JP2001168573A - 熱伝導性電磁波シールドシート - Google Patents

熱伝導性電磁波シールドシート

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JP2001168573A
JP2001168573A JP34455199A JP34455199A JP2001168573A JP 2001168573 A JP2001168573 A JP 2001168573A JP 34455199 A JP34455199 A JP 34455199A JP 34455199 A JP34455199 A JP 34455199A JP 2001168573 A JP2001168573 A JP 2001168573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱伝導性と電磁波シールド性の両方を兼ね備
え、加工性、生産性、形状保持性、導電性に優れた熱伝
導性電磁波シールドシート 【解決手段】短繊維状ピッチ系炭素繊維を充填した導電
性シリコーンゴム層の少なくとも片面に、熱伝導性充填
剤を充填した絶縁性シリコーンゴム層を積層した熱伝導
性電磁波シールドシートの内部あるいは表面に、金属で
被覆された樹脂繊維のシート状物を積層した

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱性のある電子
部品からの熱を金属等の放熱体に拡散させ、かつ電磁波
ノイズをシールドする熱伝導性電磁波シールドシートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発熱素子の熱拡散方法として、発
熱素子と放熱体の間に熱伝導性シリコーングリースや柔
軟性のある熱伝導性シリコーンゴムを介在させることに
より接触熱抵抗を下げる構造がとられている。硬度の低
い熱伝導性シリコーンゴムを用いると、発熱素子と放熱
体の圧着に伴う変形や損傷を防ぎ、大きさ、高さの異な
る発熱素子を高密度で実装する際の凹凸を吸収すること
ができる。
【0003】一方、近年の通信情報技術の進展により多
くの電子情報機器が使用されており、放射された電磁波
が電子機器の誤動作の原因になるとして、機器や素子か
らの不要輻射ノイズの低減や外来ノイズからの保護が強
く要求されている。さらに、携帯電話、パソコン、ゲー
ム機等から発生する電磁波が人体に悪影響を及ぼす可能
性が指摘されており、電磁波をシールドする材料や方法
が検討されている。電磁波シールド体としては、金属の
板、箔、メッシュ、導電性の皮膜、導電性充填剤を混入
した複合材、メッキ、蒸着、塗装等による導電性表面処
理物が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの電磁波シール
ド体は表面が非常に硬く、密着性が悪いために放熱材と
しては別の部品が必要となる。また、金属の板等は比重
が高く電子機器の軽量化を妨げる原因となっており、導
電性の皮膜や導電性表面処理はコストがかかり生産性の
悪さが問題となっていた。
【0005】従来、導電性材料を複合化した熱伝導性シ
ートが提案されている。例えば、特開平6−29122
6号公報には金属箔と特定硬度の放熱シリコーンシート
の積層体、特開平7−14950号公報には金属製の網
目状物等を有する特定硬度のシリコーン放熱シート、特
開平9−55456号公報には高い熱伝導率の金属から
なる金網を備えた伝熱性シートを用いた半導体装置の冷
却構造が記述されている。
【0006】これらの熱伝導性シートは高い熱伝導性を
目的としており、電磁波シールド性を求めて開発された
ものではなく、十分な電磁波シールド特性は得られな
い。また、金属箔や金網を用いているため裁断や折り曲
げ加工の際に破損してしまうなど生産性に問題があっ
た。
【0007】特公平5−17720号公報では導電性ポ
リマーをスクリーン印刷で作製し両面に電気絶縁層を積
層した放熱シールドシートが提案されている。このシー
トは金属箔や金網ではなく導電性ポリマーを使用するこ
とで裁断や折り曲げ加工時の生産性の問題を回避するこ
とができる。しかしながら、導電層がスクリーン印刷可
能な材料に限定されるために十分な電磁波シールド特性
を発現できないという問題があった。さらに、導電層の
両面に電気絶縁層があるためシートと機器の零ボルト電
力線路との電気的接触が不確実であり、電磁波シールド
特性を確実に得ることが難しい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、熱伝導性と電磁波シールド性の両
方を兼ね備え、加工性、生産性、形状保持性、導電性に
優れた熱伝導性電磁波シールドシートを提供するもので
ある。
【0009】すなわち、短繊維状ピッチ系炭素繊維を充
填した導電性シリコーンゴム層の少なくとも片面に、熱
伝導性充填剤を充填した絶縁性シリコーンゴム層を積層
した熱伝導性電磁波シールドシートの内部あるいは表面
に、金属で被覆された樹脂繊維のシート状物を有する熱
伝導性電磁波シールドシートである。さらに、樹脂繊維
のシート状物の金属被覆が、無電解メッキ法、物理的蒸
着法あるいは金属を含有した塗料でなされている熱伝導
性電磁波シールドシートである。さらに、短繊維状ピッ
チ系炭素繊維を充填した導電性シリコーンゴム層の少な
くとも片面に、熱伝導性充填剤を配合した絶縁性シリコ
ーンゴム層を積層した熱伝導性電磁波シールドシートの
内部あるいは表面に導電性繊維と樹脂繊維の混合物から
なるシート状物を有する熱伝導性電磁波シールドシート
である。
【0010】さらに、導電性繊維が金属繊維、金属で被
覆された樹脂繊維、炭素繊維、金属で被覆された炭素繊
維から選ばれる少なくとも1種である熱伝導性電磁波シ
ールドシートである。さらに、金属が、銅、ニッケル、
銀、クロム、金、錫、鉄、アルミニウムより選ばれる少
なくとも1種である熱伝導性電磁波シールドシートであ
る。さらに、熱伝導性充填剤を充填した絶縁性シリコー
ンゴム層の硬化後の硬度がアスカーC硬度で30未満で
ある熱伝導性電磁波シールドシートである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における熱伝導性電磁波シ
ールドシートは、熱伝導性が高く導電性のある短繊維状
ピッチ系炭素繊維を充填した導電性シリコーンゴム層の
少なくとも片面に、熱伝導性充填剤を配合した絶縁性の
シリコーンゴム層を積層した熱伝導性電磁波シールドシ
ートの内部あるいは表面に電磁波シールド性を有するシ
ート状物として、金属で被覆された樹脂繊維のシート状
物、または導電性繊維と樹脂繊維の混合物からなるシー
ト状物を設けることにより、電磁波シールド性と形状保
持性を付与した熱伝導性電磁波シールドシートである。
さらに、発熱素子と放熱体の圧着に伴う変形や損傷を防
ぎ、接触面積を大きくし接触熱抵抗を下げるために、熱
伝導性充填剤を充填した絶縁性のシリコーンゴム層の硬
化後の硬度がアスカーC硬度で30未満である熱伝導性
電磁波シールドシートである。なお、アスカーC硬度と
は、SRIS 0101(日本ゴム協会規格)およびJ
IS S6050に基づき、スプリング式硬さ試験機ア
スカーC型を使用して測定した硬さである。
【0012】以下、本発明に関してさらに詳しく説明す
る。本発明で用いるピッチ系炭素繊維としては、石油系
あるいは石炭系に限らず光学的異方性ピッチと光学的等
方性ピッチに区別されるうち、高強度、高弾性率であり
かつ耐薬品性、耐高温酸化性に優れた光学的異方性ピッ
チを用いることが好ましい。さらには、光学的異方性ピ
ッチを原料として1500〜3000℃程で熱処理を行
った黒鉛化ピッチが繊維長方向に高い熱伝導率を有する
ため好ましい。ただし、熱処理は短繊維状にする前の繊
維に行っても短繊維状にした後で行っても構わない。
【0013】また、シリコーンゴムとのぬれ性を向上さ
せるため、ピッチ系炭素繊維に、電解酸化、UV改質、
コロナ改質、カップリング剤塗布等の表面処理を施して
も構わない。短繊維の繊維長としては特に限定するもの
ではないが、平均長20μm〜1mmの範囲がマトリッ
クス樹脂に充填し易く好ましい。平均長が20μmより
も短いとかさ比重が小さくなり、マトリックス樹脂への
充填が困難となって作業性が低下するため適さない。平
均長が1mmを超えると繊維同士が絡まりあって高充填
できず、硬化後の熱伝導性シート表面に凹凸を生じてし
まうため適さない。
【0014】本発明におけるマトリックス樹脂として
は、シリコーンゴム、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フ
ッ素ゴム等が挙げられるが、加工性に優れ、耐熱性が高
く、物性値の温度依存性の小さいシリコーンゴムが好ま
しい。さらにシリコーンゲルを用いることで硬度の低い
シリコーンゴム層とすることができる。このようなシリ
コーンゴム及びシリコーンゲルは、公知のポリオルガノ
シロキサンを硬化することによって得られる。
【0015】硬化方法については限定するものではな
く、有機過酸化物によるラジカル反応、ビニル基を含む
ポリオルガノシロキサンとケイ素原子に結合した水素原
子を有するオルガノハイドロジェンと白金系触媒とから
なる付加反応、縮合反応等が挙げられる。その中でも、
液状の付加反応型ポリオルガノシロキサンを用いると成
形性、柔軟性等に優れるため好ましい。また、補強性シ
リカや難燃剤、着色剤、耐熱性向上剤、接着助剤、粘着
剤、可塑剤、オイル、硬化遅延剤等を添加しても良い。
【0016】本発明における熱伝導性シートの成形方法
は限定するものではないが、プレス成形、射出成形、押
出成形、カレンダー成形、ロール成形、ドクターブレー
ド成形、印刷等が挙げられる。
【0017】本発明において、熱伝導性充填剤とは熱伝
導性の優れる酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒
化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭
化ケイ素、フェライト等の金属酸化物、金属窒化物、金
属炭化物、金属水酸化物や、銀、金、銅、アルミニウ
ム、マグネシウム等の金属や合金、並びにダイヤモンド
やグラファイトから選ばれる少なくとも一種の球状、粉
体状、繊維状、針状、鱗片状、ペレット状の充填剤が挙
げられる。その中でも、電気絶縁性に優れる酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニ
ウム、炭化ケイ素、水酸化アルミニウムから選ばれる少
なくとも一種の熱伝導性充填剤が好ましい。
【0018】さらに熱伝導性充填剤の表面を公知のカッ
プリング剤等にて表面処理することによって、分散性を
向上することが可能である。熱伝導性充填剤の配合量と
しては、熱伝導性充填剤およびポリオルガノシロキサン
の種類によっても異なるけれども、50〜95wt%が
好ましい。50wt%より少ないと熱伝導率が低く、9
5wt%よりも多いとポリオルガノシロキサンへの充填
性が劣り、粘度が上昇して加工性が悪化するので不適で
ある。本発明にて用いる電磁波シールド性を有するシー
ト状物として、金属で被覆された樹脂繊維のシート状物
が使用できる。
【0019】さらに本発明にて用いる電磁波シールド性
を有するシート状物として、導電性繊維と樹脂繊維の混
合物からなるシート状物が使用できる。導電性繊維には
金属繊維、金属で被覆された樹脂繊維、炭素繊維、金属
で被覆された炭素繊維、金属で被覆されたガラス繊維が
挙げられる。導電性繊維と樹脂繊維の混合物からなるシ
ート状物を用いることで、導電性繊維単体よりも柔軟性
のあるシート状物となり、また、導電性繊維と樹脂繊維
の混合物をシート状に加工する通常の手法にて製造する
ことができる。例えば、特公平6−55467号公報に
記載されている抄紙方法によっても得ることができる。
【0020】樹脂繊維の材質については特に限定するも
のではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、芳香族
ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、アク
リル繊維、オレフィン系繊維、ビニル系繊維、フェノー
ル繊維、含フッ素繊維、ポリフェニレンスルフィド繊
維、ポリウレタン繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、
木綿等の通常の繊維が使用できる。金属繊維としては、
ステンレス繊維、ステンレススチール繊維、ニッケル繊
維、銅繊維、アルミニウム繊維、クロム繊維、真鍮繊
維、青銅繊維などが挙げられる。
【0021】本発明にて用いる電磁波シールド性を有す
るシート状物を構成する樹脂繊維、炭素繊維、ガラス繊
維に被覆される金属は特定するものではないが、電磁波
シールド性の良好な銅、ニッケル、銀、クロム、金、
錫、鉄、アルミニウムより選ばれる少なくとも1種であ
ることが好ましい。また、これらの金属からなる合金を
使用することができる。被覆の方法は限定するものでは
なく、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着法やス
パッタリング法などの物理的蒸着法、あるいは金属を含
有した塗料による被覆が挙げられるが、このうち無電解
メッキ法は均一に被覆でき比較的安価な方法である。複
数種の金属で被覆してもよいし、被覆層が複数層となっ
てもよい。また、金属被覆処理はシート状に加工する前
に行ってもシート状にした後で行っても構わない。
【0022】本発明の樹脂繊維のシート状物、または導
電性繊維と樹脂繊維の混合物からなるシート状物の形状
は、織布、不織布、網目状物、メッシュ状物、抄紙状
物、フィルム等が挙げられる。なかでも織布、不織布、
網目状物、メッシュ状物の比較的開口度の大きい物を用
いれば、開口部分にシリコーンゴムが入り込み補強性が
向上する。さらに、シリコーンゴムとのぬれ性を向上す
るため、樹脂繊維のシート状物に電解酸化、UV改質、
コロナ改質、カップリング剤塗布、プライマー塗布等の
表面処理を施しても構わない。
【0023】以下の実施例にて、本発明の熱伝導性電磁
波シールドシートを具体的に説明する。得られた熱伝導
性シートの各実施例と比較例の熱伝導率は、迅速熱伝導
率計(京都電子工業株式会社製 QTM−500)で測
定した。電磁波シールド効果はアドバンテスト法によっ
て測定し、5回測定後の最大値、平均値と標準偏差を求
めた。測定の結果を比重と共に表1に示す。形状追随性
は、高さが異なる半導体素子を実装した基板の上部に得
られた熱伝導性電磁波シールドシートを配置して放熱器
と接触させ、形状追随性が良好なものを○、追随性が劣
るものを×として示した。結果を表1にまとめた。
【0024】
【実施例1】図1に本発明の実施例1の熱伝導性電磁波
シールドシートの構成の断面図を示す。短繊維状ピッチ
系炭素繊維(株式会社ペトカ製 メルブロンミルド)1
を60wt%充填した液状の付加反応型シリコーンゴム
(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ドクターブレー
ド成形によりシーティングして導電性シリコーンゴム層
4とし、その片面に、電磁波シールド性を有するシート
状物として金属で被覆された樹脂繊維のシート状物であ
る、Cu−Ni被覆されたPET繊維不織布(セーレン
株式会社製 Sui−80−301)3を積層し、さら
に不織布側に、熱伝導性充填剤として酸化アルミニウム
(昭和電工株式会社製 球状アルミナAS−20)を8
0wt%配合した液状の付加反応型シリコーンゲル(G
E東芝シリコーン株式会社製)2を、ドクターブレード
成形によりシーティングして絶縁性シリコーンゴム層5
とした後、加熱硬化させ、厚さ1.0mmの熱伝導性電
磁波シールドシートを得た。図2には、導電性シリコー
ンゴム層4を電磁波シールド性を有するシート状物3の
両面に積層したものを示す。
【0025】
【実施例2】電磁波シールド性を有するシート状物とし
て金属で被覆された樹脂繊維のシート状物である、Cu
−Ni被覆されたPET繊維網目状物(セーレン株式会
社製Sui−10−26)3を用いた以外は実施例1と
同様にして、厚さ1.0mmの熱伝導性電磁波シールド
シートを得た。
【0026】
【実施例3】図4に本発明の実施例3の熱伝導性電磁波
シールドシートの構成の断面図を示す。実施例1で得ら
れた熱伝導性電磁波シールドシートの導電性シリコーン
ゴム層4側に、熱伝導性充填剤2を配合した絶縁性シリ
コーンゴム層5を積層した後、加熱硬化させ、厚さ1.
3mmの熱伝導性電磁波シールドシートを得た。
【0027】
【実施例4】図3に本発明の実施例4の熱伝導性電磁波
シールドシートの構成の断面図を示す。短繊維状ピッチ
系炭素繊維(株式会社ペトカ製 メルブロンミルド)1
を60wt%充填した液状の付加反応型シリコーンゴム
(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ドクターブレー
ド成形によりシーティングして導電性シリコーンゴム層
4とし、さらに片面に電磁波シールド性を有するシート
状物として、導電性繊維としてステンレススチール繊維
と、樹脂繊維としてアラミド繊維との混合物を用いて抄
紙されたシート状物(三島製紙株式会社製 オーテック
EMS)3を積層し、さらに導電性シリコーンゴム層4
側に、熱伝導性充填剤2として酸化アルミニウム(昭和
電工株式会社製 球状アルミナAS−20)を80wt
%充填した液状の付加反応型シリコーンゲル(GE東芝
シリコーン株式会社製)を、ドクターブレード成形によ
りシーティングして絶縁性シリコーンゴム層5とした
後、加熱硬化させ、厚さ1.0mmの熱伝導性電磁波シ
ールドシートを得た。
【0028】
【実施例5】電磁波シールド性を有するシート状物とし
て、導電性繊維としてニッケルをメッキして被覆した炭
素繊維(東邦レーヨン株式会社製 ベスファイトMC)
と、樹脂繊維としてアラミド繊維との混合物を用いて抄
紙されたシート状物3を積層し、他の構成は実施例1と
同様にして、厚さ1.0mmの熱伝導性電磁波シールド
シートを得た。
【0029】
【比較例1】液状の付加反応型シリコーンゲル(GE東
芝シリコーン株式会社製)に酸化アルミニウム粉末(昭
和電工株式会社製 球状アルミナAS−20)を80w
t%充填したシリコーンコンパウンドを、ドクターブレ
ード成形によりシーティングして加熱硬化させ、硬度が
アスカーC硬度27で、厚さ1.0mmの熱伝導性シー
トを得た。
【0030】
【比較例2】比較例1で用いたシリコーンコンパウンド
の片面に厚さ15μmのアルミ箔を積層した後加熱硬化
させ、厚さ1.0mmの熱伝導性電磁波シールドシート
を得た。
【0031】
【比較例3】金属で被覆された樹脂繊維のシート状物で
あるCu−Ni被覆されたPET繊維不織布(セーレン
株式会社製 Sui−80−301)の両面に、比較例
1で用いたシリコーンコンパウンドをドクターブレード
成形により積層した後加熱硬化させ、厚さ1.0mmの
熱伝導性電磁波シールドシートを得た。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、比較例1は形状追随性
に優れるけれども熱伝導性が低く、電磁波シールド効果
はほとんど無い。比較例2は電磁波シールド効果は大き
いけれども、アルミ箔の形状追随性が悪く、折り曲げ加
工や裁断加工等の作業性が悪く、大きさ、高さの異なる
発熱素子の凹凸を吸収することができない。
【0034】また、比較例3は電磁波シールド効果の最
大値は大きいけれども、導電層が非常に薄いためにシー
トと機器の零ボルト電力線路との電気的接触が不確実で
あり、値にバラツキが生じて電磁波シールド特性を確実
に得ることが難しい。さらに、比較例1〜3は添加する
熱伝導性充填剤の比重が大きいために得られた熱伝導性
シートの比重も大きくなり、電子機器の軽量化を妨げる
要因となってしまう。
【0035】
【発明の効果】本発明の熱伝導性電磁波シールドシート
は、短繊維状ピッチ系炭素繊維を充填した導電性シリコ
ーンゴム層と、熱伝導性充填剤を充填した絶縁性シリコ
ーンゴム層とを積層してなり、内部あるいは表面に金属
で被覆された樹脂繊維のシート状物、または導電性繊維
と樹脂繊維の混合物からなるシート状物を有することに
よって、高い熱伝導性と電磁波シールド性を有し、柔軟
なシリコーンゴムを使用しているために形状追随性に優
れている。
【0036】また、ピッチ系炭素繊維の比重が小さいた
めに得られた熱伝導性シートの比重も小さくなってい
る。さらに、樹脂繊維のシート状物および導電性繊維と
樹脂繊維の混合物からなるシート状物が補強材の役割も
果たし、作業性と形状保持性に優れたものとなる。さら
に、短繊維状ピッチ系炭素繊維を充填した導電性シリコ
ーンゴム層を積層することで安定して金属放熱体や筐体
と電気的に接触させることが可能となり、電磁波シール
ド効果の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱伝導性電磁波シールドシートの断面
図の例を示す。
【図2】本発明の熱伝導性電磁波シールドシートの断面
図の例を示す。
【図3】本発明の熱伝導性電磁波シールドの断面図の例
を示す。
【図4】本発明の熱伝導性電磁波シールドの断面図の例
を示す。
【符号の説明】
1 短繊維状ピッチ系炭素繊維 2 熱伝導性充填剤 3 電磁波シールド性を有するシート状物 4 導電性シリコーンゴム層 5 絶縁性シリコーンゴム層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短繊維状ピッチ系炭素繊維を充填した導電
    性シリコーンゴム層の少なくとも片面に、熱伝導性充填
    剤を配合した絶縁性シリコーンゴム層を積層した熱伝導
    性電磁波シールドシートの内部あるいは表面に、金属で
    被覆された樹脂繊維のシート状物を有する熱伝導性電磁
    波シールドシート。
  2. 【請求項2】樹脂繊維のシート状物の金属被覆が、無電
    解メッキ法、物理的蒸着法あるいは金属を含有した塗料
    でなされている請求項1に記載の熱伝導性電磁波シール
    ドシート。
  3. 【請求項3】短繊維状ピッチ系炭素繊維を充填した導電
    性シリコーンゴム層の少なくとも片面に、熱伝導性充填
    剤を配合した絶縁性シリコーンゴム層を積層した熱伝導
    性電磁波シールドシートの内部あるいは表面に、導電性
    繊維と樹脂繊維の混合物からなるシート状物を有する熱
    伝導性電磁波シールドシート。
  4. 【請求項4】導電性繊維が金属繊維、金属で被覆された
    樹脂繊維、炭素繊維、金属で被覆された炭素繊維から選
    ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の熱伝導性
    電磁波シールドシート。
  5. 【請求項5】金属が、銅、ニッケル、銀、クロム、金、
    錫、鉄、アルミニウムより選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性電磁波シー
    ルドシート。
  6. 【請求項6】熱伝導性充填剤を配合した絶縁性シリコー
    ンゴム層の硬化後の硬度がアスカーC硬度で30未満で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性電磁波シ
    ールドシート。
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Cited By (20)

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