JP6650736B2 - 高熱伝導性、高絶縁性放熱シート - Google Patents

高熱伝導性、高絶縁性放熱シート Download PDF

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本発明は、発熱する電子部品の冷却のために、電子部品とヒートシンク又は回路基板などの放熱部分との界面に密着させる放熱シートに関する。
放熱シートは、一般的に熱伝導性充填剤を含有したシリコーン樹脂(以下、シリコーン樹脂組成物と称す)をガラスクロスなどの補強層の両面に塗布したものであり、高熱伝導性、電気絶縁性、ハンドリング性などに優れた特性を有することから、電子材料分野において、発熱する電子部品の冷却のために、電子部品とヒートシンク又は回路基板などの放熱部分との界面に密着させて使用される。
しかし、近年の急速な電子部品の小型化・高集積化・高出力化に伴い、作動温度が高まり、従来のガラスクロスを使用した絶縁放熱シートでは放熱性が不十分となり、動作不良が生じるという問題があった。そこで、ガラスクロスを「金属箔」に変更することが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された発明においては、ガラスクロスを金属箔に変更することにより、放熱性を改善している。
また、厚み方向の熱伝導性を高めることを目的として、貫通孔を有する金属箔を設けることも提案されている。例えば、特許文献2では、熱伝導性接着剤層と、その熱伝導性接着剤層を担持する薄型エキスパンドメタル網状シートとよりなる放熱シートが提案されており、網目の開口率は、20〜80%の範囲にあるのが好ましいことも記載されている。特許文献3では金属箔に穴(多数の穴)を設けておき、金属箔の両側の熱伝導材を穴を介して連続させるとよいことが記載されている。特許文献4では、金属メッシュとして、金属のワイヤーを織物状にしたものや、金属箔を打ち抜き加工して複数の孔を開けたもの等が用いられると記載されている。特許文献5には、網目状補強材を用いた熱伝導性シートは、熱伝導性組成物の粘度が高い場合に、網目状補強材の開口を貫通しないおそれがあることから、メッシュシートの開口よりも大きい孔部を備え、該孔部に前記熱伝導層が貫通しているメッシュシートを提案している。メッシュシートの大きさは、熱伝導層の熱伝導性能の維持及び、熱伝導層と一体となった際における熱伝導性シートの取扱い性の観点から、その厚さは10μm〜500μm程度、開口は200μm〜1200μm、開口率は40〜90%、線径は20μm〜300μm程度のものを用いることが好ましいことも記載されている。
特開2015−65330号公報 特開2001−291810号公報 特開2001−345406号公報 特開2008−120065号公報 特開2012−245664号公報
しかしながら、従来の放熱シートでは厚み精度、金属箔と樹脂の密着性、及び熱伝導率のすべての特性を兼備することはできず、これらの諸特性をバランス良く有することのできる放熱シートを提供することが有利であると考えられる。本発明は、上記のような従来技術に鑑み、電気絶縁性、厚み精度、金属箔と樹脂の密着性、及び熱伝導率のすべての特性をバランス良く有することのできる放熱シートを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、貫通孔を有する金属箔(典型的にはパンチングメタル)の両面に、熱伝導性充填材を含有するシリコーン樹脂組成物が積層する構成を採用することで放熱シートの高い厚み精度を維持しながら金属箔と樹脂の密着性を高めることができることを見出した。そして、金属箔の貫通孔の孔径、ピッチ、開口率及び箔厚を適正化することで、樹脂と金属箔の密着性を更に高めることができ、更には貫通口内への樹脂の充填率を高めることができるので、熱伝導性を確保しながら電気絶縁性にも優れた放熱シートが得られることを見出した。
上記知見に基づいて完成した本発明は一側面において、貫通孔を有する金属箔の両面に、熱伝導性充填材を含有するシリコーン樹脂組成物が積層されており、当該貫通孔を有する金属箔は、各貫通孔径が0.2mm以上、各貫通孔ピッチ間隔が0.7mm以下、開口率が20〜80%、厚みが0.001〜0.3mmである放熱シートである。
本発明に係る放熱シートの一実施形態においては、貫通孔へのシリコーン樹脂組成物の充填率が85%以上である。
本発明に係る放熱シートの別の一実施形態においては、前記熱伝導性充填材は窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ケイ素粉末、酸化ケイ素粉末、酸化亜鉛粉末から選ばれる単体であるか、又はこれらの熱伝導性充填材の一種以上を混合した材料とする。
本発明に係る放熱シートの更に別の一実施形態においては、前記窒化ホウ素粉末は窒化ホウ素の鱗片状の一次粒子が配向せずに集合してなるアグリゲート状である。
本発明に係る放熱シートの更に別の一実施形態においては、シリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂成分の合計100質量部に対して、六方晶窒化ホウ素粉末を20〜1,300質量部含有する。
本発明に係る放熱シートの更に別の一実施形態においては、前記貫通孔を有する金属箔が、銅、アルミニウム、銀、モリブテン、パラジウム、錫、鉛、ニッケル、金、鉄、亜鉛、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、白金よりなる群から選択される金属の単体であるか、又はこれらの金属の一種以上を含む合金を材料とする。
本発明に係る放熱シートの更に別の一実施形態においては、前記放熱シートの厚み方向に対する熱伝導率が、7W/m・K以上である。
本発明に係る放熱シートの更に別の一実施形態においては、前記放熱シートの体積抵抗率が、1012Ω・cm以上である。
特許文献1に記載の放熱シートのようにガラスクロスを金属箔に変更した場合、金属箔と樹脂との接着力が低いため、金属箔と樹脂との界面に連続した微小な空気層を有し、電気絶縁性が悪い。
特許文献2で提案されるようなエキスパンドメタル網状シートや特許文献5で提案されている線材を網目状に織成したメッシュシートでは表面の起伏が大きく、放熱シートを成型後の厚み精度が低くなってしまう。また、表面起伏が大きいことで、放熱シートを電子部品とヒートシンク間に密着させる時に、エキスパンドメタルやメッシュシートが樹脂を破き絶縁不良を生じるおそれもある。また、金属ワイヤーを用いた織物を使用した場合、ワイヤー間の重なり部分に樹脂が充填せずボイドが生じて絶縁性が低下する他、取扱い時に製品内のワイヤーにずれが生じ、樹脂とワイヤー間にボイドが生じ絶縁性が低下するという問題もある。
特許文献3及び特許文献4では金属箔を打ち抜き加工して孔を開けたものが記載されているが、開口率、孔径、ピッチ間隔等について充分に検討されておらず、例えば、貫通孔の存在頻度が少ない部分では、金属箔と樹脂の接着不良が生じやすく、絶縁不良や絶縁破壊が生じ得る。また、開口率、孔径及びピッチ間隔の適正化による貫通孔への樹脂の充填率の上昇についても議論が不十分である。
これに対して、本発明の貫通孔を有する金属箔を用いた放熱シートは、電気絶縁性、厚み精度、金属箔と樹脂の密着性、及び熱伝導率のすべての特性をバランス良く有することができる。
アグリゲート状の六方晶窒化ホウ素粉末のSEM写真の例である。
本発明に係る放熱シートの一実施形態においては、貫通孔を有する金属箔の両面に、熱伝導性充填材を含有するシリコーン樹脂組成物が積層されており、当該貫通孔を有する金属箔は、各貫通孔径が0.2mm以上、各貫通孔ピッチ間隔が0.7mm以下、開口率が20〜80%、厚みが0.001〜0.3mmである。
貫通孔を有する金属箔の貫通孔径はシリコーン樹脂組成物の貫通孔内への充填性の理由により、0.2mm以上であり、0.3mm以上であることがより好ましい。0.2mmより小さい場合は、貫通孔内へシリコーン樹脂組成物が充填しにくくなり、電気絶縁性が低下するため、好ましくない。また、貫通孔径は、金属箔のハンドリング性の理由により0.6mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。金属箔の貫通孔径は、金属箔を上面から目視および顕微鏡による外観形状観察にて評価可能であり、面積から求めた円相当径を測定値とする。
貫通孔を有する金属箔の貫通孔のピッチ間隔は層間の密着性の理由により、0.7mm以下であることが好ましく、0.6mm以下であることがより好ましい。0.7mmより大きい場合は、貫通孔内でのシリコーン樹脂組成物間の密着性が低下により、電気絶縁性が低下するため、好ましくない。一方、金属箔の貫通孔のピッチ間隔は熱伝導性の理由により0.25mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることがより好ましい。また、貫通孔は金属箔の全面に一定のピッチ間隔で存在することが好ましい。金属箔の貫通孔のピッチ間隔は、目視および顕微鏡による外観形状観察にて評価可能であり、対象となる貫通孔に最も近接している貫通孔との重心間を結ぶ線分の距離をピッチ間隔とする。
貫通孔へのシリコーン樹脂組成物の充填率は、電気絶縁性向上の理由により、85%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることが更により好ましい。充填率は、貫通孔の長さ方向及び径方向が観察可能な断面の写真を走査型電子顕微鏡により撮影し、画像解析ソフト(実施例ではGIMP2を使用した。)にて、二値化した後、1−(空隙面積/貫通孔面積)より充填率を算出する。測定値は4箇所以上の貫通孔における充填率の平均値とする。
貫通孔を有する金属箔の開口率は、層間の密着性の理由により、20〜80%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。20%より小さい場合は、貫通孔内でのシリコーン樹脂組成物間の密着性が低下により、電気絶縁性が低下し、80%より大きい場合は、金属層が少なく熱伝導率が低下するため好ましくない。開口率は、金属箔を上面から観察したときの(空隙面積の合計)/(空隙を含む金属箔全体の面積)により算出する。
放熱シートの厚みは特に限定されないが、0.05〜1.2mm程度のものが一般的であり、熱抵抗率の低減を考慮すると、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.4mm以下である。貫通孔を有する金属箔の厚みは0.001〜0.30mmのものを好適に使用できる。また、シリコーン樹脂組成物層の厚みも特に限定されないが、片面当たり0.02〜0.6mmであるのが好適である。
シリコーン樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、均一に塗布できるドクターブレード法、コンマコーター法、スクリーン印刷法、ロールコーター法等の公知の塗布方法を採用することができるが、シリコーン樹脂組成物の厚み精度を考慮するとドクターブレード法、コンマコーター法が好ましい。
補強材に使用する貫通孔を有する金属箔は、熱伝導性およびハンドリング性の理由により、銅、アルミニウム、銀、モリブテン、パラジウム、錫、鉛、ニッケル、金、鉄、亜鉛、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、白金よりなる群から選択される金属の単体であるか、又はこれらの金属の一種以上を含む合金を材料とすることが好ましく、コスト面の観点から銅およびアルミニウムがより好ましい。
貫通孔を有する金属箔の純度は、98質量%以上であることが好ましく、純度が98質量%より低い場合、熱伝導性充填材を含有するシリコーン樹脂と貫通孔を有する金属箔の接着性が不十分となる場合や、貫通孔を有する金属箔が硬くなり放熱シートのハンドリング性が低下する場合がある。金属箔の純度は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP)により、金属元素以外の元素を不純物として求めた。
シリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂成分の合計100質量部に対して、熱伝導性充填材を20〜1,300質量部含有するものであることが好ましく、より好ましくは240〜730質量部である。熱伝導性充填材が20質量部未満の場合は、熱伝導率が低くなり、放熱性が低下する。一方、熱伝導性充填材が1,300質量部より大きい場合は、シリコーン樹脂と熱伝導性充填材の混合性が良好でなく、貫通孔を有する金属箔への塗布時に、厚みが不均一となることがある。
シリコーン樹脂成分の種類は、特に限定されないが過酸化物硬化型、縮合反応硬化型、付加反応硬化型、紫外線硬化型が好適に使用可能である。
熱伝導性充填材としては、限定的ではないが、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ケイ素粉末、酸化ケイ素粉末、酸化亜鉛粉末等が使用可能であるが、熱伝導性および加工性の理由により、六方晶窒化ホウ素粉末で構成されることが好ましい。六方晶窒化ホウ素の形態は、鱗片状の一次粒子が配向せずに集合してなるアグリゲート状であることが好ましい。図1にアグリゲート状の六方晶窒化ホウ素粉末の顕微鏡写真を例示的に示す。アグリゲート状でない六方晶窒化ホウ素粉末では、熱伝導率が低くなり放熱性が低下する場合がある。
熱伝導性充填材含有シリコーン樹脂組成物と貫通孔を有する金属箔の接合は、貫通孔を有する金属箔にシリコーン樹脂組成物を塗布後、加熱プレス機を用いて、大気雰囲気中にて圧力100〜200kg/cm2の条件で80℃〜170℃の温度且つ10〜60分の時間で接合することが好ましい。圧力が100kg/cm2より低い場合、接合温度が80℃より低い場合、または、接合時間が10分より短い場合、熱伝導性充填材含有シリコーン樹脂と貫通孔を有する金属箔の接合性が低下する。一方、圧力が200kg/cm2より高い場合、接合温度が170℃より高い場合、または、接合時間が60分より長い場合、金属箔の表面の酸化が生じ、接合性の低下および放熱性の低下が生じ、生産性の低下の観点からも好ましくない。ただし、接合時の雰囲気を窒素、アルゴン、水素、真空とした場合は、この限りでない。その後、シリコーン樹脂の架橋反応で副生成するアルコールやカルボン酸および低分子シロキサン除去の為に130〜250℃、5〜30時間の条件で二次加熱をおこない、シリコーン樹脂を加硫させることが好ましい。
(実施例1)
ポリオルガノシロキサンベースポリマー(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「CF3110」)100質量部、アグリゲート状窒化ホウ素粉末350質量部、架橋剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「RC−4」)1質量部を、500質量部のトルエンに分散して攪拌機で15時間混合し、熱伝導性充填材含有シリコーン樹脂組成物を調整した。
上記のシリコーン樹脂組成物を厚み0.05mmのペットフィルム上にドクターブレードで片面当たり厚さ0.175mmに塗工し、75℃で5分乾燥させた後、厚さ0.035mmの表1に記載の仕様の貫通孔を有する純度99.8%銅箔の両面にシリコーン樹脂組成物面が接するように積層し、厚さ0.485mmの積層体を作成した。次いで、温度150℃、圧力160kg/cm2の条件で25分間の加熱プレスを行い、両面のペットフィルムを剥離して0.20mmのシートとした。次いでそれを常圧、150℃で4時間の2次加熱を行い、放熱シートとした。
(実施例2)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末の配合量を100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例3)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末の配合量を250質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例4)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末の配合量を700質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例5)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末の配合量を1250質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例6)
銅箔を純度99.8質量%アルミニウム箔に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例7)
銅箔を純度99.8質量%銀箔に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例8)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末を鱗片状窒化ホウ素粉末に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例9)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末を酸化アルミニウム粉末に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例10)
アグリゲート状窒化ホウ素粉末の一部を酸化亜鉛粉末に変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例11)
銅箔の貫通孔径を0.25mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例12)
銅箔の貫通孔ピッチ間隔を0.60mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(実施例13)
銅箔の貫通孔ピッチ間隔を0.40mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例1)
貫通孔を有する銅箔の貫通孔径を0.15mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例2)
六方晶窒化ホウ素粉末の配合量を100質量部に変更した以外は、比較例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例3)
六方晶窒化ホウ素粉末の配合量を1250質量部に変更した以外は、比較例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例4)
貫通孔を有するアルミニウム箔の貫通孔径を0.15mmに変更した以外は、実施例6と同様にして放熱シートを得た。
(比較例5)
貫通孔を有する銅箔の貫通孔のピッチ間隔を0.90mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例6)
貫通孔を有する銅箔の貫通孔ピッチ間隔を0.355mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例7)
貫通孔を有する銅箔の貫通孔径を0.15mm、貫通孔ピッチ間隔を0.20mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
(比較例8)
貫通孔を有する銅箔の貫通孔径を1.2mm、貫通孔ピッチ間隔を1.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして放熱シートを得た。
試作された実施例1〜13、比較例1〜8の放熱シートを下記の評価項目(1)〜(3)によって行った。結果を表1及び2に示す。
(1)体積抵抗率
JIS K6271に記載の方法に準拠して、体積抵抗率の評価を行なった。
(2)絶縁破壊電圧
JIS K6249に記載の方法に準拠して、絶縁破壊電圧の評価を行なった。
(3)熱伝導率
熱伝導率(H:W/(m・K))は、厚み方向に対して評価を行なった。熱拡散率(A:m2/sec)と密度(B:kg/m3)、比熱容量(C:J/(kg・K))から、H=A×B×Cとして、算出した。熱拡散率は、測定用試料を幅10mm×長さ10mmに加工し、測定用レーザー光の反射防止の為、放熱シートの両面にカーボンブラックを塗布した後、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(「LFA447NanoFlash」NETZSCH社製)を用いた。密度はアルキメデス法を用いて求めた。比熱容量はJIS K 7123:1987に記載の方法に準拠して求めた。
表1より、シリコーン樹脂成分の合計100質量部に対して、アグリゲート状窒化ホウ素粉末を100〜1,250質量部含有する組成物を銅メッシュ箔の両面に塗布した実施例1〜5の放熱シートは、絶縁破壊電圧は、3.0〜3.8kVと高く、また、体積抵抗率は5.5×1013〜9.4×1014と高く、電気絶縁性に優れ、熱伝導率は、8.0〜11.2W/m・Kと高く放熱性にも優れた放熱シートである。また、貫通孔を有する銅箔から貫通孔を有するアルミニウム箔(実施例6)および貫通孔を有する銀箔(実施例7)に変更した場合でも、電気絶縁性、放熱性ともに優れた放熱シートが得られた。さらに、アグリゲート状窒化ホウ素粉末を鱗片状窒化ホウ素粉末(実施例8)に変更および酸化アルミニウム粉末(実施例9)に変更および一部を酸化亜鉛粉末(実施例10)に置換した場合でも、電気絶縁性、放熱性ともに優れた放熱シートが得られた。また、貫通孔径を0.35mmから0.25mmに変更(実施例11)および貫通孔のピッチ間隔を0.45mmから0.60mm(実施例12)または0.40mm(実施例13)に変更した場合でも、電気絶縁性、放熱性ともに優れた放熱シートが得られた。
これに対して、貫通孔の孔径0.35mm、ピッチ間隔0.45mm、開口率55%の銅箔ではなく、貫通孔の孔径0.15mm、ピッチ間隔0.45mm、開口率10%の銅箔を使用した表2記載の比較例1〜3では、熱伝導率は8.2〜11.2W/m・Kと同等であるが、絶縁破壊電圧は1.9〜2.3kVと低下するとともに、体積抵抗率は、1.1×1010〜9.0×1010に低下し電気絶縁性が悪く、好ましくない。また、貫通孔の孔径0.15mm、ピッチ間隔0.45mm、開口率10%アルミニウム箔を使用した表2記載の比較例4の場合でも、放熱性は同等であるが、電気絶縁性は低下した。また、貫通孔ピッチ間隔0.45mmではなく、貫通孔ピッチ間隔0.90mmの銅箔を使用した表2記載の比較例5の場合でも、放熱性は同等であるが、電気絶縁性は低下した。また、貫通孔のピッチ間隔を0.45mmではなく、0.355mmを使用した表2記載の比較例6の場合でも、電気絶縁性は同等であるが、熱伝導率は低下した。また、貫通孔の孔径0.15mm、ピッチ間隔0.2mm、開口率51%銅箔を使用した表2記載の比較例7の場合でも、放熱性は同等であるが、電気絶縁性は低下した。また、貫通孔の孔径1.2mm、ピッチ間隔1.5mm、開口率58%銅箔を使用した表2記載の比較例8の場合でも、放熱性は同等であるが、電気絶縁性は低下した。
本発明の放熱シートは、高い放熱性と優れた電気絶縁性を有することから、急速に高性能化が進み作動温度が高まる電子部品から熱を効率よく放出させるためのTIM(Thermal Interface Material)などに使用できる。

Claims (9)

  1. 貫通孔を有する金属箔の両面に、熱伝導性充填材を含有するシリコーン樹脂組成物が積層されており、当該貫通孔を有する金属箔は、各貫通孔径が0.2mm以上、各貫通孔ピッチ間隔が0.7mm以下、開口率が20〜80%、厚みが0.001〜0.3mmである放熱シート。
  2. 貫通孔へのシリコーン樹脂組成物の充填率が85%以上である請求項1に記載の放熱シート。
  3. 前記熱伝導性充填材は窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ケイ素粉末、酸化ケイ素粉末、酸化亜鉛粉末から選ばれる単体であるか、又はこれらの熱伝導性充填材の一種以上を混合した材料とする請求項1又は2に記載の放熱シート。
  4. 前記窒化ホウ素粉末は窒化ホウ素の鱗片状の一次粒子が配向せずに集合してなるアグリゲート状である請求項3に記載の放熱シート。
  5. シリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂成分の合計100質量部に対して、六方晶窒化ホウ素粉末を20〜1,300質量部含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の放熱シート。
  6. 前記貫通孔を有する金属箔が、銅、アルミニウム、銀、モリブテン、パラジウム、錫、鉛、ニッケル、金、鉄、亜鉛、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、白金よりなる群から選択される金属の単体であるか、又はこれらの金属の一種以上を含む合金を材料とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の放熱シート。
  7. 前記放熱シートの厚み方向に対する熱伝導率が、7W/m・K以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の放熱シート。
  8. 前記放熱シートの体積抵抗率が、1012Ω・cm以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の放熱シート。
  9. 金属箔の開口率が30〜80%である請求項1〜8のいずれか一項に記載の放熱シート。
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