JP2004134604A - 電磁波吸収性熱伝導性シート - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の電磁波吸収性熱伝導性シートは、高い電磁波吸収性能と高い熱伝導性能を兼ね備え、かつ電気絶縁性であるため、電子機器内部に装着する場合、プリント配線回路をはじめとする各部分の電気的な短絡に対してあまり配慮する必要がなく、最適な個所に装着することが可能である。このことにより、従来にも増して電子機器内部の電磁波ノイズを抑制できると共に、外部への電磁波漏洩も抑制できる。更に、電子機器要素から発生した熱の機器外部への放熱も可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波吸収層と電気絶縁性の熱伝導層との積層体からなる、柔軟性を有する電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放送、移動体通信、レーダー、携帯電話、無線LANなどの電磁波利用が進むに伴い、生活空間に電磁波が散乱し、電磁波障害、電子機器の誤動作などの問題が頻発している。
【0003】
また、パーソナルコンピューター、携帯電話等の内部に配置されたCPU、MPU、LSI等の電子機器要素の高密度化、高集積化、及びプリント配線基板への電子機器要素の高密度実装化が進み、電磁波が機器内部に放射されることに伴い、その電磁波が機器内部で反射、充満して、機器自身から発生した電磁波による内部電磁干渉の問題も起きている。
【0004】
従来、これらの電磁干渉障害対策を行う場合にはノイズ対策の専門知識と経験が必要であり、その対策には多くの時間が必要とされる上、対策部品の実装スペースを事前に確保することなど難点があった。こうした問題点を解決するため、電磁波を吸収することにより反射波及び透過波を低減する電磁波吸収体が使用され始めている。
【0005】
更に、CPU、MPU、LSI等の電子機器要素の高密度化、高集積化に伴い発熱量が大きくなり、冷却を効率良く行わなければ、熱暴走により誤動作してしまうという問題も同時にある。従来、発熱を外部に効率良く放出する手段として、熱伝導性粉体を充填したシリコーングリースやシリコーンゴムをCPU、MPU、LSI等とヒートシンクの間に設置して、接触熱抵抗を小さくする方法があった。しかし、この方式では前記機器内部の電磁干渉の問題を回避することは不可能である。
【0006】
従って、電子機器内部の、特にCPU、MPU、LSI等の電子機器要素の高密度化、高集積化された部位に対しては、電磁波吸収性能、熱伝導性能を有した部材が必要となる。シート部材としては、必要に応じて、(1)磁性粉末がベースポリマー中に分散された電磁波吸収性シート、(2)アルミナをはじめとする熱伝導性粉末がベースポリマー中に分散された熱伝導性シート、(3)両粉末を共充填するなどして電磁波吸収性能と熱伝導性能を兼ね備えたシートの3種類が使い分けられている。
【0007】
昨今、パーソナルコンピューターをはじめとする電子機器の信号処理速度は非常に高速化してきており、各素子の動作周波数も数百MHz〜数GHzのものが多くなってきている。従って、電子機器内部で発生する電磁波ノイズの周波数もGHz帯域のものが多くなってきている。これらの電磁波ノイズを抑制するために、マンガン亜鉛系フェライト、ニッケル亜鉛系フェライトを代表とするスピネル型立方晶フェライトの粉末をベースポリマー中に均一分散させたシートを適応することも考えられるが、このフェライトシートで効果が見られるのは、主にMHz帯であり、GHz帯に対しては効果が薄い。そのため現在では、MHz帯からGHz帯まで効果の大きい金属系の軟磁性粉をベースポリマー中に均一分散させたシートが主流になってきている。
【0008】
一般に軟磁性金属は、導電性であるため、その粉末をベースポリマー中に均一分散させたシートの絶縁破壊電圧は小さい。従って、電子機器内に、このシートを装着する場合には、電子機器内部の各部分が電気的に短絡してしまわないように注意を要する。
【0009】
また、電磁波吸収性能と熱伝導性能を兼ね備えたシートでは、素子と放熱部材間で挟み込んで使用する場合が多く、素子と放熱部材の間で電気的に接続することが問題となる場合には、このシートは使用できない。このような場合には、電気的に絶縁である熱伝導性能のみを持つシートを素子と放熱部材間で挟み込んで使用して素子から熱を放散させると共に、その周囲の電気的に問題とならないような個所に電磁波吸収性のみを持つシートを配置して電磁波ノイズの抑制を行うという、煩雑な方法がとられている。
【0010】
電子機器内部での電磁波ノイズ発生個所は高速駆動のCPU、MPU、LSIなどの素子が多いが、素子とプリント配線基板のパターンを接続する、いわゆる素子の足や、プリント配線パターンがアンテナとなり電磁波ノイズが発生する場合もある。このような場合には、直接その個所を電磁波吸収性シートで覆うことが好ましいが、軟磁性金属粉をベースポリマー中に均一分散させたシートでは、シートに絶縁性がないため、回路短絡の問題により使用することはできなかった。
【0011】
基本的に、軟磁性金属粉を絶縁性のベースポリマー中に均一分散させたシートにおいては、導電性の軟磁性金属粉同士は、ベースポリマーにより相互に絶縁されることになるが、電磁波吸収性能を高めるためには、軟磁性金属粉を高充填することが必要となり、金属粉同士の距離が近くなったり、接触したりするため、そのシートの絶縁破壊電圧は小さくなる。
【0012】
特開平11−45804号公報(特許文献1)においては、シラン系カップリング剤で金属軟磁性粉表面に絶縁性皮膜を設けた電波吸収体が、特開2001−308584号公報(特許文献2)には、長鎖アルキルシランにて金属軟磁性粉表面に絶縁性皮膜を設けた電波吸収体が示されているが、これらの有機基を有する分子の皮膜では、十分な絶縁破壊電圧をもった電磁波吸収性シートを得ることは難しい。
【0013】
特開平11−195893号公報(特許文献3)においては、軟磁性粉末と有機結合剤からなる複合磁性体層の少なくとも一方の面に絶縁層を設けた電磁波干渉抑制体が、特開2000−232297号公報(特許文献4)においては、可撓性高分子材料に金属磁性粉体を分散した電磁波吸収層の外表面を誘電率が10以下の可撓性高分子材料で被覆した電磁波吸収体が示されており、これらの構成で、電気絶縁性のシートの作製は可能であるが、熱伝導性能に関しては不十分である。
【0014】
特開2002−76683号公報(特許文献5)においては、電磁波吸収層と放熱層とが積層された積層体からなる電磁波吸収性放熱シートが示されているが、この構成においては、電気絶縁性については不明確であるし、電磁波吸収性についても不十分である。
【0015】
【特許文献1】
特開平11−45804号公報
【特許文献2】
特開2001−308584号公報
【特許文献3】
特開平11−195893号公報
【特許文献4】
特開2000−232297号公報
【特許文献5】
特開2002−76683号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであって、高い電磁波吸収性能と高い熱伝導性能を兼ね備え、かつ電気絶縁性である電磁波吸収性熱伝導性シートを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、軟磁性金属粉をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電磁波吸収層と、電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電気絶縁性の熱伝導層とを積層し、シートの厚さ方向での絶縁破壊電圧を1kV以上とすることで、高い電磁波吸収性能と高い熱伝導性能と高い電気絶縁性能とを兼ね備え、各種電子機器等に応用可能な電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シートが得られることを見出した。
【0018】
更には、上記シートの電磁波吸収層に軟磁性金属粉とともに電気絶縁性の熱伝導性充填剤を充填することで、更に、熱伝導率を高めた電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シートが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0019】
従って、本発明は、軟磁性金属粉をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電磁波吸収層と、電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電気絶縁性の熱伝導層とを積層した電磁波吸収性熱伝導性シートであって、シートの厚さ方向での絶縁破壊電圧が1kV以上である電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シートを提供する。
【0020】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートは、軟磁性金属粉と、必要により電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電磁波吸収層と、電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電気絶縁性の熱伝導層とを積層して得られる。
【0021】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートに含まれる電気絶縁性の熱伝導性充填剤としては、電気絶縁性物質である酸化アルミニウム、酸化ケイ素、フェライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムの粉末が好ましい。
【0022】
フェライトを熱伝導性充填剤とする場合、電気絶縁性の高いNi−Zn系やMg−Zn系などのスピネル型立方晶フェライト粉末を用いることが好ましい。これらの軟磁性フェライトは、電磁波吸収性能をも併せ持つため、本発明の軟磁性金属粉による電磁波吸収性能を補うことが可能となるため、好適である。
【0023】
熱伝導性粉末は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
熱伝導性粉末の平均粒子径は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、特には1μm以上50μm以下のものを用いるのが好ましい。粒子径が0.1μm未満の場合には、粒子の比表面積が大きくなりすぎて高充填化が困難となるおそれがあるし、充填率が同じ場合、シートの熱伝導率が小さくなる。また、粒子径が100μmを越える場合には、シート表面に微小な凹凸が現れ、接触熱抵抗が大きくなってしまうおそれがある。
【0025】
熱伝導層における熱伝導性粉末の含有量は、熱伝導層全量の30〜85vol%(容量%、以下同様)、特には40〜80vol%であることが好ましい。30vol%未満では十分な熱伝導性能が得られない場合があり、85vol%を越えた場合には熱伝導層が脆くなってしまうおそれがある。
【0026】
本発明の電磁波吸収層に用いられる軟磁性金属粉末としては、供給安定性、価格などの面から鉄元素を含むものが好ましい。例えば、カルボニル鉄、電解鉄、Fe−Cr系合金、Fe−Si系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Al系合金、Fe−Co系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Cr−Si系合金、Fe−Cr−Al系合金、Fe−Si−Ni系合金、Fe−Si−Cr−Ni系合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この場合、価格などの面から鉄元素を15重量%以上含むものが好ましい。
【0027】
これらの軟磁性金属粉末は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粉末の形状は、扁平状、粒子状のどちらかを単独で用いてもよいし、両者を併用してもよい。
【0028】
軟磁性金属粉末の平均粒子径は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、特には1μm以上50μm以下のものを用いるのが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合には、粒子の比表面積が大きくなりすぎて高充填化が困難となるおそれがある。また、平均粒子径が100μmを越える場合には、シート表面に微小な凹凸が現れ、接触熱抵抗が大きくなってしまうおそれがある。
【0029】
電磁波吸収層における軟磁性金属粉末の含有量は、電磁波吸収層全体の10〜80vol%、特には15〜70vol%であることが好ましい。10vol%未満では、十分な電磁波吸収性能が得られない場合があり、80vol%を越えた場合には電磁波吸収層が脆くなってしまうおそれがある。
【0030】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートにおいては、電磁波吸収層に軟磁性金属粉とともに電気絶縁性の熱伝導性充填剤を充填することで、更に、熱伝導率を高めることができ、シートの熱伝導率を高めることで、適応範囲が大きく広がる。この場合、電磁波吸収層に充填する熱伝導性充填剤としては、上述した熱伝導性充填剤を例示することができ、熱伝導層に使用する熱伝導性充填剤とは、同じものでも異なったものでもよい。
【0031】
電磁波吸収層に軟磁性金属粉とともに熱伝導性粉末を充填する場合、所定の電磁波吸収性能を得るために、軟磁性金属粉の充填率との兼ね合いを考えて、熱伝導性粉末の配合割合は、電磁波吸収層全体の10〜70vol%、特には20〜50vol%であることが好ましい。10vol%未満では十分な熱伝導性能が得られない場合があり、70vol%を越えた場合には、相対的に軟磁性金属粉の含有率が低下して、十分な電磁波吸収性能が得られない可能性がある。
【0032】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートに用いられる電磁波吸収層と熱伝導層のベースポリマーとしては、オルガノポリシロキサン、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられるが、目的とする用途に応じて選択することができる。これらベースポリマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
本発明において、電磁波吸収層と熱伝導層のベースポリマーは、異なる種類のものを用いてもよいが、層間の接着を強固にするには、同じ種類のものを用いるほうが有利である。
【0034】
本発明においては、組成物の硬さを調節し易く、耐熱性もあるオルガノポリシロキサンをベースポリマーとして用いることが好適である。この場合、オルガノポリシロキサンをベースポリマーとする組成物としては、未加硫のパテ状シリコーン樹脂組成物や硬化性オルガノポリシロキサンをベースポリマーとするシリコーンゲル組成物、付加反応型シリコーンゴム組成物又は過酸化物架橋タイプのシリコーンゴム組成物などとして構成することができるが、特に限定されるものではない。
【0035】
ここで、上記未加硫のパテ状シリコーン、シリコーンゴム、又はシリコーンゲル組成物のベースポリマーとしては、公知のオルガノポリシロキサンを用いることができ、このオルガノポリシロキサンとしては下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
【0036】
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.98〜2.02の正数である。)
【0037】
ここで、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などの非置換の一価炭化水素基、更にはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノ置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基から選択することができる。中でもメチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、更にはメチル基が50モル%以上、特には80モル%以上であることが好ましい。また、aは1.98〜2.02の正数である。このオルガノポリシロキサンとしては、一分子中にアルケニル基を2個以上有するものが好ましく、特にR1の0.001〜5モル%がアルケニル基であることが好ましい。
【0038】
上記式(1)のオルガノポリシロキサンとしては、その分子構造は別に限定されるものではないが、特にその分子鎖末端がトリオルガノシリル基等で封鎖されたものが好ましく、特にジメチルビニルシリル基等のジオルガノビニルシリル基で封鎖されたものが好ましい。また、基本的には直鎖状であることが好ましいが、分子構造の異なる1種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0039】
上記オルガノポリシロキサンは、平均重合度が100〜100,000、特に100〜2,000であることが好ましく、また、25℃における粘度が100〜100,000,000cs(センチストークス)、特に100〜100,000csであることが好ましい。
【0040】
上記オルガノポリシロキサンを用いて付加反応硬化型シリコーンゴム組成物として調製する場合は、上記オルガノポリシロキサンとしてビニル基等のアルケニル基を一分子中に2個以上有するものを使用すると共に、硬化剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと付加反応触媒を使用する。
【0041】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)
R2 bHcSiO(4−b−c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、bは0≦b≦3、特に0.7≦b≦2.1、cは0<c≦3、特に0.001≦c≦1で、かつb+cは0<b+c≦3、特に0.8≦b+c≦3を満足する数である。)
で示される常温で液体のものであることが好ましい。
【0042】
ここで、R2は炭素数1〜10、特に1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、上記R1で例示した基と同様の基、好ましくは脂肪族不飽和結合を含まないものを挙げることができ、特にアルキル基、アリール基、アラルキル基、置換アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などが好ましいものとして挙げられる。分子構造としては直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの状態であってもよく、SiH基は分子鎖の末端に存在しても分子鎖途中に存在してもよく、この両方に存在していてもよい。分子量に特に限定はないが、25℃での粘度が1〜1,000cs、特に3〜500csの範囲であることが好ましい。
【0043】
上記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェン環状ポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0044】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)の数と、ベースポリマー中のケイ素原子結合アルケニル基の数との比率が0.1:1〜3:1となるような量が好ましく、より好ましくは0.2:1〜2:1となるような量である。
【0045】
付加反応触媒としては、白金族金属系触媒が用いられ、白金族金属を触媒金属として含有する単体、化合物、及びそれらの錯体などを用いることができる。具体的には、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒などが挙げられる。なおこの付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、上記アルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対して、好ましくは白金族金属として0.1〜1,000ppm、より好ましくは1〜200ppmである。0.1ppm未満であると組成物の硬化が十分に進行しない場合が多く、1,000ppmを超えるとコスト高になることがある。
【0046】
一方、シリコーンゴム組成物を有機過酸化物硬化型とする場合には、硬化剤として有機過酸化物を用いる。なお、有機過酸化物硬化は、ベースポリマーのオルガノポリシロキサンの重合度が3,000以上のガム状の場合に有用である。有機過酸化物としては、従来公知のものを使用することができ、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられる。
【0047】
有機過酸化物の配合量は、上記ベースポリマーのオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜10重量部とすることが好ましい。
【0048】
また、本発明においては、電磁波吸収層、熱伝導層ともに、必要に応じてシランカップリング剤などの粉末表面処理剤、難燃剤、架橋剤、制御剤、架橋促進剤などを適宜、適量配合してもよい。
【0049】
本発明において、電磁波吸収層及び熱伝導層を構成する組成物は、それぞれ軟磁性金属粉末及び/又は熱伝導性粉末とベースポリマーと必要に応じてその他の成分とを混合することにより製造することができる。ここで、軟磁性金属粉末及び/又は熱伝導性粉末とベースポリマーとその他の成分との混合は、ホモミキサー、ニーダー、2本ロール、プラネタリーミキサー等の混合機により均一になるまで行うが、特にこれらに限定されるものではない。
【0050】
電磁波吸収層と熱伝導層の積層方法としては、上記組成物を用いて電磁波吸収層又は熱伝導層をコーティング成型やプレス成型等で予め成型した後、他の層をプレス成型やコーティング成型等で積層する方法や、電磁波吸収層と熱伝導層の両層を共押し出しやコーティングなどによりシート形状の未硬化物とした後、これらを重ねてプレス成型する方法、電磁波吸収層と熱伝導層の両層をコーティング成型やプレス成型等で予め成型した後、粘着層を介してプレス接着する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、各層間の接着を強固にするため、積層前のシートの接合面をプライマー処理してもよい。なお、上記電磁波吸収層と熱伝導層は、必要に応じて加熱硬化させることができる。
【0051】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの積層構造としては、例えば図1(a)に示すような一層の電磁波吸収層1と一層の熱伝導層2とを積層してなる二層積層構造や、図1(b)に示すような一層の電磁波吸収層1の両側面に各一層の熱伝導層2を積層した三層構造などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0052】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シート全体の厚さは、0.2mm以上10mm以下、特に0.3mm以上3mm以下であることが好ましく、一層の熱伝導層の厚さが0.05mm以上1mm以下、特に0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。また、電磁波吸収層の厚さは、全シートの厚さの50%を超えるものとすることが好ましく、より好ましくは全シート厚さの55〜98%である。本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの電磁波吸収層は、導電性の軟磁性金属粉をベースポリマー中に分散させた構造であるため、絶縁破壊電圧は小さい。従って、シートの電気絶縁性は、熱伝導層の電気絶縁性に負うところが大きく、熱伝導層の厚さが0.05mm未満では、電子機器等で余裕を持って使用できるレベルの絶縁破壊電圧1kVを安定して得ることが難しい。また、成型によるピンホールの発生確率も高くなり、このピンホールからのリーク電流により、絶縁破壊電圧1kVを確保できなくなる場合がある。また、熱伝導層の厚さが1mmを超えたり、電磁波吸収層の厚さが、全シートの厚さの50%以下では、十分な電磁波吸収性能が得られない可能性がある。
【0053】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートのシート厚さ方向での絶縁破壊電圧は、1kV以上、好ましくは1.5kV以上、更に好ましくは2kV以上である。本発明のシート中の電磁波吸収層は、軟磁性金属粉をベースポリマー中に分散させた構造であるため、その絶縁破壊電圧は小さい。そのため電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた電気絶縁性の熱伝導層を積層することにより、シート厚さ方向での絶縁破壊電圧を確保することができる。絶縁破壊電圧が1kV未満では、電子機器内で回路短絡の危険性が増加し、適応範囲が狭まる。
【0054】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの熱伝導層の体積抵抗率は、1×106Ωm以上、特に1×108Ωm以上であることが好ましく、また1×1014Ωm以下であることが好ましい。体積抵抗率が1×106Ωmより小さいと、シートがプリント配線回路や各種電極端子に接触したとき、電気的な短絡を引き起こすおそれがある。
【0055】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの熱伝導率は、0.7W/mK以上、特に1W/mK以上であることが好ましく、また10W/mK以下であることが好ましい。熱伝導率が0.7W/mK未満では熱伝導性能が十分でなくなる場合があり、用途も限定されてしまう。
なお、電磁波吸収層に熱伝導性充填剤を充填した場合は、シート全体の熱伝導率が1.5W/mK以上であることが好ましく、更には3W/mK以上であることが好ましい。
【0056】
本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの表面層のうち、少なくとも片方の発熱物及び/又は放熱部材の表面に配置される層の硬度が、アスカーC硬度計で測定したとき70以下、特に60以下であることが好ましい。シート表面を軟らかくすることで、シート表面が発熱物及び/又は放熱部材の表面の微細な凹凸に追従、変形して、ミクロに見ると両者の接触面積が大きくなる。結果として、シートと発熱物及び/又は放熱部材との接触熱抵抗を小さくすることができる。アスカーC硬度が70より大きいと、シートと発熱物及び/又は放熱部材との接触熱抵抗が大きくなり、放熱特性が十分でない可能性がある。なお、電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートの硬度の下限値としては、アスカーC硬度計で測定したとき1以上であることが好ましい。
【0057】
本発明の電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シートは、高い電磁波吸収性能と高い熱伝導性能を兼ね備え、かつ電気絶縁性であるため、電子機器内部に装着する場合、プリント配線回路をはじめとする各部分の電気的な短絡に対してあまり配慮する必要がなく、最適な個所に装着することが可能である。このことにより、従来にも増して電子機器内部の電磁波ノイズを抑制できると共に、外部への電磁波漏洩量も抑制できる。更に、電子機器要素から発生した熱の機器外部への放熱も可能となる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0059】
[実施例1]
ベースポリマーとして、有機過酸化物硬化型タイプのシリコーンゴム組成物を使用して、熱伝導層を厚さ100μmのPET上にコーティング成型した。
【0060】
平均重合度7000のジメチルビニル生ゴム88重量部、ケイ素原子結合アルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを熱伝導性充填粉末の表面処理剤として12重量部、更に熱伝導性充填剤として平均粒径18μmのアルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AS−30)800重量部と平均粒径4μmのアルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AL−24)400重量部をニーダーにて均一なるまで混合し、熱伝導層のベース組成物を作製した。
【0061】
このベース組成物100重量部に対して、有機過酸化物であるジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド0.8重量部とトルエン40重量部をホモミキサーにて攪拌混合した後、厚さ100μmのPET上にコーティングした。更に、トルエンを除去するため40℃・5分間、80℃・5分間と段階的に加熱工程を設けた後、150℃・5分間の条件で、コーティングシートを架橋・硬化させ、PET基材上に厚さ0.1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シート中の熱伝導層を得た。
【0062】
次に、ベースポリマーとして、液状付加反応タイプのシリコーンゴム組成物を使用して、電磁波吸収層を上記、熱伝導層上にプレス成型した。
【0063】
室温での粘度が30Pa・sであり、ジメチルビニルシロキシ基で両末端を封止したビニル基含有ジメチルポリシロキサンをベースオイルとし、ケイ素原子結合アルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを各種充填粉末の表面処理剤として、該充填粉末の合計量100重量部に対して1重量部添加し、更に平均粒径10μmの球状のFe−12%Cr−3%Si軟磁性金属粉末と熱伝導性粉末である平均粒径1μmの粒状アルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AL−47−1)を加えて、プラネタリーミキサーで室温にて攪拌混合後、更に攪拌しながら120℃、1時間の熱処理を行って、本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シート中の電磁波吸収層のベース組成物を作製した。
【0064】
次に、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有したオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属系触媒、アセチレンアルコール系反応制御剤を添加混合した。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、その水素原子のモル数と電磁波吸収層のベース組成物中のジメチルシロキシ基のモル数の比が0.7となるようにした。最終的な配合組成は、シリコーン成分100重量部に対して、軟磁性金属粉末1000重量部、熱伝導性粉末であるアルミナ粉末400重量部となるよう調整した。この電磁波吸収層となる組成物を、熱伝導層上に、プレス成形にて120℃、10分間加熱硬化させ、0.9mmの電磁波吸収層を積層した後、熱伝導層側のPET基材から離型して、合計シート厚1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0065】
[実施例2]
電磁波吸収層の軟磁性金属粉を平均粒径30μmの扁平形状のFe−5.5%Siとし、電磁波吸収層の最終的な配合組成が、シリコーン成分100重量部に対して、軟磁性金属粉末900重量部、熱伝導性粉末であるアルミナ粉末500重量部となるよう調整した以外は実施例1と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0066】
[実施例3]
電磁波吸収層の最終的な配合組成が、シリコーン成分100重量部に対して、軟磁性金属粉末900重量部、熱伝導性粉末であるアルミナ粉末200重量部となるよう調整した以外は実施例2と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0067】
[実施例4]
熱伝導性粉末を平均粒径0.9μmの窒化アルミ粉末(三井化学株式会社製商品名:MAN−2)とした以外は実施例3と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0068】
[実施例5]
電磁波吸収層のアルミナを平均粒径5μmの粒状のNi−Znフェライト粉末(戸田工業株式会社製商品名:BSN−714)に代えた以外は実施例3と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0069】
[実施例6]
電磁波吸収層の軟磁性金属粉を平均粒径30μmのFe−5.5%Siとし、熱伝導性粉末を添加せずに、電磁波吸収層の最終的な配合組成が、シリコーン成分100重量部に対して、軟磁性金属粉末700重量部となるよう調整した以外は実施例1と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0070】
[実施例7]
電磁波吸収層の組成を実施例2と同じとし、プレス成型にて120℃、10分間加熱硬化させ、0.6mmの電磁波吸収層を得た。
【0071】
次に、ベースポリマーとして、実施例1で電磁波吸収層に用いたシリコーン組成物100重量部に対して、熱伝導性充填剤に平均粒径18μmのアルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AS−30)600重量部と平均粒径4μmのアルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AL−24)300重量部を充填し、熱伝導層組成物とした。これを電磁波吸収層上に0.4mmの厚さで無溶剤コーティングした後、120℃・10分間の条件で架橋・硬化させ、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0072】
[実施例8]
熱伝導層中の熱伝導性充填剤に、アルミナに代えて平均粒径5μmの粒状のNi−Znフェライト粉末(戸田工業株式会社製商品名:BSN−714)を使用し、ベースポリマー100重量部に対して、1000重量部充填したこと以外は実施例7と同じとして、厚さ1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0073】
[実施例9]
実施例1の熱伝導層と同じ組成のベースポリマー100重量部、平均粒径1.5μmの窒化ホウ素粉末(三井化学株式会社製商品名:MBN−010)200重量部、トルエン300重量部をホモミキサーにて均一に攪拌混合した後、厚さ50μmのガラスクロスを補強材として、まず、その片面にコーティングし、40℃・5分間、80℃・5分間と段階的に加熱工程を設けた後、150℃・5分間の条件で、架橋・硬化させた。次にガラスクロスの反対の面にもコーティングし、同様に架橋・硬化させ、0.4mm厚の熱伝導層を得た。
【0074】
この熱伝導層上に、実施例2と同じ組成の電磁波吸収層を、実施例1と同じ条件でプレス成型し、0.6mm厚の電磁波吸収層とし、合計の厚さが1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0075】
[実施例10]
実施例1の熱伝導層と同じ組成、同じ方法で0.1mm厚の熱伝導層を作製し、この熱伝導層で両側から挟みこんで、実施例2の電磁波吸収層と同じ組成の0.8mm厚の電磁波吸収層をプレス成型にて積層し、両側を熱伝導層とした3層構造の合計の厚さが1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0076】
[実施例11]
実施例1の熱伝導層と同じ組成、同じ方法で0.1mm厚の熱伝導層を作製し、この熱伝導層上に、実施例2の電磁波吸収層と同じ組成の0.6mm厚の電磁波吸収層をプレス成型にて積層した。更に、電磁波吸収層上に実施例7の熱伝導層と同じ0.3mm厚の熱伝導層を積層して3層構造の積層シートとし、合計の厚さが1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0077】
[実施例12]
電磁波吸収層のベースポリマーとして日信化学工業株式会社製のアクリルゴムRV−2520を使用し、このアクリルゴム100重量部に対して、平均粒径30μmの扁平形状のFe−5.5%Si軟磁性金属粉末1200重量部、平均粒径1μmのアルミナ粉末(昭和電工株式会社製商品名:AL−47−1)300重量部をニーダーにて均一混合し、電磁波吸収層のベース組成物とした。このベース組成物100重量部に対して、有機過酸化物であるジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド0.8重量部を2本ロールにて混合した後、150℃、10分間の条件でプレス成型し、0.6mm厚の電磁波吸収層を得た。
【0078】
この電磁波吸収層上に、実施例7の熱伝導層と同じ組成、同じ条件で0.4mm厚の熱伝導層を積層し、合計の厚さが1mmの本発明の電気絶縁性電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0079】
[比較例1]
熱伝導層中の熱伝導性充填剤として、アルミナの代わりに平均粒径20μmの球状銅粉(三井金属鉱業株式会社製商品名:MA−CD−S)を使用した以外は、実施例1と同じとして、合計厚さ1mmの電磁波吸収層と熱伝導層とからなる2層構造の電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0080】
[比較例2]
熱伝導層の厚さを0.03mm、電磁波吸収層の厚さを0.97mmとした以外は、実施例1と同じとして、合計厚さ1mmの電磁波吸収層と熱伝導層とからなる2層構造の電磁波吸収性熱伝導性シートを得た。
【0081】
[比較例3]
0.95mmの電磁波吸収層を実施例6と同じ組成、同じ方法で厚さ0.05mmのPETフィルム上に成型・接着し、合計厚さ1mmの電気絶縁性の電磁波吸収性シートを得た。
【0082】
実施例1〜12、比較例1〜3にて得られたシートのシート厚さ方向での絶縁破壊電圧、シート厚さ方向での熱伝導率、シート表面層のアスカーC硬度及び電磁波吸収特性として放射電磁波減衰量を、また熱伝導層の体積抵抗率を下記に示す方法にて評価し、結果を表1〜3に示した。
【0083】
《絶縁破壊電圧》
絶縁破壊電圧の測定はJIS C 2110に基づき測定を行った。
【0084】
《体積抵抗率》
熱伝導層の体積抵抗率の測定はJIS K 6249に基づき測定を行った。
【0085】
《熱伝導率》
熱伝導率はASTM E 1530に基づき測定を行った。
【0086】
《アスカーC硬度》
シート表面層単独の6mm厚シートを作製し、このシートをシート間に気泡が入らないように2枚重ね合わせて、合計12mm厚の被測定サンプルとした。高分子計器株式会社製アスカーC硬度計を用いて、荷重1kgでの10秒後の読みを測定値とした。
【0087】
《放射電磁波減衰量》
放射電磁波減衰量を評価する方法を図2に示す。まず、電波暗室3内において、被測定シートを、周波数2GHzの電磁波を発生するダイポールアンテナ5に巻きつけ、そのダイポールアンテナ5より3m離れた位置に受信アンテナ7を設置した。すなわち、これはFCC準拠の3m法に合致するものである。次いで、発生した電磁波を受信アンテナ7と接続したシールドルーム4内のEMIレシーバー(スペクトラムアナライザ)8により測定した。なお、図2中6はシグナルジェネレーターである。この測定結果と本発明の電磁波吸収性組成物を設置しない場合の電磁波発生量との差を放射電磁波減衰量とした。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
表1から、本発明による実施例1〜12は、絶縁破壊電圧が1kV以上と高く、熱伝導率も0.7W/mK以上と高く、電磁波吸収性能も本評価方法において2dB以上の値が得られており、十分に電磁波吸収性能があると認められる。
【0092】
実施例1〜5、7〜12と実施例6を比較すると、電磁波吸収層に軟磁性金属粉と熱伝導性充填剤を共充填することにより、1.5W/mK以上の熱伝導率が得られ、熱伝導率が更に高められることがわかる。
【0093】
実施例1と比較例1を比較すると、熱伝導層に導電性の熱伝導性充填剤を充填した場合は、1kV以上の絶縁破壊電圧は得られず、適応個所が制限されることがわかる。
【0094】
実施例1と比較例2を比較すると、熱伝導層を0.05mm未満とした場合は、1kV以上の絶縁破壊電圧は得られず、適応個所が制限されることがわかる。
【0095】
比較例3から、電磁波吸収層に絶縁であるPETフィルムを積層することで、電磁波吸収性能を阻害することなく絶縁破壊電圧を大きくできることがわかるが、実施例6と比較してみると、熱伝導率の悪い樹脂フィルムを積層することで熱伝導率が大きく損なわれることがわかる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の電磁波吸収性熱伝導性シートは、高い電磁波吸収性能と高い熱伝導性能を兼ね備え、かつ電気絶縁性であるため、電子機器内部に装着する場合、プリント配線回路をはじめとする各部分の電気的な短絡に対してあまり配慮する必要がなく、最適な個所に装着することが可能である。このことにより、従来にも増して電子機器内部の電磁波ノイズを抑制できると共に、外部への電磁波漏洩も抑制できる。更に、電子機器要素から発生した熱の機器外部への放熱も可能となる。
従って、従来電磁波吸収性シートと熱伝導性シートの2種類のシートが必要だった個所に対して、1種類のシートで簡単に対応が可能となる。小さなスペースで電磁波ノイズ対策と発熱対策が同時に可能となり、電子機器の小型化をも可能にする。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電磁波吸収性熱伝導性シートの構造を示す概略断面図であって、(a)は二層構造の電磁波吸収性熱伝導性シート、(b)は三層構造の電磁波吸収性熱伝導性シートである。
【図2】放射電磁波減衰量測定方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電磁波吸収層
2 熱伝導層
3 電波暗室
4 シールドルーム
5 ダイポールアンテナ
6 シグナルジェネレーター
7 受信アンテナ
8 EMIレシーバー
Claims (10)
- 軟磁性金属粉をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電磁波吸収層と、電気絶縁性の熱伝導性充填剤をベースポリマー中に分散させた少なくとも1層の電気絶縁性の熱伝導層とを積層した電磁波吸収性熱伝導性シートであって、シートの厚さ方向での絶縁破壊電圧が1kV以上である電気絶縁性の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 熱伝導率が0.7W/mK以上である請求項1に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 電磁波吸収層に、軟磁性金属粉とともに電気絶縁性の熱伝導性充填剤が充填されている請求項1又は2に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 熱伝導率が1.5W/mK以上である請求項3に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 電気絶縁性の熱伝導性充填剤が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、フェライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種類である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 電磁波吸収層中に含まれる軟磁性金属粉が、鉄元素を15重量%以上含む金属である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- ベースポリマーが、オルガノポリシロキサン、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム及びフッ素ゴムから選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- シート全体の厚さが0.2mm以上10mm以下、一層の熱伝導層の厚さが0.05mm以上1mm以下、電磁波吸収層全体の厚さが全シートの厚さの50%を超えるものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- 熱伝導層の体積抵抗率が、1×106Ωm以上である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
- シート表面層の少なくとも片方の装着面に配置された層の硬度が、アスカーC硬度計で測定したとき70以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電磁波吸収性熱伝導性シート。
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