JPH07157664A - 熱伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法 - Google Patents
熱伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法Info
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- JPH07157664A JPH07157664A JP5304256A JP30425693A JPH07157664A JP H07157664 A JPH07157664 A JP H07157664A JP 5304256 A JP5304256 A JP 5304256A JP 30425693 A JP30425693 A JP 30425693A JP H07157664 A JPH07157664 A JP H07157664A
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- rubber sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】シリコーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素
を１００〜３００重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造を
もつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１
５０重量部の範囲少なくとも含み、均一に混合され、か
つ織布にコーティングされているとともに、発熱体と接
する面が平滑であることにより、発熱体基材との密着性
に優れた熱伝導性シリコーンゴムシートを得る。 【構成】シリコーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素
を１１０〜１９０重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造を
もつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１
５０重量部、加硫剤を０．１〜１０重量部の範囲添加
し、溶剤に溶かしてコーティング溶液とし、前記コーテ
ィング溶液を織布に塗布した後、溶剤を除去し、しかる
後プレス成形する。
を１００〜３００重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造を
もつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１
５０重量部の範囲少なくとも含み、均一に混合され、か
つ織布にコーティングされているとともに、発熱体と接
する面が平滑であることにより、発熱体基材との密着性
に優れた熱伝導性シリコーンゴムシートを得る。 【構成】シリコーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素
を１１０〜１９０重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造を
もつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１
５０重量部、加硫剤を０．１〜１０重量部の範囲添加
し、溶剤に溶かしてコーティング溶液とし、前記コーテ
ィング溶液を織布に塗布した後、溶剤を除去し、しかる
後プレス成形する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は熱伝導性、電気絶縁性、
難燃性をもち、さらに発熱体基材との密着性に優れた熱
伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、コーティングによって得られるシ
リコーンゴムシートに関する。
難燃性をもち、さらに発熱体基材との密着性に優れた熱
伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、コーティングによって得られるシ
リコーンゴムシートに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、トランジスタ、ダイオード、変圧
器などの電子部品は使用していると発熱し、その熱のた
め電子部品の性能が低下することがある。そのため発熱
するような電子部品には放熱体が取り付けられる。しか
し放熱体は金属であることが多いため、電子部品を直接
取りつけると漏電などの問題があり好ましくなかった。
そのためにマイカ絶縁板、熱伝導性グリース、ポリエス
テルなどが使用されてきたが、取り扱いが頻雑であった
り、耐熱性が低かったり熱伝導性が低くかったりして、
満足のいく性能をもつ放熱体とはいえなかった。最近で
は特開昭４７−３２４００号公報に提案されているよう
にフッ素ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴムな
どに金属酸化物を添加して、取り扱い性と耐熱性と低い
熱伝導率を改良した放熱体も提案されている。また薄膜
の放熱体の製造法としては、電子線による加硫方法を用
いた特開平５−１１７４２２号公報などの提案もある。
器などの電子部品は使用していると発熱し、その熱のた
め電子部品の性能が低下することがある。そのため発熱
するような電子部品には放熱体が取り付けられる。しか
し放熱体は金属であることが多いため、電子部品を直接
取りつけると漏電などの問題があり好ましくなかった。
そのためにマイカ絶縁板、熱伝導性グリース、ポリエス
テルなどが使用されてきたが、取り扱いが頻雑であった
り、耐熱性が低かったり熱伝導性が低くかったりして、
満足のいく性能をもつ放熱体とはいえなかった。最近で
は特開昭４７−３２４００号公報に提案されているよう
にフッ素ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴムな
どに金属酸化物を添加して、取り扱い性と耐熱性と低い
熱伝導率を改良した放熱体も提案されている。また薄膜
の放熱体の製造法としては、電子線による加硫方法を用
いた特開平５−１１７４２２号公報などの提案もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭４７−３２４００号公報の方法は、ゴムに大量のフ
ィラーを添加するので、ゴム弾性、引張強さ、引裂強さ
が低下したり、ロール成形などの加工性が低下してしま
うという問題があった。そのため、厚さ３００μｍ以下
の薄膜の放熱体の製造は、非常に困難であった。また特
開平５−１１７４２２号公報などの方法は、電子線によ
る加硫では熱加硫と比較するとゴム物性が劣っていて耐
熱性も問題がある。そのため耐熱性を要求される放熱体
として使用することはできなかった。また熱加硫による
コーティングの製造法はテープ、離型紙によく用いられ
る方法であり、放熱体の製造にも応用できる。しかし、
ゴムに大量のフィラーを添加しているためコーティング
した表面が粗くになりやすく、コーティング面が粗いと
密着性が低下し、界面に空気を含むため熱を伝えにくく
なり、この結果、熱伝導性もさらに低下してしまうなど
の問題があった。
開昭４７−３２４００号公報の方法は、ゴムに大量のフ
ィラーを添加するので、ゴム弾性、引張強さ、引裂強さ
が低下したり、ロール成形などの加工性が低下してしま
うという問題があった。そのため、厚さ３００μｍ以下
の薄膜の放熱体の製造は、非常に困難であった。また特
開平５−１１７４２２号公報などの方法は、電子線によ
る加硫では熱加硫と比較するとゴム物性が劣っていて耐
熱性も問題がある。そのため耐熱性を要求される放熱体
として使用することはできなかった。また熱加硫による
コーティングの製造法はテープ、離型紙によく用いられ
る方法であり、放熱体の製造にも応用できる。しかし、
ゴムに大量のフィラーを添加しているためコーティング
した表面が粗くになりやすく、コーティング面が粗いと
密着性が低下し、界面に空気を含むため熱を伝えにくく
なり、この結果、熱伝導性もさらに低下してしまうなど
の問題があった。
【０００４】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、熱伝導性、電気絶縁性、難燃性をもち、さらに発熱
体基材との密着性に優れた熱伝導性シリコーンゴムシー
ト及びその製造方法を提供することを目的とする。
め、熱伝導性、電気絶縁性、難燃性をもち、さらに発熱
体基材との密着性に優れた熱伝導性シリコーンゴムシー
ト及びその製造方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第１番目の熱伝導性シリコーンゴムシート
は、シリコーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素を１
００〜３００重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造をもつ
セラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１５０
重量部の範囲少なくとも含み、均一に混合され、かつ織
布にコーティングされているとともに、発熱体と接する
面が平滑であるという構成を備えたものである。
め、本発明の第１番目の熱伝導性シリコーンゴムシート
は、シリコーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素を１
００〜３００重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造をもつ
セラミック材料または塩基性金属酸化物を３０〜１５０
重量部の範囲少なくとも含み、均一に混合され、かつ織
布にコーティングされているとともに、発熱体と接する
面が平滑であるという構成を備えたものである。
【０００６】前記構成においては、窒化硼素と同じ結晶
構造をもつ塩基性金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭化タン
グステン、窒化ベリリウム、窒化アルミニウム、窒化タ
ンタル、炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ニオブ、及び窒
化チタンから選ばれる少なくとも一つの物質であること
が好ましい。
構造をもつ塩基性金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭化タン
グステン、窒化ベリリウム、窒化アルミニウム、窒化タ
ンタル、炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ニオブ、及び窒
化チタンから選ばれる少なくとも一つの物質であること
が好ましい。
【０００７】また前記構成においては、窒化硼素、セラ
ミック材料及び塩基性金属酸化物の平均粒子直径が、い
ずれも０．１〜２００μｍの範囲であることが好まし
い。次に本発明の第２番目の熱伝導性シリコーンゴムシ
ートは、、シリコーンゴム１００重量部に対し、変性シ
リコーン、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、及び微粉末シリカから選ばれる少なくとも一つのシ
リコーン改質剤を０．１〜５重量部少なくとも含み、均
一に混合され、かつ織布にコーティングされているとと
もに、発熱体と接する面が平滑であるという構成を備え
たものである。
ミック材料及び塩基性金属酸化物の平均粒子直径が、い
ずれも０．１〜２００μｍの範囲であることが好まし
い。次に本発明の第２番目の熱伝導性シリコーンゴムシ
ートは、、シリコーンゴム１００重量部に対し、変性シ
リコーン、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、及び微粉末シリカから選ばれる少なくとも一つのシ
リコーン改質剤を０．１〜５重量部少なくとも含み、均
一に混合され、かつ織布にコーティングされているとと
もに、発熱体と接する面が平滑であるという構成を備え
たものである。
【０００８】次に本発明の第１番目の熱伝導性シリコー
ンゴムシートの製造方法は、シリコーンゴム１００重量
部に対し、窒化硼素を１１０〜１９０重量部と、窒化硼
素と同じ結晶構造をもつセラミック材料または塩基性金
属酸化物を３０〜１５０重量部、加硫剤を０．１〜１０
重量部の範囲添加し、溶剤に溶かしてコーティング溶液
とし、前記コーティング溶液を織布に塗布した後、溶剤
を除去し、しかる後プレス成形することを特徴とする。
ンゴムシートの製造方法は、シリコーンゴム１００重量
部に対し、窒化硼素を１１０〜１９０重量部と、窒化硼
素と同じ結晶構造をもつセラミック材料または塩基性金
属酸化物を３０〜１５０重量部、加硫剤を０．１〜１０
重量部の範囲添加し、溶剤に溶かしてコーティング溶液
とし、前記コーティング溶液を織布に塗布した後、溶剤
を除去し、しかる後プレス成形することを特徴とする。
【０００９】次に本発明の第２番目の熱伝導性シリコー
ンゴムシートの製造方法は、シリコーンゴム１００重量
部に対し、変性シリコーン、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、及び微粉末シリカから選ばれる少
なくとも一つのシリコーン改質剤を０．１〜５重量部添
加し、溶剤に溶かしてコーティング溶液とし、前記コー
ティング溶液を織布に塗布した後、溶剤を除去し、しか
る後プレス成形することを特徴とする。前記において、
変性シリコーンとしては、長鎖アルキル変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコ
ーン、アミノ変性シリコーン等がある。また、シランカ
ップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等がある。また、チタンカップリング剤とし
ては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
ビス（ジオクチルパイロホスフェート）オキシアセテー
トチタネート等がある。また微粉末シリカは、平均粒子
直径が０．１〜２μｍのものが好ましい。
ンゴムシートの製造方法は、シリコーンゴム１００重量
部に対し、変性シリコーン、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、及び微粉末シリカから選ばれる少
なくとも一つのシリコーン改質剤を０．１〜５重量部添
加し、溶剤に溶かしてコーティング溶液とし、前記コー
ティング溶液を織布に塗布した後、溶剤を除去し、しか
る後プレス成形することを特徴とする。前記において、
変性シリコーンとしては、長鎖アルキル変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコ
ーン、アミノ変性シリコーン等がある。また、シランカ
ップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等がある。また、チタンカップリング剤とし
ては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
ビス（ジオクチルパイロホスフェート）オキシアセテー
トチタネート等がある。また微粉末シリカは、平均粒子
直径が０．１〜２μｍのものが好ましい。
【００１０】
【作用】前記本発明の第１発明の構成によれば、シリコ
ーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素を１００〜３０
０重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造をもつセラミック
材料または塩基性金属酸化物を３０〜１５０重量部の範
囲少なくとも含み、均一に混合され、かつ織布にコーテ
ィングされているとともに、発熱体と接する面が平滑で
あることにより、熱伝導性、電気絶縁性、難燃性をも
ち、さらに発熱体基材との密着性に優れた熱伝導性シリ
コーンゴムシートを実現できる。すなわち、コーティン
グ面を平滑にし発熱体基材と密着性を高め効果的に熱を
伝え、さらに熱伝導率の大きい窒化硼素を使用しできる
だけ熱伝導率を大きくしかつ電気絶縁性で難燃性のシリ
コーンゴムシートを得てその特性を利用した放熱体をつ
くることである。また、コーティングすることによって
得た薄膜の密着性を向上させるため、ゴムに添加する塩
基性金属酸化物は窒化硼素と同じ結晶構造をもつものを
使用すると、コーティング面は平滑なものとなり好まし
い。これは、ゴムに添加する塩基性金属化合物が窒化硼
素と同じ結晶構造であると粒子同士の凝集がしにくくす
なわち分散がしやすくなるためコーティング面が平滑に
なる。
ーンゴム１００重量部に対し、窒化硼素を１００〜３０
０重量部と、窒化硼素と同じ結晶構造をもつセラミック
材料または塩基性金属酸化物を３０〜１５０重量部の範
囲少なくとも含み、均一に混合され、かつ織布にコーテ
ィングされているとともに、発熱体と接する面が平滑で
あることにより、熱伝導性、電気絶縁性、難燃性をも
ち、さらに発熱体基材との密着性に優れた熱伝導性シリ
コーンゴムシートを実現できる。すなわち、コーティン
グ面を平滑にし発熱体基材と密着性を高め効果的に熱を
伝え、さらに熱伝導率の大きい窒化硼素を使用しできる
だけ熱伝導率を大きくしかつ電気絶縁性で難燃性のシリ
コーンゴムシートを得てその特性を利用した放熱体をつ
くることである。また、コーティングすることによって
得た薄膜の密着性を向上させるため、ゴムに添加する塩
基性金属酸化物は窒化硼素と同じ結晶構造をもつものを
使用すると、コーティング面は平滑なものとなり好まし
い。これは、ゴムに添加する塩基性金属化合物が窒化硼
素と同じ結晶構造であると粒子同士の凝集がしにくくす
なわち分散がしやすくなるためコーティング面が平滑に
なる。
【００１１】次に前記本発明の第２発明の構成によれ
ば、シリコーン改質剤を添加することによって発熱体基
材との密着性に優れた熱伝導性シリコーンゴムシートを
実現できる。このようにシリコーン改質剤を添加しても
同様に粒子同士の凝集がしにくく、分散がしやすくなる
ためコーティング面が平滑になる。
ば、シリコーン改質剤を添加することによって発熱体基
材との密着性に優れた熱伝導性シリコーンゴムシートを
実現できる。このようにシリコーン改質剤を添加しても
同様に粒子同士の凝集がしにくく、分散がしやすくなる
ためコーティング面が平滑になる。
【００１２】次に本発明の第１〜２番目の製造方法によ
れば、フィラーを添加した組成物を溶剤に希釈し基布に
コーティングし、プレス加熱成形することにより薄膜の
放熱体を効率よく合理的に製造することができる。
れば、フィラーを添加した組成物を溶剤に希釈し基布に
コーティングし、プレス加熱成形することにより薄膜の
放熱体を効率よく合理的に製造することができる。
【００１３】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明に用いられるシリコーンゴムは、有機
過酸化物で加硫できるものが最も好ましく、塩基白金酸
などの触媒を用いて加硫できるものでもよく、さらに室
温硬化型のシリコーンゴムでもよい。加硫剤としては有
機過酸化物が代表的でありベンゾイルパーオキサイド、
ビス−２，４−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキ
サイドなど、あるいはレドックス試薬やフェントン試
薬、塩化白金酸などを用いてもよく、一種あるいは二種
類以上組み合せて使用してよい。
説明する。本発明に用いられるシリコーンゴムは、有機
過酸化物で加硫できるものが最も好ましく、塩基白金酸
などの触媒を用いて加硫できるものでもよく、さらに室
温硬化型のシリコーンゴムでもよい。加硫剤としては有
機過酸化物が代表的でありベンゾイルパーオキサイド、
ビス−２，４−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキ
サイドなど、あるいはレドックス試薬やフェントン試
薬、塩化白金酸などを用いてもよく、一種あるいは二種
類以上組み合せて使用してよい。
【００１４】シリコーンゴムに添加する塩基性金属酸化
物は、窒化硼素と同じ結晶状態であるものが好ましい。
すなわち六方最密充てん構造の窒化硼素を用いる場合、
併用する塩基性金属酸化物も六方最密充てん構造のもの
が好ましく、立方最密充てん構造の窒化硼素を用いる場
合、併用する塩基性金属酸化物も立方最密充てん構造の
ものが好ましい。六方最密充てん構造の塩基性金属酸化
物としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などがあり、
立方最密充てん構造の塩基性金属酸化物としては酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムなどがあり、一種あるいは
二種以上組み合せて使用してもよい。セラミック材料で
ある窒化物、炭化物についても六方最密充てん構造の物
質としては炭化タングステン、窒化ベリリウム、窒化ア
ルミニウム、窒化タンタルなどがあり、立方最密充てん
構造の物質としては炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ニオ
ブ、窒化チタンなどがあり一種あるいは二種以上組み合
せて使用してもよい。さらに添加物質としてはここに挙
げた以外にも使用できる。塩基性金属酸化物は、水と反
応させたときのＧｉｂｂｓの標準自由エネルギーが−１
７０ｋＪ／ｍｏｌ〜０の値をもつものが好ましく、この
値が負に大きいほど難燃性が付与できる。
物は、窒化硼素と同じ結晶状態であるものが好ましい。
すなわち六方最密充てん構造の窒化硼素を用いる場合、
併用する塩基性金属酸化物も六方最密充てん構造のもの
が好ましく、立方最密充てん構造の窒化硼素を用いる場
合、併用する塩基性金属酸化物も立方最密充てん構造の
ものが好ましい。六方最密充てん構造の塩基性金属酸化
物としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などがあり、
立方最密充てん構造の塩基性金属酸化物としては酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムなどがあり、一種あるいは
二種以上組み合せて使用してもよい。セラミック材料で
ある窒化物、炭化物についても六方最密充てん構造の物
質としては炭化タングステン、窒化ベリリウム、窒化ア
ルミニウム、窒化タンタルなどがあり、立方最密充てん
構造の物質としては炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ニオ
ブ、窒化チタンなどがあり一種あるいは二種以上組み合
せて使用してもよい。さらに添加物質としてはここに挙
げた以外にも使用できる。塩基性金属酸化物は、水と反
応させたときのＧｉｂｂｓの標準自由エネルギーが−１
７０ｋＪ／ｍｏｌ〜０の値をもつものが好ましく、この
値が負に大きいほど難燃性が付与できる。
【００１５】またシリコーンゴムの性能を低下させるよ
うな塩基性金属酸化物は使用しないことが好ましい。例
としては酸化アンチモンがあるがここに挙げた限りでは
ない。
うな塩基性金属酸化物は使用しないことが好ましい。例
としては酸化アンチモンがあるがここに挙げた限りでは
ない。
【００１６】塩基性金属酸化物はそれ自体で電気絶縁性
が優れたものが好ましく、窒化物や炭化物などのセラミ
ック材料も同様である。窒化硼素の粒径は０．１〜２０
０μｍ、塩基性金属酸化物の粒径は０．１〜２００μ
ｍ、窒化物、炭化物などのセラミック材料の粒径は、
Ｏ．１〜２００μｍの範囲であり、できるだけ粒径のそ
ろったものを使用することがコーティング面を平滑にす
るので好ましい。
が優れたものが好ましく、窒化物や炭化物などのセラミ
ック材料も同様である。窒化硼素の粒径は０．１〜２０
０μｍ、塩基性金属酸化物の粒径は０．１〜２００μ
ｍ、窒化物、炭化物などのセラミック材料の粒径は、
Ｏ．１〜２００μｍの範囲であり、できるだけ粒径のそ
ろったものを使用することがコーティング面を平滑にす
るので好ましい。
【００１７】シリコーン改質剤を用いて密着性を向上し
ようとする場合には、窒化硼素と同じ結晶構造の塩基性
金属酸化物や窒化物、炭化物などのセラミック材料を用
いなくてもよい。シリコーン改質剤としては変性シリコ
ーン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、
微粉末シリカを用いるのが好ましいがここに挙げた限り
ではない。
ようとする場合には、窒化硼素と同じ結晶構造の塩基性
金属酸化物や窒化物、炭化物などのセラミック材料を用
いなくてもよい。シリコーン改質剤としては変性シリコ
ーン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、
微粉末シリカを用いるのが好ましいがここに挙げた限り
ではない。
【００１８】コーティング基材としては織布がよく、繊
維材質としてはガラス、シリカ、フッ素、ポリエステ
ル、ポリアミド、アラミドなどの向き繊維、合成繊維な
どがある。これらは一種あるいは二種以上組み合わせて
用いてもよい。織り方は朱子織、あや織などが好ましい
がここに挙げた限りではない。
維材質としてはガラス、シリカ、フッ素、ポリエステ
ル、ポリアミド、アラミドなどの向き繊維、合成繊維な
どがある。これらは一種あるいは二種以上組み合わせて
用いてもよい。織り方は朱子織、あや織などが好ましい
がここに挙げた限りではない。
【００１９】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 （実施例１）下記の材料を混合分散してガラス繊維の織
布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム（東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製）ＳＥ１１８５Ｕ：１００重量部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化アルミニウム（昭和電工株式会社製）：１００
重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-1（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 ガラス繊維の織布にコーティングしたのち、溶剤を乾燥
除去し、次いでプレス成形法により加硫を２００℃、４
時間行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴムシートを
得た。得られたゴムシートの熱伝導率は３．３５Ｗ／ｍ
・Ｋで、難燃性は９４Ｖ−０程度であった。また表面は
平滑であった。
るが、本発明はこれらに限定されない。 （実施例１）下記の材料を混合分散してガラス繊維の織
布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム（東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製）ＳＥ１１８５Ｕ：１００重量部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化アルミニウム（昭和電工株式会社製）：１００
重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-1（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 ガラス繊維の織布にコーティングしたのち、溶剤を乾燥
除去し、次いでプレス成形法により加硫を２００℃、４
時間行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴムシートを
得た。得られたゴムシートの熱伝導率は３．３５Ｗ／ｍ
・Ｋで、難燃性は９４Ｖ−０程度であった。また表面は
平滑であった。
【００２０】（実施例２）下記の材料を混合分散してガ
ラス繊維の織布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 窒化アルミニウム（共立窯業原料株式会社製）：１
００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-2（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。熱伝導率は３．９６Ｗ／ｍ・Ｋで、難燃
性は９４Ｖ−０程度であった。
ラス繊維の織布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 窒化アルミニウム（共立窯業原料株式会社製）：１
００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-2（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。熱伝導率は３．９６Ｗ／ｍ・Ｋで、難燃
性は９４Ｖ−０程度であった。
【００２１】（実施例３）下記材料を混合分散してガラ
ス繊維の織布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化マグネシウム（和光純薬工業株式会社製）：１
００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-2（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 (6) シリコーン改質剤 ＤＣ１１ＰＡ（ダウコーニング
株式会社）：２重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。
ス繊維の織布にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化マグネシウム（和光純薬工業株式会社製）：１
００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-2（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 (6) シリコーン改質剤 ＤＣ１１ＰＡ（ダウコーニング
株式会社）：２重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。
【００２２】得られたゴムシートの熱伝導率は３．４３
Ｗ／ｍ・ｋで、難燃性は９４Ｖ−０程度であった。また
表面は平滑であった。 （比較例１）下記材料を混合分散してガラス繊維の織布
にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化マグネシウム （和光純薬工業株式会社製）：
１００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-1（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。
Ｗ／ｍ・ｋで、難燃性は９４Ｖ−０程度であった。また
表面は平滑であった。 （比較例１）下記材料を混合分散してガラス繊維の織布
にコーティングした。 (1) 熱加硫型シリコーンゴム ＳＥ１１８５Ｕ（東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製）：１００重量
部 (2) 窒化硼素（平均粒径；１５０μｍ）（昭和電工株式
会社製）：１９０重量部 (3) 酸化マグネシウム （和光純薬工業株式会社製）：
１００重量部 (4) キシレン：３９０重量部 (5) 加硫剤 RC-1（東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製）：４重量部 コーティングしたのち、プレス成形法で加硫を２００
℃、４時間で行ない、２００μｍ厚さのシリコーンゴム
シートを得た。
【００２３】得られたゴムシートの熱伝導率は３．１０
Ｗ／ｍ・Ｋ、で難燃性は９４Ｖ−０程度であった。しか
し表面はフィラーが凝集したものがところどころに確認
でき平滑でなかった。
Ｗ／ｍ・Ｋ、で難燃性は９４Ｖ−０程度であった。しか
し表面はフィラーが凝集したものがところどころに確認
でき平滑でなかった。
【００２４】以上の結果を表１に示す。
【００２５】
【表１】
【００２６】表１から明らかな通り、本発明のコーティ
ング面を平滑にすることによって密着性の優れた熱伝導
性、電気絶縁性、難燃性をもつシリコーンゴム組成物で
あることが確認できた。
ング面を平滑にすることによって密着性の優れた熱伝導
性、電気絶縁性、難燃性をもつシリコーンゴム組成物で
あることが確認できた。
【００２７】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、シ
リコーンゴムに添加する窒化硼素と同じ結晶構造をもつ
窒化物や炭化物などのセラミック材料や塩基性金属酸化
物を用いそれらの混合物を溶剤に溶かし織布にコーティ
ングすることによってコーティング面が平滑になり密着
性が向上しそのため熱を効率的に伝えることができ熱伝
導性が大きくなり、さらに電気絶縁性も向上した。また
シリコーン改質剤を用いても同様の結果となった。
リコーンゴムに添加する窒化硼素と同じ結晶構造をもつ
窒化物や炭化物などのセラミック材料や塩基性金属酸化
物を用いそれらの混合物を溶剤に溶かし織布にコーティ
ングすることによってコーティング面が平滑になり密着
性が向上しそのため熱を効率的に伝えることができ熱伝
導性が大きくなり、さらに電気絶縁性も向上した。また
シリコーン改質剤を用いても同様の結果となった。
Claims (6)
- 【請求項１】 シリコーンゴム１００重量部に対し、窒
化硼素を１００〜３００重量部と、窒化硼素と同じ結晶
構造をもつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３
０〜１５０重量部の範囲少なくとも含み、均一に混合さ
れ、かつ織布にコーティングされているとともに、発熱
体と接する面が平滑である熱伝導性シリコーンゴムシー
ト。 - 【請求項２】 窒化硼素と同じ結晶構造をもつ塩基性金
属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、炭化タングステン、窒化ベリ
リウム、窒化アルミニウム、窒化タンタル、炭化チタ
ン、炭化ホウ素、窒化ニオブ、及び窒化チタンから選ば
れる少なくとも一つの物質である請求項１に記載の熱伝
導性シリコーンゴムシート。 - 【請求項３】 窒化硼素、セラミック材料及び塩基性金
属酸化物の平均粒子直径が、いずれも０．１〜２００μ
ｍの範囲である請求項１に記載の熱伝導性シリコーンゴ
ムシート。 - 【請求項４】 シリコーンゴム１００重量部に対し、変
性シリコーン、シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤、及び微粉末シリカから選ばれる少なくとも一つ
のシリコーン改質剤を０．１〜５重量部少なくとも含
み、均一に混合され、かつ織布にコーティングされてい
るとともに、発熱体と接する面が平滑である熱伝導性シ
リコーンゴムシート。 - 【請求項５】 シリコーンゴム１００重量部に対し、窒
化硼素を１１０〜１９０重量部と、窒化硼素と同じ結晶
構造をもつセラミック材料または塩基性金属酸化物を３
０〜１５０重量部、加硫剤を０．１〜１０重量部の範囲
添加し、溶剤に溶かしてコーティング溶液とし、前記コ
ーティング溶液を織布に塗布した後、溶剤を除去し、し
かる後プレス成形することを特徴とする熱伝導性シリコ
ーンゴムシートの製造方法。 - 【請求項６】 シリコーンゴム１００重量部に対し、変
性シリコーン、シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤、及び微粉末シリカから選ばれる少なくとも一つ
のシリコーン改質剤を０．１〜５重量部添加し、溶剤に
溶かしてコーティング溶液とし、前記コーティング溶液
を織布に塗布した後、溶剤を除去し、しかる後プレス成
形することを特徴とする熱伝導性シリコーンゴムシート
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5304256A JPH07157664A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 熱伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5304256A JPH07157664A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 熱伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07157664A true JPH07157664A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17930872
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5304256A Pending JPH07157664A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 熱伝導性シリコーンゴムシート及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07157664A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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1993
- 1993-12-03 JP JP5304256A patent/JPH07157664A/ja active Pending
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