JPH11327108A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH11327108A
JPH11327108A JP13532598A JP13532598A JPH11327108A JP H11327108 A JPH11327108 A JP H11327108A JP 13532598 A JP13532598 A JP 13532598A JP 13532598 A JP13532598 A JP 13532598A JP H11327108 A JPH11327108 A JP H11327108A
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JP
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transport
roller
photosensitive material
rollers
processing
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JP13532598A
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English (en)
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Koji Ito
宏治 伊藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料を複数列搬送する場合でも処理液外
のターン部での搬送性能を向上する。 【解決手段】 各処理槽の上部であって処理液外の印画
紙Cの搬送経路上に、印画紙Cの搬送方向をU字状に変
化させるクロスオーバ部36が位置する。クロスオーバ
部36内であってそれぞれ各処理槽に対して印画紙Cの
搬送方向上流側及び下流側の処理液外の部分には、印画
紙Cの案内をするガイド材だけでなく、それぞれ軟質表
面を有するSEBS系エラストマで形成される一対のソ
フトフラットローラからなる搬送ローラ42が配置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料の搬送性
能を向上し得る感光材料処理装置に係り、例えば、プリ
ンタプロセッサなどに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動現像機である感光材料処理
装置(例えば、プリンタプロセッサなど)には、発色現
像、漂白定着、水洗及び安定などの処理液や水の入った
複数の処理槽が設置されており、例えば印画紙等の感光
材料がこれら複数の処理槽を順に搬送されることで、こ
の感光材料が現像処理される。
【0003】つまり、それぞれ複数のローラからなる搬
送ローラを多数設置した処理ラックが各処理槽にそれぞ
れ挿入されており、現像処理に際してこれら搬送ローラ
が感光材料を挟持して感光材料を搬送していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、シート状の感
光材料を搬送ローラを用いて同時に複数列で搬送させる
複数列搬送の場合、各列の感光材料にかかるニップ荷重
は小さくなり、単列搬送時に比べて個々の感光材料に作
用する搬送力は小さくなる。この為、複数列搬送時に
は、感光材料のエッジの傷み及びジャミングの原因とな
る感光材料の蛇行が大きくなったり、各搬送列内や各搬
送列間で感光材料の搬送速度が相違する搬送量のばらつ
きが大きくなったりして、不安定な搬送性能を示すよう
になる。
【0005】この一方、シート状の感光材料を複数の搬
送ローラで順次挟持して搬送する場合、搬送されるのに
伴って、感光材料が搬送ローラによりしごかれる回数が
非常に多くなるため、感光材料のエッジが傷むようにな
る。この為、このエッジ傷みによる処理液の感光材料内
へのしみ込み等の支障が生じるおそれを有していた。従
って、これを回避するべく、いぼ状突起を表面に有する
いぼローラを搬送ローラとして用いてしごき量を小さく
することが考えられる。
【0006】しかし、いぼローラを用いて感光材料を搬
送する場合、感光材料といぼローラとの接触がいぼ状突
起の先端部のみでの接触となるため、接触面積が低下し
て搬送抵抗に対し十分にマージンをとることができなく
なる。この結果、搬送力が不十分となって、前述と同様
に感光材料の蛇行や搬送量のばらつきが大きくなる。
【0007】特に、処理槽の処理液外のターン部の前半
部分では、感光材料とターン部へ感光材料を導入する為
のガイド材との摩擦係数が処理液中よりも大きく、感光
材料に付着した処理液とガイド材との間に表面張力も生
じ、さらに、感光材料の搬送方向の変換に伴って感光材
料を大きく曲げるために、搬送抵抗がより一層大きくな
る。
【0008】また、処理液外のターン部の後半部分でタ
ーン直後の搬送ローラにくわえ込まれた際の搬送力が小
さい場合には、感光材料に付着した処理液とガイド材と
の間の表面張力により、同様に搬送抵抗がより一層大き
くなる。
【0009】尚、複数列搬送でも高い搬送精度等の搬送
性能が要求される理由としては、まず、同一搬送列内や
搬送列間で搬送時間に差が生じた場合、これに伴って同
一搬送列内や搬送列間で現像処理時間差が生じ、同一搬
送列内及び搬送列毎の感光材料の処理品質が異なってし
まうことが挙げられる。
【0010】さらに、複数列搬送の場合、元々一列に並
んで搬送されてきた感光材料を複数列に振り分けて複数
列でそれぞれ現像処理する形となっているものの、複数
列に並べられた感光材料を現像処理後に集積等の必要か
ら再度一列に戻す必要がある。つまり、この一列に戻す
戻し工程での感光材料の整列等の品質を確保するために
も、感光材料の蛇行や、各搬送列内や各搬送列間の搬送
時間差を小さくする必要が生じるからである。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、感光材料を複
数列搬送する場合でも搬送性能を向上し得る感光材料処
理装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1による感光材料
処理装置は、処理液が溜められた処理槽が内蔵され、こ
の処理槽内外でシート状の感光材料を挟持して搬送する
搬送ローラを有する感光材料処理装置であって、処理液
外の感光材料の搬送経路に感光材料の搬送方向を変化さ
せるターン部を有し、ターン部の直前直後に配置される
搬送ローラの少なくとも何れかがそれぞれフラットな表
面を有する複数のローラで構成され、この搬送ローラを
構成する複数のローラの内の少なくとも一つのローラ
が、シリコンゴムまたはSEBS系エラストマで形成さ
れた軟質表面を有するソフトローラとされ、この搬送ロ
ーラにより感光材料を複数列で搬送することを特徴とす
る。
【0013】請求項2による感光材料処理装置は、請求
項1の感光材料処理装置において、処理槽が相互に隣り
合って複数有ることを特徴とする。
【0014】請求項3による感光材料処理装置は、請求
項1の感光材料処理装置において、ターン部に感光材料
を導入する導入側及びターン部から感光材料を排出する
排出側にそれぞれ搬送ローラが配置されることを特徴と
する。
【0015】請求項1に係る感光材料処理装置の作用を
以下に説明する。
【0016】複数のローラからなる搬送ローラが処理液
を溜めた処理槽内外でシート状の感光材料を挟持して複
数列で搬送する。さらに、処理液外の感光材料の搬送経
路に感光材料の搬送方向を変化させるターン部が形成さ
れ、このターン部の直前直後に配置される搬送ローラの
少なくとも何れかが、それぞれフラットな表面を有する
複数のローラで構成される。また、この搬送ローラを構
成する複数のローラの内の少なくとも一つのローラが、
シリコンゴムまたはSEBS系エラストマで形成された
軟質表面を有するソフトローラとされる。
【0017】従って、処理液外のターン部の直前直後に
配置される搬送ローラの少なくとも何れかをフラット形
状のローラにすることで、いぼローラと比較して搬送力
が大きくなる。さらに、このターン部に配置される搬送
ローラを構成する複数のローラの内の少なくとも一つの
ローラの材質が、高い摩擦係数を示すシリコンゴムまた
はSEBS系エラストマで形成された軟質表面を有する
ソフトローラとされることで、搬送ローラと感光材料と
の間の摩擦力が高まって、搬送力が大きくなる。
【0018】この為、シート状の感光材料を複数列搬送
する際における感光材料の蛇行及び搬送量のばらつきを
小さくして、搬送性能を向上することができる。
【0019】この結果として、感光材料の搬送精度の向
上、感光材料の処理品質の安定化及び、感光材料の整列
等の品質の安定化を図ることが可能とされる。
【0020】請求項2に係る感光材料処理装置の作用を
以下に説明する。
【0021】本請求項も請求項1と同様な構成を有して
同様に作用する。但し、本請求項では、処理槽が相互に
隣り合って複数有るという構成を有する。
【0022】つまり、複数の処理槽が相互に隣り合って
配置されているので、ターン部において小さな曲率半径
で感光材料の搬送方向が変化されるようになって搬送抵
抗が大きくなるものの、請求項1の搬送ローラを用いる
ことで、十分な搬送力が確保されて、感光材料の蛇行及
び搬送量のばらつきを小さくすることができる。この結
果として、複数の処理槽を相互に隣り合って配置できる
ようになって、感光材料処理装置のコンパクト化を図る
ことができる。
【0023】請求項3に係る感光材料処理装置の作用を
以下に説明する。
【0024】本請求項も請求項1と同様な構成を有して
同様に作用する。但し、本請求項では、ターン部に感光
材料を導入する導入側及びターン部から感光材料を排出
する排出側にそれぞれ搬送ローラが配置されるという構
成を有する。
【0025】つまり、ターン部の直前部分であるターン
部の導入側及びターン部の直後部分であるターン部の排
出側にそれぞれ配置された搬送ローラがそれぞれ請求項
1の構成を有しているので、感光材料に付着した処理液
とガイド材との間の表面張力等により搬送抵抗が大きく
なっても、十分な搬送力が確保されることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態に係る感光
材料処理装置を図に基づき説明する。
【0027】図1には、本実施の形態の感光材料処理装
置であるプリンタプロセッサ10の概略全体構成斜視図
が示されている。
【0028】このプリンタプロセッサ10は、プリンタ
部12とプロセッサ部14とを備えており、プリンタ部
12は、ネガキャリア16にセットされたネガフィルム
Nの画像を感光材料である印画紙Cに焼き付け、プロセ
ッサ部14へと搬送するようになっている。
【0029】尚、ロール状となっている印画紙Cがプリ
ンタ部12に装填されるが、処理の都合上からプリンタ
部12においてシート状に切断され、この切断された状
態で、一列で搬送されつつ焼き付け処理される。そし
て、プリンタ部12とプロセッサ部14との間の処理速
度の相違から、シート状の印画紙Cが図示しない振り分
け装置で複数列に振り分けられて、プロセッサ部14側
に搬送される。
【0030】図2に示すように、プロセッサ部14に
は、現像槽22、漂白定着槽24、第1水洗槽26、第
2水洗槽28、第3水洗槽30、第4水洗槽32及び乾
燥部(図示せず)が設けられており、プリンタ部12か
ら搬送された印画紙Cを現像処理するようになってい
る。
【0031】つまり、プロセッサ部14内には、それぞ
れ処理槽である現像槽22、漂白定着槽24、第1水洗
槽26、第2水洗槽28、第3水洗槽30及び第4水洗
槽32が直列に配置され、現像液、漂白定着液、水洗水
等の印画紙Cを処理する各処理液が所定量充填されてい
る。そして、シート状の印画紙Cを挟持して複数列で順
次搬送し得るように、それぞれ複数のローラから構成さ
れる複数組の搬送ローラが、回転可能に図示しない処理
ラックに支持されており、この処理ラックがこれら処理
槽内にそれぞれ設置されている。
【0032】この為、図示しない駆動源から伝達される
駆動力によって搬送ローラを回転して印画紙Cを複数列
で搬送することにより、各処理槽内にシート状の印画紙
Cがそれぞれ連続して入れられて現像処理されるように
なる。
【0033】具体的には、図2に示すように、各処理槽
の上部であって処理液外の印画紙Cの搬送経路上に、印
画紙Cの搬送方向をU字状に変化させるターン部である
クロスオーバ部36が位置する構造となっている。
【0034】このクロスオーバ部36内であってそれぞ
れ処理液を溜めた各処理槽に対して印画紙Cの搬送方向
上流側及び下流側の処理液外の部分には、印画紙Cの案
内をする図示しないガイド材だけでなく、それぞれ直径
20mmの一対のソフトフラットローラからなるクロスオ
ーバ部36用の搬送ローラ42が配置されている。
【0035】現像槽22の処理液内には、7組の搬送ロ
ーラ44が上下方向に沿って並んで配置されている。さ
らに、これら7組の搬送ローラ44は、直径30mmのソ
フトフラットローラ及びこの直径30mmのソフトフラッ
トローラの両側にそれぞれ直径20mmでポリフェニレン
エーテル(以下単にPPEという)製の一対のハードフ
ラットローラがそれぞれ配置される形となっている。
【0036】そして、この中央に位置する直径30mmの
ソフトフラットローラは、硬度60°以下で45°以上
の軟質表面を有するSEBS系エラストマで形成されて
いる。但し、この中央のソフトフラットローラはシリコ
ンゴム製であっても良く、また、搬送ローラ44を構成
する3つのソフトフラットローラの表面はそれぞれ平滑
で平均表面粗さは3.2μm以下とされる。
【0037】この現像槽22の最下端部には、印画紙C
の搬送方向を変更する為のそれぞれ一対のローラからな
る入口ターン側搬送ローラ46及び出口ターン側搬送ロ
ーラ48が配置されている。この内の出口ターン側搬送
ローラ48の一方のローラが串状にPPEで形成された
直径20mmのハード串形ローラとなっており、このロー
ラ以外のローラが直径20mmのソフトフラットローラに
より形成されている。
【0038】一方、漂白定着槽24の処理液内には、現
像槽22内と同様に7組の搬送ローラ44が並んで配置
されている。但し、この内の最上部の搬送ローラ44は
現像槽22の搬送ローラと同様の構成とされるものの、
上から2番目以降の搬送ローラ44としては、直径30
mmのソフトフラットローラの替わりに直径30mmのハー
ドフラットローラを採用し、また、一対の直径20mmの
ハードフラットローラの替わりに、硬度60°以下の軟
質表面を有し且つローラの表面にいぼ状の突起を有した
直径20mmのソフトいぼ付ローラを採用するという相違
を現像槽22に対して有している。
【0039】そして、漂白定着槽24の最下端部には、
現像槽22内と同様の入口ターン側搬送ローラ46及び
出口ターン側搬送ローラ48が配置されている。
【0040】さらに、第1水洗槽26から第4水洗槽3
2までの水洗水内には、3組の搬送ローラ44が上下方
向に沿って並んで配置されている。この内の最上部の搬
送ローラ44は現像槽22の搬送ローラ44と同様の構
成とされており、他の2組の搬送ローラ44は漂白定着
槽24の上から2番目以降の搬送ローラ44と同様の構
成とされている。
【0041】尚、複数組の搬送ローラ44の内の最上部
に位置する組であって、各処理槽に対して印画紙Cの搬
送方向下流側の搬送ローラ44の部分(図2において搬
送ローラ44の右側寄りの部分)がクロスオーバ部36
に印画紙Cを導入する導入側とされ、処理槽に対して印
画紙Cの搬送方向上流側の搬送ローラ44の部分(図2
において搬送ローラ44の左側寄りの部分)がクロスオ
ーバ部36から印画紙Cを排出する排出側とされる。
【0042】また、第1水洗槽26から第4水洗槽32
まで処理槽の最下端部には、現像槽22内と同様の入口
ターン側搬送ローラ46及び出口ターン側搬送ローラ4
8が配置されている。但し、第2水洗槽28及び第3水
洗槽30の出口ターンは直径20mmのソフトフラットロ
ーラと直径20mmのハード串形ローラとの組み合わせと
なっている。
【0043】従って、印画紙Cは、図2に示すように搬
送ローラ44に挟持されて各処理槽内を下方向に搬送さ
れた後、入口ターン側搬送ローラ46及び出口ターン側
搬送ローラ48で搬送方向を変えられて、上方向に搬送
ローラ44で搬送されるようになる。さらに、処理槽内
から排出されると、クロスオーバ部36の搬送ローラ4
2により挟持されつつ印画紙Cの搬送方向が変化されて
次の処理槽に送り込まれ、次の処理槽内で同様に搬送さ
れることになる。
【0044】他方、搬送ローラ44のニップ圧は例えば
約370gfとされ、入口ターン側搬送ローラ46のニ
ップ圧は例えば約1660gfとされ、出口ターン側搬
送ローラ48のニップ圧は例えば約310gfとされ、
クロスオーバ部36の搬送ローラ42のニップ圧は例え
ば約1400gfとされている。
【0045】ここで、搬送ローラ面長が230mm以上で
360mm以下、搬送ローラ44のニップ圧が170gf
以上で560gf以下、入口ターン側搬送ローラ46の
ニップ圧が1300gf以上で2050gf以下、出口
ターン側搬送ローラ48のニップ圧が170gf以上で
580gf以下、クロスオーバ部36用の搬送ローラ4
2のニップ圧が550gf以上で1700gf以下の範
囲において、表面硬度60°以下のSEBS系エラスト
マは、蛇行防止、搬送精度に対し極めて高い効果を示
す。
【0046】また、それぞれ軟質表面のソフトローラを
形成する図3に示すソフトフラットローラ及び図4に示
すソフトいぼ付ローラは、金属パイプ52の周りを樹脂
パイプ54が覆い、この樹脂パイプ54の外周をエラス
トマ層56が被覆する構造となっている。
【0047】さらに、これらソフトフラットローラ及び
ソフトいぼ付ローラを形成する樹脂パイプ54の材質と
してはPPE(三菱エンジニアリングプラスチックス製
の商品名ユピエース)を採用し、金属パイプ52の材質
としてはステンレス鋼の一種であるSUS316を採用
し、エラストマ層56の材質としてはSEBS(水添S
BS)系エラストマ(三菱化学製の商品名ラバロン)を
採用した。
【0048】尚、ソフトフラットローラとしては図5に
示すように金属パイプ52の無い構造のもの、また、ソ
フトいぼ付ローラとしても図6に示すように金属パイプ
52の無い構造のものが考えられる。
【0049】次に、本実施の形態に係る搬送ローラの材
質を決定する為の試験結果及び算出結果を説明する。
【0050】まず、各処理液中での3種類のソフトロー
ラと印画紙Cとの間の動摩擦係数を実験より求め、この
結果を表1に表す。また、この実験結果より、従来から
使用されているオレフィン系エラストマ製のローラの動
摩擦係数よりシリコンゴム製のローラ及びSEBS系エ
ラストマ製のローラの動摩擦係数が高いことが判明し、
さらに、現像液中での動摩擦係数が最も低いことが判明
したため、ここでは現像液内での現象についてついて説
明する。
【0051】
【表1】 さらに、実験より求めた動摩擦係数μ及び予め定められ
た所定のニップ力Nを基にして、単列搬送、2列搬送、
3列搬送における各シート状の印画紙Cの一枚当たりの
搬送力Fを下記の数1の算出式よりそれぞれ求めること
ができる。
【0052】尚、ここで用いられる搬送ローラは全て、
印画紙Cの露光面側である乳剤面側にソフトローラを対
向させ、印画紙Cのバック面にPPE製のハードローラ
を対向させるローラの組み合わせとした。
【0053】
【数1】 搬送力F(gf)=μ・N(gf)÷(搬送列数) この数1の算出式より求めた搬送力の値をグラフとした
ものが、下記の表2である。
【0054】
【表2】 ここでソフトローラであるオレフィン系エラストマロー
ラについては搬送力を実測しており、算出値とこの実験
値がほぼ一致した。この為、その他の算出値はすべて妥
当性があると判断できる。
【0055】オレフィン系エラストマローラ、シリコン
ゴムローラ及びSEBS系エラストマローラによる単列
搬送の場合、動摩擦係数による搬送力の差は存在する
が、搬送力の絶対値が高く搬送抵抗に対し十分なマージ
ンを有する。このため、印画紙Cの蛇行、搬送量のばら
つきといった搬送性能上におけるローラの材質による優
位差はない。
【0056】一方、2列搬送或いは3列搬送といった複
数列搬送の場合、搬送力が単列搬送時の1/2、1/3
となり、搬送力の絶対値が低下する。特に、搬送抵抗が
大きいために、より大きな搬送力が必要で大きなニップ
力(例えば約1660gf)を必要とする入口ターン側
搬送ローラ46では、動摩擦係数差に起因したローラの
材質間での搬送力差が顕著に生じ、単列搬送時には問題
の無かったオレフィン系エラストマローラで搬送力不足
が生じてくる。
【0057】その結果、搬送時間の測定データを表す表
3、表4に示すような搬送精度の差となって現れてく
る。
【0058】
【表3】 表3に示すように、3列搬送時には、シリコンゴムロー
ラ及びSEBS系エラストマローラと比較して、オレフ
ィン系エラストマローラは各搬送列間の搬送時間差も大
きく、各搬送列内における時間ばらつきも多い。
【0059】尚、表3において、各列の×と×との間の
距離が大きい程、時間ばらつきが大きいことを表し、ま
た、各搬送列間の搬送時間差は3つの列の内の中央列を
基準とした。
【0060】
【表4】 また、表4に示すように、2列搬送時には、各搬送列間
の搬送時間差に優位差はないが、やはりオレフィン系エ
ラストマローラでは各搬送列内における時間ばらつきが
大きい傾向にある。尚、各搬送列間の搬送時間差は左列
を基準として表4を作成した。
【0061】ここで2列搬送と3列搬送との間でこのよ
うに差が生じるのは、2列搬送の搬送力が3列搬送の搬
送力よりも絶対値が大きく、搬送抵抗に対して若干余裕
が有るためと考えられる。
【0062】一方、オレフィン系エラストマローラ、シ
リコンゴムローラ及びSEBS系エラストマローラと印
画紙Cの乳剤面との間の搬送力(「Em面タッチ」で表
す)及び、オレフィン系エラストマローラ、シリコンゴ
ムローラ及びSEBS系エラストマローラと印画紙Cの
背面との間の搬送力(「バック面タッチ」で表す)をそ
れぞれ比較した実験を行い、この実験の結果のデータを
表したグラフが、表5である。
【0063】このグラフからこれらのソフトローラと印
画紙Cの乳剤面との接触による搬送力が、これらのソフ
トローラと印画紙Cの背面との接触による搬送力より、
大きいという実験結果が読み取れる。つまり、この実験
結果より、印画紙Cの乳剤面側に対向してソフトローラ
を設置することで、印画紙Cの蛇行、搬送量のばらつき
の更なる改善が可能となる。
【0064】
【表5】 また、一対のフラットローラからなる搬送ローラ間に挟
持されて搬送される場合(「フラット&フラット」で表
す)と、一方のローラをいぼローラに代えた搬送ローラ
間に挟持されて搬送される場合(「フラット&イボ」で
表す)とで、比較した時のデータを表したグラフが、表
6である。
【0065】
【表6】 この表6より、一対のフラットローラからなる搬送ロー
ラによる搬送力が、一方のローラをいぼローラとした搬
送ローラによる搬送力より、大きいことが分かり、搬送
ローラを一対のフラットローラとすることで、印画紙C
の蛇行、搬送量のばらつきのより一層の改善が図れるこ
とになる。これに伴って、一対のフラットローラからな
る搬送ローラによる搬送は、一方のローラをいぼローラ
とした搬送ローラによる搬送と比較して、搬送精度が高
まると共に、印画紙Cの回転による搬送方向に対しての
印画紙Cの傾き量が小さくなった。
【0066】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0067】搬送ローラ42、44、46、48が、処
理液を溜めた処理槽内外でシート状の印画紙Cを挟持し
て複数列で搬送する。さらに、処理液外の印画紙Cの搬
送経路に印画紙Cの搬送方向を変化させるクロスオーバ
部36が形成され、このクロスオーバ部36の直前直後
に配置される搬送ローラ44が、それぞれフラットな表
面を有する3つのローラで構成される。
【0068】また、この搬送ローラ44を構成する3つ
のローラの内の少なくとも中央のローラが、シリコンゴ
ムまたはSEBS系エラストマで形成された軟質表面を
有するソフトローラとされる。つまり、感光材料である
印画紙Cの乳剤面に接触する側のローラが、シリコンゴ
ムまたはSEBS系エラストマで形成された軟質表面を
有するソフトローラとされる。
【0069】従って、処理液外のクロスオーバ部36の
直前直後に配置される搬送ローラ44を3つのフラット
形状のローラにすることで、表6に示すようにいぼロー
ラと比較して搬送力が大きくなる。さらに、このクロス
オーバ部36の直前直後に配置される搬送ローラ44を
構成する3つのローラの内の少なくとも中央のローラの
材質が、高い摩擦係数を示すシリコンゴムまたはSEB
S系エラストマで形成された軟質表面を有するソフトロ
ーラとされることで、表1に示すように搬送ローラ44
と印画紙Cとの間の摩擦力が高まって、表2及び表5に
示すように搬送力が大きくなる。
【0070】この為、シート状の印画紙Cを複数列搬送
する際における印画紙Cの蛇行及び搬送量のばらつきを
小さくして、搬送性能を向上することができる。
【0071】この結果として、印画紙Cの搬送精度の向
上、印画紙Cの処理品質の安定化及び、印画紙Cの整列
等の品質の安定化を図ることが可能とされる。
【0072】また、本実施の形態では、処理槽が相互に
隣り合って複数有る。つまり、複数の処理槽が相互に隣
り合って配置されているので、クロスオーバ部36にお
いて小さな曲率半径で印画紙Cの搬送方向が変化される
ようになって搬送抵抗がより大きくなるものの、搬送ロ
ーラ44の表面形状及び材質が上記のようになっている
ことで、十分な搬送力が確保されて、印画紙Cの蛇行及
び搬送量のばらつきを小さくすることができる。この結
果として、複数の処理槽を相互に隣り合って配置できる
ようになって、プリンタプロセッサ10のコンパクト化
を図ることができる。
【0073】さらに、本実施の形態では、処理槽からク
ロスオーバ部36に印画紙Cを導入する導入側及びクロ
スオーバ部36から印画紙Cを処理槽へ排出する排出側
に、それぞれ搬送ローラ44が配置されている。つま
り、導入側及び排出側に配置された搬送ローラ44の表
面形状及び材質が上記のようになっていることで、十分
な搬送力が確保されることになる。
【0074】次に、SEBS系エラストマ製のソフトフ
ラットローラの製造方法の例を説明する。
【0075】第1の例として、押出または射出成形され
た樹脂パイプの外周に、SEBS系エラストマを射出成
形し、或いは押出または射出成形されたSEBS系エラ
ストマチューブを被覆したものが考えられる。
【0076】第2の例として、押出または射出成形され
た樹脂パイプの内周にパイプ状の金属を圧入し、更にそ
れらの外周に、SEBS系エラストマを射出成形し、或
いは押出または射出成形されたSEBS系エラストマチ
ューブを被覆したものが考えられる。
【0077】第3の例として、内層に熱可塑性樹脂、外
層にSEBS系エラストマとなるよう2層押出成形した
もの、或いはこの2層押出成形したパイプの内周に、パ
イプ状の金属を圧入したものが考えられる。
【0078】第4の例として、金属パイプの外周に熱可
塑性樹脂を射出成形し、更にその外周に、SEBS系エ
ラストマを射出成形し、或いは押出または射出成形され
たSEBS系エラストマチューブを被覆したものが考え
られる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光材料
処理装置は上記の構成としたので、感光材料を複数列搬
送する場合でも搬送性能を向上することができるという
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリンタプロセッ
サの斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るプロセッサ部の断
面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る第1のソフトフラ
ットローラを示す拡大図であって、(A)は縦断面図で
あり、(B)は横断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る第1のソフトいぼ
付ローラを示す拡大図であって、(A)は縦断面図であ
り、(B)は横断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る第2のソフトフラ
ットローラを示す拡大図であって、(A)は縦断面図で
あり、(B)は横断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る第2のソフトいぼ
付ローラを示す拡大図であって、(A)は縦断面図であ
り、(B)は横断面図である。
【符号の説明】
10 プリンタプロセッサ 44 搬送ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液が溜められた処理槽が内蔵され、
    この処理槽内外でシート状の感光材料を挟持して搬送す
    る搬送ローラを有する感光材料処理装置であって、 処理液外の感光材料の搬送経路に感光材料の搬送方向を
    変化させるターン部を有し、 ターン部の直前直後に配置される搬送ローラの少なくと
    も何れかがそれぞれフラットな表面を有する複数のロー
    ラで構成され、 この搬送ローラを構成する複数のローラの内の少なくと
    も一つのローラが、シリコンゴムまたはSEBS系エラ
    ストマで形成された軟質表面を有するソフトローラとさ
    れ、 この搬送ローラにより感光材料を複数列で搬送すること
    を特徴とする感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 処理槽が相互に隣り合って複数有ること
    を特徴とする請求項1項記載の感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 ターン部に感光材料を導入する導入側及
    びターン部から感光材料を排出する排出側にそれぞれ搬
    送ローラが配置されることを特徴とする請求項1項記載
    の感光材料処理装置。
JP13532598A 1998-05-18 1998-05-18 感光材料処理装置 Pending JPH11327108A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330588A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Noritsu Koki Co Ltd 画像形成装置

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JP2006330588A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Noritsu Koki Co Ltd 画像形成装置

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