JP2000124660A - 熱伝導性電磁波シールドシート - Google Patents

熱伝導性電磁波シールドシート

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JP2000124660A
JP2000124660A JP10288604A JP28860498A JP2000124660A JP 2000124660 A JP2000124660 A JP 2000124660A JP 10288604 A JP10288604 A JP 10288604A JP 28860498 A JP28860498 A JP 28860498A JP 2000124660 A JP2000124660 A JP 2000124660A
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JP
Japan
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heat
electromagnetic wave
wave shielding
metal
heat conductive
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JP10288604A
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English (en)
Inventor
Masayuki Hida
雅之 飛田
Natsuko Ishihara
奈津子 石原
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Polymatech Co Ltd
Original Assignee
Polymatech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性と電磁波シールド特性が優れ、発熱
する素子への形状追随性、加工性及び生産性を兼ね備え
た熱伝導性電磁波シールドシート 【解決手段】 熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴ
ム層と金属で被覆されたポリベンザゾール繊維性の基布
からなる熱伝導性電磁波シールドシートとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器から発生
する熱を放散させ、かつ電磁波ノイズをシールドする熱
伝導性電磁波シールドシートに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器の高性能化、小型化にと
もなう高密度実装やLSIの高集積化、高速化などによ
って、電子機器から発生する熱対策が非常に重要な課題
になっている。通常、発熱する素子の熱拡散用として、
熱源と放熱器の間や熱源と金属製伝熱板の間には、接触
熱抵抗を下げる目的で熱伝導率の大きなシリコーングリ
スや柔軟性のある熱伝導性シリコーンゴム材料を介在さ
せている。
【0003】また、大きさ、高さが異なる発熱する素子
が高密度で実装されるので、さまざまな間隙を埋めるこ
とが可能な熱伝導性材料が要求され、柔軟で形状追随性
のある高熱伝導性シリコーンゴムシートが検討されてい
る。一方、携帯電話やテレビ、パソコン、家電製品など
から発生する電磁波によるさまざまな障害が問題とな
り、この電磁波をシールドする材料や方法が切望されて
いる。電磁波シールド材料としては、銅、ニッケル、ク
ロム、アルミニウム、ステンレスなどの金属製の箔体を
複合したり、塗装、メッキ、蒸着などの方法で筐体や部
品を処理して金属膜を形成したり、金属繊維や金属充填
剤を混練した各種高分子材料やマグネシウム合金などで
筐体や部品を成形するなどの方法が検討されている。
【0004】従来、導電性材料を複合化したいくつかの
熱伝導性シートが提唱されている。たとえば、特開平6
−291226号公報では、金属箔と特定硬度の放熱シ
リコーンシートの積層構造、特開平7-14950号公
報には、金属製の網目状物などと複合化した特定硬度の
放熱シート、特開平9−55456号公報によれば、高
熱伝導率の金属製の金網を備えた伝熱性シートを利用し
た半導体装置の冷却構造が開示されている。これらの構
成は、高い熱伝導性を意図したものであり、剛性が大き
い金属製の箔や金属製の網目状物を熱伝導性シートに複
合化している。
【0005】一方、特公平5−17720号公報によれ
ば、放熱性電気絶緑シートに電磁波シールド用の導電層
をスクリーン印刷した放熱シールドシートが提示されて
いる。このシートは、金属箔を使用しないために、金属
箔や金属製網状物を複合した熱伝導性シートの裁断や折
り曲げ加工時の間題を回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−2
91226号公報の金属箔と特定硬度の放熱シリコーン
シートの積層構造、特開平7−14950号公報の金属
製の網目状物などと複合化した特定硬度の放熱シートお
よび特開平9−55456号公報の高熱伝導率の金属製
の金網を備えた伝熱性シートを利用した半導体装置の冷
却構造の複合化した熱伝導性シートは、切断したり折り
曲げ加工するときに、金属製の箔や金属製の網目状物が
折れ曲がったり破損してしまう問題が生じていた。さら
に、これらの発明は高い放熱性を目的としたものであ
り、電磁波シールド特性を付与することを目的として開
発されたものではなかった。また、特公平5−1772
0号公報の放熱シールドシートは、あらたに導電層をス
クリーン印刷する工程が増えて生産性を低下させるとと
もに、導電層がスクリーン印刷可能な素材に限定されて
十分な電磁波シールド特性を発現するものではなかっ
た。したがって、これら従来の発明は、熱伝導性、電磁
波シールド特性、発熱する素子への形状追随性、加工
性、および生産性のすべての要求性能を満たすものでは
なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、熱伝導
性と電磁波シールド特性が優れ、発熱する素子への形状
追随性、加工性および生産性を兼ね備えた熱伝導性電磁
波シールドシートを提供するものである。そのために本
発明は、耐熱性、強度、熱伝導性に優れるポリベンザゾ
ール繊維製の基布を選択し、さらにこの基布に金属を被
覆したものと、熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴ
ム層とを組合わせて熱伝導性電磁波シールドシートとし
た。
【0008】本発明で使用する熱伝導性充填剤として
は、熱伝導性が良い酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒
化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化
アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物、金属水酸化物や、銀、銅、金、錫、鉄、アルミニウ
ム、マグネシウムなどの金属や合金から選ばれる少なく
とも1種の球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状の熱伝導
性充填剤が挙げられる。なかでも、酸化アルミニウム、
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、水酸化ア
ルミニウムから選ばれる少なくとも1種の熱伝導性充填
剤が熱伝導率が大きくて電気絶縁性にも優れるので好ま
しい。熱伝導性充填剤の配合量としては、熱伝導性充填
剤およびオルガノポリシロキサンの種類によっても異な
るけれども、オルガノポリシロキサン100重量部に対
して、100〜1000重量部が好ましい。100重量
部よりも少ないと熱伝導率が小さく、1000重量部よ
りも多いとオルガノポリシロキサンヘの充填性が劣り、
粘度が上昇して加工性が悪化するので不適である。な
お、熱伝導性充填剤の表面を公知のカップリング剤で処
理することによって分散性を向上することが可能であ
る。
【0009】本発明のベ一ス材として使用するシリコー
ンゴムは、公知のオルガノポリシロキサンを硬化するこ
とによって得られる。硬化方法については限定するもの
ではなく、ビニル基を含むオルガノポリシロキサンとケ
イ素原子にハイドロジエン基を含むオルガノポリシロキ
サンと白金系触媒からなる付加反応タイプ、有機過酸化
物によるラジカル反応タイプ、縮合反応タイプ、紫外線
や電子線による硬化タイプなどが挙げられる。なかで
も、熱伝導性充填剤を充填しやすい液状の付加反応タイ
プのオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。
また、公知の補強用のシリカや難燃剤、着色剤、耐熱性
向上剤、接着助剤、粘着剤、オイル、可塑剤などを適宜
配合することができる。
【0010】本発明で使用する金属で被覆されたポリベ
ンザゾール繊維製の基布のもとになるポリベンザゾール
繊維製の基布とは、ポリベンザゾール繊維で構成される
織布や不織布、クロス、抄紙、フェルト、ぺ一パー、ス
クリム等と称されるシート状物を意味するものである。
また、本発明のポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザ
ゾールポリマーより構成される繊維であり、ポリベンザ
ゾール(PBZ)とは、ポリベンゾオキサゾールホモポ
リマー(PBO)、ポリベンゾチアゾールホモポリマー
(PBT)およびそれらPBO、PBTのランダムコポ
リマー、シーケンシャルコポリマー、ブロックコポリマ
ーあるいはグラフトコポリマーを意味するものである。
【0011】ポリベンザゾール繊維の直径、断面形状、
長さ、クロスの種類、ヤーン数、織物を構成するフィラ
メント数および構造や種類、スパンの構造および種類、
開口率、不織布やフエルトあるいは抄紙やぺ一パーの密
度や厚み等ついては特定するものではない。しかし、ポ
リベンザゾール繊維としては引張強度が4GPa以上で
かつ初期引張弾性率が140GPa以上を有することが
好ましい。引張強度、初期引張弾性率がこの範囲である
ポリベンザゾール繊維を使用することによって本発明の
熱伝導性電磁波シールドシートはより高い熱伝導性を発
現することができる。ポリベンザゾール繊維製の基布の
厚みは、0.02〜8mmのものが好ましい。0.02
mmよりも薄いと十分な熱伝導性と電磁波シールド特性
が発現せず、8mmよりも厚くなると剛性が増して素子
への追随性が劣り、かつ高価格になるので好ましくな
い。
【0012】また、ポリベンザゾール繊維のほかの繊維
として、少量の炭素繊維や金属繊維、アラミド繊維やポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリ
イミド繊維、アクリル繊維、オレフィン系繊維、ビニル
系繊維、含フッ素繊維、フェノール繊維、ポリフェニレ
ンスルフィド繊維、ポリウレタン繊維などの有機繊維、
天然繊維を混ぜた複合繊維ならびにその基布を使用して
も差し支えない。
【0013】本発明ではポリベンザゾール繊維に金属を
被覆したのちに、織布や不織布、クロス、抄紙、フェル
ト、ぺ一パー、スクリム等のシート状の基布に加工した
ものを用いることができる。また、ポリベンザゾール繊
維で構成した織布や不織布、クロス、抄紙、フエルト、
ペ一パー、スクリム等と称されるシート状物の基布の状
態にしてから後加工によって金属を被覆したものが用い
られる。
【0014】ポリベンザゾール繊維あるいはポリベンザ
ゾール繊維製の基布に金属を被覆する方法としては、無
電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着法やスパッタリ
ング法などの物理的蒸着法、金属フィラーを含有する塗
料あるいは組成物を塗布あるいは浸漬して製造する方法
が採用できる。
【0015】使用する金属は特定するものではないけれ
ども、電磁波シールド特性の点からは、銅、ニッケル、
銀、クロム、金、錫、鉄、アルミニウムより選ばれる少
なくとも1種であることが好ましい。被覆する金属の厚
みは特定しないけれとも、0.2〜40μmの範囲で良
好な電磁波シールド特性が発現できる。
【0016】なお、複数種あるいは複数枚の金属で被覆
されたポリベンザゾール繊維製の基布を重ね合せて使用
することもできる。また、ノイズ対策上、金属で被覆さ
れたポリベンザゾール繊維製の基布の導体部には、機器
の零ボルト電力線路に接続するための端子をあらかじめ
設けておくと良い。
【0017】硬化後のシリコーンゴム層の硬度について
は特定するものではないけれども、アス力一C硬度で3
0以下の場合が柔軟性に優れ、高さが異なる発熱素子と
放熱器や筐体の隙間に対応しやすい。積層した熱伝導性
電磁波シールドシートとしての厚みは用途によって決定
すれば良いけれども、通常は0.2mm〜10mmの範
囲が実用的である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、熱伝導性充填剤を含有
するシリコーンゴム層と、金属で被覆されたポリベンザ
ゾール繊維製の基布からなることを特徴とし、熱伝導性
充填剤を含有するシリコーンゴム層と、金属で被覆され
たポリべンザゾール繊維製の基布とを複合化する構成で
得られる。複合化する構成としては、熱伝導性充填剤を
含有するシリコーンゴム層の少なくとも片面に金属で被
覆されたポリベンザゾール繊維製の基布を積層する構
成、熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴム層中に金
属で被覆されたポリベンザゾール繊維製の基布を配置す
る構成が挙げられる。
【0019】シリコーンゴム層の少なくとも片面に金属
で被覆されたポリベンザゾール繊維製の基布を積層する
方法としては、金属で被覆されたポリベンザゾール繊維
製の基布上に末硬化のシリコーンゴム層を一定膜厚で積
層してから硬化一体化する方法、硬化後のシリコーンゴ
ム層に金属で被覆されたポリベンザゾール繊維製の基布
を重ね合せる方法あるいは接着させる方法などが挙げら
れる。
【0020】金属で被覆されたポリベンザゾール繊維製
の基布をゴム層中に配置する方法としては、熱伝導性充
填剤を含有するシリコーンゴム層をバーコータ法やドク
ターブレード法、Tダイによる押出成形法、カレンダー
成形法などで製膜した後に、金属で被覆されたポリベン
ザゾール繊維製の基布を載せ、さらにその積層シート上
に再度、一定厚さの熱伝導性充填剤を含有するシリコー
ンゴム層を製膜することによって製造することができ
る。その際のシリコーンゴム層の加熱条件や積層品の加
圧条件については特定するものではなく、片側の熱伝導
性充填剤を含有するシリコーンゴム層が末硬化であって
も、途中まで硬化させてからでも完全に硬化させてから
でもかまわない。
【0021】また、上下の熱伝導性充填剤を含有するシ
リコーンゴム層は、同一の配合組成でも異なる配合組成
でも差し支えない。なお、金属で被覆されたポリベンザ
ゾール繊維製の基布とシリコーンゴム層との接着性を向
上させるために、金属で被覆されたポリベンザゾール繊
維製の基布の表面をあらかじめ脱脂や洗浄したり、紫外
線処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、カ
ップリング剤処理などの方法で表面改質する方が好まし
い。
【0022】
【実施例1】本発明の熱伝導性電磁波シールドシートの
断面を図1に示す。図1は、熱伝導性充填剤として酸化
アルミニウムを含有するシリコーンゴム層1の中に、繊
維表面に銅とニッケルを無電解メッキして被覆したポリ
ベンザゾール繊維製の基布2を配置させた構成の断面図
である。
【0023】ポリベンザゾール繊維製の厚さ0.2μm
のフィラメント織布(東洋紡績株式会社製ザイロンAS
530 繊維の引張強度=5,8GPa、初期弾性率=
180GPa)に、無電解メッキ法によって膜厚0.2
μmの銅および膜厚0.3μmのニッケルを重ねて被覆
した。熱伝導性充填剤として酸化アルミニウム粉末を含
有する付加型の熱伝導性液状シリコーンコンパウンド
(東芝シリコーン株式会社製 TSE3081)を使用
し、ドクターブレード法によってシート状に展開して加
熱硬化させ、厚さ1.2mm、アス力一C硬度27の熱
伝導性シートを作製した。その片面に、銅とニッケルを
無電解メッキで被覆したポリベンザゾール繊維製のフィ
ラメント織布を積層し、さらに熱伝導性液状シリコーン
コンパウンド(東芝シリコーン株式会社製 TSE30
81)を厚さ1.2mmで積層し加熱硬化させて熱伝導
性電磁波シールドシートを作製した。
【0024】
【実施例2】ポリベンザゾール繊維製の紡績糸織布(東
洋紡績株式会社製 ザイロンSHD9697−2 繊維
の引張強度=5.8GPa、初期弾性率=180GP
a)に、無電解メッキ法によって膜厚0.2μmの銅お
よび膜厚0.3μmのニッケルを重ねて被覆した。付加
型の液状シリコーン100重量部(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製SE9187L)に対して、
熱伝導性充填剤として、シランカップリング剤(東芝シ
リコーン株式会社製 TSL−8112)で表面処理し
た酸化アルミニウム粉末(昭和電工株式会社製 アルミ
ナAS一20)400重量部を充填して熱伝導性シリコ
ーンコンパウンドを作製した。実施例1と同様にドクタ
ーブレード法で厚さ1.2mm、アス力一C硬度17の
熱伝導性シートを作製した。その片面に、銅とニッケル
を無電解メッキで被覆したポリベンザゾール繊維製の紡
績糸織布を積層し、さらに同一の熱伝導性シリコーンコ
ンパウンドを厚さ1.2mmで積層し、熱伝導性電磁波
シールドシートを作製した。
【0025】
【実施例3】ポリベンザゾール繊維製のフィラメント織
布(東洋紡績株式会社製 ザイロンAS530 繊維の
引張強度=5.8GPa、初期弾性率=180GPa)
に、スパッタリング法によって膜厚0.1μmの銅およ
び膜厚0.2μmのニッケルを重ねて被覆した。実施例
2で調製した熱伝導性シリコーンコンパウンドを使用
し、ドクターブレード法で厚さ2.4mmのシート状物
を作製し、片面に、銅とニッケルをスパッタリング法で
被覆したポリベンザゾール繊維製のフィラメント織布を
積層して加熱硬化させ、熱伝導性電磁波シールドシート
を作製した。
【0026】
【実施例4】ポリベンザゾール繊維製のフィラメント織
布(東洋紡績株式会社製 ザイロンAS530 繊維の
引張強度=5.8GPa、初期弾性率=180GPa)
に、銀粒子を含有するエポキシ系加熱硬化型導電性組成
物(株式会社スリーボンド製 3301C)を表面に塗
布して加熱硬化させた。この銀組成物を被覆したポリベ
ンザゾール繊維製のフィラメント織布の上に、実施例2
で調製した熱伝導性シリコーンコンパウンドをドクター
ブレード法で厚さ2.4mmで積層し加熱硬化させて熱
伝導性電磁波シールドシートを作製した。
【0027】
【比較例1】実施例1と同様に熱伝導性充填剤として、
酸化アルミニウム粉末を含有する付加型の熱伝導性液状
シリコーンコンパウンド(東芝シリコーン株式会社製
TSE3081)をドクターブレード法によってシート
状に展開して加熱し硬化させ、厚さ2.4mm、アスカ
ーC硬度27の熱伝導性電磁波シールドシートを作製し
た。
【0028】
【比較例2】実施例1と同様に熱伝導性充填剤として酸
化アルミニウム粉末を含有する付加型の熱伝導性液状シ
リコーンコンパウンド(東芝シリコーン株式会社製 T
SE3081)をドクターブレード法によってシート状
に展開して加熱硬化させ、厚さ1.2mm、アスカーC
硬度27の熱伝導性シートを作製した。その片面に、銅
製の80メッシュの網状物を積層し、さらに熱伝導性液
状シリコーンコンパウンド(東芝シリコーン株式会社製
TSE3081)を厚さ1.2mmで積層し、加熱硬化
させて熱伝導性電磁波シールドシートを作製した。
【0029】得られた熱伝導性電磁波シールドシートの
熱伝導率を、迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製
QTM−500)で測定した。電磁波シールド特性
は、アドバンテスト法によって評価した。加工性は、超
硬質合金刃にて裁断した際の切断面の状態が良好なもの
を○、切断面の状態が不良な場合を×とした。形状追随
性は、高さが異なる半導体素子を実装した基板の上部に
得られた熱伝導性電磁波シールドシートを配置して放熱
器と接触させ、形状追随性が良好なものを○、追随性が
劣るものを×とした。結果を表1(図6)に記した。
【0030】表1より、実施例1〜実施例4の本発明の
熱伝導性電磁波シールドシートは、熱伝導率と電磁波シ
ールド特性が高く良好であり、裁断時の加工性、形状追
随性も優れている。一方、比較例1は、熱伝導率は高く
て加工性は良好であるが、電磁波シールド特性が劣って
いる。比較例2は、熱伝導率と電磁波シールド特性は良
好であるが、裁断時の加工性と形状追随性に難点がある
ことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱伝導性電磁波
シールドシート3は、熱伝導性および電磁波シールド特
性が優れ、切断や打ち抜き時の加工性、使用時の形状追
随性が良好であり、そして大量生産にも向いている。し
たがって、高密度実装された高さが異なる電子機器の発
熱する素子6と放熱器4との間隙に被着できる形状追随
性を兼ね備え、放熱性および電磁波シールド性を要求さ
れるシート材料として非常に有用である。5はプリント
基板である。また、本発明の熱伝導性電磁波シールドシ
ートを応用して、ガスケット、パッキン、チューブある
いはキャップ状の成形品を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱伝導性電磁波シールドシートの断面
を示す
【図2】本発明の熱伝導性電磁波シールドシートの断面
を示す
【図3】発熱する素子と筐体の間隙に本発明の熱伝導性
電磁波シールドシートを被着した例
【図4】熱伝導率、電磁波シールド特性、加工性、形状
追随性の評価結果を示す表
【符号の説明】
1 熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴム層 2 金属で被覆されたポリベンザゾール繊維製の基布 3 本発明の熱伝導性電磁波シールドシート 4 放熱器 5 プリント基板 6 発熱する素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月27日(1998.10.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明のベ一ス材として使用するシリコー
ンゴムは、公知のオルガノポリシロキサンを硬化するこ
とによって得られる。硬化方法については限定するもの
ではなく、ビニル基を含むオルガノポリシロキサンとケ
イ素原子にハイドロジェン基を含むオルガノポリシロキ
サンと白金系触媒からなる付加反応タイプ、有機過酸化
物によるラジカル反応タイプ、縮合反応タイプ、紫外線
や電子線による硬化タイプなどが挙げられる。なかで
も、熱伝導性充填剤を充填しやすい液状の付加反応タイ
プのオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。
また、公知の補強用のシリカや難燃剤、着色剤、耐熱性
向上剤、接着助剤、粘着剤、オイル、可塑剤などを適宜
配合することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】得られた熱伝導性電磁波シールドシートの
熱伝導率を、迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製
QTM−500)で測定した。電磁波シールド特性
は、アドバンテスト法によって評価した。加工性は、超
硬質合金刃にて裁断した際の切断面の状態が良好なもの
を○、切断面の状態が不良な場合を×とした。形状追随
性は、高さが異なる半導体素子を実装した基板の上部に
得られた熱伝導性電磁波シールドシートを配置して放熱
器と接触させ、形状追随性が良好なものを○、追随性が
劣るものを×とした。結果を表1(図4)に記した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴ
    ム層と金属で被覆されたポリベンザゾール繊維製の基布
    からなる熱伝導性電磁波シールドシート。
  2. 【請求項2】 熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴ
    ム層の少なくともその片面に、金属で被覆されたポリベ
    ンザゾール繊維製の基布を積層してなる熱伝導性電磁波
    シールドシート。
  3. 【請求項3】 熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゴ
    ム層中に、金属で被覆されたポリベンザゾール繊維製の
    基布を配置させた熱伝導性電磁波シールドシート。
  4. 【請求項4】 金属で被覆されたポリベンザゾール繊維
    製の基布が、無電解メッキ法、物理的蒸着法あるいは塗
    布により金属を被覆されたことを特徴とする請求項1、
    2あるいは3に記載された熱伝導性電磁波シールドシー
    ト。
  5. 【請求項5】 金属が、銅、ニッケル、銀、錫、鉄、ア
    ルミニュウムより選ばれる少なくとも1種である請求項
    1から4のうちの1に記載された熱伝導性電磁波シール
    ドシート。
  6. 【請求項6】 硬化後のシリコーンゴム層のアスカーC
    硬度が30以下である請求項1から5のうちの1に記載
    された熱伝導性電磁波シールドシート。
JP10288604A 1998-10-12 1998-10-12 熱伝導性電磁波シールドシート Pending JP2000124660A (ja)

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