し
た。各実施例及び比較例の配合を表1に示す。
(大),SiC(小),BN(大)の欄には、それぞれ
の重量%(WT%)を数字で示しており、合計は100
%になる。また(大),(小)は、それぞれ大粒径,小
粒径を表している。先ず、No.1とNo.2とで、大
粒径の熱伝導フィラー(炭化ケイ素及び窒化ホウ素)と
小粒径の熱伝導フィラー(炭化ケイ素)との重量比の違
いによる熱伝導率の比較を行った。これは、以前に、
3:2及び2:1がよい結果を得ることが分かっている
からである(特願平11−247368号参照)。
ある。また、No.7は比較例で、EPDMに水酸化ア
ルミニウムを熱伝導フィラーとして充填した市販の熱伝
導材「CPV(クールプロバイド)」(商品名、製造
元:北川工業)である。以上のように構成した各実施例
及び比較例に対する評価結果を表2に示す。
(商品名:京都電子工業製)を用いて次のように測定し
た。図2は、この測定方法を表す説明図である。すなわ
ち、50mm×100mmのサイズに切り出したシート
状の熱伝導材1をレファレンスプレート11を介して試
料台13に載置し、更に、熱伝導材1の上面には、ヒー
タ15及び熱電対17,並びにウエイト19を順次載置
する。なお、「QTM−500」では、ヒータ15,熱
電対17,及びウエイト19は一体に構成されている。
そして、ヒータ15の両端に接続されたヒータ用ケーブ
ル15aと熱電対17の両端に接続された熱電対用ケー
ブル17aとを、図示しないコネクタを介して測定器に
接続することによって、次のようにして熱伝導材1の熱
伝導性を測定することができる。
通電してヒータ15を発熱させると、その熱は熱伝導材
1及びレファレンスプレート11を介して試料台13へ
放熱される。このため、熱伝導材1及びレファレンスプ
レート11の熱伝導率が高いほど、熱電対17によって
測定される温度の上昇は遅くなる。
間後の対数時間に対する温度上昇率を求め、基準物質で
構成されたレファレンスプレート11(発泡ポリエチレ
ン0.0353,シリコーンゴム:0.241,石英:
1.416,ジルコンレンガ4.1の4種類がある)の
みの場合との偏差εを求める。図3に示すように、レフ
ァレンスプレート11の熱伝導率λを横軸にとり、偏差
εを縦軸にとってプロットすることにより(図3に■で
表示)、偏差εが0になる交点を求める。すると、その
交点が表すλの値がその熱伝導材1の熱伝導率λとなる
のである。
o.1〜No.6)ではいずれも高い熱伝導率が得られ
た。また、2W/m・K以上の熱伝導率を得るためには
熱伝導フィラーを68重量%充填すればよいことが分か
った。これは、炭化ケイ素のみでは70重量%以上充填
しなければ上記熱伝導率が得られないのに対して、熱伝
導率のよい窒化ホウ素を加えた効果が現れたものと考え
られる。また、比重はいずれの試料でも小さく、炭化ケ
イ素のみを充填した場合よりも良好に軽量化を図れるこ
とが分かった。No.4〜No.6から、熱伝導フィラ
ー70重量%以下で2W/m・K以上の熱伝導率を出す
のに、窒化ホウ素の量を5重量%まで下げられることが
分かった。これは、先にも示したが、比較的高価な窒化
ホウ素の充填量を減らしてコストダウンが図れることを
示唆している。
とした市販品のNo.7に対して硬度が小さい値を得る
結果となった。このため、各実施例では、熱伝導材の柔
軟性を向上させることができ、延いては、電子部品及び
ヒートシンク等への密着性を向上させて電子部品等の放
熱を一層良好に促すことができる。
熱伝導フィラーとの重量比を3:2とした試料(No.
1)では、その重量比を2:1としたNo.2の試料よ
りも硬度が小さい値を示している。更に、他の実験によ
って、上記重量比を1:1等とした場合よりも3:2と
した場合の方が硬度が小さい値を示すことが分かってい
る。このため、上記重量比を3:2とした試料では、熱
伝導材の柔軟性を一層向上させることができ、延いて
は、電子部品及びヒートシンク等への密着性を一層向上
させて電子部品等の放熱を一層良好に促すことができ
る。
施例の体積抵抗値はいずれも1012Ω・cmよりも大き
く、極めて良好な絶縁性を有することが分かった。これ
は、窒化ホウ素の体積抵抗率が>1014Ω・cmと大き
く、前述のように炭化ケイ素の間に割り込んで導通を阻
害するためと考えられる。しかも、EPDMはシリコー
ンゴムのように低分子シロキサンガスを発生しないの
で、前述のようにモータやリレー等の接点短絡の発生を
良好に抑制することができる。また、窒化ホウ素の充填
量を5重量%以上とした場合には、充填量を5%未満と
した場合に比べて特に良好な絶縁性が得られることも分
かった。
は、極めて良好な熱伝導性,絶縁性,及び柔軟性を有す
ると共に、軽量でかつ低分子シロキサンガスを発生しな
いため、電子部品等の放熱を促す熱伝導材として極めて
優れていることが分かった。なお、上記実施例におい
て、EPDMとして他の製品を使用しても同様の結果が
得られるものと考えられる。
「CY52−276」:東レダウコーニング製)を使用
し、熱伝導材として金属粒子を使用することにより、電
磁波シールド性及び熱伝導性の優れた熱伝導材を得るこ
とを試みた。配合は次の表3に示すように種々に変更し
た。なお、シリコーンゴムは、厳重な低分子カットを行
って低分子シロキサンガスの発生を充分に抑制しておい
た。
ロティーニ製)は、銀をコーティングしたアルミニウム
で比重3.1である。また、UHP−1(商品名:昭和
電工製)は窒化ホウ素で比重2.27、UHP−EX
(商品名:昭和電工製)も窒化ホウ素で比重2.27で
ある。更に、シールド効果は500MHzの電磁波に対
して測定した値である。
金属粒子のみを使用して窒化ホウ素(熱伝粒子)を使用
しなかったの資料(比較例)では、良好な電磁波シー
ルド性は得られたものの熱伝導性は充分ではなかった。
これに対して、60重量%以上の金属粒子と窒化ホウ素
とを混合して熱伝導フィラーとして使用した〜の資
料(実施例)では、電磁波シールド性と熱伝導性とを兼
ね備えた熱伝導材が得られた。
と、電磁波シールド性や熱伝導性が向上する反面熱伝導
材の絶縁性が低下する傾向が生じるが、窒化ホウ素を5
重量%以上充填した,,の資料では、106 Ω/
cm2 以上の良好な絶縁性が得られた。このように、窒
化ホウ素を5重量%以上混合して用いると共に、熱伝導
フィラーとして金属粒子を60重量%以上(望ましくは
65重量%以上)混合して用いることにより、良好な絶
縁性,熱伝導性,及び電磁波シールド性を有する熱伝導
材が得られた。
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
各種形態で実施することができる。例えば、窒化ホウ素
以外の熱伝導フィラーとしては炭化ケイ素や上記金属粒
子以外にも種々の物質を用いることができ、それも種々
の粒径のもの(1種類の粒径でもよい)を用いることが
できる。また、ゴムとしては他の有機合成ゴムを用いる
こともできる。
を使用したが、鱗片状の窒化ホウ素を使用してもよい。
窒化ホウ素が鱗片状の粒子形状を有する場合、その比表
面積が大きく、熱伝導材中の電流に対する遮蔽効果が大
きくなる。このため、鱗片状の窒化ホウ素を使用した場
合、上記実施例と同様の効果に加えて、一層良好な絶縁
性を有するといった効果が生じるものと推測される。更
に、上記各実施例において、窒化ホウ素の代わりに窒化
ケイ素を用いても同様の効果が生じるものと推測され
る。
に表す説明図である。
を表す斜視図である。
表す説明図である。
イ素 7…炭化ケイ素 9…窒化ホウ素 11…レフ
ァレンスプレート 13…試料台 15…ヒータ 17…熱電
対
Claims (8)
- 【請求項1】 流動性を有するゴムに熱伝導フィラーを
充填し、混練・成形してなる熱伝導材であって、 上記熱伝導フィラーとして、窒化ホウ素または窒化ケイ
素の少なくともいずれか一種類と、他の熱伝導フィラー
とを混合して用いたことを特徴とする熱伝導材。 - 【請求項2】 上記ゴムがEPDMであることを特徴と
する請求項1記載の熱伝導材。 - 【請求項3】 上記窒化ホウ素または窒化ケイ素が、鱗
片状の粒子形状を有することを特徴とする請求項1また
は2記載の熱伝導材。 - 【請求項4】 上記他の熱伝導フィラーが、炭化ケイ素
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の熱伝導材。 - 【請求項5】 上記他の熱伝導フィラーが、大小2種類
の平均粒径を有するものを混合してなり、 上記窒化ホウ素または窒化ケイ素の平均粒径が、大粒径
の上記他の熱伝導フィラーの平均粒径と等しいことを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導材。 - 【請求項6】 上記窒化ホウ素または窒化ケイ素と大粒
径の上記他の熱伝導フィラーとをあわせた重量と、小粒
径の上記他の熱伝導フィラーの重量との比が、3:2で
あることを特徴とする請求項5記載の熱伝導材。 - 【請求項7】 上記熱伝導フィラーとして、窒化ホウ素
を5重量%以上用いると共に、上記他の熱伝導フィラー
として、60重量%以上の金属粒子を用いたことを特徴
とする請求項1記載の熱伝導材。 - 【請求項8】 流動性を有するゴムに熱伝導フィラーを
充填し、混練・成形して熱伝導材を製造する熱伝導材の
製造方法であって、 上記熱伝導フィラーとして、窒化ホウ素または窒化ケイ
素の少なくともいずれか一種類と、他の熱伝導フィラー
とを混合して用いることを特徴とする熱伝導材の製造方
法。
Priority Applications (1)
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