JP2002198686A - 電子部品用シートおよびその製造方法 - Google Patents

電子部品用シートおよびその製造方法

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JP2002198686A
JP2002198686A JP2000397346A JP2000397346A JP2002198686A JP 2002198686 A JP2002198686 A JP 2002198686A JP 2000397346 A JP2000397346 A JP 2000397346A JP 2000397346 A JP2000397346 A JP 2000397346A JP 2002198686 A JP2002198686 A JP 2002198686A
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electromagnetic wave
layer
wave absorbing
component sheet
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JP2000397346A
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Junichi Toyoda
準一 豊田
Katsumi Okayama
克巳 岡山
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Sony Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/52Means for reducing coupling between antennas; Means for reducing coupling between an antenna and another structure
    • H01Q1/526Electromagnetic shields
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q17/00Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁波シールドと放熱の両方の性能が優れた電
子部品用シートおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】例えばフェライトやセンダスト等の磁性体
粉末、例えばアルミナや窒化アルミニウム等の熱伝導性
粉末および樹脂を含む電磁波吸収放熱層2と、電磁波吸
収放熱層2上に積層された、例えば銅箔やアルミニウム
箔等の金属箔、またはカーボン等の導電性粉末と樹脂を
含む導電層であるシールド層3とを有する電子部品用シ
ート1およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波の吸収およ
びシールドと、放熱促進の機能を有する電子部品用シー
トおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータや携帯電話等の
各種電子機器の動作周波数は、ますます高周波化されて
いる。これに伴い、これらの電子機器から発生する不要
輻射ノイズの周波数もMHz帯からGHz帯へ高周波化
されてきている。したがって、従来のノイズ対策部分で
はノイズ減衰効果が不十分となってきている。
【0003】また、電子機器の小型化・軽量化が急速に
進んでいることから、不要輻射が筐体内の部品に及ぼす
影響についても問題となってきている。例えば、金属等
の導電性材料からなる筐体を有する電子機器の場合、筐
体に収納された部品から放射される不要輻射が筐体によ
って反射され、部品の動作に干渉することがある。さら
に、筐体内の部品間隔も縮小されていることから、部品
間での不要輻射の相互干渉がより顕著となっている。
【0004】これまで、多様なノイズ対策部品が開発さ
れているが、電子機器の小型化により、ノイズ対策部品
の設置スペースを確保することも困難となってきてい
る。したがって、より高性能で設置スペースの少ないノ
イズ対策部品が望まれている。一方、電子機器の小型化
・軽量化が急速に進行するのに伴い、上記のようなノイ
ズの問題だけでなく、電子機器の発熱の問題が深刻化し
ている。発熱により、電子部品が誤作動したり、電子機
器の寿命が短くなったりする場合がある。
【0005】電磁波シールドと放熱の両方の作用をもつ
電子部品用部材としては、例えば、特開平10−313
191号公報に開示された電子部品用放熱材兼シールド
材が挙げられる。この電子部品用放熱材兼シールド材
は、一方の面から他方の面に連通する多数の微小孔が形
成されたカーボン材と、ホットメルト型接着剤によりカ
ーボン材に接着された金属箔層とを有する。この電子部
品用放熱材兼シールド材は、金属箔層側を電子部品側に
して電子部品に取り付けられる。
【0006】カーボン材としては、例えば炭素繊維の板
状体が用いられる。カーボン材は電磁波シールド層と放
熱層の両方として機能する。また、カーボン材の微小孔
により放熱が促進される。一方、金属箔層としては、熱
伝導性を考慮するとアルミニウムや銅が好適であること
が記載されている。
【0007】また、特開2000−133985号公報
には、電磁波シールド効果および放熱効果を有する電子
部品用シールドカバーが開示されている。この電子部品
用シールドカバーは導電性を有する筐体と、筐体表面に
形成された電磁波損失材料からなる電磁波吸収層とを有
する。
【0008】さらに、筐体には少なくとも一つの通気孔
が設けられ、通気孔の直径は例えば、遮断しようとする
電磁波の波長の1/4以下に設定される。電子部品用シ
ールドカバーに収納される電子部品から発生する熱は、
通気孔を介して筐体外部に放出される。
【0009】特開2000−101004号公報には、
熱伝導率が高く、かつ電磁波シールド特性を有する放熱
シートが開示されている。この放熱シートは、金属繊維
を含むスラリーを湿式抄造および焼結した金属繊維シー
トに、熱伝導性接着剤を含浸、充填、または片面もしく
は両面に積層して加工処理したものである。
【0010】金属繊維としては例えばステンレス繊維、
チタン繊維、ニッケル繊維、真鍮繊維、銅繊維、アルミ
ニウム繊維等が用いられる。また、熱伝導性接着剤はマ
トリクス樹脂に熱伝導性フィラーを混合したものであ
り、熱伝導性フィラーとしては例えばアルミニウム、
金、銀、銅等の金属や、アルミナ、シリカ等の金属酸化
物、あるいは窒化ボロン、窒化アルミニウム等が挙げら
れている。
【0011】特開2000−101004号公報には、
金属繊維シートの片面または両面に熱伝導性接着剤を積
層させた場合に比較して、金属繊維シートに熱伝導性接
着剤を含浸または充填させた場合に、放熱シートの熱伝
導の効率をより高くできることが記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平10−313191号公報記載の電子部品用放熱
材兼シールド材によれば、電磁波シールド層として例え
ばアルミニウムや銅からなる金属箔層が用いられてお
り、特に高周波ノイズの遮断に適した磁性損失材料を用
いることは記載されていない。
【0013】また、特開2000−133985号公報
記載の電子部品用シールドカバーによれば、筐体に形成
された通気孔を介して放熱が行われる。したがって、通
気孔部分では電磁波が遮断されない。また、特に小型の
電子機器の場合には、通気孔の面積が筐体の表面積に対
して占める割合が大きくなり、電子部品の保護という筐
体の本来の機能が果たせなくなる。
【0014】さらに、通気孔の周囲に均一かつ容易に電
磁波吸収層を形成するためには、電磁波吸収層が塗膜で
あることが望ましい。例えば貼付等、塗布以外の方法で
電磁波吸収層を形成する場合、通気孔を塞がないように
電磁波吸収層を形成するか、あるいは、電磁波吸収層を
形成後、通気孔部分の電磁波吸収層に開口部を形成する
必要がある。
【0015】一方、特開2000−101004号公報
記載の放熱シートによれば、金属繊維を加工した金属繊
維シートが用いられる。したがって、金属繊維シートに
は細線加工が可能な金属を用いる必要がある。このよう
な金属として、特開2000−101004号公報には
ステンレス、チタン、ニッケル等が挙げられているが、
耐熱性、耐錆性も考慮するとステンレスが特に好適であ
ることが記載されている。一般に、フェライトの細線加
工は困難であることから、特開2000−101004
号記載の放熱シートにおいて、フェライト等の磁性損失
材料を用いることは難しい。
【0016】上記の各種の電子部品用部材の他に、軟磁
性体粉末をポリマー中に分散させたシート状のノイズ対
策部品も開発されている。これは、磁性体の磁気損失を
利用してノイズを効果的に吸収・抑制するものである。
このようなノイズ対策部品の熱伝導率は十分に高くな
く、一般に放熱特性が低い。放熱特性を改善する目的
で、軟磁性体粉末に熱伝導性粒子を混合した電磁波吸収
放熱シートも開発されている。
【0017】以上のように、電磁波シールドと放熱の両
方の機能をもつ電子部品用部材が各種開発されている
が、特に高周波ノイズを低減し、かつ放熱効率の高い製
品は得られていない。本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、したがって本発明は、電磁波シール
ドと放熱の両方の性能が優れた電子部品用シートおよび
その製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子部品用シートは、磁性体粉末、熱伝導
性粉末および樹脂を含む電磁波吸収放熱層と、前記電磁
波吸収放熱層上に積層された、導電性のシールド層とを
有することを特徴とする。本発明の電子部品用シート
は、好適には、前記電磁波吸収放熱層と前記シールド層
との層間に接着剤層をさらに有することを特徴とする。
【0019】本発明の電子部品用シートは、好適には、
前記磁性体粉末は軟磁性体粉末を含むことを特徴とす
る。本発明の電子部品用シートは、さらに好適には、前
記磁性体粉末はフェライトを含むことを特徴とする。あ
るいは、本発明の電子部品用シートは、さらに好適に
は、前記磁性体粉末はセンダストを含むことを特徴とす
る。
【0020】本発明の電子部品用シートは、好適には、
前記熱伝導性粉末はアルミナを含むことを特徴とする。
あるいは、本発明の電子部品用シートは、好適には、前
記熱伝導性粉末は窒化アルミニウムを含むことを特徴と
する。本発明の電子部品用シートは、好適には、前記シ
ールド層は金属箔を含むことを特徴とする。本発明の電
子部品用シートは、さらに好適には、前記金属箔は銅箔
を含むことを特徴とする。あるいは、本発明の電子部品
用シートは、さらに好適には、前記金属箔はアルミニウ
ム箔を含むことを特徴とする。あるいは、本発明の電子
部品用シートは、好適には、前記シールド層はカーボン
粉末と樹脂を含むことを特徴とする。
【0021】これにより、例えば電子部品の内部から外
部に向かって放射される不要輻射を有効に低減すること
が可能となる。本発明の電子部品用シートは、例えば、
電子回路を内蔵する筐体の外側に貼付したり、あるい
は、半導体チップが実装された絶縁性基板に直接貼付し
たりすることが可能である。また、上記の本発明の電子
部品用シートによれば、電磁波吸収放熱層とシールド層
が適度な柔軟性をもつことから、曲面上に貼付したり、
貼付箇所の形状に合わせて折り曲げたりすることも容易
である。
【0022】上記の目的を達成するため、本発明の電子
部品用シートは、磁性体粉末、熱伝導性粉末および樹脂
を含む第1の電磁波吸収放熱層と、前記電磁波吸収放熱
層上に積層された、導電性のシールド層と、前記シール
ド層上に積層された、磁性体粉末、熱伝導性粉末および
樹脂を含む第2の電磁波吸収放熱層をさらに有すること
を特徴とする。
【0023】本発明の電子部品用シートは、好適には、
前記第1の電磁波吸収放熱層と前記シールド層との層間
に第1の接着剤層をさらに有することを特徴とする。本
発明の電子部品用シートは、好適には、前記第2の電磁
波吸収放熱層と前記シールド層との層間に第2の接着剤
層をさらに有することを特徴とする。
【0024】本発明の電子部品用シートは、好適には、
前記磁性体粉末は軟磁性体粉末を含むことを特徴とす
る。本発明の電子部品用シートは、さらに好適には、前
記磁性体粉末はフェライトを含むことを特徴とする。あ
るいは、本発明の電子部品用シートは、さらに好適に
は、前記磁性体粉末はセンダストを含むことを特徴とす
る。
【0025】本発明の電子部品用シートは、好適には、
前記熱伝導性粉末はアルミナを含むことを特徴とする。
あるいは、本発明の電子部品用シートは、好適には、前
記熱伝導性粉末は窒化アルミニウムを含むことを特徴と
する。本発明の電子部品用シートは、好適には、前記シ
ールド層は金属箔を含むことを特徴とする。本発明の電
子部品用シートは、好適には、前記金属箔は銅箔を含む
ことを特徴とする。あるいは、本発明の電子部品用シー
トは、好適には、前記金属箔はアルミニウム箔を含むこ
とを特徴とする。あるいは、本発明の電子部品用シート
は、好適には、前記シールド層はカーボン粉末と樹脂を
含むことを特徴とする。
【0026】これにより、電子部品の内部から外部に向
かって放射される不要輻射と、電子部品の外部から内部
に向かって侵入し、電子部品の動作に影響を与えるよう
なノイズとの両方を有効に低減することが可能となる。
したがって、本発明の電子部品用シートは、例えば、電
子回路を内蔵する筐体の内側または外側等、電磁波が両
面から入射するような箇所に貼付することができる。ま
た、上記の本発明の電子部品用シートによれば、第1お
よび第2の電磁波吸収放熱層とシールド層が適度な柔軟
性を有することから、曲面上に貼付したり、貼付箇所の
形状に合わせて折り曲げたりすることも容易である。
【0027】上記の目的を達成するため、本発明の電子
部品用シートの製造方法は、少なくとも磁性体粉末と熱
伝導性粉末を樹脂と混練し、第1の混練物を調製する工
程と、前記第1の混練物をシート状に延伸して硬化さ
せ、電磁波吸収放熱層を形成する工程と、導電性のシー
ルド層を形成する工程と、前記電磁波吸収放熱層と前記
シールド層とを積層させる工程とを有することを特徴と
する。
【0028】本発明の電子部品用シートの製造方法は、
好適には、前記電磁波吸収放熱層と前記シールド層とを
積層させる工程は、接着剤を用いて前記電磁波吸収放熱
層と前記シールド層とを接着する工程を含むことを特徴
とする。本発明の電子部品用シートの製造方法は、好適
には、前記シールド層を形成する工程は、金属箔を形成
する工程を含むことを特徴とする。
【0029】本発明の電子部品用シートの製造方法は、
好適には、前記シールド層を形成する工程は、少なくと
も導電性粉末を樹脂と混練し、第2の混練物を調製する
工程と、前記第2の混練物を延伸して硬化させる工程と
を含むことを特徴とする。本発明の電子部品用シートの
製造方法は、好適には、前記シールド層の前記電磁波吸
収放熱層が形成されていない側の面に、少なくとも磁性
体粉末、熱伝導性粉末および樹脂を含む第2の電磁波吸
収放熱層を形成する工程をさらに有することを特徴とす
る。これにより、例えば電子部品の内部から外部に向か
って放射される不要輻射を有効に低減できる電子部品用
シートを、簡略な工程で製造することが可能となる。
【0030】また、上記の目的を達成するため、本発明
の電子部品用シートの製造方法は、少なくとも磁性体粉
末と熱伝導性粉末を樹脂と混練し、第1の混練物を調製
する工程と、少なくとも導電性粉末を樹脂と混練し、第
2の混練物を調製する工程と、前記第1および第2の混
練物をそれぞれシート状に延伸しながら積層する工程
と、延伸され積層された前記第1および第2の混練物を
硬化させる工程とを有することを特徴とする。
【0031】本発明の電子部品用シートの製造方法は、
好適には、前記シールド層の前記電磁波吸収放熱層が形
成されていない側の面に、少なくとも磁性体粉末、熱伝
導性粉末および樹脂を含む第2の電磁波吸収放熱層を形
成する工程をさらに有することを特徴とする。
【0032】これにより、電子部品の内部から外部に向
かって放射される不要輻射と、電子部品の外部から内部
に向かって侵入し、電子部品の動作に影響を与えるよう
なノイズとの両方を有効に低減できる電子部品用シート
を、簡略な工程で製造することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電子部品用シー
トおよびその製造方法の実施の形態について、図面を参
照して説明する。 (実施形態1)図1は本実施形態の電子部品用シートの
断面図である。電子部品用シート1は電磁波吸収放熱層
2とシールド層3とを有する。通常、電子部品用シート
1は電磁波吸収放熱層2が不要輻射の発生源に近い側と
なり、シールド層3が不要輻射の発生源から遠い側とな
るように、電子部品に配置される。
【0034】電磁波吸収放熱層2は軟磁性体粉末および
熱伝導性粉末を樹脂に混練して作製される。シールド層
3は金属箔、あるいは導電性粉末を含有する層である。
電磁波吸収放熱層2とシールド層3は、別途にシート状
に形成してから接着剤を用いて貼り合わせる。あるい
は、それぞれの材料を延伸しながら積層させ、その後、
一体化された状態で硬化させることもできる。
【0035】電磁波吸収放熱層2は軟磁性体粉末とし
て、例えばフェライトやセンダスト等を含有する。ま
た、電磁波吸収放熱層2は熱伝導性粉末として、例えば
アルミナや窒化アルミニウムを含有する。シールド層3
は電磁波を反射する導電性材料を含有する。例えば、銅
あるいはアルミニウム等からなる金属箔をシールド層3
として用いることができる。あるいは、カーボン等の粉
末を樹脂と混練し、シート状に加工したものをシールド
層3として用いることができる。
【0036】上記の本実施形態の電子部品用シートによ
れば、電子部品の内部から外部に向かって放射される不
要輻射が有効に低減される。本実施形態の電子部品用シ
ートは、例えば、電子回路を内蔵するプラスチック製の
筐体の外側に貼付したり、あるいは、半導体チップが実
装された絶縁性基板等に直接貼付したりする場合に好適
に用いられる。
【0037】また、上記の本実施形態の電子部品用シー
トによれば、電磁波吸収放熱層2が樹脂を含有する層で
あり、シールド層3が薄い金属箔あるいは樹脂を含有す
る層であることから、適度な柔軟性を有する。したがっ
て、曲面上に貼付したり、貼付箇所の形状に合わせて折
り曲げたりすることも容易である。
【0038】(実施形態2)図2は本実施形態の電子部
品用シートの断面図である。電子部品用シート11は電
磁波吸収放熱層12、シールド層13および電磁波吸収
放熱層14が順に積層された構造を有する。電子部品用
シート11は電磁波吸収放熱層12と電磁波吸収放熱層
14のいずれか一方が不要輻射の発生源に近い側とな
り、他方が不要輻射の発生源から遠い側となるように、
電子部品に配置される。
【0039】電磁波吸収放熱層12、14は軟磁性体粉
末および熱伝導性粉末を樹脂に混練して作製される。電
磁波吸収放熱層12、14の組成は同一であっても、異
なっていてもいずれでもよい。シールド層13は金属
箔、あるいは導電性粉末を含有する層である。電磁波吸
収放熱層12とシールド層13は、別途にシート状に形
成してから接着剤を用いて貼り合わせる。同様に、シー
ルド層13と電磁波吸収放熱層14は、別途にシート状
に形成してから接着剤を用いて貼り合わせる。あるい
は、それぞれの材料を延伸しながら積層させ、その後、
一体化された状態で硬化させることもできる。
【0040】電磁波吸収放熱層12、14は軟磁性体粉
末として、例えばフェライトやセンダスト等を含有す
る。また、電磁波吸収放熱層12、14は熱伝導性粉末
として、例えばアルミナや窒化アルミニウムを含有す
る。シールド層13は電磁波を反射する導電性材料を含
有する。例えば、銅あるいはアルミニウム等からなる金
属箔をシールド層13として用いることができる。ある
いは、カーボン等の粉末を樹脂と混練し、シート状に加
工したものをシールド層13として用いることができ
る。
【0041】上記の本実施形態の電子部品用シートによ
れば、電子部品の内部から外部に向かって放射される不
要輻射と、電子部品の外部から内部に向かって侵入し、
電子部品の動作に影響を与えるようなノイズとの両方が
有効に低減される。したがって、本実施形態の電子部品
用シートは、例えば、電子回路を内蔵する筐体の内側ま
たは外側等、電磁波が両面から入射するような箇所に貼
付する場合に好適に用いられる。
【0042】また、上記の本実施形態の電子部品用シー
トによれば、電磁波吸収放熱層12、14が樹脂を含有
する層であり、シールド層13が薄い金属箔あるいは樹
脂を含有する層であることから、適度な柔軟性を有す
る。したがって、曲面上に貼付したり、貼付箇所の形状
に合わせて折り曲げたりすることも容易である。
【0043】(実施形態3)図3は、上記の実施形態2
に示す電子部品用シート(図2参照)を有する半導体装
置の断面図である。図3に示す半導体装置21におい
て、絶縁性基板22上には複数の半導体チップ23、2
4、25が実装されている。半導体チップ23、24、
25は例えばGHzレベルの高周波回路を含む。絶縁性
基板22および半導体チップ23、24、25はプラス
チック製の筐体26内に収納されている。
【0044】電子部品用シート11は筐体26の内壁
に、例えば接着剤を用いて貼付される。図2に示すよう
に、電子部品用シート11は電磁波吸収放熱層12、シ
ールド層13および電磁波吸収放熱層14が順に積層さ
れた構造を有する。ここで便宜上、筐体26の内壁に密
接する側を電磁波吸収放熱層12とし、半導体チップ2
3、24、25に近い側を電磁波吸収放熱層14とす
る。
【0045】電磁波吸収放熱層12、14は軟磁性体粉
末および熱伝導性粉末を含有するため、これらの層は入
射する電磁波を吸収し、かつ、電子部品からの放熱を促
進する。また、シールド層13は金属またはカーボンか
らなる導電層であり、シールド層13に入射する電磁波
を反射する。
【0046】上記の構成の半導体装置21によれば、筐
体26の外部から筐体26の内部に向かって侵入するノ
イズが、まず、電磁波吸収放熱層12により吸収され
る。電磁波吸収放熱層12を透過したノイズは、シール
ド層13により一部が反射される。電磁波吸収放熱層1
2およびシールド層13を透過する間に減衰したノイズ
は、電磁波吸収放熱層14により吸収されるため、さら
に減衰する。これにより、筐体26外部から侵入し、半
導体チップ22、23、24等の動作に影響を及ぼすノ
イズが有効に低減される。
【0047】また、電磁波吸収放熱層12、14が熱伝
導性粉末を含有するため、半導体チップ22、23、2
4から効率的に放熱が行われる。半導体チップ22、2
3、24において発生する熱は、電磁波吸収放熱層12
から筐体26への熱伝導により拡散する。
【0048】本発明の電子部品用シートの実施形態は、
上記の説明に限定されない。例えば、上記の実施形態3
において、電子部品用シート11は筐体26の一つの面
の内側全面に形成されているが、電子部品用シート11
を特に不要輻射が問題となる箇所に限定的に設けること
も可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々の変更が可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明の電子部品用シートによれば、不
要輻射のノイズを低減し、かつ電子部品からの放熱を効
率的に行うことが可能となる。本発明の電子部品用シー
トの製造方法によれば、電磁波シールドと放熱の両方の
性能が高い電子部品用シートを簡略な工程で製造するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係る電磁波吸収放
熱シールドシートの断面図である。
【図2】図2は本発明の実施形態2に係る電磁波吸収放
熱シールドシートの断面図である。
【図3】図3は本発明の実施形態3に係り、図2に示す
電磁波吸収放熱シールドシートが適用された半導体装置
の断面図である。
【符号の説明】
1、11…電子部品用シート、2、12、14…電磁波
吸収放熱層、3、13…シールド層、21…半導体装
置、22…絶縁性基板、23、24、25…半導体チッ
プ、26…筐体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 B32B 27/18 Z H01L 23/00 H01L 23/00 C Fターム(参考) 4F100 AA13 AA19 AA37 AB10 AB17 AB33 AK01A BA02 BA03 BA04 BA06 BA07 BA10A BA10B CA21A CA30A CB00C GB41 JD08 JD08A JD08B JG01A JG01B JJ01 JJ01A 5E321 AA23 BB21 BB25 BB32 BB34 BB44 CC16 GG05 GG07 GH03

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体粉末、熱伝導性粉末および樹脂を含
    む電磁波吸収放熱層と、 前記電磁波吸収放熱層上に積層された、導電性のシール
    ド層とを有する電子部品用シート。
  2. 【請求項2】前記電磁波吸収放熱層と前記シールド層と
    の層間に接着剤層をさらに有する請求項1記載の電子部
    品用シート。
  3. 【請求項3】前記磁性体粉末は軟磁性体粉末を含む請求
    項1記載の電子部品用シート。
  4. 【請求項4】前記磁性体粉末はフェライトを含む請求項
    3記載の電子部品用シート。
  5. 【請求項5】前記磁性体粉末はセンダストを含む請求項
    3記載の電子部品用シート。
  6. 【請求項6】前記熱伝導性粉末はアルミナを含む請求項
    1記載の電子部品用シート。
  7. 【請求項7】前記熱伝導性粉末は窒化アルミニウムを含
    む請求項1記載の電子部品用シート。
  8. 【請求項8】前記シールド層は金属箔を含む請求項1記
    載の電子部品用シート。
  9. 【請求項9】前記金属箔は銅箔を含む請求項8記載の電
    子部品用シート。
  10. 【請求項10】前記金属箔はアルミニウム箔を含む請求
    項8記載の電子部品用シート。
  11. 【請求項11】前記シールド層はカーボン粉末と樹脂を
    含む請求項1記載の電子部品用シート。
  12. 【請求項12】磁性体粉末、熱伝導性粉末および樹脂を
    含む第1の電磁波吸収放熱層と、 前記電磁波吸収放熱層上に積層された、導電性のシール
    ド層と、 前記シールド層上に積層された、磁性体粉末、熱伝導性
    粉末および樹脂を含む第2の電磁波吸収放熱層をさらに
    有する電子部品用シート。
  13. 【請求項13】前記第1の電磁波吸収放熱層と前記シー
    ルド層との層間に第1の接着剤層をさらに有する請求項
    12記載の電子部品用シート。
  14. 【請求項14】前記第2の電磁波吸収放熱層と前記シー
    ルド層との層間に第2の接着剤層をさらに有する請求項
    12記載の電子部品用シート。
  15. 【請求項15】前記磁性体粉末は軟磁性体粉末を含む請
    求項12記載の電子部品用シート。
  16. 【請求項16】前記磁性体粉末はフェライトを含む請求
    項15記載の電子部品用シート。
  17. 【請求項17】前記磁性体粉末はセンダストを含む請求
    項15記載の電子部品用シート。
  18. 【請求項18】前記熱伝導性粉末はアルミナを含む請求
    項12記載の電子部品用シート。
  19. 【請求項19】前記熱伝導性粉末は窒化アルミニウムを
    含む請求項12記載の電子部品用シート。
  20. 【請求項20】前記シールド層は金属箔を含む請求項1
    2記載の電子部品用シート。
  21. 【請求項21】前記金属箔は銅箔を含む請求項20記載
    の電子部品用シート。
  22. 【請求項22】前記金属箔はアルミニウム箔を含む請求
    項20記載の電子部品用シート。
  23. 【請求項23】前記シールド層はカーボン粉末と樹脂を
    含む請求項21記載の電子部品用シート。
  24. 【請求項24】少なくとも磁性体粉末と熱伝導性粉末を
    樹脂と混練し、第1の混練物を調製する工程と、 前記第1の混練物をシート状に延伸して硬化させ、電磁
    波吸収放熱層を形成する工程と、 導電性のシールド層を形成する工程と、 前記電磁波吸収放熱層と前記シールド層とを積層させる
    工程とを有する電子部品用シートの製造方法。
  25. 【請求項25】前記電磁波吸収放熱層と前記シールド層
    とを積層させる工程は、接着剤を用いて前記電磁波吸収
    放熱層と前記シールド層とを接着する工程を含む請求項
    24記載の電子部品用シートの製造方法。
  26. 【請求項26】前記シールド層を形成する工程は、金属
    箔を形成する工程を含む請求項25記載の電子部品用シ
    ートの製造方法。
  27. 【請求項27】前記シールド層を形成する工程は、少な
    くとも導電性粉末を樹脂と混練し、第2の混練物を調製
    する工程と、 前記第2の混練物を延伸して硬化させる工程とを含む請
    求項25記載の電子部品用シートの製造方法。
  28. 【請求項28】前記シールド層の前記電磁波吸収放熱層
    が形成されていない側の面に、少なくとも磁性体粉末、
    熱伝導性粉末および樹脂を含む第2の電磁波吸収放熱層
    を形成する工程をさらに有する請求項24記載の電子部
    品用シートの製造方法。
  29. 【請求項29】少なくとも磁性体粉末と熱伝導性粉末を
    樹脂と混練し、第1の混練物を調製する工程と、 少なくとも導電性粉末を樹脂と混練し、第2の混練物を
    調製する工程と、 前記第1および第2の混練物をそれぞれシート状に延伸
    しながら積層する工程と、 延伸され積層された前記第1および第2の混練物を硬化
    させる工程とを有する電子部品用シートの製造方法。
  30. 【請求項30】前記シールド層の前記電磁波吸収放熱層
    が形成されていない側の面に、少なくとも磁性体粉末、
    熱伝導性粉末および樹脂を含む第2の電磁波吸収放熱層
    を形成する工程をさらに有する請求項29記載の電子部
    品用シートの製造方法。
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