JPH11334315A - タイヤとリムの組立体 - Google Patents

タイヤとリムの組立体

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JPH11334315A
JPH11334315A JP10147934A JP14793498A JPH11334315A JP H11334315 A JPH11334315 A JP H11334315A JP 10147934 A JP10147934 A JP 10147934A JP 14793498 A JP14793498 A JP 14793498A JP H11334315 A JPH11334315 A JP H11334315A
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tire
point
rim
rubber
carcass
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知栄子 青木
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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/0292Carcass ply curvature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C17/00Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
    • B60C17/0009Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ重量、転がり抵抗、リム着脱性等の諸
性能を損ねることなく、ランフラット性能を向上でき
る。 【解決手段】 ヒール点半径線11Lがトレッド側でタ
イヤ内腔Sと交差する上交差点aからタイヤ外面までの
タイヤ厚さWaと、上交差点aからカーカス6の内面ま
でのゴム厚さwaとの比wa/Wa、及びヒール点半径
線11Lがビード側でタイヤ内腔Sと交差する下交差点
bからタイヤ外面までのタイヤ厚さWbと、下交差点b
からカーカス6の内面までのゴム厚さwbとの比wb/
Wbをそれぞれ0.20〜0.65とする。前記上交差
点aにおけるタイヤ外面の最近点ATを含む上方領域L
Aは、複素弾性率(単位:Mpa)が7.0以上かつ1
3.0以下のゴム層20により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤに空気抜け
が生じたときでも、一定距離の走行を可能とするランフ
ラット性能を有するタイヤとリムの組立体に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】パン
ク等によりタイヤの内圧が低下した場合にも継続して走
行を可能とするいわゆるランフラット性能を有するタイ
ヤが求められている。
【0003】この種のタイヤでは、従来、例えばタイヤ
内部に弾性体などからなる中子状の支持体を装着した
り、あるいは、サイドウォール部の内面に高硬度のゴム
補強層を設け、これによってパンク時等に作用するタイ
ヤ荷重を支承させて縦たわみを減じ、タイヤの構造破壊
を抑制している。
【0004】しかしながら、支持体を用いるものにあっ
ては、部品点数の増加に伴い重量が増大し、かつリム組
時に支持体をセットするのに特殊な技術が必要となり、
しかも特殊リムを使うため規格変更が必要となる場合が
多い。又ゴム補強層を設けるものは、タイヤの縦たわみ
を減じるために、屈曲点となるタイヤ最大巾点近傍を中
心とした広い領域で厚肉に形成する必要があり、従っ
て、このものも大巾な重量増加を免れえず又転がり抵抗
を損ねる。又サイドウォール部の剛性アップに伴いパン
ク時にリム外れしやすくなるため、特殊リムを使うこと
が多くなる。
【0005】又これらのタイヤは、何れも縦たわみを減
じるものであるため、運転者が空気抜けに気付くことが
難しく、通常の運転感覚で高速走行を続行したり、又急
激なハンドル操作を行なった際には、時に、車体のコン
トロールを失い大事故を発生させるという危険性もあ
る。
【0006】叙上の事情に鑑み、本発明者は、ランフラ
ット性能のためには、タイヤの縦たわみの抑制ではな
く、図4に示す内圧0でのフラットな変形状態Yでの走
行におけるタイヤ破壊自体を抑制することが、通常走行
におけるタイヤ性能の維持及びランフラット走行におけ
る事故防止のために好ましいことに気付いた。
【0007】そして、この変形状態Yでのタイヤ破壊の
メカニズムについて研究を積重ねた結果、前記図4の如
く、前記変形状態Yでは、リムフランジ上端位置RFで
サイドウオール部Zが上下に折り重なって接触するた
め、走行の際には、この接触部分Jで上下の折り重なり
部Z1、Z2が強く擦り合わされて摩耗および発熱を始
める。他方、タイヤ外面側では、前記接触部分Jの上方
位置でタイヤ外面が路面に引きずられ摩耗および発熱を
始める。
【0008】そして、この摩耗および発熱等によりタイ
ヤ内腔面側およびタイヤ外面側のゴムが摩滅したり剥離
することでカーカスがむき出し状態となり、カーカス同
士、あるいはカーカスと路面とが直接すり合わされてカ
ーカスコードが破断する致命的ダメージに至らしめるこ
とが判明した。
【0009】そして、このメカニズムに基づくタイヤ破
壊を抑制するためには、カーカス同士、あるいはカーカ
スと路面とが接触しにくくすることが必要であり、最も
簡便な手段として、カーカス下のゴム厚さをある程度確
保したうえで、カーカスと路面との間に介在するゴムの
強度アップを図ることで、タイヤ破壊に到るまでの走行
距離を大巾に向上しうることを究明し得た。
【0010】すなわち本発明は、前記接触部分でのカー
カス下のゴムを所定範囲で厚くし、かつ接触部分上方の
タイヤ外面に所定の複素弾性率を有する高弾性のゴム層
を設けることを基本として、運転者に空気抜けをタイヤ
変形によって認識させうるとともに、一般リムの使用を
可能とし、しかもタイヤ重量、転がり抵抗、リム着脱性
等の諸性能を損ねることなく、ランフラット性能を向上
しうるタイヤとリムの組立体の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、空気入りタイヤと、そのビード部を着座
したリムとからなるタイヤとリムの組立体であって、前
記空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部
をへてビード部のビードコアに至るカーカスを具え、か
つ標準測定内圧を充填した測定内圧充填状態におけるタ
イヤ子午線断面において、前記リムのリムシート面とフ
ランジ面とが交わるビードヒール点を通り半径方向にの
びるヒール点半径線がトレッド部側においてタイヤ内腔
面と交差する上交差点aにおけるタイヤ外面の最近点A
Tまでのタイヤ厚さWaと、上交差点aからカーカスの
内面の最近点ACまでのゴム厚さwaとの比wa/W
a、及びヒール点半径線がビード部側でタイヤ内腔面と
交差する下交差点bにおけるタイヤ外面の最近点BTま
でのタイヤ厚さWbと、下交差点bからカーカスの内面
の最近点BCまでのゴム厚さwbとの比wb/Wbをそ
れぞれ0.20〜0.65とするとともに、前記タイヤ
外面において少なくとも前記最近点ATを含む上方領域
LAは、複素弾性率(単位:Mpa)が7.0以上かつ
13.0以下のゴム層により形成されたことを特徴とし
ている。
【0012】なお、ランフラット性能の向上をより確実
に達成するためには、前記上方領域LAとして、前記最
近点ATを中心としてタイヤ外面に沿いトレッド部側に
下記の(1)式で表す距離LA1を離れる点A1と、ビ
ード部側に(2)式で表す距離LA2を離れる点A2と
の間の範囲とすることが好ましい。 0.30・Kab≦LA1≦0.65・Kab … (1) 0.20・Kab≦LA2≦0.30・Kab … (2) ここでKabは、上交差点aと下交差点bとの間の半径
方向の高さH、及び上交差点aと下交差点bと間の高さ
中間点eにおける前記ヒール点半径線からのタイヤ内腔
面までの長さMから下記の(3)式で求める。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (3)
【0013】又前記上方領域LAでのゴムの強度アップ
およびカーカスへの保護効果をより高めるためには、前
記ゴム層を、損失係数tanδが0.035〜0.18
のゴムとすることが好ましく、又その厚さを1.5〜
5.0mmとするのがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、リムに装着されかつ標
準測定内圧が充填した測定内圧充填状態の空気入りタイ
ヤ1とリム10の組立体の子午線断面を示している。な
お前記「標準測定内圧」とは、タイヤが基づいている規
格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めて
いる空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、T
RAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD I
NFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであ
れば "INFLATION PRESSURE" である。又乗用車用タイヤ
の場合は180KPaである。
【0015】図において空気入りタイヤ1(以下タイヤ
1という)は、本例では、タイヤサイズが185/60
R14の乗用車用ラジアルタイヤであって、トレッド部
2と、このトレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方
にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォー
ル部3の内方端に位置するビード部4とを具える。
【0016】なおリム10は、JATMA等の規格で定
まる、本例では乗用車用の5°深底リムであって、前記
ビード部4の底面を受けるリムシート面10Aと、ビー
ド部4の外側面を受けるフランジ面10Bとを形成して
いる。なおリム10は、前記リムシート面10Aとフラ
ンジ面10Bとが交わるビードヒール点11を通り半径
方向にのびるヒール点半径線11L、11L間の距離を
もって適用リムのリム巾としている。
【0017】又タイヤ1には、前記ビード部4、4間に
カーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の
外側かつトレッド部2内方には強靭なベルト層7が、又
カーカス6の内側には充填内圧を気密に保持するインナ
ーライナ12が配される。
【0018】前記カーカス6は、前記トレッド部2から
サイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5の
廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返される少なくと
も1枚、本例では1枚のカーカスプライから形成され
る。このカーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して75
〜90度の角度で配列するカーカスコードを有し、該カ
ーカスコードとして、ナイロン、レーヨン、ポリエステ
ルなどの有機繊維コードが好適に採用できる。
【0019】又カーカス6のプライ本体6Aとその両側
の折返し部6Bとの間には、前記ビードコア5からタイ
ヤ半径方向外側に向かって立上がるビードエーペックス
ゴム8が充填され、タイヤ横溝剛性を高めている。
【0020】又前記ベルト層7は、1枚以上、乗用車用
タイヤでは通常2枚のベルトプライ7a、7bからな
り、トレッド部2のほぼ全巾をタガ効果を有して補強す
るとともに、本例では約60%の大きい偏平率を有して
タイヤを拘束している。各ベルトプライ7a、7bは、
タイヤ赤道面Cに対して0〜30度の角度で配列するベ
ルトコードを有し、このベルトコードには、スチールコ
ード、芳香族ポリアミドコードなどの高弾性材が用いら
れる。
【0021】又前記インナーライナ12は、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム等のブチル系ゴムを主成分と
したガス不透過性に優れるゴム層であり、例えば0.5
〜2.0mm程度の略均一な厚さを有してビードコア
5、5間を前記プライ本体6Aの内面に沿って配され
る。
【0022】次に、本願のタイヤ1では、前記図4に示
すように、ランフラット時にタイヤ内腔面Sが互いに接
触する前記接触部分J、及びタイヤ外面の路面接触部分
JAを集中的に補強するために、前記接触部分Jでのカ
ーカス6下のゴム厚さを所定範囲に確保したうえで、路
面接触部分JAを高弾性のゴム層20で形成している。
【0023】又本例では、前記カーカス6下のゴム厚さ
を確保するために、前記インナーライナ12の内面に、
上、下の保護ゴム層13、14を設けている。
【0024】前記上の保護ゴム層13は、タイヤの前記
測定内圧充填状態においてサイドウォール部3が最もタ
イヤ軸方向外側に膨出するタイヤ最大幅位置9の近傍か
ら半径方向外側にのび、これによってタイヤ内腔面Sの
うちの上方面Sa(以下タイヤ内腔上方面Saという)
を形成する。又前記下の保護ゴム層14は、前記タイヤ
最大幅位置9の近傍から半径方向内側にのび、これによ
ってタイヤ内腔面Sのうちの下方面Sa(以下タイヤ内
腔下方面Sbという)を形成している。なお前記タイヤ
最大幅位置9の「近傍」とは、タイヤ断面高さの10%
以下の距離をタイヤ最大幅位置9から半径方向の内外に
それぞれ隔たる領域を意味する。
【0025】そして、この上、下の保護ゴム層13、1
4の形成により、前記測定内圧充填状態において、前記
ヒール点半径線11Lが前記タイヤ内腔上方面Saと交
差する上交差点aおよびタイヤ内腔下方面Sbと交差す
る下交差点bにおけるカーカス6下でのゴム厚さwa、
wbをそれぞれ高めている。
【0026】詳しくは、前記上交差点aにおけるタイヤ
外面の最近点ATまでのタイヤ厚さWaと、上交差点a
からカーカス6の内面の最近点ACまでのゴム厚さwa
との比wa/Waを0.20〜0.65の範囲に、又前
記下交差点bにおけるタイヤ外面の最近点BTまでのタ
イヤ厚さWbと、下交差点bからカーカスの内面の最近
点BCまでのゴム厚さwbとの比wb/Wbを0.20
〜0.65の範囲に高めている。
【0027】ここで、前記上、下交差点a、bは、前記
接触部分Jの基準位置であって、ランフラット時には、
この上、下交差点a、bを中心として擦れが発生する。
従って、少なくとも前記ゴム厚さwa、wbを前記範囲
まで高めることによって、カーカス6がむき出し状態と
なって直接擦り合わされるまでの走行距離を稼ぐことが
できる。
【0028】なお前記上、下の保護ゴム層13、14
は、比較的薄肉でありかつ前記タイヤ最大幅位置9近傍
で互いに離間しているため、タイヤ重量及び縦剛性を過
度に高めることがなく、通常走行における乗り心地性、
転がり抵抗等の諸性能を維持ししうるとともに、パンク
時にあっては空気抜けを運転者に認識させうる。
【0029】なお前記比wa/Wa及び比wb/Wb
が、それぞれ0.2未満では、カーカス6を摩擦及び発
熱から守る保護効果が充分に発揮されず、ランフラット
性能を向上できない。又0.65を越えるとタイヤ重
量、及び転がり抵抗が不必要に増し、通常タイヤ(非ラ
ンフラット性のタイヤ)に比して転がり抵抗等の諸性能
を損ねてしまう。従って、前記比wa/Wa及び比wb
/Wbは、0.2〜0.45が好ましい。又ビード部4
においては、時にリムライン等が形成されて肉厚となる
場合が多く、従って、下交差点bでの前記ゴム厚さwb
は、2.0mm以上とするのが良い。
【0030】なお上、下の保護ゴム層13、14は、前
記ゴム厚さwa、wbを確保するのが主目的であるた
め、インナーライナ12あるいはカーカストッピングゴ
ムと同質のゴムで形成することもできる。しかし、保護
効果の観点から、損失係数tanδが0.035以上か
つ0.18以下の低発熱ゴムで形成することが好まし
い。これにより、前記接触部分Jでの発熱による保護ゴ
ム層13、14自体の劣化、あるいはインナーライナ1
2及びカーカス6の劣化等を抑制し、保護効果を向上で
きる。なお損失係数tanδが0.035未満では、ゴ
ムが軟質となり保護効果が充分に達成されず、逆に0.
18を越えると、発熱し易くゴムの熱劣化を抑制し得な
い。従って損失係数tanδは、より好ましくは、0.
05以上かつ0.15以下である。
【0031】さらに上、下の保護ゴム層13、14とし
ては、耐カット性、耐摩耗性等の機械的強度に優れるゴ
ムが好ましく、そのために複素弾性率(単位:Mpa)
が7.0以上かつ13.0以下のものが好適に使用でき
る。なお、通常インナーライナ12の複素弾性率が3.
5Mpa程度、又カーカストッピングゴムの複素弾性率
が4.2Mpa程度であることから、前記範囲とするこ
とにより、機械的強度が増し、高い保護効果が得られる
のが理解できる。なお7.0未満ではゴムの補強性が小
さく、又13.0を越えると、歪みが大きくなり転がり
抵抗を悪化させる。ここで、前記損失係数tanδ及び
複素弾性率は、岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータ
を用いて温度70℃、周波数10Hz、動歪率2%の条
件下で測定した時の値である。
【0032】他方、本願発明者の実験の結果、前記接触
部分Jの接触位置は、実際には、路線変更、旋回時等に
おける横力の影響等を受けて、前記上交差点aを中心と
した内腔面上方領域La、及び前記下交差点bを中心と
した内腔面下方領域Lbでバラ付くことが判明した。
【0033】従って、カーカス6への保護効果をより確
実に達成するためには、図2に示すように、前記内腔面
上方領域Laと内腔面下方領域Lbとの双方において、
この各領域La、Lbでの任意の位置iにおけるタイヤ
外面の最近点ITまでのタイヤ厚さWiと、前記位置i
でのカーカスの内面の最近点ICまでのゴム厚さwiと
の比wi/Wiを、それぞれ前記0.20〜0.65の
範囲とすることが好ましい。
【0034】ここで、前記内腔面上方領域Laとは、前
記上交差点aを中心としてタイヤ内腔上方面Saに沿い
トレッド部2側に下記の(4)式で表す距離La1を離
れる点a1と、ビード部側に(5)式で表す距離La2
を離れる点a2との間の領域を意味する。又前記内腔面
下方領域Lbは、前記下交差点bを中心としてタイヤ内
腔下方面Sbに沿いトレッド部2側に下記の(6)式で
表す距離Lb1を離れる点b1と、ビード部4側に
(7)式で表す距離Lb2を離れる点b2との間の領域
を意味する。
【0035】なお前記(4)〜(7)式は、以下の如く
である。 0.40・Kab≦La1≦0.75・Kab … (4) 0.20・Kab≦La2≦0.30・Kab … (5) 0.40・Kab≦Lb1≦0.65・Kab … (6) 0.20・Kab≦Lb2≦0.30・Kab … (7) 又式中のKabは、前記上交差点aと下交差点bとの間
の半径方向の高さH、及び前記上交差点aと下交差点b
との間の高さ中間点eにおける前記ヒール点半径線11
Lからのタイヤ内腔面Sまでの長さMから下記の(3 )
式で求めたものである。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (3)
【0036】このKabは、図3に略示するように、前
記上、下交差点a、b間のタイヤ内腔面Sを、前記上、
下交差点a、b及びその中点mを通る単一円弧S0とし
て近似して捉えたときの、前記タイヤ内腔面Sに沿う
上、下交差点a、b間の距離に相当する。
【0037】このように、前記内腔面上方領域Laと内
腔面下方領域Lbとの各位置iにおいて、前記比wi/
Wiを0.20〜0.65とすることにより、ランフラ
ット時に実際に接触する恐れのある部位を前記上、下の
保護ゴム層13、14によって保護でき、ランフラット
性能の向上をより確実化しうる。なお各距離La1、L
a2、Lb1、Lb2が、それぞれKabの0.4倍、
0.2倍、0.4倍、0.2倍より小の時、カーカスへ
の保護効果が少なくなり、逆に0.75倍、0.30
倍、0.65倍、0.30倍を越えると、不必要な重量
増加および転がり抵抗の低下などを招くこととなる。
【0038】なお、本願では上、下の保護ゴム層13、
14は、カーカス6とインナーライナ12との間に形成
することもできる。又前記ゴム厚さwa、wbを確保す
るため、カーカストッピングゴムあるいはインナーライ
ナ12自体を局部的に厚肉に形成し、このカーカストッ
ピングゴムあるいはインナーライナ12自体によって
上、下の保護ゴム層13、14を構成させても良い。
【0039】次に、本願のタイヤでは、前記路面接触部
分JAを集中的に補強するため、前記タイヤ外面上の最
近点ATを含む上方領域LAに、補強用のゴム層20を
形成している。なお最近点ATは、前記路面接触部分J
Aの基準位置であって、ランフラット時には、この最近
点ATを中心とした上方領域LAで擦れが発生する。従
って、該上方領域LAが、前記路面接触部分JAに相当
する。
【0040】前記ゴム層20は、複素弾性率(単位:M
pa)を7.0以上かつ13.0以下とした高弾性ゴム
からなり、ゴム強度及び耐摩耗性を高めることによっ
て、路面との擦れ等に対する補強効果を高めている。な
お複素弾性率が7.0MPa未満では必要な補強効果が
発揮されず、逆に13.0MPaを越えると、歪みが大
きくなり転がり抵抗が過度に悪化する。
【0041】又前記ゴム層20は、低発熱性を有するこ
とが、カーカス保護のために好ましく、特に損失係数t
anδが0.035〜0.18の低発熱ゴムが好適に用
いうる。これにより、前記路面接触部分JAでの発熱に
よるゴム層20自体の劣化、あるいはトレッドゴムおよ
びカーカス6の劣化等を抑制し、保護効果を向上でき
る。なお損失係数tanδが0.035未満では、ゴム
が軟質となり保護効果が充分に達成されず、逆に0.1
8を越えると、発熱し易くゴムの熱劣化を抑制し得な
い。従って損失係数tanδは、より好ましくは、0.
05以上かつ0.15以下である。
【0042】又充分な補強、保護効果を得るためには、
前記ゴム層20の厚さは、1.5〜5.0mmの範囲とす
るのが好ましい。1.5mm未満では補強、保護効果に劣
り、5.0mmを越えると、転がり抵抗の不必要な低下を
招く。
【0043】ここで前記上方領域LAは、前記最近点A
Tを中心としてタイヤ外面に沿いトレッド部2側に下記
の(1)式で表す距離LA1を離れる点A1と、ビード
部4側に(2)式で表す距離LA2を離れる点A2との
間の領域であり、本発明者の実験の結果、主にこの領域
内で擦れが発生することが究明された。なお式中のKa
bは、前述の如く前記式(3)で定まるタイヤ内腔面S
に沿った上、下交差点a、b間の距離の近似値である。 0.30・Kab≦LA1≦0.65・Kab … (6) 0.20・Kab≦LA2≦0.30・Kab … (7)
【0044】なお各距離LA1、LA2が、それぞれK
abの0.3倍、0.2倍より小の時、カーカスへの補
強、保護効果が少なくなり、逆に0.65倍、0.30
倍を越えると、不必要な転がり抵抗の低下を招くことと
なる。
【0045】
【実施例】図1に示す構造をなすタイヤを表1の仕様に
基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ重量、
転がり抵抗性能、ランフラット性能をそれぞれ比較し
た。
【0046】なお表中、従来例1は、サイドウォール部
内面に高硬度のゴム補強層を設けて縦たわみを減じた従
来のランフラットタイヤ、従来例2は、非ランフラット
性の通常タイヤである。又実施例1〜3、比較例1〜2
は、それぞれインナーライナ内面に、上下の保護ゴム層
を形成したものを用いている。
【0047】・タイヤ重量:試供タイヤ1本当たりの重
量を測定し、従来例2を100とする指数で表示してい
る。指数は小さい方が良好である。 ・転がり抵抗性能:転がり抵抗試験機を用い、各試供タ
イヤをJATMA等の規格で定まる市販の適用リムに装
着し、標準測定内圧(180kPa)、速度(80km/
h)、荷重(415kgf)で転がり抵抗を測定し、従来
例2を100とする指数で表示している。指数は小さい
方が良好である。 ・ランフラット性能:前記試供タイヤを、前記適用リム
にリム組みし、内圧0kPaの状態で乗用車(FR車)
に装着して直進時(50km/h)、旋回時(40km
/h)の速度でテストコースを走行させ、タイヤが破壊
するまでの走行距離(km)で比較した。
【0048】
【表1】
【0049】表1のように、実施例のタイヤは、非ラン
フラット性の通常タイヤ(従来例2)と略同程度のタイ
ヤ重量、転がり抵抗性能等の諸性能を維持しながら、ラ
ンフラット性能を大巾に向上しうるのが確認できた。
【0050】
【発明の効果】本発明のタイヤとリムの組立体は叙上の
如く構成し、ランフラット時にタイヤ内腔面間で互いに
接触する部分及び路面と接触する部分を集中的に強化し
ているため、運転者に空気抜けをタイヤ変形によって認
識させうるとともに、一般リムの使用を可能とし、しか
もタイヤ重量、転がり抵抗、リム着脱性等の諸性能を損
ねることなく、ランフラット性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤとリムの組立体の断
面図である。
【図2】その内腔面上方領域及び内腔面下方領域を説明
する断面図である。
【図3】式(1) 〜(2) 及び式(4) 〜(7) で用いる係数K
abを説明する線図である。
【図4】タイヤの内圧0での変形状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 空気入りタイヤ 2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 10 リム 10A リムシート面 10B フランジ面 20 ゴム層 11 ビードヒール点 11L ヒール点半径線 S タイヤ内腔面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気入りタイヤと、そのビード部を着座し
    たリムとからなるタイヤとリムの組立体であって、 前記空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール
    部をへてビード部のビードコアに至るカーカスを具え、
    かつ標準測定内圧を充填した測定内圧充填状態における
    タイヤ子午線断面において、 前記リムのリムシート面とフランジ面とが交わるビード
    ヒール点を通り半径方向にのびるヒール点半径線がトレ
    ッド部側においてタイヤ内腔面と交差する上交差点aに
    おけるタイヤ外面の最近点ATまでのタイヤ厚さWa
    と、上交差点aからカーカスの内面の最近点ACまでの
    ゴム厚さwaとの比wa/Wa、及びヒール点半径線が
    ビード部側でタイヤ内腔面と交差する下交差点bにおけ
    るタイヤ外面の最近点BTまでのタイヤ厚さWbと、下
    交差点bからカーカスの内面の最近点BCまでのゴム厚
    さwbとの比wb/Wbをそれぞれ0.20〜0.65
    とするとともに、 前記タイヤ外面において少なくとも前記最近点ATを含
    む上方領域LAは、複素弾性率(単位:Mpa)が7.
    0以上かつ13.0以下のゴム層により形成されたこと
    を特徴とするタイヤとリムの組立体。
  2. 【請求項2】前記上方領域LAは、前記最近点ATを中
    心としてタイヤ外面に沿いトレッド部側に下記の(1)
    式で表す距離LA1を離れる点A1と、ビード部側に
    (2)式で表す距離LA2を離れる点A2との間の領域
    であることを特徴とする請求項1記載のタイヤとリムの
    組立体。 0.30・Kab≦LA1≦0.65・Kab … (1) 0.20・Kab≦LA2≦0.30・Kab … (2) ここでKabは、上交差点a、下交差点b間の半径方向
    の高さH、上交差点a、下交差点b間の高さ中間点eに
    おける前記ヒール点半径線からのタイヤ内腔面までの長
    さMから下記の(3)式で求める。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (3)
  3. 【請求項3】前記上方領域LAは、損失係数tanδが
    0.035以上かつ0.18以下のゴムからなることを
    特徴とする請求項1又は2記載のタイヤとリムの組立
    体。
  4. 【請求項4】前記上方領域LAは、厚さが1.5〜5.
    0mmであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    タイヤとリムの組立体。
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